温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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2021年に泊まった温泉宿で「部屋」「風呂」「食事」が良かったおすすめ宿ランキングを発表する

2021年の温泉旅も、すべて一人旅でした

2017年から毎年、1年間に泊まった宿を振り返って「部屋」「風呂」「食事」というそれぞれの側面において「この宿はすばらしく良かった!」と印象に残っている宿をそれぞれ1位から3位まで紹介する、という記事を更新しています。本稿はその2021年版です。

過去4回分の記事は下記になります。

食事部門だけ3軒に絞りきれず3位が2軒あり、全部で10軒の宿を紹介しています。

2019年、2020年に引き続いて2021年版で選んだ宿も、すべて1人で宿泊した宿でした。
ただ、残念なことに現時点では1人泊の受付がなくなってしまった宿もあります。状況が変わって1人泊の受付が再開する日が来るといいなと思いつつご紹介させていただきました。

今回ご紹介している10軒の宿の中で6軒は、休前日でも1人で宿泊可能な宿で、実際に私も土曜日に宿泊しています。私自身もそうですが、土日休みの勤め人で、できれば土曜日に1人で泊まれる宿が知りたい……という方が多いのではないかと思いますので、各宿についていつなら1人で予約可能かを付記しています。

2022年10月現在は、全国旅行支援などの影響で予約が取りにくくなっている宿も多いですが……10軒すべてすばらしい宿ですので、いつかの旅に役立てていただければと思います。

一人旅で利用しやすい温泉旅館については、発売中の著書にもたくさん掲載していますので、ぜひ、お手に取っていただけますと幸いです。

「部屋と建物」「風呂」「食事」の項目ごとに良かった宿ランキングを作った

普段、温泉旅館の宿泊レポートを書く際に私は、★5つを満点として「部屋」「食事」「風呂」について自分なりに採点し、最後にサービスや総合的な印象などを含めて「再訪したい度」を決めて、ご紹介するようにしています。

そのため、この記事ではそれに倣い「部屋」「食事」「風呂」という観点で、最高に印象に残っている宿を1位~3位まで発表します。項目ごとのランキングなので「お湯はいいけど、食事はちょっと……」な宿であっても「風呂ランキング1位」になり得るということです。

ただ、実際に「いい宿だったか」「また泊まりたいか」ということを考えるときは「部屋」「風呂」「食事」のどれかが突出していい宿だけではなく「すべてが平均的に良い」宿や「サービスが良い」「コスパがいい」宿が上位に来ることも多いものです。

昨年同様「いろんな要素を総合的に見たランキング」は、別の記事でまたご紹介したいと思います。

2017年、2018年、2019年、2020年に泊まった宿の総合ランキングは上記です。

2021年「部屋と建物」が良かった温泉宿ランキング

宿泊レポートの中では「部屋」という項目名ですが、実際には

・建築物としてすばらしく「ここに泊まれるのか!」という感動がある
・設備が整っており、住みたいぐらい快適に過ごせる

という2軸で見ているため「部屋と建物」が良かったランキングとしています。
選んだ3軒の宿のうち2軒は再訪で、1軒は初めて宿泊した宿でした。

部屋第3位 岐阜県「新穂高温泉 山の旅舎 中尾平

岐阜県奥飛騨温泉郷の新穂高温泉は、西穂高岳などの登山口として知られる新穂高ロープウェイの周辺に広がる温泉地で、登山者にはお馴染みの場所かもしれません。

部屋と建物が良かった宿3位に選出した「山の旅舎 中尾平」は、新穂高ロープウェイからは少し離れた「中尾高原」というエリアにある宿です。源泉もロープウェイ周辺の宿とは異なり、温泉地としては新穂高温泉に含まれますが「中尾源泉エリア」と呼ばれるようです。

2017年にも1度宿泊してブログに宿泊レポートを公開していますが、2021年に4年ぶりの宿泊が叶いました。前回は10月の宿泊でしたが、今回は12月中旬、積雪後のタイミングで雪見露天を楽しむことができました。土曜日も1人泊可能な宿です。

館内すべてが雰囲気よく、琉球畳の快適なお部屋にはロッキングチェアが

山の旅舎中尾平は、山の宿らしいログハウス風の、木の温かみを感じさせる建物の宿です。

玄関のマットや間仕切りなどのファブリック、ライトなどがとてもかわいい。

客室は、和室とも洋室ともつかない、両方をいいとこ取りしたような独特のお部屋なんですが、とても快適です。

コロナ禍以降、スタッフの客室内への立入りを減らすためにチェックイン前からお布団が敷かれている宿が多くなりましたが、山の旅舎中尾平ではコロナ禍以前からその方式でした。布団も寝心地が良いもので、昼からごろごろしてしまいます。

そして、客室で特に気に入っているのが窓辺のロッキングチェア。

ロッキングチェアって、普段座る機会があまりないので、旅館の部屋にあるとちょっと興奮してしまいます……。そういえば、2020年に泊まった部屋が良かった宿1位に選んだ宿も、客室内にロッキングチェアがありました……。

給茶コーナーもコーヒーや紅茶、ハーブティなど選択肢が多く、湯わかしポットがコーヒーを淹れやすいドリップケトルでした。
私はどこの宿に泊まるときもドリップパックのコーヒーを持っていくんですけど、普通のポットでコーヒーを淹れるのなかなか難しいんですよね。ドリップケトルがある宿、なかなかないのでうれしい……。

また、館内には1階・2階にくつろげるラウンジがあり、こちらもログハウスの雰囲気を味わえる素敵なスペースでした。

ラウンジの近くには書棚があります。

「ワカコ酒」「岳」「きのう何食べた?」などの蔵書にちょっと親近感。買いそろえた方とは趣味が合いそうですね……。

また、夕方になって宿の庭に出ると、灯りがついた宿の外観がなんだかいい雰囲気でした。

露天風呂が外にあるので、露天風呂に行くとき庭に出なければならないのでちょっと面倒だなと思っていたんですけど、外に出なければ気がつかなかったんでしょうね。

「部屋と建物」で選出しているので、お湯と食事についてはごく軽めの紹介にとどめますが、浴室はすべて貸切利用で、しかも全6室の宿なのに貸切風呂が6室あり、お湯もすばらしいです。
食事は、自家製ローストビーフを始め、手作りの野菜たっぷりの食事が朝夕共においしく「いわゆる旅館の夕食・朝食」が苦手だったり物足りないという方にもおすすめです。

部屋第2位 長野県「中棚温泉 中棚荘

中棚温泉中棚荘は、しなの鉄道小諸駅から徒歩20分ほどの場所にある、明治31年創業の宿です。作家として名をあげる以前、小諸に英語教師として赴任していた島崎藤村が足繁く通ったというゆかりの宿でもあります。

中棚荘の客室は、大正時代に建築された「大正館」と、平成に入ってから増築された「平成館」にあり、大正館のほうは比較的リーズナブルに泊まれるのでこれまで何度か泊まったことがありました。

大正館は古い木造建築のため、音が響いたりトイレ洗面所は共同だったりしますが、できるだけ居心地よく過ごせるよう工夫が凝らされていて、古い建物ならではの味もあります。「万人にはおすすめできないけど気に入っている」部屋でした。

中棚荘は、基本的には1人で泊まれるのは平日のみなのですが、空室が多い日に休前日に1人泊のプランが出ていることがまれにあります。2021年は直前予約で休前日に予約が取れ、初めて「平成館」に泊まることができました。平成館のお部屋は雰囲気よく居心地よく快適で、これは万人におすすめできるお部屋!と思ったので2位に選出しました。

何度もリピートしているお気に入りの宿なので、もちろんお湯も食事もすばらしいです。お風呂や食事については宿泊レポートを参考にしていただければと思います。

ちょっと寒い季節に泊まって、こたつでゆるゆると過ごしたい宿

庭の雰囲気も素敵な中棚荘。

以前は庭にいつもヤギがいましたが、この日はいませんでしたね。

チェックインを行うフロント前のラウンジも良い雰囲気です。

2021年に宿泊したのは平成館2階のお部屋です。

広々とした12畳の和室の右側にこたつ、左側に布団が敷いてあります。
自宅にも冬にこたつを置きたいなあと思うんですが、掃除がしにくくなってしまうのでなかなか踏み切れず、温泉宿の部屋にこたつがあると心が躍るんですよね……。

さらに素敵だったのは部屋の奥にあるこちらの文机。

温泉宿の客室でブログを書くことが多いのですが、こたつだとくつろぎすぎて眠くなってしまうんですよね。執筆は文机で行って、疲れたらこたつに入ってだらだらできるお部屋、すばらしいわ……。

中棚荘は客室内のアメニティにもこだわりが光っています。

半纏のかわりに暖かく軽いモンベルのダウン。
タオルや足袋ソックスは丁子(ちょうじ)の蕾の煮汁で染めた丁子染です。丁子染めは虫除けにも効果があるんだそう。

客室以外の館内も快適&楽しめます。

チェックインを行ったラウンジには喫茶コーナーがあり、ソフトクリームや果実酒、ビールなどをオーダー可能です。私はいつも、お風呂上がりに地ビールの瓶ビールを注文してしまいます。

夕食は、お隣にある大正館にあるお食事処でいただきますが、こちらの建物も古い建物ならではの雰囲気や味わいがあって素敵です。

床には琉球畳が敷かれています。

昔ながらの雰囲気の食事処は真冬でもとても暖かく快適でした。

温泉もすばらしく、食事も朝夕共においしい宿で、実は「朝食がおいしい温泉宿」の記事でもこちらの宿をピックアップしています。

日帰り入浴や昼食での利用も可能ですが、ぜひ、泊まってゆったりと過ごしていただきたい宿です。大正館のお部屋も宿泊レポートに掲載していますので、興味を持たれた方にはぜひチェックしていただきたいです。

部屋第1位 岐阜県「平湯温泉 もずも

部屋と建物が良かった宿の第1位は、2021年6月に初めて宿泊した宿、平湯温泉のもずもです。

梅雨時の宿泊で、時折小雨がぱらつく天気の中お邪魔しましたが、庭の木々の緑が雨に濡れてきれいでした。

もずもは20歳以上の大人だけが宿泊できる、すべての客室に露天風呂が付いている全10室の宿です。

「大人のためのご褒美宿」というタイプの宿ですので、宿泊料金はお安くはありませんが、客室露天風呂付きの部屋の宿泊料金としてはリーズナブルなほうだと思います。また、土曜日も1人泊可能な宿で、飛騨牛をめいっぱい食べられるコース料理を個室食事処か部屋食でいただけるので、1人でも人目など気にせず贅沢な休日が楽しめます。

宿泊レポートも公開していますので、参考にしていただければと思います。

ぶなの原生林を眺められるテラス&客室露天は雰囲気抜群!室内も広く快適

全客室に露天風呂がついているもずもは、基本的には「客室でゆっくりお過ごしください」というスタイルの宿ですが、共用部分の雰囲気もとても良いです。

こちらはフロントの前にある、チェックインを行う際に案内いただくスペースですが、琉球畳が敷かれており、大きな窓から木々の緑を眺めることができます。

もしもラウンジでドリンクサービスなどがあれば、こちらで湯上がりに読書なんかしながらゆったり過ごしてしまいそうです。しかし、特にそういったサービスはないのでさっそく部屋に行きましょう。もずもは部屋でゆったり過ごす宿タイプの宿なのです。

おそらくですが、高級宿にありがちなドリンクサービスなどをあえてやらないことで、客室露天風呂付きの宿にしては控えめなお値段をキープできているんじゃないかな、と思ったり。それはそれですばらしいことだなと思うのです。

廊下も窓が大きくて雰囲気が素敵です。

宿泊するお部屋に着きました。

客室に入ってすぐの場所に冷蔵庫があり「飲料の持ち込みが無料である」旨が書かれていました。温泉宿への飲料の持ち込みは「絶対NG」「基本的にはNGだが、度が過ぎなければ黙認」「ご自由にどうぞ」など宿によって方針は異なりますが持ち込みOKなことをはっきり明記してくださるのはありがたいなと思います。

平湯温泉のバスターミナルから徒歩5~6分の場所にある宿で、バスターミナルから宿に来る間にも酒屋さんもありますので、好きな飲み物を買ってくると快適度があがりますね。

さて、客室です。

琉球畳が敷かれた客室は、テレビ、座卓の他に囲炉裏(実際に使うことはない)がある以外はごくシンプル。部屋食のプランだったので、布団は夕食後に敷いてくれるのかな……?

と思いきや、引き戸を開けると現れる2台のベッド。寝室が別にあるんですね。

照明の雰囲気も良く、寝具も上質で寝心地が良かったです。
朝夕部屋食の宿は朝食前に布団を片付けられてしまうことが多いので「朝食後にごろごろできないから残念だな」と思っていました。しかし、ベッドルームが別にあるなら夕食時の鍋などの匂いも寝室にはこもりにくいし、朝食時も扉を閉めてしまえばベッドの乱れを客室係の方に見られることもありません。とても便利だしありがたいですね。

そして、もずもの客室のすばらしいところはこのテラス。

バスターミナルから徒歩6分の宿とは思えない、原生林が目の前に広がっています。

客室露天風呂はこのテラスと繋がった場所にあるので、好きなだけお風呂に浸かって、喉が渇いたらテラスでビールを飲みながら涼む……を繰り返すことができます。至福の時間でした。

女性用の化粧水などは雪肌精シリーズ。シャンプー&コンディショナーやボディシャンプーも上質なものでした。

脱衣所兼洗面所も広々快適。

浴衣も2枚用意してあり、思わず着てお出かけしたくなるような粋な柄の浴衣だったのも良かったです。

「ラウンジでフリードリンクなど館内サービスが充実している宿」とはコンセプトの異なる「ひたすら部屋で過ごす宿」です。快適な部屋でひたすらだらだらできて幸せな時間だったなあ……と強く印象に残っているので、2021年の「部屋が良かった宿」1位に選出しました。

2021年「風呂」が良かった温泉宿ランキング

「風呂」の良さには「お湯そのものの良さ」と、浴室がきれいで新しい・露天風呂からの眺めがいい・アメニティがしっかりあるなど「浴室の環境の良さ」の2つに分かれるのではないかと思うのですが、ランキングでは特に「お湯」を重視して選びました。

選んだ3軒の宿は、1軒のみ再訪の宿で、2軒は2020年に初めて泊まった宿でした。

風呂第3位 青森県「嶽温泉 山のホテル

風呂が良かった宿第3位に選んだのは、青森県の嶽温泉 山のホテルです。

岩木山登山に便利な立地にあり、数年前に岩木山登山の後に宿泊しました。

今回も「晴れたら岩木山にも登ろう」と思って予約していましたが、残念ながら天気はいまいちで登山は断念。ですが、白濁硫黄泉のすばらしいお湯をめいっぱい楽しむことができました。また、土曜日も1人泊可能な宿です。(現在は予約は取りにくそうですが……)

白濁の硫黄泉をのんびり楽しみ、お風呂上がりにうれしいアイスのサービス有り

山のホテルには2つの浴室があり、どちらも夜通しの入浴が可能です。

建物の奥のほうにある別館の「たたみの湯」は、浴槽の周りに防水の畳が敷いてある、雰囲気ある浴室です。

このちょっと変わった形の浴槽が何ともいい感じなんですよね……。

ph2の酸性硫黄泉ですが、肌がピリピリするようなことはなく、さらっとした浴感のとてもいいお湯です。

露天風呂はありませんが、外から風が入ってきて心地良い湯浴みを楽しめます。窓越しに木々の緑が眺められるのもいいですね。

もう1つ、本館にある浴室は「ヒバの湯」と呼ばれています。

天然の青森ヒバを贅沢に使った浴室内には、温泉の香りとはまた異なる木の良い香りに満たされています。
宿泊した際は、感染症対策のためかドライヤーなどは脱衣所に置かれておらず、客室内に設置されたものを使うことになっていました。(日帰り入浴の時間帯は設置されているのか?わかりませんが……)そのためか脱衣所や浴室内が混み合うこともなく、ゆったりと湯浴みを楽しむことができました。

また、別館の「たたみの湯」の前では飲み物やアイスクリームのサービスがあり、湯上がりに楽しむことができます。

季節によって内容は変わるかもしれませんが、宿泊した際はコーヒーや水素水などのほかに「赤紫蘇ジュース」が。甘酸っぱくてお風呂上がりにぴったりの爽やかなジュースでした。

それから、冷蔵庫に入っているアイスバーもフリーでいただけます。

ミルク、チョコ、メロン、いちご、コーヒー、抹茶と種類もなかなか豊富です。

コーヒーと一緒にお部屋でいただきました。

山のホテルでは日帰り入浴や昼食営業も行っているので、名物のマタギ飯も昼食にいただくことができますし、ご紹介した浴室も日帰りでの利用も可能です。(たたみの湯は家族風呂として時間制での利用)

日帰りでも楽しめますが、お部屋も快適でサービスも良く、朝食では(季節限定かもしれませんが)しぼりたてのりんごジュースも楽しめる、お湯以外の面でも満足度の高い宿です。

風呂第2位 山梨県「川浦温泉 山県館

風呂が良かった第2位に選んだのは、山梨県の川浦温泉 山県館です。

2021年に初めて泊まった宿ですが、実はこれまで何度も何度も何度も日帰り入浴でお邪魔したことのある宿です。

というのも、甲武信岳などの登山口となる西沢渓谷と、塩山駅・山梨市駅を結ぶバス路線沿いにあり、宿の目の前にバスが停まるのです。

近隣の日帰り入浴施設に比べると入浴料金が高めで、それゆえに空いていてゆったり楽しめる……ということで重宝していたのですが、コロナ禍以降日帰り入浴を休止してしまいました。(ホームページ上の記載によれば現在も休止中です)

1人泊は平日のみ可能な宿なので宿泊したことはなかったのですが、日帰り入浴できないとなると、川浦温泉のすばらしいお湯が恋しくなり、2021年に休暇を取って初めて宿泊しました。

とにかく湯量豊富でシャワーも温泉!混浴の浴室は女性専用時間帯あり

川浦温泉山県館には時間帯で男女が交代となる2つの大浴場と有料の貸切風呂、それから混浴の「信玄公岩風呂」があります。貸切風呂は眺めがいいそうで気になったものの、60分3300円とまあまあいいお値段なので今回は利用せず。ですが2つの大浴場と信玄公岩風呂で十二分に満足できました。

1つ目の大浴場「せせらぎ之湯」は、寝湯とジャグジーがついた広い内湯と露天風呂のある浴室です。

泉温42度ほどの「川浦源泉」と39度ほどの「雷沢源泉」を混ぜ合わせて、ややぬるめの適温に調整されています。2つの源泉を合わせて毎分1000L以上湧出しており、シャワーやカランのお湯も源泉です。

ph9.6以上の高アルカリ性の源泉で、ほんのりと卵臭。肌への刺激が少なくいつまでも浸かっていられるすばらしいお湯です。

大浴場は「21時」と「10時」に男女が交代しますが、もう1箇所の大浴場「薬師之湯」はさらに広々。

この広い浴槽がすべて源泉かけ流し!
平日の宿泊だったので広い浴室を独占できることも多く、幸せなひとときを過ごしました。

10月末ごろの宿泊でしたが、周辺の紅葉がちょうど見頃を迎えており、露天風呂からは色づいた木々を眺めることができました。

先にご紹介した「せせらぎ之湯」よりもこちらの「薬師之湯」のほうが眺望、広さ共に満足度が高いのですよね。

薬師之湯が女湯になるのは「10時から21時」の時間帯ですので、女性の方はなるべく早めにチェックインして、このすばらしい浴室をじっくり堪能していただきたいです。

日帰り入浴(11時~15時)は広い薬師之湯が女湯の時間帯なので、日帰りでまた来れたらうれしいのですけどね……再開してほしいー。

最後に「信玄公岩風呂」です。こちらは日帰り入浴では入ったことがなかったので楽しみにしていました。

以前は「基本的には混浴で女性専用時間帯あり」だったのですが、現在は18時30分~22時と6時~10時は混浴。10時~16時は男性用、16時から18時30分が女湯となっています。

タオル巻きや湯浴み着はNGなので混浴の時間帯に入るのは厳しくて、日帰り入浴で来たときは最初から諦めていたのですが、宿泊してようやく入ることができました。渓流の音を聞きながら広い岩風呂に浸かり、大満足の湯浴みでした。

食事は甲州牛のしゃぶしゃぶなどがいただける会席料理。山梨県産のコシヒカリで作られたどぶろくを飲みつつ、おいしくいただきました。

風呂第1位 秋田県「白神矢立 湯源郷の宿 日景温泉

2021年お湯が良かった宿第1位に選んだのは、秋田県と青森県の県境に建つ宿、日景温泉です。

住所だと秋田県になりますが、東京から公共交通機関で向かう場合は新幹線を新青森駅で下車し、秋田行きの特急つがる号に乗り換えるのがスムーズです。事前の連絡が必要ですが、碇ヶ関駅から宿の車で送迎していただけます。

庭に鶏が放し飼いにされていて、宿の周りを散歩していると後をついてくる……秘湯感たっぷりの宿です。

2021年の夏に初めて泊まってかなり気に入ってしまい「次は連泊したい!」と思って早くも11月の連休に連泊で宿泊してしまいました。

シングルルームがあり、土曜日や連休でも一人泊が可能なありがたい宿です。

大浴場と貸切風呂が5つあり、館内で湯めぐりが楽しめる

日景温泉の浴室は男女別の大浴場のほかに、貸切風呂が5箇所あり、予約制で空いているタイミングで入れるというもの。

1階フロント橫のラウンジに、貸切風呂の予約用の黒板があります。
部屋番号が書かれたマグネットが、「宿泊当日用」と「翌日用」で各部屋に2つずつ用意されており、入りたい時間帯の上にマグネットを置いておくことで予約となります。あとは予約した時間に浴室に向かい、内側から鍵をかけて入浴するという仕組みです。

初めて泊まった日は平日だったので満室ではなく「空いていれば2回以上貸切風呂を利用しても大丈夫ですよ」とお声がけいただいたので、1泊で5箇所すべてに入ってしまいました。いずれもすばらしい浴室だったので「これは連泊してじっくり楽しみたい!」と思い、秋に連泊の予約をしてしまった次第です。

日景温泉には「硫黄泉」と「炭酸泉」の2種類の源泉があり、男女別の大浴場と内湯の貸切風呂2箇所は硫黄泉の源泉が引かれています。

大浴場には露天風呂もあり、内湯も広々。また大浴場では15時まで日帰り入浴も受け付けています。

内湯の貸切風呂「めんけ湯っこ」は、ほぼ同じ作りの内湯が2室並んでいます。大浴場とこの2つの貸切風呂にはシャワー付きの洗い場があるので、まずはそのどれかに入るのがおすすめです。

40度弱の硫黄泉で満たされており、浴感はサラッとしています。硫化水素臭がガツンと香る硫黄泉。お湯を入れ替えたタイミングによるのでしょうか、お湯が透明なときと白く濁っているときがありました。やや温めでゆったり浸かれます。

そしてこちらは展望露天風呂の「うるげる湯っこ」です。

屋根がなく、敷地内のやや小高くなっている場所にあるので開放感抜群!浴槽もかなり広々としています。3箇所ある貸切露天風呂は、内湯や大浴場とは異なる「炭酸泉」の源泉です。42度ほどの熱めの源泉なので炭酸泉特有の泡つきは感じられませんが、かなり濃厚な源泉です。硫黄泉とはまた異なる、ちょっと薬っぽい香りが癖になります。

こちらも炭酸泉の露天風呂「あんべいい湯っこ」です。

屋根のある露天風呂で、きっと雪見露天の季節にいい眺めが楽しめそうな気がします。

最後に、2021年に新しくできたばかりだという「滝見の湯っこ」。

小さな滝を目の前に眺めながら、1人でゆったりと湯浴みが楽しめました。

泉質の異なる2つの源泉はどちらも個性的なすばらしいお湯で、広い大浴場と5つの貸切風呂はいずれも雰囲気が良く、館内で湯浴みが楽しめます。

ラウンジでは、滞在中コーヒーやお茶などのソフトドリンクが提供されており、冷蔵庫に入っているアイスキャンディも好きなだけいただけます。

夕食では利き酒セットで地酒を楽しみ、〆の曲げわっぱの器に入ったきりたんぽ鍋のおいしさに感動しました。お湯の良かった宿1位に選びましたが、食事もかなりおいしく、部屋もきれいで設備もサービスもいいので、どんな人にでもおすすめしやすい宿だと思います。

1度泊まって「次は連泊したい!」と思い、数ヶ月後に早くも連泊で再訪してしまったのですが、2度目も期待を裏切られることはありませんでした。また必ず訪れたい宿です。

2021年「料理」が良かった温泉宿ランキング

実は毎年「料理が良かった温泉宿ランキング」でも、3位を1軒に絞りきれず4軒ご紹介しているのですが、今回も……でした。もはや毎年恒例のようになってしまいましたが、4軒とも本当においしい宿でしたので、ご紹介させてください。

今回選んだ4軒は、すべて2021年に初めて泊まった宿でした。そして、今日までの間に4軒中3軒に、既に再訪しています……。おいしい宿には季節やプランを変えてまた泊まりたい!と思うので、再訪率が高いのです。

また、どの宿も食事がおいしいだけでなくお湯もすばらしい、自信を持っておすすめできる4軒です。

料理第3位 新潟県「赤倉温泉 赤倉観光ホテル

第3位に選んだ2軒のうちの1軒は、新潟県の妙高高原にある「赤倉温泉 赤倉観光ホテル」です。スキー場に隣接した宿で冬はスキー客で賑わいますが、私は12月初旬の、本格的なスキーシーズンが始まる前のタイミングで宿泊しました。

12月に初めて宿泊した際は外観の写真を撮り忘れてしまい……こちらは再訪した2022年の4月に撮影したものです。

宿泊レポートはこちらに公開しています。土曜日でも1人泊可能な宿です。

メインダイニングルーム「ソルビエ」は料理・雰囲気・サービス共にすばらしかった

今回は「お部屋おまかせプラン」で予約し、本館のツインルームにご案内いただきました。

室内の調度はクラシックホテル風の雰囲気たっぷりで快適なソファもあり、冷蔵庫に入っているビールやソフトドリンクがフリーなサービスもうれしい。

大浴場は赤倉温泉のすばらしい源泉がかけ流され、無料で利用できる貸切風呂もあります。「部屋」「風呂」いずれもすばらしく、どの部門でご紹介するか悩んだ宿でした。

ラウンジで14時から17時までビールやワイン、ソフトドリンク、オリジナルカクテルなどがいただけるうれしいサービスもあります。お風呂上がりにビールやスパークリングワインで喉を湿らせ、お待ちかねの夕食です!

赤倉観光ホテルの夕食会場は

・クラシックなフレンチの「メインダイニングルーム ソルビエ」
・プレミアム棟に2016年にオープンのグリル料理&イタリアン「アクアダイニング」
・日本料理レストラン「旬彩ダイニング 白樺」

の3つのレストランがあり、予約時に選択します。

私はフレンチ好きなので……クラシックなフレンチをいただける「メインダイニングルームソルビエ」で予約していました。ちなみにソルビエは厳しいドレスコードがあるわけではないですが浴衣はNGなので、楽に食事できる服を持っていったほうが楽しみやすいと思います。

ソルビエは、じゅうたんや椅子の張り生地が深い赤で統一されたシックな雰囲気のダイニングです。

グラスでいただけるワインの種類が多くてうれしい。

スパークリングワイン、白ワイン、赤ワインの3グラスのペアリングセットでお願いしました。前菜は「新潟やわ肌ネギのマリネと佐渡産おけさ柿のサラダ仕立て」

じっくり焼かれたネギはとろり柔らかく、柿に負けないぐらいの甘さで驚きました。

2皿目の温かい前菜は「紅ズワイガニのファルシィ 小鳥の巣仕立て」

紅ズワイガニをキャベツで巻いたファルシィ。蟹の旨みが濃くておいしい……ソースはブルーチーズ。ワインがすすみます……。

3種類提供されたパンはすべて、館内のベーカリーで焼き上げたホテルオリジナル。

メインは和牛フィレ肉にフォアグラのポワレを合わせてロッシーニでお願いしました。

フィレ肉もフォアグラもかなりのボリュームです。
マデラワインという赤ワインを使ったソースで、フォアグラの上にはトリュフが載っており、これぞフレンチ!という重厚なメニュー。こういうのが食べたかったんですよ……。

デザートの「越後姫とフランボワーズのソルベ」も、コーヒーと一緒に提供されるお茶菓子も文句なしにおいしく、大満足の夕食でした。

朝食は「旬彩ダイニング白樺」でのバイキングの朝食をいただきました。この他に「アクアダイニング」での洋朝食の選択肢もあります。

洋食メニュー、和食メニュー共に豊富で、フリーでいただけるドリンクの中にはスパークリングワインもありました。

欲張ってかなりの品数をよそってしまい、朝からお腹いっぱいに。

1人1つ限定の焼きたてフレンチトーストも、間違いのないお味でした。

実は、夕食の満足度で言えば2位に選んだ宿と甲乙付けがたい……夕食だけなら赤倉観光ホテルのソルビエのほうが上かも……?と思っていました。
ただ、赤倉観光ホテルの朝食バイキングは、全部普通においしいのですけど印象に残る一品はなくて、特に、夕食と比べてパンが普通だったのが少し残念でした。

夕食のパンは、ホテルのベーカリーで販売しているのと同じパンで、めちゃくちゃおいしかったんですよね。なので、アクアダイニングでの洋朝食を選んだほうが満足度は高い可能性はあります。アクアダイニングで朝食をいただくプランはじゃらんなどの旅行サイト経由では予約できないようで、公式サイトから予約する必要があるのですが、次に泊まることがあれば洋朝食で予約したいです。

ちなみに、宿泊料金とは別料金になりますが、カフェテラスでいただけるケーキやベーカリーで販売しているパンなどいずれも大変おいしくて、満足度が高いです。

何を食べても間違いなくおいしい赤倉観光ホテル、絶対また泊まりたい宿に巡り会えました。(そして2022年にも泊まりました)

料理第3位 福島県「高湯温泉 安達屋

もう1軒、料理が良かった宿の第3位として選んだのは、福島県高湯温泉の安達屋です。

安達屋さんは、2019年以前は1人で泊まることは難しかったのですが、コロナ禍以降2021年の前半ぐらいまでは1人泊でも2食付きのプランが出ていました。

「今がチャンス?」と思って2月に宿泊したのですが、現在はまた、1人泊のプランはなくなってしまったようです……残念。でも、泊まれてよかったです。

現時点では1人で泊まれない宿なので紹介するか否かで悩んだのですが、食事もお湯も良く、私自身「誰かを誘ってもまた泊まりたい」と思えた宿です。またいつか1人でも泊まれるといいな……という願いをこめつつ、ご紹介したいと思います。

日本酒ペアリングプランは種類も量もすごい!日本酒に合う料理もすばらしい

安達屋さんの源泉は、やや青みがかった白濁の硫黄泉。宿泊時は真冬だったので、雪見露天風呂を楽しむことができました。

宿泊したのはシンプルな8畳の和室で、暖かく快適なお部屋です。

夕食は18時スタートでしたが、まずはその1時間前の17時に、お部屋に「本日の飲み比べ3種」と「本日のおつまみ3種」が届きます。

すべて福島県内の酒蔵のいいお酒3種!おつまみも「酒かすクリームチーズ」「生ハム」「ごま豆腐」と基本を抑えた3品です。おいしいけど……日本酒これだけで1合近くありそうなんですが……。

1時間でゆっくり飲み比べセットを味わってから食事処へ。各テーブルに網のかかった囲炉裏があり「囲炉裏焼き」の料理が楽しめるコースです。

完全な個室ではありませんが、隣の席との間には仕切りがあるので視線は気になりません。

料理メニューはこちら。締めの自然薯鍋が今から楽しみ。

ペアリングされる日本酒はすべて福島県産のお酒で、料理と同じタイミングで提供されます。全部飲むと3合以上あるそうです……。

というわけでまずは前菜から!

「奥の松 純米大吟醸スパークリング」と和牛の握り、スモークサーモンのマリネ、カボチャのポタージュをいただきます。前菜は見た目にも美しく、味もすばらしいです。

途中に囲炉裏焼きを挟みつつ、帆立の真丈のお椀。

お刺身はシマアジ、ぼたん海老、紋甲烏賊。山の宿ですが海の魚も大変おいしいです。

和牛のヒレ肉のグリルには「末廣 伝承山廃純米」緑のソースは小松菜のソース。

〆の自然薯鍋も量たっぷり!だけどおいしいので食べてしまいます……。

デザートのほうじ茶プリンに合わせて最後の日本酒「国権 純米大吟醸」が提供されました。

温泉宿では基本的に食事の量が多いので、お酒はそこまでたくさん飲まないのですが……どんどん出てくるし全部おいしいのでがんばって飲んでしまいました。食事の量も多めなので、全部おいしかったけどかなり苦しかったです。

実は夕食後の19時30分から22時までは、ラウンジでウィスキーやワインを楽しめる「カクテルタイム」が設定されていましたが、お腹いっぱいだしお酒も限界で、今回は足を運べず無念でした……。

朝風呂に入って昨夜のお酒と料理をなんとか消化し、午前7時30分から朝食をいただきます。

箱膳に入った色とりどりのおかずにお粥。ご飯も選べます。

シャキシャキの生野菜サラダとトマトジュースですっきりと目が覚めました。

鍋の中身は、穴子の柳川鍋!甘めの出汁で煮た穴子と牛蒡とねぎなどを、卵でとじていただきます。

お粥を選んでしまったけれど……これは、ご飯にのせて食べたかったかもしれません。

さらに、パンコーナーもあります。

「いちご」「ラフランス」「ブルーベリー」「りんご」「さくらんぼ」「もも」などのジャムは山形県の「たかはたファーム」のもの。

思わずパン一切れだけ焼いて、好きなジャムをのせてコーヒーと一緒にいただいてしまいました。またいつか、泊まりたい宿です。

料理第2位 栃木県「日光中禅寺温泉 中禅寺金谷ホテル

第2位に選んだのは、栃木県日光市の中禅寺湖の周辺にある、中禅寺温泉 中禅寺金谷ホテルです。

湯元温泉ー中禅寺温泉エリアは「戦場ヶ原をハイキングして温泉宿に泊まる」という、私の大好きな楽しみ方ができる温泉地です。

このエリアにはお気に入りの宿もいくつかありますが、中禅寺金谷ホテルもいつかは泊まってみたいと思っていた宿で、2021年に初めて宿泊が叶いました。2022年10月現在は、土曜日でも1人で泊まれる宿です。

栃木県産食材をふんだんに使った軽やかなフレンチと夜も朝もおいしいパン

館内は、重厚さと素朴なかわいらしさを合わせ持った雰囲気がとても素敵。

フロントの前には大きな暖炉があり、時折パチパチと音をたてながら火が燃えています。

暖炉の前に置いてあるソファーのファブリックやテーブルがかわいい……。

客室はスタンダードツインルームを予約したのでわりとシンプルですが、暖かく快適です。

浴室では、日光湯元温泉から引湯した、青みがかった濁り湯の硫黄泉がかけ流されています。開放感抜群の露天風呂は「空ふろ」と呼ばれており、晴れていれば夜は満点の星が眺められるそうです。(宿泊した日は曇りでしたが……)

この日はお正月休みの後半だったので、チェックイン後にお汁粉のサービスがありました。

つきたてのお餅、甘さ控えめのあん、付け合わせの塩昆布などいずれも上等な味わいで「これはきっと、食事も期待できる」と心が躍ります。食事がおいしい宿は、部屋のお茶菓子まで手を抜かずおいしいことが多いので。

お待ちかねの夕食は、1階のダイニングルーム「みずなら」でいただきます。浴衣はNGなので部屋着を持参したほうが楽だと思います。

ダイニングルームは縦長の形をしており、影になる席や衝立があるわけではないので「1人だから目立たない席に……」というわけではないですが、席と席の間はかなり空いているので視線や隣の席は気になりにくいんじゃないかと思います。大人が多い宿ですしね。

夕食は2つのコース料理から当日にどちらをいただくか選択できる「選べるディナーコースプラン」で予約していました。

席についてから両方のコースのメニューを見せていただき、気になったほうをお願いする方式です。

左は、魚料理と肉料理とメインが2皿ある一般的なフレンチのコース料理。右は「トラウトディナー」なる、日光産の虹鱒料理をメインに据えたコースです。

虹鱒も気になりますが、やっぱりお肉も食べたいので左のコースを選びました。

お酒は「ロゼのシャンパン、白ワイン、赤ワイン」のグラスワイン3杯がセットになったワインペアリングがあったのでそちらを。甘酸っぱいロゼのシャンパンをいただき、食欲が湧いてきます。

オードブル。お皿の中に花畑が広がっているような美しさです。

見た目だけではなく、サーモンの中にはリゾットがつまっているなど芸が細かく、奥のほうに見える猪のパテが濃厚でめちゃめちゃおいしい。

ポタージュスープは見た目は普通ですが、なんと「かぼちゃとコーヒー」のポタージュ。

味はかぼちゃなのに、コーヒーの良い香りがするという不思議なスープ。これはパンにつけて食べたいおいしさ……。

パンがまた!おいしいんです。

金谷ホテルと言えば「金谷ホテルベーカリー」を営む宿ですので、パンのおいしさには定評があります。焼きたてを好きなだけお替わりできるし、ずっしり中身が詰まって噛みごたえがあり、何というか、味が濃い。バターもおいしい。

肉料理には栃木県産のきのこと大根、フォアグラなどが添えられています。肉料理と一緒に提供された生野菜のサラダも新鮮で、ドレッシングもおいしい。
3位に選んだ赤倉観光ホテルのクラシックフレンチよりはだいぶ軽やかなフレンチで、これはこれで大変おいしかったです。

そして……中禅寺金谷ホテルは朝食がおいしかった!

この日はお正月期間ということでお節とお雑煮のサービスがあり、それらもおいしかったのですが、それ以上に通常の朝食メニューが絶品なのです。

卵料理と肉料理は数種類から好みのものを選べるのですが、私はベーコンとオムレツにしました。

表面にはまったく焦げ目がなく、ナイフを入れても半生の卵液がしみ出してきたりしない、完璧な焼き加減のオムレツ……。

ホテルメイドのパンを朝からめいっぱいいただいてしまいました。

中禅寺金谷ホテルは「朝食がおいしかった宿」というテーマの記事でもご紹介しています。

軽やかなフレンチとシンプルで完璧な洋朝食という、ホテルの食事の基本をしっかり抑えた中禅寺金谷ホテル。温泉もすばらしいので、いわゆる「温泉宿の料理」が苦手な人や飽きてしまったという人にも、特におすすめです。

料理第1位 新潟県「松之山温泉 酒の宿 玉城屋

2021年料理がおいしかった宿第1位に選んだのは、新潟県十日町市の「松之山温泉 酒の宿 玉城屋」です。

「里山キュイジーヌ」と称される、フレンチのコース料理がおいしいと評判で、日本酒またはワインのペアリングも楽しめる宿です。利き酒師の上位資格である「酒匠(さかしょう)」の資格をお持ちのオーナーが、その日のとっておきのお酒を料理に合わせて提供してくださいます。さらに「日本三大薬湯」の1つに数えられる湯も極上。

日本酒好きかつフレンチ好きな私のためにあるような温泉宿!と以前から気になっていましたが、平日のみ1人泊可能な宿なので月曜日にお休みをとり、2021年に初めて宿泊が叶いました。

本格的なフレンチにぴたりと合う日本酒ペアリング、魚沼のお米もおいしい

松之山温泉は、1000年以上前に地中に閉じ込められた化石海水が、地圧によって湧出する宿。塩分をはじめとした成分が濃く、草津温泉、有馬温泉と並んで「日本三大薬湯」のひとつに数えられます。

うっすらと緑っぽくも見える透明な源泉ですが、石油のような独特の香りがほんのり漂い、成分の濃さを感じさせてくれます。よく温まり、メタケイ酸豊富で肌がしっとりするすばらしいお湯です。

大浴場の前にはお休み処があり、ルイボスティーやわさび沢の冷たいお水をいただけるのですが、その他に数本の日本酒のボトルが入っています。

栓を抜いてから数日経ち、有料で提供はできないけれど細かいことを気にしなければまだまだ楽しめる!というお酒を「訳ありのお酒」として提供しているそうです。飲み過ぎると大変なので私は一口味見しただけですが、どこが訳ありなのかわからない、おいしいお酒でした。

さて、お待ちかねの食事は朝夕共に1階のダイニングでいただきます。

壁一面にお酒のボトルとさまざまな酒器が並んでいます。眺めているだけで楽しいですね。

食前酒として最初に提供されたのは「醸す森」なるフルーティな純米大吟醸にほうじ茶とハイビスカスをつけ込んだお酒。

ほんのり甘く、爽やかだけど複雑な味わい……おいしい。
料理やお酒への期待が高まります。

アミューズは、チーズと深雪鱒のシュー包み。

そしてこちらは菊芋を揚げた物。見た目にも楽しく、味もすばらしいです。

この後、料理が出てくるごとに日本酒が一杯ずつ提供されます。どれも「これが日本酒なの?」と驚くほど、変化に富んだラインナップです。もちろんすべておいしい。

左側の小鉢は、クリーム状にした蕪の下にイカの刺身が敷いてありました。
右側の皿は、鰺のマリネに春菊のソース。

すべてがおいしく、すばらしいのですが……一つだけ注文をつけるとしたら、お品書きにこんな感じで食材の名前しか書いていないので。

料理を出していただく度に丁寧にご説明いただいているのですが、メモを取らないと忘れてしまう&正確な料理名はわからない、ということです・笑
なので当日のメモを元にしてご紹介しており、拙い上に間違いがある可能性がありますがご承知おきください……。

「香り茸と自家製生ハムのケークサレ」は盛り付けも美しいですね……。

かぼちゃのポタージュには、ブロッコリーと蕎麦粉で作ったラビオリが入っています。ラビオリの中には猪肉が入っているそう。この土地らしい食材が使われているのも素敵ですね。

柏崎で水揚げされた真鯛のポワレを赤ワインのソースで。

合わせて提供されたのは「久保田碧寿」
2017年から長期熟成されたヴィンテージのお酒です。初めての味わい……。

肉料理は、ブランド豚の妻有ポーク。

デザートもフレンチらしくしっかり!あるのがうれしいですね。お酒も好きだけど甘い物も好きなので、最後に凝ったデザートのつくフレンチが好きなのです。

1品目は「きんかんと花梨のゼリー、べにはるかのムース」、2品目は「えちごひめと練乳のアイス、ヨーグルトのアイス」の盛り合わせ。デザートと一緒に最後の日本酒が提供されました。フルーツや甘いものにも日本酒合いますね……。

最後に、自家焙煎のコーヒーとほろにがいふきのとうのマカロン、フロランタンなどをいただき、ごちそうさまでした。

ペアリングの日本酒を全部飲めるか?飲み過ぎてしまわないか?と実は心配していましたが、全部いいお酒だからでしょうか、ぜんぜん大丈夫でした。

朝食は同じダイニングでいただきます。

5種類のジュース(デトックスウォーターやコールドプレスジュース)から始まり、少量ずつさまざまなおかずが並びます。

見た目にも楽しく、野菜たっぷり。そして魚沼産コシヒカリが最高においしくて、朝からお腹いっぱいにいただいてしまいました。

お安い宿ではないですが、また必ず泊まりたい!と思い、実は今年既に再訪しています。オーベルジュなどの食事が売りの宿は1人泊を受けてくれないところも多いので……今後も1人泊のプランを出し続けてくれるといいなと願いつつ、食事が美味しかった宿1位に選びました。

2022年も終わりに近づくタイミングでの2021年のまとめ記事更新となり、だいぶ機を逃した感もありますがなんとか公開できてよかったです。コロナ禍前は1~3月ごろまでに更新していたはずなので、来年はもっと早めに公開したいですね……。
ここで紹介した以外にも、さまざまなすばらしいお宿に出会えました。今回ご紹介した10軒はやや宿泊料金がお高めの宿が多いのですが、2021年に宿泊した、もう少しリーズナブルな宿についてのまとめ記事も、本年中に更新予定です。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。