妙高山の登山口に位置する、白濁硫黄泉の源泉を持つ燕温泉
燕温泉(つばめおんせん)は、新潟県妙高市の妙高山の麓にある、5軒の旅館からなる温泉地です。
旅館の他に無料で利用できる「黄金の湯」「河原の湯」という2つの露天風呂と土産物屋が2軒あり、登山シーズンは妙高山の登山客で賑わいます。
「ホテル花文」は、燕温泉のバス停のすぐ側にある全16室の温泉宿です。
渓谷を望める露天風呂は白く濁る硫黄泉に満たされ、日によって青みがかって見えることもあります。何度か日帰り入浴で伺った後、2020年の10月に初めて宿泊したところ、手打ちの十割蕎麦をはじめとした食事が大変おいしく「2020年に泊まったコスパ最強宿ランキング」の記事でも8位に選出しました。
この記事のアイキャッチが、まさにホテル花文の写真ですね。
お湯も食事も良く土曜日も1人泊可能な一人旅に優しく、理由は後述しますが、特に「古い宿でも大丈夫な、とにかくお湯重視の温泉好きな女性」におすすめしたい宿です。次は山菜の季節に泊まりたい!と思っていましたが、2022年5月に再訪が叶いましたので、レポートしたいと思います。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。
- 妙高山の登山口に位置する、白濁硫黄泉の源泉を持つ燕温泉
えちごトキめき鉄道 関山駅から妙高市市営バスで30分、終点燕温泉で下車
燕温泉に公共交通機関で向かう際、最寄り駅は「えちごトキメキ鉄道関山駅」となり、関山駅から妙高市市営バスに乗って向かうことになります。
上越妙高駅でちょい飲みしてから関山駅へ
首都圏から関山駅に向かうには、上越新幹線で長野駅、あるいは上越妙高駅で乗り換えることになりますが、今回は上越妙高駅乗り換えにしました。
乗り換えに1時間弱の待ち時間があったので、駅ナカの飲食店で一杯いただいていくことにします。
お土産屋さんと飲食店が一緒になっているタイプのお店。越後湯沢や新潟駅の駅ナカのショップ&レストランのミニ版という雰囲気。
地酒3種におつまみがついた利き酒セットも気になりますが……。


到着後、お風呂に入ることを考えるとあまり酔いたくないのでグラスの生ビールで!
小腹が空いたので鰺フライ450円をオーダーすると……。
かなり大ぶりの鰺フライが2枚ついてきました。ビールと一緒においしくいただいて、ランチとします。
えちごトキメキ鉄道で関山駅へ。
駅の目の前から出る妙高市営バスに乗ります。
終点燕温泉まで所用時間は30分ほど。運賃は500円です。
着きました。本日のお宿「ホテル花文」はバス停の目の前、温泉街入口の向かって右側に建つ宿です。
ホテル花文のチェックイン時刻は15時からなのですが、バスの本数が少ないため14時に燕温泉に着いてしまいました。
ホテル花文では日帰り入浴も営業していますし、日帰り客用の待合所もありますので、部屋の準備がまだだったらそちらで待たせてもらえるだろう……と思い、1時間早いですが中へ。
「バスで来たので早く着いてしまったのですが……」と申し出ると「大丈夫ですよー」と、チェックインすることができました。
【部屋】★★★☆ 2度とも新館に宿泊したが、部屋の雰囲気がかなり異なっていた
ホテル花文は「新館」と「旧館」の2つの棟に分かれており、フロントやロビーがある建物は「旧館」になります。
滞在中、まったく気がつかずスルーしていましたが、玄関のところにこんな立派な時計があったんですね……。


ロビーにはソファーがあちこちに置かれ、日帰り入浴の際に待ち合わせをするスペースとしても使われています。
こちらが宿の平面図です。
1階はすべて旧館なのですが、2階と3階は1階よりも床面積が広く、2つの棟が短い渡り廊下でつながっている作りです。2つの棟のうち平面図を上から見て左側が新館、右側が旧館です。
新館の部屋はトイレ付き、旧館の部屋はトイレ無しとのことで、宿泊費はトイレ付きの新館のほうが2千円ほど高くなります。
旅館花文にはこれまで2度泊まっていて、2度とも新館の部屋を予約していたのですが、初めて泊まったときの部屋と2度目に泊まったときの部屋は雰囲気がかなり異なっていました。
2022年5月に宿泊した新館316号室
1階からエレベーターで3階に上がり、短い渡り廊下を渡ると新館の建物に入ります。
旧館よりも新しく、近代的な感じの建物です。
しかし、この階段とか廊下の雰囲気……何かを思い出すなあと思ったんですが、写真を見てわかりました。
小学生のときに林間学校で泊まった「少年自然の家」の廊下だわ。
この、部屋のドアの雰囲気とかも、林間学校を思い出します……。
もちろん、部屋の中は自然の家のような部屋ではありません。
ちょっと細長い感じの8畳ほどの和室です。あらかじめ布団が敷いてありました。
部屋の奥側から見るとこんな感じ。
手前にはソファーが置いてありました。
入口付近にはユニットバスが。トイレはウォームレットですがウォッシュレットはなし。
冷蔵庫は空で、使用するときに電源を入れてくださいとのこと。


グラスと栓抜きも置いてありました。
お茶うけは定番の温泉まんじゅう。


座卓の向こうにテレビがありました。
敷き布団が1枚だったので、朝、ちょっと腰が痛くなってしまったのは残念。
バスタオルと浴衣と羽織に足袋ソックス。


ピンクの袋の中にはフェイスタオルと歯ブラシ、シャンプー&コンディショナーのパウチが入っていました。浴室にもシャンプー&コンディショナーとボディシャンプーは設置してあるのですが、こちらのパウチは「ボタニカルスカルプシャンプー」とのことで浴室のものよりちょっと良さそうなやつでした。
2020年10月に宿泊した新館314号室
2020年10月に初めて宿泊した際は、2022年に宿泊した316号室の2部屋先にある314号室でした。
あれ……ドアの雰囲気が違いますね。
室内の雰囲気もかなり違います!部屋は10畳間でこちらのほうが広く、広縁もあります。ただ、ちょっと畳が古いかな。畳は傷んだら替えるものだと思うので、タイミングの問題かもしれませんが。
そして、2020年は布団は夕食時間中に敷く方式で、チェックイン時には敷かれていませんでした。
窓からは主に屋根が見えるのですが、遠くの山も小さく見えますね。
そして、316号室はユニットバスでしたが、こちらは洗面、トイレ、浴室が独立したゆったりとした作りでした。


トイレはやはりウォームレットでウォッシュレットはなし。
314号室と316号室、雰囲気は異なるもののどちらも掃除はきちんとされた清潔なお部屋でした。
個人的に気になったのは「エアコンがないので夏は暑そう」「隣の部屋の音が少し響く」「敷き布団が1枚」「ウォッシュレットがない」「Wi-Fiはロビー周辺のみで客室で利用できない」「ポットは湯沸かし機能がない魔法瓶タイプ」という点でしょうか。気にしない方は気にしないことかもしれませんが……。
たた、ポットについては部屋食の場合は夕食後・朝食後のタイミングで新しいポットに替えていただけたので、いつでも熱いお湯が使えました。食堂で食事のときはポット交換は夕食時のみだったように思います。
フロントでコーヒーやお茶がいただける&手作りあいすの販売もあり
ホテル花文の1階エレベーター前には自動販売機があります。
値段は、市価よりも1~2割ほど高い、旅館の自販機の標準価格ですね。
ロビーにはコーヒーマシンとポットがあり、コーヒー、冷水、お茶が飲めます。
消毒用のアルコールも設置してありました。
また、ロビーでは手作りあいすを300円で販売しています。
材料をアイスクリーム屋さんに持ち込んで作っているとのことで、ホテル花文でしか食べられない、オリジナルのアイスです。
「牛乳」と「山ぶどう」と「ふきのとう」の3種があったので、ここは「ふきのとう」でしょう!と。
お部屋でコーヒーと共にいただくと、ほんのり薄緑色のジェラートは、甘いけれど少しだけ苦みのようなものも感じられて、これはたしかにふきのとうだ……。
無茶苦茶おいしい!というわけではないけれど、山菜の季節の夕食に、デザートとして出たらすごく良いだろうな……という味でした。
【風呂】★★★★★ お湯は青く染まる日もある、すばらしい湯と浴室
お部屋のところでは細かいことをいろいろ書いてしまいましたが、ホテル花文のお風呂は、設備は新しいとは言えないものの本当にすばらしいです!


泉温は44度と加水も加温もせずに入れるベストな温度、ph6.6のほぼ中性のお湯。
泉質は「カルシウム・ナトリウム・マグネシウムー炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物温泉」と、さまざまな成分が豊富に含まれていることがわかります。
また、泉質は「硫黄泉」ではないですが硫化水素臭が柔らかく香り、白く濁る源泉に浸かれば、特別に温泉に詳しくない人でも「なんていいお湯なんだ!」と思うこと間違いなしです。
知る限りではかなり珍しい、女湯のほうが景観がいい宿
しかし、旅行サイトのレビューなどを見ると、ホテル花文さんのお風呂に不満を訴える人も一定数います。というのはこちらの宿、数ある温泉宿の中でもかなり珍しい「女湯のほうが男湯よりいい宿」なのです。
男性の方はあまり意識することはないと思いますが、男湯女湯の交換のない温泉宿で「景観がいいのは男湯のほう」ということはかなり多いです。女湯は覗かれると困るから……という理由のことがほとんどだとは思うのですが。
ホテル花文の浴室は「2階にある露天風呂付きの浴室」が基本的に女湯で、「1階の内風呂のみの浴室」が、基本的に男湯。交換となるのは午前7時から9時の間だけです。男性で、このことに対して不満を持たれる方は多いようです。
気持ちはよくわかります……。
「7時から9時って!それほとんど朝食の時間じゃん!」
そうですよね……。
でも「湯浴み着タオル巻きNGで実質は男湯の混浴温泉」の女性専用時間帯って、大抵「19時~21時」なんですよ……ほとんど夕食の時間ですよね。
女湯が別途あるものの、その宿で1番景観や泉質が良い宿は昔からある混浴風呂、ということは多いのです。だけど湯浴み着タオル巻きNGなら混浴の時間帯に入るのは厳しい!女性専用時間帯に入るしかないから夕食のお酒も控えめにして、お腹いっぱいで苦しいけど、女だらけで芋洗い状態の中で女性専用時間帯に入ることになります。
女は小食で酒も飲まないだろうから、男が酒を飲んで腹いっぱいで休んでる夕食直後の時間帯でいいだろ?とかそういうことなんだろうか……などと考えてしまったりもします……。
「混浴が好き」という趣味の人以外は、女性は湯浴み着NGの混浴風呂には女性専用時間帯しか実質入れないのです……。もう少し女性専用時間帯を長くするとか、せめて夕食直後以外の時間帯にするとか、湯浴み着OKにするとか、どれも無理ならいっそ混浴なんかやめて「男性時間帯」「女性時間帯」で分ければいいのに。
と毎度思いますが、レビューに書いたりはしないです。混浴が好きで、あるいは「男性がいい風呂に入れる時間が長い」ことが良くてその宿に来る人も多いのでしょうから。
だから、貴重な「女湯のほうがいい宿」であるこの宿のことは放っておいてー!と、正直なところ、思ってしまうのですよね。
男湯より女湯のほうがいい宿、パッと思いつくのはホテル花文と、越後湯沢の高半ぐらいです。どちらも新潟県の宿ですけど、新潟は女性が強いんだろうか……。
ホテル花文では11時~17時まで日帰り入浴も可能
ホテル花文では11時から17時まで日帰り入浴の営業もしています。「入浴のみ1時間以内」のプランの他、「食事付き」「フリータイム」プランも設定されていました。
日帰り入浴中も露天風呂があるほうの浴室が女湯なので、日帰り入浴料金は女性のほうが高くなっています。
1時間プランは100円、フリータイムと食事付きは200円、女性のほうが料金が高いです。
基本的に女湯の2階露天風呂付きの浴室
女湯の浴室は2階にあります。
のれんをくぐって中に入ると色浴衣が並んでいる台があり、スリッパ用のクリップも用意されていました。


部屋にも浴衣は用意されていますが、女性の宿泊客は色浴衣もこちらから利用可能です。
壁際に脱衣カゴが並べられ、ベンチもあって広々としています。


洗面台が3つ。ドライヤーは脱衣所には1つしかありませんが、廊下のあちこちに設置してある洗面所にもドライヤーが置いてありました。コイズミの「モンスター」という、風力が強いドライヤーです。乾きやすくてうれしい。
女湯の脱衣所は広いこともあり、ベビーベッドやベビーバスも置いてありました。
女湯がこちらの浴室で固定なのは、これも理由の一つなんじゃないかと思ったりします。後でご紹介しますが男湯のほうは脱衣所が狭くて……洗面台もなく、ベビーベッドを置く場所もないのです。ベビーベッドやベビーバスが必要な年齢のお子さんは、お母さんと一緒にいることがまだまだ多いですからね……。
では、浴室へ。
浴室の壁の2面が窓になっており、光がたくさん入る明るい浴室です。
シャワー付きの洗い場が5つほどあり、お湯が出るのに少し時間はかかりますが、温度が上がってしまえば気持ちよく使えます。
シャンプー&コンディショナーとボディシャンプー、固形石けんが設置してありました。
中央に大きな浴槽が一つ。
白濁した源泉で満たされており、浴槽の縁からお湯がどんどん溢れてきます。
源泉はうっすらと青みがかって見えますが、実は日によってはもっと青く見える日もあるのです。後でご紹介します。
旅館花文の源泉は飲泉も可能です。湯口には飲泉のためのコップも置いてあります。
口にふくむと卵臭と、わずかに甘みというか酸味のようなものが感じられ、わりと飲みやすい源泉です。
浴槽内には白い湯の花がたっぷり。
お湯の温度は41度ほどで、やや熱めながら気持ちよく浸かれる温度です。
内湯でよく温まってから露天風呂へ。
「大田切渓谷」なる渓谷が目の前に広がる、眺めの良い露天風呂です。
おおー、良いですね……。
浸かってみると泉温は39度ほど。温めでいつまでも浸かっていられそうな温度です。
ホテル花文の露天風呂は12月~4月の間は休止するそうですが、加温しないので雪が降る季節は入浴に適した湯温をキープできないのでしょうね。
でも、それがいいと思う……。
加温なしで、ぬる湯はぬる湯で楽しめたほうがうれしいので。
この日の露天風呂のお湯は、内湯よりはだいぶ透明度が高かったです。
おそらく、お湯を入れ替えてからあまり時間が経っていなかったんでしょうね。
実は、2020年の10月に宿泊した際の露天風呂のお湯はこんな感じでした。
お湯の色が、白く濁るだけでなくかなり青みがかっています。
紅葉が始まりつつある渓谷を眺めながら、ミルキーブルーのお湯をゆっくりと楽しむことができました。
この日は、内湯のお湯もだいぶ青みがかっていましたね。
何の成分のせいかわかりませんが、燕温泉の源泉は、湧き出てから時間が経つと青みがかる性質なんでしょうね。酸性度も同じぐらいだし、日光湯元温泉を思い出すお湯です。
こちら↑は、燕温泉の無料で入れる露天風呂「黄金の湯」です。
色味の調整など何もしていないのですが、入浴剤を入れたような青緑色になっていました。
基本的に男湯の1階の内湯のみの浴室
旧館1階にある内湯のみの浴室は、午前7時~9時の間女湯になります。
のれんが変わっているのを確認して中へ。
脱衣所の広さは2階の浴室の1/3ぐらいで洗面台もなく、鏡が設置されたところにドライヤーが1つ置いてありました。


建物は古いですが、床などは手入れされており、掃除もしっかりされています。
浴室へ。
左右にシャワー付きの洗い場があり、中央に浴槽が1つ。
正面の窓は透明で、外が見えるようになってしました。(女湯の内湯の窓は曇っていて、外は見えません)
湯口からは常時源泉が溢れ出ており、飲泉用のコップもありました。
湯温は41度ほど。
やや熱めのお湯につかり、しゃっきりと目が覚めました。
【食事】★★★★☆ 春は山菜、秋は新蕎麦の十割蕎麦、季節を変えて何度も訪れたくなる
ホテル花文は日帰り入浴を受け付けているため、宿泊する前に何度か日帰りで訪れていたのですが、1度泊まってみて「日帰りじゃなく泊まって楽しみたい!」と思うようになりました。食事がおいしい宿なのです。
ホテル花文のドリンクメニュー
ホテル花文でいただけるドリンクメニューがこちら。
部屋に置いてあるメニューと、食堂に置いてあるメニューは同じでした。
夕食前のタイミングでお酒が飲みたい!というときも注文可能だと思います。
日本酒は、妙高市の地酒が4種類。そのうち3種類を「呑みくらべセット」でいただくこともできます
ソフトドリンクはウーロン茶やサイダーなど一般的なものと、キリンのオールフリー。
焼酎は麦と芋を1種類ずつグラスでいただけます。
夏季限定で生ビールの提供もあるようです。
2022年5月の夕食は山菜と筍がいっぱい!
2022年5月に宿泊した際は「山菜づくし&岩魚の塩釜焼きプラン」というプランで予約しました。
プランの詳細に「1人1000円で部屋食にすることも可能」と書いてあったのですが、そこまで部屋食にこだわりがあるわけではないので特にお願いはしませんでした。
しかし、宿に着くと「今日は食堂がいっぱいなので食事はお部屋にお持ちします」とのこと。なるほど、そういうこともあるのですね……。夕食の開始時刻は「18時か18時30分」だったので、18時30分でお願いしました。
18時30分より少し前に、部屋に係の方が食事を運んできてくださいます。
最初に並べていただいた料理はこちら。
冷たい料理と、卓上で固形燃料で温めていただく料理です。
お酒はやっぱり!3種の呑みくらべセットをお願いしました。
いただきます!
お刺身は3種盛り。妙高市は山の麓ですが、ちょっと北上すると日本海に面した上越市ですので、新潟の海で獲れた魚介がいただけます。
まぐろ、鯛、紫蘇で隠れてますけど甘エビ。
ホタルイカとこごみを酢味噌であえた春らしい一品。
ワラビは生姜醤油で。
煮物は筍です。わかめや海老と一緒に出汁で炊き合わせてあり、おいしい。
天ぷらは、うど、ふきのとう、タラの芽、コシアブラ、こごみと、有名どころの山菜が顔を揃えていました。熱々で持ってきていただけてうれしい。
陶板焼きは「豚の角煮」でした。
よくある甘じょっぱい味付けではなく、甘さ控えめであっさりとした味わいで、豚の脂で絵リングやブロッコリーなどの野菜もおいしくいただきました。
後半に運んできていただいたこれは……?
プランの名称にもなっていた「岩魚の塩釜焼き」ですね。塩に包んで焼くのだろうなとは思っていましたが、塩も魚の形をしているとは、なかなか芸が細かくて素敵。
写真を撮らせていただいた後、ビニールの手袋をした係の方が塩の魚を割り、中から岩魚が現れました。
皮に直接火があたらないせいか、塩焼きよりも身がふっくらとしており、地酒と一緒においしくいただきました。
ここまでで料理は一段落。
「この後お蕎麦が出ますので、お持ちしていいときにお電話ください」
とのことだったので、ゆっくり食べてから電話をしました。
しっかりとこしのある冷たいお蕎麦です。
最後に、ご飯とデザートを持ってきていただきました。
お味噌汁は根曲がり竹とじゃがいもと卵。これが、優しい味でとてもおいしかった……。
デザートはすいかとかぼちゃのプリンです。
お腹いっぱいにいただきました。ごちそうさまでした。
2020年10月の夕食は限定15食の十割蕎麦が絶品
初めて宿泊した2020年の10月は、1階の奥にある食堂で朝食夕食ともにいただきました。
建物としては旧館にあたる部分だと思いますが、食堂の中はきれいに手を入れられており、清潔です。テーブルとテーブルの間も広く空いています。
私は、1番奥の席に案内していただきました。
2022年の宿泊時よりも2020年のほうが、食事は一気出しに近い出し方でしたね。この頃は、感染症対策のために一気出ししている宿が多かったと思います。今は少し戻ってきたかなという感じ。
お酒はやっぱり、地酒の呑みくらべセットです……。
秋だから土瓶蒸し!
これも日本酒に合うからうれしいですね……。
出汁を味わってから土瓶の蓋を開けると、鶏肉、鯛、うずらの卵、海老、銀杏、きのこなどかなり具だくさんでした。
土瓶蒸しだけでかなりお酒が進んでしまいそうなところを押さえて、お刺身を。
あれ、2022年のときより心なしか刺身のボリュームが多いような……。
ワラビの生姜醤油はこのときも。
天ぷらはコーンや舞茸、レンコンなどバラエティ豊か。
お花の模様付きの、高級感あるアルミホイルに包まれて現れたのは……?
エリンギと岩魚です!笹の葉と一緒に蒸してあるので笹の良い香りが漂います。
塩釜蒸しも良かったけれど、こちらはアルミホイルで密閉して蒸しているからか、いっそうしっとりとした岩魚でした。
陶板焼きは豚ロース肉。
味噌ベースのタレで味を付けながら焼いていただきます。
料理を食べ終わったらお蕎麦です!
このときは秋で、新蕎麦の季節でしたので「十割蕎麦付きプラン」で予約していました。1日15食限定だそうで、予め予約しておかないと食べれないことが多いそうです。
運ばれてきたのは、しっかりと1人前あるざる蕎麦!うれしいー。
宿で手うちしているそうで、こしがあって喉ごしが気持ちよく、香りも良いおいしいお蕎麦でした。
ちゃんと蕎麦湯もありました!旅館の夕食で蕎麦が出ることは珍しくないですが、蕎麦湯までいただけることはなかなかないですね……。
最後にご飯を軽めにいただき、デザートはかぼちゃのプリンとメロンでした。
かぼちゃのプリンは定番なんですね。固めで濃厚な、おいしいプリンです。
2022年5月の朝食は蕗味噌がおいしかった
2022年の宿泊時は、朝食もお部屋でいただきました。
温泉卵になめたけが添えられているのがちょっと珍しいけれど、意外においしい。
菜の花のお浸しやうどのきんぷらもうれしい。右下は蕗味噌ですね。これだけでご飯がたくさん食べれてしまいます……。
サラダの野菜も新鮮で、ご飯も固めにおいしく炊き上げられていました。
2020年10月の朝食は卵料理と漬物がおいしい
朝食のラインナップは2022年と大きな違いはないのですが、卵料理が温泉卵ではなく卵焼きになっていました。
一切れでしたが、おいしくてもう2切れぐらい食べたくなりました・笑
それと、きゅうりの漬物が良い漬かり具合で印象に残っています。
多すぎず少なすぎず、ちょうどいい朝食だと思います。
【再訪したい度】★★★★★ 夏以外の季節にまた必ず泊まりたい
貴重な「女性に優しい温泉宿」ということで応援したい気持ちもありますし、お湯も食事もすばらしく、土曜日も1人で泊まれる宿ですのでまた必ず訪れたいと思います。
温泉好きの女性に強くおすすめしたい宿ですが、お部屋は内装に古さが残る客室もあったり、建物や浴室なども古びているところもあるので、新しく快適な宿じゃないと嫌!という方には難しいかもしれません。
お湯と食事が良ければOK!という方なら、きっと満足していただけると思います。
私自身も、部屋にエアコンがないのが気になったので、夏の宿泊は少し厳しいかなと。秋・冬・春にまた必ず泊まりたい宿です。
【1人旅に優しい度】60点:プランの選択肢も多く、お盆休みや連休も1人で泊まれるありがたい宿
泊まりやすさ 20/20
連休やお盆休み中でも1人泊のプランが出ており、1人でも泊まりやすい宿。
食事場所の配慮 10/20
食堂利用の際は隅のほうの席にしていただけた。
追加料金(1人1000円)で部屋食もOK。
プランの選択肢 15/20
広い部屋には1人で泊まれないが、プランの選択肢自体は2人以上で泊まったときと同じだった
ドリンクオーダー 10/20
日本酒は1合からオーダーできる地酒が4種類と利き酒セットが1種。グラスワインと焼酎のグラスはあり。ビールは中瓶と、夏季は生ビールも提供あり。1人でも普通に楽しめるが、選択肢がすごく多いわけではない。
フリーWi-Fi完備 5/20
Wi-Fi利用はロビー周辺のみで、客室内ではWi-Fiは利用できない。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。