温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

山と温泉のきろく


※当サイトのリンクにはプロモーションが含まれます

「楽な山を歩くことの楽しさ」について語ろうと思う

「どんな山が好きか」と聞かれたら「楽でいい山」と答えます

「どんな山が好きなんですか?」と聞かれることが、たまにあります。

ふむ「どんな山」か……。「どの山」「どの山域」についてはいくつかの答えを用意しているんですが。どんな山、は盲点だったな。そこまでしっかり考えたことがなかったなあ。

ちなみにどの山が好き?と聞かれたなら……ありすぎて悩みますが「金峰山」「月山」「秋田駒ヶ岳」「立山」「木曽駒ヶ岳」「安達太良山」そして「高尾山」など。どの山域?なら「八ヶ岳」ですねやっぱり!

f:id:happydust:20180927013924j:plain

秋田駒ヶ岳山頂直下の阿弥陀池

待てよ「どの山・どの山域」が好きかわかっているのだから、なぜそれらの山が好きなのかを考えれば、それがすなわち「どんな山が好きか」ということになるはずではないかしら?
そこで私は、少し考えてからこう答えるのです。

「楽でいい山が好きです」と。

ところが、そう答えると質問してきた相手に「え?楽な山が好きなの?」と驚かれてしまうことがけっこうあるのですよね。あれ?なんか変なこと言いました?私。

今日は、そんな不思議について書いてみたいと思います。

 「困難を乗り越えることこそすばらしい」という価値観が登山にもあるらしい

にわかには信じがたいのですが、どうやらこの世のどこかに「難しい山、大変な山、困難な山に登ることほどすばらしい」という価値観があるらしいのです。

たとえば「標準コースタイムの半分で歩いた」とか「高尾山にしか登ったことないけど次はいきなり奥穂高岳」とか「百名山を1シーズンで踏破した」*1とか、そんな感じですかね。そういったエピソードが、賞賛を持って迎えられる世界が、この世のどこかにあるようなんですよ!

あとは単純に「同じ山に登るならより長くて険しいルートを選ぶ」とかそういうことでしょうか。

たしかに、職業が「登山家」な方なんかは、難易度が高いルートをより厳しい条件で踏破することでスポンサーが付きやすくなる、ということもあるでしょう。また、一般の登山者であっても「同じ山に登るならこの前より難しいルートで登ってみたい」という気持ちは、私にもわかります。だからと言って簡単なルートが「つまらない道」などと軽視されて良いということではありませんが……。

f:id:happydust:20180927020516j:plain

あとは「より重い荷物を担いだほうが」とかもあるのかな

「より大きな困難を伴う登山が好き」なことは、それはそれでその人の価値観ですし、そういうのもありだろうとは思うのですが。

でも、もしもその人が登山を始めたときからずっと、その価値観一辺倒でやってきて、楽な山の楽しさを知らないとしたらなんてもったいことでしょう!と。

なのでここからは、私がなぜ「楽でいい山」が好きなのか。
そもそも「楽な山」とはどういう点で楽なのか?何がどうだったら「いい山」なのかについて、解説していきたいと思います。

楽な山を歩くことのすばらしさって?

実は「こういうテーマの記事を書きたいな」と思いついたのは今年のお盆休み。涸沢でテント泊して北穂高岳に登るために、上高地から横尾に向かう平坦な道を歩いているときのことでした。

実は私、この平坦な道を歩くのがかなり好きでして。天気がいまいちで山の上のほうに登れないときに、上高地から徳澤まで歩いて、トーストを食べて帰ってきたり……ということも何度かやったことがあります。

f:id:happydust:20180927224309j:plain

でも「この道が苦手」という話もよく聞くのですよね。だらだら長くて、歩いていて飽きる、と。

うん、長くて飽きるというのもたしかにわかるのです。ではなぜ、私はこの道を歩くことが好きなのかなあ。その理由は、私が楽な山が好きなことの理由につながってくるような気がしました。

美しい自然をすぐ側に感じながら、自分自身と向き合うことができる

きついルートや危険なルートを歩いているときって、ひたすらに目の前の道のりと真正面から向き合わなければなりません。考え事なんかしていたら危険ですし、おそらく困難なルートを乗り越えることが好きな人はそういう「自分と山との真剣勝負」みたいな時間が好きなんだろうなと思います。

f:id:happydust:20180927230011j:plain

ですが、楽な山、楽な道では他のことを考える余裕があります。もちろん、考え事に気を取られすぎるのは危険ですが、危険の少ない道では、頭の中の3~4割ぐらいでふんわりと、山以外のことを考えているように思うのですよね。上高地~横尾までの道だったら、6割ぐらいは別のことを考えていても大丈夫です。

足の筋肉を動かすことで脳の動きが活発になる、という研究結果があると聞いたことがありますが、実際に、山を歩いているときっていいアイディアが浮かぶことが多いと思うのです。

平日のあいだずっと頭を悩ませていた仕事や人間関係の悩みについての突破口が見つかったり、ブログで書きたい内容や記事の切り口についてのアイディアが浮かぶこともあります。おそらく、目や耳や肌で感じている自然からの刺激が、思考にもいい影響を及ぼしてくれているのではないかなと思うのですが。

どうも私は、山をすぐ側に感じながら、自分自身と向き合うことが好きで登山をしているところがあるようなのです。自分自身と純粋に向き合うための手助けを、山がしてくれるとでもいいますか……。

だから私は、楽な山を歩くことが好きなんです。おそらくそれが1番大きな理由だと思います。

楽な山ってどんな山?

「楽な山」と言ってもいろいろとパターンがありまして……。
上高地から横尾までのような平坦な道も、もちろん楽ではありますが、平坦な道ばかりだったらそもそも山じゃないですしね・笑

標高差はそれなりにあってきつい登りも通過しなければならないけれど、それでも「楽な山」というのはあります。実例をあげつつ、どんな山が私にとっての「楽な山」なのかをご紹介したいと思います。

ルートの難易度的に無理がなくて楽

まず、今の自分の体力・持久力・技術と比較して考えたときに、無理のない難易度の山であることは最も重要です。

おそらく、登山を始めて間もない人であれば「楽に登れる山なんてあるの?」「八ヶ岳が楽だってそんなバカな!」と思うこともあるでしょう。

私も、最初に高尾山に登ったときは上りだけで足がつらくなり、下りはリフトを使いました。

f:id:happydust:20180928012857j:plain

そして翌日は盛大に筋肉痛になりましたね。。。

でも、続けていくうちに体力も持久力もついてきますから、続ければ続けただけ「楽な山」は増えていくと思うのです。

登山口が高いところにあって楽:立山・木曽駒ヶ岳など

夏の間は特にですが、標高が低いところから登り始めるのって、暑くてしんどいのですよね。

その点、標高2450メートルの室堂平から歩ける立山、標高2612メートルの千畳敷から歩ける木曽駒ヶ岳、標高2702メートルの畳平から歩き始められる乗鞍岳などは、楽な山の代表選手と言ってもいいのではないでしょうか。

f:id:happydust:20180928193310j:plain

気温の高い夏以外の季節であっても、高いところから歩き始められるということは大して歩かずにいきなり、高山らしい美しい光景を眺められるということで。

f:id:happydust:20180928193815j:plain

乗鞍畳平周辺にある鶴ヶ池

高山病や、急な気象・気温の変化には気を配らなければなりませんが、標高の高いところから登れる山は、やはり楽です。

登山口までの行き帰りが楽:高尾山・八ヶ岳・那須岳など

東京在住で公共交通機関を利用して登山をしている私にとって、距離的に近い山が必ずしも「行き帰りが楽な山」とは言えず、登山口までのバスの本数が多いかどうかが重要になってきます。
1日2往復しか登山口までのバスが運行していなかったり、何度もバスを乗り継いで行かなければならない山は「何時までには絶対下山しなきゃ!」と登山中も時間が気になってしまうので「楽な山」とは言いがたいのですよね。
そういう意味では「近場の無名な低山」よりも「少し距離があるけど有名な山」のほうが行くのが楽だったりします。

たとえば、最寄りの駅から徒歩で登山口まで行ける高尾山や、年間を通じて登山口までそこそこの本数バスが運行している八ヶ岳や那須岳は「行き帰りが楽」な山だなと思います。

f:id:happydust:20180928014758j:plain

八ヶ岳の登山口行きのバスが出る茅野までなら、あずさを予約できなくても早朝に出発すれば各駅停車でも行けますし、行きたいと思ったらすぐ行ける気楽さは、その山が「楽」と思える大きなポイントです。
私は公共交通機関利用ですが、車移動の方にとっても「帰り道に渋滞しにくい」など「楽に行き帰りできる山」ってあるのではないかなと思います。

山小屋がたくさんあって楽:八ヶ岳、立山

八ヶ岳は本当に山小屋が多い上にどの小屋もサービスが良く、しかもありがたいことに約半数の山小屋が通年で営業しています。本当にありがたい……八ヶ岳の山小屋がなかったら、私はこれまで登山を続けられたかわからない……とすら思ったりして。

このブログにも、八ヶ岳の山小屋に関する記事をいくつも書いています。

どの山小屋も大好きで、毎年泊まりたいぐらいなのですが、山を楽に歩くための山小屋の価値というのは「ルートの途中で宿泊して休める」ことだけではなく

・管理された水場やトイレを使えて健康管理しやすい
・小屋で昼食をいただく計画にすれば荷物を減らして楽に歩ける
・ルート上に必ず人がいるという精神的な安心感

など、計り知れません。特に、トイレの問題は女子にとって大きいですからね……。八ヶ岳を歩いているときは「次のトイレまであと6時間……orz」などと考えることなく、そのぶんのびのびと山と向き合えるような気がします。

f:id:happydust:20180928021748j:plain

登山中の食事も、自分で調理道具と材料を担いで現地で料理することを考えると、山小屋の食堂を利用できれば行程や体力にかなり余裕が出ます。*2山小屋を便利に使えば、登山が何倍も楽になると思うのです。

水が豊富で楽

登山の荷物の中で最も重いのは間違いなく「水」です。
たとえばテントなら最近は、ソロ用で1.5kg以下のものも珍しくありませんが、夏山で6時間以上の行程を歩くなら水は少なくとも2L(=2kg)は持たなければなりません。真夏で、途中に補給できるポイントがないなら+1Lの予備を持ちますし、さらに調理をするならそれ用にも水が必要です。

なので私が「この山は楽でいいな」と思う山は、ルート上に煮沸の必要がない水場があることが多いです。

f:id:happydust:20180928171651j:plain

燕岳に向かう稜線上にある燕山荘

稜線上の山小屋は水に乏しいことも多いですが、常念山脈の燕岳、常念岳、蝶ヶ岳などは、稜線の山小屋にもかかわらず水を補給できるので(宿泊者以外は有料のことが多いですが)縦走の際も荷物を減らすことができます。

常念山脈の縦走路は危険なポイントもあまりないですし、比較的楽に縦走できるおすすめのルートです。

私も、登山を始めて2年目の夏に縦走しました。

テント場が広くて平らで楽:立山

山小屋に泊まるのは好きなんですが、混雑する時期に「1つの布団に2人以上」で泊まるのは避けたく……それもあって雪のない時期の週末の登山ではテント泊をすることが多いです。

しかし、テントなら常に安眠できるスペースが確保されているかと言えばそうではなく、混雑するタイミングで人気のテント場に幕営しようとすると、平らで寝やすい場所を探すのはなかなか大変です。

f:id:happydust:20180928181006j:plain

紅葉時期の週末の鳳凰小屋はすごかった…

もちろん、なるべく早く小屋に着いたほうが良い場所に張れるので、混雑するテント場に設営予定のときは、道中気が急いてしまって何かに追い立てられるように歩いてしまうこともあります。そうなるととても「楽な山」とは言いがたくなってしまうわけで。

ですが、たとえば立山の雷鳥沢キャンプ場のような、広く平らなキャンプ場であれば、ゆったりと自分の都合に合わせて到着することができるので、山行自体がとても楽になります。

f:id:happydust:20180928182645j:plain

私が考える「楽な山」の条件はだいたいこんなような感じです。

いい山ってどんな山?

楽ならなんでもいいというわけではもちろんなく「楽」かつ「いい」山が最高です!

せっかくなので、私の考える「いい山」の条件をご紹介したいと思います。

温泉がいい山:立山・安達太良山・那須岳・秋田駒ヶ岳

温泉ブログを運営している私ですから、もちろんいい温泉が近くにある山が最高です。

立山や安達太良山、那須岳などは、山中の山小屋で温泉に入れるのでなおさら素晴らしい……。

また、山中で入れるというわけではありませんが、秋田駒ヶ岳という山も、山麓には乳頭温泉を始めとしたすばらしい温泉が点在していて、控えめに言っても大好きです!

f:id:happydust:20180928192012j:plain

実は、本ブログのプロフィールにも 「どんな山が好きかと言われれば楽で温泉がいい山が好き」と書いています。

山麓の温泉宿に前後泊して日帰りで楽な山に登る旅とか、最高ですね!

景色がいい山:木曽駒ヶ岳・霧ヶ峰など

景色がすばらしい山は多すぎて、もはや「どこの山が特にすばらしい」とか言いにくいぐらいなのですが……。

その中でもやはり、登山を始めて間もないころに登った木曽駒ヶ岳の、ロープウェイを下りたらすぐ、目の前に広がる千畳敷の美しさ……。

f:id:happydust:20180928201842j:plain

そしてやはり、歩き始めた瞬間からいきなり大パノラマな霧ヶ峰。

f:id:happydust:20180928213937j:plain

どちらも登山口に立った瞬間から感動的な景色が広がっている、すばらしい山です。しかも、楽なのです。毎年登りたいですね~。

雰囲気がいい山:月山・秋田駒ヶ岳

景色がいいのと雰囲気がいいのはどう違うの?と思われるかもしれませんが、なんとなく神聖な雰囲気が漂っていて、別世界に迷い込んだかのような感覚を味わわせてくれる山は「雰囲気がよくていいな」と思います。

中でもお気に入りは「ムーミン谷」と呼ばれる、緩やかな谷間にチングルマが咲き乱れる秋田駒ヶ岳。

f:id:happydust:20180928215440j:plain

あまり歩く人も多くなく静かなのですが、恐ろしいほどにチングルマが咲き乱れています。

f:id:happydust:20180928201852j:plain

まさに別世界です。

それから、私の名前の由来にもなっている故郷の山「月山」も、山岳信仰の場として有名なだけあって、独特の雰囲気があります。

f:id:happydust:20180928215422j:plain

真夏でも残雪が残り、こんな風にすっきり晴れた日も美しいですけれど、少し霧がかかった日もそれはそれで神秘的です。

しかもメジャーな登山ルートはしっかりと整備され、コースタイムも日帰りで無理なく登れる長さなのがすばらしいです。

山小屋がいい山:八ヶ岳・金峰山

登山を楽にしてくれるだけでなく、新たな喜びや楽しみを与えてくれる山小屋もあります。

私は「好きな山を一つだけあげよ」と言われると、奥秩父の金峰山をあげることが多いのですが、金峰山の楽しみの半分は、金峰山小屋の楽しみだよなと思ったりします。

私が登山を始めたばかりの頃は、金峰山は公共交通機関利用では日帰りで登ることが難しい山でした。それで金峰山小屋に泊まって登ったのですが、本当に素敵な山小屋で、かなり気に入ってしまいまして。

実は、数年前から雪のない季節には最短ルートの大弛峠までバスが運行するようになったので、今は金峰山小屋に泊まらなくても金峰山に登ることはできるのです。それでも「金峰山小屋に泊まらないなら金峰山に登らなくていいや」と思ってしまうぐらい、私はこの山小屋が好きです。

何が好きかと考えると……やはり、グラスワイン付きのおいしい食事だったり。

f:id:happydust:20180928221309j:plain

あとは、泊まらなくては眺めることが難しい、山頂からのすばらしい日の出だったり。

f:id:happydust:20180928221336j:plain

寝具がふかふかで、トイレがきれいで、小屋の中が暖かいところもすばらしいですね。小屋の規模もちょうどいいなと思います。ああ!また泊まりたくなってきた。

天気がいい山:八ヶ岳・金峰山

あれ?「天気がいい山」と「山小屋がいい山」が、共に八ヶ岳と金峰山でまったく同じですね・笑

好きで、しょっちゅう行っているからそう思うのかもしれませんが、八ヶ岳と金峰山に行くときは晴れることが多いんですよね。
北アルプスや上信越の山と比べると、天気が読みやすいというのもあるかもしれません。

f:id:happydust:20180928222341j:plain

写真は、今年の5月に登った際の赤岳。

雲一つない稜線を歩けたり、予報ではあまり良くなかったのに思いがけず晴天に恵まれたりすると「この山いい山だなあ」と思ってしまいます。

混んでなくていい山:東北の山

北アルプスや南アルプス、上信越など関東から行きやすい山と比べると、やはり東北の山は空いているなと思うことが多いです。

連休のときなんかは別ですが、通常の週末の混み具合は、北アルプスの半分以下じゃないかなと。やはり、行き帰りに時間がかかるから、なるべく連休を狙って行きたいと思う人が多いんでしょうね。

f:id:happydust:20180928224537j:plain

写真は、ニッコウキスゲが咲き乱れる鳥海山。

f:id:happydust:20180928224633j:plain

鳥海湖も美しかった……。

また、青森県の岩木山に登ったときも、週末の登山だったにもかかわらず、山頂ではしばらく1人きりになりました。

f:id:happydust:20180928225112j:plain

セルフタイマーで記念写真を撮ったことを覚えています。

東北の山は、飯豊連峰や朝日連峰を覗けばコースタイムがそれほど長くない山が多く、片道夜行バスを利用すれば週末を利用して登れる山が実は多いのです。

それでいて空いているので、東北の山最高だよなって思います。

混んでいてもいい山:高尾山・立山

こんな記事を書いているぐらい、混んでいる山が嫌いな私ですが……。

そんな私ですが「この山は混んでても別にいいや」と思える山があって、それが立山と高尾山です。

立山は、テント場を始めとにかく広いので、人が多くてもあまり気にならないのかもしれないなあと思います。むしろ「こんな人が多いところに雷鳥が!」とか「こんなに人がわらわらいるところに黒百合が咲いてる!」とか、逆に感動してしまいます。

f:id:happydust:20180928225748j:plain

遊歩道のすぐそばに、めちゃめちゃ群生してるんですよね。。。

高尾山もそれと近くて、やはり「こんなに身近なのに、こんなに美しい」ことに感動できると言いますか。

f:id:happydust:20180928225811j:plain

もう、紅葉時期なんてどこの山に行っても激混みなんだから、それなら高尾山でいいじゃないか、と思ったりしますね。

登山口周辺に、おいしいお蕎麦屋さんがたくさんあるのもポイント高いです。

下山後の楽しみが多くていい山:立山・木曽駒ヶ岳

下山後のお楽しみは温泉だけではなく、その土地のおいしいものやお酒をいただくのも大きな喜びなわけですが。

立山だったら富山に立ち寄って、お寿司をいただいたり。

北陸新幹線が開通してから、立山からはほぼ毎回、富山経由で帰るようになりました。

それから案外知られていない気がするのですけど、木曽駒ヶ岳の山麓の駒ヶ根あたりも、おいしいお店が多いのですよね。
一番のお気に入りは、南信州ビールの直営レストランです。

それからソースかつ丼の有名店が2店あり、どちらもおいしかったです。

楽に歩けるのに景色もすばらしい立山と木曽駒ヶ岳に登った後に、おいしいお酒や食事までいただけるとなれば、もはや「行かない理由がないよね」と思ってしまいます。

それでは、難しい山を歩くことに意味はないのか

ここまで「楽でいい山」の魅力を書き連ねてきましたが、それでは「困難が伴うであろう、難しい山」に登る意味はないのでしょうか?

たとえば、最も最近このブログにアップした山旅のきろくは西穂高岳登山の記事です。

西穂高岳は、穂高連峰の中でも険しい山だと言われていますし、実際私には大変な山でした。

「楽でいい山」が好きなはずなのに、なぜ私は西穂高岳に登ったのでしょうか……ね……?

やり遂げた達成感がある

楽な山を予定通りに登り終えたことに対しても一定の達成感はあります。ですが、ときに「この岩、どうやって登ったらいいの?」「登るのはまだいいけど、帰り下りれる?」と思うようなポイントがある山を無事に登頂して下山できたときは

「やった!私にも登れた!」

という大きな達成感を得られることは間違いありません。

f:id:happydust:20180928231845j:plain

また、以前飯豊連峰をテント泊で縦走したときも、山小屋は避難小屋ばかりで食事や食料の補給も期待できないし、全行程の食料とお酒をすべて担いで長い長い道のりを歩くということで、かなりビビリながら計画を立てたのですが……。

f:id:happydust:20180928232350j:plain

やはり、長丁場で体力的につらい部分はあったものの、予定通りに行程を終えられたときは、がんばった自分を褒めてあげたい気持ちになりました。この大きな達成感は、大変な山を登ったからこそ得られるものなのかもしれないなあと思うのです。

難しい山を歩くことで、楽に歩ける山が増える

「楽な山とはどんな山か」の最初のところでも述べましたが、自分の今の実力に見合った山でなければ、楽に歩くことは難しいと思います。それでは「自分の実力」を伸ばしていくためにはどうすればいいのでしょうか?

今の自分が無理なく登れる山を繰り返し登ることでも、ある程度の成長は見込めると思います。ですが「自分のレベルより少しだけ高い山」に、十分に準備をした上で挑むことで、より大きくステップアップできることもまた、間違いないだろうなと思うのです。

現に、1年前に西穂に登っていたことで、今年北穂を登ったときは「あれに比べれば楽だな」と思い、落ち着いて登ることができたように思います。

ときには「難しいかも」と思う山にも挑んでいき「無理なく登れる山」がいつの間にか増えていく。

去年は高尾山に登るだけで筋肉痛になっていた私が、今年は、それほど疲労感を覚えることなく八ヶ岳に登っている。

そうやって「楽に登れる山」が増えていくことは、登山を続けていく大きな喜びで。
私自身「ああ、この山は楽でいい山だな」と思う度に、これまで歩いてきた長い道のりを思い出して、誇らしいような気分になります。

だから、楽な山を歩くことは楽しいのです。

*1:グレートトラバースをdisっているわけではないです

*2:アルコールは「今日はもう歩かない!」というタイミングまで控えたほうがいいと思いますが