温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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松之山温泉 酒の宿 玉城屋 宿泊記 フレンチと日本酒ペアリングで新潟の食と酒を楽しみつくした

日本酒とフレンチが好きな私には天国のよう!湯も食も酒も極上な新潟のご褒美宿に一人泊

新潟県十日町の豪雪地帯にある松之山温泉は「日本三大薬湯」の一つに数えられる、よく温まり効能の高い源泉で知られる温泉地です。10数軒の温泉宿と共同湯、飲食店などで小規模な温泉街を形成しています。

今回ご紹介する松之山温泉の「酒の宿玉城屋」は、1911年(明治44年)に「玉城屋旅館」として創業し、2016年に4代目である現在のオーナーに代替わり後「新潟県産食材のみで構成されるフレンチのフルコースと、新潟の地酒を楽しめる宿」としてリニューアルしました。

フレンチと日本酒が合うのか?と思われるかもしれませんが……合うんです!
しかも料理は「和洋折衷」ではまったくない、独創的かつ繊細な、本格フレンチ。お酒は、都度好みのものをオーダーすることもできますが、料理に合わせて少しずついろいろと提供していただける「日本酒ペアリング」「ワインペアリング」「ノンアルコールペアリング」などの用意があり、これが本当にすばらしいの一言。

もちろん湯もすばらしく、湯上がり処では無料でお酒も楽しめるという、日本酒好きには天国のような宿です。

以前は1人で泊まれるのは平日のみでしたが、最近は土曜日も1人で泊まれるようになり、フレンチ以外の食事の選択肢も増えておすすめしやすくなりました。少々お値段は張るのですが、大好きで既に3度泊まっている玉城屋さんについてご紹介したいと思います。

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著書では、ひとり旅をもっと楽しみたい方に向けたおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

ほくほく線まつだい駅からバスで25分、終点松之山温泉バス停から徒歩5分

松之山温泉の最寄り駅はほくほく線のまつだい駅。

ちなみにこの駅の目の前には、手作りの山のごちそうをバイキングで楽しめる「越後まつだい里山食堂」があってこちらもおすすめですが、チェックイン前に立ち寄られる際は食べ過ぎないようご注意を……。

まつだい駅からは東頸バス十日町線で25分か、あるいはタクシーで15分。
また、2名以上で宿泊する場合は事前予約制で、1日1便(15時30分まつだい駅発、翌日10時宿発)宿で送迎も行っています。

私はいつも1人なので、松之山温泉に13時に着くバスで少し早めに着いてしまいます。

宿泊時は3月でしたが、松之山温泉の周辺にはまだたっぷりと雪が残っていました。

温泉街にはヤマザキショップもあります。営業時間は7時から19時まで。

チェックインまで2時間ほどあるので、共同湯の「鷹の湯」に立ち寄ったり。

ビジターセンターに併設されたカフェで過ごしていたのですが、チェックイン後に「温泉街に玉城屋さんがプリンのおいしいカフェを開業した」と聞き、そちらにも寄ってみたかった!と思ったりしました。次回はきっと寄ろう……。

白いのれんがかかるこちらの建物が玉城屋さんです。

15時ちょうどに中に入り、1階のロビーでウェルカムドリンクをいただきつつ、チェックインします。

ウェルカムドリンクは、クラフトジンのジンソーダでした。いきなりおいしいお酒が出てきてテンションが上がります……。

お酒が苦手な方にはノンアルコールのジンもあるとのこと。

ゆっくりといただいた後、お部屋に案内していただきます。

【部屋】★★★★★ 快適な露天風呂付き客室で何度も極上湯を楽しんだ

玉城屋さんは全8室の宿で、8室中6室がかけ流しの露天風呂付きの部屋です。
以前は1人では予約できない部屋もあったように思うのですが、2025年2月現在はすべての客室を1人でも予約可能です。

私はこれまで3度宿泊し、3度とも露天風呂付き客室の中では最もお安く泊まれる「松」の部屋を予約していたのですが、2022年の9月の平日に宿泊した際は、ウォールアートが施された「虹」という露天風呂付き客室に案内していただきました。

「松」と「虹」の部屋についてご紹介したいと思います。

2021年3月、2024年3月に宿泊した露天風呂付き8畳間「松」

これまで2度宿泊している露天風呂付き8畳間「松」の部屋は、最上階の4階にあります。ちなみに1階が大浴場、2階が玄関・ロビーとレストラン、3階と4階が客室ですが、エレベーターがあるので行き来は苦ではありません。

客室のドアの前には竹の飾りがあり、まるで竹取物語のような細工がしてあります。

中に入ると「松」と刻印されたスリッパクリップが置いてありました。

部屋に入る前のスペースに冷蔵庫が設置してあります。冷凍冷蔵庫なのはちょっとうれしいですね。冷水ポットに入ったお水は、近くにある葉わさびがたくさん育つという「わさび沢」の沢の水で、大変おいしいお水でした。

トイレはもちろんウォッシュレット付きでとてもきれい。

客室はシンプルな和室の8畳間。窓から見える露天風呂が期待感を高めてくれますねー。

食事の時間や浴室の利用時間など、必要な情報をすべて1枚にまとめて渡してくださるのもありがたいですね。
送迎は2名以上からなのですが、この日は他にも送迎を利用するお客さんがいたこともあり、チェックアウト後は駅まで送ってもらえることになりました。

お茶うけは松之山温泉の「よもぎ葛餅」で、透明でぷるぷる食感のお菓子です。

この日は冷蔵庫に春らしい苺のミニタルトも入っていました。

お茶コーナーには湯沸かしポットと「村上茶」のティーパック、コーヒーのドリップパックもあり。

大浴場に行く際に利用するカゴとタオル、館内着も用意されていました。

館内着は上下が分かれているタイプ。作務衣のように結ぶ紐はなく、上からかぶるタイプです。胸元がはだけないし結び目が邪魔にならないので私は館内着はこのタイプが1番好きですね。

洗面所にはタオルウォーマーが設置されていました。

客室内アメニティは雪肌精。

ドライヤーはPanasonicのナノイーです!うれしい!

この他にアメニティは、歯ブラシと櫛があるんですが、これがひと味変わっていて、木製なのです。プラスチック使用削減が叫ばれるご時世ですが、使い捨てされるプラスチック製のアメニティではなく、持ち帰って自宅でも使える質の良いアメニティを用意しているのですね。

歯ブラシと櫛は売店でも販売していましたが、パッケージもかわいいし、工芸品のようなしっかりとした作りで、たしかにお土産にもなりそうだなと思いました。

洗面所から露天風呂に出る前に、洗い場があります。

露天風呂と洗い場の間には扉がついており、体を洗っている間は寒くないのがありがたい。

露天風呂は檜風呂で、ゆったりと足を伸ばして入れるサイズ。

湯口からは常時源泉がかけ流されていました。投入する湯の量で温度を調節しているので、加水も加温もしていない源泉100%のお湯が滞在中いつでも楽しめます。

大浴場も夜通し利用可能なのですが、特に冬の夜は足を運ぶのが億劫になってしまうことも多いもの。よく温まるいかにも効能の高そうな松之山温泉の湯に、チェックアウトギリギリまで何度も浸かることができました。

2022年9月に宿泊した露天風呂付きアートルーム「虹」

2022年の平日に宿泊した際、いつも通り「松」の部屋を予約していたのですが、ご好意で2021年3月に完成したアートルームの「虹」に案内していただきました。

手前にソファー、奥に小上がり、左手にベッドという広々としたお部屋です。

ベッドはシモンズ。小上がりスペースに布団をしいて4名まで宿泊可能だそう。

「咲く虹」というタイトルのウォールアートは、四季の花で虹を形どったもの。

小上がりスペースの窓際はデスクになっていて、PC作業もしやすいのがうれしいですね。

またこの部屋には専用のワインセラーが設置してあり、レストランでオーダーするよりお安い、この客室限定のお値段でワインを楽しむことができます。1人なのでフルボトルはとても飲めない……と思い止めておきましたが。

冷蔵庫に入っていたビールだけいただきました。

洗い場、浴室共に新設されたようで全体的に新しくピカピカ。

浴槽は縁と湯口が檜で、浴槽の下の部分は石造りでした。

9月でやや気温の高い時期の宿泊でしたが、お湯の温度はやや熱めの適温に調整されており、いつも快適に湯浴みを楽しめました。

【風呂】★★★★★ 「日本三大薬湯」の一つに数えられるとろりと濃厚な源泉

大浴場は1階にあります。時間帯による男女の入れ替えはありませんが、15時から10時まで夜通しの利用が可能です。

大浴場の手前には湯上がりのお休み処とフリードリンクコーナーがあり、こちらもこの宿の大きな魅力の一つです。後ほど詳しくご紹介します。

また、大浴場の前には色浴衣コーナーがあり、女性は1枚好きなものを選ぶことができます。

気候の良い季節なら浴衣を着て温泉街を散歩するのも良さそうですね。私は、寝るときは客室に置いてあった館内着を着て、大浴場と部屋を行き来するときのみ浴衣を着るという、贅沢な使い方をしていました。

露天風呂付きの部屋が多いので大浴場がいつも空いていてうれしい!

女湯は奥のほうにあります。

脱衣所は脱衣棚と洗面所というシンプルな構成。貴重品ロッカーは脱衣所の手前にありました。

こちらは、掲示してあった温泉分析書です。

ph7.8、源泉温度88.7度のナトリウム・カルシウムー塩化物温泉です。
療養泉基準値の15倍の温泉成分を含み、特にメタケイ酸を豊富に含む美肌の湯ですね。

ドライヤーは客室と同様Panasonicのナノイー。

アメニティも客室と同じ、雪肌精です。

浴室内は清潔感たっぷり、日当たりがよく明るくて気持ちいい内湯です。

内湯の浴槽は窓に面しており、浴槽に浸かりながら雪の積もる外の様子を眺めることができます。

露天風呂からも、もちろん雪景色が。
宿泊したのが3月なので、少し溶けてきていますが、冬の間ならもっとガッツリ積もっているところが見れるでしょうね。

湯口の周辺では、結晶化した源泉の成分を見ることができます。

ひんやりとした空気を感じつつ、とろりと濃厚さを感じさせる熱めの湯を楽しみました。

ちなみに、9月に宿泊した際はかなり雰囲気が変わっていたのでこちらもご紹介します。

窓の外は一面の緑。外の緑を映すのか、何となくお湯もグリーンっぽく見えます。

熱めの湯ですが、夏の湯浴みも気持ちよく楽しめました。

湯上がりはフリードリンクコーナーでお茶や日本酒をいただく

さて、フリードリンクコーナーです。

大浴場の手前に自販機と冷水機と共に冷蔵庫が設置してあり、冷蔵庫内のお酒を含む飲み物を無料でいただくことができます。

湯上がりのお休み処はマッサージチェアが設置してあり、雑誌なども置いてあります。

さまざまなハーブティとティーパックも置いてあり、こちらも好きなように楽しむことができます。

冷蔵庫には、冷たいお茶のほかにレストランで開栓してから数日経った日本酒が並んでいます。

毎回異なるラインナップで、季節限定のお酒が楽しめるのがうれしい!

開栓して数日経ったといっても私の舌では何の違和感もなく、どのお酒もおいしくいただきました。この後夕食でも日本酒を飲むので……そこまで強くない私はここでたくさんは飲めないのですが、少しずつ、全種類楽しませてもらいました。

【食事】★★★★★ 新潟の食材をフレンチのフルコースで。朝は魚沼産コシヒカリ

食事は朝夕共に1階のレストランでいただきます。

ちなみに、夕食は18時スタートと20時スタートの2部制となっており、じゃらんや楽天などのOTAから予約の際は20時スタートに限定されてしまいます。18時からの回で夕食を取りたい方は、宿の公式サイトから申し込むのが良いかと思います。

朝食時に撮影したレストラン内の様子なので、夜は少し雰囲気が違うような気もしますが、壁際にずらりと日本酒の酒瓶と、冷蔵庫には出番を待っている日本酒たち。

そしてさまざまな形状の酒器が並んでいます。
これからどんなお酒が出てくるのか、見ているだけでワクワクしてきました。

ドリンクメニューの豊富さは、さすが「酒の宿」

実は、これまで宿泊した際はいつも「日本酒ペアリングプラン」で泊まっていまして、料理に合わせてお酒を提供いただけるので、単品オーダー用のドリンクメニューを見たことがなかったのです。

2024年に宿泊した際初めて(このときもペアリングプランで予約はしていたのですが)ドリンクメニューを見せてもらいました。

日本酒とワインをおすすめしている宿ではありますが、生ビールもちゃんと用意してあるのですね。「ワイナリーが造る酸味のあるビール」も気になるけれど、750mlか……1人で飲むには量が多いな。

ペアリングプランは「日本酒ペアリング」と「ワインペアリング」のほか、それぞれ一口ずつ提供される「ひとくちペアリング」の用意もあるのですね。

そしてずらりと並ぶ日本酒メニュー。

グラスでオーダーが可能なのがうれしいですね。
しかしこれでも、実際に用意しているお酒の中のほんの一部なのだそうです。

ちなみに、お酒が飲めない方のために6~7種類のノンアルコールドリンクが料理と共に提供される「ノンアルコールペアリング」もあります。

「雪割人参ジュース」「魚沼産カベルネソーヴィニヨンのぶどうジュース」「ルレクチェジューズ」など、ジュースも新潟らしさ満載のラインナップ。

このほかに6種類の自家製梅酒と自家製のかりん酒、さるなし酒。焼酎までしっかりと揃っています。

ジンは飲み方にもこだわりが感じられますね。

ウィスキーも代表的な銘柄が揃っています。「酒の宿」の名に恥じない、すばらしいお酒のラインナップでした。

2024年3月宿泊時の夕食は「猪のしゃぶしゃぶ風」が絶品でした

玉城屋さんの夕食はフレンチなので、テーブルにはナイフ、フォーク、スプーンがセットされています。

お品書きは、料理に使用されている代表的な食材が記されているのみですが、提供時に調理法や食材について、オーナー自ら丁寧に説明してくださいます。

メモを取りつつ聞いてはいるのですが、だんだん酔っぱらってメモの内容もいい加減になってきてしまうので、詳細については不正確な部分もあると思いますがご了承ください。

まず、最初にお猪口に入って提供されたのはお酒ではなく、クルミの樹液を燗したものです。煮つめるとシロップのようになるそうなのですが、こちらは優しい甘さ。ノンアルコールですが食前酒のような役割なのかもしれません。

日本酒ペアリングの1杯目は、こちらの宿のオリジナルの日本酒である「醸す森」の純米吟醸生酒にルレクチェの果汁とガスを注入した、爽やかな日本酒ベースのカクテルのような食前酒。アミューズの「あんぽ柿と生ハム」などと一緒にいただきます。

前菜の一皿目、鮮やかな緑色の小鉢に入っているのは、春菊のソースがかかったバイ貝の茶碗蒸し。

次に提供された白い花が咲いたような一皿は「蕪のスライス花びら仕立て」で、スライスした蕪の下には蕪のムースが敷いてありました。一皿出てくるごとに別のお酒が提供されるのも楽しい!蕪は「松乃井」の純米大吟醸といただきました。

次は「あべ」の純米吟醸。果実感たっぷりのフルーティな味わい。このお酒大好きです。

フキノトウを加えて揚げた蓮根餅と共にいただきました。蓮根餅にはほぐしたズワイガニのあんかけソースがかかっています。

このあたりでパンとバターが。低温で長期醗酵させたパンだそうで、もっちりとしていてシンプルなパンですが味わいが濃いです。

ここで、燗酒にした「君の井」と共にジビエが登場します。猪のしゃぶしゃぶ風です。山葵と、松之山でとれたクレソンと共に。癖がなくさっぱりといただけました。

次の一皿は「てんけい」というキノコと的鯛のポシェ。

てんけいって何だろう……?と思っていたのですが、どうやら「肉厚で、旨みが通常の椎茸の3倍あるプレミアムな椎茸」のようで、たしかに、椎茸とは思えない濃厚な味わいでした。

最後のお肉料理の妻有ポークは「睡夢」という今回初めてお目にかかる日本酒と共にいただきました。

「睡夢」の中でも、赤ワイン樽で熟成した「ふくろう」と、白ワイン樽熟成の「はりねずみ」から選ばせてもらえたので、はりねずみを。焼きりんごのような風味がして、お肉料理ともよく合いました。

この「睡夢」という日本酒も、玉城屋さんが監修しているお酒なんですね。

この後はいちごの「越後姫」とカスタードクリームが入った焼きたてパイ。ホワイトチョコレートの濃厚なアイスと共に。

そしてキウイとヨーグルト、よもぎ茶の泡というさっぱりとした一品。

最後に、焼き菓子のフロランタンと干し柿のパウンドケーキ、きなこのフィナンシェをコーヒーと共にいただいたのですが、焼き菓子は写真を撮り忘れました……。

しかし、お酒も料理もすべておいしくて幸せな夕食でした。

2022年9月宿泊時の夕食は「神楽南蛮」など南魚沼の野菜のおいしさが際立っていた

2022年9月に宿泊した際のお品書きはこちら。

書かれているのはやはり食材のみですが、3月の宿泊時とはがらりとラインナップが変わっていますね。

この日、食前酒として提供されたのは、阿部酒造のクラフトコーラを「割材用限定酒」なる日本酒で割ったお酒。

これがスパイシーで、めちゃくちゃおいしかったです。おかわりしたくなるほど。

アミューズは木の切り株のようなお皿に木の葉と共にセットされた、森を思い起こさせる一品。美雪鱒のスモーク、グジェール(チーズ味のシュー皮)、赤イカのセトワーズなど。

前菜は一品目は、ズッキーニと自家製リコッタチーズ、梅のジャムという爽やかな味わいの一皿。上に乗っている透明な膜のようなものは「夕顔」だそうで、美しくて食べるのがもったいないほどでしたが、味も大変おいしかったです。

前菜2皿目はサザエの肝和え。ソースもサザエの肝ソースで。

そうめんかぼちゃなどの野菜も一緒に和えてありました。

次の一皿はメバルのフリット。ナッツやパプリカを使ったトマト味の「ロメスコソース」でいただきます。

ピーマンの肉詰めのような見た目の一皿は「神楽南蛮」という南魚沼の伝統野菜に妻有ポークを詰めたもの。こちらはズッキーニのソースでいただきました。

魚料理はパリパリに焼き上げた甘鯛。その下にはナスが敷いてありました。

肉料理は妻有ポークのビール煮込み。マコモダケ、つるむらさき、シシトウと共に。

デザートが2皿と、その後に焼き菓子まで出るのがフレンチ!という感じでうれしいですね。「ずいきとブルーベリー、甘酒のムース」というさっぱりとした一皿と。

もう一皿は「桃と紫蘇のゼリー、ヨーグルトのアイス」と、こちらもわりとさっぱりめで、フルコースをしっかりいただいた後でも無理なくおいしくいただけるデザートでした。

最後の焼き菓子は栗のパウンドケーキ、フランボワーズのゼリー、パッションフルーツのマシュマロと3種類の盛り合わせ。

コーヒーと共に、すべておいしくいただきました。

2021年3月宿泊時の夕食では香茸入りケークサレやほろ苦いふきのとうのマカロン

玉城屋さんに初めて宿泊した、2021年3月の夕食のお品書きはこちら。

食前酒は、宿オリジナルの日本酒「醸す森」の純米大吟醸に、ほうじ茶とハイビスカスを漬け込んだ、淡いピンクの美しいお酒でした。

アミューズは、チーズと美雪鱒のシュー包み。

それから「菊芋」を素揚げにしたもの。

前菜1皿目は、蕪をクリーム状にしたものの下に、イカのお刺身。この蕪のクリームがふわっとしていて大変おいしかったです。

鯵のマリネは、鮮やかな緑色の春菊のソースでいただきます。

「香茸と自家製生ハムのケークサレ」は、名前の通り香り高いキノコを甘くないケーキ仕立てにしたもの。

かぼちゃのポタージュには、ブロッコリーと猪肉のラビオリが入っていました。ラビオリの皮は蕎麦粉を使用しているとのこと。

魚料理は、柏崎で水揚げされた真鯛のポワレ、赤ワインソース。2017年の久保田碧寿と共にいただきました。

お肉料理はこの日も妻有ポーク。火の通し方が絶妙で、おいしくいただきました。

デザートは「金柑と花梨のゼリー、べにはるかのムース」と「えちごひめ、練乳のアイス、ヨーグルトのアイス」

最後に自家焙煎コーヒーと焼き菓子3種。ふきのとうのマカロンがほろ苦くておいしかったです。

2024年3月宿泊時の朝食は、温かいけんちんで体も暖まる

夕食はフレンチでしたが、朝食は打って変わって和食です。

和食にもお品書きがあるのはうれしいですね。

和朝食は見た目は地味な感じになりがちですが、玉城屋さんの朝食は色鮮やかで盛り付け方も凝っています。

冷たい飲み物がなんと5種類。左から「コールドプレスジュース」「ドクダミ茶」「雪下人参ジュース」「吉乃川の甘酒」「しそジュース」です。

私は、和朝食と一緒にジュースが出ると「甘いジュースと和食ってぜんぜん合わないけどいつ飲んだらいいんだろう?」と思い、最後まで残してしまったりするのですが……5種類の飲み物はどれも自然な甘さなのでおいしくいただきました。

漬けものと梅干し、十日町産の自然薯などご飯のお供もしっかりと。

ご飯はもちろん魚沼産コシヒカリで、お味噌汁はなめこ汁でした。

色鮮やかなサラダは、野菜も新鮮でドレッシングもおいしい。

炊き合わせも上品な味付けでした。

野菜のお惣菜が少しずつ9種類並んだプレートは塩辛いものが一つもなく、食材そのものの味わいを楽しめました。野菜の名前が書いた紙があったのもうれしいお気遣い。

焼き立てのだし巻き卵には鬼おろしの大根が添えられていました。

野菜たっぷりのけんちんで体も温まりました。

コーヒーやお茶などの食後の飲み物は、好きなものを好きなだけセルフでいただきます。

フルーツとコーヒーをいただいてごちそうさまでした。

2022年9月宿泊時の朝食では、夏野菜の「やたら」が

2022年9月の朝食も簡単にご紹介します。

季節が変わると、朝食のプレートの内容もがらりと変わりますね。

オクラやミョウガなど、夏らしい野菜が並んでいました。

魚沼産コシヒカリは9月でもおいしいです。

夏野菜を刻んだ「やたら」という郷土食は塩味でご飯が進むお味。野菜の切り方なんかは違いますけど長野県の湯田中渋温泉郷の朝食でも、野菜を刻んだ「やたら」が出ましたね。

サラダは豆腐サラダでした。

がんもの煮物のがんもは、松之山温泉街にある美田屋さんという豆腐屋さんのものだそう。

焼き魚は魚沼産美雪鱒の西京焼き。

野菜の煮物もおいしくいただきました。

フルーツは9月しか食べられないイチジクが入っていたのがうれしかったです!

最後にコーヒーをいただいて、ごちそうさまでした!

玉城屋さんの朝食は、魚沼産コシヒカリがとにかくおいしいのですが、料理の味付けが濃くなく、素材の味わいを引き出す味なのもすばらしいなと思います。

「朝食がおいしい宿20選」という記事でも、20軒のうちの1軒にピックアップしています。

【再訪したい度】★★★★★ 日本酒と美食を愛する方に絶対おすすめの宿

料金的にはハイクラスのお宿で、私もかなりがんばって泊まっている感じの宿なんですが……食事もお湯も本当に好みに合っていまして、私の「偏愛宿」と言ってもいいかもしれません。2年に1度ぐらい無性に泊まりたくなってしまう宿です。

「酒の宿」と銘打っているだけあって、お酒、特に日本酒が好きな方なら気に入っていただけると思います。

じゃらんや楽天トラベルなどを経由しても予約可能ですが、OTA経由の予約の場合、夕食の開始時刻が後半の20時からに限定されます。

私は夕食は遅めに食べたい人なので20時からでも問題ないのですが、18時からの回で予約したい場合は公式サイトから予約可能です。

【1人旅に優しい度】75点:ダイニングでの食事にさえ抵抗がなければ1人でも存分に楽しめる

泊まりやすさ 15/20
2025年2月時点では、土曜日や連休でも1人泊の設定があり、1人でも泊まりやすくなっている。

食事場所の配慮 5/20
ダイニングでの夕食となるため、人目が気になる人はいるかもしれない。フレンチってそういうものだから仕方ないかなーというところ。

プランの選択肢 15/20
1人泊の場合は「酒匠おすすめの地酒を楽しむ“のんべえ”プラン」のみ予約できないが、それ以外は早割プランなども1人泊で予約可能なのでとても良心的だと思う。

ドリンクオーダー  20/20
ペアリングでオーダー(ノンアルコールペアリングもあり)すれば、料理に合わせてさまざまな種類のお酒を楽しめるし、ペアリングでなくても、ボトルワイン以外はほぼすべてのお酒をグラスオーダー可能。メニューにないお酒もかなりあるそう。

フリーWi-Fi完備 20/20
客室内でWi-Fi利用可能で、速度も速く安定していた。

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著書では、ひとり旅をもっと楽しみたい方に向けたおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。