1泊2食付き2万円以下の宿で、コスパ重視の総合ベスト10を選出した
毎年1月に更新している前年の振り返り記事ですが、2021年は緊急事態宣言発令に伴い更新を控えていたため、こんな時期の更新になってしまいました。
正直なところ、今年はもう更新しなくてもいいかな……と思っていたのですが、宣言明けて旅行行きたい欲が高まっている方が多いようですし、比較的リーズナブルな私のお気に入り宿にぜひ泊まっていただきたく、今更ながら書いてみた次第です。
先に公開済みの「2020年に泊まった温泉宿で「部屋」「風呂」「食事」が良かったおすすめ宿ランキングを発表する 」では、2020年に泊まった宿の中で「部屋・建物」「風呂」「食事」の3項目について「突出して良かった宿」のベスト3をそれぞれ選定しました。
「食事」や「部屋」部門では特に、宿泊料金の高い宿が上位に入りやすい傾向がありますが、私自身、たまにいいお値段の宿に泊まることもあるとは言え、普段は1泊2食付きで1万円台で収まる宿を中心に宿泊しています。なので「すごく印象が良かったけど項目ごとのランキングには入らなかった」宿がいくつもあるのです。
そこで、2020年に泊まった宿の中から「1泊2食付で2万円以内で泊まれる」宿に限定して「コスパも重視していろんな要素を総合的に見た」ランキングを作成しました。
また、2019年までに泊まった温泉旅館については、発売中の著書にもたくさん掲載していますので、ぜひ、お手に取っていただけますと幸いです。
- 1泊2食付き2万円以下の宿で、コスパ重視の総合ベスト10を選出した
- では、泊まって良かったコスパ最高の温泉宿ベスト10を発表!
「部屋」「風呂」「夕食」「朝食」「サービス」「コスパ」を5点満点で採点し、平均点を出した
ランキングの選出方法としては、下記の6項目を★5つを満点として採点し(☆は0.5とする)平均点がより高かった宿を1位としました。
たとえばこんな風に。
部屋 :★★★ 3
風呂 :★★★★ 4
夕食 :★★★★★ 5
朝食 :★★★★★ 5
サービス:★★★★ 4
コスパ :★★★★☆ 4.5
---------------------------
平均:4.25
この場合、この宿の得点は「4.25点」ですが、小数点第2位以下を四捨五入して、4.3点とします。
また「4.3点」の宿が複数あった場合は、今回は「コスパ重視のランキング」ですので、2食付きの宿泊料金が安いほうの宿を上位とします。*1
このやり方で2020年に宿泊した「1泊2食付き2万円以下で宿泊できるすべての宿」を採点し、上位10位までを発表したいと思います。
★の数について
★★★★★ すばらしい!
★★★★ 文句ない
★★★ 普通
★★ これはちょっと……
★ ありえん!
これまでも同様の採点方法で毎年ランキングを発表しており、今回が4回目です。
昨年までは「2食付き2万円までの宿」という縛りは設けていなかったのですが、今回は「リーズナブルに泊まれる宿」によりスポットを当てたいという思いから2万円以内で泊まれる宿のみを選定対象としました。
↑こちらの記事です。以下、採点基準については昨年までと同様になりますが、転載します。
「部屋」の採点基準
「居室や共有部分の清潔感」「居心地の良さ」「宿泊料金に見合った設備があるか」などを総合的に判断しています。あとは、私の好みです。
「部屋」に関する私の好みに関しては、こちらの記事に書いています。
「風呂」の採点基準
「泉質が良いか」「浴室や脱衣所の清潔感」「宿泊料金に見合った設備・アメニティがあるか」「湯温の調節は適切か」などを総合的に判断しています。
あとは好みですが……私がチェックしがちなポイントについては下記記事をご参照ください。
「夕食」「朝食」の採点基準
「味」「料理の提供温度・スピード」「飲み物の種類の多さや、スムーズに注文できるか」「盛り付けがきれいか」などを総合的に判断しています。
あとは「鍋にいきなり火を点けないか」とかですかね……、まあ、私の好みです。
「サービス」の採点基準
過剰なサービスが好きなタイプではないので、いわゆる「旅館らしい接客」を良しとするわけではありません。たとえば、チェックイン後はスタッフと顔を合わせることがほぼなかったとしても、必要な案内書きがきちんと部屋に置いてあったりで滞在中に困ることがなければ、それはそれで「サービスのいい宿だな」と思います。
空気を読んでくれるか、気を利かせてくれるか、普通に接客が丁寧か。
公共交通機関利用なので、最寄り駅・あるいは最寄りのバス停まで遠い宿なら送迎してくれるか、は加味している気がします。
明確な基準を設けているわけではないですが、ある程度の本数、近くまで路線バスが通っている宿であれば「バスを使ってください」で、問題ないと思っています。路線バス、使う人がいなくてなくなるのは困りますもんね……。
「コスパ」の採点基準
「この値段でこれはすごいなー」と思える部分があったら、点を上げています。
平均点がまったく同じだった場合は、2食付きの宿泊料金が安いほうの宿を上位とします。
採点基準については以上です。
では、泊まって良かったコスパ最高の温泉宿ベスト10を発表!
表示している価格についてはすべて「1人で泊まった場合の税込価格」になります。
今回のランキングには「1人で予約できない宿」は含まれていません。
ただし「土曜日など休前日は1人泊の設定がない宿」もありますので、それについては各宿の説明に付け加えています。
第10位 4.3点:青森県 嶽温泉 山のホテル
【部屋】★★★★☆4.5【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★☆4.5【朝食】★★★★4
【サービス】★★★★☆4.5【コスパ】★★★★4
青森県弘前市、岩木山の麓に位置する嶽温泉は「嶽きみ」なる糖度の高いとうもろこしの山地としても有名な温泉地です。
数年前に岩木山登山の後に宿泊して、食事もおいしくお湯も良く、とても印象が良かったので、また泊まりに行きたいと思っていた宿でした。
今回は、あまり天気が良くなくて登山はしなかったのですが、記憶にあった以上に良い宿だなと感じたので、またきっと泊まりたいと思っています。
宿の前には「めへやっこ」なるカフェがあり、コーヒーやシェイク、ソフトクリームにお酒まで楽しむことができます。
バスの時刻の関係でチェックイン時刻より少し早く宿についてしまったので、めへやっこで「青森エール」なるクラフトビールを購入し、飲みながら待ちました。
山のホテルには、季節で変動ありますが2食付き16500円から1人で宿泊可能です。休前日は少し料金アップしますが土曜日も1人泊可能です。
【2食付き16,500円~】その場で炊き上げるマタギ飯はじめおいしい食事と白濁硫黄泉
お部屋はシンプルな和室で、チェックイン時から布団が敷いてありましたが、1人泊なら布団があっても十分に、寛げるスペースがあります。
お茶うけの津軽せんべいは懐かしい味わい。
浴室は2箇所あり、1箇所は宿泊客専用になります。宿泊客専用の浴室は浴槽の周りが畳敷きになっており、熱めの硫黄泉に浸かった後、畳に座って体を休められるのがよかったです。
もう1箇所の浴室「ヒバの湯」は、青森ヒバを贅沢に使った浴室で、硫化水素臭の中にも、ほんのりと木の良い香りが。
雰囲気ある素敵な浴室でした。
食事は夕朝食共に食事処でいただきますが、席と席の間隔は十分に広くとってあり、席の間に衝立もあるので他の席の視線が気になることもありません。
今回は、スタンダードな料理メニューに「銘酒三昧コース」で予約していたのですが、再訪のお礼とのことでグラスビールをいただきました。前回泊まったの何年も前なので恐縮しつつもうれしかったです。
「銘酒三昧」は提供される銘柄が決まっているわけではなく、メニューにある十数種類の青森の地酒の中から、好きなお酒を3種類選ぶという、一番うれしいやつです!
メニューにはそれぞれのお酒の特徴も明記されていたので、間違いなく自分の好みのお酒を3種類、選ぶことができました。
料理も、青森の食材が堪能できるすばらしいラインナップ。りんごのクリーム煮は、甘くないグラタンのような料理で、こちらの宿の名物料理の一つです。
揚げ物もおいしかった!肉厚な帆立のフライを揚げたてで提供いただきました。青森は帆立もおいしいですよね……。
〆は、その場で炊き上げる「マタギ飯」です。
「とり肉、舞茸、竹の子、ごぼう、人参、三つ葉、糸こんにゃく」が具として入っており、ご飯より具のほうが多いんじゃないかと思うぐらい具沢山です。見た目けっこう料があるのですが、あっさりした味わいでするっと入ってしまうから恐ろしいですね……。
朝食はお重に入ったさまざまなおかずと、山菜粥。このお粥がまたおいしくて……。
おかわり自由で、お粥のほかに白いご飯も用意されているので、つい食べ過ぎてしまいました。
滞在中はコーヒーなどを自由に飲むことができるサービスもあり、くつろげる快適なお宿です。宿泊時は嶽きみの季節より少し前だったので、次回は嶽きみを味わいに、また岩木山と山のホテルに伺いたいですね。
第9位 4.3点:群馬県 上牧温泉 月がほほえむ宿 大峰館
【部屋】★★★★☆4.5【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★☆4.5【朝食】★★★★4
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★4
群馬県の上牧温泉にある「大峰館」には、数年前にも1度泊まって気に入り、今回2度目の宿泊です。谷川岳や尾瀬の帰りに立ち寄るのにも便が良い宿で、ヤマケイオンラインの連載でも紹介させていただきました。
大峰館の女将さんは気さくでなんだかおもしろい人です。いわゆる接客業感があまりないので、そういう人だと思っておいたほうがよいかと。(友達の家に遊びに行ってお母さんがもてなしてくれたみたいな感じ)
以前、こちらの記事↑にも書きましたが、土曜日はもちろん、GWなど連休中でも1人で宿泊が可能で、料金アップもあまりありません。そういう意味でも、泊まりやすくて好きな宿です。
また、私が宿泊の際予約した「三日月コース」は、1人で泊まった場合1泊2食付き16300円からですが、実はこの他に「ビジネスプラン」なる2食付きのもっとリーズナブルなプランもあり、こちらであれば11700円から泊まれます。食事の内容や部屋の広さが異なりますが、好みや用途、どのぐらい食べるかに合わせて使い分けられるのがうれしいですね。
【2食付き16,300円~】飲泉もできるすばらしい源泉を持ち、群馬の地酒も楽しめる
大峰館は全13室の小規模な旅館ですが、建物は新館と本館に分かれています。
「三日月プラン」で宿泊した際は、ウォッシュレット付きのトイレと広い洗面所のついた新館の部屋に案内されることになります。チェックイン時から布団が敷いてありますが、10畳ほどある広い和室なので、布団が敷いてあっても狭苦しさを感じることはありませんでした。
浴室は男女別の大浴場で、入れ替えはありません。チェックインからチェックアウトまで夜通し入浴可能です。
内湯と露天風呂がセットになった、さほど広くないシンプルな浴室ですが……こちらのお湯が、地味ながらすばらしいのです!
加水も加温も消毒もしておらず、敷地内から湧き出る新鮮な源泉がドバドバとかけ流されており、42度前後の入浴に適した温度にキープされています。
実際には、季節によって投入量を若干変えて、入りやすい温度に調節しているそうですが、いつ行っても熱すぎることもぬるすぎることもなく絶妙な温度なのです。
火山性の温泉ではなく、地下水が地熱で温められた温泉だそうで、硫黄泉のような個性的な色や香りはありませんが、温泉好きであれば地味ながらすばらしい大峰館のお湯の良さを感じ取っていただけるのではないかと思います。
食事は朝夕共に食事処で。
隣の席との間隔が広く、ゆったりとしています。(やや雑然としてはいますが)
ちなみにこの日は、私以外に男性の1人客と女性の1人客がいて、ひとりで泊まっている人が計3人いました。
大峰館で気に入っているのは、地元産の地ビール「月夜野ピルスナー」の生が飲めること。
陶器のグラスで提供されました。きめ細やかな泡立ちでおいしかったです。また、地酒のラインナップもなかなか豊富で「水芭蕉」と「谷川岳」の1合瓶が何種類かあるのがうれしかったですね。
お刺身はこんにゃくと湯葉とニジマス。肉料理は上州牛の石焼きと、山の宿らしいメニューです。
〆が季節の炊き込みご飯なのもうれしいですね。前回春に泊まったときは筍ご飯でした。
汁物がお味噌汁やお吸い物ではなく、蕎麦や細めのうどんなのもこのお宿のこだわりのようです。蕎麦もうどんもおいしかったですね。
朝食には温泉粥や温泉湯豆腐など、良質な源泉を活かした料理が並びます。
温泉粥はクコの実が入っていて、滋養がありそうな味わいでした。
首都圏からも行きやすい場所ですし、また泊まりたい宿ですね。
第8位 4.3点:新潟県 燕温泉 ホテル花文
【部屋】★★★☆3.5【風呂】★★★★★5
【夕食】★★★★☆4.5【朝食】★★★★4
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★☆4.5
8位は新潟県の燕温泉、バス停の目の前にあるホテル花文です。
燕温泉は妙高山の登山口でもあり、最寄りの関山駅からバスでアクセスが可能です。
以前何度か日帰り入浴で利用したことがあったのですが、すばらしいお湯でとても気に入っていたので、泊まってじっくり楽しみたいと思っていたのです。
宿泊翌日は天気が良ければ妙高山に登りたかったのですが、残念ながら雨予報だったので、チェックアウトぎりぎりまでのんびりさせてもらいました。土曜日も1人泊可能な宿です!
【2食付き13,200円~】青みがかった硫黄泉がすばらしく十割蕎麦がおいしい
「トイレ付きの新館」と「トイレ無しの旧館」があり、どちらの棟にも1人で泊まれます。私は新館に泊まりましたが、同じ食事プランでも旧館のほうが2千円ぐらい安く泊まることができます。新館も新しい建物ではないですが、室内はきれいに掃除されていました。
畳の傷みなど少し気になったので、古い建物がダメな人にはおすすめしませんが……。女性には色浴衣のサービスがあります。
こちらの宿の特徴として、2つある大浴場のうち露天風呂は片方にしかついていないのですが、非常に珍しいことに、露天風呂のあるほうの浴室が基本的に女湯なのです!
こちらが女湯です。内湯も広々としており、青みがかった源泉がざばざばとかけ流されており、熱めですが熱くて入れないほどではない絶妙な温度です。
露天風呂は眺望もよく、あと1~2週間すれば紅葉の盛りというタイミングでした。
露天風呂はやや温めなので長湯できます。
朝の7時~9時だけ男女の浴室が交換になるのですが、こちらがもう1つの浴室です。
窓からの見晴らしはいいものの、露天風呂はこちらにはありません。
口コミを見ると「男性が露天風呂に入れる時間が短い」ということで評価を下げている方がちらほらいるのですが、個人的には「たまにはこういう宿があったっていいじゃないか!」と思うのです。泉質・眺望に優れたその旅館のメインの浴室が「湯浴み着不可の混浴で事実上の男湯」となっており、女性専用時間は「19時~21時の2時間だけ」という宿、いくつも思い浮かびますからね……逆の女性優遇はここぐらいしか思い浮かばないです。
この宿の場合、男湯のほうは脱衣所が狭いので、女性が髪を乾かしたり身支度するにはきつい、という問題もあるんだと思います。ベビーベッドもスペースの都合上女湯にしかないですし。できれば今後もこのままであってほしいなあと。
食事は、食堂でいただきます。時間になって席に着くと、いくつかの料理がセットされていました。
食事処は広々としており、隣のテーブルとの間隔は十分あいていました。
ドリンクメニューを眺めると地酒のラインナップもなかなかのもの。「呑み比べセット 800円」をオーダーしました。
お酒のメニューの中に新潟県上越市のワイナリーである「岩の原ワイン」のハーフボトルとグラスがあったのも素敵だなと。
さて、料理です。土瓶蒸しは、鯛、うずらの卵、海老、鶏肉、銀杏、きのこなど具沢山。
熱々で、体が温まるし日本酒がすすみます。
天ぷらは、食事が始まるときから卓上にあったのは少し残念だけど、量もたっぷりで、山菜やきのこなど山らしい具材なのがうれしかったですね。
ホイルに包まれて蒸されていたのは「子持ち鮎」でした。ホイルを破ると笹の葉の良い香りがたちのぼります。
〆は数量限定の、打ち立ての十割蕎麦。
提供数が限られているとのことで、確実に食べられるように、今回は「十割蕎麦御前プラン」で予約していました。香り高い、コシの強い蕎麦でかなり好みでした。
朝食は、シンプルながらご飯がすすむおかずが並びます。(それなのに、ご飯とお味噌汁の写真を撮り忘れたのですが……)野菜サラダの野菜が新鮮なのもうれしかったです。また新蕎麦の季節に泊まりたい宿です。
第7位 4.3点:山形県 肘折温泉 大友屋旅館
【部屋】★★★★☆4.5【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★4【朝食】★★★★4
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★☆4.5
第7位は山形県の肘折温泉の大友屋旅館です。11月下旬、小雪がちらつく寒い日に伺いましたが、肘折の熱いお湯に浸かるにはぴったりな日でした。
ちなみに……肘折名物の朝市は11月下旬までで、このときもまだ開催されていました。
大友屋旅館さんには「湯治プラン」と、旅館的なサービスのいわゆる「旅籠プラン」があり、私は旅籠プランのほうで宿泊しています。「2食付き1,1000円から」という料金は旅籠プランの最低料金です。
湯治プランの場合料理の内容が異なるのですが、2食付き(部屋食)で8800円で宿泊できるので、そんなに食べない方なら湯治プランも良いのではないかと思います。
湯治プランでも旅籠プランでも土曜日も1人で宿泊可能です。
【2食付11,000円~】個室でいただける食事とひのき造りの貸切風呂。湯治プランも有り
お部屋はシンプルなトイレ・洗面付きの和室です。
室内にはきちんと手を入れられていて古さは感じられません。お茶うけは「ほていまんじゅう」です。甘さ控えめでおいしい。
浴室は、大浴場が2つと貸切風呂が1つ。夕食のタイミングで男女が交換となります。
夕食前までの時間帯に女湯となっている「あたたまりの湯」は、大きな窓があって広々とした内湯です。
薄い緑色のお湯はメタケイ酸豊富で肌がしっとりします。熱めの源泉が大量に掛け流されていますが、熱くて浸かれないほどではなく、ちょうど良い温度に調節されていました。
夕食後に女湯となる「美肌の湯」はややこぢんまりした浴室ですが、こちらの浴室については夜通しの利用が可能です。
もう1つ、空いていればいつでも利用可能な貸切の浴室があります。
泉質は同じですが、浴槽だけでなく浴室全体が檜造りのため、木の良い香りがする素敵な浴室です。貸切利用なので窓を開けて外の風を感じながら入れるのが気持ち良かったですね。それから、熱いお湯が苦手な場合は好きに水を足すことができるのもうれしいポイント。こちらの浴室は6時から22時まで利用可能です。
食事は個室の食事処でいただきました。
いくつかのお料理が先に並べてありますが、温かいお皿は後から1品ずつ持ってきてくださいます。
お酒のラインナップもなかなか豊富。地酒の利き酒セットがあるのはうれしいですね。
もちろん注文しました。
後から熱々で持ってきてくださった岩魚の塩焼きには、ふき味噌が添えられていました。
日本酒にもちろん合いますし、山の宿の定番料理の岩魚の塩焼きですが、新鮮な味わいでした。
メイン料理は山形牛の陶板焼き。
やや甘めの味付けで、なんと温泉卵につけていただきます。すき焼きと似ていますが、すき焼きよりも肉が厚めで汁気が少ないし、卵も生じゃないので味がぼんやりせず、おいしくいただきました。岩魚もそうですが、定番料理を定番のまま出さずに工夫して提供されてるのがいいですね。
朝食も同じ食事処でいただきます。
おひたしや茄子の揚げ浸し、布海苔のお味噌汁などが印象に残りました。ひとひねりある夕食も良かったですし、定番のおかずをしみじみおいしくいただける朝食も好印象な宿でした。
第6位 4.3点:佐賀県 嬉野温泉 旅館 一休荘
【部屋】★★★★4【風呂】★★★★4
【夕食】★★★★☆4.5【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★★5
佐賀県の嬉野温泉には2020年に初めて伺いました。「温泉湯豆腐」で有名な嬉野温泉ですが、大型の温泉旅館が多く、お湯は循環しているのかな……?というイメージの温泉地でした。しかし、探せばあるものです。
嬉野温泉バスターミナルの目の前にある一休荘は、全7室の小さな旅館ですが、手作りの食事の評判が良く、宿泊料金が安く、かけ流しの浴室を貸切で利用できるとあって1度泊まってみたいと思っていました。
実際に泊まってみたところ本当に満足度が高く、次もきっとこの宿に泊まりたいと思える宿でした。2食付き8800円から宿泊可能で、土曜日でも1000円程度の料金アップのみで宿泊が可能です。
【2食付き8,800円~】かけ流しの浴室は貸切利用、朝食の温泉湯豆腐がうれしい
今回宿泊したのは2階にあるトイレ・洗面付きの和室です。建物は新しくはありませんが、室内はとても清潔でトイレもウォッシュレット付き、空の冷蔵庫など備品もしっかり揃っていて不便さは無し。ちなみにトイレ無しの客室もあり、そちらのほうが若干お安く泊まれます。
窓際にあるオットマン付きのチェアも素敵!風呂上がりはここでビールを飲むぞ!と心に決めました。
旅館一休荘には自動販売機や売店などはないのですが、徒歩圏内にコンビニがあり
「飲み物などは買ってきて部屋で飲んでいただいて大丈夫ですからね」
と案内していただけたのがうれしかったです。
部屋を出たところには漫画がたくさん並んでいる書棚があり、お借りして部屋読んで良いとのこと。風呂上がりは窓際の椅子でくつろぎながらビールを飲み「金田一少年の事件簿」を読んでいました。
こちらのビールのグラスもお部屋に置いてあるものを使わせてもらっています。普通のコップじゃなくビールを入れるのにちょうどいいフォルムなのがうれしい。
浴室は2つあり、空いているときに中から鍵をかけて貸切で利用します。
大きいほうの浴室は3~4人は入れそうな石風呂で、洗い場は畳敷き。
おそらく「ザボン」と思われる、大きな柑橘類がいくつも置いてあって、浴室内に良い香りが漂っていました。
もう1箇所の浴室は岩風呂よりも小さな、レトロなタイル張りのお風呂。
1人ならこちらの浴槽でも十分くつろげます。
嬉野温泉の泉質は高温の重曹泉でぬめりが感じられるお湯ですが、一休荘ではどちらの浴室でもかけ流しのお湯が楽しめます。そのままだとかなり熱いお湯なので水を足して入るのですが、貸切利用なので好みの湯温にしやすいのと、水を足してもなお、つるつる感が残る良いお湯でした。
夕食はお部屋に運んでいただけます。
熱燗を注文し、テレビを見ながらのんびりといただきます。
夕食のメイン料理は佐賀牛の陶板焼き。量もたっぷりあり、2食付き1万円以下で泊まれる宿とは思えない、味も量も大満足の夕食でした。
朝食は1階の食事処に用意していただきました。(少し料金プラスされますが、朝食を部屋食にできるプランもあります)
陶板の上で焼くベーコンエッグ、たっぷりのサラダ、具沢山のお味噌汁など朝から食欲が湧いてくるラインナップですが、何と言っても嬉野温泉名物の温泉湯豆腐です!
温泉の成分で豆腐が溶けたようになるのが特徴で、豆腐の角が丸くなっています。
嬉野温泉に行ったら必ず食べたいと思っていた温泉湯豆腐。前日に専門店でもいただいていたのですが、一休荘の温泉湯豆腐もひと味違っておいしかったです。
第5位 4.3点:新潟県 赤倉温泉 ほてる千家
【部屋】★★★★4【風呂】★★★★4
【夕食】★★★★☆4.5【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★★5
第5位に選んだのは、新潟県の赤倉温泉の驚異のコスパ宿、ほてる千家です。
2016年に初めて宿泊して以来3度目の宿泊でしたが、今回は夏休みを利用して2連泊しました。
2食付きのスタンダードプランが8,800円なんですが「浴衣とバスタオルがつかない」「チェックインが16時以降」という条件が付くecoプランであれば、2食付き7,700円で宿泊可能です。(じゃらんでのみ設定あり)
なお、この記事で紹介している2食付きのプランは、冬の間は提供がありません。スキー場のすぐ側にある温泉宿のため、スキー場の営業期間中はスキーツアーの受け入れがあるようで、例年、冬の間はじゃらんなどの旅行サイトからの予約は素泊まりのみに変わっていました。
お湯だけを楽しむ宿というよりは、高コスパな食事を合わせて楽しみたい宿なので、宿泊を検討される方は春から秋の間がおすすめです。冬は浴室なども混みそうですしね……。
【2食付き7,700円~】妙高高原の最高コスパ宿で2連泊!高原の宿だけど魚介も新鮮
ほてる千家は、食事の内容で若干料に違いはありますが、どのプランで泊まっても基本的にはお部屋は同じ、和室です。1人泊の場合、布団はチェックイン時から敷かれています。
トイレ・洗面所・冷蔵庫は各部屋にはなく、共用のものを利用しますが、湯沸かしポットはあるし(重要!)、エアコンはよく効くし(かなり重要)、敷き布団は2枚重ねなので腰が痛くならないし、Wi-Fiも使えるしで個人的には何ら不満はありません。
お茶うけは近所の饅頭屋さんの温泉まんじゅうで、これもなかなかおいしいです。
浴室は男女別の内湯のみですが、赤倉温泉のとろみを感じさせるようないいお湯がかけ流されています。泊まった際は浴室も混み合うことはありませんでした。
温泉には夜通し入れますが、シャワーは深夜はお湯が出なくなってしまう点だけ、注意が必要です。
ほてる千家の特筆すべきポイントは食事だと思います。
8800円のスタンダードプランと、少し品数の多い11000円のまんぷくプランがあり、スタンダードプランでも量は十分すぎるほどなんですが、まんぷくプランだと確実に、朝夕共に個室に用意していただけるんですよね。(特にプランの詳細に記載があるわけではないのですが、何度か泊まって、スタンダードプランのときは食堂利用のことがあったので)
今回はコロナ禍ということもあり、できれば個室で食事したい……ということでまんぷくプランで予約し、朝夕共に個室でのんびりといただきました。
1泊目の夕食はこちら。ボリュームたっぷり!
「鮎正宗」なる、妙高市内にある酒造のお酒を注文しました。固形燃料で炙っていただくホタテ貝。
お刺身は鮪、はまち、鯛、 サーモン、海老の4点盛りです。海老は青い卵を抱いており、新鮮でした。
高原の宿ですが、妙高高原は距離的に糸魚川にかなり近いので、魚介が大変おいしかったです。
連泊ということで、どのぐらい料理が変わるか楽しみにしていたんですが、前日とはがらりと違うメニューです。この日は熱燗をいただきました。
お刺身は姿作りになっています。焼き魚は鮎。
この日は牛肉の陶板焼きも。お肉もたっぷりだし、しめじ、えのきだけ、たまねぎ、ピーマンと具沢山。甘辛い味付けでいただきます。
ホイル焼きの中身は鶏肉としめじ、玉ねぎ。陶板焼きとやや食材が被っていますが、こちらは鶏のスープと塩味であっさりといただきます。
〆のご飯と一緒に提供されたのはなんとオニオングラタンスープ!意外な取り合わせにちょっと驚いたのですが、このスープがわりと本格的な味わいでご飯にも合い、おいしかったです。
朝食も同じ食事処でいただきましたが、温泉卵と焼き海苔以外のおかずがほとんど変わっていることに驚いたり。
味噌汁の具も変わっているし(海老の味噌汁おいしかった!)野菜も1日目は生野菜のサラダ、2日目は蒸籠で蒸した温野菜とバリエーションが豊富。リーズナブルに泊まれる宿ですが、連泊しても食事に飽きるようなこともなく、やっぱりいい宿だなあと再確認した2泊3日の旅でした。
第4位 4.4点:長野県 小瀬温泉ホテル
【部屋】★★★★☆4.5【風呂】★★★★★5
【夕食】★★★★☆4.5【朝食】★★★★4
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★☆4.5
4位の小瀬温泉ホテルも、ずいぶん前からお気に入りで、何度も泊まっている宿です。
2020年は新規開拓よりもお気に入りの宿に空室があったら泊まりに行こう!と考えていたので、以前にも泊まったことのある宿が多くランクインしています。
1年を通じて1人泊のプランは出ていますが、軽井沢が賑わう春・夏・秋の3シーズンは1人で泊まれるのは平日のみ。紅葉が終わる晩秋から、GW前ぐらいまでは土曜日も1人で泊まれるため、私は大抵その時期に伺っています。
以前泊まったときの宿泊レポートはこちら↑にまとめています。
【2食付き14,580円~】13時からチェックイン可能な軽井沢の隠れ家的な宿
宿泊したのは最もリーズナブルに泊まれる「和室A」のお部屋です。冬に泊まるとコタツが出ているのがうれしいですね。
ユニットバス付きですが、実は各部屋の浴室にも温泉が引かれていて、蛇口をひねれば温泉が出るという贅沢な作りになっています。大浴場も夜通し入れるので、私は部屋風呂に温泉をためて入ったことはないのですが……。
テレビや電話、ポットなどは部屋の一角にまとめて置いてあります。和室Aのお部屋には冷蔵庫は設置されていないのは少し残念。お茶うけは落雁です。
一休みしたら大浴場へ。男女別の大浴場(内湯のみ)と、貸切露天風呂が2つあります。
実は、小瀬温泉ホテルは標準の宿泊プランでも13時からのチェックインが可能な宿です。チェックイン後はいつでも大浴場を利用できるのですが、毎日朝10時にお湯を抜いて、清掃後に新しいお湯を入れているため、13時でチェックインすればまだ誰も浸かっていない一番風呂に入ることができます。
左右対称の浴槽が風情ある内湯です。
ものすごい量の源泉がかけ流されています。13時の時点だとまだいっぱいになっていないこともありますが「本当に毎日お湯を抜いて新しくしているんだな」とはっきりわかるので、むしろありがたく思ったり。
誰も来ないときは窓を開けて、外の空気を感じながら入るのも楽しいものです。
大浴場のほかに無料の貸切露天風呂が2つあり、フロントで鍵を借りて入ります。
チェックインから23時までと朝は7時以降。予約制ではなく、フロントに「今空いてますか?」と聞いて、空いていれば鍵を借りれるという仕組みです。混雑状況にもよると思いますが、基本的には何度利用してもOKです。
白木の浴槽には熱めの源泉がかけ流されています。
紅葉が終わった後なので眺めは少し寂しいですが、冷たい空気の中でひとり、熱いお湯に浸かれるのは幸せなひとときです。
食事は1階のレストランでいただきます。
お箸でいただく和洋折衷のコース料理で、日本酒にもよく合います。
岩魚は、塩焼きではなく洋風にムニエルでいただきます。バターを焦がした香ばしい香りがしました。
肉料理は「豚フィレ肉のスパイストッピング エスニックテイスト」というメニュー。カレーのような風味で食べやすい味でした。
最後はご飯と漬けもの、お吸い物。デザートのチョコレートムースもおいしかったです。
朝食は、たっぷりのサラダがうれしいですね。
卵料理は卵焼きでした。以前泊まったときに出たオムレツがおいしかったので、またオムレツが出るとうれしいな……などと思いつつ、きっとまた泊まりに来ると思います。
第3位 4.4点:鹿児島県 指宿温泉 民宿たかよし
【部屋】★★★★4【風呂】★★★★4
【夕食】★★★★★5【朝食】★★★★4
【サービス】★★★★☆4.5【コスパ】★★★★★5
鹿児島県指宿温泉の民宿たかよしは、最寄りの指宿駅から徒歩12分。錦江湾を臨む海岸からすぐの場所にあります。
食事がおいしい民宿として有名で、いつか泊まってみたいと思っていた宿でしたが、2020年2月に宿泊が叶いました。宿泊レポートも公開しています。
1人泊でも1泊2食付き7150円から宿泊可能で、土曜日でも1人で泊まれます。
【2食付き7,150円~】民宿だけど部屋きれい!ボリュームたっぷりの鹿児島料理がおいしい
宿泊するお部屋は2階にあり、日当たりが良くとても清潔。Wi-Fi完備で、有線のLANケーブルまで用意されていました。
それぞれの部屋にもポットとお茶セットは用意されていますが(お茶うけは黒糖の麩菓子)廊下には湯沸かしポットとインスタントのコーヒーと紅茶が置いてあり、自由に飲んでOKとのこと。
トイレ・洗面所は共同ですがとても清潔に整えられていましたし、廊下に共用の冷蔵庫と電子レンジもあって自由に使えます。
浴室は1階に2つあり、チェックインから夜10時までと、朝は6時から9時まで入浴可能です。夜が早いのは少し残念ですが、空いているときに鍵をかけて貸切で利用できますし、全7室の宿で浴室が2つですので、混み合うこともありませんでした。
源泉が高温のため加水はしているようですが、加温・循環・消毒などは行っていない、源泉かけ流しの浴室です。ph8.1の弱アルカリ性の、海の近くの温泉らしい塩化物温泉を、1人でのんびりと楽しめます。入浴の度に新しいタオルとバスタオルが使えるよう、浴室に新しいタオルがたくさん置いてあるのもうれしかったですね。
食事は夕朝食共に食事処でいただきますが、この夕食のボリュームと内容がすばらしいのです。
お刺身は、朝獲れの鰤とアジで、とても新鮮です。
豆アジの南蛮漬けはお酒が進む味付けでおいしい。
鹿児島名物の「とんこつ煮」なる鶏の軟骨を甘辛く煮た料理もありました。
揚げたてのさつま揚げは3つとも具がすべて異なり「さつまいも」「たまねぎ」「ごぼう」の3種。揚げたてで提供いただきました。
黒豚のバラ肉を出汁で煮た鍋も、黒豚のおいしさはもちろんのこと、野菜も新鮮で出汁もおいしく、1泊2食付き7000円台の宿とはとても思えないボリュームでお腹いっぱいになりました。
翌日の朝食も同じ食事処でいただきました。
朝食には鹿児島名物のキビナゴが。
九州は甘い味付けの料理が多いですが、たかよしさんの料理は甘すぎずどれもちょうどいい味付けで、すべて手作り。朝食には出来たてのお豆腐までついていて幸せな気持ちになりました。
かなり気に入ったので、次は2泊してひさびさに開聞岳に登りに行くのもいいなあと考えています。
第2位 4.5点:青森県 下風呂温泉 ホテルニュー下風呂
【部屋】★★★★4【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★★5【朝食】★★★★★5
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★☆4.5
青森県下北半島にある下風呂温泉は、2020年に初めて足を運んだ温泉地です。
海沿いの温泉と言うと海水のような塩辛い食塩泉のことが多いですが、下風呂温泉の源泉は白濁、あるいは無色透明な硫黄泉なのも魅力的だし、鮪で有名な大間のすぐ近くということで魚介もおいしいに違いない!ということで、ずっと行ってみたいと思っていた温泉地でした。
私が宿泊したのは2020年ですが、2021年の8月に下風呂温泉は大雨の被害で、しばらくの間は温泉旅館も休業を余儀なくされました。現在はほとんどの施設で元通り営業を再開していますので、関東以西からだと遠いですけど、ぜひ足を運んでいただきたいです。
下風呂温泉は1人でも泊まれる宿が多く、ホテルニュー下風呂も基本的には土曜日でも一人泊が可能です。ただ、昨年はじゃらんでも楽天トラベルでも予約可能だったのですが……現在はプランが登録されていないようです。
公式サイトからは「一人旅海鮮プラン」が予約可能ですので、しばらくの間はこちらから予約いただければと思います。
【2食付き14,300円~】夕は大間の鮪にアワビ、朝はイカ刺しがおいしくお湯もすばらしい
今回宿泊したお部屋は、8畳の和室。ユニットバス付き。
窓からは夕焼けに染まる海を眺めることができ、なかなかの眺望でした。天気が良い日に来れてラッキーでしたね。
浴室は男女別の内湯で、24時間入浴可能です。
下風呂温泉に湧くいくつかの源泉はものすごく熱いお湯で長湯は難しいのですが、ホテルニュー下風呂で引いている「海辺地1号泉」なる源泉は、泉温47度というちょうどいい温度なのです。そのことも、宿泊先としてホテルニュー下風呂を選んだ理由の一つでした。
浴槽にはうっすら白く濁った硫黄泉がかけ流されており、お湯は42度前後の適温!
浴室は混み合うこともなく、極上の硫黄泉をじっくりと楽しませていただきました。
夕食はお部屋に用意していただきます。
テレビを見ながらゆったりと、まずはビールを飲みつついただきます。
「貝のあん肝和え」に「しめ鯖の酢の物」など、日本酒が進みそうな料理が並び、やはりここは冷酒だわ!と地酒をいただくことにしました。
日本酒は4合瓶から提供可能なものが多く、1人で飲めそうなのが300ML瓶1種類のみだったのは少し残念……ですが、魚介を中心とした料理がとにかくおいしくて、お酒が進んでしまします。
お刺身は「サーモン、帯、ぼたん海老、帆立」の盛り合わせの他に「大間のまぐろ」が!
アワビは海老と一緒に丸ごと1つ、バター蒸しにされていました。
新鮮でおいしい魚介を地酒と共にたっぷりいただき、幸せな夕食でした。
翌朝の朝食は食事処で。
朝食にも、イカを中心とした魚介が並びます。
地も来た名物の貝焼き味噌。ホタテを貝の上で味噌や卵と一緒に焼いたもの。
そして、イカの塩辛に、半透明なイカのお刺身。
もちろん、どれも白いご飯によく合うおかずなんですが、朝からお酒が飲みたくなってしまいました。(実際に注文していた方もいたようです)
部屋は快適で温かく、お湯も良く、食事もおいしくリーズナブルなすばらしい宿でした。
第1位 4.5点:北海道 旭川旭岳温泉 湯元湧駒荘
【部屋】★★★4【風呂】★★★★★5
【夕食】★★★★★5【朝食】★★★★★5
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★4
第1位の旭岳温泉湯元湧駒荘は、先に公開済みの「2020年に泊まった温泉宿で「部屋」「風呂」「食事」が良かったおすすめ宿ランキングを発表する 」でも「料理がおいしかった宿2位」として選出していた宿です。
料理だけでなく温泉もすばらしく、1人用のシングルルームであれば比較的リーズナブルに泊まれることで2020年のコスパ最強温泉宿1位となりました。
最寄りのバス停「旭岳温泉入口」で下車すると目の前に見える宿です。白樺の木立が雰囲気ある通りを抜けると、湧駒荘に到着しました。
ロッジ風の建物は新しくはありませんが、館内は歴史ある山の宿らしい趣を感じさせつつも清潔に保たれています。休前日や連休でも1人泊が可能です。
【2食付き12,000円~】5種類の源泉と、2泊して朝夕共に食事のバリエーションに感動
宿泊したお部屋はシングルベッドルーム。
古めのビジネスホテル、という雰囲気ですが、ウォッシュレットトイレ付きのユニットバスがあり、冷蔵庫や湯沸かしポットなどの備品も揃っています。ヘアゴム・麺棒・コットンなどのアメニティも過不足なくありました。
また、湧駒荘は敷地内に5種類の自家源泉を持っており、お湯もすばらしいのです。
宿泊者専用の本館の大浴場(2022年2月下旬まで新館浴室が工事中のため期間限定で日帰り入浴でも利用可能となっている)では、「硫酸塩泉」「マグネシウム-硫酸塩泉」「炭酸水素塩泉」「ナトリウム-硫酸塩泉」「ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉」の5種類の源泉すべてに浸かることができます。
色も、温度の、においも、触感もまるで異なるお湯が敷地内に湧いているなんて、奇跡のような宿ではないでしょうか……。
どの源泉も40度前後とややぬるめの温度なので、冬の間だけは少し加温しているそうですが、宿泊したのは初夏だったので加温なしの湧き出たままの新鮮な源泉を楽しむことができました。
本館には「シコロの湯」と「ユコマンの湯」という趣の異なる2つの浴室があり、21時で男湯と女湯が入れ替えになります。連泊したのでどちらの浴室もめいっぱい楽しめました。
本館の浴室は午前9時から午後3時までは清掃のため入浴できないのですが、その間は新館にある「神々の湯」を利用できます。(神々の湯は現在工事中で、2022年2月末ごろまで利用できないとのこと)
食事は1階のレストランでいただきます。今回は「連泊プラン」で2泊したのですが、朝夕共に料理のバリエーションが豊富で驚かされました。
お品書きの他に「お料理説明」の紙があったのがとても良かったです。
レストランで配膳を担当しているスタッフには、日本語があまり堪能ではない外国人の方もいらっしゃったのですが、料理説明の紙に食材まですべて書いてあるので説明してもらう必要がなくていいなと思いました。ちゃんと説明してもらっても、聞き取れなかったり忘れてしまったりするので、個人的には紙のほうがうれしいですね。
先付けは「インカのめざめ」と北海道産バターを使用したコロッケ!
お品書きを見てつい、1杯目はビールをオーダーしてしまいました。
焼いた塩の塊が運ばれてきたと思ったら……。
塩の中からはアワビが丸ごと1個!遊び心も感じられつつ、贅沢な逸品でした。
鍋料理は「知床クリーンポークのしゃぶしゃぶ」です。ロースとバラ肉、ソーセージまであってボリュームもたっぷり。
〆のご飯は「浅利とキャベツの炊き込みご飯」です。あっさりとした味わいながらうまみたっぷりでおいしかったです。
ここからは2日目の夕食です。先付けは「天ぷら」で、ゴボウやスナップエンドウ、百合根、ミョウガのほか「蝦夷鮑」が!今日は日本酒ですね。
焼き魚は特大のホッケの開き!大根おろしとレモンでいただきます。
本日のお鍋は黒毛和牛サーロインのすき焼きです。1人鍋でも固形燃料ではなく、カセットコンロを用意していただけたので、火力の調節ができてよかったです。
この日の〆は北海道産のお米「ななつぼし」だったので、すき焼きを食べ終わる前に持ってきてもらいました。日本酒を飲みつつ、ご飯とすき焼きをいただきます。
デザートは湧駒荘の名物のプリンです。1日目は「コーヒープリン」で2日目は「そば茶プリン」でしたが、どちらも見た目は白いプリンなのがおもしろくも、おいしかったです。
朝食も、レストランに用意していただきます。
初日は、北海道産鮭の西京焼きと、「あおさと海老の湯葉巻き」の入った鍋が。
2日目は焼きししゃも、鍋の中身は「知床鶏のつくねと海老真丈」と、鍋の中身まで手がこんでいます。
ソフトドリンクと生卵、納豆はセルフでいただくのですが、生卵が濃厚で、2日続けていただいてしまいました。
湧駒荘には、大雪山旭岳に登るつもりで2泊したのですが、あいにくの天気で登山はせず……。ですが、本当にすばらしい宿だったので、できればまた2泊して、次回は旭岳に登りたいなと思っています。
以上、2020年のコスパ重視ランキングでした!
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*1:公平にするために「1人で1泊2食付き・食事内容がスタンダードなプランで泊まったとき」の最低料金で比較しています。