1泊2食付き2万円以下の宿で、コスパ重視の総合ベスト10を選出した
2023年も終わりに近づくタイミングでの公開となり恐縮ですが、本稿は「2022年に泊まった温泉宿」の振り返り記事です。
私自身が2022年に泊まった宿の中から「2食付き2万円以下で1人で泊まれる」宿限定でご紹介しています。
先に公開済みの「2022年に泊まった温泉宿で「部屋」「風呂」「食事」が良かったおすすめ宿ランキングを発表する」では、2022年に泊まった宿の中で「部屋・建物」「風呂」「食事」の3項目について「突出して良かった宿」のベスト3をそれぞれ選定しました。
「食事」や「部屋」部門では特に、宿泊料金の高い宿が上位に入りやすい傾向があります。なので「すごく印象が良かったけど項目ごとのランキングには入らなかった」宿がいくつもあるのです。
そこで、2022年に泊まった宿の中から「1泊2食付で2万円以内で泊まれる」宿に限定して「コスパも重視していろんな要素を総合的に見た」ランキングを作成しました。
また、一人旅で利用しやすい温泉宿については、発売中の著書でもたくさん紹介していますので、ぜひ、お手に取っていただけますと幸いです。
- 1泊2食付き2万円以下の宿で、コスパ重視の総合ベスト10を選出した
- では、泊まって良かったコスパ最高の温泉宿ベスト10を発表!
「部屋」「風呂」「夕食」「朝食」「サービス」「コスパ」を5点満点で採点し、平均点を出した
ランキングの選出方法としては、下記の6項目を★5つを満点として採点し(☆は0.5とする)平均点がより高かった宿を1位としました。
たとえばこんな風に。
部屋 :★★★ 3
風呂 :★★★★ 4
夕食 :★★★★★ 5
朝食 :★★★★★ 5
サービス:★★★★ 4
コスパ :★★★★☆ 4.5
---------------------------
平均:4.25
この場合、この宿の得点は「4.25点」ですが、小数点第2位以下を四捨五入して、4.3点とします。
また「4.3点」の宿が複数あった場合は、今回は「コスパ重視のランキング」ですので、2食付きの宿泊料金が安いほうの宿を上位とします。
「1人で1泊2食付きで泊まったとき」の最低料金で比較していますが「ゲストハウスの相部屋に宿泊するプラン」は含まず、すべて個室に宿泊した際の宿泊料金を適用しました。
このやり方で2022年に宿泊した「1泊2食付き2万円以下で宿泊できるすべての宿」を採点し、上位10位までを発表したいと思います。
★の数について
★★★★★ すばらしい!
★★★★ 文句ない
★★★ 普通
★★ これはちょっと……
★ ありえん!
これまでも同様の採点方法で毎年ランキングを発表しており、今回が6回目です。
2019年版までは「2食付き2万円までの宿」という縛りは設けていなかったのですが、2020年以降は「リーズナブルに泊まれる宿」によりスポットを当てたいという思いから2万円以内で泊まれる宿のみを選定対象としています。
以下、採点基準については昨年までと同様になりますが、転載します。
「部屋」の採点基準
「居室や共有部分の清潔感」「居心地の良さ」「宿泊料金に見合った設備があるか」などを総合的に判断しています。あとは、私の好みです。
「部屋」に関する私の好みに関しては、こちらの記事に書いています。
「風呂」の採点基準
「泉質が良いか」「浴室や脱衣所の清潔感」「宿泊料金に見合った設備・アメニティがあるか」「湯温の調節は適切か」などを総合的に判断しています。
あとは好みですが……私がチェックしがちなポイントについては下記記事をご参照ください。
「夕食」「朝食」の採点基準
「味」「料理の提供温度・スピード」「飲み物の種類の多さや、スムーズに注文できるか」「盛り付けがきれいか」などを総合的に判断しています。
あとは「鍋にいきなり火を点けないか」とかですかね……、まあ、私の好みです。
「サービス」の採点基準
過剰なサービスが好きなタイプではないので、いわゆる「旅館らしい接客」を良しとするわけではありません。たとえば、チェックイン後はスタッフと顔を合わせることがほぼなかったとしても、必要な案内書きがきちんと部屋に置いてあったりで滞在中に困ることがなければ、それはそれで「サービスのいい宿だな」と思います。
空気を読んでくれるか、気を利かせてくれるか、普通に接客が丁寧か。
公共交通機関利用なので、最寄り駅・あるいは最寄りのバス停まで遠い宿なら送迎してくれるか、は加味している気がします。
明確な基準を設けているわけではないですが、ある程度の本数、近くまで路線バスが通っている宿であれば「バスを使ってください」で、問題ないと思っています。路線バス、使う人がいなくてなくなるのは困りますもんね……。
「コスパ」の採点基準
「この値段でこれはすごいなー」と思える部分があったら、点を上げています。
平均点がまったく同じだった場合は、2食付きの宿泊料金が安いほうの宿を上位とします。
採点基準については以上です。
では、泊まって良かったコスパ最高の温泉宿ベスト10を発表!
表示している価格についてはすべて「1人で泊まった場合の税込価格」になります。
今回のランキングには「1人で予約できない宿」は含まれていません。
ただし「土曜日など休前日は1人泊の設定がない宿」もありますので、それについては各宿の説明に付け加えています。
第10位 4.5点:山形県 白布温泉 湯滝の宿 西屋
【部屋】★★★★4【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★★5【朝食】★★★★4
【サービス】★★★★☆4.5【コスパ】★★★★★5
山形県米沢市の白布温泉(しらぶおんせん)は、西吾妻山登山の玄関口となる天元台高原にほど近い、旅館数軒からなる山あいの温泉地です。
夏は登山客、冬はスキー客で賑わいますが、同じ山形県内の蔵王温泉と比べると観光地っぽさは薄く、一人静かにすばらしいお湯と山の景色、そして米沢牛を楽しめるお気に入りの温泉地です。
白布温泉の西屋さんには2021年の6月に初めて宿泊したのですが、あまりにもすばらしかったので2021年9月に早くも再訪。2022年は3度目の宿泊でしたがやはり大満足で、2022年のコスパ最強温泉宿にランクインしました。
2食付き16500円から1人泊可能で、土曜日も1人で泊まることができます。
宿泊レポートはこちら↑に公開しています。
【2食付き16,500円~】たっぷりの米沢牛が絶品!アルコールを含むドリンク飲み放題!
西屋さんには畳にベッドを置いた6畳の和洋室が数室あり、1人泊専用のお部屋として設定されています。
私が泊まったのもこちらの部屋で、清潔で古い建物ならではの味もあり、広さも1人なら十分ゆったりと過ごせました。
ただ、私は温泉宿に執筆用のノートPCを持ち込むのが常なので、こちらのお部屋は座卓ではなくローテーブルだったのでPC作業はしにくいのだけが残念……などと思っていたのですが、なんと2023年に新たに1人泊用の部屋がオープンしたそうで、こちらはデスクと椅子があって執筆はもちろん、テレワークにも利用できそうです。
今春、二人部屋から
— 女将兼湯守@西屋旅館 (@Nishiyaryokan) 2023年11月21日
居住性の高い一人専用部屋に
整え直した「吉野の間」。
「一人用のテレワークできる
お部屋を作って頂き
ありがとうございました」
ご滞在だったお客様から
アンケートに嬉しいコメントを
頂きました。まさに本懐…!
一人旅需要は本当に増えました。
舵を切って正解でした♨️ pic.twitter.com/efvBCVmnMN
宿泊した2022年の時点でもすばらしい宿だったのに、さらなる進化を重ねていてすばらしいなと思いました。
冷蔵庫やトイレ、洗面所などは共同ですが、清潔で不便はなかったです。
そして浴室。
以前は、西屋さんの大浴場のお湯はたいそう熱かったそうなのですが、現在は湯守である女将さんの手によって、どの季節に泊まっても絶妙な温度に調整されています。
シャワーもカランもなく、源泉を使って頭や体を洗う昔ながらのスタイルの浴室ですが、お湯も風情も本当にすばらしいです。
また、空いているときにいつでも入れる貸切浴室もあり、こちらでは加水なしの熱い源泉に浸かることができます。
熱ければ自分で水を足して入ることもできますが、適温に調節された大浴場で長湯し、最後に熱い貸切風呂で締めるのがお気に入りです。
そして、西屋さんは食事も本当にすばらしいのです!
2食付きのプランの場合、夕食は「米沢牛のすき焼き」か「米沢牛のしゃぶしゃぶ」のプランになります。しゃぶしゃぶのほうが少しだけ値段が高いこともあり、過去2回はすき焼きプランで泊まっていたのですが、2022年に初めて、しゃぶしゃぶプランで宿泊しました。
メインのすき焼き以外にも色とりどりの前菜の盛り合わせや、郷土料理の冷汁が並び、さらに、スープやおばんざいはバイキング形式で好きなだけいただくことができます。
そして、夕食時はお酒を含むドリンクもフリーでいただくことができるのです。
ビールは含まれませんが、日本酒2種と梅酒、ワインの赤白、ソフトドリンク、缶チューハイなどが飲み放題です。
しゃぶしゃぶは上質なお肉がたっぷり、野菜もしっかりと量があり、1人でも固形燃料の鍋ではなく、カセットコンロとしゃぶしゃぶ用の鍋がセットされているのもうれしい!
おばんざいも、季節の野菜を使った手作りのもので、郷土色を感じさせる料理も多く、味も大変おいしかったです。
すき焼きもおいしかったのですが、しゃぶしゃぶは味付けがシンプルなので、米沢牛の肉自体のおいしさがよりはっきりと感じられました。
しゃぶしゃぶだとご飯を食べ過ぎなくて済むのもいいですね。
参考に、こちら↓が2021年にいただいたすき焼きです。
やっぱり、すき焼きでしっかりご飯を食べるのも捨てがたい……。
これだけたっぷりの上質な米沢牛がついて、おばんざい食べ放題、アルコール含むドリンク飲み放題で、日にちにもよりますが2万円以下で泊まれるのですから、すばらしくコスパがいい宿だと思います。
次回は新しくできたデスクのある部屋に、ぜひ泊まってみたいです。
第9位 4.5点:山形県 肘折温泉 大友屋旅館
【部屋】★★★★4【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★☆4.5【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★☆4.5【コスパ】★★★★★5
9位は山形県肘折温泉の大友屋旅館を選出しました。
いわゆる大型の旅館やホテルはなく、小規模な宿が軒を連ねている肘折温泉。
家庭的な民宿のような宿や湯治宿、和モダンに改築したややお高めの宿など宿のラインナップはさまざまですが、大友屋旅館は宿泊料金は安めながら、しっかりと温泉旅館のサービスや接客を提供してくれる宿なので、肘折温泉に初めて泊まる方にもおすすめしやすい宿です。
山形新幹線の新庄駅から大蔵村の村営バスに乗り、終点手前の「第2停留所」の目の前にある宿です。肘折温泉名物の朝市も、宿の前の通りで冬以外毎日開催されています。
2022年はトイレが付いていないお部屋に泊まる、2食付き12100円からのプランで予約しましたが、お値段以上の満足度がありました。また、土曜日も1人泊可能な宿です。
宿泊レポートもこちら↓に公開しています。
【2食付き12,100円~】食事少なめの湯治プランなら2食付き9350円~で一人泊可能
宿泊したお部屋は8畳のシンプルな和室です。トイレは共同ですが洗面所は付いています。
ちなみに共同トイレは男子トイレ、女子トイレがあるわけではなく、湯治宿にはよくある、廊下から直接個室にアクセスするタイプ。(詳しくは宿泊レポートをご参照ください)このあたり気になる方はトイレ付きの部屋も1人で泊まれますので、そちらを予約したほうがいいでしょう。トイレ自体は清潔で特に不便は感じませんでした。
お茶菓子の黒糖風味のほていまんじゅうも、いつもながらおいしいです。
浴室は、大浴場が2箇所と、空いているときにいつでも利用できる貸切風呂が1箇所あります。
大浴場は1階にあり、時間帯で男湯と女湯が交換になります。
浴槽のお湯はやや熱めの適温に調節されていました。笹濁りの炭酸水素塩泉がかけ流されています。よく温まる、かつ美肌の湯で肌がしっとりします。
3階にある貸切風呂は、6時~22時までの時間帯で、空いていれば鍵をかけていつでも利用可能です。
この貸切風呂が、檜風呂で雰囲気良くもちろんお湯も良く、何度でも入りたいすばらしい浴室なのです。しかし、全27室に貸切風呂が1箇所なので、満室の日はなかなか空いておらず土曜日の1泊だとけっこう苦労しました。朝が6時からなので、5時55分に見に行ったら既に入っている人がいたり・笑
私は貸切風呂と同じ3階に泊まっていたので、空いているか確認するのもそんなに骨ではなかったですが、別の階から何度も確認に来るのは大変だろうなとは思います。確実に入りたいなら、平日の宿泊を検討したほうがいいのでしょうね。
食事は食事処でいただきます。
衝立があって他のお客さんからの視線が気にならないようになっているのがありがたかったです。
山の宿らしいきのこの料理や、このあたりの名産である菊の花(もってのほか)、いもがらなど、この土地らしい料理が並びます。
冷たい料理は最初から並んでいましたが、メインのすき焼きは卓上で調理していただきますし、天ぷらは後から熱々を持ってきてくれました。
すき焼きにトマトが入っているのがこちらの宿のオリジナルです。トマトは大蔵村の名産品でもあるのですが、試しにすき焼きに入れてみたらおいしかったのだそうで。たしかに、さっぱりとした風味が加わって不思議なおいしさなのです。すき焼きは温泉卵に付けていただきました。
ご飯とお味噌汁、デザートもしっかりついてお腹いっぱい。
朝食も食事処でいただきます。品数豊富なおかずがうれしい。
温泉卵の橫にとろろがあったり、納豆の下にはゆでたモロヘイヤがあってモロヘイヤ納豆になっていたり、目立ちにくいけれどしっかりと手がかかっているおいしい朝食でした。
今回ご紹介したのは旅館的なサービスのプランなので2食付きの最低料金は12100円ですが、食事の内容や一部のサービスが異なる「プチ湯治プラン」であれば、2食付き9350円から一人泊可能です。
食事の量が控えめになり、食事場所はお部屋で。歯ブラシがつかない、おそらく布団敷きはセルフ?となると思いますが、連泊するのであればこちらのプランで十分かなと。いつか私も連泊で泊まってみたいです。
第9位 4.5点:静岡県 温泉や 神代の湯
【部屋】★★★☆3.5【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★★5【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★☆4.5【コスパ】★★★★★5
大友屋旅館と同じ平均4.5点、かつ2食付きの宿泊料金も12100円~で同じだったので同率9位となったのが、伊豆箱根鉄道修善寺駅から車で15分ほどの場所にある一軒宿、神代の湯。
湯量豊富な自家源泉を持ち、野菜を中心とした食事がとにかくおいしい宿で、2012年に初めて泊まって以来何度もおとずれているお気に入りの宿です。2022年がおそらく5回目の宿泊でした。
駅から少し離れており、バス停もすぐ近くにはないので、公共交通機関利用の場合はタクシーか、1日1便のみ運行している宿の送迎を利用することになります。宿の送迎は公式サイトから予約しないと利用できませんので、送迎を利用したい場合はお気をつけください。
スタンダードな1泊2食付きのプランは、1人泊の場合11000円から。土曜日も1人泊可能です。
このほかに「一汁一菜プラン」という粗食のプランもありますが、普通に食欲のある方はスタンダードプラン以上で予約したほうが良いと思います。
公開日が少し古めですが、宿泊レポートはこちら↑です。
【2食付き12,100円~】お湯も良く、野菜料理がとにかくおいしい!
宿泊したのは6畳の和室です。トイレ洗面共同・布団敷きはセルフ。湯治宿と思っておけば間違いありません。
フェイスタオルとバスタオル、歯ブラシなどの基本的なアメニティはあり、浴衣ではなく作務衣があり、着心地がなかなか良いです。
お部屋にテレビはありますが、壁が薄く音が響きやすいので20時以降は音を控えてとのことでした。何度も泊まっていますが、音はけっこう響きます。テレビの音もそうですが、2人以上で泊まるときは話し声も抑えたほうが良いかと。
共有設備のトイレ・洗面所は清潔ですし、Wi-Fiも完備。PCデスクやライトの貸し出しもあり。部屋で読める漫画もあって、音に神経質な人でなければ快適に過ごせると思います。ちなみにお子さま連れの場合宿泊できる棟が限定されているので、この棟には大人しかいません。常識的な大人が泊まっていればまあ、音は大丈夫でしょう。
浴室は、宿泊客限定の予約制の貸切風呂と、露天風呂付きの大浴場があります。浴室が別棟にあるので、防犯上の理由で深夜は入浴できませんが、湯量豊富ですばらしい浴室です。
貸切風呂は1人で使うにはもったいないほど広々。
男女別の大浴場にはミストサウナもあり。
露天風呂のほうがややぬるめで、長湯を楽しめました。
そして……この宿は食事がすばらしいのです。
「その日の朝採れた野菜で献立を決める」という、採れたての無農薬野菜を使った野菜料理は、派手ではありませんがどれもしみじみおいしい料理ばかり。
そして、日本酒の種類がなかなか豊富なのもうれしい。
お品書きも料理の説明もほぼ何もないので、毎回「これはどうやって調理しているのだろう……?」と想像しながら、すべておいしくいただいています。
スタンダードプランの場合、これらの野菜料理と焼き魚になるのですが、連泊なら十分だけれど、1泊だと少し物足りないかもしれません。
物足りないかも……と思われた方は、金目鯛煮付けや豚しゃぶなどを追加したプランがありますので、あらかじめ申し込んでおくのがおすすめです。
私は、2022年に宿泊した際はあしたか牛のサーロインステーキ160g付きのプランにしました。塩であっさりといただくサーロイン、大変おいしかったです。
最後の食事は玄米ごはんと赤だし、漬けものも、もちろんおいしい……。
デザートはわらびもちでした。
朝食は卯の花、緑の小鉢はモロヘイヤ。きんぴら、黄色いのはトマトのスープ煮です。これも優しいお味でおいしかった!
具だくさんの味噌汁、鯵の干物、玄米粥、大きな梅干しもうれしいですね。
旅館の料理ってどうしても量が多いので、1泊なら幸せだけど何泊も食べるのはちょっとな……ということが多いですが、神代の湯ならそんな心配はなく、何日でも宿のご飯を食べられそうだなと思います。いつか連泊で滞在したい宿です。
第7位 4.5点:静岡県 伊東温泉 ゲストハウス倭荘
【部屋】★★★★☆4.5【風呂】★★★★4
【夕食】★★★★☆4.5【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★☆4.5【コスパ】★★★★★5
第7位は、静岡県の伊東温泉の高台の上にある温泉付きゲストハウス「ゲストハウス倭荘」です。
伊東駅からは徒歩20分ほどかかり、途中急坂もあるので宿の紹介ページでも「タクシー利用がおすすめ」と書かれていますが、まあ、天気が悪くなければ歩けないことはありません。タクシー利用でもワンメーターで着きます。
温泉付きのゲストハウスですが、個室利用が中心のようで、1人でも広い部屋に泊まることもできます。
自炊のできる立派な共同のキッチンもありますが、2食付きでの宿泊も可能です。食事付きで泊まったところ、夕食も朝食もかなりおいしく、温泉浴室もコンパクトながら濃厚な源泉を楽しむことができました。土曜日も一人泊可能な宿です。
相部屋のドミトリー利用であれば2食付き7200円から泊まれますが、個室利用でも2食付き9200円から一人泊可能です。
宿泊レポートも公開しています。
【2食付9,200円~】追加料金330円で予約できる「地魚の刺身定食」がおすすめ
宿泊したのは2階にある和洋室。
廊下には本棚が並んでおり、ちらりと本のラインナップを眺めてみたところ、最近出版された本も多く並んでいました。連泊してだらだら読書するのも楽しそうですね。
宿泊したのは和洋室タイプのお部屋です。「ソファタイプ」と「ダイニングタイプ」の部屋があり、どちらに割り振られるかは着いてからのお楽しみ……ということで、予約時に指定することはできないのですが「PC作業がしやすそうだしダイニングタイプがいいなあ」と秘かに思っていたところ……案内されたのはダイニングタイプでした!
Wi-Fiも完備されており、ネット環境も快適でした。
就寝時は和室に布団を敷くことになりますが、マットレスもあるし、寝具も寝心地が良かったです。
トイレ・洗面所も客室内についており、トイレはウォッシュレット付き。壁紙などもおしゃれで清潔です。
また、バスタオル・浴衣については宿泊料金に含まれず、別料金になります。
今回私は2食付きのプランで宿泊しましたが、自炊ができる立派な共同のキッチンも備わっていました。
ガスコンロや共同の大きな冷蔵庫のほか、オーブントースターや電子レンジもあり、食器もいろいろと揃っています。
インスタントコーヒーも無料で飲めるほか、給茶機の緑茶・コーヒー・紅茶なども飲むことができます。
浴室は男湯と女湯があり「深夜0時に入れ替えあり」という貼り紙がしてあったのですが、宿泊した日は入れ替えはありませんでした。
とは言え、浴室も脱衣所も清潔で、お湯もすばらしかったので問題なし。24時間入浴可能です。
伊東の温泉宿、何ヶ所か泊まったり、立ち寄ったりしているのですが、こちらの宿のお湯が最も濃厚に感じました。源泉が違うのか、小さめの浴槽なのでお湯が新鮮という湯使いの違いなのかわかりませんが……熱めで、新鮮さの感じられる気持ちの良いお湯です。
食事付きのプランの場合、コロナ禍前は1階にあるレストランでいただく方式だったようですが、2022年に宿泊した際は感染症対策のためにすべて部屋食となっていました。食事場所については現在は対応が変わっているかもしれません。
17時から18時まではハッピーアワーで「ビール」「ハイボール」「サワー」「グラスワイン」を350円で飲むことができます。私は、ハッピーアワーに風呂上がりの生ビールを楽しみ、食事と一緒に日本酒を注文しました。
夕食付きのプランで泊まる際は、以下のメニューから宿泊予約時に希望のメニューを書いておく方式です。
・刺身定食(伊東港地魚メイン)+330円
・オックステールスープ(ライス・サラダ付)+330円
・ガーリックシュリンプ +330円
・ロコモコ
・コリアンBBQ
・アジフライ
・チキンカツ
・サバ塩焼き
・しらす丼
私は、330円の追加料金を払っていただける「刺身定食」で予約していました。
すると、かなり立派な、舟盛りの刺身がついてきて驚きました。刺身以外のおかずもすべておいしく、野菜サラダもたっぷり、おでんや鯖の味噌煮もおいしかった。お酒のすすむおかずばかりでした。
舟盛りのお刺身は見るからに新鮮そのもの。
「刺身定食」ということでそんなに量は多くないだろうと思っていたのですが、刺身もたっぷり、その他のおかずの種類・量もしっかりあって、お腹いっぱいになりました。
翌日の朝食も、ご飯のすすむおかずがこれでもかと並びます。
鯵の干物は焼き立てでした。ねぎとろ、しらすおろし、たらこ、温泉卵。
煮物やおひたしの味も良く、2食付き1万円以下で泊まれる宿とは思えない、豪華な朝食でした。
第6位 4.6点:北海道 旭川旭岳温泉 湯元 湧駒荘
【部屋】★★★★☆4.5【風呂】★★★★★5
【夕食】★★★★★5【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★☆4.5【コスパ】★★★★4
第6位に選んだのは、北海道大雪山山麓の温泉宿、旭岳温泉湯元湧駒荘です。
2020年に初めて宿泊し、当時は改装前の古い客室に2食付き12000円で泊まれたので「2020年に泊まったコスパ最強の宿」第1位に選んでいました。
その後客室がリノベーションされ、古いシングルルームは「プレムアムダブルルーム」に生まれ変わって宿泊料金がアップしたので「コスパ重視」のこのランキングでは2020年より順位は下がりましたが、それでも2万円以下で泊まれますし、お湯・食事のすばらしさは変わりありません。
また、3室あるプレミアムダブルルームは1人泊専用の部屋なので、休前日や連休でも1人で泊まれます。食事処には自分以外にも1人客がいることがほとんどなので、1人で泊まりやすい宿です。
【2食付き18,000円~】ぬるめのお湯がすばらしい!食事もお値段以上、部屋も快適になった
湧駒荘は大雪山旭岳の登山口近くにある宿で、外見はロッジ風の建物ですが、客室を含めて館内は定期的に手を入れられていて、きれいで快適な宿です。
ロビー前の暖炉が燃えるラウンジの雰囲気も素敵でした。
新しくなった「プレミアムダブルルーム」は、かつてのシングルルームをリノベーションしたお部屋で、コンパクトですが必要な設備がしっかりと備わっていました。
手前に洗面所・ミニバー・トイレがあり、奥にはダブルベッド、窓際にソファとテーブルが。Wi-Fiも完備で、窓際のソファでPC作業もしやすかったです。テレビの位置が、ソファからもベッドからも見やすい位置なのも良いです。
ちなみに、改装前のシングルルームはこんな感じでした。
ユニットバス付きで安く泊まれるので十分!と思っていましたが、今の部屋のほうが間違いなく快適ですし、テンションが上がる方が多いんじゃないかなと思います。ただ、以前も今も部屋にエアコンはありませんので、真夏の昼間などは暑さを感じることもありそうです。
浴室は本館と別館にあり、本館の浴室は宿泊客限定で日帰り利用できないのですが、こちらの浴室がとにかくすばらしいので、ぜひ宿泊して楽しみたい宿です。
本館には「ユコマンの湯」と「シコロの湯」という大浴場が2箇所あり、時間帯で男女が交換となります。私の1番のお気に入りは「ユコマンの湯」です。
開湯当時のままの姿を今も残しているという内湯は、自然の石が浴場内に取り入れられ、窓からは山の緑を眺められ、内湯なのに広い露天風呂に浸かっているような開放感があります。
雰囲気が良いだけでなく、湧駒荘の持つ5つの源泉がすべて楽しめる贅沢な浴室です。やや熱めの「元湯」と「炭酸水素塩泉」
青みがかって見える「目薬の湯」と、その奥に「ぬる湯」。
露天風呂では石膏泉が。
温度も色も香りもすべて異なるすばらしいお湯が楽しめる、なんとも贅沢な浴室です。ちなみに、ユコマンの湯では加温を行わないため、冬季は露天風呂は閉鎖。内湯のお湯もぬるめになると思います。
別館にある「神々の湯」は、新しい浴室で天井が高く、雰囲気があります。
浴室の写真は、2020年に初めて泊まった際に許可をいただいて撮影したものになります。特に神々の湯については、2021年に工事を行っていたため、現在は写真と異なる部分もあるかもしれませんが、ご了承ください。
湧駒荘は、料理も大変おいしい宿です。日本酒は宿のオリジナルラベルのものをいただきました。
揚げたての「十勝産インカのめざめのコロッケ」は、紙に包まれた状態で提供されて、そのままかじって食べる演出も楽しいです。
「蝦夷鮑の塩釜焼き」は、皿の上の焼いた塩のかたまりをハンマーで叩いて割ると、中から昆布に包まれていい塩梅に蒸し上がったアワビが現れるという料理。
贅沢な気分になれて、味もおいしい。
そしてこちらの宿の名物は、夏季限定の「メロンヴィシソワーズ」ヴィシソワーズをいただいた後のメロンも食べられます。
肉料理の知床クリーンポークのしゃぶしゃぶも、量もしっかりあって大変おいしかったです。
朝ご飯も品数多く、なかなか豪華。
お味噌汁代わりの、海藻がたっぷり入った「よせ豆腐鍋」は、焼いた梅干しが味のアクセントになっていて食欲が湧いてくるおいしさでした。
第5位 4.6点:島根県 温泉津温泉 のがわや旅館
【部屋】★★★★☆4.5【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★★5【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★☆4.5【コスパ】★★★★☆4.5
5位に選んだのは、島根県の温泉津温泉のがわや旅館です。
2022年6月にサンライズ出雲に乗って島根県に行った際に宿泊した宿で、サンライズ出雲の終点である出雲市駅から山陰本線に乗って1時間少々で着きます。
温泉津駅から宿までは徒歩12分ほど。
少し早めに来て温泉街を歩いたり共同湯やカフェに立ち寄って過ごしましたが、連絡すれば駅まで送迎していただけるそうです。帰りは駅まで車で送っていただきました。
1912年創業の歴史ある宿で、創業当時の面影を残すクラシックな外観の宿ですが、館内はしっかりと手入れされていて清潔、快適そのものでした。
1泊2食付きで15,490円から一人泊可能ですが、早期予約の割引プランであれば14,800円で予約できます。また、土曜日も1人で宿泊可能な宿です。
【2食付き15,490円~】烏賊そうめんをはじめ、日本海の旬の魚介をリーズナブルに楽しめる
宿泊したのは、最もお安く泊まれる、トイレ・洗面所共同の6畳和室です。
畳も新しく、どこもかしこも清潔なお部屋です。広縁には座りやすいシングルソファが2脚並んでいました。
客室内でWi-Fiも利用可能で速度も問題なく、共同のトイレ・洗面所も部屋を出てすぐのところにあったので不便は感じませんでした。
浴室は、男女別の大浴場と貸切風呂が1箇所ありますが、実は私が泊まったときは、感染症対策のために大浴場も含めてすべての浴室が予約制の貸切利用となっていました。
あらかじめ予約した時間に入らなければならないという時間の制限はあるものの、すべての浴室を1人でゆったり使うことができて、ありがたかったです。
大浴場には2つの浴槽があり、小さいほうの浴槽が源泉浴槽で、大きめのほうは湧かし湯になっています。
温泉津温泉は湯量が多くないため、客室数に見合ったサイズの湯舟を設置しようとすると源泉かけ流しで提供することは難しくなってしまいます。そのため、加水や循環をして大きな浴槽を作るよりは……と「大きい湧かし湯の浴槽と、小さな源泉浴槽」がセットになっている宿が多いんだそうです。
源泉浴槽は1~2人でいっぱいの小さなサイズなので、他のお客さんと一緒に大浴場を使うとしたら、譲り合って利用することになると思いますが、貸切利用だったのが幸いして、温泉津温泉の濃厚な源泉を存分に楽しむことができました。
夕食時にいただけるドリンクメニューが客室内に置いてあり、夕食前でも提供可能とのことだったので、地ビールをお願いしました。これがとてもおいしかった!
夕食はお部屋でいただきました。
煮物・蒸し物・焼き物・揚げ物など温かい料理は後から熱々で持ってきていただいたのですが、冷たい料理だけでもお皿の数がこれだけあります。お刺身らしきものだけで3種類も。
お酒は「亀五郎」をグラスでいただきました。会員が酒米の田植えから酒造りを行っているという「五郎之会」の会員にしか販売されていないという、貴重なお酒です。
マスカットのような爽やかな香りと、ほのかな酸味のある大変おいしいお酒でした。
烏賊素麺をはじめとした魚介中心のメニューで、最後まで肉はひとかけらも出ませんでしたが、ものすごく満足感のある夕食でした。
朝食はお食事処で。
温泉津名物だという「海苔汁」がお味噌汁とは別にあり、生海苔がたっぷりのお吸い物に、白玉団子と銀杏が入っていてこれがとてもおいしかった!
そして、夕食でもいただいた烏賊素麺が朝食でも。朝からお酒が飲みたくなる朝食でした。
食後のコーヒーもいただき、サービスもお風呂も良かったですが、食事の満足度が特に高い宿でした。
第4位 4.6点:新潟県 関温泉 朝日屋旅館
【部屋】★★★★4【風呂】★★★★★5
【夕食】★★★★☆4.5【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★☆4.5【コスパ】★★★★★5
4位に選んだ新潟県の関温泉 朝日屋旅館は、2022年の春に初めて宿泊した宿です。
関温泉は「関温泉スキー場」という小規模なスキー場のすぐ側にあり、冬が最も賑わう温泉地です。また、2004年にすべての旅館の浴槽水を調査し、良好な温泉と確認したうえで「加水なし」「加温なし」の源泉かけ流しをすべての旅館で実現しているそうです。
もちろん、朝日屋旅館さんのお湯もすべて源泉かけ流し。オレンジ色の細かい湯の花がたっぷり含まれた、湯上がりは肌がすべすべになったのがはっきりと感じられるすばらしいお湯を楽しむことができました。
また、土曜日や連休でも1人泊可能、かつ休前日の料金アップもなく、平日も土曜日も同じ料金で泊まれます。さらに1人泊の料金アップもほんのわずかです。1人で泊まれるのは8畳の和室ですが、同じ部屋に2人で泊まったときとの1人あたりの宿泊料金は1000円でした。
一人旅に優しく、宿泊料金もリーズナブル、宿の方も優しくてお湯も食事も良い!ということでかなり気に入りました。
宿泊レポートはこちらに公開しています。
【2食付き12,850円】湯は絶品!山菜と魚介がたっぷり楽しめる食事も良い
宿泊したのは8畳の和室です。建物は新しくはありませんが、客室内はとてもきれいで、洗面所とウォッシュレット付きのトイレも部屋についています。
ただ、エアコンの設置はなかったので、真夏の宿泊は暑がりの方は少し厳しいかもしれません。私は4月下旬のまだ肌寒い季節に泊まったので、部屋は暖房がきいていて快適に過ごせました。
浴室は男女別の大浴場を、チェックインからチェックアウトまで夜通し利用可能です。
チェックインしてすぐに入りにいったところ、この日は日帰り入浴の方もおらずしばらく誰も入っていなかったのか、浴槽の上のほうのお湯は透明になっています。
中に入ってお湯をかき混ぜると、細かい湯の花がふわーっと混ざっていって、きれいなオレンジ色のお湯になりました。
チェックイン時に女将さんに「お風呂から上がるときは、湯の花は洗い流さないほうがいいですよ。タオルが汚れてもぜんぜんかまいませんからね」と言っていただき、お心使いがありがたいなあと思ったり。
露天風呂でもすばらしいお湯を、ひんやりとした空気と青空の下、楽しむことができました。
食事は、朝夕共に1階の食堂でいただきます。かつおの漬けにはこごみが、冷や奴にはふき味噌がのっていて、山菜好きなので興奮しました。
宿泊したのは4月下旬だったので、山菜たっぷりの料理を楽しむことができました。山菜の種類が変わりつつ、6月ごろまで楽しめるそうです。
お酒は「地酒の飲み比べ3種」をいただきました。
陶板焼きは行者ニンニクと豚肉炒め。香りの強い行者ニンニクと豚肉の相性がすばらしく、家でも真似してみたいおいしさ。
もちろん山菜の天ぷらも……。宿泊料金から考えると品数も大変多く、味もおいしかったです。山の中の宿ですが、新潟の海にも近いので日本海の魚介が朝夕共に並びました。
朝食にも大好きなこごみの胡麻和えが。
納豆にふき味噌が添えられているのもうれしいですね。卵焼きやご飯もおいしくて、幸せな朝食でした。つくづく、これだけの料理を出して土曜日でも12850円で泊まれるのはすごいと思います。
第3位 4.6点:鹿児島県 紫尾温泉 旅籠しび荘
【部屋】★★★★☆4.5【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★★5【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★★5
第3位に選んだ鹿児島県の紫尾温泉 旅籠しび荘は、2022年9月に初めて泊まったのですが、あまりにもすばらしかったので2ヶ月後に再訪してしまった宿です。
以前から評判は聞いていたのですが、公共交通機関でのアクセスが良くないのでなかなか足を運べずにいたのです。よくよく調べてみると「鹿児島空港から空港バスで宮之城まで来て、そこからタクシー」を利用すれば、タクシー代最小限で、わりとスムーズに来れることがわかりました。
とは言えタクシー利用必須になりますし、せっかくお安く泊まれる宿なのに交通費が嵩んだらあまり意味ないのかな……などと泊まる前は思っていたのですが、泊まってみると「これは、タクシー代をかけても泊まりたい宿だ!」と思えたので、すぐに再訪してしまった次第です。
宿泊レポートもこちらに公開しています↓
1人で泊まれるシングルルームがあり、1泊2食付き12600円から宿泊可能で、土曜日でも1人で泊まれます。
【2食付き12,600円~】湯温のことなる2つの浴槽がある大浴場と、夕食は量も味もすばらしい
宿泊したお部屋は1人用のシングルルーム。
フローリングのお部屋にシングルベッド、リクライニングチェア、デスクと椅子。テレビ、冷蔵庫、内線電話、トイレ、洗面所と一通りのものは揃っています。
1人で過ごすには至極快適で、デスクもあるのでPC作業もやりやすくて良いのですが、Wi-Fiがたまに不安定なことがあったのと、ポットが魔法瓶タイプなので夜にはお湯がぬるくなってしまうのだけは残念かなという感じ。まあ、気にしない人は気にしないポイントだと思うので、個人的なこだわりです。
浴室は、日帰り客も利用する大浴場と、宿泊者専用の貸切露天風呂があります。
この大浴場がすばらしかった!
左側に楕円形の浴槽と右側に四角い浴槽があるのですが、この浴槽にはそれぞれ湯温の異なる源泉が注がれており、熱湯とぬる湯の交互浴が楽しめるのです!
ライオンの口からお湯が注がれる浴槽は熱めで、とろみを感じさせるようなぬるぬる感のあるすばらしいお湯。
そして、四角い浴槽のほうは人肌のぬる湯で、浴感はややさっぱりとしています。
2つの浴槽を行き来して、長湯を楽しみました。
日帰り客や、近所にある系列宿の宿泊客も大浴場を利用するはずなのですが、泊まった日は常に独占状態でのんびり楽しめたのもうれしかったです。
そして、川沿いにある露天風呂。
こちらは2つの源泉を混ぜてちょうどいい温度にしているようでした。交互浴が好きな私は内湯のほうがより気に入りましたが、貸切利用できる露天風呂があるのはありがたいことだと思います。
食事は食事処でいただきますが、テーブル毎に個室のようになっていたので、1人でも人目を気にせず食べられます。
鹿児島の宿は、芋焼酎は多くても日本酒やビールはあまり種類がなかったりしますが……、しび荘では焼酎以外にも、タップマルシェの生ビールが4種類と、日本酒の冷酒も全国の有名な銘柄のものを取りそろえていたので、ビールと日本酒が好きな私も選択肢が多くてうれしかったです。先付けもお酒が進む料理ばかり。
鹿児島らしく、美しいキビナゴの刺身も並び、ローストビーフもあっさりとおいしい……。
鍋料理はたっぷりの「ぼたん鍋」が提供され、さらには黒豚のしゃぶしゃぶも……。
こちらには掲載しきれないほど品数の多い夕食で、しかもすべて味が良いのでしっかりといただいてしまいました。
朝食も、さつま揚げやパイナップルなど鹿児島らしい食材のほか、サラダは豆サラダだったり、焼き魚は銀ダラの西京漬け焼きだったり。
「旅館の朝食」の鉄板メニューにあてはまらない、一ひねりあり朝食メニューで、大変おいしくいただきました。
第2位 4.7点:鹿児島県 妙見温泉 ねむ
【部屋】★★★★☆4.5【風呂】★★★★★5
【夕食】★★★★★5【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★☆4.5【コスパ】★★★★☆4.5
2位に選んだ鹿児島県妙見温泉のねむも、3位のしび荘と同じく2022年9月に初めて泊まった宿です。そして、あまりにも気に入ったのでやはり2ヶ月後の2022年11月に再訪してしまいました。
妙見温泉のバス停の目の前にある宿です。以前は「妙見ホテル」という名前でしたが、2019年に近所にある「妙見石原荘」がオーナーとなってリニューアルオープンし、現在の「ねむ」という宿になりました。
妙見温泉は小規模な温泉地ですが、この宿を含めて高級宿から湯治宿までさまざまなタイプの個性的な宿が軒を連ねているお気に入りの温泉地です。
以前「私の好きな温泉地10選」という記事でご紹介しています。
妙見温泉ではこれまで何軒かの宿に泊まっていますが「2食付きで泊まるなら1番バランスが良くて人にも勧めやすい宿だ」と思ったのがこの「ねむ」です。
【2食付き18,700円~】個室でいただく食事がおいしく、風呂は湯も雰囲気も絶品
宿泊したのは8畳トイレ付きの和室です。
客室の畳や壁などもきれいです。チェックイン時から布団が敷いてあります。
窓の外を流れる天降川の眺めも美しいです。
冷蔵庫や湯わかしポット、内線電話、テレビ、金庫、空気清浄機など必要な備品も揃っていました。
清潔なトイレ・洗面所もついており、Wi-Fiも問題なく使えて、豪華な部屋ではないけれど何の不便もない快適なお部屋でした。
浴室は、時間帯で男女が交換となる大浴場2つと、空いていればいつでも利用できる家族風呂が2つ。
源泉はけっこう熱いお湯なのですが、熱交換システムで冷まして、加水・循環せずに提供しているそうです。
家族風呂は、ホームページ上では「予約制」となっているので、もしかしたら現在は予約制に変わっている可能性もあります。家族風呂は1箇所が熱めで、もう1箇所がぬるめだったので好みで選べるのもうれしいですね。
大浴場の「黄金湯」は大きな浴槽の内湯と、露天風呂があります。
気候のいい9月は、内湯でも窓をあけて湯浴みを楽しみました。
露天風呂は天降川沿いにあり、塀があるので景観はないものの、川の気配に耳をすませながらかけ流しのすばらしいお湯に浸かることができました。
もう1箇所の浴室「岩風呂」は露天風呂はないものの、かなり広々とした内湯です。
1人ずつ入れる壺湯が3つ並んでいたり、寝湯があったりと浴槽のバリエーションもさまざま。飲泉所も用意されていました。
一番大きな浴槽は、かなり広いので場所によって湯の温度も異なり、自分の好みの場所を見つけて長湯を楽しみました。
笹濁りで金気臭の感じられる炭酸水素塩泉ですが、湯上がりは肌がしっとり、さらさらになり、かなりの美肌効果が感じられました。
食事は朝夕共に、館内の「ネムノキ茶屋」でいただきます。
照明も雰囲気があり、席ごとに仕切りがあるので1人でも気になりにくいのもありがたいですね。
お品書きがないのが少しだけ残念ですが……お酒のメニューもなかなか豊富で、料理も少しずついろいろいただけるコースで、お酒に合わせやすいです。「妙見サーモンのマリネ」や、鹿児島でよく獲れるという芭蕉カジキ「秋太郎」など、地物食材が多いのもうれしい。
そして、生ビールがなんかおいしいのです。普通の一番搾りのはずなのですが……サーバーをきちんと洗っていて、注ぎ方が上手なんだと思います。泡がきめ細かくて、いつもの一番搾りよりすっきりした味わいに感じられました。
茶蕎麦には温泉卵がのっていて、柚子胡椒風味で豪華です。
焼き物の「カマスの幽庵焼き」はあしらいも美しく、食べやすく、おいしかったですね。
日本酒も、種類は多くはないのですが、おいしいお酒が揃っていました。
最後はやっぱり黒豚しゃぶしゃぶ!
〆のご飯は玄米か白米を選ぶことができ、玄米の炊き方も上手でした。
デザートのフルーツゼリーまでしっかり手作りされていて、すべておいしかったです。
たっぷりのサラダがうれしい朝食をいただいて、チェックアウトまでのんびり過ごしました。妙見温泉は空港から近く、バスの便も良いので(本数は減ってしまいましたが……)交通費があまりかからないのもうれしいポイントですね。
第1位 4.7点:長野県 白馬八方温泉 まるいし
【部屋】★★★☆4.5【風呂】★★★4
【夕食】★★★★★5【朝食】★★★★★5
【サービス】★★★★☆4.5【コスパ】★★★★★5
第1位の白馬八方温泉まるいし。2021年も泊まっていて、2年連続の1位に選出しました。
実は、2017年から毎年更新している「1年間で泊まった宿でコスパ最強の宿ランキング」の記念すべき第1回でも1位に選んでいる宿です。
記事を確認して驚いたのですが、2食付きの料金が5年前と100円しか変わっていないのもすごいですね……。
基本的には1人で泊まれるのは平日のみですが、空いているときは土曜日に1人泊のプランがスポット的に出ていることもありますので、いつもまめにチェックしています。
宿泊レポートはこちらにまとめています。レポート書いた後も何度も泊まっているので、更新したいですね……。
【2食付き11,600円~】コスパ最強ランキング2年連続1位!食事がすばらしすぎる宿
お部屋はシンプルな和室ですが、広いし、清潔だし、きちんと手入れされているのがわかるお部屋です。
洗面所もトイレも部屋に付いており、冷蔵庫や電気ポットなどの設備もすべて揃っており、快適に過ごせます。
館内に飾られている生け花も美しく、女将さんの気遣いが随所に感じられます。
浴室は内湯のみですが、シンプルで美しい浴室で、いつも清潔に整えられています。
お湯は、八方では実は珍しい源泉かけ流し!
湯口ではほんのり硫化水素臭が感じられるすばらしいお湯を楽しめます。
脱衣所にあるドライヤーが、Panasonicのナノイーなのもうれしい!(女湯だけかもしれません)
そして、まるいしと言えば食事!そしてお酒です!
窓に面している、外を眺められる席に案内いただいたので人目も気になりにくいですね。
ボリュームたっぷりな前菜の盛り合わせと一緒に、さっそくお酒をオーダーします。
まるいしの素敵なところがここにも1つ。日本酒の「酒三昧」です。
メニューにある日本酒から好きなものを3種類選んで、オリジナルの利き酒セットを楽しめるというもの。
注文すると「どのお酒を選んだか」が記入された紙がお酒と一緒に提供されるのですが、この紙を10枚集めると酒三昧が1回無料で楽しめる、というおまけまでついてきます。何度でも泊まりに来たくなるわけです……。
料理のお品書きを詳しく書いてくれるところも素敵です。日付が入っているので記念にもなりますね。お品書きを読んでいるだけで食欲が湧いてきます。
変わり鉢は「白馬の豚とトマトのミルフィーユ風」、煮物は「新じゃがのお饅頭」。
いずれも白馬の野菜がたっぷり使われていて、優しいお味です。
お刺身は「朝じめのシナノユキマス」で、鍋料理は「信州牛の青朴葉味噌焼き」
焼き物、揚げ物は熱々を後から持ってきていただけます。
デザートまですべて手作り!のすばらしい夕食をいただいた後は、別室でコーヒーサービスが。2食付き1万ちょっとの宿とはとても思えない、いたれりつくせりぶりです……。
そして朝食です。この規模の温泉旅館にしては珍しくバイキングなのですが、他では見たことがないようなすばらしい内容なのです。
おかずはもちろん、パンもジャムも、すべて手作り。
料理は少量ずつ皿に載せられ、少なくなるとすぐに足してくれます。
ちなみに、お米も自家米、味噌まで自家製だそうです……単に「手作りにこだわっている宿」ではなく、全部がすばらしくおいしいのが本当にすごいと思います。
2022年は、和洋折衷の野菜のおかずと自家製のパン、手作りジャムをいただきました。
ここの手作りジャムが最高においしいので、めいっぱいジャムを食べたくて。
甘さ控えめで、フルーツをそのまま食べているような、手作りならではのフレッシュな味わいが楽しみました。
まるいしの朝食、本当に好きで「朝食がおいしい温泉宿20選」という記事でもご紹介しています。
大好きな宿なのであまり混みすぎて予約が取れなくなっては困る……と思いつつも、白馬のオフシーズン(登山もしにくくスキーもできない時期)は空いていることもけっこうあります。
ぜひ、この宿に泊まることを目当てに白馬に足を運んでいただきたく、白馬八方温泉まるいしを1位に選びました。
以上、2022年のコスパ重視ランキングでした!
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一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。