鹿児島県 指宿温泉 民宿 たかよし
指宿温泉は鹿児島県指宿市にある温泉地で、海辺の温浴施設では「砂蒸し風呂」を楽しめることでも有名です。
民宿たかよしは、指宿温泉にある温泉民宿ですが、休前日も2食付き税込7000円台で一人泊可能で、しかもその食事が最高においしい!という評判を聞き、一度泊まってみたいと思っていた宿でした。
宿泊したところ、食事は本当においしいし、お湯も良し。民宿ということで少し心配していた設備のほうも新しくきれいで非常に快適な宿でしたので、レポートしてみたいと思います。
- 鹿児島県 指宿温泉 民宿 たかよし
日本百名山「開聞岳」の登山前後の宿泊にも最適な指宿温泉
指宿温泉に来たのは今回が3度目なんですが、最初に来たのは「薩摩富士」とも呼ばれる日本百名山「開聞岳」登山のためでした。
標高924メートルの低山ですが、見事な円錐型の火山です。
登山中、これほど近くに海を眺められる山も多くないように思います。潮風を感じながら登れて楽しかったですね。
開聞岳登山口の最寄り駅である「開聞駅」までは、指宿駅から30分ほどの乗車で到着します。
泊まるだけなら、もっと開聞岳に近い宿もあるとは思うのですが、どうせなら温泉も楽しみたい!ということで、指宿温泉に宿を取ったのです。
登山は登山で楽しかったのですが「指宿温泉でもうちょっとのんびりしたかったな」という悔いが残ったのでその後温泉目当てで再訪し、今回3度目の指宿温泉になりました。
ちなみに、1度目、2度目に指宿温泉に来た際は「休暇村指宿」に宿泊しました。シングルルームがあるため一人泊しやすく、館内で砂蒸し風呂を楽しむことも可能です。こちらもとても良い宿でした。
指宿温泉民宿たかよしまでのアクセス
九州新幹線の終着駅である「鹿児島中央駅」から、指宿温泉の最寄り駅である「指宿駅」まで、特急列車で1時間弱、各駅停車でも1時間10分~25分程度で着きます。
およそ30分ほどの違いですが、特急の「指宿のたまて箱」号は全席指定車両となり、指定席特急券は1160円となります。乗車券が1020円なので特急に乗ると倍額以上になってしまいますね。
また、鹿児島空港から指宿駅に向かうには直通のバスが出ており、乗車時間は1時間30分ほどで、運賃は片道2400円です。
指宿駅からは徒歩12分と徒歩圏内
指宿温泉は駅前に温泉街があるわけではなく、周辺に温泉宿が点在している温泉地です。以前宿泊した休暇村 指宿は駅から車で10分ほどの距離があり、送迎バスかタクシーを利用することになりましたが、民宿たかよしは徒歩12分と徒歩圏内にあります。
天気の悪い日はちょっとしんどい距離かもしれませんが、特に宿の送迎などはないと思いますので、駅に常駐しているタクシーを利用しましょう。
この日は天気も良かったですし、散歩がてら歩いていきます。
途中、小学校の前を通ると、野球を練習していた子供達が「こんにちはー」と挨拶してくれました。
チェックイン可能時刻は15時からなんですが、14時30分過ぎには宿の前に着いてしまいました。
経験上「従業員がそこそこの人数いるであろう中規模以上の宿」や「日帰り入浴の営業をしている宿」は、少々早めに着いても大丈夫なことが多いのですが、「家族経営の小さな宿」かつ「日帰り入浴営業をしていない」宿の場合は、早め到着はご迷惑になることが多いので、少し周辺を散歩して時間をつぶすことにしました。
チェックイン前に周辺を散歩
民宿たかよしの目の前の道を3分ほど歩くと、海に出ます。
目の前の宿の自動販売機で缶コーヒーを購入し、海を眺めながらコーヒータイム。
その後は海沿いの道を歩いていきます。
7~8分歩くと、砂むし会館 砂楽の前まで来ました。
大人1100円で、指宿名物の砂蒸し風呂を楽しめる施設です。
砂蒸し風呂は……私はまあ、1回やればいいかなという感じでしたので、今回はパスで……。
砂むし会館前にあったお土産屋さんで、地ビールとつまみを買って宿に戻ることにしました。
来たときの海沿いの道とは異なる比較的往来の多い道(砂むし温泉通り)を通って、宿に戻ります。
通り沿いにカラオケスナックやソー○ランドなど大人向けの店があり、しかもきちんと営業中だったので「おお!」と思いました。
砂むし会館から7~8分で、民宿たかよしに戻ってきました。
15時を過ぎていたので、チェックインしたいと思います!
宿の玄関前には「ゆくさおさいじょうもした」と書かれた看板が。
鹿児島の方言で「ようこそおいでくださいました」という意味だそうです。
玄関に入ると、感じのいいおばあちゃん(後で聞いたらお孫さんがめちゃくちゃたくさんいるそう)が出迎えてくれ、宿帳に記入し、1階を案内してくださいました。
玄関前にはソファがあり、くつろぎスペースになっています。
浴衣は1階の廊下にまとめて置いてあるので、自分のサイズに合ったものをこちらで選びます。
浴室や食堂、食事の時間についても説明をいただき、部屋の鍵を受け取って2階の部屋に向かいます。
階段には、ちょっと懐かしくなった一昨年の大河ドラマ「西郷どん」のポスターが貼ってありました。
【部屋】★★★★☆ Wi-Fi完備で共同設備もしっかりありとても快適
さて、2階へ。
今回宿泊した部屋はこちらの「砂楽」です。
6畳の和室で、古さは感じられない清潔なお部屋です。エアコンもしっかり効くので冬でも夏でも快適に過ごせそうですね。
鍵は内側からも外側からもしっかりかかりますし、内線電話もありました。
窓辺にはハンガーがかけられるクローゼットがありました。
羽織とフェイスタオルと歯ブラシ、カミソリが置いてあります。
浴衣と帯は階下にまとめて置いてありますし、バスタオルとフェイスタオルは脱衣所にあるので、部屋のタオルはフェイスタオルだけで十分なのです。
テレビと、テレビの側には有線LANケーブルもありました。
もちろん無線LAN接続も可能なのですが、有線LANケーブルを用意してくれている宿も最近は珍しくなりましたよね……。ありがたいことです。
テレビの下に何か書いてあるな?と思ったら、門限についての連絡事項でした。
22時以降は玄関を施錠しますとのこと。
壁にかかっている姿見の側には、ドライヤーも設置してありました。
テーブルの上にはお茶セットが。緑茶のティーポットと湯呑みと急須と魔法瓶。茶菓子は黒糖の麩菓子でした。
各部屋においてあるポットは、保温機能のみのシンプルなものですが、実は廊下にフリードリンクコーナーがあり、そこには共用の湯沸かしポットがありますので、いつでも熱々のお湯を使えるのもありがたかったです。
共用の冷蔵庫と電子レンジ
2階の廊下にある共用の設備についてもご紹介したいと思います。
廊下の端には共用の冷蔵庫と電子レンジがありました。
民宿たかよしには自炊用のキッチンはありませんが、徒歩圏内にあるコンビニからお弁当などを買ってきて、レンジで温めて食べることは可能です。早朝出発で宿で朝食をいただく時間がないときなどにも便利そうですね。
冷蔵庫に物をいれるときは、間違われないように名前を書くペンが置いてありました。
また、ドアポケットに入っている冷たい麦茶はサービスだそうですので、自由に飲んでOKです。
共用のトイレ・洗面所
洗面所も共用ですが、とても清潔です。
ハンドソープ、 紙コップ、麺棒、うがい用の塩、ティッシュ、ヘアブラシなどが置いてありました。
ヘアブラシは共用に抵抗がある方は持参したほうがいいと思います。
また、共用のトイレもウォッシュレット付きでしっかり掃除してあり、個室も2つあるので不自由はありませんでした。
廊下にはフリードリンクコーナーが
廊下にはフリードリンクコーナーがあり、部屋に置いてある緑茶と冷蔵庫の麦茶以外にもコーヒーと紅茶が飲めるようになっています。
コーヒーはインスタントですが、熱々のお湯とコーヒーカップがいつでも使えるのはうれしいです。
お借りしたカップでコーヒーを淹れ、麩菓子をいただきつつ一休み。
一休みした後は、お風呂に行きたいと思います!
【風呂】★★★★☆ 貸切で利用できる2つの浴室
民宿たかよしの浴室は1階に2室あり、チェックインから夜10時までと、朝は6時から9時まで入浴可能となります。
浴室は2つとも貸切で利用します。
誰も入っていなければ「入浴中」の札をかけて中から鍵をかけて利用することになります。
温泉分析表が貼ってありました。
73度の源泉で、ph8.1の弱アルカリ性の塩化物温泉です。
源泉が高温のため加水はしているようですが、加温・循環・消毒などは行っていない、かけ流しの源泉が楽しめます。
2~3人入れる大浴室
まずは、2~3人入れる大きいほうの浴室に入ってみたいと思います。
脱衣所の棚には洗濯済みのバスタオルとフェイスタオルが積んでありますので、入浴時はここに置いてあるものを使って、あがるときはカゴに入れてくればOK。
脱衣所には鏡と箱ティッシュ、ブラシ、麺棒などは置いてありますが、ドライヤーはありません。
貸切利用する浴室ですから、髪を乾かすのは時間がかかるので部屋でやってくださいということなんでしょうね。だから各部屋にしっかり、ドライヤーが設置してあるのだと思います。
「入浴時のご注意」にも「多客時は入浴街のお客様がいらっしゃいます。長時間のご入力はご遠慮下さいますようお願いいたします」との旨が書かれていました。
では、浴室へ。
タイル張りで窓のある、明るい浴室です。
入浴上の注意が浴室内にも貼ってありました。
リンスインシャンプーとボディシャンプーが設置してありました。
シャワーは、貼り紙のとおり、お湯が出るまで少し時間はかかったものの、湯量も十分で普通に利用できます。
体を洗った後は浴槽へ。
やや緑がかって見える透明な食塩泉。
「加水あり」となっていましたが、恐らく源泉の投入量を調節することで、加水は最小限に抑えているのだと思います。
源泉の蛇口からはちょろちょろとお湯が流れ続けていました。その横には加水用の蛇口がありましたが、こちらから水は出ていませんでした。
恐らく、2人で一緒に入ったりすると水位が一気に下がるので、そういうときはお湯をどんどん足して、熱くなるから水も足す、ということなんでしょうね。
弱アルカリ性の、つるつるした肌触りのお湯を、一人でのんびりと楽しむことができました。
1人で入るにはちょうどいい小浴室
小浴室は脱衣所も小さめで、脱衣カゴも1つしか置いてありません。
洗濯済みのタオルとバスタオルが置いてあるのはこちらも同じです。
浴室は、家庭用のお風呂よりもやや狭めの、三角形の浴槽です。
シャワーも1つ。アメニティ類は同じ、リンスインシャンプーとボディシャンプーです。
蛇口からは、やはりちょろちょろと源泉が注ぎ込まれています。
窓が少し開いていることもあり、適温で濃厚なお湯にのんびり浸かれて満足しました。
お風呂上がりは、さっきお土産屋さんで買った地ビールを部屋で飲みつつ、Amazonプライムビデオなど眺めて過ごします。
Wi-Fiがしっかり使えるので、プライムビデオもYoutubeも快適に視聴できて快適でした。
【食事】★★★★★ この値段でこんなにたくさん!しかもおいしい鹿児島郷土料理
夕食は18時以降でお願いできるので、18時30分からにしてもらいました。
時間になったら1階の食事処へ向かいます。朝食も夕食も同じ食事処の同じ席でいただきました。
民宿たかよしの夕食
食事処の中はこんな感じです。
特に目隠しなどはありませんが、隣の席とは十分空間が空いています。
それと、席の側に箱ティッシュとゴミ箱が置いてあったのが、なにげに便利でよかったです。
席について、最初に並んでいた料理はこんな感じ。
2食付き7000円台ということを考えると、とても豪華です!
飲み物のメニューはこちら。
焼酎が飲めれば焼酎をグラスで頼むのが最高でしょうね。5種類あります。
私はあまり焼酎が得意でないので、お銚子を1本、熱燗にしていただきました。
月桂冠でしたね。
いただきます!
お刺身もたっぷり。
朝どれのぶりと鯵だそう。
豆アジの南蛮漬けとイカ焼き。酒のつまみにちょうど良いおかずが並びます。
そして、私の大好物の鹿児島料理「とんこつ煮」です。
豚の軟骨を甘辛く煮たもの。こちらのとんこつ煮は、ごぼうやにんじんも一緒に入っていて、食物繊維も一緒に取れるのがいいですね。
茶碗蒸しは熱々。甘めの味付けですがおいしいです。さつまいもが入っているのが鹿児島らしくて良いですね。
そして、感動したのがこのさつま揚げ!
揚げたてのものが3つ並んでいたのですが、3つともすべて、具が異なるんです。1つめはさつまいも。
あとの2つは玉ねぎとごぼう。どれも食感が違っておいしい……。
鍋は、黒豚のバラ肉を、たっぷりの野菜と一緒に出汁で煮たもの。
野菜もすべて新鮮でしゃきしゃきしており、出汁の味もちょうど良かったです。
鍋を汁物代わりにご飯もしっかりいただいてしまいました。
最後に、デザートとして出てきたのは、屋久島の「たんかん」です。
ちょっと皮がむきにくいけれど、甘くてものすごくジューシィ。
実はみかんなどの柑橘類がそれほど得意ではない私なのですが、ものすごくおいしかったので、お土産に買いたい……などと考えていました。
ボリュームたっぷりで、鹿児島の郷土料理や名産品がしっかり味わえるすばらしい夕食でした。
民宿たかよしの朝食
朝食は、7時30分にお願いしました。昨夜と同じ席でいただきます。ちなみに朝食は、最も早くて7時からお願いできるようなので、早めに出発したいときなども、わりとフレキシブルに対応していただけるようです。*1
ほうれん草のおひたしとブロッコリーなどの野菜のおかずが、ちょうどいい味付けでとてもおいしいです。九州は醤油が甘いので、甘めの味付けが多いと思っていたんですが、たかよしさんのおかずは野菜の味を殺さない、薄めの味付けなんですね。
キビナゴやさつまいもなど、鹿児島らしい食事が朝にも出てくるのもうれしい。
温泉卵もちょうどいいゆるさ。
出来たてのお豆腐まであります!
お味噌汁が具沢山なのもうれしかったですね。
民宿たかよしの「朝食」をWebで検索すると、だいたい、今回私がいただいたのと同じ感じの料理の写真がヒットするので、これが定番のメニューなのかもしれません。
ただ、連泊のお客さんは、おかずの内容がだいぶ違うようだったので(サラダがついているのが見えた)連泊すると朝食の内容も変わるのかもしれないですね。
朝食後は、チェックアウトまで快適なお部屋でまったりしていました。
【再訪したい度】★★★★★ 次回は連泊して開聞岳に登りたい
チェックアウトの際は「またこちらに来られたときはぜひお立ち寄りくださいね」と見送っていただきました。
民宿ですし、ご家族で営まれている家庭的な宿ですが、つかず離れずの接客で居心地が良く、部屋も浴室もとても快適、食事もおいしくてボリュームもあり、本当にいい宿でした。
今回は、宿でのんびりしたかったのであえて登山は予定しなかったのですけど、あまりにもよく晴れていたので「登れば良かったかも」と思ってしまいました。
次回は、民宿たかよしさんに2泊して、のんびり開聞岳を登るのもいいかもしれないなあと考えています。
【1人旅に優しい度】65点:食事処で食事OKな人なら最高の宿
泊まりやすさ 20/20
休前日も1人泊可能、かつ、2人で泊まるときと同額で宿泊できるありがたい宿。
食事場所の配慮 5/20
朝夕共に食事処での提供。隣の席との空間は十分あるが、特に目立ちにくい席というわけではないので、人目が気になる人は気になるかも。
プランの選択肢 10/20
1人泊の場合「黒毛和牛すき焼きプラン」や「黒豚しゃぶしゃぶプラン」「近海地魚の海鮮鍋プラン」などはオーダーできない。
ドリンクオーダー 10/20
ビールは中瓶のみだが、グラスでオーダーできる焼酎が5種類あるので、焼酎が好きなら1人でも楽しめそう。日本酒は1合オーダー可能なのは1種類のみ。
フリーWi-Fi完備 20/20
Wi-Fiはスピードも十分出て、部屋でAmazonプライムビデオを視聴可能。とても快適だった。
*1:九州は夜が明けるのが遅いからか、朝食開始は遅い宿が多い印象があるのですが。