温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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赤倉温泉 ホテル金甚宿泊記 とろみを感じさせるような極上湯の宿に一人泊

和洋折衷のおいしい食事2食付きで、土曜日や連休も1.2万で1人泊できる宿

ホテル赤甚は、新潟県妙高市の赤倉温泉の、赤倉温泉スキー場からすぐの場所にある、全18室の宿です。
「ホテル」とついていますが、2食付きで1万1千円から宿泊できるリーズナブルな温泉宿です。

全18室のうち16室は8畳または10畳の和室ですが残りの2室が洋室のシングルルームとなっています。土曜日や連休中でも1人泊のプランが出ているので、1人旅にはありがたい宿なんですが……安くて使い勝手がいいだけではなく、こちらの宿、お湯もとてもいいのですよ……。

白や黒の細かい湯の花が浮かぶ、とろみを感じさせるようなすばらしいお湯です。

宿のオーナーがスキー業界では有名な方だそうで、冬の間はスキー客で賑わいますが、雪がない時期はそれほど混み合わないのがいいところ。すばらしいお湯を独り占めできる機会も多いです。

私はこれまで、1人泊の予約が取りにくい連休中に2度、宿泊しています。一人旅が好きで温泉好き、登山好きな方は覚えておくと便利な宿ですので、ご紹介したいと思います。

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一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

赤倉温泉スキー場のすぐ側にあり、スキーや妙高山登山前後の宿泊に最適

ホテル金甚は「赤倉温泉スキー場」のすぐ近くにありますが、赤倉温泉スキー場に設置されている「妙高高原スカイケーブル」はグリーンシーズンも営業しており、夏の間はスカイケーブルの山頂駅から妙高山に登ることができます。

私も以前、赤倉温泉の「ほてる千家」に宿泊して妙高山に登山していますが、もちろん、ホテル金甚も妙高山登山の前後泊に便利な宿です。

「ほてる千家」もすばらしい宿で、このブログでもずっとおすすめしているのですが、ホテル金甚も(ほてる千家より若干お値段高くはなりますが)とても良い宿です。

お部屋や料理、浴室の雰囲気などがかなり違うので、ほてる千家より金甚のほうが好みの方もいるんじゃないかなと思います。少し比較しながらご紹介したいと思います。

ホテル赤甚へのアクセス

公共交通機関利用の場合、ホテル金甚の最寄り駅はしなの鉄道の妙高高原駅です。

東京方面から向かう場合は、新幹線あるいは高速バスなどで長野駅に来て、長野駅からしなの鉄道に乗るのが一般的かと思います。

妙高高原駅からは妙高市市営バスの「赤倉線」に乗って15分ほど。

赤倉線は、市営バスの中では1時間に1本程度運行しているので便は良いほうですね。
ホテル赤甚の最寄りのバス停は「赤倉銀座」という、赤倉温泉スキー場の目の前にある停留所です。

赤倉銀座バス停で下車し、徒歩3分でホテル金甚に到着します。

地上3階、地下1階の建物ですが、実はエレベーターはありません。
さて、何階の部屋に案内されるのでしょうか……?

【部屋】★★★☆ エレベーターはないがバストイレ付きの洋室に1人泊可能

1人で宿泊できるお部屋は「シングルルームの洋室」です。3階のお部屋に案内されました。

館内案内図を見ると、3階フロア内に洋室は1室だけ。

あとは8畳か10畳の和室です。

日当たりが良く明るい洋室で、掃除もきちんとされています。エアコンもあるので夏でも安心ですね。(高原の宿はエアコンがないところもあるので……)

新しそうな空気清浄機とお茶セット、湯沸かしポット。

クローゼットはないですが、洋服掛けは設置してありました。

消毒用のアルコールスプレーも置いてあります。

浴衣とバスタオル、フェイスタオル。それから、シャンプー&コンディショナーとボディシャンプーのパウチが1セット置いてありました。
浴室に設置してあるのはリンスインシャンプーだったので、女性にはうれしいサービスですね。

シングルルーム、と言いつつベッドはゆったりとしたダブルサイズです。

寝心地も良かったです。和室のほうが旅館らしいけど、布団が薄い宿だと腰が痛くなったりするので……その点ベッドは寝具のはずれは少ないのでいいですね。
テレビの位置がベッドの枕のほうに近くて、橫になったままテレビを見やすくてうれしい。
Wi-Fiも利用可能なので、ライティングデスク的なものがあればワーケーションにも使えて良いのですが、残念ながらデスクやテーブルの類いはありません。

ウォッシュレットはないものの、ユニットバスはあります。
「ほてる千家」は洗面・トイレ共用なので、トイレ付きの部屋にこだわる方はこちらのほうが良いでしょうね。

あとは特筆すべきこととしては、お部屋に冷蔵庫がないことでしょうか。
ほてる千家は廊下に共用の冷蔵庫がありましたが、金甚にはありません。また宿の案内書きに「飲み物の持ち込み料」についての記載がありますので、飲料は持ち込まず、館内の自動販売機などを利用しましょう。

それと、古い建物なので廊下でお子さんが走っていたりすると音が響くなと感じました。ほてる千家も隣室のドアの開閉音は気になったので、古い宿の場合仕方ないところもあると思います。

音がどうしても気になる方は、赤倉観光ホテルに泊まりましょう!

値段は3倍になってしまいますが、本当に静かです……。

【風呂】★★★★☆ 明るく雰囲気の良い内湯は熱めの適温に調節されている

ホテル金甚の浴室は2階にあります。男女別の内湯のみで、男湯女湯の交換はありません。

浴室の前に自動販売機がありました。

缶ジュースや缶コーヒーが120~130円で、良心的ですね。

ポカリスエットやキリン一番搾りの自動販売機もありました。

こちらは、市価よりも若干高いですが、旅館の自販機としては一般的なお値段ですね。

女湯の脱衣所へ。

洗面所とソファ、脱衣カゴが4つ。

ドライヤーはPanasonicのものが1台。消毒済みのコップと綿棒。洗面台にはハンドソープと消毒用アルコールが設置してありました。

湯の花が多い温泉によくある「沈殿物と浮遊物は天然温泉の証です」という案内が。

泉質は「硫酸塩炭酸水素塩泉」で、加水・加温・循環ろ過・消毒すべて無しの、パーフェクトなかけ流しです!

赤倉温泉の効能・適応症に関する案内が。

温泉分析書もあります。

泉質は「カルシウム・マグネシウム・ナトリウムー硫酸塩・炭酸水素塩温泉」と、さっきの説明書きよりも成分名が増えていました。

泉温50.2度、ph6.6とほぼ中性。
少し冷ましたり、投入量を調節すれば加水せずに適温のお湯が楽しめるすばらしい源泉ですね。

では、浴室へ。

黄色と白の四角形のガラス?を組み合わせた模様が印象的な、日当たりが良くて明るい浴室です。

シャワー付きの洗い場は3つ。

少しお湯が出るまで時間がかかりますが、水圧は十分です。リンスインシャンプーとボディシャンプーあり。

体を洗ってお湯に身を浸すと……。

ああ……熱い!けど「あちちちち!無理!」とはならず、熱いながらも気持ち良く入れる「熱めの適温」です。

源泉投入量を確認したくて湯口の近くに行ってみると……。

あれ……?湯口からホースが出ていますよ。
よく見ると、ホースの中を源泉が通っており、ホースの先は浴槽の外に出ています。

そうか……湯口から出る源泉がすべて浴槽に注がれると、熱くなりすぎてしまうので、ホースを使って投入量を調節しているんですね。
ちなみに、湯口(向かって右側)とは別に、中央にプッシュ式の水栓がありますが、そちらは押すと冷たい水が出て「熱くて我慢できない!」ときは加水できるようになっていました。
プッシュ式なので一定時間が経つと水は止まるようになっており、水を足しすぎてぬるくなることは避けられそうなのがいいですね。

そして……本当にいいお湯です!

赤倉温泉のお湯は透明ですが、細かい黒っぽい湯の花が混じっているので少し黒っぽく見えることもあります。
触ると、とろっとした触感があり、本当に気持ちのいいお湯でした。
ほてる千家のお湯も同じぐらいすばらしいのですが、強いて言うならば浴室がやや暗いところが気になる人はいるかな……と思っていました。その点、金甚の浴室は明るいです。滞在中は夜通し、朝9時まで入浴が可能です。

また、チェックアウト後も500円で入浴可能だそうですので(9時~12時が清掃時間なので12時以降)スキーや登山後にも立ち寄れますね。

【食事】★★★★☆ 夕食も朝食も若女将手作りの出来たての料理が並ぶ

ホテル金甚には地下1階に食堂があり、夕食は17時30分~19時、朝食は7時~8時のスタートとなります。

特に衝立などはありませんが朝夕共にあまり目立たない、1番端のほうの席に用意していただけました。

夕食は「ビーフシチューのパイ包み」が絶品!

夕食時にいただける飲み物はこちらです。

ビールはスーパードライの中瓶、日本酒は妙高市の地酒「鮎正宗」の300ML瓶、もしくはお銚子。グラスワインとウィスキー、焼酎はいいちこと黒霧島はグラスでオーダーできます。
あまり品数豊富とは言えませんが、強いて言うならほてる千家のドリンクメニューもこちらとそっくりでした・笑

夕食開始時にセットしてあったお料理はこちら。
揚げ物などは後から揚げたてを運んでくださいました。

スーパードライはあんまりだし、とりあえずお銚子かなー。

で、鮎正宗をぬる燗にしてもらいました。

いただきます!

食前酒の梅酒。自家製でしょうか。おいしい。

鮭のルイベ!
ちなみに宿泊したのは9月なので、いくらのシーズンだったんですよね。これはもう、日本酒を飲むしかないなと……。

煮魚は、何の魚だったかは忘れてしまったのですが、さっぱりとした白身で小骨は少なく食べやすいです。

家庭的な一皿ですが、味付けはどれも上手です。

かぼちゃのそぼろ煮。ほんのり甘く、とろみがある餡がかかっていてます。

こちらは蒸し物。
お品書きがないのでメニューの名前がわからないのですが、湯葉蒸しだと思います。湯葉の中には海老シューマイの具みたいなものが包まれていました。

ここで揚げたてのヒレカツが!!

とんかつ専門店のカツじゃない、家庭料理のヒレカツ。
1人暮らしだとなかなかいただく機会がなくて……熱々で、量もたっぷり。うれしい。

鍋料理は豚しゃぶです。

鍋の中にはあらかじめ、出汁と野菜が入っていました。火をつけてある程度野菜に火が通ってから豚肉を入れます。

椎茸や舞茸、しめじなどきのこもたっぷり。

そして、ここで運ばれてきたのが……ホテル赤甚の名物料理とも言える「ビーフシチューのパイ包み」です。

パイをスプーンで割ると……

中には熱々のビーフシチューが!
ちなみに、上にかかっている白いミルクは、コーヒーミルクのポーションでした。
ミルクをかけるとコクが増していっそうおいしくいただけます。いいアイディアだわー。

最後にご飯とお漬物をいただきます。汁物はなかったので、しゃぶしゃぶのお出汁をスープ代わりにいただきました。

デザートはオレンジゼリー!
と言っていましたが、ゼリーというよりも「オレンジソースのパンナコッタ」でした。パンナコッタの上にオレンジソースがかかっています。

デザートまですべて手作りで、温かいものは温かく出していただけて、最高においしい夕食でした。

朝食はホテルのそれじゃなく「実家っぽいオムレツ」がうれしい

朝食も食堂で。前日と同じ席でいただきます。

焼き鮭やほうれん草とコーンののバター炒めなどのおかずがあらかじめならんでいましたが、席に着いてから焼きたてのオムレツを運んできてくださいました。

ケチャップ味でいただく焼きたてのオムレツ!
いわゆる「ホテル」の、中がじゅわーっと半生なオムレツとはまた違うのですが「実家でこんなの食べたなあ」と思い出しました。

時間があれば、朝食後にロビーで淹れたてのコーヒーをいただけるとのこと……私は登山を控えていたのでいただかないでしまったのが心残りです。

【再訪したい度】★★★★☆ 冬以外の季節にのんびり楽しみたい宿

ほてる千家と比べながらのご紹介でしたが、冬はスキー客で賑わうけど、夏は静かでのんびり、リーズナブルにおいしい食事とすばらしいお湯を楽しめる宿ということで、どちらもとてもいい宿です。

金甚のほうが少し料金は高くなりますが、部屋にトイレ洗面がついていたほうがいい方は、金甚を選ぶと良いのかなと思います。

あとは「いわゆる旅館の食事に近い料理のほてる千家」と「和洋折衷で手作り感あふれる金甚」という食事のテイストの違いぐらいですが、どちらもおいしいので気分で選んでまた泊まりたいと思います。

【1人旅に優しい度】50点:食堂で視線が気になることはありそうだが、1人で泊まりやすい宿

泊まりやすさ 15/20
2室ある洋室限定だが、休前日でも1人泊可能。
1番の繁忙期であるスキーシーズン中はどうなるかわからないが、雪のない時期は連休中でもだいたい1人で泊まれる。

食事場所の配慮 5/20
夕朝食とも食堂でいただく。
隣の席との間隔は空いているが、衝立などは特にないので気になる人は気になるかも。

プランの選択肢 10/20 
2食付き、朝食のみ、素泊まりのプラン設定は1人泊でも2名以上でも同じ。
1人で宿泊可能なのは洋室のシングルルームに限定される。

ドリンクオーダー  10/20
日本酒は1合からオーダーできる地酒が1種類と300MLの瓶が1種類。ワインとウィスキーと焼酎はグラスオーダー可能だが、ビールは中瓶のみ。

フリーWi-Fi完備 10/20
客室内でWi-Fi利用可能だが、部屋によっては利用できない部屋もあるとのこと。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。