温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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利尻山登山ガイド 利尻島で山と温泉をめいっぱい楽しむための情報まとめ

最北の日本百名山・利尻山のある利尻島で、山と温泉・キャンプ・ウニを楽しむ

2022年の夏、利尻山登山を目的に初めて利尻島に上陸し、2泊3日滞在して中日に利尻山に登頂しました。

帰りの飛行機の窓から見た利尻島。惚れ惚れするほど格好よくて「また必ず来たい!」と強く思ったのです。

短いけれど印象的な旅だったので、翌年の2023年にも2泊で利尻島に滞在。旅のきろくをnoteに公開しています。

前年に行けなかった日帰り温泉に立ち寄り、にごり湯のすばらしい源泉を持つ温泉宿にも泊まることができて大満足!

遠いですが、遠くても行きたい!と思える魅力あふれる島でした。
観光客が多すぎず少なすぎず、広すぎず狭すぎず。宿泊施設の選択肢もそこそこあり、車が運転できなくてもバス・タクシー・宿の送迎でなんとか楽しめるところもちょうど良かったなあと。

実を言うと、noteのメンバーシップのアイキャッチ画像も利尻島の風景です。

今年は残念ながら行けそうにないのですが、いつかは利尻山に登りたい!と思っている方向けに情報をまとめておこうと思い、この記事を書きました。

交通・宿泊・プラン設定・登山に関連する情報など幅広くまとめています。いつか利尻山に登りたいと思っている方の参考になりましたら幸いです。

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温泉宿や登山についてのブログには書けなかった情報や本音、日記などが読めます。

著書では、ひとり旅をもっと楽しみたい方に向けたおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

利尻山登山を目的に利尻島に行くならいつ頃、何泊で計画するのが良いのか

登山適期は6月下旬~9月上旬

利尻山の登山適期は、6月下旬から9月上旬です。

6月上旬までは残雪があったり、雪解け水で登山道がぬかるんでいることが多いため、登山道の状態が安定する6月下旬以降がおすすめです。また、9月下旬には冠雪することもあるため、気候が安定している9月上旬までの登山が望ましいようです。

私は9月上旬の利尻山に登りました。

夏休みシーズンが最も混み合うそう(と言ってもアルプスのような混み具合ではないと思いますが)で、9月は静かな山歩きを楽しめました。

もちろん、アイゼンなどの装備を持っていて冬山登山・残雪期登山の心得があれば夏以外の季節に登ることもできます。ですが6月~9月上旬はウニがおいしい季節でもあるので、登山とウニを一緒に楽しめるこの季節に計画すれば、利尻島を最大限に楽しめて良いのではないかと思います。

おすすめは2泊3日で、天気が悪ければ島を楽しむ

日程は2泊3日以上がおすすめです。

登山適期の6月から9月の間は、稚内港行きのフェリーの最終が17時40分発なので、1泊2日でもギリギリいけないことはない……とは思います。

しかし、1泊2日の行程だと利尻島入りした初日に登山口にあるキャンプ場、あるいは周辺の宿に前泊して2日目の早朝から登山し、下山後すぐ帰るというスケジュールになるためけっこう慌ただしいです。道外から来ているなら最終のフェリーで稚内まで行っても、その日のうちに帰宅できるわけでもないですしね……。

2泊して2日目の早朝から登山し、下山後は1泊して食事や温泉を楽しみ、翌日に帰路に就く、というのが理想的なプランかなと思います。私自身が利尻山に登った際も2泊3日の計画でした。

もちろん、時間と予算が許すなら3泊4日、4泊5日と滞在すれば、晴れた日に登れる可能性が高くはなります。道外から利尻島に行く際は飛行機を利用する方が多いと思いますが、登山を予定していた日の天気がいまいちでも、飛行機を予約してしまったから簡単には日程を変更できない、ということもあり得ます。せっかく行くのだからできれば長めに滞在して確実に登りたい!という方も多いのではないかと。

ただ「1日ぐらい晴れると思って長めの日程で計画したのに、ずっとずっと雨」ということもあり得ます。そうなると、初めて来た島で時間を持て余してしまい、登山ができないばかりか利尻島自体の印象が微妙になってしまいそうなので、個人的には「2泊3日で計画し、2日目が晴れればラッキー!雨なら登山は潔くまた今度にし、温泉や食を楽しんで帰る」というプランが最もおすすめです。

利尻島へのアクセス

離島である利尻島に行くには飛行機かフェリーを利用します。

札幌から飛行機で

利尻空港を発着する便は

ANAが6/1-9/30のみ運航する「新千歳ー利尻便」
JAL(北海道エアシステム)が通年運航する「丘珠ー利尻便」

があります。ANA便は1日1往復ですが、JAL便は1~2往復で季節や曜日によって運航本数が異なります。

ANA便は季節運航ですが、新千歳空港発着なので道外から飛行機で新千歳に来て乗り換えるならこちらが便利です。通年運航のJAL便は丘珠空港発着なので、新千歳空港からは距離があり、乗り継ぎはできません。

利尻空港は小さな空港ですが、離島の空港にしては新しくきれいです。

空港までは路線バスが運行しているものの、飛行機の発着とバスの時刻表はまったく連動していません。着いたときは宿の車に迎えに来てもらったのですが、帰りはバスで空港まで行ったらかなり待ち時間が出てしまいました。

空港2階にある展望ホールでコーヒーを飲みながら(隣に喫茶コーナー的なものがあった)待っていたのですが、これから乗る飛行機が利尻山を背景に滑走路に入ってきた姿がなんとも美しく、最後にいいものを見れたなと思ったものです。

飛行機はフェリーに比べればもちろん高額(片道12000円~)ですが、私はかなり前から計画して、貯めたマイルで飛行機を予約していました。

稚内からフェリーで

稚内港から利尻島の鴛泊港まで、フェリーが1日2~3往復しています。

鴛泊のフェリーターミナルは新しくてきれい!周りに飲食店や宿が集まっていて便も良いです。

フェリーは飛行機に比べれば圧倒的に安いですが、公共交通機関利用の身としては発着が稚内というのが悩ましいところではあります。

稚内ー羽田便はかなり本数が少ないですし、新千歳空港を経由するとなると、結局もう1回飛行機に乗るか?新千歳まで電車か?高速バスか?と……。

そんなわけで私は2度とも、ANAの新千歳ー利尻便を利用して利尻島に行っているのですが、1度はフェリーに乗る旅も計画したいなと思っているところです。

利尻山の登山ルートは「鴛泊コース」と「沓形コース」の2つ

公共交通機関利用なら特に、おすすめは鴛泊コース往復

利尻山の登山ルートは、鴛泊港側から登る「鴛泊コース」と、沓形港側から登る「沓形コース」の2つです。

沓形コースのほうは9合目から先が破線ルートとなりやや難易度が高いため、特にこだわりがなければ鴛泊コースから登ったほうが良いかと思います。

どちらのコースも登山口まで公共交通機関で行くことはできません。
ですが鴛泊港周辺の宿では、早朝に登山口までの送迎を行っている宿も多いですし、鴛泊港から鴛泊登山口までは徒歩でも1時間ほど、タクシーでも10分弱です。公共交通機関利用の場合は特に、鴛泊コースを選んだほうが良いでしょう。

鴛泊コースでの登山レポート

私自身も宿泊した宿の送迎サービスを利用し、早朝5時30分ごろから登山を開始しました。

登山口には「利尻北麓野営場」という整備されたキャンプ場があり、キャンプ場でトイレをお借りして身支度を整えて出発!

ゆるやかでよく整備された道を歩いていくと「甘露泉水」なる看板が!

厳しい自然環境のためキツネがいない利尻島では、エキノコックスの心配がなく山の湧き水を飲むことができるのです!(道内では山の水は要煮沸)名前の通り、甘さの感じられるような冷たくおいしい水でした。

「4合目 野鳥の森」と表示がありました。
歩を進めるごとに合目の表示がしっかりとあるので励みになりますね。

「6合目 第1展望台」まで来ました。
6合目は標高750メートルほどの場所ですが、既に森林限界!

眺望も、標高に見合わない雄大さですばらしいです。

6合目の少し先ではリスに遭遇!

キツネや熊、蛇などの天敵がいないため、利尻島はリス天国なのです。

8合目は「長官山」という小ピーク。
6合目あたりから「あそこが山頂かな?」と思って眺めつつ歩いてきたピークは、実は利尻山の山頂ではなく長官山だということがわかりました……。利尻山のやや鋭くとがった山頂は、8合目まで来てようやくはっきりと見えました。

8合目の少し先には避難小屋がありますが、こちらはあくまで緊急避難用とのことで原則として宿泊は不可とのこと。トイレもなく、携帯トイレブースのみ設置されています。

少し雲が出てきました。できれば山頂が雲に覆われないうちに登頂したいですね……。

9合目。ここに最後の携帯トイレブースがあります。
「山と高原地図」には「9合目より崩落激しい 落石にも注意」と記載があり、少し警戒していたのですが……。

実際にはものすごくしっかりと道が整備されていていました。ありがたいことですね。整備途中の箇所もありましたが、危険を感じたり、歩きにくい箇所はこのときはありませんでした。

いよいよ山頂が見えてきました!

なんだか神々しさを感じさせる山頂です。そして山頂の側には「ローソク岩」と呼ばれるそそり立つ岩が!どうしてこんな形になったんでしょうね……。

「山頂が雲に包まれる前に登頂したい」なんて思っていましたが、タッチの差で、雲に包まれてしまいました。

時折雲が晴れるタイミングで撮影した山頂。
いい天気の中登頂できて本当によかったです。

帰りは来た道を戻ります。
下りも、道が整備されているので危ないところはありませんでしたが、長丁場なのでさすがに疲れました。

上り5時間、下り4時間少々というところでしょうか。下りは疲れたのでちょっと時間がかかってしまいましたね。

下山した利尻北麓野営場には靴を洗う水道もあり、携帯トイレ回収ボックスもあり、至れり尽くせりでした。

下山後は宿の送迎車で本日の宿へ!
「朝の送りはあるけれど迎えはやっていない」という宿もありますが、野営場から鴛泊港まではゆるやかな坂道を45分ほど下っていくだけなので、登山をされる方なら歩いても差し支えないとは思います。

後述しますが、野営場と鴛泊港の中間あたりに日帰り温泉施設があるのもありがたいですね。

利尻山登山中は携帯トイレブースしかないので携帯トイレを忘れずに!

利尻山の山中にはトイレはありませんが、鴛泊コース上に3箇所、沓形コース上にも2箇所の携帯トイレブースがあります。

もちろん、携帯トイレ自体は自身であらかじめ購入して持ち込む必要があります。

島内でも販売していますが、必要枚数をあらかじめ用意しておいたほうが確実でしょうね。

ホテル・旅館に泊まって利尻山登山!登山口まで送迎ありの宿一覧

鴛泊港周辺のホテル・旅館では、宿泊者向けに宿泊翌日の早朝に鴛泊登山口まで送迎を行っている宿が多いです。

ネット予約可能で、送迎サービスがある宿の情報をまとめてみました。
宿によっては「登山者向けプラン」など、送迎付きのプランを別途用意しており、送迎をお願いしたい場合はそのプランで予約する必要があることも。

そのあたりの細かい情報も、Web上の記述でわかる限り掲載しています。6~9月の登山適期は空室少なめですので今年中の登山を目指すなら計画はお早めに。

利尻富士温泉 旅館雪国

土曜日も1人泊OK!2食付き1人泊8800円~

宿のすぐ橫から湧き出ている「長寿の泉水」を飲み水に使っている宿です。
温泉浴室もあり、1人泊も可能。かつ2食付き8800円からと格安に泊まることができます。

宿泊客は午前5時以降に登山口まで送ってもらえます。

利尻富士温泉 利尻マリンホテル

楽天トラベルのみ土曜日も1人泊プランあり!2食付き1人泊31900円~

宿泊料金はやや高めですが、温泉大浴場あり。
宿泊客は午前5時に登山口まで送ってもらえます。また、帰りも14時以降であれば迎えに来てもらえるようです。

利尻山荘 花りしり

土曜日も1人泊プランあり!2食付き1人泊12600円~

鴛泊港フェリーターミナルから徒歩20分、宿泊者は空港・鴛泊港まで送迎してもらえます。

温泉・冷房設備はなく洋室のみの山荘です。食事は漁師さんから直接仕入れた魚介が並びます。

鴛泊登山口まで送迎をお願いしたい場合は「利尻富士登山コース」で予約し、送迎が必要な旨を宿泊予約の1週間以内に連絡する必要がありますのでご注意ください。

利尻富士温泉 利尻富士観光ホテル

土曜日も1人泊プランあり!素泊まり1人泊16500円~

鴛泊港フェリーターミナルから徒歩2分。利尻富士温泉を使用した温泉大浴場があります。

夕食提供はなく、朝食付きか素泊まりのみですが、飲食店の多いエリアがすぐ近くにあるので夕食は外食で。

鴛泊登山口までの送迎が必要な場合は「登山送迎オプション」を付けることになり、前日15時まで宿に連絡する必要があります。登山送迎オプションの対応期間は6月11日から9月25日までです。

利尻富士温泉 田中家ひなげし館

土曜日も1人泊プランあり!2食付き1人泊19800円~

鴛泊フェリーターミナルから徒歩15分。空港と鴛泊港からは予約制で送迎があります。
利尻富士温泉に浸かれる大浴場あり。夕食は雲丹をはじめとした利尻島の海鮮をふんだんに使った「利尻海鮮膳」です。

登山の送迎をお願いしたい場合は「登山応援プラン」で予約する必要がありますが、料金は通常の2食付きのプランと変わりません。1泊の場合は鴛泊登山口までの送りのみ。2泊する場合は下山後の迎えについても対応していただけます。

登山応援プランでは、登山する日の朝食はおにぎり弁当に変更してもらえます。連泊してゆったりと登山を楽しむのが良さそうですね。

ペンション群林風(グリーンウィンド)

土曜日も1人泊プランあり!2食付き1人泊19800円~

鴛泊港から徒歩25分。空港と鴛泊港からは予約制で送迎していただけます。

全室バストイレ付き。館内に大浴場はありませんが、徒歩5分ほどの場所に日帰り温泉の「利尻富士温泉」がありますのでそちらを利用するのがおすすめです。

鴛泊登山口までの送迎が必要な場合は「利尻山登山プラン」で予約すれば、4時50分に出発する送迎を利用できます。下山後の登山口までの迎えは連泊の場合のみ対応いただけます。登山日の朝食はおにぎり弁当に変更可能です。食事の評判も大変良い宿のようなので、できれば連泊してゆったり楽しみたい宿です。

また、こちらの宿のオーナーは山岳ガイドの資格を持っており、コースの状況なども詳しく説明していただけるところが心強いですね。

利尻富士温泉 ホテルあや瀬

土曜日も1人泊プランあり!2食付き1人泊25850円~

鴛泊港フェリーターミナルから徒歩20分。フェリーターミナルと利尻空港までは予約制で送迎してもらえます。

利尻富士温泉に浸かれる大浴場があり、夕食は新鮮な海の幸を使用した料理を楽しめます。また、電動アシスト自転車のレンタル(有料)もあり、観光にも便利そうです。

登山プランなどは特にありませんが、事前に申し込んでおけば朝5時に鴛泊登山口まで送迎してもらえます。下山後は電話すれば迎えに来ていただけるそうなので、宿に荷物を預けての登山も可能ですね。

利尻富士温泉 北国グランドホテル

土曜日も1人泊プランあり!2食付き1人泊16500円~

鴛泊港フェリーターミナルから徒歩15分。鴛泊港と利尻空港からは予約制で送迎があります。利尻富士温泉に浸かれる大浴場あり。

鴛泊登山口までの送迎が必要な際は「利尻山登山応援プラン(2食付き18150円~)」で予約します。登山する日の朝食はおにぎり弁当に変更可能。朝5時に鴛泊登山口までの送りと、下山後は13時以降に電話すれば登山口まで迎えに来てもらえます。

ホテル 雲丹御殿

土曜日も1人泊プランあり!2食付き1人泊32918円~

私自身が利尻山登山の際に宿泊した宿はこちらです。現役の漁師さんがオーナーで、雲丹の季節のみ営業する宿で、雲丹づくしの料理がすばらしかったです。詳細は宿泊レポートでご確認ください。

レポートにも記載していますが、利尻空港と鴛泊港までは予約制で送迎してもらえます。鴛泊登山口への送迎も対応いただけますが、下山後の迎えについては連泊の場合のみ対象となります。

飲食店が多いエリアから離れているため、2食付きでの宿泊が基本となりますが、とにかく料理がすばらしかったので、登山目的以外で泊まっても楽しめる宿です。朝食もすばらしかったので、連泊するか登山目的以外で泊まって食事をめいっぱい楽しんだほうが良いかもしれません。

麓にテントを張って利尻山登山

利尻島にはいくつかのキャンプ場があり、キャンプを楽しむことができます。ヒグマがいないので、安心してキャンプが楽しめるのもうれしいポイントですね。

中でも鴛泊コース登山口にある「利尻北麓野営場」は、利尻山登山の前泊に最適なキャンプ場です。

登山の前泊なら「利尻北麓野営場」へ

利尻北麓野営場のテントサイトでは、大人1人520円という格安な料金で幕営可能です。

トイレ、炊事場、ゴミ捨て場など一通りの設備は揃っており、スマホの電波も問題ありません。ジュース類の自動販売機はありますが、酒類の取り扱いはなく、売店もなし。飲み物はあらかじめ購入して持ってきたほうが良いでしょう。

天然の芝生が広がる、日当たりのいい快適なテントサイト。
予約不要で60張ほどのスペースがあるそうです。

野営場は国立公園内にあるため、直火・焚き火・花火は禁止です。調理は登山用のガスバーナーで行うことになります。

また、私が利尻山に登った2022年にはありませんでしたが、2023年から管理棟にコインロッカーが設置されたようです。

大きめサイズのコインロッカーで、登山に不要な荷物はロッカーに預けて登ることができます。近年、登山中にテント内の荷物やテント自体が盗難に遭うという話も聞きますので、ロッカーの設置はありがたいですね。「旅館やホテルに泊まって朝だけ登山口まで送ってもらう(迎えはなし)というケースでも、コインロッカーに着替えやお風呂グッズなどを預ければ、身軽に登山が楽しむことができます。

ガスカートリッジが購入できるお店

飛行機で移動する場合、ガスバーナーのカートリッジは機内持ち込みも、手荷物に入れて預けることもできません。

稚内からフェリーで来るなら稚内市内での調達も可能ですが、利尻島内で調達できる場所もチェックしておいたほうが良いでしょう。

ガスカートリッジは鴛泊港フェリーターミナルから徒歩15分ほどの場所にある「サニータウン利尻店」というホームセンターで購入可能です。

プリムス、EPI、コールマンのガスカートリッジの取り扱いがあります。

コンビニのセイコーマートや飲食店が建ち並ぶエリアにありますので、食事や食料調達がてら立ち寄るのが良さそうです。

食品を購入できるスーパー・コンビニ

鴛泊港フェリーターミナルからすぐの場所に「くみあいストアー」なるスーパーがあり、生鮮食品なども購入可能です。

しっかり料理を楽しみたい場合は、こちらのお店がまずは選択肢になるかと思います。

利尻島オリジナルの昆布ラーメンやレトルトのスープカレーも販売していました。

そんなに料理しない派(私もそうですが……)なら、こういったレトルト食品などを購入するのも良さそうです。

注意点としては営業時間が8時30分~17時であることと、土日が定休日なことです。
土日を絡めて計画される方が多いと思いますので、気をつけたほうが良いです。

行動食やレトルト食品を購入するなら、鴛泊港フェリーターミナルから徒歩12分の場所にあるセイコーマート利尻店へ!

パンやレトルト食品はもちろん、2022年に訪れた際はプリムスのガスカートリッジやアルファ米なども販売していました。

行動食はもちろんのこと、料理をなるべくしたくない方ならこちらでお弁当やお惣菜を買ってテント泊……というのもありかと思います。

セイコーマート利尻店は定休日はありませんが、24時間営業ではなく7時から23時までです。

下山後に立ち寄りたい!日帰り入浴施設

鴛泊コースで登山した後に立ち寄るのにちょうどいい場所に日帰り温泉施設の「利尻富士温泉」があります。

鴛泊港と鴛泊登山口の中間あたりにあり、鴛泊登山口から利尻富士温泉まで徒歩30分弱。利尻富士温泉から鴛泊フェリーターミナルまで徒歩20分ほどです。また、利尻富士温泉までは路線バスが運行しているので、時間を合わせればバスを利用することも可能です。

館内にはコインランドリーもあり、登山後に服を洗濯できるのもありがたいですね。

温泉は濁りのない茶褐色の源泉で、源泉地が近いこともあってなかなか良いお湯でした。開放感のある露天風呂もあり、本州では見たことのない黒い大きな蝶や、きれいなトンボが飛んでいるのを眺めつつ湯浴みを楽しめました。

冷房が設置されていないので脱衣所はかなり暑かったのですが、休憩室は風通しが良かったので、自販機でサッポロクラシックの缶ビールを飲んでのんびり。

利尻富士温泉から引いた温泉に浸かれる宿はいくつかありますが、こちらの温泉施設が最も源泉地に近いので、温泉好きな方にはぜひ立ち寄っていただきたいです。

運転できない人向け!島内での交通

運転できる方ならフェリーターミナルのすぐ隣にレンタカーの営業所が何軒もあるので、それで問題ないかなと思います。

公共交通機関利用の場合、離島での移動手段は悩ましいところですが、利尻島は路線バス、レンタサイクル、タクシーを活用することで、公共交通機関でも楽しみやすい島だと思いました。

路線バス

宗谷バスの定期路線バスが、沓形を起点に「右回りのAコース」と「左回りのBコース」1日各5本ずつ運行しています。

島の外周を右回り・左回りに周回するというシンプルな路線で、本数は多くありませんが比較的利用しやすいと感じました。

登山口までは行ける路線はありませんが、登山口と鴛泊港の中間にある「利尻富士温泉」まではバスが通じています。

下山後は温泉まで歩いて、そこからバスで鴛泊港に戻るのもありだと思います。

レンタサイクル

島内ではレンタサイクルの利用が可能です。

登山口にある野営場まで、レンタサイクルで行き来する方もいるようです。行きは登りなのでちょっとしんどそうですけど、帰りは海に向かってゆるやかな坂道を下っていくことになるので、気持ちよさそうでした。

レンタサイクルは宿泊客向けに用意している宿も何軒かあるようでしたが、鴛泊港から徒歩10分の旅館雪国という宿では、自転車とバイクのレンタルを行っています。マウンテンバイクやママチャリ、子供用の自転車まで取り扱いあり。ただ、ホームページを見る限りでは電動アシスト自転車の取り扱いはなさそうです。

沓形港フェリーターミナルにある利尻アクティビティでは、E-バイク、電動アシスト自転車、クロスバイク、マウンテンバイクがレンタル可能です。沓形方面まで足を伸ばす際は、こちらでレンタルするのが良さそうです。

タクシー

鴛泊方面と沓形方面にそれぞれタクシー会社があります。

鴛泊方面には富士ハイヤーというタクシー会社があり、営業時間は7時から23時まで。

沓形方面にはりしりハイヤーというタクシー会社があり、営業時間は7時から18時まで。18時以降は事前の予約のみ。

ちなみに、どちらのタクシー会社も早朝の営業はしておらず「朝5時にタクシーで登山口に向かう」ことはできないようです。車の運転ができない場合はやはり、前日から登山口で幕営するか、早朝の送りありの宿に宿泊するのが良さそうですね。

おすすめ飲食店

毎回宿で2食しっかり食べている私は、利尻島の飲食店には未だカフェしか立ち寄ったことがなく……。

島での外食を楽しみたい方にはぜひ、毎年利尻島に行っているBUBBLE-Bさんの記事を参考にしていただきたいです。

以下は、私が立ち寄ったおすすめカフェの情報です。

鴛泊港フェリーターミナル目の前にある「PORTO COFFEE

フェリーの発着に合わせて朝8時から営業している、2020年にオープンした新しいカフェです。

鴛泊港フェリーターミナルの目の前に合って便が良く、冷房完備で夏でも涼しい。電源やWi-Fiも利用可能と、利便性が非常に高いカフェなのですが、コーヒーもこだわりがあって大変おいしかったです。2022年、2023年共においしいラテをいただきました。

店内で焼き上げているブレッドメニューもおいしそうで……次回こそ食べてみたいと思っています。

地元の人にも愛されているお店のようで、予約したブレッドメニューを受け取りに来る方や、ドリンクをテイクアウトしていく方など、常連さんが頻繁に訪れていました。

沓形港方面にある「カフェ自休自足 りしりに恋し店

沓形エリアにある島の駅「海藻の里・利尻」内にあるカフェ。築120年以上の元は海産問屋だった建物をリノベーションし、利尻の廃材を使用して作られたテーブルやカウンターを使用しています。

店内は懐かしい雰囲気で、外観の印象よりも中は広く寛げる雰囲気。ただし空調はないので真夏は少し暑いかもしれません。

2023年の8月に伺い、アイスコーヒーとデザートメニューの「大人のパフェ」をオーダー。

チョコレートと生クリームのシンプルなカフェで、コーヒーによく合いました。

お店は10時から16時までの営業ですが、11時から14時まで提供しているランチメニューは石焼きのリゾットやカレーなどが大変おいしそうでした。

沓形エリアで一休みしてコーヒーを飲んだり、ランチを食べるのにおすすめのお店です。

下山後の宿泊におすすめの宿

利尻山登山が目的であれば、登山の前日は登山口近くで幕営するか、鴛泊登山口まで送迎してくれる宿に宿泊する方が多いと思います。

しかし、下山後の宿泊であれば場所に縛りはありませんので、食事や温泉目当てで選ぶことができます。私が実際に泊まった、下山後の宿泊に自信を持っておすすめできる宿を以下にご紹介します。

ウニの季節だけ営業する漁師がオーナーの宿「雲丹御殿」

「鴛泊登山口まで送迎してくれる宿」のところでもご紹介しましたが、ウニの季節のみ営業しているウニづくしの食事がとにかくおいしい宿、雲丹御殿です。

こちらの宿、雲丹づくしの夕食はもちろんすばらしく、特にムラサキウニとバフンウニが両方食べられる季節は、合い盛りのウニ丼をいただけることもあります。

獲れたての殻付きウニをその場で殻を割って食べれたりと、ウニがそこまで好きではなかった私も、こちらの宿に泊まって「利尻島のウニは別格だな」と感じました。

そして実はこちらの宿、ハーフバイキング形式の朝食もすばらしいのです!

詳しくは宿泊レポートのほうでご覧いただきたいのですが、登山で早朝出発するとなると朝食をおにぎり弁当に変更してもらうことになります。

おにぎり弁当も大変おいしかったのですが、できれば下山後に雲丹御殿に宿泊して、朝食メニューも味わっていただきたいです。

利尻・礼文で唯一のかけ流し温泉を楽しめる「ホテル利尻」

2023年に宿泊した、沓形エリアにある温泉宿「ホテル利尻」は、利尻島・礼文島の中で唯一かけ流しの温泉を楽しめる宿泊施設です。

客室は、一部冷房がない部屋もありますので、暑がりな方は真夏の宿泊には注意が必要です。

2023年は8月の宿泊だったので、冷房のある部屋にこだわって「汐さい館」の和室を予約して快適に過ごせました。

館内には男女別の大浴場があり、茶褐色の濁り湯の炭酸水素塩泉を楽しむことができます。

こちらのお湯、源泉温度が33度ほどのぬる湯なのですが、内湯には入浴に適した40度ほどの加温浴槽と、源泉そのままのぬる湯の浴槽があり、交互浴が楽しめるのもすばらしいです。

露天風呂もあり。青空を眺めつつの湯浴みを楽しみました。

2食付き2万円以下で宿泊可能な宿ですが、夕食にはしっかりと生ウニも並びました。

私自身、利尻島にこんないい温泉が湧いているとは思っていなかったので宿泊して驚きました。登山に便利な場所ではありませんが、温泉が好きな方にはぜひ泊まっていただきたい宿です。

利尻島は、登山をしてもしなくてもきっと楽しい島

なぜだかすごく気に入ってしまった利尻島ですが、交通の便がほどほどに良く、観光にもそこそこ力を入れていて宿泊施設もたくさんあるけれど、ザ・観光地というわけでもない。そんなすべてにおいてほどほどな感じがなんだかちょうどいいんだろうなと思いました。

ヒグマやキツネ、ヘビなども生息しておらず、リスをはじめとした小動物がたくさんいるところも天国感があって好きです。

ヒグマなどの野生動物がいないのは、それだけ冬の寒さが厳しいからなのですが……ウニが獲れて登山が楽しめる利尻島の短い夏を、また楽しみに行きたいです。

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著書では、ひとり旅をもっと楽しみたい方に向けたおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。