正式名称は「米沢市森林体験交流センター白布森の館」という、日帰り温泉施設
白布温泉(しらぶおんせん)は、山形県米沢市の南部、吾妻山の山麓の標高900メートルほどのところにある温泉地です。活火山である吾妻山の山麓の温泉だけあって、60度ほどの高温の源泉が自噴しており、湧出量も非常に多いんだそう。
吾妻山登山の玄関口となる「天元台ロープウェイ」からすぐのところにあり、春から秋は登山者で、冬はスキー客で賑わいます。
「中屋旅館」「東屋旅館」「西屋旅館」など、茅葺き屋根の歴史ある旅館が並ぶ白布温泉ですが、中でも日帰り入浴を気軽に楽しめるのは、旅館ではなく日帰り温泉施設である「白布森の館」ではないでしょうか。
西吾妻山登山の後に立ち寄ってお風呂をいただいてきましたので、レポートしたいと思います。
天元台ロープウェイ湯元駅から歩いてすぐ!吾妻山登山後の入浴に最適
新高湯温泉吾妻屋旅館に前泊し、日帰りで西吾妻山に登ってきたこの日、下山してロープウェイ湯元駅に戻ってきたのは15時ごろでした。
米沢駅行きのバスが出るのが16時40分でしたので、あと1時間30分ほど時間があります。
米沢駅まで戻ってしまうと、そこから徒歩で温泉に移動するのは難しいので、バスに乗る前に温泉に入ってしまうのが吉です。
周辺の温泉施設の立ち寄り営業時間は、吾妻屋旅館のロビーに貼ってあった用紙でチェック済みでした。
今15時で、16時30分ぐらいまでのんびりしたいので、立ち寄り営業時間が15時30分や16時までとなっている「東屋旅館」「西屋」「吾妻屋」は無しですね。
Googlemapで距離を調べてみると、一番近い「森の館」は徒歩5分ほどなんですが、不動閣、山の季は15分ほどかかるようです。じゃあもう、森の館でいいんじゃないかしら……。
徒歩5分の近さです。実際はもっとすぐ着いたような。
けっこう車も泊まっていますね……あまり混んでいないといいのですが……。
営業時間は「9時~18時」と、吾妻屋旅館に貼ってあった紙には書いてありましたが、季節によって変動があるようですね。玄関に、マジックで紙に書かれた本日の営業時間が、入り口のガラスに貼ってありました。
中に入ったら靴箱に自分の靴を入れ、スリッパを履いて中へ。
入って右手にある受付で、入浴料金395円を支払います。
この「395円」っていう料金、ちょっと不思議ですよね。400円でもいいような気がするのですけど。お釣りの5円玉を用意しておくの、大変じゃないのかしら。
受付の右側に、簡単な食事処のような施設もあるようで「営業中」と札がかかっていました。今日は、そこまでは時間がないのが残念。。。
誰も使っていなかったけれど卓球場も……。
そして、浴室の手前には座敷の広間もありました。
お風呂上がりに少し時間が余ったので「では座敷で休憩でも」と思って中に入ったら、地元の人と思われるお客さんが、思った以上に大勢いたので驚きました。そう、この後紹介しますが、駐車場に車はたくさんあったのに、浴室は思った以上に空いていたんですよ。
どうして空いているんだろうと思ったらみんな、お風呂に入った後に広間で休んでいる時間が長いんですね。だから車はたくさんあったのか……。
自販機でソフトドリンクやビールも売っていますので、車を運転する必要がなければ、購入して広間で一杯いただくのも良き、というわけで。
とりあえず、浴室に向かいましょうか。
女湯と男湯が隣り合わせに並んでいます。
では、いざ中へ。
【風呂】★★★★☆ シャンプーなど持参の必要あるがお湯はとても良い
脱衣所へ。
入って左側が脱衣棚。
右側に洗面台が2台あり、ドライヤーも置いてあります。
振り向くと、100円が戻ってくるタイプのコインロッカーがありました。
けっこう大きいので、貴重品だけでなく、荷物まるごと入れることもできそうですね。
では、浴室内へ!
おお……良いですね……。
浴槽の左側に見える緑のホースは、浴槽内のお湯が熱すぎる場合に水を入れてうめることができるようです。
洗い場は4つ。シャワーも完備ですが、シャンプーやボディシャンプーはなく、置いてあるのは固形せっけんのみ。シャンプーで髪を洗いたい人は持参する必要があります。
頭と体を洗ったところで、いよいよ浴槽へ。
ここまで先客なし。後から誰か入ってくる気配もなし。うれしい……。
6月下旬の、高山植物が花盛りなタイミングの日曜日でしたので、西吾妻山にはたくさんの登山者がいたのですけどね……。
とは言え、ほとんどの人が車で来ているでしょうから、ロープウェイから徒歩で行けるここに、登山者はわざわざ立ち寄ろうと思わないのかもしれないです。
熱い湯に身を沈めます。
湯船の縁からは、豪快に源泉がオーバーフローしていました。
透明なお湯の中に白い湯の花が舞っているのも良いですね。
湯口からは絶え間なくお湯が流れ続けています。
泉温は42度ぐらいでしょうか。熱いお湯だけれど、水を足さなければ入れないというほどではなく。
登山でほどよく疲れた体に熱めのお湯が心地良く、しゃきっと目が覚めたような気がしました。
湯口のお湯を手ですくって鼻を近づけてみると、ほのかに硫黄の香りがして「これは良いお湯だ!」と素直に思いました。
しばらくつかっていると、別のお客さんが入ってきたので、十分温まりましたし、あがることに。
温泉分析表も貼ってあります。
源泉温度57.2度、ph7.3のカルシウムー硫酸塩温泉です。美肌の湯ですね~。
こちらには源泉利用状況も。
湯口のお湯は硫黄の香りがすると思ったら、こちらには「含硫黄カルシウム硫酸塩泉」とありますね。納得。浴槽内は毎日清掃、塩素系薬剤による消毒あり。
しかし、かけ流しだけれど「気温が低い時期と混雑時のみ加温水あり」とありますね。「加温水」という言葉、初めて聞いたのですけど「加水も加温もすることがあるよ」ということなのでしょうか。それはちょっと残念かも……。
まあこの日は混雑もしていなかったし、寒い時期でもなかったので、加水も加温もしていないはずだ、と信じたいところ。入ってみて「いいお湯だ」と素直に思いましたので、きっとね。
【再訪したい度】★★★★ 公共交通機関利用で西吾妻山に登山した後なら一番いい選択肢
値段も395円と安いし、営業時間も旅館の日帰り入浴よりはずっと長いし、シャンプーなどはないけれどシャワーもドライヤーも使えます。そしてお湯も良いです。
たとえば、前日に宿泊していた吾妻屋旅館は本当にすばらしい宿でしたけど、浴室にはカランと「源泉をそのまま使っている熱いシャワー」があるのみで、シャンプーするのはなかなか大変でした。
吾妻屋旅館はそこがいいんだ!という側面もあるとは思うのですが、下山後の日帰り入浴の選択肢としては、むしろ森の館のほうが適しているのではないかしら……などと思ったり。
やはり、女子としては、ゆっくりシャワーで体や頭を洗いたいのですよね。
バスの出る時間が近づいてきたので、始発バス停である天元台ロープウェイ湯元駅までまた、戻ります。
「森の館」の前にもバス停はあるのですけど、バス停でずっと待つより、始発から乗ったほうがいいですよね。
ああ、やはり米沢駅行きのバスがもう来ていました。
さて、この後は車中でウトウトしながら米沢駅に向かい、〆の米沢牛をいただきますよ!