温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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この朝食を食べにまた泊まりたい!朝食がおいしい温泉宿15選

食事がおいしい宿は思いうかぶけど、朝食がおいしい宿は意外と難しい

「温泉宿の朝食」というと、お替わり自由のご飯とお味噌汁に、お漬物、焼き鮭、温泉卵、焼き海苔、納豆など、ご飯をおいしくいただけるおかずが複数並ぶスタイルを思い浮かべる方が多いと思います。

多くの温泉宿で、そのイメージどおりの朝食が並び、それはそれでおいしくいただいているのですが、どの宿もだいたい同じスタイルなので印象には残りにくいなと感じることがあるのです。突き抜けておいしい朝食って難しいなと。

宿泊レポートを書く際に「部屋」「風呂」「食事」の3つのポイントで★5つを満点にして採点しています。実は、食事については「夕食はめちゃめちゃおいしかったので★5つだけど、朝食はまあ普通においしかったので★4つ。トータルで★4つ半かな」ということがかなり多いのです。
夕食が相当おいしい宿でも、朝食も同じレベルでおいしいということはかなり珍しいと感じます。

実は以前、温泉関連のトークイベントに出させてもらった際「朝食がおいしい温泉宿を教えてほしい」と質問されたのですが「ここだ!」という宿がとっさに思いうかばず、答えることができませんでした。

ですが、落ち着いて考えれば「ああ、あそこの朝食はおいしかったなあ」という宿はいくつもありました。ここにリストアップしておきたいと思います。
2022年8月現在で15軒ご紹介していますが、今後も新たなに朝食のおいしい宿に出会った際は追記するつもりです。

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記憶に残る一品が決め手!和朝食がおいしい温泉宿 8軒

温泉宿の朝ご飯の代名詞とも言える和朝食。
定番のおかずは「焼き魚」「温泉玉子」「焼き海苔」「納豆」「おひたし」「お漬物」「野菜サラダ」などでしょうか。海沿いの宿であればイカ刺しがついたり、山の宿であればふき味噌など山菜のおかずが並ぶことも多いですね。

ご飯とお味噌汁、定番のおかずがおいしいことはもちろんですが、和朝食の場合、それ以外に印象に残るものが何か一品あると「おいしかった!」という記憶に残りやすいなと感じました。

ちなみに、並べた順番はおいしかった順ではなく「北から」です。

青森県:ホテルニュー下風呂

下北半島北部にある海沿いの温泉地、下風呂温泉。

窓を開ければすぐそこに漁港が見え、海の幸が間違いなくおいしいであろうことが伺えます。

下風呂温泉「ホテルニュー下風呂」は、小規模な旅館の多い下風呂温泉内では比較的客室数多めの宿ですが、とは言えこぢんまりとした温泉ホテルです。

浴室では弱酸性の「含硫黄ーナトリウムー塩化物泉」が楽しめます。源泉は55度ほどある高温泉ですが、42度程度に調節してあるので、あちちちち!とならずにすばらしいお湯をゆったりと楽しむことができます。

下風呂温泉は、まぐろで有名な「大間」のすぐ近く。

夕食には大間のまぐろも並び、お値段以上のすばらしい食事でした。
「2020年に泊まったコスパ最強の宿ランキング」では、ホテルニュー下風呂を2位に選んでいます。

イカづくしの朝食に朝から日本酒がほしくなる

そんなホテルニュー下風呂の朝食は、イカ尽くしでした!

サラダ、温泉玉子、焼き鮭などの定番のおかずもしっかりおいしいのですが、それに加えてイカの塩辛!半透明なイカ刺し!

新鮮でおいしく、ものすごく日本酒が飲みたくなりました。(注文している人もいました……飲めば良かった)

それから青森名物の「貝焼味噌」ですが、こちらにもイカが入っています。

帆立の貝を鍋代わりにして味噌味で煮立てたもので、具材にも帆立を使うのが一般的ですが、こちらの宿ではイカでした。おいしいイカはどう食べてもおいしいですね……。

全部おいしかったし「とにかくイカがおいしかった」ということで、強烈に印象に残っています。

ちなみにホテルニュー下風呂、以前は一人旅プランも出ていて私は1人で泊まったのですが、現在は1人泊の受付が旅行サイト・公式サイト共にないようです。
東京からだと便が良いとは言えず、なかなか人を誘いにくい場所なので、シーズンオフの11月以降にでも、1人泊の受付が復活するとありがたいなと思っています。

山形県:肘折温泉 旅館勇蔵

豪雪地帯で有名な肘折温泉の旅館勇蔵さん。

食事は個室でテレビを見ながらのんびり。コロナ禍以降は浴室もすべて貸切利用になって、安心して利用できる宿です。

2018年に初めて宿泊して料理のおいしさとコスパの良さに感動し「絶対また泊まりたい!」と思っていたのですが、2022年のGWに再訪が叶いました。

山菜づくし、きのこづくしの夕食に馬刺しまで付いて、さらにパワーアップしたように感じました。

ちなみに旅館勇蔵さんは「2018年に泊まったコスパ最強の宿ランキング」で第1位に選んだ宿です。

今年再訪したので、宿泊レポートも追記して公開しています。

季節を問わず山菜たっぷり!そして舞茸ご飯がおいしすぎる

そんな旅館勇蔵さんの朝食のすばらしいところは、まず「どの季節に泊まっても山菜のおかずがこれでもかと出てくること」です。

水煮にするなどして保存しているそうなのですが、見た目も味も旬のものと遜色ありません。きっと、食べ比べれば旬の山菜のほうが香りが強かったりするのでしょうけれど、保存したもののほうがアクが少なくて食べやすいのかもしれないですね。

そしてそして、朝食で提供される舞茸ご飯が最高においしいのです!

なんというか、悪魔的な味がします。マヨネーズ入ってないよね……?

朝とは言え、そこまで炭水化物を摂取したいわけではないのですが、あまりにもおいしいので「朝だからいいよね」と言い訳して、たくさん食べてしまうのです。

夕食で釜飯やまぜご飯を出してくださる宿はわりとあるのですが、夕食は量が多いし、お酒も飲んでいるのでそこまでたくさん食べられません。しかし、朝ご飯にこのおいしい舞茸ご飯……朝なら、食べれる。
メニューを考えた人(女将さんかな……)は食いしん坊の気持ちを理解し過ぎていると思います。

山形県:湯田川温泉 九兵衛旅館

私の地元、鶴岡市内にある湯田川温泉の九兵衛旅館。

雰囲気の異なる2つの大浴場と、空いていれば好きなときに使える貸切風呂、近所にある姉妹館の貸切浴室と、湯田川温泉の柔らかいお湯をめいっぱい楽しめる宿です。

食事は朝夕共に掘りごたつの個室で、テレビを見ながらいただけます。

季節によってメニューはがらりと変わり、何度訪れても新鮮な驚きを持って楽しめる、すばらしい宿です。

2017年に初めておとずれ、その後何度か再訪しています。「2017年に泊まった宿で食事が一番おいしい宿」に、九兵衛旅館を選びました。

2022年にも再訪し、最新の情報を追記して宿泊レポートを公開しています。

小松菜のジュースと長芋煮が絶品!朝からデザートも本格的

九兵衛旅館の朝食は、一見すると基本を抑えた和朝食なのですが、焼き魚は定番の鮭ではなく脂ののった鯖だったり、野菜サラダの野菜がとにかく新鮮で、サラダのドレッシングがめちゃめちゃおいしいなど、定番料理の中にもキラリと光る部分があるのがさすがだなと思います。

ご飯かお粥から選べますが、おかずをおいしくいただけるのはご飯のほうかな。

また、朝食にもしっかりとしたお品書きがあるのもうれしいなと。

それから、出来たてを氷で冷やした状態で提供していただける、小松菜の野菜ジュース。

これがすごく爽やかな味で、最初に飲むと食欲が湧いてくる感じがします。
朝食にフルーツジュースがつく宿はわりとありますが、食事の最初に飲むには甘いので、最後まで残してしまったりするんですよね……このジュースは本当においしいので、すぐ飲んでしまいます……。

お隣の酒田ではイカ漁が盛んなので、イカ刺しもおいしいですし。

毎回出るこの長芋煮!
見た目は無骨ですけど、柔らかく煮えているけどしゃくしゃくとした歯ごたえがおもしろく、繊細な味わいで本当においしいんですよ。

それから、朝食にも本格的なデザートが付くのもポイント高いなあと。

朝から2品のデザートが付くこともあります。

今回選んだ15軒の宿に「おいしかった順」は付けていないのですが、どの宿の朝食が一番好きかと言われたら九兵衛旅館のような気がしています。

ただ、私の実家に一番近い宿でもあるので「食べ慣れた朝食に近い味がするから」という可能性も、もしかしたらあるのかなと思ったりも。味噌の種類や基本的なおかずの味付けって、土地によって特徴ありますからね。

とは言え、誰に勧めても間違いないすばらしい宿だと思いますので、ぜひ多くの方に九兵衛旅館のおいしい朝食を味わっていただきたいです。

宮城県:遠刈田温泉 旬菜湯宿大忠

実は、今回ご紹介する15軒の宿の中で、この宿だけが「1人では泊まれない宿」です。
すべて1人で泊まれる宿でピックアップしても良いかなと思ったのですが「食事がおいしい宿」の話をするのにこの宿を入れないわけにはいかなくて……。

食事だけではなく、お風呂もいいです。

時間帯で交代する2つの大浴場のほか、空いていればいつでも利用可能な貸切風呂が2つ。遠刈田温泉の鉄っぽい香りがする濃厚なお湯を夜通し楽しめます。

もちろん、朝食のみならず夕食もすばらしいのです。

料理のメニューは毎月がらりと変わり、夏は鮎を炊き込んだ鮎飯が、冬は宮城県の名物「せり鍋」が楽しめます。

宿泊レポートはこちらに書いています。

ちなみに「2018年に泊まった宿で食事がおいしかった宿」第1位に選んだ宿です。

夏限定で朝から生ウニ!おばんざいバイキングの肉じゃがが絶品

大忠の朝食はいわゆる「ハーフバイキング」で、席にセットしてある料理の他に、バイキング形式で好きなおかずをいただく方式です。

バイキングコーナーにあるおばんざいも、すべて手がかかっていておいしいおかずです。

ご飯コーナーには炊き込みご飯もあり「やった!」と思って、よそって席に戻ると……。

運ばれてきたのは……夏限定の石巻産の生ウニです!

1人前がこの量。けっこうたっぷりあります。

ハーフバイキングで提供されている飲み物の中にはスパークリングワインもあり、ウニを見たら飲みたくなってしまい、朝から1杯いただいてしまいました。

ウニをつまみつつお酒をいただき、最後は白いご飯でウニご飯に。幸せな朝食でした。

やはり「食事がおいしかった1位」の宿は夕食だけじゃなく朝食もすばらしいですね。

山梨県:石和温泉郷 旅館 深雪温泉

中央本選の石和温泉駅から徒歩10分と、都内から便の良い場所にある深雪温泉。

石和温泉郷の中にありますが、毎分1415Lという圧倒的な湯量の自家源泉を持つ宿。
滞在中は卵臭とほのかにアブラ臭の感じられるすばらしい源泉にいつでも浸かれる幸せな宿です。

1人旅を始めたころから折に触れて訪れている宿ですが、食事も年々おいしくなっていると感じます。

夕食ではボリュームたっぷりの甲州牛のステーキが。春の宿泊でしたがふきのとうとワカサギの天ぷらと、春らしさが感じられるメニューでした。

宿泊レポートはこちらに書いています。

また、昨年公開した「私の好きな温泉宿10選」という記事で、10軒のうちの1軒に選んだ宿でもあります。

せんだいやの納豆食べ放題!ご飯がいくらでも食べられる

深雪温泉の朝食は、野菜サラダに温泉卵、鶏団子入りの温泉湯豆腐に大ぶりの鮭など、定番の料理もボリュームたっぷりでおいっしいのですが、さらに素敵なのが……。

石和に本店のある「納豆工房せんだいや」の、さまざまな種類の納豆を好きなだけ食べられる、ということです。

ごま、わかめ、ひじき、きびなどから「わかめ」を選びました。富士山麓、八ヶ岳山麓の上質な大豆を使っている大粒の納豆です。

ご飯も白米と雑穀米から選べて、とろろと温泉卵もついてくるので、ここに泊まるとやたらご飯を食べてしまいます。石和は飲食店もそれなりにありますので、朝食のみ付けて宿泊するのもありかなと思います。

長野県:信州小諸 中棚温泉中棚荘

「まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき」で始まる詩「初恋」で名高い島崎藤村ゆかりの宿である小諸の温泉宿、中棚荘。

冬には藤村の詩にちなんだ「初恋りんご風呂」を楽しむことができ、源泉は飲泉も可能です。

信州牛の陶板焼きをはじめとした、信州産食材を楽しめる夕食では「夜明け前」など地酒の利き酒セットも楽しめます。個人的には〆の炊き込みご飯がお気に入りです。

宿泊レポートはこちら↓

麦とろご飯とカレイの西京漬け焼きがうれしい

中棚荘の朝食は、りんごジュースから始まります。

ご飯のお供のおかずが、少しずつたくさん並ぶのも楽しい。

見た目も前菜の盛り合わせのようですが「豆腐塩麹漬け 金山寺味噌」は、朝からお酒が飲みたくなるおいしさでした。

朝食にもしっかりお品書きがあるのもうれしい。

焼き魚は定番の鮭ではなく「カレイの西京味噌漬け焼き」です。鯖や川魚が出ることはたまにあるけど、カレイはなかなか珍しい。

そしてご飯はお替わり自由のむぎとろご飯!
温泉卵の固さも絶妙で、ふっくらお揚げと信州味噌のお味噌汁もおいしく、食欲のない朝でもするするとご飯がお腹に収まってしまいます。

大分県:別府明礬温泉 岡本屋旅館

別府温泉の明礬地区にある岡本屋旅館は「青磁色」とも「ミルキーブルー」とも呼ばれる、青みがかった美しい源泉を持つ宿です。

季節や天候によってお湯の色は日々変化します。冬には青い湯の中に黄色い「ざぼん」が浮かべられていました。

夕食では別府湾の新鮮な魚貝や、温泉の蒸気で食材を蒸した「地獄蒸し」料理などが楽しめます。

お刺身をグレードアップした「地魚姿造り会席」で予約したところ、大分県名物の「関アジ」を含む新鮮な魚貝が美しく盛り付けられ、日本酒がかなり進んでしまいました。
デザートは、「岡本屋売店」でも販売されていてファンの多い、名物の「地獄蒸しプリン」です。

ちなみに岡本屋旅館さん、以前は平日のみ1人泊の受け入れがあり、私も2度1人で泊まっているのですが、コロナ禍以降1人泊を受け入れていないようです。また1人でも泊まれるようになるといいのですけどね……。

宿泊レポートはこちらです。

「りゅうきゅう」「だんご汁」「地獄蒸し」大分の郷土料理が目白押し

岡本屋旅館の朝食は、郷土料理がいくつも並ぶ、なかなか個性的なメニューです。

お品書きがこちら。

温泉宿の朝食の定番料理は「温泉卵」ぐらいで、焼き魚もサラダもありません。その代わりに提供されるのが……。

蒸籠に入っているこちら。温泉の蒸気で蒸した魚と野菜の「地獄蒸し」です。マヨネーズベースのたれを付けていただきますが、このタレもおいしい!野菜と魚も、珍しいだけではなくいくらでも食べられそうなおいしさです。

それから郷土料理の「りゅうきゅう」と「だんご汁」

「りゅうきゅう」は、はまちやぶりのお刺身と薬味を、醤油とすりごまのたれで和えたもので、朝からお酒が飲みたくなりますね。
だんご汁は、小麦粉を水で練ってしばらく寝かせた「だんご」と大分では呼ぶそうですが、ものすごく幅広なうどんのようなものが入った味噌仕立ての汁物です。だんご以外にも野菜もたくさん入っていて具沢山。ボリュームたっぷりですが、だんごのもちもち食感もおもしろくてすべておいしくいただきました!

鹿児島県:妙見温泉 妙見石原荘

鹿児島県霧島市の妙見温泉の妙見石原荘は、かつては湯治場として栄え、現在も自炊湯治の宿が多く残っている温泉地です。

湯治宿の多い妙見温泉にも高級めの旅館が数軒ありますが、その中の1軒が妙見石原荘。

川を間近に臨む野天風呂や眺望の良い貸切露天風呂などさまざまなロケーションで、炭酸ガスを多く含みシュワシュワと弾けるすばらしいお湯を楽しむことができます。

食事は雰囲気の良い半個室のレストランでいただきます。

夕食で日本酒をお願いしたら竹筒に入れて提供していただきました。春だったので〆のご飯はふきのとうの天ぷらがのせたふきのとうご飯!これが感動的なおいしさでした。

羽釜で炊いたご飯をおかかご飯にしていただく

朝食もレストランの同じ席でいただきました。
「にんじんと黒酢のジュース」が爽やかで、すっきりと目が覚めました。

焼き魚は「イワシの丸干し」です。旅館で出てきたのは初めてのような気がします。

ご飯は羽釜で、卓上で炊き上げるのではなく、厨房で炊いた釜を持ってきていただきました。これは素敵。
卓上で固形燃料で炊くと、たまにちょっと固かったりするんですよね……。厨房のコンロで炊いて持ってきていただけたほうが、間違いなくおいしいご飯がいただけると思います。

土鍋の中身は豆腐、鶏肉、麩、水菜。鶏の出汁でおいしく煮えていました。

ご飯はおかずと一緒にいただいた後、最後にたっぷりのおかかをかけて、醤油を回しかけて「おかかご飯」にしていただきます。どうしておかかなんだろうと思いましたが、鹿児島県は鰹節の生産地(生産量圧倒的1位)なんですね。

イワシの丸干しもそうですが、ちょっと懐かしいような、それでいて上質な食材を使った間違いなくおいしい朝食。かなり印象に残っています。

パンが印象を決定づける、洋朝食のおいしい温泉宿 5軒

洋朝食の場合、和朝食以上に料理の種類は固定されているように思います。

「パン」「スープ」「ジュースやミルク」「サラダ」「卵料理」「肉料理(ハムやソーセージ)」「フルーツ」「ヨーグルト」

これ以外のものが並ぶことは珍しいのではないでしょうか。
和食の場合は「定番品以外に何かその宿ならではの一品」があると印象に残りやすいのですが、洋食の場合はシンプルにパンが重要です!
パンがおいしいとものすごく印象に残るし、逆に他がおいしくてもパンが普通だと私の場合「普通だったな」と思ってしまいます。

群馬県:伊香保温泉 松本楼 洋風旅館ぴのん

伊香保温泉の洋風旅館ぴのんは、近所にある「松本楼」という大型温泉ホテルの別館にあたる、プチホテルという雰囲気の宿です。

シングルルームが複数あって1人でも泊まりやすく、伊香保温泉の「黄金の湯」を引いた温泉浴室も、こぢんまりとしてはいますがかけ流しの伊香保の湯をゆったり楽しめます。また、滞在中は松本楼の大浴場にもいつでも入浴可能なのもうれしい。

ぴのんのすばらしいところはなんと言っても食事です。

夕食は「フレンチ」「シノワーズ(中華風の創作料理)」「フュージョン(フレンチと中華をいいとこ取りしたグレードアップコース)」の3つのコースがあり、私は「フレンチ」と「フュージョン」をいただいたことがありますが、特にフュージョンをかなり気に入ってしまいました。

夕食についての詳細は、宿泊レポートをご覧いただければと思います。

ふっくらオムレツがとにかくおいしい、クロワッサンも良い

ぴのんの朝食は「洋食」「中華粥」「松本楼の朝食バイキング」から選べるのですが、私は最初に宿泊した際にいただいた洋食が気に入ったので、いつも洋朝食をいただいています。

パン、ミネストローネ、大皿にベーコンとサラダとオムレツ、メロン!

ドリンクはコーヒーや紅茶、オレンジジュース、りんごジュース、牛乳から好きなものを好きなだけ。
ちなみにぴのんのオリジナル紅茶がありまして、お部屋にティーパックが置いてあり、朝食時もいただけるのですが、このお茶も、渋みや香りのバランスがよくておいしいお茶でした。

そして、とにかくこのオムレツが……見た目にも美しく、ふっくらおいしい!

漂うバターの香りに食べる前からテンション上がります。

また、パンは「トーストとクロワッサン」ですが、クロワッサンが、中がしっとりしたタイプで好みだったので印象に残っています。

栃木県:中禅寺温泉 中禅寺金谷ホテル

中禅寺湖畔の温泉付きリゾートホテル、中禅寺金谷ホテル。

大浴場と露天風呂「空ぶろ(そらぶろ)」では、湯元温泉から引湯した青みがかった白濁の硫黄泉を楽しめます。晴れた日は星空を眺めながら湯に浸かれるそう。

夕食は館内のレストランで、栃木県産の食材をふんだんに使ったフレンチのコースをいただきました。

これまで2度宿泊しているのですが、2度ともポタージュスープがものすごくクリーミーでとても気に入りました。
メインのステーキと一緒にサラダが提供されるというスタイルなんですが、ステーキの焼き加減やソースが完璧なのはもちろん、サラダの野菜も新鮮でおいしかったです。

完璧な焼き加減のオムレツ!+αして自分好みの朝食にできるのも素敵

朝食は、夕食と同じレストランで。
メニューには基本の朝食メニューが左側にあり、「ジュース」「卵料理」「肉料理」を自分好みにチョイスできます。

右側には基本の朝食に+αできるメニューが掲載されていました。
「ジュースをスムージーに」したり、「ミニサラダを季節の生野菜サラダ」にしたり、「温野菜」「小さなシチュー」「季節のポタージュ」「季節のカットフルーツ」などを追加して、自分好みの朝食にすることができます。

卵料理はもちろんオムレツ!肉料理はベーコンにしました。

ナイフを入れると、とろりと半熟だけれど生の玉子が染み出てくることはない、完璧な焼き加減です。

この日はなぜか野菜が食べたくて、サラダを「季節の生野菜サラダ」に+200円でグレードアップ!かなり本格的なサラダが来ました。

パンとジャムもおいしい!ジャムは「手作りとちおとめのジャム」です。
金谷ホテルベーカリー」を営んでいるホテルですから、夕食も朝食もパンの質は高かったです。洋朝食の見本というか、完成形のような内容でした。

神奈川県:湯河原温泉 オーベルジュ湯楽

「オーベルジュ」と名前に付く宿で温泉もすばらしい宿ってあまり聞きませんが、湯河原温泉のオーベルジュ湯楽は、趣の異なる2つの大浴場と2つの貸切風呂で、かけ流しの源泉を楽しめる「温泉宿」です。

貸切露天風呂は1人で入るにはもったいないほど広く、眺めもなかなかのもの。

夕食は、和食とイタリアンを融合させた「シェフ特撰コース」「湯楽特撰コース」と、完全にイタリアンの「イタリアンコース」の3つのコースが用意されています。

グレードアッププランである「シェフ特撰コース」を選んだときのみいただける「トリュフご飯」は見た目にもインパクト大、味も意外なほどにおいしかったです。いただくまでは「ご飯とトリュフ?本当に合うの?」と思っていましたが、合いました。

お刺身はツマも「食べられる花」などで美しく彩られ、すべての料理が盛り付けも味もすばらしかったです。毎月メニューが変わりますので、何度泊まっても楽しめる宿です。

詳しくは宿泊レポートにて↓

また、2019年、2020年と2年連続で「料理がおいしかった宿」ランキング1位に選定しています。

やはり別格!和朝食も良かったが洋朝食のオリジナリティと味に脱帽

オーベルジュ湯楽では「和朝食」と「洋朝食」の提供がありますが、実は洋朝食を選択できるのは夕食で「イタリアンコース」を選んだときのみです。

和朝食もすばらしかったのですが(宿泊レポートにてご紹介しています)洋朝食は次元の違うおいしさでした。

こちらがお品書き。
洋朝食と言えば「オムレツなどの卵料理」と「ベーコンやソーセージなどの肉料理」だと思っていたのですが、オーベルジュ湯楽の洋朝食にはそのどちらもありません。

こちらが洋朝食です。

本日のフルーツジュースは「自家製のイチゴ酢の炭酸割り」

パンは「パンドミー」厚切りでふかふかでめちゃめちゃうまい。

「パセリとクリームチーズの塩ケーキ」という謎のケーキが添えられており、濃厚なチーズ味でしっとりしていてこれまたおいしい。

卵料理は「鳳凰卵の温泉卵に特製和牛ミートソース」と、正統派の卵料理とはかけ離れた捻りのあるメニューですが、もちろんこれもおいしいんですよね。パンに付けて食べると幸せな味……。

パンドミーはお替わりできるので、卵や生ハム、しらす、オリーブなどをのせて、いろんな味で楽しめました。

独創的なメニューで想像以上の感動を与えてくれる、すばらしい朝食だと思います。

長野県:乗鞍高原温泉 プチホテルアルム

長野県の乗鞍高原にあるプチホテルアルムは、乗鞍岳の登山口、畳平行きのバスが出る乗鞍観光バスセンターのすぐ近くにある、家庭的な小さなホテルです。

ご家族で運営されているペンション……と捉えていただいて差し支えないですが、館内の雰囲気がヨーロッパの山小屋風でお洒落。

乗鞍高原は白濁硫黄泉のイメージが強いですが、プチホテルアルムの浴室ではそれとは異なる、柔らかい泉質の温泉をかけ流しで楽しめます。浴室は露天風呂で、予約制の貸切利用です。

夕食は洋食のコース料理。ワインの品揃えもなかなかのようでしたが、翌日の登山に控えてビールを選択。

野菜も自家製のものが多いとのことで、サラダがとても新鮮!肉料理の牛肉のワイン煮込みもおいしかった!

そしてデザートにいただいたフルーツタルトが絶品でした!こちらも季節のフルーツを使って毎日焼き上げているそうで、私は夏に宿泊しましたが別の季節にもタルトを食べに来たくなりました。
ちなみに、お部屋にエアコンがないので、夜は涼しいのですが真夏の昼間は少し暑かったですね。次は秋に泊まりたいかも。

自家製のジャムと手作り感あふれるパンがシンプルにおいしい!

プチホテルアルムの朝食はとてもシンプル。

オレンジジュース、フルーツはスイカ、目玉焼きとサラダ、パンとジャム。

しかし、このパンがめちゃくちゃおいしいのです。

2つが繋がってしまっている、いかにも手作りのこのパンは焼きたてで提供されますが、チーズとバターの香りがふわーっと漂ってきて、中はしっとり。

ジャムも、もちろん手作りです。
きっとこのジャムも、季節によって変わるんだろうな……と思うと、別の季節にまた来てみたいなと。強く印象に残っています。

静岡県:伊東温泉 マストランプ

伊東温泉のマストランプは、3つある浴室をすべて貸切で利用する、このご時世でも安心して泊まれる小規模な温泉ホテルです。

貸切浴室は内湯が2つと露天風呂が1つですが、露天風呂の開放感と広さに驚きました。庭園露天風呂、という感じ。内湯も雰囲気あるいい浴室で、すべて源泉かけ流しで提供されています。

マストランプの夕食は、伊勢海老をはじめとした伊豆の魚介と季節の野菜を、フレンチスタイルのコース料理でいただくというもの。

「伊勢海老のビスク」と、スープで早くも伊勢海老が登場し、料理の最後は伊勢海老が半身、丸ごとはいったブイヤベース。最後は残った出汁でリゾットにしていただき、伊豆の魚介を目一杯楽しむことができました。

詳しくは宿泊レポートでご紹介しています。

野菜たっぷり!パンは4種類から好きなだけいただける

マストランプの朝食は野菜たっぷりのセットメニュー。

レストランに朝日が強烈に差しこんでいて、写真が若干色が飛んでいて残念なのですが……。「玄米と根菜とひじきのサラダ」は玄米を茹でて雑穀のようにして使っていました。

白インゲン豆と野菜のスープ」も、さまざまな野菜が入っていて、滋養ある味わい。

パンは「クロワッサン」「レーズンパン」「海洋深層水を練り込んで作った柔らかいパン」「チョコデニッシュ」の4つから好きなだけいただけるのもうれしかった!クロワッサンもレーズンパンも焼きたてで提供いただき、大変おいしかったです。

全部食べたかったのに2つしか入らず残念……きっとまた泊まりに行って、次回はチョコデニッシュも食べてみたいなと。

はずれの料理なし!バイキングの朝食がおいしい温泉宿 2軒

ご飯もパンも和食のおかずも洋食のおかずも並ぶ、バイキング。
好きな料理を好きなだけいただけてすばらしいのですが、宿からするとセットメニューの朝食よりも用意しなければならない料理の種類が多いわけですから「全部がおいしい」バイキングってなかなかないように思います。

食べるほうも胃袋の容量に限りがありますので、迷って選んだ料理の味がいまいちだと「これじゃなくあっちを食べれば良かった」という後悔が生まれ、食事が終わったときには「おいしいのもあったけどそうでもないのもあって、まあ普通かな」という感想になりがちで難しいなと。

これまでいただいた中で「はずれの料理」がほぼなかった、満足度の高い朝食バイキングの温泉宿をご紹介したいと思います。

長野県:白馬八方温泉 まるいし

白馬八方温泉のまるいしは、基本的には平日のみ1人泊の受け入れがある宿ですが、オフシーズンのときなど、直前予約で土曜日に1人泊のプランが出ていることもあります。

浴室は内湯のみですが、白馬八方の高アルカリのぬるぬる感ある源泉がかけ流されており、夜通し入浴可能です。

夕食も、2食付き1万円代前半で泊まれる宿とはとても思えない、味もボリュームもすばらしく、日本酒がすすむ料理です。

提供している地酒を3種類選んで「酒三昧」にしていただくことができるのもうれしいポイントで、登山前後に宿泊するほか、天気が悪くて登山できないときでも泊まりに来てしまう、お気に入りの宿です。

宿泊レポートはこちらです。夕食もすばらしいのでぜひ見ていただきたいです。

過去に「コスパ重視で2017年泊まって良かった宿1位」「コスパ重視で2018年泊まって良かった宿3位」にも選定しており「食事がとにかくおいしくサービスも良く、おまけいコスパが良い宿」だと思います。

和洋すべてのおかずがおいしい!4種の手作りジャムが絶品!

朝食をバイキングで提供する宿は比較的規模の大きいホテルなどが多いですが、まるいしは全18室の小規模な旅館。
そのため、すべての料理が大盛りではない状態でバイキング台に置かれており、なくなりそうになるとこまめに追加されていました。お気遣いすばらしいなと思います。

おかずは和風、洋風両方の惣菜がバランス良く並び、しかも野菜を使った料理の種類がかなり多いです!

ご飯は、白米の他に炊き込みご飯が並ぶこともあり、そんなときは和惣菜多めでご飯をいただきます。

ワラビの入った炊き込みご飯、おいしかったです。
ちなみに、手作りにこだわるまるいしさんでは、お米も自家米、味噌も自家製の味噌を使用しているとのこと。単に手作りにこだわっているだけでなく、すべておいしいからすばらし過ぎます……。

そして、この4種類の手作りジャムが本当においしいんですよ!
甘さ控えめで、フルーツを濃縮してそのままいただいているようなジャム。

ジャムを目一杯楽しみたいので、最近は洋惣菜とパンの朝食にするのがお気に入りです。

パンも、恐らくホームベーカリーを使ったものかなと思いますが、焼きたてで皮がカリッとして中がふわふわ。おいしいパンです。

残ったジャムはヨーグルトに入れていただきます。

「バイキング」の概念をひっくり返すような、奇跡のような朝食バイキングだと思います。登山と絡めて泊まることの多い宿ですが、この朝食をゆっくり味わいたいので、前泊ではなく下山後に泊まりたいですね……。

鹿児島県:SHIROYAMA HOTEL kagoshima

西郷隆盛最期の地として有名な城山に建つ大型温泉ホテル、城山ホテル鹿児島。

数年前まで「城山観光ホテル」という名前でしたが、名前が変わる前からずっと、この宿が好きで、鹿児島に来たときはよく立ち寄っていました。

ホテル内に「城山ブルワリー」というビールの醸造所がありまして、こちらで醸造しているクラフトビール、特に「桜島小みかんのベルギーホワイト」が大好きなんです。

ホテル内のラウンジ、レストラン、カフェなどでも城山ブルワリーのビールをいただけるので、ただビールを飲みに来ていました。

画像:じゃらんnet提供

温泉大浴場もあり、露天風呂からは桜島を目の前に眺めることができます。お湯は普通ですが、設備とロケーションはすばらしいです。

ラウンジではクラフトビールの他にも、鹿児島産のフルーツを使ったカクテルを、鹿児島の夜景を眺めつついただけます。

先日宿泊した際は、10階のフレンチレストラン ルシエルで、フレンチディナーもいただきました!

1人で行くにはけっこう難易度高めのガチなフレンチレストランでしたが、フレンチの食事込みのプランで予約したので、レストランの予約を自分でしなくて良い分気が楽でいた。盛り付けもすばらしく美しく、すべておいしかったです!

鹿児島郷土料理とホテルメイドのパン、洋食メニューもハズレなし

城山ホテル鹿児島の朝食バイキングは、和も洋も兼ね備えたいわゆるホテルのバイキングですが、とにかく料理の種類が多くて、そのすべてがおいしいのです。

「鰹節卵かけご飯」や「さつま揚げ」など、鹿児島の郷土料理のほか、鹿児島県産食材を使用した料理がこれでもかと並びます。

ホテル内のベーカリーで販売しているパンが、朝食バイキングでは食べ放題です。
ベーカリーのパン、なかなかいいお値段するので、大盤振る舞いだなと感心します。

こちらもベーカリーで販売している、ホテルオリジナルのジャム。

全種類を好きなだけいただける……幸せ。

さつま揚げや郷土料理の「りゅうきゅう」のほか、和総菜やまぜご飯も全部おいしかったです!

鯛のお刺身をのせたお茶漬けやオムレツ、フレンチトーストとパンケーキはその場で作ってくれます。

デザートもきちんと作られた物で飲み物の種類も多く、これだけ種類があって全部が質高くおいしいってなかなかできないことだなと感激しました。

朝食バイキングが人気の宿なので、直前の予約だと朝食を付けられないこともあるようです。このバイキングのためにまた泊まりたいと思える、すばらしい朝食でした。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。