白馬八方温泉の中心施設 八方の湯
八方の湯は、白馬八方のバスターミナルからすぐのところにある、白馬八方で最も大きく、かつ新しい日帰り温泉施設です。
かつては「第一郷の湯」という名前で営業していた日帰り温泉を建て直し、2014年に同じ場所に「八方の湯」として新装オープンしました。
館内はまだとても新しく、浴室には露天風呂も併設されています。
スキーや登山後の入浴にも最適な施設のため、シーズン中は混み合うことだけが難ですが、季節や時間帯を選べば、ヌルヌル感のある高アルカリ源泉をゆったりと楽しむことも可能です。
八方の湯について、レポートしてみたいと思います。
閑散期の白馬八方で人気の温泉宿に泊まった翌朝、八方の湯に立ち寄った
2018年の12月、雪が積もるのが遅くスキー場のオープンが遅れて閑散としていた白馬八方に、週末2日間かけてあえてやってきた私。
目的は、通常は休前日の一人泊を受け付けていない、白馬八方温泉の人気の宿「まるいし」さんに宿泊するためでした。
「2017年泊まって良かった宿1位」「2018年泊まって良かった宿3位」に選出した宿で、1泊2食付き1万円程度で泊まれる宿とはとても思えない食事のおいしさで、サービスもすばらしい良宿です。
まるいしさんでは、希望すればチェックアウト後に白馬の駅まで送迎していただけるのですが、今回は送迎は希望せず、八方バスターミナルから長野駅行きのバスに乗るつもりでした。
とは言え、そんなに急いで帰る必要があるわけでもないですし、せっかくだから一風呂浴びてから帰ろうかな、というわけで。
八方バスターミナルの目の前にある、八方の湯に立ち寄ることにしたのです。
バスターミナルの、道を挟んで向かい側にあります。
八方の湯の駐車場の隅には、無料の足湯もあります。
実は「さわやか信州号」や「毎日アルペン号」など、白馬行きの夜行バスは早朝、この八方の湯の駐車場が降車場所になります。八方バスターミナルよりも八方の湯の駐車場のほうが広いですからね……。
なので私はこれまで2~3回、まだ薄暗い駐車場の足湯の椅子に腰掛けて、スキー場のゴンドラリフトの営業開始を待ったことがあります。。。寒かったですね。
駐車場には「温泉らーめん八方美人」なるラーメン屋さんと、温泉饅頭屋さんが軒を連ねていました。
外に出ていたラーメン屋さんの看板がこちら。
餃子やネギチャーシューご飯もあって、わりとちゃんとしたラーメン屋さんのようです。
旅館で朝食をたっぷりいただいた後なので、これからお風呂に入った後にラーメンを食べる気になるかはわからないけれど……覚えておこう。
では、中に入ってみたいと思います。
八方の湯の入浴料金・営業時間・定休日
中に入ったら靴を脱いで下足ロッカーに入れ、券売機で入浴券を購入して受付で渡します。ロッカーの鍵は自分で管理します。
入浴料金は大人800円、子供400円です。
郷の湯など、八方の他の温泉施設は600円ですので、それよりも200円高いことになります。時間制限などはありません。
近隣の宿泊施設に泊まると入浴料金の100円割引券が貰えますので、私もこのときはまるいしさんでいただいた割引券を使って700円で入りました。ですが実は、泊まらなくても@nifty温泉にクーポン券があり、スマホで画面を提示することでも100円割引きになります。
定休日はなく年中無休、営業時間は午前9時30分から午後10時まで(午後9時30分で入浴受付は終了)です。
館内はまだ新しく、天井が高くて開放感のある建物です。
受付の前には椅子とテーブルが置かれた休憩スペース、その奥には座敷の休憩スペースがあり、向かって右奥に男女別の大浴場があります。
ではいざ、浴室へ。
【風呂】★★★★☆ 設備とアメニティが整っており、お湯も良い
八方の湯の脱衣所は広く、無料で使える鍵付きのロッカーが壁際に並んでいます。
冷水機と紙コップも置いてありました。
洗面台が3つ、ドライヤーは4つ置いてありました。
アメニティらしきものは特になく、ティッシュしか置いていないのですが……。
でも、ドライヤーがPanasonicの、ナノイーではないけれどまあまあ浮力のあるいいやつだったのがうれしかったです。
八方の湯は「天然の水素が溶存している」源泉なんだそうで。
水素水、ずいぶん前に流行りましたけれど、本当に効果があるんでしょうかね。


とは言え、天然水素のことを加味しなかったとしても、八方温泉は源泉温度が50度弱、ph11.6とかなり高アルカリな良いお湯です。
また、温泉の利用状況についても書いてあり「加水なし」「状況により加温あり(内湯)」「状況によりろ過(内湯)」「消毒あり」とのこと。
しかし、加温とろ過については(内湯)とわざわざ但し書きがしてあるのは、露天風呂では加温やろ過は行わない、ということなんでしょうか?
普通に考えると、露天風呂のほうが泉温が低くなりやすいので加温する機会が多そうな気がするのですけど、なんだか不思議ですね。
では、浴室へ!
広く新しい浴槽には、源泉がなみなみと注がれ、浴槽の縁から常に溢れていました。
洗い場の設備も新しく、数も十分にあります。
シャンプー&コンディショナー・ボディシャンプーは、資生堂の「THE AMENITY」のもの。安心して使えます。
体を洗ったところで内湯へ。
湯口には「源泉かけ流し高アルカリ源泉ph11」との表示があり、常に大量の源泉が流れ落ちています。
湯口からお湯をすくって匂いをかいでみると、温泉っぽい香りがしっかりしたので、湯口から落ちるお湯はかけ流しで、浴槽内は場合によっては循環する、というタイプの浴槽ではないかと思います。
午前9時30分オープンの八方の湯に、私は10時過ぎに入ったわけですが、先客もおらず、独り占めで楽しめました。
しばらく内湯で体を温めた後は、露天風呂へ。
露天風呂は石造りの浴槽です。囲いがあるので景色が見れるわけではないですが、外気を感じながら入るお風呂はやはり格別ですよね。
こちらも、常に大量の源泉が湯口から落ちていました。
いいお湯です。なんと言っても誰もいないし!
露天のほうがややぬるめに感じられたので、長湯はしやすそうですが、内湯も露天もあまり変わらないように思いました。「さすがph11.6」とうなるほどのヌルヌル感があるわけではありませんが、ほんのりと温泉の香りが漂う、良いお湯です。
【食事】★★★☆ 地ビールを飲んで一休みできるのはうれしい
お風呂に入ったけれど、結局そんなにお腹は空かなかったのですが……せっかくなので館内の食事処へ。
フードは「八方温泉うどん」が一押しのようで、そのほかには「野菜かき揚げうどん」「焼きおにぎり」「氷ソフト」など。
食事処のテーブル席でいただいてもいいし、受付前のテーブルや座敷でいただくこともできます。
結局、そこまでお腹が空かなかった私は、風呂上がりのビールだけを注文し、座敷でひとやすみ。
ちなみに、八方の湯の館内はフリーWi-Fi完備で、座敷スペースにはコンセントもあって充電もできます。
白馬の天然水で作られたというペールエールを味わいながら、長野駅行きのバスの出る時間をゆったりと待ちました。
【再訪したい度】★★★★☆ お湯の良さでは郷の湯に叶わないが、用途によって使い分けたい施設
正直なところ、お湯の良さでは前日に行った郷の湯には叶わないと思います。何しろあちらは毎日お湯を入れ替え、加水・加温・循環・消毒すべてなしで提供している日帰り湯ですので……。
ですが、内湯のみで休憩スペースなどは何もない郷の湯は、家族連れの旅行で立ち寄ったり、登山やスキーの帰りにグループで立ち寄ったりするには少々手狭だと思いますので、そんなときは八方の湯を利用するのがいいんだろうな、と。
冬の間はスキー客向けの「シーズンパスポート」の販売もあるようでした。
しかし、パスポートを販売するぐらいですので、すなわちそれは「スキーシーズンは混む」ということですよね……当たり前のことですが。
おそらく、午後3時を過ぎると滑り終えた人で混雑すると思いますので、スキーの後に寄るのであれば仕方ないですけど、そうでなければなるべく午前中に立ち寄れば、少しでも空いている状態で湯浴みを楽しめるのではないかな、と思いました。
八方の湯に立ち寄った後は、長野駅まで特急バスに乗り。
長野駅ビルに入っている蕎麦屋さん「草笛」で蕎麦味噌で一杯いただいて。
もちろん、名物のくるみ蕎麦もいただいて長野新幹線に乗り、今回の旅をしめくくりました。