温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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長野県 八ヶ岳山麓の温泉宿 稲子湯旅館で日帰り入浴し、極上の炭酸硫黄泉を堪能

映画「岳」のロケにも使われた稲子湯旅館

長野県南佐久郡小海町にある稲子湯旅館は、八ヶ岳の登山口にある温泉宿です。
映画の「岳」のロケに使われたりと、山小屋のような雰囲気ではありますが、れっきとした温泉宿であり、しかも「二酸化炭素硫黄冷鉱泉」という、なかなか巡り会えない泉質の名湯を持つ宿でもあります。

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4月中旬から11月中旬ごろまで、最寄りの小海線松原湖駅or小海駅からバスが出ているため、八ヶ岳登山後の下山時に、これまで何度も日帰りで利用しています。料金は650円です。以前は600円でしたが、50円値上がりしたもよう。

2018年の5月にも、八ヶ岳登山後に立ち寄って入浴してきましたので、レポートしたいと思います。

稲子湯までのバスは季節運行だが、路線バスのない冬期間は宿泊すれば送迎あり

北八ヶ岳を登山する際、より交通の便が良い登山口は、中央線の茅野駅に路線バスが通じている渋の湯登山口のほうです。
渋の湯登山口にも、その名も「渋御殿湯」という温泉宿があり、登山者の前後泊や日帰り入浴に利用されています。

渋御殿湯もとても良い温泉ではありますが、私は稲子湯のお湯が好きで、稲子湯までの路線バスが走っている間は極力、稲子湯に下山するようにしています。登山道の雰囲気も好きですしね。

いまだ、宿泊したことはないのですが、食事もおいしいらしいのでいつか宿泊してみたいなと思っています。

稲子湯旅館の夕食については、こちらのブログが詳しいです。写真もおいしそうで、ああ、泊まりたい。。。

稲子湯旅館への公共交通機関でのアクセス

稲子湯旅館には、JR小海線の「小海駅」から「小海町営バス」の「松原湖線」に乗っていくことができます。

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午前中の稲子湯行きのバスは、夏山シーズン中は登山者で混雑しますが、稲子湯に下山する人はなぜか少ないようで、稲子湯発の小海駅行きのバスは大抵ガラガラです。

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時刻表・運賃表はこちらから。

松原湖線は通年運行しているのですが、稲子湯までの運行は4月中旬から11月中旬ごろまでの季節運行となります。

東京方面から小海駅に電車で来るには

「中央線で小淵沢駅まで来て小海線に乗り換える」

「長野新幹線で佐久平まで来て小海線に乗り換える」かのどちらかになります。

料金としてはもちろん、中央線で来たほうが安いのですが、新幹線で来たほうが所要時間は短く、始発電車も早いですね。

以前、秋にしらびそ小屋をはじめとした北八ヶ岳周辺を歩いた際は、1本早いバスに乗りたくて、新幹線に乗って佐久平駅経由で来ました。

稲子湯は、しらびそ小屋からもっとも近い登山口なのです。

それと実は以前に一度、バスが運行していない真冬の2月に、知人の運転する車で稲子湯旅館に向かったことがあります。

ですが、稲子湯の手前の道は市街地のように頻繁に除雪はされていないので、路上に積もった雪が多く、危うく身動きが取れなくなるところでした……。

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普通乗用車にスタッドレスタイヤというような装備では歯が立ちませんので、冬に行かれる方はお気を付けて。*1
このときは結局「やばい!これ以上進めないかも!」というところでUターンして、松原湖周辺の駐車場まで戻り、そこでタクシーを呼んで稲子湯まで行きたい旨を告げて、ちゃんとチェーンのついたタクシーで送っていただきました。余裕のある山行計画を組んでいたのでなんとか計画続行となりましたけど、けっこう焦りました。。。

冬の間、路線バスが運休している時期は、宿泊する場合は最寄りの駅まで送迎があるとのことだったので、そのうち冬に泊まりに来ようかなーと考えています。

実はもう何年も「いつか冬に泊まろう」と思っているのですが、ネットで予約ができず、電話予約となってしまうこともあり、いまだ宿泊はできていないのでした。

15時過ぎに受け付け、入浴料金は650円

2018年の5月下旬、美濃戸口から入山して赤岳天望荘に1泊し、赤岳・橫岳・硫黄岳を縦走した私。天気もよく、ツクモグサも見れて大満足の山行でした。

おそらく、このルートを歩くのであればマイカーの方はもちろん、バス利用の方も多くは下山も美濃戸口になるのだと思います。
しかし私は、あえて硫黄岳から夏沢峠に下り、本沢温泉・みどり池を経由して稲子湯に下山しました。ひとえに、稲子湯のお湯につかりたいがために、です。

比較的長めのルートを歩いたということもあり、稲子湯に着いたのは15時過ぎ。

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外にある自販機で冷たいコーラを買って喉を潤しました。ちなみに、稲子湯から登り始める際は水場もトイレもありますし、登山計画書も提出できます。

稲子湯旅館のホームページには、特に日帰り入浴の受付時間についての公式な記述はありません。

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ですが、稲子湯について紹介しているサイトには9時から16時(受付は15時まで)と書いてあることが多いのです。15時過ぎても受け付けてくれるのだろうか……と少々不安に思いながら帳場へ向かいます。

「日帰り入浴はまだできますか?」とおそるおそる声をかけると「大丈夫ですよ!650円です」とのこと。よかった!

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「浴室に貴重品ロッカーなどはないので、よければこちらでお預かりしますよ」と声をかけていただきました。ありがたく、預かってもらいます。

それと、私が登山用リュックを担いでいるのを見て

「リュックはあちらの休憩室に置いていっていいですからね」

とお声がけいただきました。

こちらが休憩室です。お風呂あがりの待ち合わせにも便利ですね。

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というわけで、玄関脇の休憩室にザックを置かせてもらい、お風呂グッズだけ持って浴室へ向かいます!

【風呂】★★★★★ 天然のサイダー。ものすごい泡付きの二酸化炭素硫黄冷鉱泉

浴室・トイレ・洗面所はすべて、建物の奥、帳場の前の廊下を歩いていった突き当たりにあります。

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宿泊した場合の入浴可能時間は、午前5時から午後11時まで。
稲子湯の源泉は冷鉱泉で、入浴に適した温度まで加温しているため、深夜は入れません。

でも、朝5時から入浴できるのであれば、登山の前泊で利用しても朝風呂に入ってから出発することもできそうですね。泊まるならできれば下山後にしたい気はするけれど。

浴室の扉の向かいに洗面所があり、洗面器・コップ・石けんが置いてあります。 

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マッサージチェアもあり。

では、脱衣所の中に入ってみたいと思います!

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脱衣所は、衣類や荷物を置く用の棚が片面に並んでいます。

窓側には椅子と鏡とドライヤーが1つ。 

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普通に使えるドライヤーでした。

温泉分析書も貼ってありました。
ph5.0の弱酸性、泉温8.3度の冷鉱泉。
「ほとんど無色透明・強炭酸味・硫黄味・微鉄味・硫化水素臭を有す」とあります。 

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泉質は「単純二酸化炭素・硫黄冷鉱泉」です。けっこう珍しい泉質ではないでしょうか。

では、いざ、浴室へ! 

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男女別の内湯のみで、カランのみでシャワーはなし、石けんやシャンプーは使えます。ボディシャンプーとリンスインシャンプーあり。

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壁面はおそらく天然の岩で組まれており、少し苔むしています。

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北八ヶ岳!という雰囲気ですねー。

カランのお湯で体と頭を洗い(シャワーがないのでけっこう時間がかかる)浴槽へ。

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透明なお湯ですが、ほんのり濁っているような感じもします。

冷鉱泉の湧かし湯で、湧かしたお湯の温度はけっこう熱め。42度ぐらいでしょうか。
このままだとあまり長く浸かっていられないのですが、バルブを開くと冷たい源泉がどんどん浴槽に流れ込んでくる仕組み。

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この冷鉱泉が、ほとんどサイダーと言っていいくらいのものすごい炭酸泉なのです。
私は、ほかにお客さんがいなければどんどん源泉を足して、ぬるめで入るのが好きです。冷たい源泉で浴槽のお湯が温くなってくると、泡つきも感じられるようになります。

他ではなかなか味わえない、本当にいいお湯です。

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あまりぬるくしてしまうと次に入る人が驚くかもしれないと思い、なるべく湯口に近いところに陣取って、極上のぬる湯を堪能します。

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冷たい源泉はこの、岩の中に常にたっぷりとあります。

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コップも置いてあり、飲泉も可能です。
口に含むとまさに炭酸水。甘みのないサイダーのようです。
硫黄や鉄っぽい味もして、まさに温泉分析書の「強炭酸味・硫黄味・微鉄味・硫化水素臭を有す」の通りの味がします・笑

ものすごく成分の濃い炭酸水、という感じ。

浴槽の左側から源泉が流れ出ているのですが、温泉成分で真っ白になっています。

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バスの時間ぎりぎりまで独り占めして、大満足の湯浴みを終えました。

それほど混み合うことはないのですが、浴槽は4人も入ればいっぱいになってしまう広さですし、脱衣所も広くはないので、登山者で混雑する 夏の土日の午後なんかはなるべく避けたいところですね。。。

身支度を整えて玄関に向かう際に食堂の前を通ります。 

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「湯上がり後の食事の前に佐久銘柄の生酒」
……飲みたいですねえ。

宿泊すると、朝食は7時30分から8時30分、夕食は6時から8時までにいただくのですね。本当にいつか、泊まりたいです。

【再訪したい度】★★★★★ シャワーがないので登山後の入浴としては不便だが、お湯がすばらしすぎる

とにかくいいお湯なので、もうちょっと行きやすいところにあれば毎週行きたいぐらいです。

設備的にはシャワーがなかったりと、整っているとは言いがたいので、路線バスが運休している冬に 、稲子湯までタクシーに乗ったときなど
「登山帰りに風呂に入るなら、稲子湯よりも八峰の湯のほうがぜんぜんいいよ!」
と運転手さんにアドバイスされたりしましたが。。。
でも、その後八峰の湯にも行きましたが、お湯は稲子湯のほうがぜんぜんいいです!(施設としては、八峰の湯はかなりよいのですが)

混んでいるとなかなか、自分の好きな温度にして長風呂するのが難しいので、一度宿泊して、このお風呂を占領してみたいところです。

日帰り入浴可能な時間帯は結局いつなのか

ヤマケイオンラインの稲子湯の紹介ページを見ると「入浴料600円、営業時間9時~16時30分ころ」とありました。

「16時30分ころ」とは……。宿泊客の少ない、空いている日は長めに営業するとか、わりと臨機応変なんでしょうかね。

また、入浴料金は600円と書いてあるサイトも多く、私も以前は600円だったと記憶していたのですが、どうやら50円値上がりしたようです。

でも、個人的には稲子湯旅館のすばらしいお湯に入れるなら、650円は高くないと思っています。

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秋の稲子湯は、周辺の木々が美しく紅葉していました。
この季節は混雑しそうな気もしますが……。 

稲子湯の前からバスに乗り、小海駅で下車。

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小海線に乗り換え、中央線の小淵沢駅に向かいます!

*1:というか自分の車でもないから何も言えなかったけど、冬山に車で行くなら常識のような気もするw