すべての浴室を貸切で利用できる、食事のおいしい宿
山の旅舎 中尾平は、奥飛騨温泉郷の中尾高原の最奥に位置する、全6室の温泉宿です。
2つの露天風呂を含むすべての浴室を貸切で利用する宿なのですが、全6室の宿なのに浴室の数は6つ!入りたいと思ったときにどこかの浴室は必ず使えるというわけです。
しかもお湯もよく食事もおいしく、どの部屋も広くくつろげるという隙のなさ。
休前日以外は1人泊のプランも設定されているので、いつか泊まってみたいと思っていたのですが、西穂高岳に登った翌日に宿泊が叶いましたので、レポートしたいと思います。
- すべての浴室を貸切で利用できる、食事のおいしい宿
西穂高岳下山後、新穂高ロープウェイからバスで中尾高原口へ
2017年の10月、西穂山荘に宿泊して西穂高岳に登った後に私は、新穂高ロープウェイから平湯温泉方面に向かうバスに乗り、途中の「中尾高原口」なるバス停で下車しました。
西穂高岳は、岩場が苦手な私にはなかなか手強い山ではありましたが、天気にも恵まれてなんとか登頂することができました!
さて、実は今回の旅は会社の「節目休暇」なる制度を使って、1週間の休暇をいただいての贅沢な山旅でして。
もともとは長期縦走を考えていたのですけれど、残念ながら3日以上続けて晴れることがないという天気予報……。それならば!と1泊2日の山行を2回と、最後に平日の温泉宿でのんびりするというプランを立てていました。
そして、今回の旅のフィナーレを飾る温泉宿が、これからご紹介する「山の旅舎 中尾平」なのです。
中尾高原口のバス停に着いたら、宿に電話して車で迎えに来てもらいます。
宿のご主人が迎えに来てくださり、5分ほどの乗車できれいなロッジ風の建物、山の旅舎中尾平に着きました。
ご主人の案内で中へ。
この広々としたロビーを見ると大きなホテルのようですが、全6室の小旅館です。
こちらの宿、宿泊するお部屋も浴室も、ロビーや食堂も広々としていて、空間が贅沢に使われているのが特徴のひとつ。
ホテルなら普通かもしれませんが「温泉宿」のつもりで来ると「広いなあ」と思います。
ロビーには、明日の天気予報が木製のプレートに表示してありました。
曇りのち雨。
そう、西穂に登ったこの日は朝から夕方までしっかり晴れてくれましたけど、翌日は雨予報だったんですよね。。。
まあ「晴れるか崩れるか微妙」な天気だと、一縷の望みにかけて山にとどまりたくなってしまいますから、雨予報ならいっそいさぎよく、温泉を楽しめますね。
階段を上って2階に客室はあります。
奥様がお部屋まで案内してくださいましたが、宿の方が客室まで来られるのは基本的にはこの1回のみ。
あとはホテルと同様に、こちらから呼ばない限りスタッフの部屋への入室はチェックアウトまでありません。広々としたお部屋で、くつろぎの時間の始まりです。
【部屋】★★★★★ ロッキングチェアでくつろぎながらのコーヒータイムが最高
今回泊まったのはこちらのお部屋。
23番のお部屋ですね。
全6室のうち4室が、今回私が泊まったのと同じ2人まで宿泊できるお部屋です。残り2つはファミリータイプで、3人用と4人用とのことでした。
カーペット敷きのお部屋に入っていくと……
つきあたりにはまだ新しい空気清浄機がありました。
お部屋は、畳のスペースとじゅうたんが敷かれたスペースに分かれており、畳のスペースは8畳あって、チェックインのときからふかふかのお布団が敷かれています。
このお部屋には2人まで宿泊することができるのですが、1人だと本当に、申し訳なくなるぐらいひろびろ。
畳側から見るとこういう感じ。
布団に横になったままテレビが見れます。
そして縁側にはロッキングチェアが。
浴室は1階もしくは露天の温泉浴室を使うことになりますが、室内に洗面所とウォッシュレット付きのトイレがついています。
ブラシやカミソリ、綿棒などのアメニティもしっかり。
ちなみに、後でご紹介しますが化粧水などは1階の浴室の前に揃っています。
部屋にあるドライヤーがPanasonicのイオニティなのは良いですね!
風力も十分な、使えるドライヤーです。
畳スペースの隅には、バスタオルとフェイスタオル、浴衣と足袋ソックス、そしてオリジナルのトートバッグが置いてありました。
お風呂に行く際はこのトートバッグにタオルなどを入れて持ち歩きます。
金庫と空の冷蔵庫もあり。
アルコール類は、一応1階でも販売しているのですが、好みのものがあれば持ち込んでOKだそうです。
お茶コーナーも充実!
湯沸かしポットに冷水ポット。お茶請けは味噌煎餅。
ドリップパックのコーヒーに、緑茶、紅茶、カモミールティ、ほうじ茶など。
食器類もちゃんと、コーヒーカップとお茶用の湯呑みが両方揃っています。
お風呂に行く前に、まずはコーヒーを淹れて、ロッキングチェアでゆらゆら。
窓の外の山並みを眺めて、今日登ってきた西穂高岳に思いを馳せたり。
ちなみに、客室棟の手前には共有スペースがあり「岳」や「山と食欲と私」「神々の山嶺」など、登山者にはお馴染みの漫画も蔵書されていました。
滞在中は自由に読めますので、ロッキングチェアに揺られながらの読書も楽しそうですね。
お部屋にエアコンはある?
宿泊時は10月でしたので、暖房も冷房もなくても快適な気温でしたが、夏に冷房が使えるのかどうかは少し気になるポイントでした。
かつては、高原の宿なら冷房無しでも問題ないところも多かったですが、最近は山中でも、冷房がないと日中は特に暑いんですよね……。
客室内に置いてあった小冊子を読むと、数年前にこちらの宿でもエアコンを導入し、真夏でも快適に過ごせるようです。
携帯の電波とWi-Fiは?
山麓の宿ということで、携帯の電波状況も気になるところですが、docomoの私は問題なくLTEで通信できました。
また、山の旅舎中尾平さんでは、室内で無料でWi-Fiを利用できます。公式サイトに「場所によっては繋がりづらいところもある」と書いてありましたが、私が止まった部屋では通信速度も問題なく、Wi-Fiを利用することができました。
さて、お部屋でコーヒーをいただいて少しのんびりしたところで、お風呂に行ってみたいと思います!
【風呂】★★★★☆ 24時間貸切で使える浴室が6つあり、お湯もすばらしい
山の旅舎中尾平には、大小6つの浴室があり、すべて鍵をかけて貸切で利用することができます。また、すべてのお風呂に深夜の間も入浴可能とのことでした。
浴室は6つに分かれますが、源泉はすべて同じで、94.9度の高温の源泉を、加水および熱交換で適温に冷まして各浴室に提供しているそうです。
ph7.8、ほぼ中性に近いナトリウム塩化物泉です。
加水はしていますが、加温や消毒、循環はしていません。
建物の1階奥に4つの内湯がありますが、露天風呂と内湯はつながっておらず、露天に行くときはいったん着替えて外に出て、湯小屋に移動します。
露天風呂には洗い場がないので、最初は内湯で体や頭を洗ってから露天風呂に行ったほうが良いですね。というわけでまずは1階の内湯へ。
内湯の前にある棚には、複数種類のシャンプー&コンディショナー、そしてクレンジングや化粧水、乳液なども複数種類置かれていました。
ここから好きなものを浴室や脱衣所に持っていって使います。
ヘアゴムやコットン、シャワーキャップに綿棒、絆創膏まで揃っていて、至れり尽くせりですね。
また、内湯の前の廊下には冷たい麦茶も置いてありました。
自由に飲んで良いが、食事処への持ち込みはご遠慮ください、とのこと。
しかし、夜に浴室に行ったら、お風呂場に麦茶を飲んだ後のグラスを置きっぱなしにしている人がいて、それを見たときはちょっと気持ちが萎えましたね。。。
時間制ではなく、空いていれば好きに入っていい貸切風呂だと、なかなか途中で清掃をするタイミングも難しかったりするので、まあ、仕方ないのかな……とは思いつつも。
また、店内に自動販売機はないのですが、冷たい飲み物を1階の冷蔵庫で販売していました。
自分で冷蔵庫から取って、部屋番号を伝票に書いて置いておき、チェックアウト時に精算します。
ただ、種類は缶ビールと缶酎ハイ、ジュース類のみでしたので、他のものが飲みたい場合は予め買ってきて、お部屋の冷蔵庫で冷やしておいたほうがよさそうですね。
内湯:ぬるめでじっくり湯浴みを楽しめる「寝湯」
内湯は大きめのものが2つと、小さめのものが2つの合計4つあるのですが、最初に入ったのは「寝湯」と呼ばれている大きめの浴室です。
先ほどご紹介したように、アメニティの類いは浴室の外にあるため、脱衣所には脱衣カゴのみ、洗面所にもティッシュとハンドソープしか置いてありません。
ドライヤーも各部屋にあるので必要ないのですね。この浴室を利用したくて待っている人がいないとも限らないので、身支度は脱衣所よりも自室でやってほしい、という配慮もあるのかもしれません。
さて、浴室内へ。
木造りの、天然の光がたくさん入る明るい浴室です。
シャンプー&コンディショナーとボディシャンプーは、浴室の外にも置いてありましたが、特にこだわりがなければ浴室内に置いてあるものも使えます。シャワー付きのカランも、とても新しいものです。
湯口からは静かに、熱めの適温のお湯が注ぎ込まれています。
浴槽の1/3ほどの広さが段差になっており、腰掛けて半身浴をしたり、寝湯としても使えるようになっていました。
体を浸すと、ほんのりと硫黄っぽい香りがして、新鮮さを感じさせるとても良いお湯です。
また、浴室の窓は、開けて入ることも可能でした。
窓を開けると秋のひんやりと冷たい風が吹き込んできて、浴槽のお湯をほどよく冷ましてくれるようです。内湯の浴室の中ではこの「寝湯」が最も湯温も低めで、入りやすかったです。
内湯:もっとも広々とした「森見の湯」
寝湯の次は露天風呂に入りに行ったのですが、露天については後でまとめてご紹介するとして、最も広い内湯である「森見の湯」を先にご紹介します。
脱衣所には必要最小限のものしかなく、さっぱりしているのは寝湯と同じ。
寝湯も広かったのですが、森見の湯はさらに広く、全6室の宿ならここは「大浴場」として皆で使ったとしてもおかしくないのでは?などと思ったり。
もしかしたら、ずっと以前はそうだったのかもしれませんね。より、くつろげる宿にするためにすべて貸切で利用できるようにしたのかも……推測ですが。
森見の湯は、窓から外の緑がよく見えるのが特徴のようですが、このときは夕食直前の時間帯で、日も暮れていたので緑はあまり見えませんでした。
洗い場にはやはり、シャンプー&コンディショナー・ボディシャンプーと固形せっけん。
夕食の時間ぎりぎりまで、広いお風呂を悠々と使わせてもらいました。
内湯:コンパクトだがくつろげる「木風呂1」
内湯はあと2つあるのですが、どちらもコンパクトな造りです。
脱衣所はどこも清潔に整えられています。
浴室は壁も浴槽も木造り。
浴槽内には腰掛けるのにちょうどいい段差もあり、長湯も可能です。
私は1人だったので、広さ的には一番落ち着く浴室でした。
ただ、3人以上で入るのは厳しいかもしれませんね。
内湯:もう一つの内湯「木風呂2」
もう1つ、ほとんど同じ作りの浴室がありました。
先にご紹介した木風呂とほぼ同じ作りです。
コンパクトな浴室ではありますが、窓を開けて外の風を感じながら入浴できるのは良いところ。
山の旅舎中尾平の浴室利用は、特に制限時間はないのですが、大きな浴室を1人で長時間利用するのはちょっと気が引けるというか「次に入りたくて待っている人がいるかも」と気になってしまうこともあります。小さな浴室なら気兼ねなく長湯できて良いですね。
露天風呂:鈴で熊を追い払う!?「奥の湯」
次に、露天風呂についてご紹介したいと思います。
露天風呂に入りたいときはまず、ロビーにある鍵置き場を見て、空き状況を確かめます。
「奥の湯」と「前の湯」の2つの露天風呂があるのですが、奥の湯の鍵があったので、まずは奥の湯に入ることにします。
外に出ると、周辺の木々は紅葉が始まりかかっていました。
このときは10月上旬でしたが、中尾高原の紅葉の盛りは、例年10月中旬ごろだそうです。
露天風呂の案内板に従って通路を歩いていきます。
すると、まず一つ目の湯小屋が現れますが、先に現れるこちらの湯小屋が「前の湯」です。
今回入るのは奥の湯なので通過します。
奥の湯は、この階段を上ったところにあるのです。
登山直後の疲労した足にはなかなかしんどい。
つきました。奥の湯です。
鍵を開けて中に入ると、まずは脱衣所。
清潔で新しく、密閉度の高い脱衣所です。
おそらく、冬になると脱衣所には暖房を入れてくれるのではないでしょうか。だからしっかりした造りなんだろうなと。
脱衣カゴの上には菅笠が置いてあり「このドアの向こうは奥飛騨の自然の森です」との貼り紙が。
実はチェックインの際にも、ご主人から「栗のイガが落ちてくる季節なので、菅笠を被ったほうが良い」とは聞いていました。しかし、天気も良いのに笠をかぶって入浴というのもなー。
まあ、イガが落ちてきたときはそのときですよ!というわけで、丸腰で露天風呂へ。
ああ……いいですね~。
浴槽に浸かって、振り返ると、たしかに森です。
そして10月の涼しい空気の中で入る露天風呂は、やはり最高ですねー。日差しも眩しくないし、虫もいないし。 あとはイガが落ちてこなければ……。
おや?湯口の側の苔むしたあたりに何か置いてあるのは……?
栗とイガがかわいらしく飾ってありました。
何か紐のようなものが伸びているなあと思ったら「野生動物が気になる方用の鈴」でした。
「なお、この鈴を鳴らしてもあるじが出てくることはありませんご安心ください」
思わず笑ってしまいました。
秋は、日が傾き始めるとあっというまですねー。
ちょうど日没の時間だったらしく、湯に浸かっている間にどんどんあたりが暗くなってきました。
帰りは、街灯がなければ足元が危ういぐらい真っ暗に。
一応、露天風呂にも深夜も入れることにはなっているのですが、夜間は女一人で入りに来るには少々不安を感じますね。。。
玄関まで戻ってきました。
向かって右側に見える広い部屋がダイニングです。
ああ、夕食が楽しみです♪
露天風呂:母屋に近く気軽に楽しめる「前の湯」
最後に、もう1つの露天風呂「前の湯」には、翌日の早朝に入りに行きました。
朝の空気が気持ちいいです。
脱衣所はこちらもしっかりとした造りで新しい。
ただし「奥の湯」も「前の湯」も露天の脱衣所には洗面所などはなく、ゴミ箱と足拭きマットがあるのみです。
いざ、前の湯。
ああ……良いですねえ。
岩の隙間から流れ込んでくる源泉。
朝で気温が低いせいでしょうか、ややぬるめです。
ひんやりと冷たい空気の中で、ちょうどいい温度のお湯につかり、朝食の時間を待つ……なんて贅沢な時間でしょうか!
そんなわけで食事について最後にご紹介したいと思います。
【食事】★★★★☆ 派手さはないが、素材にも調理法にもこだわりがあり、おいしい
山の旅舎中尾平の食事は、地元産の食材や周辺の山で採れる山菜やきのこを使って、オーナー夫婦が作っているそうです。
料理の評判もとても良い宿でしたので、食事の時間も非常に楽しみでした。
山の旅舎中尾平のドリンクメニュー
まずは、夕食時にいただけるドリンクメニューについてご紹介したいと思います。
実は、オーナーご夫妻は揃ってお酒が飲めないんだそうです。意外。。。
なので、自分たちでティスティングしたわけではなく、評判をきいて仕入れています。お酒と料理についての相性には答えきることができません、と正直に書いてありました。潔い……。
とは言え、日本酒も奥飛騨の地酒が7種類ほど揃っており、1合で注文できるお酒も4種類あったのはうれしかったです。
そして、梅酒の種類がやたら多い!
甘いのとさっぱりめのとで10種類近くあります。もしかして、梅酒はオーナーご夫妻も飲めるのかな。。。
ワインもボトルが5種類と、信濃ワインの赤・白・ロゼはグラスやデキャンタでもいただけるそうです。
グラスでロゼもあるのは珍しいですね。ちょっと飲みたくなりました。
あとはソフトドリンクと、追加注文の料理メニュー。
夜食用のおにぎりとお漬物のほか、岩魚の刺身や骨酒、それに飛騨牛を増量したり、減量することもできるようです。
増量はよくあるけれど、減量は珍しいですね。
山の旅舎中尾平の夕食
夕食も朝食も1階ロビー横のダイニングでいただきます。
ダイニングも、全6室の宿にしては広々。
この日は平日でしたが、空室は1室のみで、私を入れて5組のお客さんが泊まっているようでした。
そして、5組中3組が外国人のお客さん。3組のうち2組が欧米の方で、1組はアジア系の方でした。ご主人は英語での接客も慣れているようでしたね。
さて、夕食のお品書きがこちら。
最初にテーブルに並んでいたお皿はこんな感じでした。
今回は、1杯目から日本酒を注文します。
「蓬莱」純米吟醸を0.5合で。
1合じゃなく0.5合からも頼めると、1人でもいろいろ楽しめるからうれしいですね~。
まずは前菜3種。
「おくら」「焼き枝豆」「山の茸のおろし和え」です。
夏と秋が入り交じったような感じ。
煮物は「こも豆腐、かぼちゃ、つくね」
つくねと豆腐の食感がおもしろく、優しい味付けでおいしいです。
マスの南蛮漬け。
野菜たっぷりで、酸味で口の中がすっきりします。
マスよりも野菜が主役な感じ。おいしい。
揚げ茄子。秋なすの揚げ茄子うれしい。。。
茄子のうまみが噛むとじゅわっと口の中に広がり、お酒がすすみますね……。
とうもろこし豆腐。
ねっとりと濃厚な味わい。これもわりと夏っぽいメニューですが、おいしいので問題なし・笑
そぼろ詰めトマトの蓋物。
トマトの中に肉味噌が詰まっている感じ。
このトマトが、ジューシーかつ濃厚で、かなり大きいのにあっというまに食べ終わってしまいました。
主菜は飛騨牛ローストビーフ。
とろけるおいしさ……。薬味が豊富なのも良いですね。
これ私、この倍の量ぜんぜん食べられます。
温泉宿の牛肉料理と言えば、ステーキや鍋物など、お客自身が火を通していただくものが多いですが、自分で焼くと焼き加減がうまくいかないこともあるもので……。
ローストビーフならその点、ベストな状態で提供してもらえるし、これはこれで良いなと思いました。
飛竜頭。
さつまいもと共に。出汁がおいしい。。。
そして、ローストビーフと並んでこちらのお宿の看板料理らしい「岩魚笹焼き」です。
ワタを抜いて代わりに味噌を詰めた岩魚を、笹に包んで蒸し焼きにしたもの。聞いただけでお酒が進みそうな料理ですけど、食べたら実際お酒が止まらない感じでした。
最後に、ご飯とお味噌汁、お漬物をいただいて。
デザートは梨で、さっぱりと。
ごちそうさまでした!
多すぎず少なすぎず、ほどよい量の食事でした。朝食も楽しみ!
山の旅舎中尾平の朝食
さて、朝食です。
実は、夕食を終えるころに、朝食についてのリクエストを書く紙を渡されていました。
私はこんな風に書いて出してきたのですが……。
①朴葉味噌 or 川瀬豆腐店の味揚げ
②焼き鮭 or ソーセージ
③温泉卵 or だし巻き玉子
この選択肢をあらかじめ選んでおくのです。
私は「味揚げ」「焼き鮭」「温泉玉子」を選びましたが、選ばなかったほうが気になって仕方ないですね……。
朝食も、夕食と同じダイニングでいただきます。
テラスから朝の光が差し込んできます。
最初に並べられていたお皿はこんな感じで。
このほかに、梅干しや佃煮、海苔などを好きなぶんだけいただけます。
大根葉の佃煮は実家でもよく出てきたなあ……。
梅は、塩と紫蘇だけで漬けた昔ながらの作り方の梅干しだそうです。これも気になる。
きんぴらにしたり、煮たり、湯がいたり、さまざまな方法で調理された野菜たち。
お浸しもいいですね。
焼き鮭に温泉玉子。
漬けものも色鮮やかで、ご飯がすすみます。
大根葉の佃煮と、梅干しもいただいてきました。
梅干しは「たしかに、昔の梅干しってこんな感じだったなあー」と思わせる、すっぱい梅干し。最近あまりお目にかからないので、買えるなら買って帰りたくなりました。(売ってはいないと思いますが)
そしてこちらが「川瀬豆腐店の味揚げ」
ホイルを敷いた七輪の上でさっと炙って、お醤油をつけていただきます。
香ばしく焼けた揚げに醤油……朝から一杯飲みたくなりました。
最後にヨーグルトをいただいて、ごちそうさまでした!
朝から大満足の朝食でした。
【再訪したい度】★★★★☆ 紅葉シーズンは10月中旬!思わず連泊したくなる宿
実は、こちらの宿に泊まった朝、ちょうどテレビで「温泉宿に泊まりたい訪日外国人の中には、裸で大浴場に入ることに抵抗ある人が多い。水着での温泉入浴は是か否か」みたいなテーマの企画を放送していたんです。
それを見て「ああ、だからこの宿は外国人のお客さんが多いのか」とものすごく納得しました。
温泉浴室はすべて貸切利用なので知らない人に裸を見られることはないし、食事も部屋も、ちょうどいい感じで和洋折衷。和食や和室に慣れていない人でも十分楽しめるものだったなあと。
ご主人は、若いころは海外に一人旅されるのが趣味だったそうで、おそらく海外の方のニーズもわかってらして、こういう宿にされたのかもしれないなあと。
でも、けして「外国人仕様」というわけではなく「いわゆる温泉旅館」に慣れている私にとっても、とても居心地のいい宿だったと思います。
すべての浴室で入浴してみましたが、どの浴室も少しずつお湯の温度が異なっているので、自分好みの浴室を見つけてのんびり楽しめるし、泉質もクセがないので長湯しやすくていいなと思いました。
1泊2食付きで2万円弱と、けしてお安い宿ではありませんがお値段以上の価値を感じさせてくれる宿でした。1泊だとすべての浴室をゆっくり楽しむのは難しいので、連泊できたら最高だなと。連泊のときはお食事はどうなるんでしょうね?気になる……。
中尾高原の紅葉は10月中旬が盛りだそうで、このときはまだ、紅葉には少し早い感じでした。今ならまだ、10月中旬ごろの空室もあるようなので、紅葉の温泉旅を狙っている方は、計画してみても良いかもしれません。