温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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まだ間に合う!山菜料理がおいしい極上湯の温泉宿11軒

2024年の山菜シーズンも終盤!山菜料理目当てに今すぐ予約したい宿を選んだ

わりと最近までウニが苦手だった私ですが、実は子供の頃から山菜が好きでした。
なぜ山菜とウニを並記したかと言うと、ある程度大人になって「苦み」のおいしさを理解できるようになると好きになる食材、という共通点があるかなと思うのですが……。

ウニについては今も、ミョウバンに浸かっていない高価なウニしか食べたくないけれど、山菜はなんでも大好き!なので春は山の宿にばかり泊まっています。

この記事では、毎年春に山菜を期待して山の温泉宿に泊まりに行く私が「山菜料理がおいしかった!」と特に印象に残っている宿をまとめました。紹介しているすべての宿は、2024年5月の時点で2食付きで1人で泊まれて、Web予約が可能な宿です。

水煮するなどして保存した山菜を使っておいしい山菜料理を提供している宿もありますが「今日採れた山菜」を提供している宿も多いです。そのため、写真を掲載している食事は、いつ頃に泊まったときのものなのかの時期についても明記しました。

例年、山菜料理は6月ごろまで提供している宿が多いですが、そろそろ終盤に近い時期だと思います。この記事も、もっと早いタイミングで公開できれば良かったのですが……気になる宿がありましたらお早めの予約をおすすめします。

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秋田県「泥湯温泉 奥山旅館

秋田県湯沢市の泥湯温泉にある奥山旅館。
かなり山深いところにあり公共交通機関では不便なところですが、湯沢駅より「こまちシャトル」という乗合タクシーを片道2000円で利用できます。こまちシャトルの予約は宿で代行してくれますので、予約時に何時の便を利用したいかを伝えればOKです。

乗合タクシーで約45分間、後半はずっと山道を走ってようやくたどり着いた泥湯温泉。
宿泊営業をしているのは奥山旅館のみで、あとはお向かいに、4月から11月までの期間日帰り入浴のみ営業している小椋旅館があります。

かつては携帯の電波も通じにくい秘湯だったと聞きましたが、現在はドコモもソフトバンクも問題なくつながりました。

宿泊したのは5月の中旬ごろ。山菜をたっぷりいただくにはベストなシーズンだったと思います。

平日のみ1人泊可能!休みをとっても春に泊まりに来たい秘湯の宿

奥山旅館は5年ほど前に建て替えられた新しい建物で、客室内は秘湯らしからぬ和モダンな雰囲気です。

硫黄泉で電化製品が故障しやすいということもあり、客室内にテレビやエアコン、冷蔵庫などはありません。標高700メートルほどとそこまでの高所ではないため、夏は少し暑そうですが……5月は快適に過ごすことができました。また客室内でWi-Fiも利用可能なので、タブレットなどがあれば退屈せずにすみそうです。テーブルやデスクはなかったので、PC作業はしづらいですが……。

洗面所とトイレも各部屋にあり、水回りも新しくとてもきれいです。

浴室は、男女別の内湯と女性専用の露天風呂、混浴露天風呂。それから別棟に男女別の野天風呂があります。

野天風呂は11月~5月ごろまでは積雪のために閉鎖されるそうですが、宿泊した5月中旬は既に雪が消えて入れるようになっていました。虫もまだおらず快適な湯浴みを楽しめるベストなシーズンだったと思います。

秋田の地酒飲み比べと共にさまざまな種類の山菜をいただく

夕食の席に着くと、うれしいことに前菜のほとんどが山菜です!

左上が「せりざき(山にんじん)の酢味噌がけ」
右上が「タラの芽のえごまみそ和え」
左下が「ぜんまいと山うどの煮物」
右下の「たけのこ味噌煮」も春らしい一品です。

揚げたてで後から提供された揚げ物はもちろん山菜の天ぷら!行者ニンニク、こごみ、こしあぶら、タラの芽。

お酒は「湯沢市地酒セット」と「県内地酒セット」の2種類があり、両方オーダーしました。

山菜以外にも、焼き物の「皆瀬牛のリブロースステーキ」や、鍋物の「岩手鴨鍋」はボリュームもあるし山の宿らしい味わい。

一口の稲庭うどんや、〆のあきたこまちも大変おいしく、かなり満足度の高い食事でした。

朝食の副菜にもワラビやミズ、ぜんまいなどが並びます。

朝食には山菜のおかずとご飯と味噌汁のほか、たっぷりのサラダと自家製ドレッシング、パンと手作りのジャムなども並び、朝からお腹いっぱいになりました。

山形県「肘折温泉 丸屋

多くの宿で山菜料理を提供している肘折温泉。中でもイチ押しは春のみならず一年中、すばらしい山菜料理を提供してくださる旅館勇蔵なんですが、どうも現在はWeb予約を受け付けていないようでして……。本稿ではWeb予約可能な宿に限定してご紹介しているため、肘折温泉の他の宿で山菜がおいしかったところ……ということで、丸屋さんを選出しました。

山形新幹線の新庄駅から大蔵村の村営バスに乗り、終点1つ手前の「第二停留所」降りてすぐです。
宿泊したはGWでした。

前回宿泊した際のレポートをこちらに公開しています。

快適な部屋&何度でも利用できる貸切風呂と露天風呂もあり

丸屋さんは全7室の小規模旅館ですが、湯治宿や昔ながらの庶民的な宿が多い肘折の中では高級旅館の部類に入る宿です。

1人で泊まれるのは7室中1室のみで、平日のみ予約可能です。なお、じゃらんではこの1人泊のプランが出ていないようなので、1人で泊まりたい方は楽天トラベルをチェックしてみてください。

1人で泊まれる部屋はこちらで、二間続きでめちゃくちゃ広いです。文机があってPC作業もしやすいのがうれしい。またテレビの下にはDVDプレイヤーが設置してあり、山形県に縁のある映画のDVD(藤沢周平原作の映画や、県内で撮影された映画など)のレンタルもあるようでした。

浴衣とバスタオルは1泊でも2組用意されているのがうれしい。

浴衣の柄もシックで素敵でした。

浴室は時間帯で男女が交換となる大浴場が2箇所あり、片方には肘折では珍しい露天風呂もあり。

大浴場の他に、空いているときに鍵をかけて利用できる貸切風呂もありました。

もちろん、お湯はすべて極上。源泉が高温のため加水していますが、加温・循環・消毒なしのかけ流しの源泉を楽しむことができます。

詳しいお品書きを見ながら、個室でゆったりと山菜を味わう

食事は朝夕共に個室食事処でいただきます。

宿泊したのは2022年でしたが、感染症対策のため口頭でのメニュー説明の代わりに説明書きが用意されていました。私は口頭で説明されるより紙のほうが気楽で好きなんですが、今はどうなっているのでしょうね。

ワラビのおひたし、ぜんまいの煮物、ふきの油炒めなどいきなり山菜料理がずらりと並びます。

山菜をつまみつつ、季節の日本酒三種飲み比べをいただきました。

孟宗筍の季節だったので、このあたりの郷土料理である「孟宗汁」が提供されましたが、その上にもこごみがのっていたのがうれしい。

後から揚げたてで持ってきていただいた天ぷらも、もちろん山菜の天ぷらです。「青こごみ、コシアブラ、行者にんにく」の3種盛り。

山菜以外の料理も、大きな椎茸とステーキや鮎の塩焼きなど、すべておいしくいただきました。

丸屋さんはグレード高めの旅館なので、小ぎれいな会席料理風のコースかなと思っていたのですが、意外にも素朴な料理が並び、郷土料理と山菜をたっぷりいただけて個人的には満足度が高かったです。

朝食も同じ個室食事処でいただきます。

朝食にも詳しいお品書きがありました。

赤こごみの油炒め、青こごみのお浸し、どちらもおいしい。

山形名物の玉こんにゃくもいただいて、朝からお腹いっぱいになりました。

山形県「月山志津温泉 変若水の湯 つたや

もう1軒、山形県から月山志津温泉のつたやさんをご紹介します。
月山志津温泉は1989年に開湯した比較的新しい温泉地ですが、夏スキーで賑わう月山スキー場や、月山の姥沢登山口に近い温泉地として、登山者にはお馴染みかもしれません。

公共交通機関利用の場合は、高速バスの「山形線」や「仙台線」が停車する「西川バスストップ」で下車し、西川町営バスの月山志津温泉線に乗り継ぎます。

たどり着いたつたやさんは、建物も新しく近代的な宿でした。
ちなみに、宿泊したのは春ではなく9月でしたが、保存した山菜を含む山の幸を使った料理が大変おいしかったので、生の山菜がある季節であればさらに楽しめるに違いない!と思い、選出しました。

宿泊した日の日記をnoteに書いています。

土曜日も1人泊OK!空いていれば何度でも利用可能な貸切風呂もあり

山あいの秘湯と言っていい場所にある月山志津温泉ですが、つたやさんは建物も新しく、館内はモダンな雰囲気。

チェックインは吹き抜けになっているロビーで。開放感があって良い風が入ってくる気持ち良い空間でした。

良い風が入ってくる……と書きましたが、実はつたやさんの客室には冷房がありません。

宿泊したのは9月で、あまり天気も良くない日だったのでそれほど暑さは感じませんでしたが、真夏の晴れた日なんかは暑がりの人は厳しいかもしれません。なのでやはり、登山者も多くないであろう6月ごろまでに泊まるのが良い宿かなと思います。

1人泊専用のシングルルームから半露天付きの特別室までさまざまな種類のお部屋があり、どの部屋にも1人で、休前日でも泊まることができます。

浴室は露天風呂付きの大浴場と、空いているときにいつでも貸切で利用可能な小浴室があります。

お湯は「加水・加温・循環あり」とのことでしたが、元々の源泉は濃厚な食塩泉とのことで、消毒臭などはなく、悪くはないお湯でした。露天風呂からの眺めもなかなか!

貸切風呂も新しくきれいで、1人でゆったりと楽しむことができます。

山形の地酒の利き酒セット2種と共に、山菜、きのこ、アケビなど山の幸を味わう

食事は朝夕共に食事処で。前菜から山の幸が目白押しです。

大きな皿には、玉蒟蒻やだだちゃ豆などの山形の名産品のほか「ワラビの一本漬け」や「石あけびの甘露煮」などが並びます。

それからこちらの宿、利き酒セットのラインナップが素敵でした。「山形酒米セレクト」と「つたやセレクト」の2種類があり、どちらも魅力的。

「はくろすいしゅ」と「あら玉」が個人的には好みでした。酒器がお揃いではなく、4種類共別々の器に入っているのもいいですね。

小鉢のお料理も「干しわらびの煮物」や「茸と木耳の酢胡桃和え」など、山の宿らしい食材が使われており、お味もとても良いです。

山形名物の芋煮も、牛肉たっぷりで豪華!

そして、個人的にとても気に入ったのが揚げ物の「あけびの詰め揚げ」です。

山形県民はあけびの皮を食べる」ことがケンミンSHOWなどでも話題になっていましたが、まあ、山形県民みんなが食べるわけでもなく、食べたことがない方も多いと思います。あけびじたいそんなにメジャーな食材でもないですしね……。
しかし、つたやさんの「あけびの詰め揚げ」は、あけびの皮の中に「舞茸味噌とずんだ」という甘めで濃厚な味付けの具を詰めて揚げることで、あけびのほろ苦さと具の甘さが一体となって、洗練された一品になっていました。

山の幸の苦みをこれほど活かした料理を提供してくれるのだから、山菜の盛りに泊まったらさらにすばらしい料理をいただけるのでしょうね。

翌朝の朝食も、バラエティに富んでいておいしかったです!

「赤こごみの煮物」で、山菜料理もしっかり。漬けものもすべておいしく、サラダの野菜も新鮮。トマトとモロヘイヤの和え物や夕顔の味噌汁など、他の宿ではなかなか見ることのない料理が並び、すべておいしくいただきました。

いつか、山菜の盛りに泊まりに行きたいと思っている宿です。

福島県「飯坂温泉 青葉旅館

2024年に福島県で泊まりたい宿」にも選出していた青葉旅館。先日泊まってきました!

福島駅で「福島交通飯坂線」に乗り換え、終点飯坂温泉駅で下車後、徒歩8分。交通の便も良い宿です。4月中旬ごろに宿泊しました。

浴室はすべて貸切利用!露天風呂で日本酒サービスも

青葉旅館は全10室の小旅館ですが、1人で泊まれるのは四畳半のコンパクト和室1室のみで、かつ平日のみです。

案内いただいた部屋は、入ってすぐ右手にトイレがあり、トイレの橫にある階段を5段上った位置に洗面所、そしてお部屋がありました。

お部屋にはチェックイン時から布団が敷いてありました。

四畳半なのでスペースに余裕はありませんが、広縁が別にあったり、テレビなどは床の間のスペースに並んでいるためか、狭苦しい感じはしませんでした。

この部屋は2人で泊まることもできるのですが、2人だとちょっと、ギリギリかもしれませんね。Wi-Fiも利用できるし、洗面所、トイレ、冷蔵庫などの必要な設備もすべて揃っている、コンパクトながら快適なお部屋です。

浴室は岩風呂が2箇所と露天風呂が1箇所あり、すべての浴室を空いているときに内側から鍵をかけて利用します。また、夜通しの利用が可能です。

予約制ではなく、また空き状況を部屋から確認する手段もないので「入ろうと思って浴室に向かったらどこも空いていなかった!」という可能性もあるわけですが、幸いにも1人で泊まれる四畳半のお部屋は、岩風呂2箇所の目の前という絶好のポジションにありました。部屋のドアを開けるとすぐに、岩風呂の空き状況がわかるので便利でしたね。

岩風呂は昔ながらの雰囲気ある内湯で、熱めの源泉がかけ流されています。
シャワーやカランの水回りの設備は新しいものになっていて、シャンプー&コンディショナー、ボディシャンプー、脱衣所には化粧水と乳液もしっかり置いてありました。

露天風呂は岩風呂とは少し離れた場所にありますが、露天風呂にしかない、日本酒のサービスが!

宿と同じ名前が付けられた、宿オリジナルの日本酒を、枡に注いで好きなだけいただくことができます。

のぼせないように少しだけいただきましたが、フルーティで飲みやすいお酒でした。

朝夕部屋食、30品以上の小鉢料理に圧倒される

食事は朝夕共にお部屋に運んでいただきます。

夕食の時間になると、客室の座卓には30種類以上の小鉢がずらりと並べられました。

一品一品説明をいただいたのですが、とても覚えきれません……。
ふき味噌、胡桃味噌、カタクリの花、ヤマユリ、いちじく、たけのこ、ワサビ菜などなど……。

地酒の呑み比べセットをいただきつつ、一品一品じっくりと味わいます。

和牛ステーキもボリュームたっぷり!

後から揚げたてを持ってきていただいた天ぷらは、大海老、ふきのとう、こごみ、菊芋。山菜の天ぷらはもちろんおいしいのですが、ホクホクした菊芋と本当に大きくてぷりっと弾力ある海老の天ぷらも絶品でした。

〆のご飯はコシアブラご飯。

翌日の朝食も数え切れないほどの小鉢が並びます。

「いかにんじん」なる福島の郷土料理が印象に残りました。
山菜料理、どれもすばらしかったのですが、秋は松茸料理をいただけるとのことで、そちらも気になっているところです。

福島県「檜枝岐温泉 旅館ひのえまた

会津駒ヶ岳登山や尾瀬の玄関口となる檜枝岐温泉の旅館ひのえまた。

山あいの秘湯に立つ立派な旅館で、登山口への送迎やお弁当など登山者向けのサービスも充実しているので、これまで何度も泊まっているお気に入りの宿です。

会津鉄道・野岩鉄道の会津高原尾瀬口から1日4往復ほどバスが運行しています。

春(4月下旬)はもちろん、夏(7月中旬)に泊まった際も山菜料理を始めとした山の幸をたっぷりと楽しむことができました。

宿泊レポートも公開しています。

土曜日も1人泊OK!アットホームで快適な山の温泉宿

客室数数室の民宿や小旅館がほとんどの檜枝岐温泉の中で、5階建ての近代的な建物の旅館ひのえまたはちょっと異色な存在ですが、一歩中に入ると宿のご主人が温かくもてなしてくれます。

檜枝岐村の方言って、東北弁とも会津弁とも違うなんだか柔らかい言葉なんですよね……。

客室はトイレ・洗面付きの8畳の和室。壁や畳もきれいで、テレビや冷蔵庫、電気ポットにWi-Fiまですべて揃った快適なお部屋です。

また、人気なのでかなり先まで埋まってはいるのですが、土曜日も1人泊可能なお宿です。

浴室は露天風呂付きの大浴場が2箇所あり、時間帯で男湯と女湯が交換になります。

かけ流しと循環併用ですが、消毒臭などは感じられず、清潔で気持ちよく湯浴みが楽しめます。

露天風呂からは山の緑が見えて、ややぬるめに調整されたお湯で長湯を楽しみました。

山菜や茸、筍、蕎麦など山の恵みを会津の地酒と共に味わう

食事は、一人泊の場合は夕食はお部屋に運んでいただきます。

会津の地酒の呑み比べと共に、こごみやぜんまい、筍などを使った料理が並びます。

旅館ひのえまたの食事は檜枝岐村の郷土料理なのですが、食材や調理法までしっかりと書かれている詳しい説明書きが用意されているところがとても好きです。

「山人鍋」にも茸と山菜がたっぷり!

〆の舞茸ご飯もすばらしくおいしくて、お腹いっぱいなのに毎回しっかりと食べてしまいます。

朝食は、1階にある食事処でいただきました。こちらも個室食事処なので一人でものんびりといただくことができます。

鍋の中には千切りにした長芋と茸が入ったお味噌汁がたっぷり入っていました。

朝食でも、ぜんまいを始めとした山菜の小鉢が登場しました。

ちなみに、↑ここまでご紹介した写真は4月下旬に泊まった際の料理ですが、実は、7月中旬に泊まった際もだいたい同じメニュー↓でした。

つまり旅館ひのえまたでは「少なくとも夏までは山菜料理が楽しめる!」ということです。これから夏にかけて旅を計画しようと思っていた山菜好きの方に、ぜひおすすめしたい宿です。

長野県「美ヶ原温泉 旅館すぎもと

松本市の郊外にある美ヶ原温泉は、松本駅からバスで25分ほどと交通の便も良い、20軒ほどの宿が建ち並ぶ温泉地です。

その中でも「旅館すぎもと」は、趣ある建物(2024年3月に登録有形文化財に指定されたとのこと)と食事がおいしいことで人気が高く、特に春の山菜シーズンの食事がすばらしいと聞き、ずっと気になっていた宿でした。

5月の上旬に宿泊が叶い、期待どおりのすばらしい宿でしたので、ご紹介したいと思います。

客室は雰囲気も良く快適、貸切風呂はお湯もよく楽しめた

旅館すぎもとに1人泊できるのは平日のみですが、平日であれば広めの部屋や檜風呂付きの部屋にも祝泊可能です。

ただ、広い部屋は宿泊料金もアップしますし、風呂付きの部屋も客室に温泉給湯されているわけではないので、1番お安く泊まれる部屋で十分だなと思い「6畳の和室にWベッド」の部屋を予約しました。

6畳にWベッドだと部屋のほとんどをベッドが占めてしまうので、くつろげないかな……?と少し心配していましたが、実際には6畳+窓際に3畳ほどのスペースが別途あり、そこに座卓と座椅子も置かれていたので快適に過ごすことができました。

ちなみにこちらの部屋は3階にあり、エレベーターはありません。浴室や食事処は1階にあるため、この部屋に泊まる際は何度も階段を上り降りすることを覚悟しておいたほうがいいでしょう。

浴室は、まずは男女別の大浴場があります。露天風呂付き。時間帯による男湯女湯の交換はありません。

大浴場は雰囲気の良い浴室で、設備もしっかりしていて清潔でした。ただ、こちらはかけ流し循環併用なので、浴槽の大きさのわりには源泉の投入量はやや物足りない感じ。ですが消毒臭などがすることはなく、悪くはないお湯です。

大浴場の並びに1つだけ、空いているときに鍵を掛けて利用可能な貸切風呂があります。

こちらは、こぢんまりとした浴室ですが完全なかけ流しです。源泉も常時たっぷりと投入されていて気持ち良く、私はこちらの浴室にばかり入っていました。

このほかに、公式サイトを見ると有料の「貸切露天寝湯」があるようなのですが、こちらは1人だったからか特に案内されず。有料だし、かけ流しではないようだったのでお金を払って入るほどではないかなと思い、特に問いあわせることはしませんでした。

山菜料理も打ち立ての蕎麦もすばらしく、筍ご飯はおにぎりにしてもらった

食事は朝夕共に食事処で。
宿泊していた棟とは別棟にあり、地下道を通って向かいます。

食事処は掘りごたつのテーブルが並ぶ、ゆったりとした空間でした。

お酒は、9種類の地酒を飲み比べできるセットを、夕食前に注文していました。チェックインの際に案内があったのですが、夕食前にあらかじめ注文しておかないと提供できないとのことだったので、その場でオーダーしてしまいました。

岩魚をなめろうにしてグラタンのように焼き上げた温かい前菜。いきなりお酒がすすむ一品です。

前菜盛り合わせがこちら。

菜の花の昆布じめ、蕗の含め煮、青豆の浸し豆、スナップエンドウの煮浸しなど。シンプルな調理法ですが、どれもしみじみおいしかったです。

この後はお凌ぎで、一口のご飯が。

コシアブラとホップの炊き込みご飯で、コシアブラとホップのほろ苦さが癖になる味で、茶碗一杯に食べたかったです……。

お刺身は山の宿らしく馬刺し。薬味がたっぷりと添えられ、タテガミもあるのがうれしい。

天ぷらは「タラの芽、こごみ、うど」という、山菜の天ぷらの王道をいくラインナップ。付け合わせの新じゃがの煮っ転がしも甘しょっぱくておいしかったです。

そして、ご主人がさっき打ったばかりの打ち立ての十割蕎麦。

こちらは別料金で1200円かかるのですが、ご主人が不在の日は提供がない貴重な一品とのことだったのでせっかくなのでお願いしました。

しっかりと量があったので、2人以上で泊まるなら1人前オーダーしてちょうど良かったと思うのですが、1人だとかなりお腹いっぱいに。とは言え評判どおりのおいしい蕎麦でした。

蕎麦ですっかりお腹がいっぱいになったので、〆のご飯はおにぎりにしてもらうことに。

食事を終えて部屋に戻ると、筍ご飯のおにぎりが3個も乗ったザルが置いてありました。筍が大ぶりで、お焦げもあっておいしい筍ご飯でした。

翌日の朝食も同じ席で。

朝食には山菜は特になく、朴葉味噌などこのあたりのエリアの郷土料理が並びました。山菜がなくても、おいしい朝食でした。

長野県「湯田中渋温泉郷 安代温泉 安代館

長野県の湯田中渋温泉郷の中にある安代温泉。

湯田中駅からは徒歩20分ほどでしょうか。バスも運行していますし、宿に頼めば送迎もしてもらえると思います。

以前から「お湯が良くて食事もおいしい宿」と思って何度も泊まりに行っていたらお気に入りの宿だったのですが、2023年の6月下旬に、春限定の「山菜料理20品以上プラン」で宿泊したところ、品数も味もすばらしくて感動しました。

詳細は宿泊レポートにも書いていますのでこちらをご参照ください。

ちなみに、記事中で紹介している写真は2023年に宿泊した際のものですが、実は今年も山菜プランで宿泊してきました。私のブログがきっかけで山菜プランで予約される方が増えたとのことでうれしい限り。

2024年の山菜プランの提供は6月16日の宿泊まで。6/17~7/31は休館して改装工事を行うそうです。客室内もきれいになるそうなので、楽しみですね。

土曜日も1人で泊まれるようになった!漫画部屋もあり連泊も楽しめそう

こちらの宿、以前は土曜日の1人泊はできないことが多かったのですが、現在は休前日も1室は1人客用のプランを出してくださっているとのこと。ありがたいですね。

客室は8畳~22畳と広さに幅があり、人数に合わせて宿のほうで部屋を選んでくださいます。

どの部屋も冷暖房、Wi-Fi、ウォッシュレット付きトイレ、冷蔵庫などが完備されており快適です。

また、1階には漫画がずらりと並んでいる漫画部屋もあり、連泊しても退屈しなそうです。

この漫画が置かれている部屋も、整理されてソファなどが置かれ、快適度が増していました。

大浴場は2箇所あり、時間帯で男女が交換になります。

1箇所は、小さめの浴槽が2つある浴室。

もう1箇所は大きな浴槽が1つの浴室。

どちらの浴室も熱めの適温のお湯が常時かけ流されており、シャワーなどの設備やシャンプー&コンディショナーなどのアメニティも揃っていて、快適な湯浴みを楽しめます。

志賀高原ビールと地酒を飲みつつ、20種類以上の山菜小鉢をいただく

湯田中渋温泉郷と言えば、地酒縁喜と志賀高原ビールの蔵元である玉村本店がすぐそこにあり、安代館からは散歩気分で歩いて玉村本店まで行くことができます。

なのでもちろん、夕食は玉村本店の地酒と共にいただきます。私はにごり酒が好きなので、大抵「雪猿」の2合瓶を注文。

夕食はお部屋に運んでくださいます。

馬刺しや鯉の洗いなど、この宿の定番料理が運ばれてきた後に……。

ずらりと並ぶ山菜の小鉢に驚きます。

どれが何の山菜だか説明されてもすぐ忘れてしまうので、紙に名前が書いてあるのが本当にありがたいですね!

ではにごり酒と共に……いただきます!

途中、天ぷらが出てきたあたりで志賀高原ビールも追加しまして……。

山菜以外にも「蜂の子」や「いなご」など、苦手な人は苦手かもしれない山の珍味ですが、私は幸い田舎生まれでわりと食べ慣れているので、懐かしい気持ちになりながらおいしくいただきました。

うどは「鶏肉と一緒にマヨネーズで和えたもの」と「豚肉で巻いて甘辛い味付けにしたもの」があり、どちらも驚くほどおいしかったです。うどは肉に合うんですねえ。

鯉の洗いは、定番の酢味噌でもおいしくいただき。

後半はなんと、山菜と一緒に天ぷらにした鯉の洗いをいただきました。これも初めて食べるお味でしたが、衣をつけて揚げたことで食べやすくなり、鯉が苦手な人でも楽しめそうな味わいでした。

〆はやっぱり鯉こくと、山菜ご飯のおにぎり!
苦手な人は苦手であろう、山菜、鯉、蜂の子などの山の珍味がずらりと並ぶ挑戦的なコース。私はとても気に入りました。

ちなみに、山菜プランではない、信州牛ステーキがメインのコースも大変おいしかったので、そこまで山菜にこだわりがなければそちらを選んでも楽しめる宿だと思います。

翌朝の朝食は1階の広間で。

野菜たっぷりの湯豆腐、焼き鮭、サラダ、温泉玉子など。こちらもおいしくいただきました。

新潟県「越後松之山温泉 凌雲閣

新潟県十日町市にある松之山温泉の「凌雲閣」は、日本三大薬湯の一つに数えられる松之山温泉のすばらしいお湯と、登録有形文化財にも指定されている昭和レトロな建物を楽しめる宿です。

山菜を期待して泊まったわけではなかったのですが、4月中旬ごろに宿泊したところ、思いがけず山菜を使った料理があれこれ出てすべておいしく。また、地酒にもこだわりのある宿で新潟の地酒も一緒に楽しめたので、ご紹介したいと思います。

宿泊レポートも公開しています。

登録有形文化財指定の本館に宿泊!貸切風呂の湯はかけ流し

凌雲閣に1人で泊まれるのは平日のみですが、登録有形文化財に指定されている本館か、浴室のある別館の部屋、どちらにも1人泊可能です。

私は本館に宿泊しました。
部屋の設備の違いで言うと、本館は昔ながらの風情ある客室で室内にトイレや洗面所はありませんが、Wi-Fiの利用が可能です。別館は大浴場・貸切風呂がすぐそこにあるのでお風呂三昧しやすく、客室内の設備も新しくバストイレ付きですがWi-Fiは利用できません。

本館は、共用部も趣があって楽しいです。玄関入ってすぐのところには、年代ものの大きな振り子時計が。

やや急な階段はピカピカに磨きあげられています。
浴室や食事会場は別館にあり、別館に向かう渡り廊下は1階にあるので、2階・3階の客室から毎回階段を上り降りするのはちょっと大変だな……と思っていたのですが、実は小さなエレベーターがあって階段を上り降りする必要はありませんでした。少し奥まった目立たない場所にエレベーターが設置してあり、雰囲気を壊さないようにしているのがすばらしいなと。

各部屋に付いている明かり取りの窓の装飾が、部屋ごとに違っているのも素敵。

宿泊したのは3階の「千草」の間です。
四畳半の次の間に、8畳の本間、広縁もちょっとしたリビングルームのように広い、ゆったりとした作りのお部屋です。

広縁には椅子が4脚とテーブルが設置してあり、窓際には木製のカバーがかかったエアコンも設置してありました。山あいの温泉の、歴史ある木造建築の宿は客室にエアコンがないこともたまにありますが、最近は山の温泉も真夏は暑いので……エアコンが付いているとホッとしますね。

本館はトイレと洗面所は共同ですが、新しく清潔でした。

浴室は、時間帯で男女が交換になる大浴場が2箇所あり、夕食後にのれんが入れ替わります。

浴槽は、石油のような香りのする緑がかった源泉で満たされています。こちらのお湯はかけ流しと循環の併用ですが、浴槽内は循環で湯口からは新しい源泉が注がれるので、松之山温泉の独特の香りや浴感を楽しむことができました。

そして、空いているときに利用できる貸切風呂はかけ流しです!

お湯が入れ替わるのが早いからか、大浴場の湯のように緑がかっていないのですが、それこそがお湯が新鮮である証です。源泉はかなり熱いので、加水して調節して入るのですが、せっかくなのでなるべく薄めずに熱い熱い湯を楽しみました。

地元でしか出回らない地酒の利き酒セットと、たっぷりの山菜料理

食事は、夕食は別館2階にある食事会場でいただきました。

地元でしか出回らない小さな酒蔵の地酒をこだわって揃えており、利き酒セットでもオーダーできると聞き、もちろん利き酒セットをオーダーしました。

1杯の量がちょうどよく、すべて飲みやすいお酒でした。

畳の上にテーブルと椅子が設置してあり、隣のテーブルとは距離が空いているのでゆったりと食事が楽しめます。

山菜をはじめとした山の宿らしい食材を使った小鉢が思った以上にたくさん並びました。

左上から時計回りに「こごみのごま和え」「紅白なます」「ウドのきんぴら」「カタクリのおひたし」「ワラビ浅漬け」

ワラビの浅漬けが抜群においしく、お酒も進むしご飯にも合いそうな味でした。

アサツキの酢味噌に、こごみの胡麻和えなど、定番の山菜料理がまだまだ続きます。

台の物の「津南ポークの豚しゃぶ」は、あっさりとした味わいで豚肉の出汁で野菜もおいしくいただきました。

新潟の郷土料理の「のっぺ」に、天ぷらには甘みの強い「雪下にんじん」や「ふきのとう」も。

宿泊したのは4月だったので、現在はメニューが変わっている可能性もありますが、どの料理も地物食材がたっぷり使われていて味も良かったので、別の季節に泊まっても楽しめると思います。

朝食は「ゼンマイと麩の煮物」がしみじみとおいしく、魚沼産コシヒカリをたっぷりといただきました。

新潟県「六日町温泉 くつろぎ庵

新潟県の六日町温泉にある「くつろぎ庵」は、全3室の隠れ家的な温泉宿です。

昨年10月に初めて泊まり、食事がすばらしくおいしく、風呂もよく、土曜日も1人で泊まれてとても気に入ったので、2024年の4月に早くも再訪しました。

最寄り駅の六日町駅のほか、越後湯沢駅、浦佐駅までも事前連絡で送迎してもらえます。

土曜日も1人泊OK!かけ流しの露天風呂ではお酒やアイスを楽しめる

全3室の客室は、16畳の部屋が2室と24畳の部屋が1室で、どの部屋にも1人で泊まることができます。

チェックイン時から布団が敷いてありますが、16畳あるとそれでもかなりゆったり。

Wi-Fi完備で快適なお部屋ですが、1点だけ捕捉すると客室内にいわゆる「洗面所」はなく、水道はトイレの手洗い場のみです。なんとなくここで歯磨きなどをするのは微妙に思えて、大浴場の脱衣所にある洗面所でしていました。不便というほどではないけれど、やや宿泊料金お高めの宿なので気になる人もいるかもと思い、あらかじめお伝えしました。

客室の縁側から草履を履いて外に出られるようになっています。外にある足湯に浸かりながら遠くの山を眺めてのんびりと過ごしました。

夏場は足湯に浸かると汗だくになってしまいますが、春先の少しだけ肌寒い時期だったので気持ちよく足湯に浸かれました。

足湯を楽しんだ後はお風呂へ!
内湯と露天風呂がセットになった浴室が2室あり、22時までは予約制で貸切で利用します。

内湯も露天風呂も広々としており、1人で貸切で入れるのはかなり贅沢な気分。

しかも、この貸切利用の時間帯は露天風呂でお酒やアイスが楽しめるのです。

脱衣所にある冷蔵庫にジュースやアルコール、アイスなどが入っており、有料のものもありますが、小さな缶ビールや梅酒、コーラ、ジュース、ウーロン茶などは無料でした。

内湯も露天風呂もかけ流し。熱い湯に浸かってお酒を飲むとのぼせやすくなりますが、露天風呂は長湯しやすい温度なので、普段からお酒を飲む人なら大丈夫でしょう。

通常は、22時以降は2つの浴室が男湯と女湯になるのですが、この日は宿泊客が2組のみだったので、22時以降も貸切で利用できることになりました。

広いお風呂を翌日まで夜通し利用できて、贅沢な気分を味わえました。

裏山で取れたばかりの山菜をつまみに、魚沼の地酒飲み比べ

食事は、お部屋に運んでもらうか、あるいは囲炉裏のある個室でもいただけるとのこと。夕食はテレビを見ながらのんびり食べたかったのでお部屋でお願いしました。

魚沼の地酒飲み比べセットが3種類あり、せっかくなので飲んだことのないお酒が揃っている「松」をオーダー。

1杯あたりの量もしっかりとあり、なかなか飲み応えのある利き酒セットです。

前回の宿泊から1年経たずに再訪したお礼とのことで、利き酒に含まれなかった期間限定のお酒をおちょこに1杯サービスいただきました。うれしい。

前菜盛り合わせは「バイ貝の煮付け」「すずきのなめろう」「赤海老つや煮」といった海の幸と「地場産こごみの白和え」「新潟和牛のたたき」の盛り合わせ。小鉢の中は「しめ鯖もずく寄せ」です。

山の宿ですが、海の幸の料理も大変おいしい!
山の宿で海の幸が出ることに抵抗がある方もいると思いますが、私自身は越後湯沢でよく寿司を食べているような人なのでおいしければ大歓迎。新潟の宿はそのあたりわりとフレキシブルにやっている宿が多いように思います。

お刺身も中トロ、甘えび、鰆と海の幸3週盛りですが、海老は新鮮だし、中トロもとろける旨さ。

合い肴としてお刺身の後に提供されたのは「地場産猪肉使用 特製ハンバーグ」です。ポン酢か黒ごまソースでいただきます。猪肉、癖がなくてほどよく脂がのっていて本当においしい。「ジビエ」のイメージを覆すお味でした。

そしてこのあたりで、メニューにはなかった山菜料理の小鉢が3種。裏の山で採ったばかりの山菜とのこと。

左からアサツキ、せり、わさびの葉です。アサツキとせりは塩で、わさびの葉は醤油味。ほのかな苦みがお酒のつまみにぴったりで、この小鉢でかなりお酒が進んでしまいました。

天ぷらは、舞茸と海老以外はすべて地場産の山菜です。

天つゆと塩が両方添えられているのもうれしいですね。山菜料理もそれ以外も、すべておいしくいただきました。

朝食は、囲炉裏のある個室に用意していただきました。

奇をてらわない「旅館の朝食の王道」のおかずが並びますが、どれも出来合いではない、しっかりと手をかけて作られているのがわかる味です。ポテトサラダとほうれん草のお浸しがおいしい。

それから、炊いた釜ごと出していただいた、魚沼産コシヒカリ!

とても1人では食べきれない量なのですが、チェックアウト後に六日町駅から徒歩圏内にある「坂戸山」という山を歩く予定とお話したところ、おにぎりにして持たせてくれました。

実は、坂戸山の山頂直下に群生するカタクリの花を見れたら……と思って4月中旬に宿を取っていたのですが、カタクリの花のタイミングにもちょうど合いました。

この時期にくつろぎ庵に泊まったのはカタクリが目的で、山菜目当てではなかったのですが、山菜料理がすばらしかったので、次回も同じ季節に山菜目当てで泊まりたい!と思っています。

新潟県「燕温泉 ホテル花文

新潟県の妙高高原エリアにある燕温泉のホテル花文。

最寄り駅のえちごトキめき鉄道関山駅から妙高市営バスに乗り、終点燕温泉で下車した目の前に宿があります。

妙高山の登山口にある温泉宿で、以前から日帰りで何度か訪れていたのですが、宿泊してみると食事もなかなかおいしく土曜日も1人で泊まれるので何度か宿泊しています。

5月中旬ごろに泊まった際の山菜料理が良かったので、ご紹介したいと思います。

宿泊レポートも公開していますので、こちらも合わせてご覧いただければと。

土曜日も1人泊OK!露天風呂付きの大浴場は女湯の時間が長い珍しくもありがたい宿

1人で泊まれる部屋は「トイレ付きの和室」か「旧館トイレなしの和室」ですが、価格差1000円ぐらいなので私はトイレ付きの和室を選んでいます。トイレはウォッシュレットなしですが、夜中にトイレのために室外に出なくて良いのは気楽で良いので。

部屋のタイプはいくつかあるようですが、トイレ付きの部屋は客室内もわりときれいです。また、客室内の設備としてはテレビと冷蔵庫はありますが、エアコンとWi-Fiはありません。山の宿ですがスマホの電波は問題なく入りました。

浴室は、2階に露天風呂付きの大浴場があり、こちらが基本的に女湯になっています。

時間が経つと白く濁り、日によっては青みがかっても見える硫黄泉が常時大量にかけ流されています。湯温も適温で飲泉も可能です。

露天風呂はやや温めの温度になっており、長湯が楽しめるのもうれしいですね。

朝の時間帯のみ男湯と女湯が入れ替わり、1階の浴室が女湯になります。

露天風呂付きの広い浴室が女湯になっている時間が長いことで、旅行サイトの口コミで評価を下げられているのをたまに見かけるのですが、1階の浴室は脱衣所が狭くて、ベビーベッドを設置するスペースがないし、髪を乾かしたりする場所も狭いんですよね。それゆえに広い浴室が基本的には女湯になっているのだと思います。

大浴場の広さに明らかな差がある場合、広いほうが男湯の宿が圧倒的に多いので、たまには女湯が広い宿があってもいいじゃないか!と個人的には思っています。宿泊される際は、女湯のほうが広い宿だと知った上で予約されることをおすすめします。

新潟の地酒とワイン、夜は天ぷら、朝はふき味噌が絶品

花文のドリンクメニューには妙高市の地酒が4種類並び、そのうちの3種類を呑み比べセットで注文することができます。

そのほかにも、上越市の蔵元「雪中梅」の梅酒や、上越市の岩の原ワインのワインも揃っており、グラスでのオーダーも可能です。

私はもちろん利き酒セットをオーダー!

ちなみに、花文では食事は基本的には食堂でいただくのですが、この日は「食堂の席がいっぱいなのでお部屋にお持ちします」とのことで、部屋でのんびりといただきました。

10月に泊まった際はきのこと新蕎麦を楽しめましたが、5月中旬の宿泊では山菜が目白押し。

ワラビは生姜醤油出シンプルにいただきます。

こごみは、ホタルイカと一緒に酢味噌和えで、春らしい一品に。

煮物はやはり、春の味覚の筍。

天ぷらはもちろん山菜で、うど、ふきのとう、タラの芽、コシアブラ、こごみがオールスターで揃っていました。揚げたてを熱々で後から持ってきてくださいました。

秋の新蕎麦もおいしかったけれど、春の蕎麦も悪くありません。

〆のご飯は「根曲り竹とじゃがいもと卵」の味噌汁と共にいただきました。このお味噌汁が、優しいお味でおいしかったです。

朝食も、温泉卵になめ茸が添えられていて驚きましたが、食べてみるとなかなか良いお味。

右下の蕗味噌がおいしくて、これだけでご飯を一膳平らげてしまいました。

秋の新蕎麦の季節も良かったですが、それ以上に山菜の季節が気に入った宿です。

新潟県「関温泉 朝日屋旅館

先にご紹介した燕温泉と同じ、妙高高原エリアの関温泉の朝日屋旅館。

燕温泉と同様にえちごトキめき鉄道関山駅から妙高市営バスに乗り、関温泉で下車します。

ちなみに、関温泉のチェックイン時刻は15時からなのですが、妙高市営バスが関温泉に着く時刻は14時18分か15時59分。
14時18分だとちょっと早いけど、16時だとちょっと遅いな……と思い、宿に電話して相談したところ、14時台のバスで早めに着いても大丈夫なよう用意しておきます、とのお返事をいただきました。

連絡なしで伺うと入れないかもしれないので、早めのバスで着きたい方は事前に連絡しておくことをおすすめします。

4月下旬に宿泊し、宿泊レポートも公開しています。

土曜日も1人泊OK!赤茶色の湯の花が舞う極上湯を楽しめる

朝日屋旅館で1人で泊まれるのは8畳の和室です。

ウォッシュレット付きのトイレと洗面所付きで、冷蔵庫もあってWi-Fiもつながる快適なお部屋です。

ただ、2022年の4月に宿泊した時点では客室にエアコンはありませんでした。それほど標高が高いわけではないので、真夏はちょっと暑そうかなと思っています。

浴室は男女別の大浴場で、露天風呂付き。

シャワーなどの設備もしっかりしており、清潔な浴室です。

関温泉は、すべての宿で「加水・加温・循環・消毒すべてなしのかけ流し」を実践しているそうで、朝日屋旅館さんも内湯・露天風呂共にかけ流しです。

浴槽に身を浸すと、細かいオレンジ色の湯の花がふわーっと大量に浮かび上がってきます。

露天風呂のお湯は、太陽の光を受けてオレンジ色にきらきらと輝いていました。

この湯の花が美肌効果が高いようで、お風呂上がりは肌がしっとり、サラサラになりました。チェックインの際に女将さんに

「宿のタオルは色がついてしまってもぜんぜん構わないので、お風呂をあがるときにシャワーで湯の花を流さずにタオルで拭いてくださいね!」

と言っていただけたのがありがたかったです。言ってもらえなかったら宿のタオルを汚したら悪いな……と思って、美肌成分たっぷりの湯の花を流してしまっていたことと思います。

妙高市内の地酒の利き酒セットと共に、山菜と日本海の海の幸をいただく

食事は朝夕共に1階の食堂でいただきます。

妙高市内にある3軒の造り酒屋「君の井酒造」「千代の光酒造」「鮎正宗酒造」のお酒を1種類ずつ楽しめる利き酒セットをまずはオーダー。

食事は、日本海の海の幸と山菜がずらりと並びました。
妙高市は山の中ではありますが、海沿いの上越市と隣接していますし、おいしい魚を出してくれる宿が実は多いのです。

最近は日本海でもよく獲れるらしいカツオの漬けとこごみ。

ホタルイカとアサツキの酢味噌和え。

冷や奴にはたっぷりとふき味噌がのせられていました。何ともお酒が進むメニューです。

陶板焼きは「行者ニンニクと豚肉炒め」です。香りの強い行者ニンニクに豚肉はよく合いました。ビールが欲しくなる味。

天ぷらはコシアブラ、こごみ、ふきのとう、うど、どろ海老。
どろ海老とは、山陰地方で「もさ海老」と呼ばれたりする、甘エビ以上に甘い海老だそうです。

味付け、調理法共にバラエティに富んでおり、すべておいしくいただきました。

朝食も同じ食堂で。お盆の中央に置かれているのはこごみのごま和え、焼き魚は旅館の朝食ではちょっと珍しいカマスです。

納豆の上にもふき味噌がのっていました。どちらもご飯のお供ではあるけれど、合わせたらどんな味に……?と思いつつ混ぜてご飯にのせてみたら、納豆に爽やかな風味がついてなかなかおいしかったです。

宿泊したのは4月下旬でしたが「山菜はいつ頃まで出ているんですか?」と聞いたら、種類は変わりつつ、例年6月ごろまでは山菜の料理を出しているとのこと。女将さんは5月、6月の山菜が好きとのことだったので、次はちょっと遅めの時期に伺いたいなと思っています。

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