2021年も土曜日に1人で、お湯が良くて食事もおいしい宿に泊まりたい(あと半年ですけど……)
毎年1月に公開している「今年泊まりたい宿」の記事ですが、2021年はこんなタイミングで公開することになりました。
年明け早々に首都圏に緊急事態宣言発令が決まり「このタイミングで『2021年泊まりたい宿』の話をしてもね……」と思いつつ3月の宣言解除を迎え。
じゃあそろそろ旅の計画を立てようかな?と思っているうちに3度目の緊急事態宣言。
「もうこれは、いつならOKってこともないのでは?」と思い、2021年始まってだいぶ経ちますけど、せっかく47軒選んだので公開することにしました。
多くの宿はこのご時世でもがんばって営業していますし、行ける範囲内で旅を楽しむための手助けに、あるいは「落ち着いたら絶対ここに行こう!」と、妄想しつつお楽しみいただけたらと思っています。
今回も「1人で」泊まれる温泉宿に絞って、47都道府県から1軒ずつ、1番泊まりたい宿を選んでいます。
このリストはもともと私が「次の休みにどこに行こうかな?」と考えたときに、選択肢を絞りやすくするために作っているリストです。昨年もピックアップした47軒の宿の中から10軒の宿に実際に泊まりました。
平日は会社勤めの身ですので、土日を使って1泊の旅をすることが最も多いです。また、基本的に食事は宿で食べたい人なので、今回も「土曜日でも1人で、2食付きで泊まれる宿」を優先的に選んでいます。
自分のためのリストではありますが、多くの方の旅のきっかけになりましたらうれしいです。
また、手前味噌ですが、私なりの「一人旅に優しい温泉宿」の選び方については、昨年出版した著書に詳しく書いていますので、ご興味のある方は手に取っていただけたらうれしいです。
私も普段は電子書籍派なんですが、本書はやや凝ったレイアウトのページがあるため、電子版より紙の本のほうが読みやすいと感じました。迷われたときは紙の本を選んだほうが間違いないかと思います。
- 2021年も土曜日に1人で、お湯が良くて食事もおいしい宿に泊まりたい(あと半年ですけど……)
この記事は、2018年から毎年年初に公開しており、2021年は更新タイミングが遅くなりましたが今回が4回目になります。 過去3回の記事はこちらです。
2021年宿選びのテーマ
昨年は「登山とセットで楽しめる、山の近くの温泉」そして「まだ行ったことのない温泉」という2つのテーマを決めて選定していましたが、2021年は「お湯が良くて食事がおいしくて1人で泊まれる宿(できれば土曜日も!)」ということでシンプルに選びました。
私は、気に入ると同じ宿に何度でも泊まるタイプなので、泊まったことがある宿も今回は選定の対象にしています。
また、2021年も山小屋泊やテント泊は、密を避けてコロナ禍前よりも定員を減らしての営業となる可能性が高いため「登山+温泉宿」という楽しみ方は今年もおすすめしていくつもりです。
宿泊料金の表示について
「1人泊で1泊2食付きで泊まったときの最低料金」の税込価格を表示しています。なので、素泊まり、あるいは朝食のみのプランならもっと安く泊まれる場合もあります。
また「1人泊の場合は素泊まり・朝食付きのプランしか提供しない」という宿もわりと多いのですが、私自身は宿で2食食べたい人なので、今回選んだ宿はすべて1人泊でも2食付きのプランが選べる宿です。
私は、チェックインしたらもうどこにも出かけたくないので、1人で泊まるお客にも普通に夕食提供してほしいなと、切に願っています。近場に飲食店がたくさんあるような立地なら泊食分離も良いとは思うのですが、そうは言っても選択肢が多いとありがたいですよね……。
北海道・東北で一番泊まりたい宿
現時点で、7軒中6軒の宿が「休前日1人泊可能」な宿です。
また、7軒中4軒は、以前にも泊まったことがあって「またぜひ泊まりに行きたい!」と思っている宿です。
北海道:旭川旭岳温泉 湯元 湧駒荘
休前日も1人泊OK・1泊2食付き13,500円~(2020年も同じ宿を選出)
北海道は、昨年も選出した「湯元 湧駒荘(ゆこまんそう)」を今年も選びました。
北海道の山と言えば大雪山!湧駒荘は、その大雪山の主峰「旭岳」の登山口にある旭岳温泉の宿です。
登山口に近いという地の利だけではもちろんなく「硫酸塩泉」「マグネシウム-硫酸塩泉」「炭酸水素塩泉」「ナトリウム-硫酸塩泉」「ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉」という、泉質の異なる5種類の源泉を持つ宿であり、さらに食事もおいしい……との評判を聞いて昨年は選び、そして泊まってきたのですが、お湯も食事も本当にすばらしかったです!
連泊プランで2泊したんですが、料理も朝夕ともすべて変わっていて、満足度が高かったですね。
1人泊用のシングルルームがあり、ビジネスホテル仕様の部屋ですが、設備はしっかり整っていて快適に過ごせました。
旭岳に登るつもりで連泊したものの、天気がいまいちで残念ながら登れなかったので、次回は晴れたら登山したいなと思っています。
青森県:ホテルニュー下風呂
休前日も1人泊OK・1泊2食付き8,800円~(2020年は嶽温泉 山のホテルを選出)
2020年の「嶽温泉 山のホテル」には夏に宿泊してきまして、宿泊レポートを準備中です。すばらしいお宿なので早く紹介したい……。
2021年は下風呂温泉のホテルニュー下風呂を選びました。こちらの記事でもご紹介した、下北半島の先のほう、マグロで有名な大間の少し手前にある温泉地です。
下風呂温泉の2つある共同浴場「大湯」と「新湯」が2020年11月で閉業してしまうと聞き、閉業前に1度行ってみたいなと思って昨年おとずれたのです。そのときに泊まった宿が「ホテルニュー下風呂」でした。
大湯・新湯ともまた異なる、熱すぎない入りやすいお湯で、とても気に入りました。
食事も、1万円台半ばの宿泊料金では考えられない豪華さ。大間のマグロの刺身に、鮑がまるまる1個ついてきました。
朝食のイカの刺身もおいしかった……朝からお酒が飲みたくなりました。2食付き1万円以下のプランもあるのですが、下北半島のおいしい海鮮を楽しむには「1人旅海鮮味わいプラン」がおすすめです。
共同浴場は「海峡の湯」という新たな温泉施設に生まれ変わったそうですので、そちらに入りがてら、また下風呂温泉に行きたいなと思っています。ホテルニュー下風呂もそうですが、下風呂温泉は土曜日も1人で泊まれる宿が多いので、他の宿も気になりますね。ちなみに2021年5月時点で、じゃらんでは土曜日も1人泊のプランが出ています。(楽天トラベルでは1人泊のプランなし)
秋田県:泥湯温泉 奥山旅館
休前日も1人泊OK・1泊2食付き18,700円~(2020年も同じ宿を選出)
2020年に選んだ「泥湯温泉 奥山旅館」を2021年も選びました。秋田と宮城の県境近くにある山あいの秘湯宿で、「日本三大霊地」として知られる「川原毛地獄」が近くにあります。楽天トラベルで1人旅プランの設定があり、かなり人気の宿なので少し先の日程ではありますが、土曜日でも予約可能な日もありました。
2016年に火災のため建物が焼失したのですが「風呂だけでも再開してほしい」という声を受けて数ヶ月後に日帰り入浴のみ営業再開し、2019年4月に宿泊営業も再開したという、熱烈なファンが多い宿です。
過去には死亡事故が起こったこともあるほど硫化水素濃度が高く、電化製品はすぐダメになってしまうため、テレビや冷蔵庫も部屋にはないのだそう。ひたすらお湯を楽しむだけの静かな時間を過ごせそうです。
「新湯」「天狗の湯」「川の湯」という3つの源泉がそれぞれ別の浴槽に注がれ、個性の違うお湯を楽しめます。食事もなかなかおいしいようなので、気になっています。
岩手県:藤七温泉 彩雲荘
休前日も1人泊OK・1泊2食付き13200円~(2020年は松川温泉 峡雲荘を選出)
岩手県は、八幡平近くの秘湯の宿「藤七温泉 彩雲荘」を選びました。以前も何度か泊まったことがあり、かなり気に入っている宿で、土曜日も1人泊が可能です。
広い野天風呂は混浴ですが、湯浴み着・タオル巻きOKで、混浴時間帯でも入っている女性が多いです。私も、湯浴み着持参で混浴露天風呂を楽しみました。
緩やかな広い斜面のあちこちに、足元湧出の浴室が点在しているという野天風呂ですので、誰もいない浴槽を狙って入れば、女1人でも伸び伸び楽しめました。また、野天風呂の奥には衝立のある「女性専用浴槽」もありますし、短い時間帯ではありますが、混浴野天風呂全体が女性専用となるタイミングもあります。
また、宿泊者専用の露天風呂(写真右)もあり、こちらは空いていることも多いですし、晴れていれば湯に浸かりながら朝日が眺められるのだとか。
何度か泊まっていますが、私が泊まるときは早朝はいつも霧で真っ白なんですよね……まあ、山ですから仕方ない。
食事はバイキングなのですが、秘湯宿らしいメニューで私はとても好きです。天気が良ければまた、八幡平をハイキングした後に泊まりたいなと思っています。
ちなみに公共交通機関利用の場合、駅から直通のバスは盛岡駅からの「八幡平自然散策バス」あるいは秋田県の「田沢湖駅から八幡平頂上行きのバス」しかなく、本数も非常に限られています。
八幡平自然散策バスは、宿泊前後に八幡平をトレッキングするのであれば便利なバスですが、山に行かず宿に直接向かいたい方にとっては時間を持て余してしまうタイムスケジュールですので、その場合は宿の送迎バスを予約したほうが良いと思います。必ず、宿泊3日前までの予約が必要です。
山形県:小野川温泉 河鹿荘
休前日も1人泊OK・1泊2食付き25300円~(2020年あつみ温泉 かしわや旅館を選出)
昨年はあつみ温泉の宿を選出していたのですが、以前から泊まってみたいと思っていた宿が休前日も含め2食付きで1人泊可能になっていると気がついたので、今年はそちらの宿を選びました。米沢市の奥座敷とも呼ばれる、小野川温泉の河鹿荘です。
小野川温泉はとろみを感じさせるような美肌の湯で、もちろん米沢牛も楽しめるのが魅力の温泉地です。以前別のお宿に何度か宿泊していたのですが、そちらの宿が1人泊の受け入れをほぼやめてしまい、最近はご無沙汰していました。
河鹿荘さんには、趣の異なる2つの大浴場(時間帯で男女交代)と、貸切風呂(予約制で宿泊客は無料)があり、美肌の湯として名高い小野川温泉の源泉をかけ流しで楽しむことができます。
食事は個室、または個室風の食事処でいただけるとのことで、1人でも人目を気にせずにゆっくりと楽しめそうです。
画像:じゃらんnet提供
コース料理のメインはもちろん米沢牛!
メイン料理を2品選べる贅沢なコースも選択可能です。来年以降も1人で泊まれるかはわかりませんので(泊まれるとうれしいのですが……)今年のうちに行けるといいなと思っています。
宮城県:青根温泉 湯元不忘閣
平日のみ1人泊可能・1泊2食付き18150円~(2020年は新湯温泉 くりこま荘を選出)
これまで何度も泊まっている大好きな宿、青根温泉湯本不忘閣を選びました。こういうご時世なので、なくなって欲しくない大好きな宿には泊まりに行かなくては!と思い。
基本的には平日のみ1人泊可能な宿なんですが、直前に空室があれば土曜日に予約できることもあるという宿で、これまで何度か泊まった際も直前に予約して泊まっています。以前に宿泊した際に書いた記事はこちら。
伊達政宗も訪れたという歴史ある温泉地で、その当時の建物を一部生かした浴室や、蔵を改築した雰囲気ある貸切浴室などがあります。館内で湯巡りが楽しめるほど浴室の数が多く、どの浴室も雰囲気があって湯も極上!なのがたまりません。
お風呂上がりにはコーヒーやお菓子、お酒やおつまみが自由にいただける「お休み処」でのんびりするのも楽しいです。
食事は朝夕共に、雰囲気ある建物の個室食事処でいただきます。
料理も工夫されていて、季節によってかなり献立も変わりますので、何度泊まっても楽しめる宿だと思います。
福島県:会津芦ノ牧温泉 不動館小谷の湯
休前日も1人泊OK・1泊2食付き15950円~(2020年は沼尻温泉 のんびり館を選出)
昨年選出していた安達太良山麓の「沼尻温泉のんびり館」には泊まってきまして、期待以上のすばらしいお宿で、きっとまた行こう!と思っていたのですが……2021年2月より休業し、2021年5月31日で閉館となってしまいました。系列の高湯温泉、信夫温泉の宿もすべて閉館です……悲しすぎる。
2021年は、行ってみたいと思いつつ足を運べていなかった会津芦ノ牧温泉から不動館小谷の湯を選びました。芦ノ牧温泉では比較的リーズナブルに泊まれて、土曜日も2食付きで1人泊のプランがある宿です。
渓谷を眺められる露天風呂で、芦ノ牧温泉の熱いお湯をかけ流しで楽しめます。
食事は会場食ですが、朝夕共にバイキングではありません。別注料理の馬刺しがおいしそうでした。
アクセスは、最寄りの会津鉄道芦ノ牧温泉駅まで電車か、あるいは会津若松駅からバス利用となりますが、芦ノ牧温泉駅は「ねこが働く駅」として有名な駅です。
駅までは宿の送迎車で都度送迎していただけますので、せっかくなので私も、ねこが働く駅を覗いてきたいなと思っています。
関東で一番泊まりたい宿
2021年6月時点では、7軒中6軒の宿が「休前日1人泊可能」な宿です。茨城県の宿については1人泊は平日のみしかできませんが「茨城県にこんな特徴ある温泉があったんだ!」と個人的に驚いた宿なので選んでいます。
群馬県:霧積温泉 金湯館
休前日も1人泊OK・1泊2食付き12,650円~(2020年は万座温泉 万座亭を選出)
昨年選んだ万座温泉万座亭は、GoToトラベルキャンペーン中に思わぬ理由で世間の注目を集めることになり驚きました。
それが理由というわけではありませんが、2021年はもう少し静かなお宿が良いかなと思い、霧積温泉の金湯館を選びました。こちらの宿は休前日の1人泊も可能です。
群馬には谷川岳や尾瀬などへの登山がてら足を運ぶことが多いので、水上・沼田近辺の温泉に訪れることが多いのですが、こちらの宿は安中市にある一軒宿です。
湧出量は毎分300Lとかなり湯量豊富で、40度弱のぬるめのお湯をかけ流しで楽しめます。
新しい宿ではありませんが、食事はニジマスや山菜、きのこなどを使った山の宿らしいボリュームたっぷりの料理のようです。
秘湯と言っても差し支えない山の宿ですが、最寄り駅の横川駅までは事前に予約しておけば送迎してもらえるようですので、ぬる湯を楽しみに行ってみたいです。
栃木県:鬼怒川仁王尊プラザ
休前日も1人泊OK・1泊2食付き8,500円~(2020年は奥鬼怒温泉郷 八丁の湯を選出)
昨年は奥鬼怒温泉郷の「八丁の湯」を選び、秋に泊まってきましたので、今年は別の宿を。
と言いつつも、今年選んだ「鬼怒川仁王尊プラザ」も、昨年に1度泊まっている宿です。実は、それ以前から何度も日帰り入浴でお邪魔していたのですが、2019年までは1人泊の受け入れがなかったんですよね。それが、2020年から楽天トラベルで、休前日も含め「ひとり旅」プランが提供されていたので、喜びいさんで泊まりに行ってきたのです。しかも、休前日であっても2食付き8000円台の安さです!
何しろこちらの宿、お湯が本当にすばらしいんですよ!鬼怒川温泉駅よりも「東武ワールドスクエア駅」に近く、源泉も鬼怒川温泉の湯とは異なります。
かなりのぬるつきが感じられるph9.6の強アルカリ性の源泉で、とにかく湯量豊富!温度はぬるめの適温で大好きなお湯です。
こちらの写真は水着着用が義務づけられている混浴露天風呂。開放感たっぷり。
もちろん、男女別の浴室も「内湯」「露天風呂」「屋形船露天風呂」とそれぞれ3つもあります。
新しい宿ではないので、浴室も含めて施設は多少古びていますが、お湯重視なら鬼怒川温泉街の宿よりもこちらの宿だなと。
宿泊料金が安いので、食事については正直期待していなかったのですが、意外にも手が込んでいてボリュームもあり、おいしくいただけました。がんばってほしい宿ですし、現時点では休前日の予約も比較的取りやすいので、また泊まりに行きたいです。
茨城県:湯の網温泉 鹿の湯松屋
平日のみ1人泊可能・1泊2食付き11,050円~
(2020年はホテルレイクサイドつくばを選出)
昨年は「筑波山登山の前泊にも便が良さそうな温泉ホテル」ということで、ホテルレイクサイドつくばを選んでいたのですが、2021年は他にちょっと気になる宿が出てきました。
「ひなびた温泉研究所」の岩本薫さんの著書「ヘンな名湯」で「トマトジュース温泉」と称されていた、赤っぽい含鉄泉の宿「湯の網温泉 鹿の湯松屋」さんです。
茨城県にこんな特徴ある温泉が湧いているとは、これまでまったくノーチェックでした。鉱泉を湧かしているようですが……写真を見ただけでもかなり個性的なお湯のように思います。
画像:じゃらんnet提供
海まで車で10分のところにある一軒宿で「旅館というよりは田舎のおばあちゃんち」のような雰囲気の宿ですが、1泊2食付き1万円のプランでも、夕食には丸ごと一匹のきんきの塩焼き、朝食には柳がれいの塩焼きがつき、海の近くの宿らしい食事が味わえるようです。
こちらの写真は別注の「うにの貝焼き」2400円。
じゃらんでも楽天トラベルでも1人泊のプランは出ていませんが、Yahoo!トラベルでは平日のみ、1人泊のプランがあります。
千葉県:湯宿 亀山温泉ホテル
休前日も1人泊OK・1泊2食付きで19,800円~(2020年も同じ宿を選出)
2020年と同じ、君津にある亀山温泉ホテルを選出しました。チョコレート色のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉が毎分600L自噴している宿です。
源泉の温度が26.4度と低いため、浴槽内では加温・循環しているとのことなのですが、口コミを読むと「低温の源泉をそのまま楽しめる浴槽もある」とのことでしたので、加温浴槽と源泉浴槽で交互浴も楽しめそうです。
ファミリー向けの宿らしく、小さな部屋がないことから、1人泊の料金設定はやや高めではあります。とは言え休前日でも一人泊のプランが出ていますし、1人でも食事をグレードアップしたプランも選べるなど選択肢が広くて、ひとり旅にも優しい宿だなと感じました。
↑こちらの写真は「美味少量会席プラン」です。房総の新鮮な魚を姿造りにしていただけます。
東京駅から宿の近くまで高速バスも出ているそうなので(片道2200円)東京からは比較的行きやすい、穴場の温泉ではないかと思っています。
埼玉県:両神温泉 国民宿舎 両神荘
平日のみ1人泊可能・1泊2食付き9,100円~(2020年は秩父七湯 新木鉱泉旅館を選出)
昨年選出していた「新木鉱泉旅館」には宿泊して、ブログでも紹介させていただきましたので、2021年は別の宿を。
両神山の登山口から便の良い公共の宿「国民宿舎 両神荘」です。実は、以前両神山に登った帰りに日帰り入浴でお邪魔しまして、ph9.1のアルカリ性のお湯もなかなかいいし、露天風呂の雰囲気もよくてまた来たい宿だなと思っていたのです。
現時点では、すべての部屋に土曜日でも1人で泊まれますし、食事の選択肢も多く「いのしし鍋」や「深谷牛のすき焼き」「深谷牛のステーキ」などさまざまなプランから選ぶことができます。
価格帯も、食事によりますが1人でも1万円前後で泊まれるプランが多く、リーズナブルなのもうれしいポイント。ひさびさに両神山に登ってから泊まりたいなと考えています。
東京都:奥多摩の風 はとのす荘
休前日も1人泊OK・休前日1人泊16,650円(2020年は奥多摩温泉 荒澤屋旅館を選出)
2020年に選んだ奥多摩駅前の宿「荒澤屋旅館」には昨年宿泊が叶いましたので、2021年は別の宿を。
青梅線鳩ノ巣駅から徒歩5分、鳩ノ巣渓谷を見下ろす位置に立つ温泉宿です。
↑こちらは、以前私が鳩ノ巣渓谷を歩いた際に撮影した写真で、奥に見えるのがはとのす荘なのですが、全室から鳩ノ巣渓谷を眺められるというすばらしいシチュエーションの宿です。
鳩ノ巣渓谷は、駅からすぐの場所とはとても思えない、すばらしく美しい渓谷なので、登山をしない人であっても「都内にこんないいところがあるのか!」と、テンションが上がるのではないかと思います。鳩ノ巣駅から直接登れる「川苔山」登山の前後に宿泊するのも良さそうですね。
はとのす荘の食事は「秋川牛」ほか、奥多摩の厳選素材を使ったイタリアンのコース料理です。
画像:じゃらんnet提供
フレンチをいただける宿はたまにありますが、イタリアンはやや珍しい感じがしますね。人気の宿なので夏頃までは土曜日の空室は既にないようですが、先の日程であれば休前日も1人泊が可能です。
神奈川県:湯河原温泉 オーベルジュ湯楽
休前日も1人泊OK・1泊2食付き16,800円~(2020年は箱根仙石原虎乃湯を選出)
昨年は箱根の宿を選んでいたのですが、2021年はこういうご時世ですし、神奈川県で1番気に入っていて、なくなったら困る宿を選びました。これまでも何度か宿泊していて、ブログでもご紹介しているオーベルジュ湯楽です。
人気過ぎて土曜日の予約はなかなか取れませんが、小さめのお部屋なら休前日の1人泊も可能な宿です。
きりっと熱い湯河原の源泉を、大浴場と予約制の貸切露天風呂でのんびりと楽しめます。もちろん、お湯はすべてかけ流しです。
そして「オーベルジュ」を銘打っているだけあって、イタリアンと和食が融合したこちらの料理は本当にすばらしい……。
盛り付けも凝っていますが、見た目だけじゃなく味も見事に両立しています。食事をグレードアップした「シェフ特選コース」で宿泊すると、釜炊きのご飯にトリュフをその場でたっぷり削ってくれるという、夢のような料理が提供されます。また、トリュフご飯はだけは通年通していただける定番のメニューですが、その他の料理は毎月がらりと変わるのもすばらしいです。
建物は新しくなく、斜面に建っていて階段の多い宿ではありますが、個人的にはそのあたりは特に気にならないので、前回とは季節を変えて、また泊まりにいきたいです。
甲信越・北陸で一番泊まりたい宿
今回選出した6軒中4軒の宿が「休前日1人泊可能」な宿です。
また、6軒のうち2020年と同じ宿を選出したのは1軒のみで、5軒を新しく選びなおしています。
山梨県:西山温泉 慶雲館
休前日も1人泊OK・1泊2食付き37,400円~(2020年八ヶ岳いずみ荘を選出)
ひとり旅を始めるより前に、友人と2人で宿泊した秘湯(だけどお高め)の宿が、2021年6月現在、休前日も含めて1人泊可能となっていたので選びました。こちらの宿、以前は平日も1人泊のプランは出ていなかったんですよね……。
最寄り駅の身延駅から送迎バスで1時間少々という山の中の宿ですが、宿には秘湯感はあまりなく「こんな山奥にこんな立派な宿が!!」と驚くような近代的な宿です。
毎分1600L以上というすさまじい湧出量を誇り、部屋のお風呂やシャワーのお湯もすべて源泉を使用しています。
野天風呂が2つと内湯の展望風呂が2つあり、夜通し温泉に浸かることができるのはうれしいですね。
それなりにグレードの高い宿ということもあり、食事もおいしかったです。
「今年は1人泊できるけど来年以降は1人で泊まれるかわからない」宿の筆頭のような気がするので、できれば今年のうちに行けるといいなと思います。
長野県:天狗温泉 浅間山荘
平日のみ1人泊可能・1泊2食付き14,600円~(2020年は戸倉上山田温泉 有田屋旅館を選出)
以前、浅間山の噴火警戒レベルが1だったときに、前掛山まで登ったことがあるんですが、浅間山麓のキャンプ場でテント泊して、翌日の早朝から登山をしました。
キャンプ場の隣には温泉宿があり、泊まった夜と下山後に日帰り入浴をさせてもらったんですが、その宿「天狗温泉 浅間山荘」を2021年は選びました。名前は「浅間山荘」ですが、あさま山荘事件とは何の関係もありません。
含鉄泉の赤っぽい、なかなかいいお湯でした。
画像:じゃらんnet提供
食事は、蕎麦・山菜・キノコなどの山の幸をふんだんに使った「天狗飯」だそうで、山の宿らしくおいしそうです。
現在は浅間山の噴火警戒レベルは2で、前掛山まで登ることはできないんですが、浅間山登山には欠かせない一軒宿なので応援したいですし、次はテント泊じゃなくできれば宿に泊まりたいなと思っています。
登山前後に泊まる人が多い宿で夏は繁忙期のため、2021年6月現在は土曜日は1人泊のプランは出ておらず、1人で泊まれるのは平日のみになります。ただ、空室がある場合は直前に土曜日に1人で泊まれるプランが提供されることもあるので、まめにチェックしたいところです。
新潟県:松之山温泉 酒の宿 玉城屋
平日のみ1人泊可能・1泊2食付34,100円~(2019年は月岡温泉 湯あそび宿 曙を選出)
新潟県の豪雪地帯、十日町市にある松之山温泉の「酒の宿玉城屋」さんは、地元食材を生かしたフレンチに、日本酒やワインをペアリングで提供してくれる宿です。日本酒好きな私は「フレンチ×日本酒」のペアリングが非常に気になって、いつか行ってみたいと思っていたのですが……2020年についに、宿泊が叶いました!
休前日は1人では泊まれない宿なのですが、金曜日にお休みをとって泊まってきたのです。
ホウ酸、メタケイ酸、そして塩分を豊富に含む、よく温まる美肌の湯で、お湯もすばらしかったです。
そして、食事もお酒も期待以上のすばらしさ!
日本酒のペアリングコースなので、少しは料理も和に寄せてくるのかな?と思っていたのですが、しっかりとしたフレンチで、それが提供されるさまざまな日本酒とよく合って本当においしかった……お酒もギリギリ、私の適量に収まる量でした。
去年も泊まったのに「2021年泊まりたい宿」に選んだのは、もちろん料理もお湯もすばらしかったからではあるのですが、なんと、宿泊した際に私、宿の朝食を食べ損ねてしまったのです……。
明け方に目が覚めたので朝風呂に入ってから二度寝したら、起きたのがチェックアウトギリギリの時間で……。電話で起こしてくれたら良かったのに!と思ったのですが、体調が悪いのかと心配されていたようで、そっとしておかれてしまったようでした。このご時世ですしね……。
そんなわけで、きっとおいしかったであろう朝食を食べれなかったのが非常に心残り!なので、できれば早めに再訪したいなと思っており、2021年泊まりたい宿に選びました。
石川県:湯川温泉 龍王閣
休前日も1人泊OK・1泊2食付き9,150円~(2020年は温泉宿 岩間山荘を選出)
石川県の温泉と言えば、和倉温泉や加賀温泉郷が有名ですが、和倉温泉と同じ七尾市にある秘湯の一軒宿「湯川温泉 龍王閣」を2021年は選びました。
地下600メートルから自噴する51度の自家源泉は、泉質名は塩化物泉ですがラドンを多く含み飲用も可能だそう。入浴は夜通し可能です。
黄色っぽい湯の花が浮かぶ特徴的な源泉に浸かってみたいなと思いました。
海に近い温泉なので、食事はアジ、ブリ、アオリイカほか地元の魚を中心に提供されているようです。
宿泊料金は2食付きで平日でも土曜日でも、何人で泊まっても税込9150円!リーズナブルですし1人客に優しい価格設定なのがうれしいですね。
富山県:宇奈月温泉 お酒のお宿喜泉
休前日も1人泊OK・1泊2食付き18,810円~(2020年も同じ宿を選出)
2020年と同じ宿を選びました。黒部峡谷鉄道本線の始発駅である宇奈月温泉の宿です。
宇奈月温泉駅から徒歩10分とやや距離はありますが、川に面した露天風呂があり、浴室のロケーションは良さそうです。
お風呂も良さそうですが、食事とお酒に惹かれたのが選んだ理由です。
「お酒のお宿」と名乗るだけあって、富山県の地酒を豊富に取りそろえており、料理で白エビや、冬は鰤など富山の地魚を味わえるプランが提供されています。
1人泊だと、選択できる食事メニューが限定されてしまう宿が多い中で、こちらの宿は、1人で泊まってもさまざまなプランから食事を選べるのがありがたいです。
休前日の1人泊も、夏休みの8月、紅葉時期の10月のみ不可ですが、それ以外の月は可能です。黒部峡谷鉄道に乗るにも便のいい場所なので、黒部峡谷を散策した後などに泊まりたいですね。
福井県:三国温泉 大平庵
休前日も1人泊OK・1泊2食付き14,520円~(2020年は三国温泉 かに久を選出)
2020年に選んでいた「休前日に1人で泊まってカニ三昧できる宿」三国温泉のかに久を今年も選ぶつもりだったのですが……コロナ禍の影響か、昨年閉業してしまったようです。
残念に思いつつ、三国温泉の他の宿について調べてみると、なんと「かに久」の建物をリニューアルした旅館が昨年11月にオープンしていたので、2021年はその宿を選びました。三国温泉の大平庵です。
「かに久」はいわゆる民宿でしたが、リニューアルオープンに際し、浴室や客室は改装されたようです。浴室も広く清潔そう。
食事は、現在のところは季節が夏に向かう時期ですので蟹の提供はありませんけれど、若狭ふぐやすっぽんを使ったコース提供もあり、期待できそうです。じゃらんに掲載されている食事写真は蟹がどーんと載っていますので、もちろん冬には蟹コースがあるのでしょう。
ただし……非常に残念なことに1人で宿泊可能なプランは、2021年6月の時点では「三国海鮮手巻き寿司プラン」というリーズナブルなプランのみです。
それでも、休前日も1人で泊まれますのでありがたい宿なのですが……できたら1人でも食事のコースを選べたらなあ……と思いつつ、応援の意味もあって選ばせていただきました。
東海で一番泊まりたい宿
4軒中3軒の宿を新しく選び、1軒は昨年と同じ宿です。
また、2021年6月時点では4軒とも「休前日1人泊能」な宿です。お盆や夏休み期間中は1人で泊まれない宿もありますが、基本的にはすべて、1人泊に優しい宿を選んでいます。
静岡県:リフレッシュスポット風未来
休前日も1人泊OK・1泊2食付き18,700円~(2020年は松崎温泉 海浜荘を選出)
静岡県は今回かなり悩みまして……というのも、静岡と言えば伊豆!伊豆と言えば海ですので、ハイシーズンが夏なんですよ。
いつも正月に宿泊プランをチェックしていたので、1月の時点では5月ごろまでしかプランを設定していない宿が多く、ハイシーズン前なのでわりと良さげな宿に1人泊のプランが出ていたんですよね。でも今は6月……夏はもう目の前!となると、伊豆の宿は1人で泊まれない宿がかなり増えるんですね……。
悩んだ末に選んだのは南伊豆の和風オーベルジュ「リフレッシュスポット風未来」です。伊豆急下田駅から路線バスで25分。7月20日から8月21日までの1ヶ月間のみ、1人泊の設定がありませんが、それ以外は土曜日も1人で泊まれる宿です。
こちらの宿、オーベルジュを名乗るだけあってかなり食事がおいしそうです。
地元の漁師さんから仕入れた伊勢エビ、サザエ、地魚などがライブキッチンで調理されて、提供されます。
浴室はそれほど広くはありませんがお湯はかけ流しで、貸切利用で夜通し入浴可能です。予約制ではなく、空いていればいつでも入れる方式なのもうれしいですね。客室も広く快適そうなので、数ある伊豆の宿の中から選びました。
岐阜県:奥飛騨温泉郷 平湯温泉 もずも
休前日も1人泊可能・1泊2食付き34,000円~(2020年はラジウム温泉 かすみ荘を選出)
岐阜県は、2021年はやっぱり大好きな奥飛騨の宿から選ぼう!と考えまして、どこが良いかなと調べてみたところ、「あれ?『もずも』に土曜日も1人で泊まれるの??」
平湯温泉の「もずも」は、全室露天風呂付きの憧れの宿でしたが、1人ではなかなか泊まれなかったはず……。
平湯温泉バスターミナルから徒歩10分足らずの場所なんですが、森の中のような雰囲気のいい露天風呂があって食事も大変おいしいらしいということでずっと気になっていたんですよね。
A5ランク飛騨牛をメインとした会席料理は、部屋食もしくは個室食事処でいただきます。
安い宿ではありませんが、客室露天付きということを思うとけして高くはない宿泊料金なのではないかと。しかも、休前日の料金アップは1000円のみです!これは土日休みの会社員にはありがたい価格設定ではないでしょうか。
「2021年だけの特別」な可能性もありますので、とりあえず行けそうな土曜日に予約しておこうかなと考えているところです。
愛知県:THE BEACH KUROTAKE(旧魚友)
3月まで休前日も1人泊可能・1泊2食付き24,400円~(2020年も同じ宿を選出)
愛知県は4年連続同じ宿を選んでしまいました……今年こそ行きたい「THE BEACH KUROTAKE」です。
知多半島のおいしい魚介を中心とした料理をいただけるのはもちろんのこと、オーシャンビューの展望露天風呂もすばらしい眺めのようで、ずっと気になっています。
もともとは全24室で営業されている宿でしたが、2021年は感染症対策のため12室に減らして営業中とのこと。食事も、1人でも個室でいただけるそうです。
海の近くの宿なので夏の間は休前日の1人泊は厳しそうですが、9月以降は土曜日も1人で泊まれます。秋以降で計画したいですね。
三重県:湯の山温泉 湯元グリーンホテル
休前日も1人泊OK・1泊2食付き22,000円~(2020年は猪の倉温泉 ふよう荘を選出)
2020年は猪の倉温泉の宿を選んでいたのですが、今年は休前日の1人泊が難しくなってしまったようなので、別の宿にしました。
御在所岳の東側に位置する湯の山温泉にある湯元グリーンホテルです。
湯温45度という絶妙な温度の源泉が毎分500L湧出しているという源泉に恵まれた宿で、広々とした露天風呂でかけ流しの源泉が楽しめます。
食事は、スタンダードな2食付きのプランのほか、伊勢エビや松阪牛を味わえるグレードアッププランがあり、いずれも1人泊でも予約可能なのがうれしいポイント。また、休前日の1人泊も可能で、現時点ではお盆休みも1人で予約可能です。
湯の山温泉は御在所岳に上る「御在所ロープウェイ」が運行している温泉地なので、御在所岳登山とあわせて泊まるのが楽しそうだなと考えているところです。
関西で一番泊まりたい宿
6軒中3軒の宿を新しく選び、3軒は昨年と同じ宿です。
また、2021年6月時点では6軒とも「休前日1人泊能」な宿を選んでいます。
和歌山県:湯の峰温泉 湯の峯荘
休前日も1人泊OK・休前日1泊2食付き14,000円~(2020年も同じ宿を選出)
2019年2020年と続けて選んでいた宿を、2021年も3年連続で選びました。湯の峰温泉の湯の峯荘です。
実は、昨年11月に宿泊が叶ったのですが、お湯も食事もサービスもすばらしい宿で、また泊まりたい!と強く思ったので、今年も同じ宿を選んだ次第です。
世界遺産の熊野本宮大社から車で10分ほどの場所にある湯の峰温泉。私は「発心門王子から熊野本宮大社」のルートを歩いた後に伺いました。熊野古道は近年、外国人観光客でかなり賑わっていたそうですが、タイミング的に昨年は海外からのお客さんはいない時期だったので、静かな山歩きを楽しめました。
熊野本宮大社から湯の峰温泉までは路線バスを利用したのですが、「大日越」と呼ばれる登山道を歩いても1時間ほどで着くようです。次回は天気が良ければこの道も歩いてみたいですね。
湯の峰荘は、湯の峰温泉の中でも休前日の1人泊の予約が可能で1人で泊まりやすい宿です。
湯の花いっぱいの硫黄泉がかけ流されており、男女別の大浴場(露天風呂有り)のほか、貸切で利用できる家族風呂が2箇所あって、空いていればいつでも、夜通し入浴が可能です。
また、1人泊でも食事をグレードアップできるなど、プランの選択肢がちゃんとあるのも良いですね。
私は「おいし~!ぜったいお勧めの満足プラン」という、食事をグレードアップしたプランで泊まったのですが、美熊野牛のしゃぶしゃぶが、とろけるようなおいしさでした。
宿の方の対応もあたたかく、翌日の予定なども気遣っていただけてうれしかったです。2021年中に行けるかはわかりませんが、また必ず泊まりたい宿です。
奈良県:洞川温泉 花あかりの宿 柳屋
休前日も1人泊可能・1泊2食付き13,480円~(2020年は十津川温泉 ホテル昴を選出)
昨年選んでいた十津川温泉の宿は、2021年は1人泊のプランがなくなっていまい……今年は、大峯山の登山口でもある洞川(どろがわ)温泉の柳屋さんを選びました。
以前、大峯山登山を計画していたときに見つけて、いつか泊まりたいと思っていた宿です。全9室の小さな宿ですが、休前日も1人で宿泊できます。
お湯は無色透明の単純泉ですが、かけ流しの半露天風呂で楽しめるようです。
1人泊だと選べる食事のプランが限定される宿も多いのですが、柳屋さんでは洞川温泉名物の名水豆腐を使った「名水湯豆腐鍋プラン」や、地場産の食材を使ったコースメニュー「山の幸会席」のほか、「鴨鍋プラン」「地鶏鍋プラン」「ぼたん鍋プラン」「もみじ鍋プラン」「豆乳地鶏つみれ鍋プラン」などから選択可能です。
写真は鴨鍋プランのものですが、個人的には「ぼたん鍋プラン」も気になりますね。
大峯山登山とセットで宿泊してもいいし、洞川温泉の雰囲気ある温泉街や名水豆腐をのんびりと楽しむ旅もいいかもしれません。
滋賀県:須賀谷温泉
休前日も1人泊可能・1泊2食付き18,000円~(2020年も同じ宿を選出)
2020年と同じ、長浜市の小谷城跡からすぐのところにある「須賀谷温泉」を選びました。
浅井氏の居城であった小谷城の麓にあるため「浅井長政やお市の方が湯治に通った」とも言われているようですが、地図を見ると本当にすぐ近く(徒歩5分ぐらい)なので、あり得るかもなと思いました。
須賀谷温泉は「ヒドロ炭酸鉄泉」という聞き慣れない名前の源泉で、鉄分を多く含み、湧き出たときは透明ですが時間が経つと茶褐色に濁るお湯です。加温ありのかけ流しで提供されています。
料理は近江牛のすき焼きやしゃぶしゃぶを楽しめるコースがあり、1人泊でもわりと選択肢は広いようです。認定近江牛をたっぷり使った「認定近江牛会席」もあり、「ローストビーフ、しゃぶしゃぶ、ステーキ」が1度に楽しめるようなので気になっています。また、こちらの宿は休前日も1人で泊まれる宿です。
京都府:京都・木津温泉 丹後の湯宿 ゑびすや
休前日も1人泊OK・1泊2食付き14,600円~(2020年も同じ宿を選出)
2020年に選んだ京都北部木津温泉の「ゑびすや」さんを2021年も選びました。木津温泉は京都府で最も古い歴史を持つ温泉地です。
ゑびすやさんは松本清張が長期滞在して作品を執筆したこともある宿で、小説の中にも「浦島館」という名前でゑびすやさんをモデルとした宿が登場するんだとか。
泉質は「アルカリ性単純温泉」です。ゑびすやさんでは共同の源泉のほかに自家源泉を持っており、貸切風呂では循環なし・消毒なしのかけ流しの源泉を楽しめるようです。
蟹がおいしい地域なので、冬の間は宿泊料金が高くなってしまうのですが、春から秋にかけては冬よりも安めの値段で泊まれます。私は蟹にはこだわりはないので、秋頃に行くのもいいかなと考えているところです。
蟹は付かなくとも、地魚の焼き物や刺身が中心の会席料理はおいしそう。スタンダードな2食付きのプランで17300円から、料理少なめのプランなら2食付き14600円から。休前日も1人で宿泊可能です。
最寄り駅から徒歩2分と交通の便がいいのも良いですね。
大阪府:八尾天然温泉 八尾グランドホテル
休前日も1人泊OK・1泊2食付き12,100円~(2020年は能勢温泉を選出)
大阪は毎年悩むのですが……今年は、新大阪駅から電車で約1時間、八尾市の町中にある温泉付きのホテルを選びました。
健康ランド的な温泉施設付きの大衆演劇が観劇できるホテル、という、私自身は少なくとも、これまで宿泊したことがないタイプのホテルです。宿泊料金に大衆演劇の観劇料も含まれており、滞在中に上演されている演劇は見放題とのこと。
正直なところ、大衆演劇にあまり興味はないのですが、温泉は意外にも本格的で、飲泉可能なかけ流しの高温泉が楽しめるとのこと。健康ランド的な温泉施設なので、温泉ではない浴槽も混じっていたりするようですが……。
清掃時間以外は夜通し入浴可能なのもうれしいですね。また、演劇が上演されている時間帯は浴室がガラガラになるそうで、温泉目当ての場合、いつ風呂に行けば空いているかがわかりやすいのもいいなと思いました。
食事は1人泊の場合は「松花堂弁当+すき焼きなどの焼き物」プランか、あるいは「ステーキまたは海老フライの洋食コース」のプランのいずれかを選ぶようです。食事はあまり期待できないかもしれませんが、大阪市内からの便も悪くはないですし、観光と組み合わせて泊まるのもいいかなと思いました。
兵庫県:山陰湯村温泉 朝野家
休前日も1人泊OK・休前日1泊2食付き20,020円~(2020年は有馬温泉 ホテル花小宿を選出)
昨年は、六甲山登山とセットで泊まることを想定し、有馬温泉の小旅館を選んでいました。選んでいた宿には空室がなくて泊まれなかったものの、2020年の秋に有馬温泉の別の宿に泊まり、六甲山に登ることができましたので2021年は別の温泉地から選ぶことに。
今年選んだのは鳥取県との県境に近い、山陰湯村温泉の朝野家さんです。
湯村温泉は、平安時代の848年に開湯されたという歴史ある温泉で、過去には吉永小百合さん主演の朝ドラの舞台となったり、メタケイ酸が豊富で美人の湯としても名高い温泉地です。
朝野家さんは、全66室の中規模の温泉宿ですが、いいなと思ったのは、客室露天風呂付きの部屋にも1人で、しかも土曜日も宿泊可能なことです。もちろん、一般客室にも土曜日に1人で泊まることができます。
露天風呂はかなり広々としており、高温の源泉をかけ流しで楽しむことができます。
食事も「但馬牛」や「鮑」を使ったいくつもの料理コースから選ぶことができ、1人泊でも選択肢が多いのが素敵だなと思いました。
やや高級めの宿ではありますが、直前予約でリーズナブルに泊まれることもあるようですので、まめにチェックしてみるつもりです。
中国・四国で一番泊まりたい宿
中国・四国地方で選んだ9軒の宿は、2021年6月現在はすべて「休前日の1人泊プラン」が販売されている宿です。
また、9軒中5軒は2020年と同じ宿を選出しました。実は、昨年このエリアで何泊かする旅の計画を立てたものの、状況を見て中止することになってしまい、心残りだったため「今年こそ!」ということで同じ宿を引き続き選んでいます。
また、9軒中2軒は、これまでに1度以上宿泊したことがある宿です。
鳥取県:三朝温泉 木屋旅館
休前日も1人泊OK・1泊2食付き21,450円~(2020年は大山レークホテルを選出)
昨年は、大山登山と絡めて宿泊しようと思い、大山山麓にある温泉付きのホテルを選びましたが……大山には登りに行けたものの、宿は計画した時点で満室となっており、泊まれずでした。
そこで2021年はやはり、大好きな三朝温泉の宿から。中でもとても気に入っていて、ぜひまた泊まりたい宿「木屋旅館」を選びました。
前回宿泊した際に、ブログにも紹介記事を書いています。
また、著書の第4章にも、こちらの宿に泊まった際の旅行記を掲載しています。平昌オリンピックのフィギュアスケート男子フリーの日に泊まった、思い出深い旅でした。
木屋旅館さんには男女別の大浴場のほか、自然湧出のラジウム泉を貸切で楽しめる浴室が2つあります。
飲泉も可能な高温の源泉で、長湯は難しい温度ですが、さっと浸かっただけでもかなり汗をかきますし、体の中の余分なものが出ていったような感覚があり、強い効能を感じさせるお湯でした。
食事も、地魚の盛り合わせや島根和牛のしゃぶしゃぶなどの定番料理も非常においしく、名物料理の「パン釜(パンにビーフシチューを詰めたもの)」も、なかなかの味わいでした。
有形文化財に指定されているなかなかおもしろい建物で、室内の調度も雰囲気があります。土曜日でも2食付きで1人泊が可能なので、きっと近々また行きたいです。
島根県:湯の川温泉 湯宿草菴
休前日も1人泊OK・1泊2食付き34,010円~(2020年は玉造温泉 清風荘を選出)
昨年選んでいた玉造温泉の清風荘も引き続き気になってはいるのですが、こういうご時世でもありますので、だいぶ前に1度泊まってとても印象の良かった宿に再訪したい!と思い、湯の川温泉「湯宿草菴」を選びました。
こちらの宿に泊まったのは、もう10数年前のことで、ブログを始めるよりも登山を始めるよりもずっと前。ひとり温泉旅を始めて間もないころのことです。
湯の川温泉は、和歌山県の龍神温泉、群馬県の川中温泉と並んで「日本三大美人の湯」と称される温泉地です。出雲空港から車で5分と近く、出雲大社までの便も良い場所にあります。
湯宿草菴さんでは、露天風呂が3つと内湯が2つの計5つの浴室を、空いていれば好きに貸し切って楽しむことができます。
泉質は「ナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉」ですが、美肌の湯と言われるだけあってか、とろみを感じさせるような良いお湯でした。
また、湯宿草菴には露天風呂付きのお部屋もいくつかあるのですが、1人でも露天風呂付きの部屋に泊まれるのもうれしいですね。
食事は館内のレストランでいただきますが、個室のような作りで他のお客さんの視線が気にならず、またとてもゆったりした空間だったことを覚えています。
「のどぐろ」や「しまね和牛」を使った料理も、大変おいしかったです。
10数年前に泊まった際は本当は島根県内の別の宿であと2泊する予定だったのが、草菴さんに泊まった日の夜に体調が悪くなってしまい、旅行を続けられる状態ではなくなってしまったのです。
急遽キャンセルして翌日の飛行機で帰ることにしたのですが……事情を話したところ、飛行機の時間まで部屋でチェックアウトを延長して部屋で休ませていただき、本当にありがたかったことを覚えています。
次回こそはゆっくり泊まって、できれば玉造温泉も合わせて楽しみたいですね。
岡山県:美作三湯奥津温泉 池田屋河鹿園
休前日も1人泊OK・1泊2食付き23,540円~(2020年も同じ宿を選出)
昨年選んだ奥津温泉 池田屋河鹿園を2021年も選びました。
実は、昨年の12月に中国・四国地方を行き先とした旅の計画を立てていたのですが、都内の感染者数が増えてきたタイミングと重なり、キャンセルすることになってしまいました。それで今年こそは!ということで、再度の選出となりました。
岡山県にはいい温泉があるのですけど、電車で交通の便がいい場所にはなくて、行くまでになかなか難儀します。「奥津温泉」も、JRの津山駅からバスで1時間ほど行ったところにある温泉地で、なかなかに遠いです……。
しかし、そんな奥津温泉の「池田屋河鹿園」は、38.5度というぬる湯好きにはたまらない温度の源泉が、ものすごい量かけ流されている宿なのです。
実はこちらの宿、最近になってオーナーが代わり、2018年4月にリニューアルオープンしてまだ日が浅い宿です。リニューアル前の浴室とお湯もすばらしかったようなのですが、現オーナーも「冬もなるべく加温せずに、源泉そのままのお湯を楽しんでもらいたい」という方針だそうで、ありがたいですね。
また、こちらの宿の特徴として「源泉かけ流しのジャグジー付きスイート和室」にも、1人でも(土曜日でも)宿泊できます。もちろん、一般客室にも土曜日1人で泊まれますので、ひとり旅に優しい宿だと思います。
広島県:宮島離れの宿IBUKU
休前日も1人泊OK・休前日1泊2食付き37,400円~(2020年も同じ宿を選出)
2020年も選出していた「宮島離れの宿IBUKI」を今年も選びました。
宮島と名前がついていますが島内の宿ではなく、宮島の玄関口である「宮島口駅」の隣の隣の駅「大野浦駅」が最寄り、宮島の対岸にある宮浜温泉に2018年の夏に新しくできた宿です。大浴場がなく部屋風呂で温泉をかけ流せるタイプの宿です。
値段はお安くはないですが、ラドンを多量に含むという宮浜温泉を部屋で堪能しながらおいしい料理をいただけるのは、混雑を気にする必要もないですしこのご時世に合ったスタイルではないかと思います。
休前日でも、お盆や連休などの特定日以外は1人で宿泊可能なのもうれしいですね。
宮島の牡蠣や穴子を使った料理も評判が良いようです。
宮島に行くにも便の良い場所にある宿ですし、また宮島ブルワリーにも一杯飲みに行きたいので、こちらの宿に泊まって日帰りで宮島に行くのもいいかなと思っています。
山口県:長門湯本温泉 原田屋旅館
休前日も1人泊OK・1泊2食付き11,500円~(2020年も同じ宿を選出)
2020年と同じ、長門湯本温泉の宿を選びました。
長門湯本温泉は、山口県を代表する4つの温泉地「防長四湯(湯田温泉、長門湯本温泉、俵山温泉、川棚温泉)」のうちの一つです。
浴室は内湯のみとシンプルですが、かけ流しのお湯が楽しめます。
食事は、フグ料理が売りの下関に近い宿とは違って派手さはないものの、地の食材を使った料理の評判が良いようです。「地の新鮮な食材を使うことにこだわり、午前中に市場に買い物に行くため午前中は電話に出られないことがある」と断り書きがあるほどなので、期待できそうだなと思いました。
なによりもこちらの宿、すべて部屋食で休前日の料金アップも1人泊の料金アップもなし!つまり、1人で泊まって2人で泊まっても、平日でも土曜日でも同じ値段なんです!すばらしい!応援したい!というわけで、泊まりに行きたいなと思っています。
ちなみに、昨年はじゃらんでも1人で予約できたと思うのですけど、2021年はじゃらんには1人泊のプランが出ていません。ひとり旅の方は楽天トラベルからの予約をおすすめします。
香川県:THE CHELSEA BREATH(ザ・チェルシー・ブレス)
休前日も1人泊OK・1泊2食付き21,950円(2020年も同じ宿を選出)
2019年オープンの温泉付きホテル、THE CHELSEA BREATH(ザ・チェルシー・ブレス)を、2020年に引き続き選びました。
高松空港からタクシーで10分という空港から便の良い場所にある「スモール&ラグジュアリー」をコンセプトとした宿です。
温泉は循環なので、泉質には過剰な期待はできませんが、浴室の雰囲気はとても良さそうです。
そして「フレンチ懐石」の食事の評判がとてもよく、1人でも休前日に2食付きで泊まれるのもうれしいポイント。また、一般的ダブルやツインルームから、サンセットビューバス付きのスィートまでさまざまなタイプの部屋があるのですが、どの部屋にでも1人で泊まれるのもいいなと思いました。
お安い宿ではありませんが、休前日の料金アップも2000~3000円程度で、良心的なほうです。また、アルコールを含む滞在時の飲み物もすべて宿泊料金に含まれる「オールインクルーシブ」の宿なので、よく飲む人にはかえって割安かもしれません。
それにこちらの宿、鉄道の最寄り駅は「仏生山駅」で、仏生山温泉にも近いんですよね。仏生山温泉に立ち寄った前後に泊まるのが良さそうだな、と、旅のプランを夢想しています。
愛媛県:源泉かけ流しの宿 湯之谷温泉
休前日も1人泊OK・1泊2食付き8,250円~(2020年も同じ宿を選出)
愛媛県は2020年に選んだのと同じ宿を今回も選びました。伊予西条駅から車で7分ほどのところにある「湯之谷温泉」です。
愛媛県と言えば登山者にとっては「石鎚山」ですが、公共交通機関利用で石鎚山に登る場合、伊予西条駅からバスに乗りますから、石鎚山登山の前後の宿泊でも利用できそうです。
敷地内で自然湧出しているという源泉をドバドバとかけ流しで提供しており、この写真を見ただけで湯量の豊富さがうかがえますね。
ゲストハウスタイプのお部屋から露天風呂付きの部屋までさまざまなタイプの部屋を持つ宿ですが、1人泊で2食付きのプランで泊まる場合は、泊まれるお部屋は「四畳半の和室」に限定されます。とは言え、2食付きで平日なら税込み1万円以内、休前日でも1万2千円程度で泊まれますので、ひとり旅に優しい宿だなのではないでしょうか。
食事は、西条産の食材を使った会席料理で、愛媛の地酒も取りそろえているようです。
徳島県:温泉山 安楽寺 薬師の里
休前日1人泊OK・1泊2食付き7,800円(2020年は和の宿 ホテル祖谷温泉を選出)
2020年に選んだ祖谷温泉の宿は引き続き気になっているのですが……今年は7月22日以降は1人泊のプランが出ていないようなので、別の宿にしました。すごくいい宿だと思うので、7月までに泊まりに行けそうな方にはかなりおすすめです。
2021年に選んだ「安楽寺 薬師の里」は、温泉付きの宿坊です。
400年の歴史があり、四国八十八箇所の中でも最大規模の宿坊だとのこと。
私は実家が寺院なので、お寺のお勤めにはあまり興味がないのですが……希望者は夜の勤行にも参加可能とのことでした。強制参加だったらちょっと泊まりたくないなと思ったんですが、希望者のみということならいいですね!
温泉は、鉄分が含まれた茶褐色の湯で、写真で見る限りでは浴室の雰囲気も良さそうです。食事は精進料理ではなく、和定食で普通にお肉や魚が並ぶそうなので、このあたり もガチガチではなく泊まりやすそうな宿坊だなと思いました。
2食付きで休前日も税込7800円で泊まれますし、部屋も6畳の和室か洋室のシングルルームから選べますので、温泉と食事付きでビジネスホテルよりも安く泊まれるってすばらしいなと思い、選びました。
高知県:北川村温泉 ゆずの宿
休前日も1人泊OK・休前日1人泊15,400円~(2020年はオーベルジュ 土佐山を選出)
2020年は、高知市内から車で30分の温泉付きオーベルジュを選んでいたのですが、こちらの宿、コロナ禍で送迎を休止中でして……車の運転ができない場合、現在は行き帰りタクシーになってしまうため、2021年は違う宿にしました。すごく気になっている宿なので、送迎復活するといいんですけどね……。
そんなわけで2021年に選んだのは、北川村温泉の「ゆずの宿」、2018年にリニューアルオープンした新しい宿です。交通の便は良くはなさそうですが、一応バス便も通じています。森の中に建っているような雰囲気ある宿です。
木の香りが漂う新しい館内。1人泊の場合ダブルルームかツインルームへの宿泊となりますが、ビジネスホテルのようなコンパクトな部屋ではなく、ゆったりとした室内のようです。
お湯は「とろとろ」と称される、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉。アルカリ度が高いのでしょうね。
夕食はレストランで会席料理を、朝食は和定食を用意していただけます。
宿の雰囲気も良さそうですし、土曜日も2食付きで1人で泊まれて、お湯は「高知ではここが一番いいお湯ではないか」とおっしゃる方が多いので気になっている宿です。
九州・沖縄で一番泊まりたい宿
九州・沖縄地方で選んだ8軒の宿のうち7軒は、2021年6月現在「休前日の1人泊プラン」が販売されている宿です。
また、8軒中2軒は2020年と同じ宿を選出しており、6軒を新しく選びました。
福岡県:原鶴温泉 延命館
休前日も1人泊OK・1泊2食付き16,500円~(2020年は二日市温泉 大丸別荘を選出)
2020年まで選んでいた二日市温泉の大丸別荘には昨年宿泊が叶いました。ブログにも記事を書いています。大丸別荘さんもすばらしかったのですが、今年は別の宿を選びました。
博多駅からJRで1時間少々。久留米駅で乗り換えて久大本線を8駅進んだ筑後吉井駅が最寄りの原鶴温泉の延命館を2021年は選びました。福岡県の中では大分県寄りの場所にある、筑後川沿いの温泉地です。
延命館の源泉は、ph8.6のアルカリ性の単純硫黄泉。アルカリ性の硫黄泉ってとても珍しい気がします。おまけに泡がびっしりと体につくほどの炭酸泉らしいのです。アルカリ性の硫黄泉で炭酸泉!そんなお湯に私はこれまで入ったことがないように思います。
成分が濃い茶褐色のお湯。しかも泉温は40度をやや下回るという、炭酸泉を楽しむのにベストな温度です。すばらしすぎます。
食事は「お箸で食べる創作洋風コース料理」とのことで、なかなかおいしそうです。
食事処での提供となるようですが、写真で見る限りは席と席の間が離れていて、ゆったり楽しめそうな食事会場でした。
1人泊のプランは、実は公式サイトでも出ていなかったので1人では泊まれない宿かな?と思っていたのですが、なぜか楽天トラベルにだけ1人泊のプランが出ており、土曜日も1人で宿泊可能となっています。
もしや手違いで1人泊のプランが出ているわけじゃないよね……?と少し心配しているのですが、すごく気になる宿なので、福岡県内では一番気になっている宿です。
佐賀県:古湯温泉 つかさ旅館
平日のみ1人泊可能・1泊2食付き16,500円~(2020年は嬉野温泉 旅館 一休荘を選出)
佐賀県、昨年は嬉野温泉の小旅館を選んでいたのですが、宿泊が叶いまして、かなり満喫してきました。ブログでも紹介していますが、すばらしい宿でした。
2020年も一休荘に泊まりたい気持ちもあるのですが……もう一箇所、佐賀県内で気になっている温泉地がありまして、それが「古湯温泉」です。
嬉野温泉はかなり高温のお湯でしたが、古湯温泉は40度弱のぬるめの源泉なので、ぬる湯好きとしてはとても気になる温泉地なんですよね。
今回選んだのはその古湯温泉の「つかさ旅館」です。
全9室の小さな宿ですが、浴室は十分な広さがありそうですし、お湯はすべてかけ流しです。
佐賀牛ステーキをメインとした食事もとてもおいしそうで気になります。1人泊可能なのは平日のみですが、以前から気になっていた宿です。
大分県:長湯温泉 丸長旅館
休前日も1人泊OK・1泊2食付き33,000円~(2020年も同じ宿を選出)
昨年選んでいた長湯温泉の丸長旅館を2021年も続けて選びました。
別府や湯布院には何度もおとずれていますが、大分県でも熊本県寄りのところにある炭酸泉で有名な長湯温泉は、交通の便がやや悪いこともあってまだ行ったことがなく。次回こそ行ってみたい……ということで探した宿が丸長旅館さんでした。本当は、宿泊すれば外湯のラムネ温泉館にも入り放題の大丸旅館に泊まりたかったのですけど、現在は1人泊を受け付けていないので、その他の宿で一番気になったのが丸長旅館さんでした。
全6室の小さな旅館で、ややお高めの価格設定ではありますが、土曜日でも1人泊が可能です。食事もかなりおいしそう!
写真は夕食の会席料理の中の一品、豊後牛ステーキです。
朝食には、一組ごとに土鍋で炊き上げたご飯に、地卵料理を「温泉たまご」「たまご焼き」「目玉焼き」などから選んでいただけます。
ラムネ温泉館やガニ湯からもすぐの場所なので、こちらに泊まって湯めぐりするのも楽しそうです。
長崎県:奥壱岐の千年湯 平山旅館
休前日1人泊OK・1泊2食付き27,500円~(2020年はHOTELシーサイド島原を選出)
2020年は島原の海沿いにある温泉付きホテルを選んでいましたが、2021年は長崎県内の離島「壱岐島」にある温泉旅館、平山旅館を選びました。
実はこちらの宿、私がひとり旅を始めるよりもずっと前に、テレビで取り上げられているのを見てすごく印象に残っており「一度は泊まってみたい」と思い続けていた宿なのです。
それで実は、ひとり温泉旅をするようになってから一度、壱岐旅行を計画したのですが、そのときは平山旅館さんはひとり泊のプランがなく、泊まることができなかったのですよね。
そのときに泊まった「海里村上」さんという宿もすばらしかったのですが、平山旅館さんに泊まってみたいという思いは消えず……それで今年調べてみたら、ハイシーズンのはずの夏でも、プランは限定されるものの1人での宿泊が可能となっていました。しかも、土曜日でも1人で泊まることができます。
平山旅館の源泉は鉄分を含む赤っぽい湯です。
露天風呂と内湯で、かけ流しの源泉を楽しむことができます。
食事はウニや鮑、イカなどの新鮮な魚貝を使った会席料理。
実は、平山旅館さんはかつて楽天などにネットショップを持っており、イカを使ったお茶漬けや鍋セットなどの通信販売を行っていました。この宿に憧れていた私は、ネットショップで何度か食材をお取り寄せしていたのですが、魚介も野菜もすべておいしかったので、きっと宿でいただく料理は最高においしいのだろうなと期待しています。
お取り寄せした「壱岐豆腐」という固めのお豆腐もおいしかったので、現地で食べてみたいですね。
熊本県:杖立温泉 旅館ふくみ
休前日も1人泊OK・1泊2食付き14,040円~(2020年は湯の児温泉 昇陽館を選出)
昨年は別の宿を選んでいましたが、2020年7月に豪雨で大きな被害を受けた杖立温泉の宿を選ぶことにしました。
今回選んだ「旅館ふくみ」さんは、連休とお盆などの特定日以外は、土曜日でも1人で泊まれるプランが設定されている、ひとり旅に優しい宿です。
お部屋は、昔ながらの和室が9室と、客室露天付きの部屋が5室あり、露天風呂付きの部屋も、平日であれば1人で泊まることも可能です。
露天風呂は男女交代制だそうですが、全14室という宿の規模のわりにはかなり広々としているようです。
食事は、熊本名物の馬刺しや、熊本あか牛の溶岩焼きなどが並ぶ会席料理です。いろいろなところで馬刺しを食べていますが、熊本の馬刺しはひと味違うのでこれも楽しみですね。
熊本の豪雨と言えば、私の大好きな人吉温泉も大きな被害を受け、こちらはまだ復旧のめどが立っていない宿が多いようです。来年になるか再来年になるかわかりませんが、好きな宿が営業再開した際には人吉にもまたおとずれたいなと思っています。
宮崎県:京町温泉 玉泉館
休前日も1人泊OK・1泊2食付き9,350円~(2020年はえびの高原荘を選出)
2020年は霧島連山の最高峰、韓国岳の登山口でもあるえびの高原に立つ公共の宿「えびの高原荘」を選出しましたが、2021年は他にちょっと気になる宿が出てきました。
宮崎県を代表する温泉地「京町温泉」の中でも老舗の温泉宿である「玉泉館」です。シングルルームがあり、土曜日でも1人泊が可能です。
「洞窟風呂」なる混浴露天風呂が有名なのだそうですが、現在は混浴としては利用されておらず、男性専用・女性専用時間が設定されており、それ以外の時間帯は貸切風呂として利用されているそうです。
青白い濁り湯は、高温のため加水されてはいるものの、かけ流しで提供されており、浴室は夜通し利用可能です。
食事は陶板焼きをメインとした会席料理です。1泊2食付きで1万円を切るリーズナブルな宿ですが、値段のわりに食事はボリュームがあり、おいしそうなのもいいなと思いました。
鹿児島県:指宿温泉 こらんの湯 錦江楼
休前日も1人泊OK・1泊2食付き15,100円~(2020年は民宿 たかよしを選出)
昨年選出していた指宿温泉の民宿たかよしには宿泊が叶いまして、何度でも泊まりたいすばらしい宿でした。今年も民宿たかよしでもいいかなと思いつつも、指宿温泉にもう1軒、気になる宿があるのでそちらを選びました。
「こらんの湯 錦江楼」は、指宿温泉街からは少し離れたところにあり、最寄り駅は指宿駅ではなく「宮ヶ浜駅」という無人駅です。指宿温泉街よりもやや北側に位置するため、鹿児島湾(錦江湾)の内側に面しており、指宿の他の宿からは見ることができない桜島を、唯一眺めることができる宿なんだとか。
大浴場からも桜島を眺められ、朝日が昇るところも見えるのだとか。お湯はメタケイ酸を豊富に含む美人の湯がかけ流しで楽しめます。
食事は黒豚しゃぶしゃぶをメインとした和会席。
館内に「焼酎バー」があって芋焼酎を中心にさまざまな焼酎が取りそろえられており、30分1000円、60分1650円で飲み放題となるのも楽しそう。1人泊でもプランの選択肢が多く、焼酎飲み放題付きのプランもありました。お盆や連休などの特定日以外は休前日でも1人泊可能なひとり旅に優しい宿です。
沖縄県:ユインチホテル南城
休前日も1人泊OK・1泊2食付き14,200円~(2020年も同じ宿を選出)
2020年と同じ「ユインチホテル南城」を選びました。
例年よりは厳しい状況とは言え、沖縄はこれから夏にかけてがハイシーズン!
1人では泊まれない宿も増えてくる中で、こちらの宿は夏休み期間中も、土曜日も1人で宿泊可能なんです。しかも、8月中だけは全体的に宿泊料金がアップしますが、7月と9月は休前日でも料金アップなし!
なおかつ、温泉は沖縄では珍しい源泉かけ流しです!海を眺められる展望風呂で、かけ流しのお湯に浸かれる幸せ……。
食事は朝夕ブッフェですが、1人でも2食付きで泊まれる選択肢があるのはありがたいことです。外に食べに行ってもいいですけど、飲食店は混んでいるかもしれないし、ホテルに籠もりたいこともあると思うんですよね。しかも、2食付けても8月以外なら1泊1万5千円以下です。
素泊まりなら1万円以下で泊まれるので、昼はビーチや観光を楽しみ、夜は温泉に浸かれるという幸せ。正直なところ、今年沖縄に行くのは厳しいかなと思ってはいますが、いつか必ず行きたい宿です。
47軒の選出を終えて
例年は正月に公開していたこちらの記事、今年は迷ったのですが……せっかく47軒選んだし、がんばって営業されている宿の助けになれば、という思いもあり、こんなタイミングになってしまいましたが公開することにしました。
2021年もすばらしい温泉と、宿との出会いがありますように。
関連記事:過去に泊まってよかった宿のまとめ記事はこちら
2020年に泊まって良かった宿の記事も、もう少し更新したい……。