温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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通年営業の山小屋 西穂山荘に泊まり 西穂高岳に登る山旅

北アルプスでは数少ない通年営業の山小屋、西穂山荘

西穂高岳は、長野県の松本市と岐阜県の高山市にまたがる標高2909メートルの山です。北アルプスの穂高連峰の南端に位置しています。

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西穂高岳は、新穂高ロープウェイを使って一気に2156メートルまで標高を上げられることもあり、日帰りで登ることも難しくはない山と言われています。
ですが私は、岩稜帯を歩くのがあまり得意ではないため、時間と体力に余裕を持つために、中腹にある山小屋「西穂山荘」に宿泊するか、テント泊して登りたいと以前から考え、チャンスをうかがっていました。

2017年の10月に、平日に2日連続の休暇を取ることができたので、どうせなら!と西穂山荘に宿泊して登山することに。天気にも恵まれ、山小屋も居心地が良く、素晴らしい山旅を楽しむことができましたので、レポートしたいと思います。

4つの穂高岳の中で最も難しい、と言われることも多い西穂高岳

「穂高岳」と名の付く山は「奥穂高岳」「前穂高岳」「北穂高岳」そして「西穂高岳」と4つありますが、その中で西穂高岳は「最も難易度が高い」と言われることも多いようです。

奥穂にしろ北穂にしろ、*1涸沢を経由する最もよく登られているルートであれば、岩場にはしっかりと鎖やハシゴがかかっていますし、そもそもいわゆる「岩場」を歩く時間も短いです。

しかし西穂高岳は、西穂独標から先のルートは気を抜けない岩場歩きとなり、鎖や人工的に作られた足場も、北穂や奥穂に比べると少ないように思います。

ちなみに、西穂を歩いた昨年秋の時点では、実はまだ北穂高岳には登ったことがなく、2018年の8月に初めて登りました。

両方登ってみて思ったのは「やっぱり西穂のほうが大変だったな」と。

岩場歩きが得意な方の中には「西穂なんてジャンダルムから縦走するんじゃなかったらどうってことないよー」などという方もいますが、正直私は西穂、けっこう大変でした・笑

なので「簡単だよ」という方がいても鵜呑みにせずに、岩場に自信がない方は時間に余裕を持って、天気のいい日の登頂を目指したほうがいいと思います。

あと、私のように岩場が苦手な方は、できれば平日を狙ったほうがいいですね。今回は幸いにも平日の登山だったので、前や後ろに人がいて気が焦ったり、すれ違いで苦労するようなこともほとんどなくて助かりましたが、混んでいたらさらに難易度が上がっていたはずです。

西穂高岳の登山ルート

西穂高岳を登るための登山ルートは大きく分けて2つあります。

(1)西穂山荘から往復するルート

(2)奥穂高岳やジャンダルムを経由する縦走ルート

の2つです。
もちろん(2)の縦走ルートは、言わずとしれた高難易度ルートですので、私が選ぶはずもありません。おとなしく西穂山荘から往復します。

(1)の場合、西穂山荘までどうやってたどり着くかによって

①新穂高ロープウェイで一気に標高をあげる
②上高地から登る
③焼岳から縦走する

という3つのルートに細かくは分かれます。②③は歩く人が少ないルートですので、のんびりと山歩きを楽しむためには良いかもしれませんね。私は今回は、初めての西穂高岳ということでなるべく体力を温存すべく、往復新穂高ロープウェイを使う最も強度の低いルートを選びました。

往復新穂高ロープウェイを使い、西穂山荘に泊まって最も楽に登りたい

登山当日。
この日は新穂高ロープウェイを降りてから、西穂山荘まで約1時間30分ほど歩くだけなので、お昼前ぐらいにのんびりと、ロープウェイ乗り場に来ました。

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「第1ロープウェイ」と「第2ロープウェイ」を乗り継いで2156メートル地点まで一気に標高を上げることができます。
片道大人1600円、往復2900円です。
運行時間や料金については、こちらのページに詳しく掲載されていました。

ちなみに、ロープウェイ乗り場にはコインロッカーもあり、登山や散策に必要のない荷物は、預けていくこともできます。 

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「預かりは1日のみ」と書いてあったのですが、レジで「今日は上の山小屋に泊まって明日下山するので、日付をまたいでコインロッカーを使いたいのですが」と言ったら、レジでもう1日分の料金を払って、対応してもらえました。

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ロープウェイのチケットは、入り口の券売機でも乗り場の近くの窓口でも購入できます。

ではまず、第1ロープウェイに乗って「鍋平高原駅」まで。 

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鍋平高原駅に着いたらいったん外に出て、徒歩1分の距離にあり「しらかば平駅」へ。

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しらかば平駅の中には「アルプスのパン屋さん」なるパンのお店があり、店内で焼いているのかおいしそうなパンの香りが漂っていました。 

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せっかくなのでここで、明日の行動食用のパンも購入します。

しらかば平駅からは、ポスターなどでお馴染みの、2階建てのロープウェイに乗車。

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第1ロープウェイは乗車までほとんど待ち時間なく乗れたのですが、第2ロープウェイでは乗車まで少しの間列に並びました。
第1ロープウェイよりも乗車時間が長い(第1は4分、第2は7分)ぶん、運行本数が少ないのかもしれませんね。

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第2ロープウェイからは、晴れていれば笠ヶ岳の美しい姿が見えます。 

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しかし、実はこの写真↑は、以前に天気の良い日に来た際に撮影したもので、この日の天候はどうだったかというと……。

新穂高ロープウェイを降りたら霧で真っ白

「曇り時々晴れ」という予報で、実際に下界は晴れていたのですけれど、標高2000メートル以上あるこの場所はやはり地上とは別世界でした。

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ロープウェイを降りると、あたりは真っ白な霧に包まれていました。

時折雨もぱらつくし、気温も低めです。
しかし、今日の目的地まではここからたった1時間30分の距離にある西穂山荘なので問題ありません。
ロープウェイの駅構内にあるカフェテリアでコーヒーを注文し、さっき購入したパンでおやつタイム。 

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それからレインウェアを着て、西穂山荘に向かって歩き始めます。 

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樹林帯を歩き始めるとすぐに現れる「西穂高口登山届出所」
ここでも登山計画書を出すことはできますが、私はいつもの通り、あらかじめネットで提出してから来ています。

西穂山荘までの道は、特に危険箇所もなく、樹林帯の中を歩いていきます。

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この日は平日でしたので、すれ違う人も多くありません。

濃いガスが立ち込めてはいましたが、時折紅葉している箇所もあり、楽しめました。 

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上高地と西穂高岳に向かう分岐が現れたら、同時に西穂山荘の建物も見えてきます。 

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しかし、ここから西穂高岳の山頂までって、距離にしたら2.4kmしかないのですね。
2.4kmを登るのに、3時間かかるのか……。

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現れた木道を歩いていくと……西穂山荘です!

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ガスガスではありますが、立派な建物の西穂山荘に着きました。

テントも数張り。すごいモンベル率・笑

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西穂山荘のテント場は、張れる数は少ないものの平らで整地も良く、小屋にも近い快適そうなテント場です。

ただし、ヘリポートに近いためヘリが来る日は小石が飛んできたりしてテントが破ける恐れがあるため、その時間帯はテントを張ってはいけないというきまりがあるようです。
ヘリが来るのは午前中ですが、その日は「テントを張りっぱなしで山頂を往復」することはできず、いったん撤収して、指定された場所に荷物をデポしていくことになると聞きました。幕営を考えている方のご参考に。

さて、宿泊の受付は別館レストハウスで行います。
宿泊するお部屋は別館にあるのではなく、別館は「売店・喫茶・談話室」として営業しています。

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肌寒い中を歩いてきたので、レストハウスの「ラーメン・おしるこ・コーヒー・うどん」の文字が気になりますね。 

1人泊でも電話予約必須の西穂山荘へチェックイン

西穂山荘のホームページには「お部屋や食事の準備のためになるべく予約してほしい」と書かれています。 
緊急時以外は基本的に「予約必須」と考えて良いと思います。私は今回も1人での宿泊でしたが、もちろん予約しました。予約方法は、西穂山荘松本事務所への電話予約のみです。

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レストハウス内の売店のレジで、宿泊予約も受け付けていました。
予約の名前を告げて、必要事項を書いて宿泊料金を支払います。料金は1泊2食付きで9800円です。
また、チェックインの際に翌日の登山の予定について聞かれました。私は「小屋で朝食を食べてから西穂を往復して新穂高ロープウェイで下山予定」と答えます。

チェックイン手続きが終わったら、宿泊する部屋に案内していただきました。 

宿泊するのは本館ですが、別館とは廊下で繋がっています。

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本館の玄関にも受付がありました。もしかしたら、週末など繁忙期は、レストハウスで受付を行うのではなく、本館で受付なのかもしれないですね。

登山靴は玄関で脱いで、間違えられないように名前を書いた札をつけておきます。

今回私が泊まったのは、本館の2階のお部屋でした。
「笠ヶ岳1」のお部屋です。

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西穂山荘は基本的にはすべて相部屋の山小屋ですが、松本事務所への電話予約時に申し出れば、繁忙期以外は個室利用も可能だそうです。
ただし「個室料金」はホームページに明示されていませんでした。ケースバイケースということでしょうかね。。。

笠ヶ岳のお部屋は、最大で8枚の布団が敷けるお部屋でした。

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この日は平日だったので、この部屋に泊まったのは6人。全員女性。
めちゃくちゃ混んでいる日はどうかわかりませんが、余裕がある日は女性のみのパーティは女性のみでまとめてくれるのかもしれませんね。
ちなみに「あの左の角の布団を使ってください」と、布団の位置までしっかり指定されました。

部屋の前にザックを置くための棚があり、就寝時はこちらにザックを置くように言われました。

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壁に、施設の案内が書いてあったので熟読します。 

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消灯は午後9時、チェックアウトは朝8時30分までに、とのこと。

食事をいただく食堂は吹き抜けになっており、2階からも見えました。

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明るく清潔、雰囲気のいい食堂です。
ちなみに、夕食の準備が始まるまでの時間は、宿泊客は食堂で休憩していても良いとのことで、この日は17時まで食堂にいてOKでした。

その他、西穂山荘の気になる設備について

山小屋で過ごす時間の快適さを左右する、さまざまな設備についてまとめておきたいと思います。

トイレはきれい?

屋内トイレはバイオトイレでとてもきれいでした。
屋外トイレは利用していませんが、やはりバイオトイレのようです。

携帯の電波はある?

私はdocomoですが、電波状況は良好で、普通にネット接続ができるレベルでした。
西穂山荘のホームページによれば、docomo以外のキャリアも概ね良好のようで、ありがたいことです。

水場・洗面所は?

館内に水道があり、飲用可能。
宿泊者は水道の水を自由に汲んでOKですが、宿泊者以外は、1L200円でレストハウスで販売しているそうです。

携帯の充電はできる?

本館1階の食堂の前に「充電コーナー」がありました。
宿泊者は、自家発電を使用しているときは「13時~20時45分」まで無料で使用可能です。
ただし、数は多くないので使いたいときに常に使えるとは限りません。おそらく、早めの時間帯なら問題なく使えると思うのですが、ぜんぜん混んでいない日だったにもかかわらず、夜の充電コーナーは常にいっぱいでした。
非常用ぐらいに考えておいたほうが良いと思います。

更衣室はある?

本館の玄関脇にありました。冬は寒そうですが、大きな鏡もあってきれいな更衣室でしたね。

別館1階レストハウスで西穂山荘名物西穂らーめん(味噌)と生ビールをいただく

さて、宿泊する本館を一通り見て回ったところで、別館に戻っておやつにラーメンをいただきます!

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レストハウスの喫茶営業は「朝食後~19時まで」なのですが、ラーメンなどの軽食を 注文できるのは「9時から15時まで」なのです。(季節で変動する可能性もあります)

こちらがレストハウスのメニュー。
軽食の「ラーメン」「カレー」「うどん」はごく普通のラインナップなのですが、西穂山荘はラーメンへのこだわりがすごいのです。 

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ご飯ものは15時までだけど、19時まで炙りチャーシューやおでんやもつ煮、豚汁が注文できるのはいいですねえ。

まずは生ビール800円を! 

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いただきます!

ラーメンは味噌と醤油があるのですが、まずは、よりビールに合いそうな味噌をいただきました。 

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海苔、シナチク、ネギ、チャーシュー、味玉と具材も基本をしっかり抑えています。 
いただきます!

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少し縮れた麺はモチモチ感があり、スープも大変おいしいです。
高所では気圧の関係で沸点が下がるため、生麺を茹でると芯が残りやすいのだそうですが、西穂ラーメンは極細の縮れ麺を使うことで、生麺でもおいしくゆであがるように工夫しているとのこと。
ビールと一緒に、あっという間にたいらげてしまいました。明日、帰りに時間あったら味噌も食べたいなー。

ちなみに、レストハウス内には自動販売機もあります。

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ビールのロング缶が700円、普通の缶が500円、チューハイとハイボールが400円。
山小屋の平均的な値段ですね。

お酒は、この他に日本酒や焼酎もあります。 

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限定酒、気になるなー。夕食のときにいただこう。。。
西穂らーめんは、袋麺の販売もあるんですね。

パンやおつまみ、お菓子類も販売しています。 

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夕食の時間までまだ間があったので、コーヒーを淹れることにしました。

レストハウス内では、バーナーの下に敷く板を借りて、調理をすることも可能です。ただし、レストハウス内で調理をしていいのは宿泊客限定だそう。

立ち寄りで昼食などを作りたい場合は、外で調理することになります。

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この日は、千畳敷で購入したドリップパックを使ってコーヒーを淹れました。

もうすぐ夕食の時間かなーということで、本館に戻ることに。 

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外はまだまだ、ガスガスです。
明日は晴れ予報なのですが……本当に晴れてくれるのでしょうかね。。。

西穂山荘の食事

今回私は、朝食も夕食も小屋でいただきました。
指定された時間になったら食堂に向かい、自分の席を教えてもらう方式でした。
この日は混んでいなかったので食事は1回転のみでしたが、混雑する日は何回転もすることもあるようです。

夕食:チキンソテーとコロッケがおいしい!

この日の夕食は18時から。
メニューはチキンソテーにコロッケ、ナポリタンスパゲティ、千切りキャベツ、ポテトサラダ、ブロッコリー、トマト、根菜の煮物、ご飯と豚汁です。

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チキンソテーにはチーズがかかっており、トマト系のソースでいただきます。凝った調理法でうれしい。

また、豚汁は豚肉たっぷりで味付けもちょうど良く、ご飯がすすみます。 

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ちなみに、夕食の際にさっきレストハウスで気になっていた日本酒を注文しました。
限定酒の「水尾」900円。 

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レストハウスで注文してお金を払うと、一升瓶とマスを持って食堂まで来てくれ、食堂で注いでくれました。

レストハウスで手渡されたら、食堂まで運ぶの地味に大変だな……と思っていたので、ありがたかったです。

料理もお酒もおいしく、大満足で夕食を終えました!ごちそうさまでした。

夕食後はレストハウスでまったり

夕食後は、またしてもレストハウスに移動。
混んでいたらまた違うかもしれませんが、空いているし、ストーブもついているので自室より暖かくて快適だったんですよね。

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食後は、私の中の山の定番、ラムミルクティーを淹れて楽しみます。
粉末のミルクティーをお湯で溶いて、持ってきたホワイトラムをいれるだけ・笑

喫茶営業は19時までですが、レストハウスには消灯時間ギリギリまでいても大丈夫です。

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テレビも見れるし、あったかいし、最高だ。

消灯が21時なので、20時過ぎぐらいに部屋に戻りました。 

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なんと!霧が晴れて月が明るい!!うれしい!!
明日の天気も大丈夫かな……と、少し安心して眠りにつきました。

朝食:おかずはご飯がすすむサバの味噌煮

翌朝も無事、晴れてくれました。
こちらの写真は、日の出直前の時間帯のものですが、西穂山荘の前からはご来光は少し見づらいようで。

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時間に余裕があれば、西穂山荘から10分ぐらいで着けるはずの「丸山」というピークまで行くと、きれいに見えるそうです。

ただ、私はこの後西穂高岳登山の予定ですから、ご来光はパスして朝食をいただきます!
朝食は昨日と同じ食堂で。早朝出発の方はもう出てしまったのか、夕食よりも人数は少なめでした。この日の朝食は5時30分スタートです。 

朝食のおかずは、鯖の味噌煮をメインに、卵焼き、ごぼうサラダ、佃煮、インゲンの胡麻和え、漬けもの。

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どれもご飯がすすむおかずで、おいしくいただきました。

余計な荷物を置いてヘルメットをレンタルし、西穂高岳山頂を目指す

さて、食事を終えたらいよいよ、西穂高岳に向かいますよ!
朝食開始時間と同時に営業を始めるレストハウスにてヘルメットをレンタルします。500円でした。 

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そして、登山に不要な荷物は、小屋の前にある荷物棚に置かせてもらいます。
小屋の方に「ヘリが来たときに飛ばされるから、袋の口などはしっかり閉めておいてください」と助言をいただきました。

では!出発です。 

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振り返ると、雲海が美しい……。
ちょうどあの雲の下が上高地ですね。そして右手の赤っぽい岩山が焼岳。
奥に見えるのが乗鞍岳です。

まずは西穂独標まで

歩き始めるとすぐに「丸山」というなだらかなピークに着きます。

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山頂碑の向こうに見える笠ヶ岳が美しいです。晴れて良かった!!

西穂山荘を出てしばらくは、かなり緩やかで歩きやすい道が続いています。 

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しかし、本日の目的地はあの緑の山の奥に見える、いくつかのピークの一番奥の山なんですよ。。。

ちょっと明るい写真がこれ。 

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一番尖って見えるのは山頂ではなくピラミッドピークで、その奥に西穂高岳の山頂、手前に西穂独標があります。

しばらくは、美しい笠ヶ岳を眺めながら悠々と歩いていましたが……。

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やがて登山道に岩が現れるようになります。 

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しかし、この辺りはまだ「岩場」というほどではなく、余裕を持って歩ける道です。 
見ての通り、ルートに迷わないように矢印や○などのマーキングも、かなりしっかりとついています。

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1時間少々歩くと、ひときわゴツゴツとしたピークが見えてきました。
あれが西穂独標です。 

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着きました。 

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西穂独標までは危険箇所らしい危険箇所もなく、すいすいと登ってくることができました。
「11峰」と表示が見えますね。西穂独標を11峰とし、ここから10峰、9峰と小さなピークを超えていって、最後の1峰にあたるピークが西穂高岳山頂なんだそうです。

西穂独標までは「初級者レベルのコース」と言われることも多いですが、たしかにそうだなと思いました。登っていて思い出したのは「焼岳」や「天神平から往復する谷川岳」という感じ。
岩の登山道を歩くこともあるけれど、手を使って登るような場所はほとんどなかったです。山頂直下の一箇所のみでしょうかね。
そして、ここはまだ山頂ではないとは言え、見える景色はなかなかのものです。

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朝は雲海だった上高地も、少しずつ雲が薄くなってきて、梓川の流れが見えるようになりました。

ああ!富士山も見えます。うれしい。。。

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そして、これから進む道こっち……。 

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あー、なんかもう、ここまででもいいかなあ……。
独標で引き返す人もけっこういるし……。

でも、せっかくヘルメットも借りたし、しかもこんないい天気で、今日は平日で人も少ない……。
これ以上のコンディションで登れる機会が果たしてこの先あるでしょうか?いや、かなり難しいよね。

よし、先に進もう。 
西穂独標からの下りが、けっこう高度感があってこわかったですね……。
足場が見えにくいのです。

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独標から先、ピラミッドピークと呼ばれる8峰までは、足場が良くない岩場や痩せ尾根を通過するポイントが多く、気の抜けない道が続きます。

あ、あれが8峰だ。 

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着きました、8峰。ピラミッドピークです。 

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ピラミッドピークって、遠くから見たときはかなり尖ったピークに見えたのに、いざ登ってみるとぜんぜん尖った感じがしない場所でしたね。不思議だ。。。

さて、ピラミッドピークからしばらくの間は、引き続き岩場歩きが続きますが足場もそれほど悪くはなく、そこそこ落ち着いて歩ける道が続きます。

でも、そういう「難所を越えた後のなんということのない道」のほうが事故が起こりやすいと言いますから、気を引き締めて歩かねば……と思ったら!雷鳥登場!!

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もう、お腹のところが白くなっていますね。冬が近づいているのですね……。

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もふもふでかわいいーーー。

そして、雷鳥で癒やされた後はまた岩場歩き……。 

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実は、雷鳥と出会ったのはこの1回ではなかったのですが、岩場通過中でカメラを構える余裕がなかったのです……。

危険な感じはしないけれど、かなりの急な登りに、体力を削られます。 

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この後にまた、危険な岩場がないとも限らないから、体力を残しておかなければ……。
慌てず焦らず歩いていきます。

4峰。チャンピオンピークです。  

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頂上まであと3峰!
しかし、ピラミッドピークからあまり近づいた気がしませんね。。。

しかし、一歩一歩歩いていけば山頂は近づいてきます。
最後、山頂直下の岩場、私はこれがめちゃくちゃこわかったです。 

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あの、↑の先の○が2つ並んでいるあたりからですね。
ツルツルの岩で、足がかりもあまりないのに、鎖や杭などの類いも何もないんですよ。

そして、登りはなんとかなったとしても山頂に行ったあとにあそこ、下れるの……?

もう、ここから引き返すか?とまで考えましたが、とりあえず何とか登りまして。

そうしたらもう!山頂です!!! 

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1峰ではなく「主峰」と書かれています。

ようやく来れたよ……。標高2909メートルの西穂高岳。

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けっこうがんばったな、私。
岩が多い山、本当に苦手なんだけど、なんとかなったよ……。

ヘルメットを取って記念撮影。

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笠ヶ岳は、下山までずっと見守ってくれていました。
そう言えば、不思議なことに西穂高岳を登頂していた人たちのヘルメット着用率は、2018年の夏に登った北穂高岳よりも、ずっと低かったです。
北穂では年代にかかわらず、8割ぐらいの人がヘルメットを着用していました。
ですが今回は、西穂独標より先に行く人で「40代ぐらいまでの人は半分ぐらいはヘルメット着用していたかな」という感じ。そして年代が上がるにつれて着用率は低くなりました。涸沢小屋より西穂山荘のほうがレンタル料金も安かったんですけどね。(涸沢小屋1000円、西穂山荘500円でした)

もしかしたら、西穂のほうが難しい山のイメージがあるので、初心者に近いような人たちはいなかったのかもしれないですね。登山歴が長めの人が多くて、最近の「ヘルメット被ってあたりまえでしょ」という文化を知らない人が多かったのかも。
奥穂北穂は、本当に経験がない人もけっこう登っていますからね……。

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奥穂に続く縦走路……。
私はここを歩くことは絶対ないだろうなー。

その先に見える槍ヶ岳。 

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大キレットとかも別に、歩きたいと思わないなー。

でも、西穂高岳は登れましたよ! 

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しっかり休憩を取って行動食の菓子パンを食べて、下山を開始します。

上りで「これ、どうやって下るの……」と思った山頂直下の足場の悪い岩場は、前にいたグループがどうやって下っているのかを見て参考にし、なんとか下りることができました。
でも、先行していたグループもわりと苦戦していたので、やっぱり難所と言っていい場所だったのだと思います。危ないと思ってカメラはザックにしまってしまったので、写真はありません。

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山頂から下りはじめてすぐの頃は、上高地も峰に隠れて見えません。

超えてきた独標までの10の峰を、逆方向からまた通過するのですね。。。
 

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ああ、梓川の流れが見えてきました。
しかしまだまだ、道のりは遠い……。

実は、山頂直下の岩場はこわかったけれど、それ以外は山頂に近いピークは比較的歩きやすく、独標に近いピークのほうが足場が悪かったり、高度感のある痩せ尾根だったりするのですよね。 

疲労がたまってきた後半になって、危険な岩場を通過するのはかなり神経を使います。

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独標まで戻ってきたときは、かなり心拍数があがっていました。
単に強度が高い運動をして息が上がっていたというよりも、緊張が続いたせいでずっとドキドキしているような感じ。

しかし、独標から先は岩場も終わり、また緩やかな道になりますので、ホッとして歩いていきます。

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帰ってきました!西穂山荘です。

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まだ下山ではないけれど、とりあえずお疲れさまでした。  

レストハウスで西穂らーめん(醤油)とノンアルコールビール

少し時間に余裕があったので、お楽しみのラーメンを! 

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昨日味噌を食べたので、今日は醤油です。
危険な道ではないとは言え、ロープウェイまでこれから1時間歩きますので、お酒はおあずけ。
ノンアルコールビールで、あっさりと醤油ラーメンをいただき、小屋の前に置かせてもらっていた荷物を回収してパッキングし、新穂高ロープウェイに向かって歩き始めます。

新穂高ロープウェイで下山

昨日、ガスガスの中歩いてきた道を、青空の下、戻ります。

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しかし、この区間は比較的紅葉もきれいだったはずなのに、帰りはほとんど写真を撮っていませんでした。疲れていたんでしょうね……。

途中にある避難小屋を通過し… 

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ロープウェイ乗り場に着きました!

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今日は、屋上の山頂展望台にもたくさんの人がいますね。昨日は真っ白で何も見えなかったからね……。

ロープウェイを乗り継いで、ロープウェイ新穂高温泉駅に戻ります。 

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バスの時間まで、軽食コーナーで珈琲フロートをいただきつつ待ちました。 

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登山後に甘い飲み物を飲むと、体中にしみわたるような感覚がありますね!

西穂山荘はすばらしい小屋でした。次は雪の季節に行きたい

「いつか登る日が来るのだろうか……」と思っていた西穂高岳に、絶好のコンディションで登ることができて本当に良かったです。

西穂山荘も食事おいしくスタッフの方たちの対応もよく、非常に居心地の良い小屋だったと思います。特にレストハウスはいつまでもダラダラとお茶やお酒を飲んでいたくなる場所でしたね。

雪のない季節に登ってみて「噂どおり、独標までなら天気が悪くなければ雪の季節でも登れそうだな」と思いましたので、次回は山仲間でも誘って、冬に泊まってみたいなと思いました。

さて、新穂高ロープウェイ前からバスに乗って向かう先は……中尾高原の温泉宿です!

*1:大キレットやジャンダルムを経由して縦走するなら話は別ですが