温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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諏訪湖周辺で一人で泊まれるおすすめ温泉宿10軒 登山の前後泊にも便利な上諏訪・下諏訪温泉の宿

駅から徒歩圏内に宿が多数あり、電車で気軽に立ち寄れる貴重な温泉地

特急あずさが運行する中央本線の新宿-松本間には、奥秩父・八ヶ岳を始めとした数多くの山と温泉地があります。

しかし、中央本線の駅から徒歩で行ける温泉地というのは案外少なく、諏訪湖周辺にあって駅から徒歩圏内の「上諏訪温泉」「下諏訪温泉」の存在はかなり貴重です。

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八ヶ岳や霧ヶ峰にも近く、登山の前後に立ち寄りやすいことから、かなりの頻度でおとずれており、お気に入りの温泉宿もいくつもあります。一人で泊まれる温泉宿の中からおすすめを10軒、ご紹介したいと思います。

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一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

八ヶ岳や霧ヶ峰に登った後に上諏訪・下諏訪の温泉宿に泊まる幸せ

八ヶ岳や霧ヶ峰に登った後に、どこで温泉に寄るか、という問題があります。

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↑写真は冬の霧ヶ峰。茅野駅から年間を通してバスが運行しています。

八ヶ岳と霧ヶ峰の登山口に向かうバスの多くは「茅野駅」を起点に運行しています。
茅野駅から登山口の間にも「蓼科温泉郷」など温泉地はあるのですが、バスの本数は限られているので途中下車して温泉に入って帰る、というのはあまり現実的ではありません。

とりあえず、下山してバスに乗ったらそのまま茅野駅まで来てしまいたいのですが、茅野駅で下りると周りに適当な温泉がありません。しかし、茅野駅から中央線で一駅移動すれば上諏訪駅、その次は下諏訪駅なのです。これはもう、諏訪に行ってしまったほうがいいんじゃない……?

というわけで私は、登山口に稲子湯のような温泉宿がある場合を除いて、八ヶ岳に登った後は諏訪(あるいは甲府)で温泉に入っています。

北八ヶ岳ロープウェイを利用して雪の北横岳に登ったときも。

美濃戸から赤岳・橫岳・硫黄岳を縦走したときも。

それから、霧ヶ峰に行くときも。

ちなみに霧ヶ峰行きのバスは、茅野駅からだけでなく、春~秋は上諏訪駅からも運行しています。

八ヶ岳だけでなく、入笠山の最寄りである「富士見駅」も、上諏訪駅から4駅です。

入笠山も日帰りでサクッと登りやすい山なので、諏訪の温泉に泊まった前後に登ることがよくあります。

前泊や、下山後の日帰り温泉も良いですが「下山後に温泉宿にチェックインして心ゆくまで温泉と酒食を楽しむ」のが旅としては満足度が高いので、できる限りそういうプランを立てるようにしています。

ここからは、まずは上諏訪温泉のおすすめ宿をご紹介していきたいと思います。

大型旅館からビジホまで、上諏訪温泉で一人で泊まれるおすすめ温泉宿6軒

上諏訪温泉と言えばシンボル的な存在は「千人風呂」で有名な片倉館ではないでしょうか。

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重要文化財の建物、広々とした浴室は一見の価値がありますし、お湯も熱すぎず気持ちのいいお湯です。脱衣所にはドライヤーやロッカーなどの設備もありますので、登山後に日帰り入浴するならやはり片倉館がおすすめです。

それでは、上諏訪に泊まるなら……?と考えてみると、大型旅館から民宿から温泉付きのビジネスホテルまでさまざまなタイプの宿があり、選択肢が幅広いのが上諏訪温泉の特徴です。

いろいろ泊まってみた中でも「ここはいいな」と思えた宿を6軒、ご紹介したいと思います。

上諏訪温泉 ラルバ諏訪湖:土曜日1人泊OK・2食付き6980円~

ラルバ諏訪湖は、上諏訪駅から徒歩20分とやや駅から距離はあるものの、宿の目の前に諏訪湖があり、部屋の窓から湖を眺められる部屋もある、全8室の小旅館です。

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チェックイン14時、チェックアウト11時で最大21時間のんびりと滞在できるのがありがたい宿ですが、遅着・早出予定の方は16時イン・9時30分アウトのプランを選べば少し安く泊まることができます。

2食付き6980円から泊まることができ、土曜日も1人泊可能。プランの選択肢が多くて使い勝手の良いありがたい宿です。

最大21時間滞在可能で2食付きでも1万円以下の高コスパ宿

宿泊した際は「8畳和室」で予約していたのですが、空いていたからと和洋室のお部屋に通していただきました。

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ベッドが2つあり、いつでもゴロゴロできますし、畳の上でもくつろげるのがうれしいですね。冷蔵庫は家庭用の小型冷蔵庫が設置してあり、なんだか長逗留してだらだらしたくなる部屋でした。

浴室は1階の奥に男女別の内湯があります。時間帯による男女の入れ替えはありませんが、夕食後の時間帯に、予約制で無料で貸切利用も可能です。

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私は貸切でも女湯のほうに入ったのですが、どうも男湯のほうが広いらしいので、次泊まるときは「貸切では男湯に入りたい!」とお願いしてみようかなと思っています。
片倉館と同じ源泉でかけ流されており、浴槽が小さいのでお湯が入れ替わるのが早く、熱いけどとても新鮮ないいお湯です。

諏訪湖は夏の花火大会が有名ですが、週末を中心に、夏でなくても花火があがる日があります。

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宿泊したのは11月でしたが、この日も花火の打ち上げがあり、宿の目の前で楽しむことができました。

食事処でいただく夕食は「しっかり夕食」と「軽めの夕食」があり、登山後の私はもちろん「しっかり夕食」をいただきます。

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お刺身が「大鱒」と「シナノユキマス」の2種類。ざる蕎麦はしっかり1人前、鍋も肉料理もおいしくいただきました。

宿泊時の詳しいレポートはこちらにまとめています。

上諏訪温泉 湖泉荘:平日のみ1人泊OK・2食付き12100円~

上諏訪温泉湖泉荘は、上諏訪駅から徒歩15分ほどの場所にある、全17室の旅館です。

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基本的には1人で泊まれるのは平日のみですが、宿泊料金は2食付き1万円台前半とリーズナブル。しかし、リーズナブルなお値段のわりには部屋もお風呂もきれいだし、お湯も食事の内容も良くてコスパの良い宿だと感じました。

大浴場からは諏訪湖に沈む夕日を眺められる

宿泊したお部屋は、広縁付きの6畳の和室。

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コンパクトなお部屋ですが、トイレ洗面付きで電気ポットや冷蔵庫などの設備も整っています。宿泊した当時はWi-Fiの速度が遅かったことだけがネックでしたが、数年前のことなので、もしかしたら改善されているかもしれません。

湖泉荘の浴室は男女別の内湯と有料の貸切風呂。

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大浴場からは、諏訪湖に沈む夕日を眺めることができます。

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食事処でいただく食事は、一品一品手が込んでいました。

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2食付き1万円台前半で泊まれる宿としては、かなり良いと思います。

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鍋料理はブリしゃぶで、たれはごまだれと自家製かぼすポン酢の2種類。
かぼすの爽やかな香りと共にいただきました。ブリしゃぶの出汁でいただくよもぎ蕎麦も珍しくておいしかったです。

朝食では、鍋にたっぷり入った「信州味噌仕立ての豚汁」が。

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ヨーグルトは「八ヶ岳ヨーグルト」で、甘みは諏訪の名物「かりん」のシロップです。
信州産食材たっぷりの朝食をいただいた後は、サービスでいつでもいただけるコーヒーをいただいて、チェックアウトまでゆったりと過ごしました。

上諏訪温泉 民宿すわ湖:平日のみ1人泊OK・2食付き6400円~

民宿すわ湖は。上諏訪駅から徒歩5分という便の良い場所にある全16室の宿です。1人で泊まれるのは基本的に平日のみですが、2食付き6400円からという破格な値段で宿泊することができます。

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露天風呂がある民宿は少ないと思いますが、民宿すわ湖ではかけ流しの貸切露天風呂を無料で楽しむこともできます。「民宿」とついていますが、部屋数もそこそこありますし「家族経営の小旅館」という雰囲気でした。

すき焼きがメインのボリュームたっぷりの食事&貸切露天風呂も無料

宿泊した部屋は、10畳の和室。予約の際は「4.5畳~6畳」のプランと「8~10畳」のプランから選ぶことができます。この日は狭いほうの部屋は空きがなく広い部屋で予約していました。

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チェックイン時から布団が敷いてありましたがそれでも部屋は広々。
トイレ洗面は付いていませんが、共同のトイレと洗面所は新しくきれいでした。

浴室は男女別の内湯と、空いているときに貸切で利用できる露天風呂が1箇所あります。

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内湯には上諏訪の熱めのお湯がかけ流されており、かなり熱いですが、水を足して好きな加減で入ることができます。

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貸切露天風呂は予約制ではないので、満室のときなどはタイミングが合わないとなかなか入れない……という難点はあるものの、お湯も良く、雰囲気もあるすばらしい浴室です。

食事は食事処でいただきます。

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夕食はこちらの料理にプラスして、揚げたての天ぷらとデザートにみかんをいただきました。

メイン料理はたっぷりのすき焼きです。

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一人泊でも固形燃料ではなく、カセットコンロとすき焼き用の鍋で提供いただけるのがうれしいですね。

また、朝夕共に食事処ではコーヒーを自分で淹れていただくことができます。

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インスタントでもコーヒーメーカーのコーヒーでもなく、ハンドドリップでコーヒーを淹れられる宿はとても珍しいので、ドリップコーヒー好きの私としてはかなり気に入りました。しかも、豆からミルで挽いていただくこともできます。

人気過ぎてなかなか再訪できていませんが、また泊まりたいおすすめの宿です。詳細はこちら↓にレポートを書いています。

上諏訪温泉 ホテル鷺乃湯:土曜日1人泊OK・朝食付き10450円~

上諏訪温泉のホテル鷺乃湯は、上諏訪駅から徒歩10分ほど、諏訪湖畔にある全49室の中規模な温泉ホテルです。

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シングルベッドルームがあるため、食事なし、あるいは朝食付きのプランであれば土曜日でも1人で泊まれます。朝食付き10450円から。

また、空室状況によっては平日を中心に1人泊の2食付きのプランが出ていることもあります。2021年にたまたま2食付きのプランを見つけて宿泊できましたので、ご紹介したいと思います。

琥珀色の自家源泉がすばらしい、諏訪湖畔の温泉ホテル

宿泊したのは広縁付きの8畳和室。トイレ洗面付き。

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内装や水回りもきちんと手を入れられており、電気ポットなどの設備もしっかり揃っていて快適に過ごせました。

中庭も美しく整えられていて、庭を眺めながら足湯が楽しめるようになっていました。

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また、ホテル鷺乃湯は片倉館のお隣にあるので、館内の窓から片倉館の建物が眺められたり。

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諏訪湖も目の前ですので、夕焼けに染まる諏訪湖も眺められます。

浴室は2箇所あり、時間帯で男女交代となります。何度か日帰り入浴に来たことがあり、片方の浴室は入ったことがあったのですが、翌朝に女湯になるほうの浴室は日帰りでは入れないので初めて利用しました。

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広々とした内湯。脱衣所も洗い場もアメニティがしっかり揃っており、清潔で気持ちよく利用できます。

露天風呂には、手前に大きな浴槽と奥に小さな浴槽があります。内湯と大きな浴槽は循環しているのですが……小さな浴槽がすばらしいお湯なんです!

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ほんのりと茶褐色の色がついた「琥珀色」の源泉で、ほのかに硫化水素臭があります。

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ややぬるめの源泉ですが、浴槽が小さいため入れ替わるのが早いのでしょう、加水も加温もせずにかけ流されています。1人か2人しか入れない小さな浴槽なので譲り合って使わなければならないのですが……思わず独り占めしたくなるすばらしいお湯です。

夕食は広間でいただきました。おすすめドリンクメニューがなかなかいいですね。オリジナルレトロカクテルがあったり、オリジナルサワーがあったり。

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もちろん私は、5種類の日本酒の利き酒セットをオーダーしました。

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調理や盛り付けも手がかかっていて、すべておいしくいただきました。

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〆が茸の炊き込みご飯と赤だし、野沢菜漬けというのもいいですね。

翌日の朝食も同じ広間で。

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ジュースやお粥、ご飯のお供の漬けものなどはバイキング形式で好きなだけ取っていただきます。出来たての豆腐もおいしかったです。
宿泊した際のブログは書いていないのですが、日帰り入浴をしたときのことはブログでご紹介しています。

2食付きのプランはいつも出ているわけではないので運次第なところもありますが、朝食もおいしいし温泉も部屋も良いので、朝食付きで泊まって夕食は近所で食べるという利用の仕方もありだなと思っています。

上諏訪温泉 旅荘 二葉:土曜日1人泊OK・素泊まり7400円~

旅荘二葉は、上諏訪駅から徒歩5分の場所にある、素泊まりの宿です。

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以前は2食付きのプランもあったらしいのですが、現在は食事の提供はしていません。1泊7400円から宿泊可能で、土曜日でも1人で泊まれます。

飲泉も可能な自家源泉を加水なしでかけ流している、極上湯の素泊まり宿

旅荘二葉の館内は昔ながらの小旅館という雰囲気で、チェックイン時から布団が敷いてありました。

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部屋で食事をするわけでもないですし、自分で布団を敷くよりは先に敷いてあったほうが楽でいいですね。
また、素泊まりの宿ですがもともと「湯治宿」だったというわけではなく食事付きで泊まれる旅館だったので、自炊設備などは特にありません。上諏訪の駅から近いですし、駅前にはコンビニやスーパー、飲食店もたくさんありますから特に不自由はしないと思います。

旅荘二葉のすばらしいところは、何と言ってもお風呂です。上諏訪では珍しい、飲泉も可能な自家源泉を持つ宿で、上諏訪のお湯は熱いので加水をしている宿が多いのですが、こちらは泉温もちょうど入浴に適した温度のため、源泉をそのままかけ流しています。

内湯にはシャワー付きの洗い場と浴槽が1つ。

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他に誰もいなければ、露天風呂につながるガラス戸を開けて半露天風呂のようにして入ることもできます。

露天風呂はコンパクトで、1人用という感じですが……。
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なんとこちらでは、飲泉用の湯口と紙コップが置いてありました。

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口に含むとほんのり卵臭がある良いお湯です。

極上の湯に浸かりながら、夜は居酒屋に行くか、それとも蕎麦か鰻か……などと考えつつ、ゆっくりと時間が過ぎていきました。

上諏訪ステーションホテル土曜日1人泊OK・素泊まり5150円~

上諏訪ステーションホテルは、上諏訪駅諏訪湖口から徒歩2分という便の良い場所にある温泉付きのビジネスホテルです。

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こちらに泊まるのは、翌日の早朝に茅野駅発の登山口行きのバスに乗りたいとき。金曜日の夜なんかが多いです。
茅野にもビジネスホテルはあるのですが、数が少ないので駅に近いところは直前だと予約できなかったりします。
茅野と上諏訪は各駅停車で一駅ですし、上諏訪ステーションホテルならなんと言っても温泉に入れるし!ということで、こちらで1泊してから登山をすることがあるのです。

駅から徒歩2分、気軽に泊まれる温泉付きビジホ

館内は本当に、一般的なビジネスホテルです。新しくも古くもなく。

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部屋も広くも狭くもないビジホのお部屋。各部屋には浴衣が置いてあり、浴室と部屋の行き来は浴衣とスリッパのままでOKです。

浴室は1階にあります。

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加水・加温・循環・消毒すべてありの源泉ではありますが、それでもほんのりと温泉っぽい香りは残っています。

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登山前夜に広いお風呂に入れるのはやはりありがたいです。

内湯のほかに露天風呂もありますが……女湯の露天風呂は「外気が入ってくるところにある」というだけで、屋根もあるし狭いし何も見えません・笑

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もっと広い露天風呂の写真がホームページなどには掲載されていますが、恐らく男湯なんでしょうね。

金曜夜にチェックインして、土曜の早朝にチェックアウトすることが多いのですが、翌朝カーテンを開けると、部屋の窓からの眺めもなかなか良かったです。

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ここに泊まることを目的として諏訪に来る、ということはないと思いますが、観光や登山の際の宿泊先として、覚えておくと便利なホテルです。早朝に出発するので素泊まりでしたが、朝食の提供も行っています。

雰囲気ある小旅館が並ぶ、下諏訪温泉で一人で泊まれるおすすめ温泉宿4軒

下諏訪温泉は、上諏訪駅から一駅先の下諏訪駅の周辺にあり、上諏訪に比べると諏訪湖からはやや離れるものの、諏訪大社下社秋宮もすぐ側にあり、観光の際に宿泊するにも便利な温泉地です。

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上諏訪温泉と比べると、下諏訪温泉は部屋数10軒前後の小旅館が多い印象があり、客層も落ち着いていて一人旅や少人数の旅行客が多く、一人でも泊まりやすいと思います。また、手の込んだおいしい食事を提供してくださる宿が多いです。

下諏訪温泉にも日帰り入浴が楽しめる共同浴場が複数ありますが、私が圧倒的に気に入っているのは菅野温泉(すげのおんせん)です。

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外観も中もレトロな共同浴場ですが、浴室は芸術的と感じるほど美しいタイル張り。

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泉質もすばらしく、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉の無色透明なお湯を楽しめます。

では、ここからは下諏訪温泉で宿泊する際におすすめの宿を4軒、ご紹介したいと思います。

信州しもすわ温泉 ぎん月:土曜日1人泊OK・2食付き17050円~

下諏訪温泉の「ぎん月」は、駅から徒歩10分ほど、諏訪大社下社秋宮に近い住宅街の中にある全15室の宿です。

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食事が本当においしい宿で、初めて宿泊した2018年には「2018年に泊まった料理がおいしかった宿第3位」にも選んでいます。

土曜日も2食付きでの1人泊が可能な宿で、これまでに3度宿泊して、おいしい料理を楽しんでいます。

諏訪大社下社秋宮に近く、食事がおいしい小旅館

お部屋の造りは部屋によって少し異なるようですが、これまで宿泊した際は、最上階の広縁が広めなお部屋に2度案内していただきました。

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Wi-Fiを始め、設備もしっかり整っていて居心地の良い部屋です。

部屋の窓からは諏訪湖も見え、また下社秋宮にかなり近いため、太鼓の音が聞こえてくることもありました。

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浴室は男女別の内湯と、露天風呂。
内湯は石造りで清潔。浴槽内は循環しているようですが、塩素の香りなどは特に気にならず、悪くないお湯です。

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露天風呂は内湯とはつながっておらず、一度服を着て外にある湯小屋に向かいます。

女湯の露天風呂は簾がかかっていて眺望はないものの、簾越しに庭の木々の緑が見えました。

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内湯は浴槽内循環していましたが露天風呂はかけ流しとのこと。熱め適温の下諏訪の無色透明なお湯を楽しみました。

お楽しみの夕食は、季節の食材、信州の食材が使われており、目にも鮮やかで味も良いです。

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このときは夏でしたので、トマトを器に使ったカクテルサラダ、ジュンサイのお吸い物。

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鮎の塩焼きは蓼酢で。煮物は沖縄料理のラフテーのような味付けで、調理方法もバラエティに富んでいます。

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デザートは湧き水を水饅頭にしたもの。金箔がのっていて見た目にも楽しませてくれます。黒蜜をかけて、プルプルの食感を楽しみつついただきました。

翌日の朝食も、野菜がたっぷり使われていて健康的、かつ大変おいしかったです。

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サラダの野菜がとても新鮮で、自家製のドレッシングもおいしいんですよね。漬けものも良いお味で、思わずご飯が進んでしまいました。

また季節を変えて泊まりたい宿です。

下諏訪温泉 梅月:土曜日1人泊OK・2食付き22000円から

下諏訪温泉の「梅月」は、下諏訪駅から徒歩8分ほどの場所にある、全5室の小規模な旅館です。

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先に紹介したぎん月さんと名前も似ている上に場所もかなりご近所。料理がおいしい宿という特徴まで似ています。ぎん月さんのほうがいわゆる「旅館」らしさが強くて、梅月さんのほうが少し家庭的な雰囲気の宿ですね。

馬刺をはじめとした食事が大変おいしく、かけ流しのお湯を楽しめる

チェックイン時にはお茶菓子と一緒に抹茶を入れてもてなしていただきました。

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お部屋は広く、座卓の奥にはこたつがあったのがうれしい!

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トイレ洗面付きの快適なお部屋です。

浴室は内湯が2箇所で男女交代制、露天風呂は1箇所で1人1100円と有料で貸切利用となり、チェックイン時に時間帯を予約します。

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お湯は源泉かけ流しにこだわっており、新鮮さが感じられるとても良いお湯です。

食事はお部屋に運んでいただきます。

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地ビールの「諏訪浪漫」があったのでまずは1杯目にいただきました。

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厚切りの馬刺しも食べごたえがあり、メイン料理の信州牛のステーキも絶妙な焼き加減で大変おいしかったです。

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ビールの後は「利き酒セット」をお願いしました。どぶろくまであって、にごり酒好きにはたまりません。

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朝食は、味噌汁がわりに温かいお蕎麦が提供されたりと、ありきたりでなくて良かったです。

しもすわ温泉 三代目おくむら旅館:土曜日1人泊OK・2食付き14300円~

「三代目おくむら旅館」さんは「旅館おくむら」として営業されていた宿を、オーナーチェンジして2020年12月に営業開始した全7室の宿です。

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下諏訪駅からも徒歩7分と便のいい場所にあります。
先代のオーナーの時代に好きで何度も泊まっていた宿だったのですが、2021年にオーナーチェンジ後初めて伺いました。

変わった部分もありますが、良いところを残しながら進化を遂げようとしている宿で、これからも楽しみだなと感じました。

ブログには、先代のオーナー時代の宿泊レポートを掲載しています。

冬はこたつがうれしい!代替わりしてもやっぱり、実家のようにくつろげる宿

さて、ここからはオーナーチェンジ後にお邪魔したときのことをご紹介したいと思います。

ちょっと遊郭っぽい雰囲気のある(と私は感じる)赤い手すりの階段や廊下。

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お部屋は以前も泊まったことのある、奥にベッドが置いてある和室でした。以前と変わらず冬はこたつがあるのもうれしい。実家のようにくつろげるお部屋の雰囲気は以前と変わらずでした。

先代オーナーの時代は、浴室に向かう途中に漫画がたくさん並んでいる本棚があって(のだめカンタービレとか置いてあった)何泊でも漫画を読んで過ごせそうだな……と思ったんですが。

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現在は、廊下の本棚は片付けられていますが「図書室」と書かれた扉が1階にあり、開けると椅子と漫画がありました。以前とはラインナップは変わりましたが、漫画があるとなんだかうれしくなります。

浴室は以前と変わらず、レトロなタイル張りの美しい浴室です。

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心地良い熱さの下諏訪温泉の源泉が静かにかけ流されています。

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また、浴室は以前のままですが、脱衣所は改装されて広く明るくなっていたのがうれしかったですね。

食事は、以前は部屋食でしたが、代替わり後の宿泊では別室に用意していただきました。こたつでいただく夕食も捨てがたいけど、鍋のにおいが部屋につかないのでこれはこれでいいかなと。

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先代時代は「馬肉のすき焼き」が夕食のメインでしたが、現在も夕食のメインは鍋です。
このときは「八ヶ岳レタス」がたっぷりと添えられた味噌仕立ての鍋でした。
季節によって具材や味付けは変わるようで、また別の季節に訪れたくなりますね。

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このほかの料理では、馬刺しも脂がのっていておいしかったし、〆は炊き込みご飯だったのも気に入りました。

朝食は、大ぶりな鮭と箱に入ったおかずの数々。

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大きな卵焼きは、以前とは味は変わったけれど、今の卵焼きも大変おいしかったです!

毒沢鉱泉 神の湯(かみのゆ):土曜日1人泊OK・2食付き11880円~

最後にご紹介するのは、下諏訪駅が最寄りだけれど下諏訪温泉ではない、毒沢鉱泉の「神の湯」という宿です。

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今回ご紹介した宿の中で、こちらの一軒だけが駅から徒歩圏内ではありません。
徒歩だと50分ぐらいで途中急な山道もあるので、タクシーを利用したほうが無難だと思います。送迎も特にありません。アクセスは良くないですが、下諏訪のお湯とはぜんぜん性質の異なる、ちょっとおもしろい源泉なので何度も泊まっているお気に入りの宿です。

ブログに記事を公開したのはかなり前ですが、この後も3度ぐらい泊まっています。土曜日でも1人泊可能な宿です。

強酸性の冷鉱泉と湧かし湯の交互浴が癖になる気持ちよさ

神の湯には「新館」「本館」「旧館」の3つの棟があり、それぞれ料金はことなりますがどの棟にでも1人で泊まれます。
「本館」と「旧館」はトイレ・洗面共同ですが、新館はトイレ洗面付きの部屋。

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私が泊まるのはだいたい、真ん中の値段の「本館」です。
旧館にも1度泊まったことがあるんですが、かなり本気で古い建物で、虫もけっこう出るので、そのあたり苦手な方は本館か新館にしたほうが良いと思います。本館は共同のトイレや洗面も比較的新しいので、私は本館で十分快適です。

神の湯の特筆すべきポイントは、なんと言っても個性的なお湯です。

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浴室は内湯が1箇所のみですが、浴槽が2つあり、大きい浴槽には40度程度に加温されたお湯が、小さな浴槽には非加熱の冷鉱泉が満たされています。

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茶色っぽく濁っていて、鉄分の香りのする源泉です。窓の外の新緑を眺めながらまずは加温浴槽で体を温めて……。

その後、隣の小さな源泉浴槽に静かに身を浸します。

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かなり冷たいので入るときはドキドキしますが、浸かってしまうと案外気持ちよく、何度も行き来を繰り返して交互浴を楽しんでしまいます。
冷鉱泉の源泉は飲用もできますが、口に含むと「歯がとけるんじゃないか?」と思うぐらい酸っぱい源泉です。

食事は食事処でいただきます。派手な一皿はないですが、山のごちそうという感じで私は神の湯さんの料理、とても好きです。

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野菜たっぷりの鍋と、ご飯と、蕎麦と、漬けものをいただいて、日本酒も毎回いただきます。

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朝食も同じ食事処で。

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シンプルではありますが、ご飯がすすむ、かつ体に良さそうな朝食です。

毒沢鉱泉は武田信玄の隠し湯で、あまりにもいいお湯だったためにそれを隠す意味で「毒沢」と付けられたのだと先日テレビで放送していました。たしかに、他ではなかなか入ることのできない珍しいタイプのお湯で、定期的に入りたくなって再訪しています。

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