温泉ブログ 山と温泉のきろく

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乗鞍高原温泉 泊まれる温泉Bar136宿泊記 土曜日も1人泊可能なお酒と白濁硫黄泉が楽しめる宿

乗鞍岳登山の前後泊に最適!乗鞍観光センターから徒歩圏内の土曜日1人泊OKの温泉宿

乗鞍高原温泉は、乗鞍岳の登山バスの始発となる乗鞍観光センター周辺に位置する、冬はスキー客、春から秋にかけては登山客で賑わう温泉地です。

乗鞍岳の登山バス(畳平行きのバス)はもともと、長野県側の乗鞍高原温泉のほかに岐阜県側の平湯温泉からも出ていたのですが、平湯温泉発のバスは2022年9月より崩落のため運休しています。

そのため、2024年5月現在は長野県側の乗鞍観光センターからのみ登山バスが運行しており、乗鞍高原温泉は乗鞍岳登山の前後泊に最適な温泉地になります。

ですが実は、乗鞍高原温泉の、それも観光センターから徒歩圏内の宿って「2食付きで1人で泊まれる温泉宿」がとても少ないのです……。

私が知る限りでは、観光センターから徒歩圏内で「Web予約可能、2食付きで1人泊可能な温泉宿」はこの泊まれる温泉Bar136、1軒のみです。

以前は他にもあったのですが、1人泊の受け入れを止めてしまったり、2食付きでの宿泊プランがなくなってしまったり。あとは、1人で予約できるのは直前に空室があるときのみだったり……。観光センターから少し離れた場所になら何軒かあるのですが、宿泊前後に乗鞍岳に登るなら、できたら観光センターから歩ける宿に泊まりたいのです!

そんな中で唯一、観光センターから徒歩10分、土曜日も1人で宿泊可能な「泊まれる温泉Bar136」に昨年初めて泊まりました。

大宮でBarを営んでいたオーナー夫妻が2022年にオープンさせたこちらの宿、お湯もすばらしく、食事もおいしく、お酒はもちろん種類も多くどれもこれもおいしい!しかも宿泊料金もリーズナブル!

乗鞍岳の登山と合わせてまた必ず泊まりたい宿でしたので、ご紹介したいと思います。

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著書では、ひとり旅をもっと楽しみたい方に向けたおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

松本から新島々駅を経由し、バスで乗鞍高原へ

公共交通機関で乗鞍高原温泉に向かうには、アルピコ交通上高地線で新島々駅に向かい、新島々で路線バスの乗鞍高原線に乗り換えます。

新島々駅から約1時間ほどの乗車で「乗鞍観光センター」バス停に到着。

乗鞍観光センターバス停が、今回ご紹介する「泊まれる温泉Bar136」の最寄りのバス停であり、また、乗鞍山頂(畳平)行きのバスの始発でもあります。

泊まれる温泉Bar136までのアクセス

乗鞍観光センターバス停から泊まれる温泉Bar136までは、徒歩10分ほどの道のりです。

道中は緑に包まれた緩やかな坂道を登っていきます。

ペンション街の一角に、泊まれる温泉Bar136はありました。

宿の前が駐車場になっているようでした。

建物の中に入ると、玄関前のスペースに大きな書棚とテーブルと椅子が置かれ、ラウンジのようになっていました。

書棚には大量の漫画が並んでいます。

それからこのスペースの隅には有料のドリンクを販売している冷蔵庫が設置してありました。

館内には自動販売機はありませんが、この冷蔵庫が自動販売機代わりのようです。

サイダーやコーラ、ペットボトルのお茶やミネラルウォーターなどは全品100円で、冷蔵庫の隣に置いてある瓶の中にお金を入れて購入します。

缶ビール(400円)と日本酒の300ml瓶(900円)の販売もあるようですが、こちらはフロントに申し出て購入する方式でした。風呂上がりにビールなんかを飲みつつ、こちらで漫画を読んだりするのも楽しそうですね。

チェックインを終え、2階にある部屋に向かいます。

【部屋】★★★☆ エアコンはないけれどWi-Fiは高速で動画鑑賞も問題なし

泊まれる温泉Bar136の客室は建物の2階にあり、8畳~10畳の和室の部屋が全部で5室あります。

この日私は、203号室に宿泊しました。

お部屋は広縁付きの8畳の和室です。手前に座卓があり、部屋の奥側にはチェックイン時から布団が敷いてありました。

壁際にはコンパクトな液晶テレビと鏡台。

座卓の上にはお湯の入った魔法瓶タイプのポットと、ティーパックとお茶セットが置いてありました。

ティーパックについては廊下に紅茶と緑茶のティーパックのストックがあり、こちらも自由に飲んで良いと書いてありました。

客室内に冷蔵庫はないのですが、廊下に共用の大きな冷蔵庫が設置してあるので問題なし。

部屋に戻りまして広縁へ。ゆったりと掛けられる椅子が2脚とテーブルが設置されています。

窓からは外の緑が見え、気持ち良い風が入ってきます。
実は、こちらの宿の客室にはエアコンは設置されていません。真夏の昼は、暑がりの方は暑さを感じるかもしれませんが、私は昨年の7月下旬、夏の盛りに宿泊して、そこまで暑いとは感じませんでした。

布団は、掛け布団と敷き布団はあらかじめセットしてありました。

枕は、廊下にさまざまな厚さや素材のものがたくさん置いてあるので、好みのものを部屋に持っていって使います。

押し入れを開けると、浴衣と帯、バスタオルとタオル、ドライヤー、歯ブラシが置いてありました。

ドライヤーはPanasonicのイオニティ。

そして、宿の名前入りのタオルがなんだか格好いいですね。

トイレと洗面所は客室内にはなく、共同のものを利用します。

トイレは、新しくはないけれどウォッシュレット付きで、しっかりと掃除されていました。

トイレの隣に洗面台も2台。後からご紹介しますが、お風呂に行く途中の場所にも洗面所がありました。

エアコンがない点やトイレ共同なことが気になる方はいるかもしれませんが、個人的にはWi-Fiも速くて安定しており、タブレットでの動画鑑賞も問題なかったので、快適に過ごせました。

【風呂】★★★★☆ 2箇所ある露天風呂付き貸切風呂は加水加温循環なしのかけ流し

泊まれる温泉Bar136の浴室は2箇所あり、どちらも露天風呂と内湯がセットになっています。

フロントの橫に浴室の予約表があるので、チェックインしたらすぐに、利用したい時間に部屋番号を書いて予約します。そして、時間になったら「入浴中」の札を持って浴室に入り、中から鍵をかけて貸切で利用する、という方式です。

フロントから浴室に向かう途中には洗面台が3台あり、こちらには業務用ドライヤーも設置してありました。

温泉分析表はこちらです。施設名の「山乃湯 もりた」は、現在のオーナーに代替わりする前の宿の名前でしょうね。

泉温46.8度、ph3.2の酸性の硫黄泉。加水、循環、消毒なし。
こちらの分析表には「熱交換によって浴槽内の源泉を加温することもある」と書いてありましたが現オーナーはできる限り加温しない方針だと夕食の際にお話を伺いました。ぬる湯好きなのでありがたいですね。

手前の貸切浴室

まずは手前側にある浴室へ。

「只今入浴中」という札をかけて中に入ります。

もともとは大浴場の男湯と女湯だったのを現在はすべて貸切で利用しているため、脱衣所もかなり広々としており、ソファまで設置してありました。

脱衣棚には綿棒とティッシュも置いてあります。ドライヤーは脱衣所にはありませんでしたが、貸切利用なので髪を乾かすのは脱衣所を出てから洗面所でゆっくりどうぞということかなと。

浴室は、床、壁、天井、浴槽などすべてが木で造られた、山の宿らしい雰囲気ある浴室です。

浴槽も広々。青みがかった濁り湯で満たされています。

シャワー付きの洗い場は3箇所あり、シャワーの水圧も問題なし。

ボディーソープとリンスインシャンプー、そして銘柄はわからないけれどコンディショナーも設置してあります。銘柄にこだわりがある方は持参しましょう。

体を洗ってまずは内湯へ。

湯口からは透明な源泉が常時投入されています。硫黄泉は、浴槽に注がれるまでは透明で、時間が経つと濁ってくるので湯口のお湯は透明なのです。

広い湯舟で足を伸ばしてゆったりと浸かることができる幸せ。

体が温まったところで露天風呂へ。

内湯に無視が入ってこないように、露天風呂の入口に網戸が付いていました。

庭の緑を眺めながら入れる露天風呂。

やや温めのお湯を1人でのんびり楽しみました。

奥の貸切浴室

翌日の朝に、奥側にある貸切浴室で朝風呂を楽しみました。

設置されている備品などはまったく同じです。

浴室内は、もう1箇所の浴室と左右反転した形になっています。

朝のひんやりした空気の中で極上の湯に浸かる、至福の時間です。

露天風呂。朝はさらにぬるめになっていたけれど、長湯しやすくて良いです。

夏以外の季節も加温なしなら、露天風呂は季節によってはかなりぬるくなることもあるかもしれません。

余談ですが、手前の浴室と奥の浴室は隣り合わせており、特に露天風呂は壁を1枚隔てているだけですぐ近くにあるので、隣の露天風呂で会話している話は全部聞こえます・笑

私は1人なので風呂で会話することはないですが、グループで入るときは気をつけたほうが良いかもしれません。

【食事】★★★★☆ 夕食のバーメニューとカクテル、朝食のフレンチトーストが絶品

泊まれる温泉Bar136では、食事は朝夕共に1階のバーでいただきます。

カウンター席とテーブル席があり、まさしくバーの内装ですね。

1人客はカウンター席に通していただきました。

カウンターの横にはグラスがずらりと並ぶ食器棚があり、壮観でした。

夕食なしで泊まってアラカルトでバー利用も可能

私は「2食付き」のプランで宿泊しましたが、泊まれる温泉Bar136では「朝食付き」「夕食付き」「素泊まり」のプランも用意されています。

夕食が付かないプランで宿泊する際も、バーでアラカルトメニューやお酒を注文することはできるそうで、その場合はチェックインの際にバーを利用したい旨を申し出てほしいとのことでした。

ただし、18時~19時までは夕食付きのプランで宿泊する人の食事の用意があるため、アラカルトでのバー利用は19時~22時(ラストオーダー21時30分)になるそうです。

予定や胃袋の容量に合わせて柔軟に対応してもらえて、ありがたいですね。

フードメニューにはバーのおつまみが並ぶ

ディナータイムにオーダーできるメニューをご紹介します。

フードメニューにはスモークサーモンや生ハム、胡桃とクリームチーズのカナッペ、ソーセージ盛り合わせ、ニラたっぷり水餃子など魅力的なおつまみメニューが並びます。

〆のお食事メニューも、バーならではの魅力的なメニューがいろいろと揃っていました。

これらのメニューは、夕食付きのプランで宿泊した場合も追加オーダーが可能ですが、プランの夕食とかぶっているメニューもあります。夕食付きのプランも思った以上に量が多かったので、プランの料理が出そろってから追加オーダーしたほうが良いかと思います。

ドリンクメニューはとにかくカクテルメニューが豊富!

そしてドリンクメニューです。とにかくいろいろあります!

ビールは生ビールがアサヒの熟撰で、ボトルビールにはクラフトビールもラインナップされています。オリジナルカクテルも気になりますね……。

宿泊したタイミングでは愛媛のクラフトビール「梅錦ビール」がラインナップされていましたが、現在は「うちゅうブルーイング」のビールを入荷しているようで、こちらもとても気になっています。

カクテルは、有名どころは当然のようにすべて揃っていました。

ウィスキーもいろいろ。

冷酒、燗酒、梅酒に焼酎。

日本酒も焼酎も、銘柄が掲載されていないものもあるようです。日本酒は「長期熟成酒三品利き酒セット」もあり、心惹かれますね……。

シャンパン、スパークリングワインのほか、グラスワインも。

ソフトドリンクも揃っています。

「特製ジンジャーエール」「フレッシュレモンスカッシュ」やフランス製メロンシロップを使用した「メロンソーダ」「メロンクリームソーダ」などが気になりました。

デザートにおしるこやアイスクリームも。

さて、何を注文しましょうか。

夕食はオリジナルカクテル、定番カクテル、〆のペンネまで絶品

夕食付きのプランで予約した場合、夕食は18時から始まります。

ワンドリンク付きで「生ビール、カクテル、ソフトドリンク」から選べるので、お風呂上がりだしとりあえず生ビールをお願いしました。

最初に提供されたのは前菜の盛り合わせプレートです。

生ハム、トマトサラダ、つぶ貝のわさび漬け。

スモークサーモン、チーズとカナッペ。

一品一品かなりしっかりと量があるのですが、どれもおいしくお酒が進むお味。あっという間に生ビールを飲みほしてしまいました。

いつもは2杯目は日本酒を飲むことが多いのですが、この宿のオーナーは都内のホテルのバーに勤めた後、大宮でバーを営んでいた熟練のバーテンダーです。恐らくこの後に続く料理メニューもバーメニューが多いと思いますし、ここはカクテルを飲んでみたい!

そこで気になっていたオリジナルカクテルの中から「西区のカクテルあじさい」をオーダーしました。

爽やかな青色のカクテルには日本酒が入っているとのこと。
飲んでみると見た目以上に爽やかで飲みやすいお味でした。ちなみに「西区のカクテル」という名前は、以前さいたま市の西区でバーを開いていたことからついたのだそうです。

前菜の次に出てきたのは、熱々のオニオングラタンスープです。

こちらもかなり本格的な味わい。チーズたっぷりでお酒が進みますね。この後は食事メニューなのだけれど、その前にもう1杯注文してもいいかもしれない。

というわけで、定番のカクテルメニューの中からモヒートをオーダーしました。

ミントとライムがたっぷりと入ったモヒート。夏らしくてこの日の気温や気分にもちょうど合いました。

モヒートが出たところで、〆の食事メニュー「ペンネのミートグラタン」が。

こちらは夕食が始まるタイミングで、食事メニューの中から好きなものを1品選ばせてもらいました。お肉や玉ねぎ、デミグラスベースのソースがたっぷりとつまっていて本当においしかったです。

最後はフランス製カクテルシロップをかけたバニラアイスです。

シロップはストロベリーかメロンかチョコレートから、私はストロベリーを選びました。優しい甘さで最後までおいしくいただきました。

朝食はバラエティに富んだ洋朝食でお腹いっぱいに

翌日の朝食は7時30分からいただきました。時間はいくつかの選択肢から選べたと思います。

飲み物は「トマトジュース、オレンジジュース、牛乳」から選ぶことができ、私はオレンジジュースを選択。

まずは食欲が湧いてきそうなトマト味のミネストローネが。

それから見るからに新鮮な野菜とオムレツ、ソーセージが盛り合わせになったプレートです。

素朴な感じのオムレツ、ふわふわで柔らかくておいしかったです。

そして、主食はなんとフレンチトースト。

メイプルシロップをかけていただきます。

甘み調整用に添えられたりんごのジャムは自家製だそうで、穏やかな甘さでおいしい。

料理がすべて並ぶと、朝食もかなりのボリュームですが、すべておいしいので無理なく全部食べられました。

食後にいただいたコーヒーも、豆からこだわって仕入れているそうで、大変おいしかったです。

【再訪したい度】★★★★☆ 乗鞍岳登山に便が良く、アットホームな居心地の良い宿

乗鞍岳登山に便の良い立地で1人でも泊まりやすいので「もしいい宿だったらすごくうれしいなー」とドキドキしながら泊まりましたが、期待以上に素敵な宿でした!

宿泊したのは2023年の7月ですが、2022年にオープンした新しい宿ということもあって工夫を重ねられており、現在はいろいろと変わっている部分もあるようです。

きっと食事やお酒なんかはもっと良くなっているんじゃないでしょうか。
うちゅうブルーイングのビールも気になるし、また乗鞍岳登山と絡めて泊まりたいです。

ちなみに、乗鞍岳は6月いっぱいは山頂周辺に雪が残り、登頂にはアイゼンなどの雪山装備が必要です。

雪山装備がある方は最後の残雪期登山を楽しみに、6月中に足を運んでみてはいかがでしょうか。

雪山登山をしない方は7月以降にぜひ!乗鞍岳は気軽に登れて絶景が楽しめる、本当にすばらしい山です。

【1人旅に優しい度】85点:1人でもさまざまなお酒が楽しめる、まさに泊まれる温泉Bar

泊まりやすさ 20/20
休前日や連休、お盆などのタイミングでも1人で泊まれるありがたい宿。
私が泊まった日も、私以外に女性1人と男性1人、1人で泊まっている方がいました。

食事場所の配慮 10/20
1人客はカウンター席に通していただける。
個室や部屋食に比べれば人目が気になる方もいるかもしれないが、1人で泊まっている方が他にもいる可能性は高いので、そんなに気にならないのではないかと。

プランの選択肢 20/20
1人で泊まっても2人以上で泊まっても、プランの選択肢は同じ。

ドリンクオーダー  20/20
Barと同じで、ボトルのワインなど以外は基本的にグラスでオーダー可能なので1人で注文できるお酒は無限にある。

フリーWi-Fi完備 15/20
室内でWi-Fi利用可能。速度も普通に速いし安定していた。

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著書では、ひとり旅をもっと楽しみたい方に向けたおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。