かけ流しの温泉とおいしい食事をリーズナブルに楽しめる諏訪湖畔の宿
ラルバ諏訪湖は、目の前に諏訪湖を望む絶好のロケーションにある、全8室の小規模な温泉旅館です。
夏に行われる花火大会で有名な諏訪湖ですが、実は夏以外の季節も、週末を中心に花火の打ち上げが行われることがあります。
宿泊したのは11月下旬でしたが、宿の目の前から花火を眺めることができました。
ラルバ諏訪湖は、プランにもよりますが14時からチェックインでき、翌日11時までゆったりと過ごすことが可能です。土曜日でも1人で泊まれて、2食付きでも1万円を超えることはなく、リーズナブルに楽しめる宿でもあります。
以前から評判は聞いていましたが、先日初めて宿泊し、お値段以上の満足度の宿だと思いましたので、レポートしたいと思います。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。
上諏訪駅から徒歩20分、諏訪湖が目の前に見える温泉宿
ラルバ諏訪湖は、中央本線上諏訪駅から徒歩20分と、駅からはやや距離がある場所にあります。
この日は午前中に日帰り登山をした後、14時ちょうどぐらいに上諏訪駅に到着。
20分ぐらいなら歩くところなんですが……この日は「14時チェックイン可能」なプランで予約をしていました。
山を歩いて疲れていたし、もうチェックインできる時間なのだから早く宿に着きたい……と思い、駅からタクシーを利用することに。
駅からは徒歩20分ですが、車なら5~6分で着く距離です。
駅のタクシー乗り場から乗車して「ラルバ諏訪湖までお願いします」と言うと
「え?どこ?」
というような反応で……宿の名前で大抵は行ってくれるものだけれど……と思いつつ
「諏訪湖のすぐ近くで『華乃井ホテル』の隣です」
と言ったら「ああ!わかりました!何度も行っている場所だ」と言って、今度は迷わず連れていってくれました。
ラルバ諏訪湖の隣にある「RAKO華乃井ホテル」は、結婚式場なども併設した100室以上ある大きなホテルなので、タクシーを利用する人も多いんでしょうね……。
ラルバ諏訪湖は全8室の小さな旅館ですが、1人で泊まるなら小さな宿が落ち着きます。
着きました。大きな看板が立っているので、↑こちらが入口かな?と思いましたが……実は、看板の立っている角を曲がったほうに、宿の玄関があります。
こちらですね。
さっそく中に入り、チェックイン手続きを行います。
フロントで宿帳を書いて、夕食と朝食の時間と、それから夜の19時から23時までの間に浴室を無料で貸切利用できるとのことで、その時間について相談して決めました。
対応してくれたのは女将さんと思われる女性だったのですが、夕食の時間を決める際に
「実は今日は、月山さまのために17時30分から諏訪湖で花火があがるのです」
などと言っていて(うれしいけど私のためってことはなかろうよ)なんだか愉快な女将でした。
花火は10分もかからずに終わるんですが、花火を見た後にもう一風呂浴びて冷えた体を温めてから夕食をいただけるように、夕食の開始時刻は18時30分からにしていただきました。
それから、本日のお部屋に案内していただきます。
【部屋】★★★★ 窓から諏訪湖が見える快適な和洋室
ラルバ諏訪湖は、1階に浴室と食堂があり、客室は2階にあります。エレベーターはなく、階段利用となります。
廊下は明るく、清潔。
予約したのは和室のお部屋だったのですが、案内いただいたのは琉球畳の和室にベッドルームがついた和洋室でした。
ベッドは2つあり、一人では十分すぎるほどの広さです。
和室だと、寝る前に布団を敷かなければならないですが、和洋室だといつでも昼寝できるからいいですね。
ベッドサイドテーブルの橫にコンセントがあるのもうれしい。
テレビ、湯沸かし機能付き保温ポット、内線電話、空気清浄機。
お茶セットと、冷蔵庫の上にはグラスが置いてありました。
冷蔵庫は冷凍庫付きの2ドアのもの。
一人暮らしの家にあるようなしっかりした冷蔵庫です。アイスクリームや氷も冷やせますね。
座卓の上には消毒液とハンドジェル、灰皿が置いてありました。
禁煙ルームというわけではないので、喫煙も可能な部屋ですが、特に煙草の香りが気になるようなことはありませんでした。
ユニットバスが付いており、トイレはウォッシュレット付き。
ただ、こちらには温泉が配湯されているわけではないので、温泉浴室にも夜通し入れますし、浴室で入ったほうが良いかなとは思います。
バスタオルとフェイスタオル、浴衣に帯。浴衣の柄はとてもシンプルなやつです。
窓を開けると、手前にお隣の華乃井ホテルの協会と思われる建物が。そしてその奥には諏訪湖が見えました。
日当たりも良く部屋も暖かいです。部屋で少し休んだらお風呂に行こうと思います。
門限は21時だがそれ以降の外出も自由、飲料の自販機の値段が安い
部屋に置いてあった冊子に、チェックインやチェックアウト、浴室などの利用時間が書かれていました。
ラルバ諏訪湖は「14時チェックイン・11時チェックアウト」で、21時間ゆったりと滞在できる宿です。ただし「16時チェックイン・9時30分チェックアウト」という「レイト&アーリープラン」もあり、少しお安く泊まれるようになっています。
冊子には「21時門限」と書いてあり、外に飲みに行ったりするにはちょっと早いのでは……?と思いましたが、よく見ると21時門限と言っても玄関を施錠するわけではなく、フロントで有人対応を行っているのが21時まで、ということのようです。
コンビニもそう遠くはないので飲み物を買いに行くのも不便ではありませんが、1階フロントの橫にある飲料の自動販売機が、なんだか安いんですよね。
ソフトドリンクに関してはコンビニより安いぐらいだし、お酒も、コンビニで買うのより数円高いかな、というぐらいです。このぐらい良心的な値段なら「どうしてもプレミアムモルツが飲みたい!」というようなこだわりがなければ、館内で買ったほうがいいような気がしますね。
【風呂】★★★★ 無料で貸切も可能!片倉館と同じ源泉をかけ流しで提供
浴室は、1階フロントの奥にあります。
突き当たりが女湯、手前左側が男湯です。19時から23時までは、1回45分で無料で貸切利用も可能です。
脱衣所は、あまり他の人と居合わせたくない感じのコンパクトな作り。
譲り合って使わないとね……と思っていましたが、滞在中3度浴室を利用したものの、常に独占状態で誰とも出会いませんでした。
コンパクトながら必要な設備やアメニティは揃っています。
カミソリやヘアゴム、ヘアーキャップなどは洗面台に置いてあり、ドライヤーもあります。
脱衣カゴの橫には綿棒とティッシュ。
飲まなかったので中身は水かお茶かわからないですが、水分補給用のポットとコップの準備もありました。
温泉分析書も掲示してありました。
泉温60度ほど、ph8.3の単純硫黄温泉です。「七ツ釜配湯センター」から配湯されているそうで、宿の方のお話では、片倉館と同じお湯だそうです。
では、浴室内へ。
手前にシャワー付きの洗い場が3箇所あり、その奥に浴槽があります。
洗い場にはシャンプー&コンディショナー、ボディシャンプー、クレンジング、フェイシャルソープと一通り揃っていました。
体を洗って浴槽へ。
熱めお湯に身を浸します。
そのままだとかなり熱い!ので少しだけ水を足して入りました。ほんのりと卵臭があるとても良いお湯です。熱すぎて入れないのも困るので、好きに水を足せるのもうれしいですね。
浴槽内に段差もあるので、半身浴も楽しめます。
浴槽は小さいながらもすばらしいお湯にゆっくりと浸かれて、大満足の湯浴みでした。
夕食前に宿の目の前で諏訪湖の花火を楽しめた
夕食は18時30分からでお願いし、17時30分から始まる花火を見に、外に出ました。
部屋から見えればベストですが、私の泊まった部屋からだと「見えることは見えるけど、一部隠れてしまう」という見え方のようだったので、外に出て見えやすい場所へ。
10分ほどでしたが、寒いのでそれぐらいで十分です。
ここ数年は花火大会などに行くこともなかなか難しかったので、花火が見れたのはうれしかったですね。
花火を見終わって宿に戻る途中、ラルバ諏訪湖のすぐお隣に、飲食店が複数入店している建物があることに気がつきました。
「モスバーガー」や焼肉屋さん、多国籍バルなどが入っているようです。
私は温泉宿の夕食が大好きなので、食事付きのプランで予約できる場合は基本的に2食付けるのですが、宿の食事にこだわりがなければ、素泊まりにしてこちらで食べるというのもありなんでしょうね。
【食事】★★★★☆ この値段でこんなに?と驚くほど、コスパも味も良し
花火を見てからもう一風呂浴びて冷えた体を温めた後、1階にある食事処で夕食をいただきます。
食事処には特に衝立などはありませんでしたが、席と席の間は十分に空いていました。
また、この日は外で夕食をとるお客さんが多かったようで、宿で夕食をいただいたのは私ともう1組だけでした。
ラルバ諏訪湖のドリンクメニュー
ラルバ諏訪湖のドリンクメニューは、品数豊富とまではいきませんが、日本酒、ビール、焼酎、ソフトドリンクと基本的なものは揃っています。
日本酒は「真澄」と「舞姫」の2種類については1合300円と格安でいただけました。
ビールはすべてサッポロです。旅館ではちょっと珍しいので、飲んでみれば良かったですね。
ラルバ諏訪湖の夕食
ラルバ諏訪湖の夕食は、お刺身などの冷たい料理はテーブルに置かれており、席に着いた後に蕎麦や肉料理などが一気に並ぶ方式でした。
夕食は「軽めの夕食」と「しっかり夕食」のプランがあり、価格差は1000円です。私は「しっかり夕食」のプランで申し込んでいました。
お酒は、諏訪と言えばの「真澄」を1合、ぬる燗でお願いしました。
いただきます!
鮮やかなオレンジ色のお刺身は「大鱒」だそう。脂がのっています。
もう一種類、白っぽいお刺身は「シナノユキマス」です。
川魚ですが、適度に脂がのっていて癖がなくおいしくいただけました。
肉料理はローストポーク。
トマトソースで洋風に調理されています。量もたっぷりでおいしい。
鍋料理は「豚しゃぶ」です。
鍋の中には味のついた出汁と、たっぷりの野菜があらかじめ入っていました。
豚肉は5枚あり、量もしっかり。
カセットコンロで鍋を熱し、沸騰して野菜が煮えてきたところで豚肉を投入。
タレやポン酢などにつけなくてもちょうど良く味がついており、おいしくいただけました。
焼き魚は「鱒の塩焼き」です。
こんがり焼けていて日本酒にも合います。
ざる蕎麦はしっかりと一人前ありました。
やはり信州と言えば蕎麦ですし、うれしいですね。しゃっきりとおいしい蕎麦でした。
蕎麦で終わりかな……?と思いきや、ご飯とお吸い物、野沢菜漬けが運ばれてきました。
野沢菜漬けとご飯と日本酒がよく合い、お酒もちょうどなくなりました。
食後はデザートに杏仁豆腐と緑茶をいただいて、ごちそうさまでした!
ラルバ諏訪湖の朝食
朝食も、前日と同じ食事処でいただきます。「朝食付き」プランで予約していた方もいたようで、前日の夕食どきよりは食事処もにぎやかでした。
中央におかずを盛り合わせたお皿があり、そのほかにポテトサラダ、なめ茸、じゃかいもの煮物が。
卵焼きや漬けもの、焼き魚など、さまざまなおかずが一皿に盛り付けられています。
じゃがいもの煮物は優しい味付けでおいしいです。
ポテトサラダはじゃがいものみのシンプルなもの。なめ茸もご飯に合いますね。
最後にコーヒーをいただいて、ごちそうさまでした!
朝食時は「水」「ウーロン茶」「ミニッツメイドオレンジ」「ミニッツメイドグレープフルーツ」「コーヒー」が、セルフで好きなだけいただけます。
多すぎず少なすぎず、ちょうどよくおいしい朝食でした。
【再訪したい度】★★★★☆ 土曜日に2食付きで1人泊OKで、かなりリーズナブルに泊まれる良宿
土曜日も2食付きOKで、14時チェックイン、11時チェックアウトと長時間滞在でき、それでいて宿泊費は最も高いプランでも1万円を超えることがない、かなり良心的な宿だと思います。
ゲストハウスや、アメニティがつかない湯治宿ぐらいの宿泊料金ですが、部屋は広々としていて清潔、浴衣や歯ブラシなどの基本的なアメニティもしっかり揃っています。食事も、長野県産の食材がたくさん使われていて量もしっかりあり、おいしかったです。
私は「21時間ステイ&しっかり夕食」というプランで宿泊しましたが、小食な方なら1000円安い「少なめ夕食」も選べますし、16時チェックイン・9時30分チェックアウトのプランでも少しお安くなります。さらに、早割もありますので「1人泊で2食付き」の最低料金は6480円と格安です。さまざまな使い方ができる良い宿だと思うので、ぜひ再訪したいです。
1点だけ残念だったのは、夜間、浴室を無料で貸切利用可能とのことで予約させてもらったのですが、貸切利用させてもらったのも通常「女湯」になっているほうの浴室だったことです。
他の方の宿泊レポートなどを読むと男湯のほうが広いらしいので……男女入れ替えがないので貸切のタイミングでなければ私は男湯が利用できないので、できれば男湯に入ってみたかったなあ、と帰宅してから思いました。
次回、再訪することがあれば「貸切は男湯のほうでお願いした」旨を伝えたいなと思っています。
【1人旅に優しい度】70点:土曜日も1人泊可能で、料金設定もかなり良心的
泊まりやすさ 20/20
土曜日も1人で、2食付きのプランで泊まれる。
価格差は、2人で泊まったときのプラス500円という感じで、良心的だと思う。
食事場所の配慮 5/20
食事処での食事となり、テーブルの間の距離は十分に取られているが、衝立などは特にない。
宿泊した際は、宿で食事をとる人が少なかったので特に気になることはなかった。
プランの選択肢 20/20
1人で泊まっても2人以上で泊まっても、選べるプランの数はまったく同じ。
ドリンクオーダー 10/20
日本酒は2種類が1合からオーダー可能。それ以外で1人でオーダーしやすそうなのは生ビールのジョッキとグラス、ソフトドリンク。
多くはないが、飲み物の種類自体そんなに多くはない。
フリーWi-Fi完備 15/20
全館でWi-Fi利用可能。速度も特に問題なかった。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。