食事がおいしい宿は思いうかぶけど、朝食がおいしい宿は意外と難しい
「温泉宿の朝食」というと、お替わり自由のご飯とお味噌汁に、お漬物、焼き鮭、温泉卵、焼き海苔、納豆など、ご飯をおいしくいただけるおかずが複数並ぶスタイルを思い浮かべる方が多いと思います。
多くの温泉宿で、そのイメージどおりの朝食が並び、それはそれでおいしくいただいているのですが、どの宿もだいたい同じスタイルなので印象には残りにくいなと感じることがあるのです。突き抜けておいしい朝食って難しいなと。
宿泊レポートを書く際に「部屋」「風呂」「食事」の3つのポイントで★5つを満点にして採点しています。実は、食事については「夕食はめちゃめちゃおいしかったので★5つだけど、朝食はまあ普通においしかったので★4つ。トータルで★4つ半かな」ということがかなり多いのです。
夕食が相当おいしい宿でも、朝食も同じレベルでおいしいということはかなり珍しいと感じます。
実は以前、温泉関連のトークイベントに出させてもらった際「朝食がおいしい温泉宿を教えてほしい」と質問されたのですが「ここだ!」という宿がとっさに思いうかばず、答えることができませんでした。
ですが、落ち着いて考えれば「ああ、あそこの朝食はおいしかったなあ」という宿はいくつもありました。ここにリストアップしておきたいと思います。
2022年8月に15軒リストアップして公開しましたが、それから1年間で新たに6軒の朝食がおいしい宿と出会えたので、2023年8月に追記して公開しました。見出しに「NEW」と書いてある宿が新たに追加した宿です。
昨年リストアップした15軒の中で1軒、現在宿泊予約を受け付けていない宿があるためそちらをいったん非公開とし、全20軒にて再度公開しました。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。
- 食事がおいしい宿は思いうかぶけど、朝食がおいしい宿は意外と難しい
- 記憶に残る一品が決め手!和朝食がおいしい温泉宿 9軒
- パンが印象を決定づける、洋朝食のおいしい温泉宿 6軒
- はずれの料理なし!バイキングの朝食がおいしい温泉宿 2軒
- オリジナリティあふれる朝食がおいしい温泉宿 3軒 ←NEW!
記憶に残る一品が決め手!和朝食がおいしい温泉宿 9軒
温泉宿の朝ご飯の代名詞とも言える和朝食。
定番のおかずは「焼き魚」「温泉玉子」「焼き海苔」「納豆」「おひたし」「お漬物」「野菜サラダ」などでしょうか。海沿いの宿であればイカ刺しがついたり、山の宿であればふき味噌など山菜のおかずが並ぶことも多いですね。
ご飯とお味噌汁、定番のおかずがおいしいことはもちろんですが、和朝食の場合、それ以外に印象に残るものが何か一品あると「おいしかった!」という記憶に残りやすいなと感じました。
ちなみに、並べた順番はおいしかった順ではなく「北から」です。
北海道:定山渓温泉 厨翠山 ←NEW!
厨翠山(くりやすいざん)は、札幌の奥座敷とも呼ばれる定山渓温泉にある、定山渓第一寶亭留翠山亭と同系列の全13室の宿です。「2022年に泊まりたい宿」の記事で「北海道で泊まりたい宿」として選んでいた宿ですが、宿泊が叶いました。
第一寶亭留と同系列の宿は定山渓温泉に6軒ほどあって、女性専用だったり若者向けだったりコンセプトがそれぞれ異なるのですが、この厨翠山は「食の宿」というコンセプトの宿です。
食の宿とは言え、浴室の雰囲気も良く、かけ流しの温泉を楽しめます。
また、滞在中は定山渓第一寶亭留翠山亭の浴室も利用できるという特典があるのもうれしいですね。湯めぐりのために系列宿を回る送迎バスも出ています。歩いてもすぐなので利用しませんでしたが、天気の悪い日なんかは特に、ありがたいサービスです。
ウェルカムドリンクも凝っていたり、お部屋に備え付けられていたお茶菓子が、焼き菓子の詰め合わせだったり。
夕食の料理はもちろんすばらしいですし、ラウンジでは時間毎に、お菓子やケーキ、フルーツや夜食が並び、胃袋がいくつあっても足りません。
夕食でお腹いっぱいになりすぎて、夜食とバータイムは覗きに行けなかったのが心残りです……。
釜炊きのご飯がとにかくおいしく、ご飯のお供もすべて本気度が高い
そんな食の宿、厨翠山は朝食もやはりすばらしかったです。
朝食にもしっかりとお品書きがあるのもうれしいですね。
釜炊きのご飯がとにかくおいしかったです!
卓上で固形燃料で炊き上げるタイプではなく、大きな釜でまとめて炊いたものを都度、よそっていただく方式なんですが、そっちのほうが絶対おいしいと思うんです。小さな釜でそれぞれに炊くと、釜に触れている部分のお米がすぐに固くなってしまうので、全体的にちょっと固いご飯になってしまうんですよね。厨翠山のご飯は、ふっくらと炊けていて本当においしかった……。
自家製ローストビーフのサラダは盛り付けにも凝っていて、夕食で前菜として出てきてもおかしくない一皿でした。
スープカレーやまぐろとトロロ、少しずつたくさんいただくことができます。
デザートもしっかりおいしく、また季節を変えておとずれたい宿になりました。
青森県:下風呂温泉 ホテルニュー下風呂
下北半島北部にある海沿いの温泉地、下風呂温泉。
窓を開ければすぐそこに漁港が見え、海の幸が間違いなくおいしいであろうことが伺えます。
下風呂温泉「ホテルニュー下風呂」は、小規模な旅館の多い下風呂温泉内では比較的客室数多めの宿ですが、とは言えこぢんまりとした温泉ホテルです。
浴室では弱酸性の「含硫黄ーナトリウムー塩化物泉」が楽しめます。源泉は55度ほどある高温泉ですが、42度程度に調節してあるので、あちちちち!とならずにすばらしいお湯をゆったりと楽しむことができます。
下風呂温泉は、まぐろで有名な「大間」のすぐ近く。
夕食には大間のまぐろも並び、お値段以上のすばらしい食事でした。
「2020年に泊まったコスパ最強の宿ランキング」では、ホテルニュー下風呂を2位に選んでいます。
イカづくしの朝食に朝から日本酒がほしくなる
そんなホテルニュー下風呂の朝食は、イカ尽くしでした!
サラダ、温泉玉子、焼き鮭などの定番のおかずもしっかりおいしいのですが、それに加えてイカの塩辛!半透明なイカ刺し!
新鮮でおいしく、ものすごく日本酒が飲みたくなりました。(注文している人もいました……飲めば良かった)
それから青森名物の「貝焼味噌」ですが、こちらにもイカが入っています。
帆立の貝を鍋代わりにして味噌味で煮立てたもので、具材にも帆立を使うのが一般的ですが、こちらの宿ではイカでした。おいしいイカはどう食べてもおいしいですね……。
全部おいしかったし「とにかくイカがおいしかった」ということで、強烈に印象に残っています。
ちなみにホテルニュー下風呂、以前は一人旅プランも出ていて私は1人で泊まったのですが、現在は1人泊の受付が旅行サイト・公式サイト共にないようです。
東京からだと便が良いとは言えず、なかなか人を誘いにくい場所なので、シーズンオフの11月以降にでも、1人泊の受付が復活するとありがたいなと思っています。
山形県:湯田川温泉 九兵衛旅館
私の地元、鶴岡市内にある湯田川温泉の九兵衛旅館。
雰囲気の異なる2つの大浴場と、空いていれば好きなときに使える貸切風呂、近所にある姉妹館の貸切浴室と、湯田川温泉の柔らかいお湯をめいっぱい楽しめる宿です。
食事は朝夕共に掘りごたつの個室で、テレビを見ながらいただけます。
季節によってメニューはがらりと変わり、何度訪れても新鮮な驚きを持って楽しめる、すばらしい宿です。
2017年に初めておとずれ、その後何度か再訪しています。「2017年に泊まった宿で食事が一番おいしい宿」に、九兵衛旅館を選びました。
2022年にも再訪し、最新の情報を追記して宿泊レポートを公開しています。
小松菜のジュースと長芋煮が絶品!朝からデザートも本格的
九兵衛旅館の朝食は、一見すると基本を抑えた和朝食なのですが、焼き魚は定番の鮭ではなく脂ののった鯖だったり、野菜サラダの野菜がとにかく新鮮で、サラダのドレッシングがめちゃめちゃおいしいなど、定番料理の中にもキラリと光る部分があるのがさすがだなと思います。
ご飯かお粥から選べますが、おかずをおいしくいただけるのはご飯のほうかな。
また、朝食にもしっかりとしたお品書きがあるのもうれしいなと。
それから、出来たてを氷で冷やした状態で提供していただける、小松菜の野菜ジュース。
これがすごく爽やかな味で、最初に飲むと食欲が湧いてくる感じがします。
朝食にフルーツジュースがつく宿はわりとありますが、食事の最初に飲むには甘いので、最後まで残してしまったりするんですよね……このジュースは本当においしいので、すぐ飲んでしまいます……。
お隣の酒田ではイカ漁が盛んなので、イカ刺しもおいしいですし。
毎回出るこの長芋煮!
見た目は無骨ですけど、柔らかく煮えているけどしゃくしゃくとした歯ごたえがおもしろく、繊細な味わいで本当においしいんですよ。
それから、朝食にも本格的なデザートが付くのもポイント高いなあと。
朝から2品のデザートが付くこともあります。
今回選んだ15軒の宿に「おいしかった順」は付けていないのですが、どの宿の朝食が一番好きかと言われたら九兵衛旅館のような気がしています。
ただ、私の実家に一番近い宿でもあるので「食べ慣れた朝食に近い味がするから」という可能性も、もしかしたらあるのかなと思ったりも。味噌の種類や基本的なおかずの味付けって、土地によって特徴ありますからね。
とは言え、誰に勧めても間違いないすばらしい宿だと思いますので、ぜひ多くの方に九兵衛旅館のおいしい朝食を味わっていただきたいです。
宮城県:遠刈田温泉 旬菜湯宿大忠
実は、今回ご紹介する15軒の宿の中で、この宿だけが「1人では泊まれない宿」です。
すべて1人で泊まれる宿でピックアップしても良いかなと思ったのですが「食事がおいしい宿」の話をするのにこの宿を入れないわけにはいかなくて……。
食事だけではなく、お風呂もいいです。
時間帯で交代する2つの大浴場のほか、空いていればいつでも利用可能な貸切風呂が2つ。遠刈田温泉の鉄っぽい香りがする濃厚なお湯を夜通し楽しめます。
もちろん、朝食のみならず夕食もすばらしいのです。
料理のメニューは毎月がらりと変わり、夏は鮎を炊き込んだ鮎飯が、冬は宮城県の名物「せり鍋」が楽しめます。
宿泊レポートはこちらに書いています。
ちなみに「2018年に泊まった宿で食事がおいしかった宿」第1位に選んだ宿です。
夏限定で朝から生ウニ!おばんざいバイキングの肉じゃがが絶品
大忠の朝食はいわゆる「ハーフバイキング」で、席にセットしてある料理の他に、バイキング形式で好きなおかずをいただく方式です。
バイキングコーナーにあるおばんざいも、すべて手がかかっていておいしいおかずです。
ご飯コーナーには炊き込みご飯もあり「やった!」と思って、よそって席に戻ると……。
運ばれてきたのは……夏限定の石巻産の生ウニです!
1人前がこの量。けっこうたっぷりあります。
ハーフバイキングで提供されている飲み物の中にはスパークリングワインもあり、ウニを見たら飲みたくなってしまい、朝から1杯いただいてしまいました。
ウニをつまみつつお酒をいただき、最後は白いご飯でウニご飯に。幸せな朝食でした。
やはり「食事がおいしかった1位」の宿は夕食だけじゃなく朝食もすばらしいですね。
山梨県:石和温泉郷 旅館 深雪温泉
中央本選の石和温泉駅から徒歩10分と、都内から便の良い場所にある深雪温泉。
石和温泉郷の中にありますが、毎分1415Lという圧倒的な湯量の自家源泉を持つ宿。
滞在中は卵臭とほのかにアブラ臭の感じられるすばらしい源泉にいつでも浸かれる幸せな宿です。
1人旅を始めたころから折に触れて訪れている宿ですが、食事も年々おいしくなっていると感じます。
夕食ではボリュームたっぷりの甲州牛のステーキが。春の宿泊でしたがふきのとうとワカサギの天ぷらと、春らしさが感じられるメニューでした。
宿泊レポートはこちらに書いています。
また、昨年公開した「私の好きな温泉宿10選」という記事で、10軒のうちの1軒に選んだ宿でもあります。
せんだいやの納豆食べ放題!ご飯がいくらでも食べられる
深雪温泉の朝食は、野菜サラダに温泉卵、鶏団子入りの温泉湯豆腐に大ぶりの鮭など、定番の料理もボリュームたっぷりでおいっしいのですが、さらに素敵なのが……。
石和に本店のある「納豆工房せんだいや」の、さまざまな種類の納豆を好きなだけ食べられる、ということです。
ごま、わかめ、ひじき、きびなどから「わかめ」を選びました。富士山麓、八ヶ岳山麓の上質な大豆を使っている大粒の納豆です。
ご飯も白米と雑穀米から選べて、とろろと温泉卵もついてくるので、ここに泊まるとやたらご飯を食べてしまいます。石和は飲食店もそれなりにありますので、朝食のみ付けて宿泊するのもありかなと思います。
長野県:信州小諸 中棚温泉中棚荘
「まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき」で始まる詩「初恋」で名高い島崎藤村ゆかりの宿である小諸の温泉宿、中棚荘。
冬には藤村の詩にちなんだ「初恋りんご風呂」を楽しむことができ、源泉は飲泉も可能です。
信州牛の陶板焼きをはじめとした、信州産食材を楽しめる夕食では「夜明け前」など地酒の利き酒セットも楽しめます。個人的には〆の炊き込みご飯がお気に入りです。
宿泊レポートはこちら↓
麦とろご飯とカレイの西京漬け焼きがうれしい
中棚荘の朝食は、りんごジュースから始まります。
ご飯のお供のおかずが、少しずつたくさん並ぶのも楽しい。
見た目も前菜の盛り合わせのようですが「豆腐塩麹漬け 金山寺味噌」は、朝からお酒が飲みたくなるおいしさでした。
朝食にもしっかりお品書きがあるのもうれしい。
焼き魚は定番の鮭ではなく「カレイの西京味噌漬け焼き」です。鯖や川魚が出ることはたまにあるけど、カレイはなかなか珍しい。
そしてご飯はお替わり自由のむぎとろご飯!
温泉卵の固さも絶妙で、ふっくらお揚げと信州味噌のお味噌汁もおいしく、食欲のない朝でもするするとご飯がお腹に収まってしまいます。
新潟県:松之山温泉 酒の宿 玉城屋 ←NEW!
松之山温泉の玉城屋は「酒の宿」と名に冠しているだけあって、とにかくお酒とおいしい料理をめいっぱい楽しめる宿です。
ウェルカムドリンクがクラフトジンだったり……。
大浴場の前にある湯上がりのお休み処にドリンクコーナーがあるのですが、レストランで開栓してから少し時間が経ってしまった(夕食では出せないけれどまだ十分おいしい)日本酒をフリーでいただけるのもすごいなと思います。
そして、松之山温泉の石油のような香りのするとろりと濃いお湯もすばらしい……。
温泉浴室付きのお部屋が多いので、大浴場がだいたい空いているのもうれしいポイントです。
食事は、新潟県産の食材を使ったフレンチです。日本酒やワインとのペアリングのコースもあり。
私は「日本酒ペアリング」でお願いしましたが、一皿ごとに少量ずつ、料理に合う日本酒を出していただけて、量も私にはちょうどよく、大変気に入りました。日本酒をそのまま提供するだけでなく、リキュールと合わせたりしてアレンジした日本酒もあり、それらもすべておいしかったです。
魚沼産コシヒカリと新鮮な野菜がたっぷり
夕食のフレンチからうってかわって、朝食は和食です!
米どころである魚沼エリアの宿ですから、朝はやっぱりコシヒカリをいただきたいですよね。
見るからに野菜たっぷりな、軽やかな雰囲気の朝食です。
5食のドリンクは、雪下にんじんジュースや甘酒など、甘さ控えめですっきりと目が覚めるラインナップです。
また、詳しいお品書きがあるのもうれしいですね……。
野菜たっぷりの「本日のプレート」で何の野菜が使われているかが書かれているのはありがたい限りです。またこのプレート、塩味だったり酸味だったり味のバリエーションが豊富なのに、すべて白いご飯によく合うんですよ。
地元産野菜がたっぷりで、味付けは重くなくさっぱりしているのにご飯がいくらでも食べれてしまう、旅館の朝食の常識にとらわれない、他では食べたことのないタイプの朝食でした。
大分県:別府明礬温泉 岡本屋旅館
別府温泉の明礬地区にある岡本屋旅館は「青磁色」とも「ミルキーブルー」とも呼ばれる、青みがかった美しい源泉を持つ宿です。
季節や天候によってお湯の色は日々変化します。冬には青い湯の中に黄色い「ざぼん」が浮かべられていました。
夕食では別府湾の新鮮な魚貝や、温泉の蒸気で食材を蒸した「地獄蒸し」料理などが楽しめます。
お刺身をグレードアップした「地魚姿造り会席」で予約したところ、大分県名物の「関アジ」を含む新鮮な魚貝が美しく盛り付けられ、日本酒がかなり進んでしまいました。
デザートは、「岡本屋売店」でも販売されていてファンの多い、名物の「地獄蒸しプリン」です。
ちなみに岡本屋旅館さん、以前は平日のみ1人泊の受け入れがあり、私も2度1人で泊まっているのですが、コロナ禍以降1人泊を受け入れていないようです。また1人でも泊まれるようになるといいのですけどね……。
宿泊レポートはこちらです。
「りゅうきゅう」「だんご汁」「地獄蒸し」大分の郷土料理が目白押し
岡本屋旅館の朝食は、郷土料理がいくつも並ぶ、なかなか個性的なメニューです。
お品書きがこちら。
温泉宿の朝食の定番料理は「温泉卵」ぐらいで、焼き魚もサラダもありません。その代わりに提供されるのが……。
蒸籠に入っているこちら。温泉の蒸気で蒸した魚と野菜の「地獄蒸し」です。マヨネーズベースのたれを付けていただきますが、このタレもおいしい!野菜と魚も、珍しいだけではなくいくらでも食べられそうなおいしさです。
それから郷土料理の「りゅうきゅう」と「だんご汁」
「りゅうきゅう」は、はまちやぶりのお刺身と薬味を、醤油とすりごまのたれで和えたもので、朝からお酒が飲みたくなりますね。
だんご汁は、小麦粉を水で練ってしばらく寝かせた「だんご」と大分では呼ぶそうですが、ものすごく幅広なうどんのようなものが入った味噌仕立ての汁物です。だんご以外にも野菜もたくさん入っていて具沢山。ボリュームたっぷりですが、だんごのもちもち食感もおもしろくてすべておいしくいただきました!
鹿児島県:妙見温泉 妙見石原荘
鹿児島県霧島市の妙見温泉の妙見石原荘は、かつては湯治場として栄え、現在も自炊湯治の宿が多く残っている温泉地です。
湯治宿の多い妙見温泉にも高級めの旅館が数軒ありますが、その中の1軒が妙見石原荘。
川を間近に臨む野天風呂や眺望の良い貸切露天風呂などさまざまなロケーションで、炭酸ガスを多く含みシュワシュワと弾けるすばらしいお湯を楽しむことができます。
食事は雰囲気の良い半個室のレストランでいただきます。
夕食で日本酒をお願いしたら竹筒に入れて提供していただきました。春だったので〆のご飯はふきのとうの天ぷらがのせたふきのとうご飯!これが感動的なおいしさでした。
羽釜で炊いたご飯をおかかご飯にしていただく
朝食もレストランの同じ席でいただきました。
「にんじんと黒酢のジュース」が爽やかで、すっきりと目が覚めました。
焼き魚は「イワシの丸干し」です。旅館で出てきたのは初めてのような気がします。
ご飯は羽釜で、卓上で炊き上げるのではなく、厨房で炊いた釜を持ってきていただきました。これは素敵。
卓上で固形燃料で炊くと、たまにちょっと固かったりするんですよね……。厨房のコンロで炊いて持ってきていただけたほうが、間違いなくおいしいご飯がいただけると思います。
土鍋の中身は豆腐、鶏肉、麩、水菜。鶏の出汁でおいしく煮えていました。
ご飯はおかずと一緒にいただいた後、最後にたっぷりのおかかをかけて、醤油を回しかけて「おかかご飯」にしていただきます。どうしておかかなんだろうと思いましたが、鹿児島県は鰹節の生産地(生産量圧倒的1位)なんですね。
イワシの丸干しもそうですが、ちょっと懐かしいような、それでいて上質な食材を使った間違いなくおいしい朝食。かなり印象に残っています。
パンが印象を決定づける、洋朝食のおいしい温泉宿 6軒
洋朝食の場合、和朝食以上に料理の種類は固定されているように思います。
「パン」「スープ」「ジュースやミルク」「サラダ」「卵料理」「肉料理(ハムやソーセージ)」「フルーツ」「ヨーグルト」
これ以外のものが並ぶことは珍しいのではないでしょうか。
和食の場合は「定番品以外に何かその宿ならではの一品」があると印象に残りやすいのですが、洋食の場合はシンプルにパンが重要です!
パンがおいしいとものすごく印象に残るし、逆に他がおいしくてもパンが普通だと私の場合「普通だったな」と思ってしまいます。
群馬県:伊香保温泉 松本楼 洋風旅館ぴのん
伊香保温泉の洋風旅館ぴのんは、近所にある「松本楼」という大型温泉ホテルの別館にあたる、プチホテルという雰囲気の宿です。
シングルルームが複数あって1人でも泊まりやすく、伊香保温泉の「黄金の湯」を引いた温泉浴室も、こぢんまりとしてはいますがかけ流しの伊香保の湯をゆったり楽しめます。また、滞在中は松本楼の大浴場にもいつでも入浴可能なのもうれしい。
ぴのんのすばらしいところはなんと言っても食事です。
夕食は「フレンチ」「シノワーズ(中華風の創作料理)」「フュージョン(フレンチと中華をいいとこ取りしたグレードアップコース)」の3つのコースがあり、私は「フレンチ」と「フュージョン」をいただいたことがありますが、特にフュージョンをかなり気に入ってしまいました。
夕食についての詳細は、宿泊レポートをご覧いただければと思います。
ふっくらオムレツがとにかくおいしい、クロワッサンも良い
ぴのんの朝食は「洋食」「中華粥」「松本楼の朝食バイキング」から選べるのですが、私は最初に宿泊した際にいただいた洋食が気に入ったので、いつも洋朝食をいただいています。
パン、ミネストローネ、大皿にベーコンとサラダとオムレツ、メロン!
ドリンクはコーヒーや紅茶、オレンジジュース、りんごジュース、牛乳から好きなものを好きなだけ。
ちなみにぴのんのオリジナル紅茶がありまして、お部屋にティーパックが置いてあり、朝食時もいただけるのですが、このお茶も、渋みや香りのバランスがよくておいしいお茶でした。
そして、とにかくこのオムレツが……見た目にも美しく、ふっくらおいしい!
漂うバターの香りに食べる前からテンション上がります。
また、パンは「トーストとクロワッサン」ですが、クロワッサンが、中がしっとりしたタイプで好みだったので印象に残っています。
栃木県:中禅寺温泉 中禅寺金谷ホテル
中禅寺湖畔の温泉付きリゾートホテル、中禅寺金谷ホテル。
大浴場と露天風呂「空ぶろ(そらぶろ)」では、湯元温泉から引湯した青みがかった白濁の硫黄泉を楽しめます。晴れた日は星空を眺めながら湯に浸かれるそう。
夕食は館内のレストランで、栃木県産の食材をふんだんに使ったフレンチのコースをいただきました。
これまで2度宿泊しているのですが、2度ともポタージュスープがものすごくクリーミーでとても気に入りました。
メインのステーキと一緒にサラダが提供されるというスタイルなんですが、ステーキの焼き加減やソースが完璧なのはもちろん、サラダの野菜も新鮮でおいしかったです。
完璧な焼き加減のオムレツ!+αして自分好みの朝食にできるのも素敵
朝食は、夕食と同じレストランで。
メニューには基本の朝食メニューが左側にあり、「ジュース」「卵料理」「肉料理」を自分好みにチョイスできます。
右側には基本の朝食に+αできるメニューが掲載されていました。
「ジュースをスムージーに」したり、「ミニサラダを季節の生野菜サラダ」にしたり、「温野菜」「小さなシチュー」「季節のポタージュ」「季節のカットフルーツ」などを追加して、自分好みの朝食にすることができます。
卵料理はもちろんオムレツ!肉料理はベーコンにしました。
ナイフを入れると、とろりと半熟だけれど生の玉子が染み出てくることはない、完璧な焼き加減です。
この日はなぜか野菜が食べたくて、サラダを「季節の生野菜サラダ」に+200円でグレードアップ!かなり本格的なサラダが来ました。
パンとジャムもおいしい!ジャムは「手作りとちおとめのジャム」です。
「金谷ホテルベーカリー」を営んでいるホテルですから、夕食も朝食もパンの質は高かったです。洋朝食の見本というか、完成形のような内容でした。
神奈川県:湯河原温泉 オーベルジュ湯楽
「オーベルジュ」と名前に付く宿で温泉もすばらしい宿ってあまり聞きませんが、湯河原温泉のオーベルジュ湯楽は、趣の異なる2つの大浴場と2つの貸切風呂で、かけ流しの源泉を楽しめる「温泉宿」です。
貸切露天風呂は1人で入るにはもったいないほど広く、眺めもなかなかのもの。
夕食は、和食とイタリアンを融合させた「シェフ特撰コース」「湯楽特撰コース」と、完全にイタリアンの「イタリアンコース」の3つのコースが用意されています。
グレードアッププランである「シェフ特撰コース」を選んだときのみいただける「トリュフご飯」は見た目にもインパクト大、味も意外なほどにおいしかったです。いただくまでは「ご飯とトリュフ?本当に合うの?」と思っていましたが、合いました。
お刺身はツマも「食べられる花」などで美しく彩られ、すべての料理が盛り付けも味もすばらしかったです。毎月メニューが変わりますので、何度泊まっても楽しめる宿です。
詳しくは宿泊レポートにて↓
また、2019年、2020年と2年連続で「料理がおいしかった宿」ランキング1位に選定しています。
やはり別格!和朝食も良かったが洋朝食のオリジナリティと味に脱帽
オーベルジュ湯楽では「和朝食」と「洋朝食」の提供がありますが、実は洋朝食を選択できるのは夕食で「イタリアンコース」を選んだときのみです。
和朝食もすばらしかったのですが(宿泊レポートにてご紹介しています)洋朝食は次元の違うおいしさでした。
こちらがお品書き。
洋朝食と言えば「オムレツなどの卵料理」と「ベーコンやソーセージなどの肉料理」だと思っていたのですが、オーベルジュ湯楽の洋朝食にはそのどちらもありません。
こちらが洋朝食です。
本日のフルーツジュースは「自家製のイチゴ酢の炭酸割り」
パンは「パンドミー」厚切りでふかふかでめちゃめちゃうまい。
「パセリとクリームチーズの塩ケーキ」という謎のケーキが添えられており、濃厚なチーズ味でしっとりしていてこれまたおいしい。
卵料理は「鳳凰卵の温泉卵に特製和牛ミートソース」と、正統派の卵料理とはかけ離れた捻りのあるメニューですが、もちろんこれもおいしいんですよね。パンに付けて食べると幸せな味……。
パンドミーはお替わりできるので、卵や生ハム、しらす、オリーブなどをのせて、いろんな味で楽しめました。
独創的なメニューで想像以上の感動を与えてくれる、すばらしい朝食だと思います。
長野県:乗鞍高原温泉 プチホテルアルム
長野県の乗鞍高原にあるプチホテルアルムは、乗鞍岳の登山口、畳平行きのバスが出る乗鞍観光バスセンターのすぐ近くにある、家庭的な小さなホテルです。
ご家族で運営されているペンション……と捉えていただいて差し支えないですが、館内の雰囲気がヨーロッパの山小屋風でお洒落。
乗鞍高原は白濁硫黄泉のイメージが強いですが、プチホテルアルムの浴室ではそれとは異なる、柔らかい泉質の温泉をかけ流しで楽しめます。浴室は露天風呂で、予約制の貸切利用です。
夕食は洋食のコース料理。ワインの品揃えもなかなかのようでしたが、翌日の登山に控えてビールを選択。
野菜も自家製のものが多いとのことで、サラダがとても新鮮!肉料理の牛肉のワイン煮込みもおいしかった!
そしてデザートにいただいたフルーツタルトが絶品でした!こちらも季節のフルーツを使って毎日焼き上げているそうで、私は夏に宿泊しましたが別の季節にもタルトを食べに来たくなりました。
ちなみに、お部屋にエアコンがないので、夜は涼しいのですが真夏の昼間は少し暑かったですね。次は秋に泊まりたいかも。
自家製のジャムと手作り感あふれるパンがシンプルにおいしい!
プチホテルアルムの朝食はとてもシンプル。
オレンジジュース、フルーツはスイカ、目玉焼きとサラダ、パンとジャム。
しかし、このパンがめちゃくちゃおいしいのです。
2つが繋がってしまっている、いかにも手作りのこのパンは焼きたてで提供されますが、チーズとバターの香りがふわーっと漂ってきて、中はしっとり。
ジャムも、もちろん手作りです。
きっとこのジャムも、季節によって変わるんだろうな……と思うと、別の季節にまた来てみたいなと。強く印象に残っています。
静岡県:伊豆北川温泉 吉祥CAREN ←NEW!
伊豆北川温泉の「吉祥CAREN」は、伊豆熱川駅から送迎バスで10分ほどの場所にある、海沿いの温泉リゾートホテルです。
沖縄などでリゾートホテルを営んでいる会社が運営しているそうで、客室は昔ながらの温泉旅館らしい和室でしたが、フレンチや鉄板焼きディナーが楽しめたり、アフタヌーンティーなどのサービスも充実しています。
チェックイン後は焼きたてのパンケーキを無料でいただくことができたり。
お風呂あがりには湯上がりのお休み処で生ビールとところてんが振る舞われます。
庭でワインを始めとしたフリードリンクサービスがあったり、夜にはナイトスイーツも……。
夕食は「フレンチ」「鉄板焼き」「和会席」から選ぶことができ、私は鉄板焼きを選択しましたが、ボリューム、味、接客などすべて満足のいく内容でした。
海を眺められる浴室もすばらしく、特に早朝は、露天風呂から朝日を眺めることができました。
ソースを選べるオムレツと焼きたてふわふわフレンチトースト
朝食は和食膳と「鉄板ブレックファースト」から選べるので、前日の鉄板焼きもおいしかったし鉄板ブレックファーストを。
目玉焼きのソースは
・トマト(ハーブ又はハラペーニョ)
・オリエンタルのソース
・デミグラス
・パルミジャーノレジャーノ
から好みで選ぶことができます。
添えられたソーセージも質の良いものです。
オムレツは鉄板で焼きたてのものが提供されましたが「鉄板ブレックファースト」と銘打つならもっと鉄板を使ってもいいのでは……?と思ったら、その後になんと、鉄板で焼いた熱々のフレンチトーストが登場しましした!
これが表面はカリッと焼かれていて中はふんわり柔らかく、すばらしくおいしかったです。
専門店でもなかなか食べられないようなフレンチトーストだったので、まさに「このフレンチトーストを食べるためにまた泊まりに来たい!」と思いました。
静岡県:伊東温泉 マストランプ
伊東温泉のマストランプは、3つある浴室をすべて貸切で利用する、このご時世でも安心して泊まれる小規模な温泉ホテルです。
貸切浴室は内湯が2つと露天風呂が1つですが、露天風呂の開放感と広さに驚きました。庭園露天風呂、という感じ。内湯も雰囲気あるいい浴室で、すべて源泉かけ流しで提供されています。
マストランプの夕食は、伊勢海老をはじめとした伊豆の魚介と季節の野菜を、フレンチスタイルのコース料理でいただくというもの。
「伊勢海老のビスク」と、スープで早くも伊勢海老が登場し、料理の最後は伊勢海老が半身、丸ごとはいったブイヤベース。最後は残った出汁でリゾットにしていただき、伊豆の魚介を目一杯楽しむことができました。
詳しくは宿泊レポートでご紹介しています。
野菜たっぷり!パンは4種類から好きなだけいただける
マストランプの朝食は野菜たっぷりのセットメニュー。
「玄米と根菜とひじきのサラダ」は玄米を茹でて雑穀のようにして使っていました。
「白インゲン豆と野菜のスープ」も、さまざまな野菜が入っていて、滋養ある味わい。
パンは「クロワッサン」「レーズンパン」「海洋深層水を練り込んで作った柔らかいパン」「チョコデニッシュ」の4つから好きなだけいただけるのもうれしかった!焼きたてで提供いただきました。
最後のコーヒーとヨーグルトまで、すべてがおいしかったです。
はずれの料理なし!バイキングの朝食がおいしい温泉宿 2軒
ご飯もパンも和食のおかずも洋食のおかずも並ぶ、バイキング。
好きな料理を好きなだけいただけてすばらしいのですが、宿からするとセットメニューの朝食よりも用意しなければならない料理の種類が多いわけですから「全部がおいしい」バイキングってなかなかないように思います。
食べるほうも胃袋の容量に限りがありますので、迷って選んだ料理の味がいまいちだと「これじゃなくあっちを食べれば良かった」という後悔が生まれ、食事が終わったときには「おいしいのもあったけどそうでもないのもあって、まあ普通かな」という感想になりがちで難しいなと。
これまでいただいた中で「はずれの料理」がほぼなかった、満足度の高い朝食バイキングの温泉宿をご紹介したいと思います。
長野県:白馬八方温泉 まるいし
白馬八方温泉のまるいしは、基本的には平日のみ1人泊の受け入れがある宿ですが、オフシーズンのときなど、直前予約で土曜日に1人泊のプランが出ていることもあります。
浴室は内湯のみですが、白馬八方の高アルカリのぬるぬる感ある源泉がかけ流されており、夜通し入浴可能です。
夕食も、2食付き1万円代前半で泊まれる宿とはとても思えない、味もボリュームもすばらしく、日本酒がすすむ料理です。
提供している地酒を3種類選んで「酒三昧」にしていただくことができるのもうれしいポイントで、登山前後に宿泊するほか、天気が悪くて登山できないときでも泊まりに来てしまう、お気に入りの宿です。
宿泊レポートはこちらです。夕食もすばらしいのでぜひ見ていただきたいです。
過去に「コスパ重視で2017年泊まって良かった宿1位」「コスパ重視で2018年泊まって良かった宿3位」にも選定しており「食事がとにかくおいしくサービスも良く、おまけいコスパが良い宿」だと思います。
和洋すべてのおかずがおいしい!4種の手作りジャムが絶品!
朝食をバイキングで提供する宿は比較的規模の大きいホテルなどが多いですが、まるいしは全18室の小規模な旅館。
そのため、すべての料理が大盛りではない状態でバイキング台に置かれており、なくなりそうになるとこまめに追加されていました。お気遣いすばらしいなと思います。
おかずは和風、洋風両方の惣菜がバランス良く並び、しかも野菜を使った料理の種類がかなり多いです!
ご飯は、白米の他に炊き込みご飯が並ぶこともあり、そんなときは和惣菜多めでご飯をいただきます。
ワラビの入った炊き込みご飯、おいしかったです。
ちなみに、手作りにこだわるまるいしさんでは、お米も自家米、味噌も自家製の味噌を使用しているとのこと。単に手作りにこだわっているだけでなく、すべておいしいからすばらし過ぎます……。
そして、この4種類の手作りジャムが本当においしいんですよ!
甘さ控えめで、フルーツを濃縮してそのままいただいているようなジャム。
ジャムを目一杯楽しみたいので、最近は洋惣菜とパンの朝食にするのがお気に入りです。
パンも、恐らくホームベーカリーを使ったものかなと思いますが、焼きたてで皮がカリッとして中がふわふわ。おいしいパンです。
残ったジャムはヨーグルトに入れていただきます。
「バイキング」の概念をひっくり返すような、奇跡のような朝食バイキングだと思います。登山と絡めて泊まることの多い宿ですが、この朝食をゆっくり味わいたいので、前泊ではなく下山後に泊まりたいですね……。
鹿児島県:SHIROYAMA HOTEL kagoshima
西郷隆盛最期の地として有名な城山に建つ大型温泉ホテル、城山ホテル鹿児島。
数年前まで「城山観光ホテル」という名前でしたが、名前が変わる前からずっと、この宿が好きで、鹿児島に来たときはよく立ち寄っていました。
ホテル内に「城山ブルワリー」というビールの醸造所がありまして、こちらで醸造しているクラフトビール、特に「桜島小みかんのベルギーホワイト」が大好きなんです。
ホテル内のラウンジ、レストラン、カフェなどでも城山ブルワリーのビールをいただけるので、ただビールを飲みに来ていました。
温泉大浴場もあり、露天風呂からは桜島を目の前に眺めることができます。お湯は普通ですが、設備とロケーションはすばらしいです。
ラウンジではクラフトビールの他にも、鹿児島産のフルーツを使ったカクテルを、鹿児島の夜景を眺めつついただけます。
先日宿泊した際は、10階のフレンチレストラン ルシエルで、フレンチディナーもいただきました!
1人で行くにはけっこう難易度高めのガチなフレンチレストランでしたが、フレンチの食事込みのプランで予約したので、レストランの予約を自分でしなくて良い分気が楽でいた。盛り付けもすばらしく美しく、すべておいしかったです!
鹿児島郷土料理とホテルメイドのパン、洋食メニューもハズレなし
城山ホテル鹿児島の朝食バイキングは、和も洋も兼ね備えたいわゆるホテルのバイキングですが、とにかく料理の種類が多くて、そのすべてがおいしいのです。
「鰹節卵かけご飯」や「さつま揚げ」など、鹿児島の郷土料理のほか、鹿児島県産食材を使用した料理がこれでもかと並びます。
ホテル内のベーカリーで販売しているパンが、朝食バイキングでは食べ放題です。
ベーカリーのパン、なかなかいいお値段するので、大盤振る舞いだなと感心します。
こちらもベーカリーで販売している、ホテルオリジナルのジャム。
全種類を好きなだけいただける……幸せ。
さつま揚げや郷土料理の「りゅうきゅう」のほか、和総菜やまぜご飯も全部おいしかったです!
鯛のお刺身をのせたお茶漬けやオムレツ、フレンチトーストとパンケーキはその場で作ってくれます。
デザートもきちんと作られた物で飲み物の種類も多く、これだけ種類があって全部が質高くおいしいってなかなかできないことだなと感激しました。
朝食バイキングが人気の宿なので、直前の予約だと朝食を付けられないこともあるようです。このバイキングのためにまた泊まりたいと思える、すばらしい朝食でした。
オリジナリティあふれる朝食がおいしい温泉宿 3軒 ←NEW!
和食・洋食・バイキングのジャンルに分類することができない、個性的でオリジナリティあふれるおいしい朝食をいただいた宿についてご紹介します。
北海道:豊富温泉 川島旅館 ←NEW
北海道の稚内に近い道北エリアにある、豊富温泉。
石油の試掘中に湧出したという、油分を非常に多く含む温泉地ですが、中でも2食付きで休前日も1人で泊まれて食事の評判もいい、川島旅館に2泊しました。
源泉の温度が低めなので加温している浴槽もありますが、源泉をそのままかけ流している浴槽もあって、交互浴が楽しめるのもこの宿の大きな魅力です。
夕食は「板長おまかせ」と「バターづくし」の2つのプランがあり、どちらも食べたかったし、なかなか行けない場所なので思いきって2泊しました。
北海道産の食材を使い、宿オリジナルのフレーバーバターがたっぷりと使われた洋風の料理、すべておいしくいただきました。
カルパッチョを食べたら下から熊が現れるお皿があったり、器にもこだわりが感じられる夕食でした。
パンにもご飯にも合うフレーバーバターをビュッフェ形式で楽しめる
2泊したので朝食も2度いただいたのですが、まったく飽きることはありませんでした。
素材の味を活かしたシンプルな和食で、ご飯は白米と玄米から選ぶことができます。
和食だけではなく、焼き立てパンも提供され……日替わりで6種類ほどのフレーバーバターが食べ放題になるのです。
この日は「鮭ぶし」「利尻昆布」「トリュフ」「いちご」「ハスカップ」「はちみつ」の6種類。
甘めのバターはパンにのせたり、甘くないバターはご飯にのせても大変おいしく、いくらでも食べれそうで危険です。
こちらが2日目の朝食ですが、おかずはほとんどが前日と変わっていて、飽きることなく食べられます。
そしてこの日もフレーバーバターを。
「山わさび」「みそ」「鮭ぶし」「ドライフルーツ」「ブルーベリー」「はちみつ」でした。
フレーバーバターはお土産に購入することもできるので、朝食でお気に入りを見つけることができるのがいいなと思いました。
北海道:定山渓温泉 旅籠屋 定山渓商店 ←NEW!
定山渓温泉にある「旅籠屋 定山渓商店」は、先にご紹介した「厨翠山」と同じ、定山渓第一寶亭留翠山亭と同系列の宿です。
「もっと自由に、もっと気ままに」をコンセプトとし、アメニティやいわゆる「旅館らしいサービス」を最小限に留めていますが、第一寶亭留系列の宿の中でも宿泊料金は安めに設定されており、気軽に温泉と食事を楽しめる宿です。
13歳未満は宿泊できませんが、いわゆる「大人のための宿」ではなく、どちらかと言えば若者向けの宿だと思います。セルフサービスが多いところや、カプセルタイプのお部屋があるところ、食事の内容などからそう感じました。
浴室は内湯と露天風呂がある男女別の大浴場。サウナもあります。循環ありなのでお湯重視の方には少し物足りないかもしれませんが、露天風呂は開放感があって素敵でした。
チェックイン時には日本酒かソフトドリンクと酒粕のムースがウェルカムスイーツとして提供されます。
2食付き2万円以下で宿泊可能な宿ですが、飲食については特に満足度が高いです。
夕食は焼肉のコース料理。予約時に飲み放題を付けることもできます。1人用のカウンター席があり、1人でもさまざまな部位のお肉を食べれるのがうれしい。
コースのほかに、居酒屋風のおつまみメニューを単品オーダーすることもできます。食べるより飲みたいタイプの人であれば夕食は付けずに、居酒屋メニューとお酒で楽しむのも良さそうです。
お酒の種類もかなり多くて、特に日本酒は全国の有名な銘柄が揃っていました。3勺(54ml)の小さなグラスでオーダーできるので、飲み比べが楽しめるのも良かったです。
カレーか雑炊から選べる朝食、塩辛じゃがバターも絶品
定山渓商店の朝食は「カレー」か「雑炊」から選択します。
飲んだ翌日には雑炊も良さそうですが、私はカレーをお願いしました。
このカレーが、焼肉の牛肉で出汁を取っているのでしょうか……?かなりおいしくておかわりしてしまいました。
サラダはあらかじめ器に盛り付けてあるものに「利尻昆布ドレッシング」など、好みのドレッシングをかけます。
蒸し器に入っているのは、540日間長期熟成させた糖度の高いじゃがいも「540」です。
塩辛とバターが添えてあり、3つを合わせると「今すぐビールを飲みたい」素敵な逸品になりました。
まったく朝食らしくない朝食ですが、すべておいしかったし自由な感じで楽しかったです。
こちらの宿はチェックアウトが12時なので、朝食後も部屋でのんびり過ごせるのもいいですね。
大分県:別府鉄輪温泉 サリーガーデンの宿 湯治柳屋 ←NEW!
別府鉄輪温泉にある「サリーガーデンの宿 湯治柳屋」は、廃業する予定だった湯治宿を、シフォンケーキがおいしいカフェを営んでいた方がリノベして生まれ変わった、現代的な湯治宿です。ウェルカムスイーツには自慢のシフォンケーキがたっぷりとふるまわれます。
客室もさまざまなタイプがあり、湯治タイプの小さな部屋であれば音は少し響くものの、お安く泊まることができるのも魅力的です。
鉄輪の中心街にあって湯めぐりにも便利な立地ですが、館内の浴室でもすばらしいお湯を楽しめます。
館内には温泉の蒸気で蒸し料理を楽しむことができる「地獄釜」が設置されており、滞在中は自由に使うことができます。
夕食は地獄釜を使って自炊を楽しんでもいいし、外食してもいいし、併設のイタリアンレストラン(要予約)で夕食をいただくこともできます。
これまでに2度泊まっていて、1度目は外食しましたが、2度目はイタリアンレストランでいただきました。
九州産のワインを飲みつついただくイタリアンもすばらしかったです。
宿泊レポートも公開していますが、こちらは1回目に泊まったときに書いたもので、2回目の宿泊についてはまだ追記していません。早く追記しなくては……。
蒸籠蒸しの朝食が絶品!日替わりで和洋中が楽しめる
湯治柳屋の朝食は、1階にある「アンテルーム」でいただきます。
こちらは、朝食時間帯以外は宿泊者専用のカフェコーナーとして開放されているスペースです。
朝食は地獄釜で蒸した蒸籠蒸しで「点心と蒸し野菜の飲茶」「パンと副菜の洋風」「ちらし寿司と惣菜の和風」の3種類が日替わりで提供されます。
フリードリンクコーナーでゆで卵とジュースなどをいただいて席に着くと、蒸籠が運ばれてきました。
この日は洋風モーニング!温野菜とソーセージ、アスパラのベーコン巻きにパンです。ミネストローネのスープもついています。
蒸気で蒸したパンがもちもちとした食感で大変おいしく、かなり気に入りました。
2度目に泊まったときは「ちらし寿司」で、和食でした。
色鮮やかなちらし寿司のほのかな酸味が食欲をそそります。お惣菜もおいしかったです。
こうなると、いつか飲茶モーニングも食べてみたいと思ってしまいますが、どれが出てくるかはその日にならないとわからないので……確実を期すなら3泊するしかないのかもしれません。
朝食以外の要素もすばらしい宿ですし、いつか連泊してみたいですね。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。