「日本三大薬湯」の一つに数えられる松之山温泉で趣ある旅館に泊まる
新潟県十日町市の松之山温泉は、積雪が4メートルに達することもあるという豪雪地帯にある温泉地です。
豪雪地帯、すなわち山間部にある温泉ですが、「化石海水」と呼ばれる地層の隙間などに閉じ込められた海水に由来する、非常に塩分濃度の強い源泉が湧出しています。群馬県の「草津温泉」、兵庫県の「有馬温泉」と共に「日本三大薬湯」の一つに数えられ、よく温まる効能の高い源泉です。
今回ご紹介する「凌雲閣」は、松之山温泉の温泉街から少し離れた場所にある、昭和13年に建てられた木造3階建ての宿。
昭和レトロな建物は登録有形文化財にも指定されており、いつか泊まってみたいと思っていた宿でした。
4月上旬に初めて宿泊し、建物の風情がすばらしいだけでなく、お湯もサービスも良く、山菜たっぷりの食事も大変気に入りましたので、ご紹介したいと思います。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。
- 「日本三大薬湯」の一つに数えられる松之山温泉で趣ある旅館に泊まる
ほくほく線まつだい駅から予約制で送迎あり、バス利用も可能
松之山温泉の最寄り駅は、北越急行ほくほく線のまつだい駅。
東京方面からだと、新幹線を越後湯沢駅で降りてほくほく線の直通電車に乗れば45分ほどで着きます。
この日は少し早めに着いて、まつだい駅前の「まつだい能舞台」内にある里山食道でランチバイキングを楽しんでから松之山温泉に向かうことにしました。
大地の芸術祭開催期間外の4月上旬だったこともあり、1人でもゆったりと、山菜たっぷりのランチバイキングを楽しむことができました。
食事を終えた後は、まつだい駅に併設されている「道の駅まつだいふるさと会館」に来ました。松之山温泉に向かうバスやタクシーはこちらの出口から出ています。
さて、これから松之山温泉に向かうわけですが、時間は午後1時30分過ぎ。
凌雲閣では宿泊客向けにまつだい駅から予約制で送迎を行っていますが、時間指定で1便のみ。
・迎えは15時21分まつだい駅着の電車に合わせて。
・送りは翌朝9時30分に宿を出発
です。
これ以外の時間帯に行き来したい場合は、バスかタクシーを利用することになります。
バスの時刻表が……少し探しにくいのですが頸城バスというバス会社による運行でして、時刻表はこちらのページにリンクされています。「松之山」でページ内検索するとヒットします。
2023年3月に改正された時刻表では、午後の時間帯で松之山温泉行きのバスがまつだい駅を出る時刻は12時35分、あるいは15時22分になります。15時22分発のバスに乗るぐらいなら送迎を利用しますよね……。
しかし、12時35分発のバスはもう行ってしまった……ということで、行きはタクシーを利用して少し早く着き、温泉街にある共同湯に行ってみることにしました。
温泉街を歩きたかったので、温泉街の入口にあるバス停の前でタクシーを降りました。駅からタクシーで15分ほどです。
バス停のすぐ近くにはヤマザキショップがあるので、宿に向かう前にこちらで必要なものを買い足すこともできます。
本日のお宿、凌雲閣はバス停から約600メートル、徒歩8分ほどの場所。
まつだい駅で送迎を待っても良かったんですが、送迎だとチェックインが16時ごろになってしまうので……なるべく早くチェックインしたくて今回はタクシーで来ました。
早めに着いたら温泉街で日帰り温泉施設や食事を楽しむのも良い
今回は、チェックイン開始の15時まで1時間ほど時間があったので、温泉街の中にある日帰り温泉施設「松之山温泉センター鷹の湯」に行ってみることにしました。
温泉街のちょうど真ん中あたりにあります。鍵付きのロッカーやシャワー付きの洗い場、ドライヤーなどの設備も整っており、露天風呂もある設備の整った施設です。入浴料金は500円。
源泉の新鮮さもしっかり感じられ、内湯はかなり熱めですが露天風呂は熱めの適温。川のせせらぎの音を聞きながら湯浴みを楽しめます。
入浴後はお土産屋さんにも寄ろうと思っていたのですが、温泉が良かったので露天風呂で長湯してしまい、次来たときに立ち寄ろうと思いつつ、通り過ぎて来ました。
お店もしっかり営業されているし、ビジターセンターにはカフェもある……?
松之山温泉には蕎麦屋さんやラーメン屋さんなどの飲食店があることは知っていたのですが、食事は済ませているので飲食店には入れないかな……と思っていたんですよね。カフェがあるならもっと早めにここに来ても良かったな。
このお蕎麦屋さんも気になります。鶏むね肉の天ぷらおいしそうだし「今年もやってきました!ウドの一本揚げ」は、山菜の季節の限定商品でしょうか。
そう言えば、温泉施設内には「松之山温泉のおいしい店マップ」も掲示してありました。
次回は12時台のバスで松之山温泉に来て、ここで昼食を取るのもいいかも……。
などと考えつつ温泉街を抜け、本日のお宿「凌雲閣」に向かいます。
昭和初期に建てられた、登録有形文化財にも指定されている3階建ての木造建築の宿なのですが……。
地図だとこのへんなんだけど、あの、蔦の絡まる建物は違いますよね?木造じゃないし……。
と思ったら、建物の影から現れました!
チェックイン後に知ったのですが、蔦の絡まる建物は凌雲閣の「新館」で、食事処や浴室があるほか、客室も何室かあるようです。
客室にこだわらず、お風呂三昧するには新館に泊まったほうが浴室に近くて良い、という考え方もありますね。
ですが初めてなので今回は本館の部屋を予約しました。15時を過ぎたところでチェックインしたいと思います!
【部屋】★★★★★ 雰囲気ある木造建築で客室内は快適
では、秘湯を守る会の提灯が下がっている玄関から、中へ。
館内に一歩足を踏み入れると、建てられた当時の姿をしっかりと残しつつ、床はピカピカに磨き上げられていました。
振り向くと、欄間に施された彫刻も美しい。
大きな振り子時計も年代ものですね。
帳場でチェックインし、部屋に案内してもらいます。
凌雲閣の客室は「本館2階」「本館3階」「新館」にあり、予約時に選択します。
新館(じゃらんなどの表記では別館)の客室はごく普通の和室or洋室ですが、客室内にバストイレが付いており、浴室が同じ棟にあるためお風呂三昧しやすいです。ただし新館(別館)の客室ではWi-Fiの利用はできない模様。
登録有形文化財に指定されている本館は、2階と3階では若干宿泊料金が異なり、1名宿泊の場合3000円ほど2階のほうがお安く泊まれます。ただし、部屋の意匠などがより凝っているのは3階の客室で、なんと1室ごとに別の宮大工さんが担当されているそうです。そのため、3階に泊まる場合は「どの部屋に泊まりたいか」も予約時に選択することができます。
実は、この日私は少しお安い2階の部屋を予約していました。
宿泊を予定していた日には既に3階の部屋の選択肢が少なく「この部屋に泊まりたい!」と強く思うほどではなかったので「まあ今回は安いほうのお部屋で良いかな」と思っていたのです。
しかし……チェックインすると案内されたのは、3階のお部屋でした。
特に「空いてたんでいい部屋にしておきましたよ」的なお話も何もなかったのですが、空室があったんでしょうね。ありがたいことです。
昭和初期に建てられた木造3階建て……ということで、階段を上らなければならないだろうと思っていたんですが、なんと、エレベーターがありました!
売店の奥にひっそりと小型のエレベーターが設置されており、客室階でも廊下よりちょっと奥まった場所に設置されていて、館内のデザインを壊さずに設置しているのがすばらしいなと思いました。
ちなみに、エレベーターはとても狭いこともあり、案内係の方は一緒にエレベーターには乗らず、階段を上られていました。
後で私も階段を上ってみたのですが、やはりなかなか急で、きしみますし、何度も上り下りするのは大変そうです。エレベーターを付けてくれてありがとうという気持ち……。
こちらが、予約していたけれど宿泊しなかった2階。
もう1階上って……。
3階です。
古い木造建築は暗さが気になったりしますが、3階は日当たりも良いのか、廊下もとても明るいですね。
各部屋に付いている明かり取りの窓。装飾がそれぞれ違っていました。
廊下の窓からは桜が咲いているのが見えました。
本館3階の「千草」の間に宿泊
案内していただいたのはこちら。
「千草の間」です。
ドアを開けると踏込があり、障子戸の向こうにはまずは四畳半の次の間が。
次の間には戸棚があり、お茶セットやグラス、栓抜きなどが入っていました。使った食器などは棚に戻さないよう注意書きが。
浴衣やタオル類は、次の間の隅にまとめて置いてありました。
浴衣と帯、羽織、バスタオル、フェイスタオル、旅ソックス、ヘアブラシ、歯ブラシ。
基本的なアメニティは一通り揃っています。
明かり取りの窓は、部屋の中から見るとこんな風に見えるんですね。欄間の細工も格好いいな。
押し入れのふすまはそんなに古いものではなさそうですが、無地ではなく花の絵が透かしのように入っていました。
では、次の間から本間のほうに。
本間は8畳で、手前に座卓。奥には布団が敷いてありました。
1人なので布団が敷いてあっても十分広いですし、食事中に布団敷きの方が入ってくることもないので、気を遣わなくて良いからうれしい。
広縁も広い!広縁だけで四畳半の広さがあります。
椅子が4脚とテーブルがセットしてあります。
古い建物ですが、電化製品などはしっかり揃っており、本間にはテレビと内線電話が。
広縁には空の冷蔵庫(使うときに電源を入れる)と金庫が設置してありました。
また、暖房として石油ファンヒーターと、窓際にエアコンもありました。
エアコンは木製のカバーに覆われていて、客室の雰囲気を壊さないように気遣ってあるのがすばらしいですね。
窓から外を眺めると、庭の桜と、少し遠くに棚田が見えました。
山の中の温泉地らしい風景ですね。
テーブルの上には茶菓子として笹団子と、冷水ポット、お湯の入ったポットがありました。
魔法瓶タイプのポットなので、夜にはお湯がぬるくなってしまうのが少しだけ残念ではありますが、Wi-Fiも特に問題なく利用できたし、風情があるだけでなく快適なお部屋だと思います。
洗面所、トイレは共同だがとてもきれい
本館のすべての客室にはトイレと洗面所はついておらず、共同のものを利用します。
男女別のトイレの手前に洗面所が付いているタイプで、つまりは洗面所も男女に分かれているので、なんとなく安心感があります。
洗面所も、トイレの個室内も新しく清潔で、快適に利用できました。
【風呂】★★★★☆ 薄緑色の濃厚な源泉を夜通し楽しめる
凌雲閣の浴室は、新館の1階にあります。
共同浴室が2室あり、時間帯で男女の浴室が交換になります。
また家族風呂も共同浴室のすぐ隣にあり、予約制ではなく空いているときに内側から鍵をかけて利用できるようです。
それでは、浴室のある新館に向かいます。まずはエレベーターで1階に下り、帳場の前を通って新館に向かう渡り廊下へ。
渡り廊下の窓から眺める本館の姿が格好よかったです。
渡り廊下を渡った先は新館の2階です。新館の2階には夕食会場がありますが、浴室はここから1つ階段を下りた1階にあります。
1階には湯上がりの休憩所もあり、冷水機と自動販売機が設置してありました。
こちらが凌雲閣の館内唯一の自動販売機です。アサヒスーパードライと三ツ矢サイダーにずいぶん偏っていますが、一応ビールもソフトドリンクも購入可能です。
チェックインから夕食まで女湯となる小浴室
まずは、向かって右側にある共同浴室へ。
こちらはチェックインから夕食の時間帯まで女湯となります。
脱衣所は新しくはありませんが、しっかりと掃除はされています。洗面台が2つと椅子が並んでいました。
洗面台の付近には、温泉水を使用した化粧水と思われる「松之山温泉ミスト」のサンプルのスプレー缶、ヘアゴム、カミソリ、シャワーキャップ、綿棒などが置いてありました。
ドライヤーはPanasonicのイオニティのものが2つ。
温泉分析表が掲示されていました。ph7.4とほぼ中性の「ナトリウム・カルシウムー塩化物泉」です。
チェックイン前に立ち寄った温泉施設などとは異なる「鏡の湯」という源泉が毎分15L湧出しています。
浴室へ。
扉を開けると、湯気と一緒にふわっと石油のような香りが漂います。この香りがたまらないんですよね……。
シャワー付きの洗い場が5箇所ほどあり、クマザサエキスを配合した秘湯を守る会オリジナルのシャンプー&コンディショナー、ボディソープが設置してありました。
体を洗って浴槽へ。
近くでみると、かなり緑がかっているのがわかりますね。
実は凌雲閣の共同浴室はかけ流しと循環の併用式。湯口から新しい源泉は注がれているけれど、浴槽内のお湯は循環しています。湯口から細く出ているのが新しい源泉で、右側からたくさん注がれているのが循環しているお湯です。
循環しているのは「入浴に適した温度を保つため」という理由だそうですが、泉温80度近いのでお湯の投入量だけでもある程度温度調節できそうにも思うのですけど……。湧出量が毎分15Lと多いとは言えないので、真冬の寒い時期なんかは循環したほうが温度調節はしやすいんでしょうね。
少しだけもったいない気もしますが、何しろ個性の強いお湯なので、循環併用でもにおいや手触りなど十分に温泉らしさが感じられます。
温度も熱すぎずぬるすぎず、適温に調節されているので、ゆったりと湯浴みを楽しむことができました。
夕食後に女湯となる大浴室
2つある共同浴室は、夕食のタイミングで男女が交換となります。
向かって左側の浴室が、夕食後からチェックアウトまで女湯です。
脱衣所はこちらのほうがやや広め。脱衣かごの数も、もう1つの浴室の倍ぐらいあります。
脱衣所の1番奥に洗面台が3つ並んでいます。
アメニティ類はこちらも同様に、松之山温泉ミストとヘアゴム、シャワーキャップ、カミソリ、綿棒などが。
ドライヤーはPanasonicのイオニティが2つ。
浴室へ。
脱衣所だけでなく、浴室もこちらのほうがだいぶ広いですね。
シャワー付きの洗い場が5箇所。
うっすら濁りのある緑色の源泉で満たされています。
こちらの浴室もやっぱり、かけ流し・循環併用ではあるのですが……源泉のパワーが強いのでそんなに気になりません。源泉の湯口には温泉成分がびっしりとこびりついていました。
広々とした浴槽で、朝風呂を楽しむことができました。
かけ流しの湯が楽しめる貸切風呂
空いているときに鍵をかけて利用する貸切風呂は、右側の浴室の手前にあります。
スリッパがなく、ドアが開いていれば入れます。
温泉分析書が掲示してありました。
こちらは2つの大浴場とは異なる「鷹の湯3号」という源泉が使われています。
源泉温度97.5度と非常に熱い源泉です。
こちらの家族風呂のみ、源泉かけ流しです。熱すぎるときは水を入れて温度調節してください、とのこと。
脱衣所はこぢんまりとしているけれど、アメニティ類やドライヤーはしっかりと置いてありました。
では、浴室へ。
洗い場が1箇所と、その奥には2人入ればいっぱいになりそうなこぢんまりとした浴槽が。
浴室のサイズも、壁のタイルの雰囲気も「家族風呂」にふさわしい感じですね。
実は私は、チェックインした後最初に、貸切風呂に入りに来ました。
自由に水で薄められるとあっては、ぬるめが好きな方の後に入ったらだいぶ薄められてしまうかな……と思いまして。
それで誰よりも早く貸切風呂に来て、あつーいお湯にたくさんかけ湯して入りました。
かなり熱めでしたが、まだ気温が低い時期ということもあって、なんとか水を足さずに入ることができました。
香りや肌触り、色などは、大浴場の「鏡の湯」よりもいくぶんあっさりしているように感じましたが、やはり、お湯の新鮮さは貸切風呂が1番のように思います。チェックイン直後と、朝食後に2度入ることができました。
【食事】★★★★☆ 日本酒の種類が豊富、春に泊まったので山菜たっぷりで大満足
凌雲閣では、夕食は18時から、朝食は8時からで一斉スタートになるようです。
ただ、夕食については18時30分ごろに席に着いたグループもあったので、チェックイン時間が18時ギリギリになってしまう場合などは調整いただけるのかもしれません。
凌雲閣のドリンクメニューは地酒が豊富で利き酒セットあり
チェックイン後、部屋に案内していただいた際に「夕食時のお飲み物の注文がありましたら承ります」とお声がけいただいたのですが、そんなすぐには決められん!
そうしたら「メニューがそちらの冊子内にありますので、夕食前にお決まりになりましたら内線でお知らせください」とのこと。
それならばと、客室内にあった冊子のドリンクメニューを眺めてみることに。
まず、ソフトドリンクはこだわりの100%ジュースが「にんじん」「低塩とまと」「りんご」の3種類。それからコーラや三ツ矢サイダー、オレンジジュースにウーロン茶など、一通り揃っています。
焼酎は、米、芋、麦など揃っているけれど基本的には720mlの瓶での提供のよう。
ワインは上越市の「岩の原ワイン」の赤白があり、こちらはフルボトルとハーフボトル。グラスワインがあればちょっと飲んでみたかったけれど残念。
ビールは新潟限定の「風味爽快ニシテ」は終了してしまい、スーパードライの中瓶のみですが日本酒はいろいろあるようです。
越の白鳥、雪中梅、八海山普通酒などの定番のお酒のほか、八海山は「純米大吟醸」「大吟醸」も1合からオーダーできます。
「八海山しぼりたて原酒 越後で候」は300mlの瓶での提供です。
この他にも、女将おすすめの「地元でしか出回らない小さい酒蔵の地酒」が4種類。
そしてどぶろくと、利き酒セットもあるのか……それなら利き酒セットですね!
しかし、利き酒セットはどのお酒から選べるんでしょう……?
内線で電話して聞いてみると「利き酒セットの注文用紙があるので部屋にお持ちします」とのこと。
そして部屋に持ってきていただいたのがこちらの用紙です。
9種類から好きなものを選べるとはうれしい!
飲みたいものに○をつけて夕食会場に持ってきてくれれば良いとのことだったので、そのようにしました。やっぱり、慌てて決めてしまわないでじっくり選んでよかったわ。
ちなみに、小冊子の中には夕食をつけずに宿泊する人や、連泊する人向けでしょうか、出前のお品書きもありました。
夕食は山菜料理たっぷりで鯉こくもおいしかった!
18時になったので夕食会場へ。
新館2階にある、畳にテーブルと椅子という食事処。
広いので隣の席と距離が十分あるのはありがたいですね。ちなみに1人で泊まられてる方、私以外にも何人かいらっしゃいました。
最初に並んでいた料理がこちら。
お刺身や酢の物、小鉢などはあらかじめ並んでいました。
卓上には郷土料理の「クルミ豆腐」「湯治豚」「醗酵豆腐」の解説が。
そしてこちらが本日のお品書き。
オーダーした利き酒セットはこんな感じで持ってきてくださいました。
1杯の量がちょうどいいし、注文した銘柄が紙に書いてあるのもありがたいですね。
前菜は5点盛り。
特に説明はなかったのですが、おそらく左から2番目が「湯治豚」で、真ん中が「クルミ豆腐」なのではなかろうか。
小鉢には山菜料理がたくさん!うれしい!
左上から時計回りに「こごみのごま和え」「紅白なます」「ウドのきんぴら」「カタクリのおひたし」「ワラビ浅漬け」
ワラビ浅漬けが抜群においしくて、これはお酒にも合うけど白いご飯にも合いますね……。
これはお品書きに書いていないけれど、たぶんアサツキの酢味噌。
こごみのごま和え、大好き。もっと山盛り食べれるわ……。
お刺身はイワナ、鯛、ホタルイカ。鯛は湯引きにしてありました。しっかり手がかかっている料理です。
焼き魚。焼きたてではなく、食事が始まったときからテーブルに置いてあったのは少し残念だけどでも、冷めてもおいしいので問題なし。
「鰆の蕗味噌焼き」です。ほろ苦い蕗味噌が、あっさりとした味わいの鰆に合いますね。
蒸し物は「ワラビの卵豆腐」
ワラビ大好きなので、たくさん食べれてうれしい。
台の物は「つなんポークの豚しゃぶ」です。
たっぷりの野菜と、柔らかいつなんポークをしっかり味のついた出汁で煮ていただきます。
豚しゃぶは、牛しゃぶと違って火が通り過ぎて肉が固くなってしまった!とかいうことがないからいいですね。野菜と一緒によく煮ていただきます。
煮物は、新潟の郷土料理「のっぺ」です。
根菜やきのこなどを小さく刻んで、とろみのある煮物にしています。優しい味わい。
天ぷらは(ちょっとタイミングは早めだったけど)揚げたてで持ってきていただきました!
海老、かぼちゃ、雪下にんじん、ふきのとう。
にんじんの甘みが強くて驚きます。
最後にコシヒカリと一緒に出てきたのは「鯉こく」です。
骨はちょっと多いけど、まあ鯉だから仕方ないですね。雑味がなくてすっきりした味わいで、大変おいしい鯉こくでした。
デザートの白ワインゼリーは、妙高のワインを使って手作りしているそう。
けっこうアルコールの風味も残っていて、本格的な味わいでした。
日本酒がすすむ料理で、本当はもう1回利き酒セットを注文したかったです。(もう1度紙をもらってオーダーするのが面倒で、おかわりしなかったのです。頼めばよかった)
朝食はぜんまいの煮物と蕗味噌、南魚沼のおいしいご飯
朝食は朝8時から、新館の1階にある朝食会場でいただきます。
なかなか品数豊富でうれしいですね。
サラダには、このあたりの名物であるにんじんドレッシングをかけていただきます。
ぜんまいと麩の煮物……しみじみおいしい。
定番焼き鮭と大根おろしに、れんこんのきんぴら!
温泉卵にとろろ、焼き海苔とご飯のお供もたくさん揃っているし、なめこの味噌汁もおいしい。
夕食は、料理がたくさん出るのであまり白いご飯が入る余裕がないのですが、朝食ではおいしい魚沼産コシヒカリを中心にいただけるのがうれしいですね。
食後にはコーヒーをいただいて……ごちそうさまでした!
朝食後はもう1度お風呂に入って9時30分にチェックアウト。(送迎車が9時30分出発なので)なごりおしく宿を後にしました。
【再訪したい度】★★★★☆ 山菜料理が大変おいしく、サービスも温かい宿
歴史ある旅館ですがけして「高級旅館」ではなく、接客されているのも「地元のお母さん」という雰囲気の方がほとんどです。
でもそれが、なんというかちょうどいい味があって温かく、個人的にはとても気に入りました。
土曜日に1人で泊まれたら毎年泊まりに来たいのですが……もしかしたら「大地の芸術祭」が始まる前のタイミングなら土曜日1人泊できるかもしれないし……また来年チェックしてみよう。
きっとまた、山菜の季節に泊まりに来たいと思っています。
【1人旅に優しい度】60点:1人でもどの部屋に泊まるかを自由に選べるのがうれしい
泊まりやすさ 10/20
2023年4月までは土曜日も1人泊のプランが出ていたが、現在は1人で泊まれるのは平日のみになってしまった。とは言え日曜や金曜も1人泊可能なので、予約はそこそこしやすい。
食事場所の配慮 10/20
朝も夕も食事処での食事。
食事処は広く、テーブルの間隔も広いので、1人でもそれほど気になることはなさそう。
プランの選択肢 15/20
期間限定のセールプラン、現金決済限定のセールプランなどお得なプランは1人では予約できないが、食事の内容を選んだり、利き酒セット付きなどのプランも1人で予約でき、選択肢は多い。
何よりもこの宿の売りである「どの客室に泊まるか」の選択肢が、1人泊でもしっかり用意されているのがありがたい。
ドリンクオーダー 10/20
地酒の種類が豊富で、利き酒セットがあるので日本酒が好きな人なら1人でも楽しめる。
ビール、ワイン、焼酎などはグラスでの提供がないため、1人でいろいろ楽しむことは難しそう。
フリーWi-Fi完備 15/20
客室内でWi-Fi利用可能。速度も問題なく利用できた。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。