地酒が飲めて郷土料理が食べれて、昼から通し営業している居酒屋
「酒蔵澤正宗」は、山形県の寒河江市にある「古澤酒造」という歴史ある酒造メーカーが運営している居酒屋です。
駅ビルの1階の隅にあり、お土産売り場とホテルメトロポリタンを結ぶ通路沿いに位置しています。
駅ビル内のお店ということで、エスパル山形の休業日以外は無休、11時から20時30分まで通しで営業しています。
ランチタイムは丼や定食のメニューもありますが、酒造メーカーが宣伝を兼ねてやっている居酒屋ですから、古澤酒造のさまざまな日本酒が昼から楽しめますし、単品のおつまみメニューも充実しており、かつ昼からすべて注文できます。
山形新幹線の時間まで小一時間空いてしまったときに、時間を潰すのにちょうどいいお店なので、山形駅に立ち寄るたびに澤正宗さんにも寄っている気がします……。
ブログでも以前ご紹介していたのですが、先日肘折温泉の帰りに再訪しましたので、今回大幅に追記しました。
駅前に飲食店が多くない山形駅で、貴重な昼から飲める酒造直営の居酒屋
地方都市ではよくあることですが、山形市内の繁華街は、山形駅前にはありません。車で5~10分かかる「七日町」というところにあります。
駅前にはビジネスホテルはたくさんありますが、飲食店はちらほら……という感じ。しかも日曜日は休業のお店も多く、土日で山形に来て最後にちょっとだけ飲んで帰りたい……という欲求を満たせる店がなかなか少ないのです。
そんな中で酒蔵澤正宗さんは本当にありがたい存在で。
公式サイトより
エスパルの1階は、ほぼ全体がお土産売り場になっていまして、一見するとどこに飲食店があるの?という感じなんですが、探し方としては「酒屋さん」もしくは「トイレ」を探すことです。
その目の前に、わりとひっそりとした佇まいであります。
「エスパル」は「メトロポリタンホテル」と繋がっているのですが、メトロポリタンホテルとの連絡通路沿いにありました。
その日のおすすめメニューも店の外に出ていますので、メニューを見て「悪くなさそうだな」と思ったら、入ってみましょう!
カウンター席もあり一人でも入りやすく、酒もつまみもクオリティ高い
カウンター席とテーブル席があり、1人だとカウンター席に通されることが多いです。
しかし、一番最近行ったときはカウンター席が混み合っており、テーブル席のほうが空いていたので、1人で4人掛けのテーブルに通されました。
駅ビルのお店ということで、1人客の比率はなかなか高いです。
では、席について落ち着いたところでメニューをながめてみましょうか。
酒蔵澤正宗のメニュー
酒造直営ということで、お酒のメニューはいつも同じなんですが、料理のメニューは季節でかなり入れ替わります。
今回ご紹介するメニューは、2018年の7月に、肘折温泉に行った後に立ち寄った際のメニューです。
山形の地理に詳しい方なら「なぜ肘折温泉に行った後に山形駅で飲んでいるの……?」と思われたかもしれません。肘折温泉の最寄りの新幹線駅は「新庄駅」ですが、新庄駅から山形駅はけっこう離れているのです。
実は、新庄駅前にはあまり飲食店がないということもあり、それならば、と、澤正宗に寄るために、新庄駅から各駅停車で1時間かけて山形駅まで来たのですよ。。。
澤正宗のドリンクメニュー
ビール、焼酎、ソフトドリンク。
ワインは、かみのやま産の物がラインナップされていました。
そして、酒造直営店ですから、なんと言っても目玉は日本酒ですよね。
お酒はすべて、古澤酒造さんのお酒です。
・澤正宗 吟醸 生酒 300ml 980円
・澤正宗 本醸造 一合 530円
・澤正宗 辛口 一合 500円
・美田美酒 純米大吟醸 一杯 680円
・紅花屋重兵衛 大吟醸 一杯 980円
・澤正宗 大吟醸 原酒 一杯 1,250円
というようなメニューでした。
酒造直営店とは言え、めちゃめちゃ安いというわけではないですが、一つの酒蔵のお酒がこんなに揃っていると、普段なかなか馴染みのないお酒もラインナップされていていいなと思いました。
ボトルの写真も載っているのが親切ですね。
澤正宗のフードメニュー
フードメニューは、まずはお刺身や焼き魚、イカの一夜干しなどの一品料理。
そして海鮮丼やうどんに蕎麦、お茶漬けなどの食事系のメニューも豊富でした。
この2ページは、特に郷土料理のメニューではなく、普通の居酒屋メニューですね。
そしてこちらは、山形の郷土料理メニュー!
わらびの1本漬け、尾花沢の「だし」、鯉のうま煮、もってのほか、玉こんにゃく。
芋煮、棒鱈煮、エゴの刺身、だだちゃ豆……芋煮の味付けこそ異なるものの、庄内地方出身の私にとっても、懐かしいメニューが並びます。
そしてこちらの手書きのメニューが、おすすめの一品料理と食事メニュー。
こちらのメニューは季節でかなり変わります。
それから、山形牛のユッケもあるそうです。
新基準に適合した工場で作られており、安全とのことでした。
しかし、わかっているけど「工場で作られたユッケ」と言われると、なんだかあまり食指が動かないのは私だけでしょうかね・笑
2018年7月にいただいたもの
まずは、お酒を一杯!
美田美酒 純米大吟醸です。
カウンターに瓶も飾ってあるこちらのお酒、他のお店で見かけることはめったにないし、フルーティで飲みやすいお酒なので夏にぴったりです。(と言いつつ、冬でもこれを飲んでいるのですが……)
お通しは、鯛のお刺身。皮目を少し炙ってありました。
いただきます!
おつまみは、今回はさくっと2品ほど。
まずは「とうもろこしのふっくらつまみ揚げ」です。
とうもろこしの天ぷらが大好きなので、オーダーしてしまいました。
天ぷらの衣とは少し違って、フリッターのような、しっとりとした柔らかい衣です。こんがり揚がっており、見た目「揚がりすぎかな?」と思いましたが、食べてみると香ばしくておいしいです。
もう1品は、山形の「だし」かけ焼き茄子。
こちらも夏らしいおつまみで、「だし」は、冷や奴にかけて食べるのはよく見かけるんですが、焼き茄子と一緒にいただくのは初めてでした。
考えたら、だしの中にもナスも入っていたりしますし、合わないはずはありません。夏らしい爽やかなおつまみ、大変おいしくいただきました。
ごちそうさまでした!
これまでに澤正宗でいただいたもの
お酒は、なんだかんだいつも「美田美酒純米大吟醸」を注文してしまいます。
他の場所でほとんど見かけないですし、おいしいので。香りはしっかりあるのにすっきりした飲み口で、どんな料理にでも合うお酒なんですよね。
日本酒専門店なんかに行っても絶対置いてない銘柄なので、ここに来るたびに必ず頼んでます。。。
これまでいただいたおつまみは、夏はだしかけ冷奴 500円。
さっと出るものということで、山形のだしを冷や奴にかけたもの。
今回焼き茄子バージョンをいただきましたが、定番の冷や奴がけもおいしいです。
夏らしく生ホヤ。600円でした。
量もたっぷりで、お酒に合います。
ただこれは、岩手や仙台で食べたものと比べると「まあまあかな」という感じ。
最後に何か温かいものを……ということで、やはりここは芋煮汁を。
牛肉に醤油味の甘めの味付け。村山地方の芋煮ですね。
ちなみに、山形でも、私の地元庄内地方は、仙台と同じ「豚肉に味噌味」の芋煮汁を作ります。
食べたことのない方のために味を説明すると、味噌味の芋煮汁は「豚汁に里芋が入ったもの」で、醤油味の芋煮汁は「すき焼きに里芋が入ったもの」だと考えていただければよいかと。
ここからは冬に来たときにいただいたもの。
白子ポン酢。たぶん700円ぐらいでした。
とろりと濃厚で当然日本酒に合う、おいしい白子でした。
オリジナルおでん。850円。
だしがしみていて温まります。芋煮もいいけどおでんもいいですね。
【再訪したい度】★★★★★ 提供スピードも早く、1人でも入りやすい大好きなお店
何度も再訪しているので、当然再訪したい度は★5つなんですが、なんで気に入っているのかなーと考えてみると、お酒や郷土料理など、山形ならではのものが気軽に楽しめることももちろんなんですけど
・おでんやだし巻き卵、子持ちししゃもなど普通の居酒屋メニューが豊富で飽きない
・駅ビル内のお店らしく、提供までの時間も短め
・いつ行ってもそこまで混んでおらず、とりあえず座れる席がある
・季節や仕入れによって変わるおすすめメニューが楽しみ
など、さまざまありまして、一言で言うと「とても使い勝手が良い」ということではないかなと思います。
また、山形に行ったおりには、ちょっと立ち寄って一杯飲みたいです。