温泉に泊まってロープウェイ登山!下山後は温泉&米沢牛が待っている!
西吾妻山は、山形県の米沢市と福島県耶麻郡北塩原村の境界に位置する火山で、標高2035メートル、吾妻連峰の最高峰です。
日本百名山にも選ばれているため、休日は多くの登山者が登っています。
これまで3度登っているお気に入りの山なんですが、直近で登った2018年の6月下旬のタイミングが、高山植物が咲き乱れて最高に美しかったので、レポートしてみたいと思います。
メインルートは福島側のグランデコスノーリゾートか山形側の天元台高原
西吾妻山に初めて登ったのは2012年の6月上旬のことでした。百名山完登を狙っていた知人が「車を出すから一緒に登ろう」と声をかけてくれ、珍しく他人の車に乗って登山に来たのです。
ちなみに、一緒に登った知人というのは、下記の記事に登場する「エリート登山男子Mさん」ですね。
福島県側の、グランデコスノーリゾートというスキー場から登りました。
しかし……その日は天気がよくなくてですね……登り始めからガスガスでしたが、上のほうに行ったら完全に雨で。
最初ロープウェイに乗った段階ではけっこう晴れてたんですが……
だんだん曇ってきちゃって、6月上旬でまだ雪も残っていて、ちょっとこわかったですね。。。雰囲気が。
しかし、週末とは言え天気が良いとは言えない日で、高山植物が咲くにもまだ早い時期だというのにけっこうな数の登山者が登っていて、やはり百名山はすごいなーと思ったものです。
2度目の登山は2015年の8月。3度目が2018年6月。
2度とも「新高湯温泉吾妻屋旅館」に宿泊した後に登りました。
温泉に前泊してロープウェイ&リフトを利用して登山……私の山旅の一つの理想形ですね。
朝は宿の車で朝9時に、最寄りのバス停である「湯元駅前」まで送っていただきました。
9時10分発のバスに乗る方と一緒だったのですが、私はバス停からバスではなく、ロープウェイに乗ります。ちなみに、もっと朝早くから登りたいときは、申し出ればもっと早い時間に送っていただくこともできるようです。
駅と言っても電車の駅ではなく、ロープウェイの駅なのですね。
これまで、福島側から1回と山形側から2回登っていますので、改めて情報をまとめてみたいと思います。
ロープウェイの駅に着いたらまずは更衣室に向かい、登山に不要な荷物をコインロッカーに入れてしまいます。
冬はスキー場になる場所なので、更衣室にコインロッカーがあることをあらかじめ調べてありました。
更衣室は、正面玄関とは別の、建物の裏側に入り口があります。スキーシーズン用に用意されているのだと思いますが、夏でも閉鎖されているようなことはなく、無事に荷物を預けることができました。
そして、下山後に乗る米沢駅行きのバスの時刻をチェック。
終バスは18時25分発ですが、できれば16時40分発のバスには乗りたいところ……。
西吾妻山の山バッジはロープウェイ湯元駅売店でゲット!
そして、湯元駅の売店で、早々と西吾妻山の山バッジをゲット!
左がグランデコで買ったもの。右が天元台で買ったもの。グランデコのやつは、メインがスキー場で背景にちょっぴり山って感じなんですよね。西吾妻山だけのバッジが買えてよかったです。
ちなみに登山バッジ、よく調べたら通販もできるんですね。
それから、窓口でチケットを購入します。
ロープウェイとリフトにすべて乗り、終点の北望台まで行って往復するチケットは3500円。ですが吾妻屋旅館に宿泊して「ロープウェイに乗る」旨を伝えると、割引チケットを発行してもらえ、500円引きの3000円で乗車することができます。おそらく、白布温泉の宿に泊まっても同様の割引きチケットが貰えると思いますので、前泊して登山する際は利用したいですね。
ロープウェイとリフトの料金や運行時間についての詳細はこちら。
今日はいい天気です!
6月下旬は残雪もほぼなくなり、高山植物も花盛りというベストなタイミング!
しかもこの日は日曜日、かつ朝から晴れ予報ということで、ロープウェイ乗り場も車でいっぱいでしたね。
ロープウェイの乗車時間は6分ほどです。
ロープウェイを下りても快晴!
その後はスキー場施設「アルプ天文台」の前を通ってリフト乗り場まで5分ほど歩きます。
↑なんか、レンズにゴミが付いてるっぽいですね……。
そこからリフトを3本乗り継ぎます。
このリフト、3本分合わせると35分乗ることになるそうで、思ったより時間が長いんですよね。
もちろん、徒歩だと1時間40分かかる道なので、歩くのに比べたらずっと早いわけですが。。。
天元台から西吾妻山を往復するコースは、歩いている時間は3時間ほどなのですが、ロープウェイやリフトを乗り継いでいる時間が2時間近くかかる見込みなので、トータルでは、湯元駅を出てから湯元駅に戻ってくるまでの時間は5時間近くかかってしまう計算になります。バス利用で登山するときは、そのあたりも注意して計画したほうが良いですね。
実は高尾山よりも楽に登れる?登山口から山頂までの標高差は215メートル!
さて、リフトを3機乗り継いで北望台に到着!
西吾妻山は標高2035メートルの山ですが、この北望台の標高は既に1820メートルあります。
ということは、標高差は215メートル!あと215メートル登れば良いのでしょうか?
高尾山駅からケーブルカーを使わずに山頂まで登ると、標高差は399メートルです。
ということは、西吾妻山は高尾山よりも楽に登れてしまうということ……?
実際は「初心者でも登れる山だけど、侮ってはいけない」というところでしょうか。
まず、単純な標高差はたしかに高尾山よりも小さいのですけど、高尾山は頂上までほぼずっと、登りっぱなしなのに対して、西吾妻山はアップダウンがあるため、累積標高差はもう少しあるということ。
また「ずっと上り」よりも「上ったり下ったり」のほうが体力も消耗します。
そして、登る距離は短くても、高度は2000メートル近いわけですから、高地の特徴として「さっきまで晴れていたのに急に大雨」というような気象の変化が起こりやすいです。
体力的には、高尾山を無理なく登れる人であれば大丈夫だと思いますが、装備はきちんとしたものを揃えておく必要があると思います。特に、レインウェアとトレッキングシューズはしっかりしたものを揃えてきたほうが良いと思います!
ルート中で一番の展望スポットは天狗岩。西吾妻山山頂はまったく展望がない。
さて、北望台から登り始めます。登山口はリフトを降りた正面右側のこちら。
歩き始めは岩がごろごろしていて少々歩きにくい登山道を歩くことになります。
6月下旬の西吾妻山はワタスゲやチングルマが花盛り!
歩き始めてしばらくの間は、ショウジョウバカマがたくさん咲いていてきれいでした。
それと、名前がわからないんですが……この白い小さな花もきれいでしたね。
20分ほどで「かもしか展望台」と呼ばれる展望スポットに着きます。
かもしか展望台からの眺めはこんな感じ。
絶好の天気でうれしい!
かもしか展望台を通過してしばらくの間、木道と登山道が半々ぐらいのなだらかで歩きやすい道が続きますが、このあたりにはワタスゲが群生しているのです。
見えますでしょうか。一面のもふもふが。
もふもふのふわふわです。
みな、足を止めて写真撮影していました。
しばしもふもふを堪能した後、歩を進めます。
登山道にはほぼ、雪がありませんが、あちこちに残雪は見られましたね。
この木道をしばらく歩いていくと、今度はチングルマが花盛り!!
恐ろしいほどに咲き乱れています。
散りかけの花もほとんどなく、かなりベストなタイミングで見れたのではないでしょうか。
チングルマを狙って来たわけではなかったのですけど、きれいに咲いているとやはり、うれしいものですね。
このあたり、コイワカガミもけっこう咲いていましたね。
お花畑を通り過ぎると、今回のルート上唯一の水場があります。
そこから先はやや、急な坂道を登っていきます。残雪もちらほら。
急坂はすぐに終わり、またなだらかな道を歩いていくと……
池塘もあったり。
登山道の中にチングルマが群生していたりするので、踏まないように歩きます。
あ!また池塘が!
標高2000メートル足らずの場所ですが、東北の山は雪が多いし気温も低いので、森林限界も低く、高山っぽい風景が楽しめるのがいいですね~。
しばらく進むと、大きな岩が集まって小高くなっているところがあります。
こちらが、梵天岩。
梵天岩もなかなかの眺望スポットなのですが、さらに先に進みます。
着きました!このルート中最大の展望スポット、天狗岩です。
しかし、残念ながらやや曇ってきてしまいましたね……。
端の方に祠がありました。吾妻神社だそうです。
天狗岩まで来ると、地図上では「あと15分歩けば西吾妻山山頂」となっているのですが、それらしいピークがどれなのかちょっとわかりにくく、前回初めて来たときは不安になったことを覚えています。
天狗岩から見える一番近いなだらかなピークが西吾妻山なんですが、なだらかすぎて「吾妻連峰の最高峰」というイメージと合わないのと、天狗岩側から見るとちょっと遠く見えるので「あそこまで15分で行けなくない?」と思ってしまうのだと思います。
あれですね、山頂。
私自身も、天狗岩でちょっと不安になりましたし、山頂から戻る途中、これから山頂に向かうパーティには「西吾妻山ってどれなんですか?」と聞かれたりも。
しかし、天狗岩まで来れば本当に、山頂までもうすぐです!
天狗岩から一瞬だけ急な下りになるので「ここまで来たのに下り??」と焦りますが、ほんの一瞬です。
木道をしばし歩くと、ルートは針葉樹林の森に入っていき、その森の中に西吾妻山の山頂はあります。
しかし、登っている最中も「頂上を目指している感」があまりなく。。。登山道の途中に、ちょっとだけ広くなっているところがあって、そこが山頂です。
休憩するほどのスペースもないので、記念写真だけとってさっさと天狗岩なりに行ってしまう人がほとんどですね。私は、これまで2回ここで記念撮影しているので、今回は記念撮影すらしないでしまいました・笑
ちなみに前回の記念写真がこれで。
前々回がこれ。
最初に来たときはガスガスでしたわ。。。
さて、山頂からは来た道を単純に戻るのではなく「西吾妻小屋」なる避難小屋を経由するルートで天狗岩まで戻ります。
山頂から西吾妻小屋までは10分程度。すぐですね。
山頂付近からもう、西吾妻山の赤い屋根が見えました。
湿原の中にある小屋なんですね。その向こうに見えるなだらかなピークは「西大巓」です。
湿原の木道を、避難小屋に向かって歩いていきます。
登り始めのころに見た花とは少し色が違うショウジョウバカマが咲いていました。
着きました!西吾妻避難小屋です。今回は中には入りませんでしたが、トイレもあります。
日帰りで登れる山ですが、こんないい環境に避難小屋があると、泊まってのんびり楽しんでみたくなりますね。
西吾妻小屋から天狗岩までは15分。小屋の前からもう、天狗岩が見えますね。
天狗岩から直接山頂に向かう道よりも、西吾妻小屋を経由する道のほうが時間はかかりますが、なだらかで歩きやすい道でした。
天狗岩から先は、元来た道を戻ります。
だいぶ雲は多くなってきたけれど、雨は降りそうにないので良かったです。
北望台のリフト乗り場まで戻ってきました。
リフトでらくらく、戻ります。
あっという間に、天元台高原まで戻ってきました。
ここで、ロープウェイに乗り換えます。
アルプ天元台で高原ソフトクリームをいただく
ロープウェイの発車時刻まで少し時間がありそうだったので、天元台高原にあるアルプ天元台の「レストラン白樺」で、ソフトクリームを食べることにしました。
アルプ天元台は、16室の客室のある宿泊施設で、日帰り入浴も可能です。温泉ではないので、温泉好きなら白布温泉まで下ったほうが良いとは思いますが……。
フリーWi-Fi・コインロッカーも完備されています。
レストラン白樺は全部で200席ほどある広いレストランです。営業時間は9時~16時。
カレー、ラーメン、ソフトクリーム。
飲み物もいろいろ。
竹の子汁もいいなあ……。6月7月の限定商品だそうです。
しかし、下山後で暑かったのでここはやはりソフトクリームをいただきます。
食べ終わったらロープウェイ乗り場へ。
お疲れさまでした!
西吾妻山、最初に登ったときはちょっと残念な天気でしたが、その1回で「もういいや」と思ってしまわずに、また来てよかったです!
山麓に素晴らしい温泉が湧いているから、というのも再訪の大きな理由ですが。
吾妻連峰には、まだまだ歩けていない道がたくさんあるので、次回も白布温泉などに泊まって、今度は別の道も歩いてみたいなと思いました。
この後は白布温泉日帰り入浴し、米沢駅前に向かいます。
旅の締めくくりはもちろん……米沢牛です!