温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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来年からテント泊を始めたい人が、秋から冬にかけてどんな準備をしていけばいいかを時系列でまとめた

私自身は、登山を始めてから約1年後が初テント泊でした

2018年の夏山シーズンも、終わってしまいましたね。
現在は紅葉が色づき始めたころですが、それが終わると11月下旬ごろには山は静けさを取り戻していくことでしょう。

しかし、今年に入ってから山の魅力に取りつかれて山小屋泊も何度か経験し、まだまだ山への情熱が右肩上がりに盛り上がっている方はこう思っているのではないかなと。

「冬が来たからしばらく登山を休むだなんてとんでもない!」

そして、こうも思っているのではないでしょうか。

「できれば来年から、テント泊を始めたい」と。

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私自身、登山を始めた最初の年の秋に、そう思っていました。

宿泊した山小屋で夜、星を眺めるために外に出たときに、ライトの灯りで内側から光る色とりどりのテントを見て。

「今はまだテントも持っていないけど、来年はきっと、テント泊をしたい」と。

でも、これから冬が来て、今年登山を始めた私に登れる山はどんどん限られてくるのに。来年、山から雪が消える4月ごろからテント泊をするために、これから半年間で何を買って、どんな登山を、あるいはトレーニングをして準備をしていけばいいのでしょうか?

私自身悩み、いろいろと試行錯誤しましたが翌年にはなんとかテント泊を始めることができましたので、自身の経験を振り返りつつ、時系列でまとめてみたいと思います。

テント泊をするためには「道具の準備」と「技術・体力的な準備」が必要

当たり前のようにテント泊をしている方にとっては「テント泊をするための準備って、そんなに気負うほどのことじゃないでしょう」と思われるかもしれません。

しかし、身近に教えてくれる経験者がいたわけでもなく、山岳会などの団体に属することも性格的に向いておらず、女1人でコツコツと半年間登り続けていた私にとって「1人でテント泊を始める」ことは、それこそとんでもなく高い山に思えました。

まず、心配だったのは「道具は何を揃えたらいいの?」ということ。
それから「揃えた道具を背負ってちゃんと歩けるの?」ということです。

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初めて買ったテント泊用ザックはグレゴリーDEVA

あとは「屋外で調理できるかな?」とか「テントで寝つけるかな」とか、細かいこともいろいろあるとは思いますが、大きな心配事はその2つだと思います。

ここから先は「10月現在、山小屋泊までは経験がある人」が、来年の春までに何を揃えて、どんな知識を身につけ、山行を重ねていけばいいのかを書いていきます。

私自身が東京在住なため、例としてあげる山は関東近郊の山に偏ってしまいますが、別の地域にお住まいの方は「この時期はどんな山を選ぶか」の内容を元に地元の山を選んでいただけたらと思います。

また「この月にこれを買ったほうがいい」というおすすめ商品についても、この記事の中では「私が愛用しているアイテムの紹介」にとどまっています。
「さまざまなシュラフの中からどれを選ぶのが良いか」というような、選び方のコツについてもしっかり解説したい思いはあったのですが、それはまた別の記事で書くかもしれません。今回の商品紹介は、ご参考までという感じで受けとめていただけたらと思います。

10月:紅葉登山をしながら屋外での調理に慣れる

10月は、紅葉登山まっさかりの季節です。

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この時期の山は美しいですが、とにかく混みます。
平日休みを取れる人なら山小屋泊もいいですが、週末は、どこの山小屋も激混みなので正直なところ小屋泊は避けたい季節です。

「テントを持っていれば早めに場所を確保すれば快適に泊まれるはずなのに……」と、テント泊への憧れがいっそう増す時期でもありますが、グッとこらえて、この時期は日帰り登山を楽しむのが良いと思います。

ただし、ただ日帰り登山をするのではなく「食材と調理用の水を担いで、休憩中に調理をしてみる」ことが、10月のチャレンジです。

10月に購入するもの:バーナーとコッヘル、プラティパス

既に山小屋泊を経験している人であれば、バーナーとコッヘルは既にお持ちの方も多いかもしれません。
ですがこれまで「食事もお湯も山小屋任せ」だった方は、この機にバーナーとコッヘルを購入して、野外で調理をすることに慣れておくのが良いと思います。

なぜならこれ以降の季節、外はどんどん寒くなり、ゆっくり野外で調理をしていられるような気温ではなくなってしまうからです。

バーナーでおすすめはこちら。

低温高所でも着火しやすく、火力も強いです。専用の4本ゴトクがないとかなり不便なので、セットで購入したほうが良いと思います。

また、クッカー(コッヘル)は、個人的に大好きなギアで、アホみたいに大量に持っているのですが……これまで使ってきた中で、最初の1個にふさわしいだろうと思うのが、ユニフレームの角形クッカーセットです。

フライパンも付いており、これが焦げつきも少なく非常に便利!それから、水筒やカップに湧かしたお湯を移す際も、角形だと角を利用できるのでスムーズに移せます。

それから、これまでペットボトルなどで代用されていた方も、テント泊をするのであれば水を持ち運ぶ際にプラティパスがあったほうがいいでしょう。

水が少なくなったらその分ぺたんこになって容積が減るので、荷物が多いテント泊登山ではプラティパスは必携だなと個人的には思っています。

10月のお勧め山:瑞牆山・赤城山・御前山

日帰りできてそこそこ強度もある山で、ただし調理の時間も必要だからコースタイムは4~5時間ぐらいが目安でしょうか。

まだこの時期は、高山以外は雪の心配もほぼないので、行きやすい場所でいいだろうとは思いますが、公共交通機関利用の私としては、おすすめは「瑞牆山」「赤城山」「御前山」あたりでしょうか。

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瑞牆山は、山頂は狭いので調理には向かないですけど、山頂の岩からちょっとだけ下がった斜面では、昼食を作っている人もよく見かけますね。

あとは、自家用車で来て早朝出発できるなら、富士見平小屋まで下りてきて昼食休憩を取れば、水場もすぐそこだし便が良いと思います。

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赤城山は、私自身は11月に登っているのですけど「10月に来ていればもっときれいだっただろうなあ」と思ったので、おすすめしました。

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赤城山登山口付近にある大沼

あとは、奥多摩の御前山なんかも、バスの便が良いし、昼食休憩を取りやすい広い場所があるので良いかなと思います。

10月のおすすめ参考書籍:シェルパ齋藤のワンバーナークッキング

いきなり「野外で調理してみなよ」って言われても何を作ればいいの?と思う方も多いと思うのですが……。

棒ラーメンとか、アルファ米を戻してレトルトのカレーをかける、とか、パスタを茹でてレトルトのソースで和える、とかで良いと思うのです。私もそんなもんです。

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これは、レトルトのソースだと具材が少なくて寂しいので、玉ねぎとベーコンを足していますね。あとは粉チーズ。このぐらいのちょい足しで十分ごちそうです!

でも「もうちょっと何か作りたい」「屋外調理のいろはを知りたい」という方にはこちらの本がおすすめです。

この本の何がすばらしいかと言うと「スーパーやコンビニで買える常温保存可能な食材」のみを使ったレシピを掲載していることです。

山に凍らせた生肉を持っていって鍋をしている方もよく見かけるのですが、あれ、けっこう大変そうだし1人で行くのにそこまでしなくていいや……と私なんかは思ってしまうのですよね。鮮度も心配ですしね。。。
この本は、特別な食材も使わず、どこでも手に入る缶詰などを活用して、10分以内の短時間で作れるレシピを紹介しているところがとても素敵です。

そのため、見た目に美しい豪華な料理にはなりませんが、私は「この本に載ってくるぐらい作れたら十分だよなあ」と思っています。

11月:まだ営業している奥秩父の山小屋に自炊で泊まってみる

11月は、低山ではまだ紅葉が楽しめるものの、徐々に山から人が少なくなり、静かになっていく季節です。

実は、私自身は紅葉まっさかりの10月よりも11月の山のほうが好きだったりします。混んでる山が苦手なので……。 

この時期には、アルプスや八ヶ岳の山小屋は、通年営業のところを覗いて冬期休業に入ってしまいますが、奥秩父や丹沢の山小屋はまだ営業を続けています。

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甲武信岳の山頂直下の山小屋、甲武信小屋

甲武信岳や金峰山、雲取山などは比較的長い登山道を歩く、強度高めの山だと思います。個人的にはどれも、日帰りでは登りたくない山です。

そんな強度高めの山に小屋泊で登りますが、これまでと違うのは食材を担いでいって素泊まりすること。いつもより重い荷物を担いで、長い距離を歩く練習をするのです。

11月に購入するもの:チェーンスパイク

既に調理をするための道具は揃っているので、今回は購入する必要はありません。
ですが、11月になると早朝は登山道の凍結もありますし、2000メートル以下の山であってもうっすらと雪が積もることもあります。ここでチェーンスパイクを購入しておくと、今後もさまざまなタイミングで使えるので、ぜひ揃えておきましょう。

お勧めはモンベルのチェーンスパイク。

靴のサイズによってスパイクにもサイズがありますので注意が必要です。
そして、なぜか今、モンベルのチェーンスパイクは品薄なんですね……商品入れ替えの時期なんでしょうか。在庫がないところが多いですね。

モンベル以外だと、山仲間の間ではカンプのアイスマスターの評判がいいです。

11月のお勧め山:甲武信岳・雲取山・金峰山・大菩薩嶺

11月中も山小屋が営業しており、ルート長めで日帰りでは登りにくいところということで選びました。大菩薩嶺に関しては、上日川峠までバスで行ってしまうと日帰りで簡単に登れてしまうので、下にある「裂石」という登山口から登ると良いと思います。
「大菩薩峠登山口」というバス停まで、塩山駅からバスも運行しています。

また、雲取山の山小屋は、11月中旬ぐらいまでの週末は紅葉登山でめちゃくちゃ混むので、泊まるなら下旬以降のほうが良いですね。

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私の大好きな山小屋である金峰山小屋も、例年11月の、勤労感謝の日ぐらいまで営業していることが多いのですが、金峰山小屋は食事が大変おいしい宿なので、自炊で泊まるとなんか悔しい思いをしそうでもあります。。。

甲武信岳の甲武信小屋も、11月下旬ぐらいまで営業していますが、こちらは夕食はカレーなので、自炊にしてもそこまで悔しくならないかもしれません・笑

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ただ、甲武信小屋のカレーは、個人的にはめちゃめちゃおいしいと思いますけどね!

甲武信小屋から山頂まで10分ほどで行けますし、日の出も日の入りもクリーンに見えることの多い山だと思います。

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西沢渓谷から徳ちゃん新道を往復するのは、強度もかなりあってトレーニングになりますし、甲武信小屋がこの時期登るなら一番おすすめかもしれません。雲取と大菩薩は、山小屋は通年営業しているからもうちょっと先の季節でも泊まれますからね。

12月:シュラフを購入し、避難小屋泊で寒さに耐える

さて、ここまでは通常の日帰り・小屋泊登山の荷物にクッカー&バーナーと食材をプラスしただけでしたが、ここからいよいよ、大物が入ってきます!

「シュラフ」と「マット」です。ここまで揃えば営業小屋ではなく、管理人のいない「避難小屋」に泊まることができるようになります。

アルプスや八ヶ岳はすっかり雪の中ですが、奥多摩の山ならまだ雪は、降ってもそれほど積もらないことが多い季節です。*1通常の年ならまだ、チェーンスパイクがあれば十分対応できる積雪量のはず。

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今回購入するシュラフとマット、そしてそれにプラスして食材やクッカーを担げれば、あとは足りないのはテントだけです!

テント本体は、春になって雪が消えてから買っても遅くありませんので、まずはこの月に揃えた道具を担いで、避難小屋泊をしてみましょう!

12月に購入するもの:シュラフ(シュラフカバー)・マット・大型ザック

さて、この月は買うものがたくさんありますよ!
私は、登山を始めた年のボーナスはどどんと山道具に突っ込んでしまいましたが、後悔はしていません。

まずはシュラフ。私が愛用しているのはモンベルのシュラフです。現在は、より気温が低いところでも使用できる「#1」というモデルも持っていますが、最初に買ったのはリミット温度-2度の「#3」というモデルでした。

最初のシュラフ、かつ12月に避難小屋泊をすることを考えると「#3」よりはもう一つ暖かい「#2」のモデルを購入したほうが良い気もしますが……。
そのあたりは、今後の登山計画と照らし合わせつつ検討する必要があります。夏に、わりと低めのテント場に泊まるときは2番だとたぶん暑いので。薄めのシュラフを購入した場合は、この時期は着る物を増やして対応することになりますね。

それから、モンベルのシュラフはシュラフカバーが別途必要です。避難小屋泊の場合は必須ではありませんが、テント泊の際は結露もあるため、シュラフカバーをかけたほうが断然いいです。

シュラフカバーを使ったほうが暖かいですしね。
また、ナンガから出ている、シュラフ自体に撥水効果があってシュラフカバー不要のシュラフも人気があります。

シュラフカバーがいらないぶん、シュラフの重量は増しますが、このあたりは好みの問題でしょうか。私はなんとなく、カバーとシュラフ、別々のほうが好きなんですけどね。*2

シュラフに関しては、最初に購入したモンベルのものをずっと使い続けているのですが、マットはいろいろと変遷がありまして……。
現在は、ニーモのゾアというマットを使っています。

また、テント泊用の大型ザックは最初に購入したのはグレゴリーのディバで、その後オスプレーを使っていた時期も長かったのですが、今年からまた、ディバを使い始めました。

非常に多機能なザックですが、昔使っていたときと比べて新しいモデルは重量も軽くなり、さらに使いやすくなったように思います。

12月のお勧め山:雲取山・鷹巣山

実は、このようにお勧めしておきながら申し訳ないのですが、私自身は管理人が常駐していない避難小屋には宿泊したことがありません。女1人で登っているので「もし自分以外の宿泊者が全員男性だったら」と思うと、正直こわいのです。

でも、そんな私でも「ここなら自分以外に女が誰もいないってことは絶対ないな」と思う避難小屋が1つあります。雲取山の山頂避難小屋です。

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山頂のすぐ側に建っているため非常に人気があり、常に多くの人が泊まっている避難小屋です。側にあるトイレもきちんと整備されていますが、周辺に水場はないので、奥多摩小屋(解体後は水場は維持されるのでしょうか……心配)などの近隣の水場で汲んで来る必要がありますね。

ちなみに、去年の12月に雲取山に行ったとき、山頂避難小屋の周辺はこんな感じでした。

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チェーンスパイクがあれば十分な積雪状況ですよね。

そんなわけで、私自身はこの時期の避難小屋泊は経験していないのですが、もし私が女1人ではなく、誰かと一緒に登っていたのであれば、この時期は避難小屋泊を経験しておくべきだったなあと思っているので、書いてみました。

1月:丹沢の通年営業の山小屋に自炊で泊まってみる

1月になると奥多摩にも雪が増えてきますが、この時期でもそこまで雪が積もらない山域があります。神奈川県の丹沢です。

丹沢は、暖かい時期はヒルが出るということもあり、私は12月~3月の時期しか登ったことがありません。ありがたいことに丹沢主脈にある多くの山小屋は通年で営業しているので、冬は山小屋に1泊して主脈縦走路を歩くのが定番になっています。

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ある年の1月下旬の丹沢主脈縦走路。
塔ノ岳から丹沢山に向かう途中の道です。雪の量はだいたいいつもこのぐらいですが、ごくたまにドカ雪が降ることもありますので、天気予報をチェックしてそういう時期は避けたほうがいいでしょうね。

営業小屋なので食事も布団も提供してもらえますが、食事についてはあえて素泊まりにして、荷物をたくさん担ぎましょう!

1月に購入するもの:アイゼン(6本爪軽アイゼンでも可)

1月になるとそこそこ雪も積もってきますし、新雪が降った直後はチェーンスパイクは効きづらいので、このタイミングでアイゼンを購入したほうがいいと思います。

私の愛用しているアイゼンはこちらです。

軽量コンパクトなストラップタイプのアイゼンです。付ける靴を選ばないので、今後、本格的に雪山登山を始めるべく、冬用登山靴を購入したとしても継続して使えるのが良いです。

また、本記事でご紹介している山は、実は6本爪の軽アイゼンでも無理なく登れる山です。実は私自身、登山を始めて1年目は軽アイゼンしか持っていなかったので、ここで紹介している山のすべてに、チェーンスパイクとエバニューの6本爪アイゼンで登っています。

軽アイゼンのほうが値段も安いですし、まずは軽アイゼンを買うという選択肢もあることはあります。
ただ、10本爪以上のアイゼンを買うと、軽アイゼンってまったく使わなくなってしまうので……予算に余裕があって、今後も雪山に登る可能性があるなら、最初からコンタクトストラップを買ったほうが良いと思います。

1月のお勧め山:塔ノ岳・蛭ヶ岳・大菩薩嶺

この時期のおすすめナンバーワンは、塔ノ岳!

山頂にある山小屋「尊仏山荘」に泊まって、翌日蛭ヶ岳まで縦走して青根に下りるのが私の定番ルートです。

塔ノ岳の何がすばらしいって、日の出も日の入りも、小屋の目の前でクリアに見えること。

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日を選べば、富士山の山頂に日が沈む「ダイヤモンド富士」も見られるそうですが、そんな日は混雑するので、もちろん私は行きません。

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日の出も美しい……。
それに、尊仏山荘から10分ほど歩けば冬でも出ている水場があるので、自炊でもそこまでたくさん水を担がなくていいのも良いです。
あとは、尊物山荘は食事にそこまでこだわっている小屋ではないので、自炊を選んでも後悔しにくいところがいいですね・笑
隣の丹沢山にあるみやま山荘は、食事がおいしい宿として有名なので、みやま山荘に泊まるなら小屋でご飯食べたい!って思ってしまうのです。

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みやま山荘の冬の夕食は焼肉

あとは、主脈の反対側から登って蛭ヶ岳山荘に宿泊したり、大菩薩嶺の山小屋もまだ営業しているので、そちらに泊まるのもいいと思います。 

2月:低山でトレーニング登山して体力をキープ

2月は、最も大雪になりやすい時期ですので、雪山に慣れていないうちは小屋泊もやめておいたほうがいいかもしれません。夜の間にドカッと雪が積もって、山の様子が急に変わってしまうこともあるからです。

ただ、だからと言ってまったく登らないでいると体力が落ちてしまうので、この時期は日帰りで登れる低山ハイクがおすすめです。

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体力もそうですが、ずっと登らないでいると気力も落ちてしまうと言いますか、山に行くことが億劫になってしまう人もいると思います。この時期は特に寒いですしね……。

そうなると、せっかくここまでがんばってきたのに「本当に春からテント泊できるのかな……」という気持ちになってしまいますので、冬でも楽しく登山を続けたほうがいい、と私は思っているのです。

2月に購入するもの:なし

4月にテントを購入するために、無駄遣いせずに貯めておくのが吉です。

2月のお勧め山:陣馬山~高尾山縦走路・鳴虫山・金時山・丹沢大山・鍋割山

初級者向けの縦走路としてよく知られている「高尾山・城山・景信山・陣馬山」をつなげて歩く「奥高尾縦走路」は、この季節歩くのもおすすめできるルートです。

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冬でも多くの人が登っていて、週末は茶店も営業しています。
一番高い陣馬山でも標高は855メートルなので、縦走路のアップダウンも小さいのですが、高尾山から陣馬山まで歩けば縦走路の長さは18kmに及びます。冬のトレーニング登山としてはなかなかのものです。

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途中に通過する景信山の茶店で、なめこうどんをいただくのが私のお気に入り。

あとは、箱根の金時山や、日光の鳴虫山などに、温泉旅行がてら登るのもいいですし。
丹沢の大山や鍋割山もいいですね!鍋割山荘の鍋焼きうどんがおいしい季節です!

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鍋割山の登山ルート上には水の入ったペットボトルが置いてあり「小屋まで水のボッカに協力して欲しい」旨が書いてあります。
ボッカに協力して、2Lペットボトルを担げるだけ担いで鍋割山荘に行けば、重い荷物を担ぐトレーニングにもなるし、小屋の人にも感謝されてうどんもおいしい、いいことづくめですね!

3月:たっぷり雪が残る北八ヶ岳の山小屋に泊まってみる

3月になると積雪量も落ち着いてきますので、稜線上には出ないルートを選んで、北八ヶ岳あたりで雪山登山をするのも良いかなと思います。

「春にテント泊をするためのトレーニング」のことばかり考えて登っていると、楽しくなくなってしまいますし、新しいジャンルの登山にも挑戦したいですよね。

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私は登山を始めて1年目のこの時期、山仲間のL氏、D氏と共に北八ヶ岳に何度か行きました。3人とも、初めての雪山登山でした。

3月に購入するもの:なし

来月テントを買うために、まだまだ貯めておきましょう!
これまで購入したアイゼン(または6本爪の軽アイゼン)と、防寒具、きちんとしたレインウェアの上下があれば、登れる山です。

3月のお勧め山:北横岳・縞枯山・安達太良山

北八ヶ岳ロープウェイを使って一気に標高を上げ、北横岳ヒュッテに泊まって北横岳や縞枯山に登るルートが、特におすすめです。

予約必須で、冬の週末は予約で埋まってしまうことも多い北横岳ヒュッテですが、冬でも暖かく、食事もおいしい素敵な山小屋です。

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こちらは、北横岳ヒュッテに宿泊した翌日に登った縞枯山での写真。足元は6本爪の軽アイゼンですね。

あるいは、しらびそ小屋に泊まって中山峠と黒百合ヒュッテを経由し、天狗岳などの山頂は経由せずにそのまま渋の湯に下りるというのもなかなか良かったなと思います。

八ヶ岳は、冬でも歩いている人がかなり多いので安心感がありますが、もちろん、天気予報はしっかりチェックして、荒れそうな日は潔く中止にしなければなりません。

また、安達太良山の通年営業している温泉付き山小屋「くろがね小屋」に宿泊するのも良さそうです。

山頂を経由すると強風地帯を通ることになりますし、難易度が上がってしまいますので、最初は登頂せずにくろがね小屋を往復するのが良いかもしれません。

4月:いよいよテントを購入!まずは近場のキャンプ場へ

4月になり、低山からはすっかり雪が消えたら……いよいよテント泊の季節ですね。
冬の間も完全に登山をお休みしてしまうことなく、楽しく山を歩き続けたのですから、きっとテント泊の荷物を担げる体力・持久力が身についているはずです。

4月に購入するもの:テント

最後にテントを購入すれば、テント泊の準備は完成です!
ちなみに私が最初に購入したテントは、アライテントのエアライズでした。

こちらも、その後6年間テント泊を続けるうちにいろいろと考え方も変わり、新商品も出たので今は違うテントを使っていますが、最初に使うテントとして、とても良い選択肢だったなと今でも思っています。

実は、山仲間のL氏も、同じタイミングで同じテントを購入していまして……。

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最初のテント泊は、張り方に自信がなかったということもあり、L氏と一緒の山行でした。

初めて幕営したのは、大菩薩嶺の福ちゃん荘のテント場です。
最寄りのバス停である上日川峠からゆるやかな登りを30分ほど歩くだけで到着できるテント場でした。

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これまで念入りに準備をすすめてきたからと言って、実際のところテントを担いでみて、どのぐらいの距離を無理なく歩けるかは、歩いてみなければわかりません。

だから、最初にテント泊をするのは、登山口からあまり歩かなくてすむところが良いと思うのです。

私はこの日、バス停から30分歩いて「大丈夫だな」と思えたので、翌朝はL氏とは別れて1人で、大菩薩峠を経由し丹波に下山する5時間ほどのルートを1人で歩きました。

こうして、登山を始めてからちょうど1年後、私のテント泊ライフは始まったのです。

結局、楽しく登り続けることが一番大切

私自身が登山1年目に歩いてきた山を振り返りつつまとめてみましたが、結局のところ「安全に気をつけながら、楽しく登り続けること」が一番大切だなと思います。

テント泊をするためのトレーニングと割り切って、気の進まない登山ばかりしていると、続けていくのがつらくなってしまうこともあるだろうなと。

結局、道具さえ揃えば一応テント泊はできますので、後は、楽なテント場から少しずつレベルアップしていけばいいのではないかなと。

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今回「来年の春にテント泊をしたい人」に向けた内容を駆け足でまとめてみましたが「テントやシュラフの選び方」や「テント泊を始めたばかりの頃におすすめのテント場」など補足したい内容はいろいろあるので、それらは追々、別の記事にて更新していきたいと思います。

*1:たまにドカ雪が降ることもなくはないので注意は必要ですが。

*2:シュラフを干したときに湿気の抜けがいいような気がして。