鹿児島県 妙見温泉 田島本館 明治創業の妙見温泉の湯治宿
鹿児島空港から路線バスで30分弱と、公共交通機関利用でも便のいい妙見温泉。
鹿児島に来るとだいたい最後に妙見温泉に立ち寄って、それから空港に向かうことになるのですが「おりはし旅館山水荘」と同じぐらい気に入って、何度もおとずれている宿がこちらの「田島本館」です。
ブログでご紹介するのは初めてですが、立ち寄ったのは今回が3回目か4回目でしょうか。レポートしたいと思います。
田島本館は妙見温泉でもうひとつの「きず湯」が楽しめる湯治宿
妙見温泉には「きず湯」と呼ばれるお湯を提供している宿が、私の知る限りでは2軒あります。一軒が、先日ブログでご紹介した「おりはし旅館別館山水荘」の内湯です。
そしてもうひとつが、今回ご紹介する「田島本館」です。どちらの宿も自家源泉の提供ですので、それぞれの源泉に入れるのはその宿だけ。同じきず湯でも源泉は異なり、特に温度がぜんぜん違います。
実は、同じ妙見温泉の高級宿「忘れの里雅叙苑」と同経営の宿でもある
田島本館は、 おりはし旅館から橋を渡ってすぐ、徒歩3分ぐらいのところにあります。
宿の入口には「神経痛湯」「きず湯」「胃腸湯」「うたせ湯」と書かれた看板がありました。
田島本館は、休前日の割増料金もなく、2食付き8800円でいつでも一人泊できる、庶民的な湯治宿なんですが、実はすぐ近くにある「忘れの里 雅叙苑」という茅葺き屋根の高級旅館と同じ系列の宿です。
そう言えば先日、こういうツイートをしたのですが……
温泉付き民宿でもやや高級めのホテルでも大型温泉ホテルでも公共の宿でも、お湯か食事のどっちかに惹かれるものがあれば楽しんで泊まれる人なのだけど「田舎暮らしを体験できる」みたいなコンセプトの宿だけはぜんぜん馴染まない私である。たぶん本当に田舎で育ったからなんだろうなー
— 月山もも (@happy_dust) 2020年2月25日
実はこのとき思い浮かべていた「田舎暮らしを体験できるというコンセプトの宿」が、田島本館と同系列の「忘れの里 雅叙苑」でした。たぶんいい宿なんだろうなと思うのですけど、個人的にはこちらの田島本館のほうが魅力的に感じます。
案内に従い、受付へ。
ちょうど、受付担当の方が予約の電話を受けている最中のようでしたので、少し周りをぶらぶらしながら待つことにします。
田島本館の日帰り入浴料金と営業時間
田島本館の日帰り入浴の営業時間は、朝8時30分から夜20時30分まで。
入浴料金は300円ですが、田島本館には「神経痛湯」のある内湯と「きず湯・胃腸湯」のある浴室が分かれており、それぞれに入浴料金がかかりますので両方に入りたい場合は600円を支払うことになります。
黒板には何やら温泉につかるイラストと、英語で台詞が書かれている……?かと思いきや
「ONSEN POWER DE SHIGOTO MO BACCHIRI!!(温泉パワーで仕事もばっちり!!)」という日本語でした・笑
営業していたのかはわかりませんが「囲炉裏カフェ」なる、囲炉裏のあるスペースもありました。
公式サイトによれば、宿泊時のご飯はこちらの釜戸で炊き上げているのだそうです。
田島本館は猫がいる宿
うろうろしていたら、中から猫が出てきました。
かわいい。。。
近寄ると逃げられそう…… と思い、背後から写真を撮る私です。
背中の模様も猫の後ろ姿みたいだな。
宿のInstagramを見ると、田島本館の看板猫の「すずめちゃん」のようです。
このときは出会いませんでしたが、もう一匹「つばめちゃん」という猫もいるみたいですね。Instagramにはかわいい猫写真が大量にありました。
猫を見ていたら受付の方の電話が終わったようだったので、入浴料金を支払い、浴室に案内していただくことに。
今回は「きず湯・胃腸湯」のほうに入ることにしました。「神経痛湯」にも以前入ったことはあるんですが、神経痛湯のほうがいつも圧倒的に、地元の方で混んでいるんですよね。だいたい「きず湯・胃腸湯」のほうが空いているのでこちらへ。
「きず湯・胃腸湯」は川沿いの建物の1階にあります。浴室の前はピロティのようになっていて、この場所の雰囲気が私はけっこう好きです。
ここに来るときに渡ってきた橋が向こうに見えました。
【風呂】★★★★★ めちゃくちゃ熱いのにすごい泡つき!奇跡のような高温の炭酸泉
「きず湯・胃腸湯」はここで靴を脱いで中に入ります。
入る前に、案内してくださった方から「きず湯はかなり熱くなっていますので、十分かけ湯してから入ってくださいね」とアドバイスをいただきました。
はて……私の記憶ではきず湯はそこまで熱くなかったはずなんだけどな。今は冬だし、気温で高温になるということもあるまいし。
靴を脱いで中に入るとすぐ脱衣所です。狭いので中に人がいるときに開けると、外から見えてしまうことがありますので気をつけましょう……。
先客がお2人いたのですが、私と入れ替わりであがっていかれました。
鏡と、一応ドライヤーもあります。洗い場は水しか出ないし、浴室も狭いので女性の方はあまりここで頭を洗うのは現実的ではない気がしますが。
では、中へ。
2人入ればいっぱいになりそうな小さめの浴槽が縦に2つ並び、その奥に打たせ湯があります。
この打たせ湯は、もしかしてシャワー的に使ったりも、できるのかしら……そういう風に使っている人を見たことがあるわけではないのですが。
手前に手桶と洗面器、蛇口がありますが水しか出ません。さっきおりはし旅館で体は洗ってきましたので、かけ湯して入らせてもらうことにします。
男湯は川に面しているほうの壁の高さが女湯の半分ほどしかないらしく、立ち上がれば川が見える、半露天風呂のような開放的な作りになっているようです。女湯は、普通に内湯ですね。
右の浴槽が「胃腸湯」で左が「きず湯」です。それぞれ源泉が異なるため、異なる給湯管からどばどばと源泉が注がれています。
浴槽の縁からどんどん溢れていくお湯。いい光景です。
まずは胃腸湯をかけ湯すると、熱い!43度ぐらいはありそうですね。
熱い……けどいいお湯だ!
胃腸湯は、カランから水を足すこともできるのですけど、せっかくなのでこのまま入ります。ほんのりと笹濁り。鉄分の香りがするお湯です。
浸かっていたら足が真っ赤になってしまいました。しかし、新鮮ですばらしいお湯なことは間違いないです。
きず湯は高温なのにものすごい泡つき!
次に「熱いので注意して」と言われたきず湯のほうへ。
こちらも熱い!!43度以上ありそう……だけど見てください。この泡。きず湯は炭酸泉なんですね。
炭酸泉って、高温になると泡つきは見られなくなるものですけれど、この温度でもこれほど泡がつくって、かなりの二酸化炭素濃度なんじゃないでしょうか。
よく見るときず湯は、源泉が注がれている場所もぷくぷくと大きい泡や小さい泡がずっと泡だっているのです。
これはすごい泡だわ。。。感動!でも、熱くてゆっくり入っていられません・笑
きず湯のほうに水を足せるなら、もったいないけれど少し加水させてもらって長湯したいところでしたが、長湯はちょっときつかったですね。以前はもうちょっとぬるかった気がするんですけどね……。
長湯は難しかったけれど、短時間の入浴でもしゃきっと元気になれるお湯です。源泉の成分で変色した浴室の床を眺めながら、湯浴みを楽しみました。
【再訪したい度】★★★★★ 休前日でも1泊2食付き8800円で宿泊でいるので次は泊まりたい
熱いお湯は比較的苦手なはずなのですが、こちらのお湯は本当に好きで、これまで何度も来ています。
妙見温泉に「きず湯」という源泉があるのは、西南戦争で傷ついた兵士が傷を癒やしたという歴史があるからだとか。西南戦争は明治時代の話ですから、伝説ではなく本当の話なんでしょうね。
先にご紹介したおりはし旅館山水荘のきず湯もすばらしかったけれど、妙見田島本館のきず湯も、かなり温度は異なりますが、本当によいお湯です。
おりはし旅館山水荘は現在、食事付きで泊まることはできない、素泊まりの宿になってしまいましたが、田島本館は現在も2食付きで湯治をすることができます。いつか田島本館に連泊して、妙見温泉を湯巡りしてみたいなと思っています。