1名からネット予約可能!鰻生産量日本一の鹿児島で鰻をつまみに飲み、うな重で〆める
鰻と言えば静岡県や愛知県をイメージする方が多いかと思いますが、実は養殖うなぎの生産量日本一は鹿児島県です。
鹿児島には黒豚やキビナゴ、地鶏、かんぱちなど、鰻以外にも魅力的な食材がたくさんあるので鰻の生産量日本一であることは注目されにくいのですが、生産地ならではの価格でおいしい鰻をいただける店があちこちにあります。
今回ご紹介する「薩摩 雅咲亭(さつま がしょうてい)」は、鹿児島市の中心街である天文館に位置する、炭火で焼かれた鰻を楽しめる居酒屋さんです。
カウンター席があって1人でも気軽に入れますし、食べログから1名でのネット予約も可能です。週末の夜でも気兼ねなく、ゆったりとひとり酒を楽しむことができます。
鰻以外の串焼きや魚介のメニューも豊富で、〆にいただいた小さめサイズのうな重も、南部鉄器の鍋で炊かれたご飯がすばらしくおいしく、とても気に入りました。
場所・予約のしやすさ・メニュー構成などさまざまな面で「1人でも使い勝手の良い店」だと思いましたので、レポートしたいと思います。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。
鹿児島中央駅から薩摩 雅咲亭鹿児島本店へのアクセス
鹿児島県にはすばらしい温泉宿がたくさんありますので、滞在中は温泉宿に泊まることが多いのですが、翌朝早朝から飛行機やバスで移動をする際など、鹿児島中央駅前の温泉付きビジネスホテルに宿を取ることがあります。
そんなとき「週末の夜でも1人でゆっくりと酒食を楽しみたい!」と思って探したのが、今回ご紹介する雅咲亭鹿児島本店です。
駅ビルの「アミュプラザ鹿児島」の屋上にある観覧車が印象的な鹿児島中央駅。
ここから雅咲亭鹿児島本店に行くには、路面電車の「鹿児島中央駅前停留場」から約6分「鹿児島市電2系統」に乗り、「高見馬場駅」で降りて徒歩6分です。
ですが、路面電車に乗らずに歩いても20分少々なので、私は歩いて行きました。
「甲突川(こうつきがわ)」という川を渡っていきます。ライトアップされていてきれい。
途中、路面電車の駅をいくつか通り過ぎ……。
繁華街の中を5分ほど歩くと、天文館公園という大きな公園に出ました。
季節によってはライトアップされて賑わう公園のようですが、この日は特にライトアップやイベント的な催しをやっていた風ではなく……それなのに多くの人が公園に集まっていました。まだ宵のうちだったのでそこまで治安が悪そうには感じませんでしたが、夜が更けてからは女1人では歩かないほうがいい場所かもしれません。(酔っぱらいが多そう)
目的地のお店は天文館公園からすぐの場所にあります。
公園から少し離れただけなのに、急に静かな道になりました。
戸口には「うなぎ」と書かれたのれんがかかり、その側には「極上カンパチ」「当店名物 うなぎ」と書かれた幟が立っています。
のれんをくぐって中に入り、カウンターの中にいたスタッフの方に「さっきネットで予約したものです」と声をかけると、ちゃんと把握されていてすぐに席に案内していただけました。
こちらのお店は、来店時刻の30分ぐらい前まで席の予約を受け付けているので、実は私も直前に来店を決めて予約し、店に向かったのです。
こういう場合「席は予約できたけど店にいったらスタッフが予約が入ったことを把握していない」ことがありがちなのですが、しっかりと予約をチェックされていたので安心して席に着きました。
薩摩 雅咲亭の店内
1階にはカウンター席が10席あり、1人なのでこちらに案内されました。
カウンターはまだ新しく、清潔感があります。予約なしで来店した2名のお客さんも、この日はカウンター席に案内されていました。
この他に、1階には4名掛けのテーブル席が1卓、2階は畳敷きのテーブル席になっていて、3つに区切って個室として利用したり、最大25名で貸切利用もできるようです。2階の席の様子はこちらから確認できます。
カウンターの中には、さすが鹿児島、焼酎のボトルがずらりと並んでいます。
のれんの隙間からカウンター席の空き具合が覗けるので「予約してないんだけど入れる?」とふらっと訪れるお客さんもちらほらいました。
薩摩 雅咲亭の営業時間・定休日
薩摩 雅咲亭の営業時間は、ランチ営業が11時30分~14時30分で、ラストオーダーは14時。
ディナータイム営業は17時30分~21時までで、ラストオーダーは20時30分です。土日祝日もランチ営業を行っていますが、メニューは平日と異なるようでした。
定休日は火曜日です。
薩摩 雅咲亭のメニュー
薩摩 雅咲亭ではランチタイム営業も行っていますが、この日は夜にお邪魔したため、ランチメニューは拝見していません。
こちらのページにランチメニューの掲載がありますが、すべてのメニューが「平日限定」となっているため、土日祝日のランチはメニューが異なるか、夜と同じメニューである可能性があります。ご注意ください。
ドリンクメニューは芋焼酎がずらり
まずはドリンクメニューです。生ビールはスーパードライで瓶ビールはアサヒ。
鹿児島の居酒屋さんてなぜかアサヒが強いですよね……スーパードライ率が高い気がします。
ハイボールのほか、ウィスキーに「鹿児島ウィスキー」と記載があり。
え?鹿児島で醸造しているウィスキーなの?と思いきや、思いきり「駒ヶ岳」と書いてあり。
「駒ヶ岳ウィスキーって木曽駒ヶ岳のはずだし、これは信州のウィスキーでは?」
と混乱したのですが、調べるともともと「マルスウィスキー」って、鹿児島県の本坊酒造から始まったものなのだそうです。全然知りませんでした。
それから、鹿児島ですからもちろん、焼酎の品揃えが豊富です。
「魔王」や「森伊蔵」などの有名・稀少な焼酎もあり。鹿児島県内での相場はわかりませんが、都内で飲むのと比べたらだいぶ安そうです。
フードメニューは鰻のほか魚介、串焼きもいろいろ
フードメニューは、まずはうなぎから始まります。
鹿児島県内のうなぎの名産地、大隈産のうなぎを使用しているそうです。
うな重は「松2切れ」「竹3切れ」というように、量の目安がわかりやすく掲載されているのがいいですね。
またうな重ではなく単品でかば焼き・白焼きを注文したり、うなぎの串焼き、うまき、骨煎餅などのうなぎを使った料理もラインナップされています。
鹿児島は魚介・黒豚・地鶏もおいしいので、こちらも県内産の食材を使用したメニューが並びます。
かつお、かんぱち、桜島美湯豚、黒さつま鶏など。郷土料理の「なんこつ煮」も気になりますね……。
一品料理にはこのほかに、漬けもの盛り合わせやさつま揚げなど。
ご飯ものでは「かんぱち漬け丼」や「かんぱち茶漬け」、とんかつ御膳に「焼きうなぎり」なども気になります。
それから、鹿児島市内のショップのレモンケーキがイートイン・テイクアウトできるようで、ちょっと気になってしまいました。
それから、当日オーダー可能なコース料理も2種類。
食べログに掲載されていたメニューでは「コースは2名から」と表記されていたので、1名でオーダーできるのかはわかりません。
がっつりうなぎを食べたいのでコースは検討しませんでしたが、いろいろ少しずつ食べたいときには良さそうですね。
それから、カウンター内の黒板には「本日のおすすめ」メニューが。
「キビナゴの刺身」や「黒さつま鶏の刺身」など、鹿児島らしいメニューが並んでいました。
薩摩 雅咲亭でいただいたもの
まず、飲み物は焼酎があまり得意でないので、日本酒から「一ノ蔵」の本醸造をお願いしました。
鹿児島の居酒屋さんでは、1合でオーダーできる日本酒の種類がかなり限られている、ということも過去に多かったので、一ノ蔵や久保田、獺祭など、それなりにいいお酒が1合でいただけるのはありがたかったです。
お通しは、鶏皮ポン酢でした。串焼きで使用しているさつま地鶏の鶏皮でしょうか。おいしかったです。
うなぎ白焼き・うなぎ肝串
つまみでお願いしたのは、うなぎ白焼き「松・2切れ」と、うなぎの肝串です。
白焼きは、つまみでいただくのにちょうどいい量でうれしい。塩で、脂の旨味を味わいつついただきます。
そして肝焼き。
生臭みなどまったくなく、とても食べやすかったです。何本でも食べられそう……。お酒が進みますね。
この日のおまかせ刺し盛りは「かんぱち」と「秋太郎」
本当はうなぎの「ヒレ焼き」も食べたかったのですが、品切れとのことで、何かもう1品頼もうかな……?と思い「おまかせ刺し盛り2種」をお願いしました。
おまかせ刺し盛りは「かつお」と「かんぱち」の日が多いとのことだったのですが、この日はかんぱちと、本日のおすすめの黒板に乗っていた「秋太郎」という別名を持つ「バショウカジキ」です。
一般的な醤油の「辛口」と、九州らしい「甘口」の醤油があり、好みで使い分けられます。刺しちょこも2つあったら、使い分けられてよりうれしかったかもしれない。
しかし、刺身は新鮮そのもの。大好きなかんぱちも、厚切りで期待を裏切らないおいしさですし、バショウカジキも、わりとしっかりとした歯ごたえがあり、脂もほどほどにのっていておいしいお刺身でした。
炭火で焼かれた地鶏串焼きもおいしい!
そして……カウンター席なので、炭火で目の前で焼いているところが見えるので「串焼きおいしそうだな……」と思い
本日のおすすめから「レバー」と「せせり」を注文しました。
味付けも焼き加減も薄すぎず濃すぎずちょうど良くて素材の良さも感じられ、頼んで良かった!と思えるおいしさです。
うな重はパリッと関西風で南部鉄器で炊かれたご飯が絶品!
最後に……〆のうな重です!
いろいろいただいたので、1番少なめの「松・2切れ」サイズで。かつ「ご飯少なめ」でお願いしたのですが……。
なんと、このご飯がとてもとてもおいしかったのです。
ふっくらと炊かれていて、それでいて1粒1粒のおいしさがしっかりと感じられる絶妙な炊き加減……。これはなかなか巡り会えないおいしいご飯だわ!と思ったら。
カウンター席の目の前で、この使い込まれた黒い鍋が「南部鉄器」なんだそうですが、こちらの鍋を使って一気に炊き上げているのです。
お米の銘柄にもこだわっているそうで、これはおいしいわけだわ……。
鰻が好きなので、うな重がおいしいお店は何軒も知っていますが、うな重のご飯がこんなにおいしい店は初めてで、強く印象に残りました。
すべておいしくいただきました。ごちそうさまでした!
【再訪したい度】★★★★★ 関西風のパリッとした鰻とうな重のご飯が絶品でした
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
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