温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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北アルプス表銀座 燕山荘宿泊記 合戦尾根を往復して燕岳に登り、山小屋に一人で泊まってきました

北アルプス表銀座 燕岳(つばくろだけ)の山小屋 燕山荘

燕山荘(えんざんそう、と読みます)は「北アルプスの女王」と称されることもある、白い花崗岩の山体が美しい燕岳の山頂の手前にある山小屋です。

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山頂まであと30分というちょうどいい場所にあり、日の出も日の入りも小屋の目の前で眺められる絶好のロケーション。
「泊まってみたい山小屋」や「泊まってよかった山小屋」など数多くのランキングで1位を獲得している、北アルプスの人気山小屋の一つです。

ちなみに、2018年の営業は11月25日の宿泊までで、年末年始も営業していますので、冬山登山の心得がある方限定になりますが、これからの季節もまだ泊まれます。

泊まってみて「たしかに人気があるのも頷ける」と思いましたので、レポートしてみたいと思います。

夏場は大人気の山小屋も、雪が残る季節なら週末でも空いている

私が初めて燕岳に登ったのは、登山を始めて2年目の夏、常念山脈を3泊4日かけてテント泊で縦走したときのことです。

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天気は良かったのですけれど、夏山らしく午後になったら稜線は雲に包まれてしまいました。隣が学生の団体で夜遅くまでうるさくて大変だった……という思い出。

ちなみに、登山記録がメインではないのですが、そのときの縦走についてはこちらの記事に書いています。

燕岳を含めた常念山脈は、北アルプスの縦走路の中では危険箇所もかなり少なく(燕岳と常念岳の間で猿に落石起こされたりはしましたが……)かなり気に入っている縦走路なのです。しかし夏場はとにかく人が多い!まあこれは、燕岳や常念山脈に限ったことではないのですが……。

テント泊でしたが、燕山荘にはカフェテリアやランチの利用で立ち寄り「いつか泊まってみたい……」と思っていたのです。しかし、夏場は絶対混むに決まっています……混んでいる山小屋に泊まるのはできる限り避けたい……。

というわけでそれから2年後、雪山登山をそこそこたしなむようになってから残雪期の5月に宿泊で利用したところ、思ったとおり!混んでいませんでした。
週末の登山だったにも関わらず2人分のスペースを1人で利用でき、登山自体もすばらしく楽しかったので「きっとまた5月に泊まりたい」と思い、2017年も残雪期の5月中旬に再訪しました。

燕山荘の営業期間

燕山荘は、北アルプスの山小屋の中ではかなり営業期間の長い山小屋です。
通年営業している西穂山荘や八方池山荘を除けば、最も営業期間が長い山小屋なのではないでしょうか。

詳細な営業日は年により異なりますが、4月のGW直前から、11月の勤労感謝の日ぐらいまで営業しているようです。また、年末年始はクリスマス直前から営業を開始し、1月7日ぐらいまでとやはり、長めに営業しています。

12月初旬ごろから登山口の「中房温泉」まで通じる林道が閉鎖されてしまうため、年末年始は数時間に及ぶ林道歩きがプラスされてしまい、あまりアクセスが良いとは言えないのですが……。でも、11月中、あるいはGW後の5月であれば、夏場とは別の山のように空いている燕岳が楽しめますので、雪山登山の心得がある人であればかなりおすすめです。

毎日アルペン号を利用して中房温泉から登山開始!

燕岳に登山する際の最もメジャーな登山口は、中房温泉です。
中房温泉以外から登るなら、餓鬼岳あるいは大天井岳方向から縦走することになりますが、燕岳のみを登頂する行程であれば、中房温泉からの往復になります。

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運転のできない私はいつも、東京方面から直行の夜行バス、毎日アルペン号を利用して早朝に登山口に到着します。

毎日アルペン号のほとんどのバスは、7月ごろから10月の紅葉シーズンまでの運行ですが、中房温泉行きのバスだけは、燕山荘の営業期間が長いこともあって、GWから11月初旬ごろまでの週末に運行しているのです。

2018年も11月22日と23日の往路夜行便と、23日と24日の復路昼行便の運行がまだ、残っていますね。

それから、2018年は既に運行終了してしまいましたが、穂高駅と中房温泉を往復する定期バスも、4月下旬から11月初旬ごろまで営業しています。

縦走ではなく1泊で合戦尾根を往復して燕岳に登るとき私は、行きは夜行バス、帰りは定期バス&電車を組み合わせて利用することが多いです。

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なので、毎日アルペン号で中房温泉に着いたら、まずはバス停で定期バスの時刻表を、メモ代わりにスマホで写真におさめてから出発の準備をします。

中房温泉の前にはトイレとテーブルと椅子があり、同じバスに乗ってきた人たちが出発の準備をしています。

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私もここで簡単な朝食を取り、トイレでウールのタイツからCW-Xの機能性タイツに履き替えます。

登山を始めたころからずっと愛用しているCW-X、行動中のサポート力が優れているぶん圧迫感もありますので、夜行バスの車内では私は絶対履きません。車内で周りを見ると、あんまり気にせず履いたままの方も多いようなんですけどね……なんか、これを履いて寝るのはリラックスできない気がして。

なので必ず、着いてから履いています。大抵は登山口にあるトイレなどで履き替えるのですが、実は中房温泉の外にあるトイレは和式の個室しかなく、着替えに少々苦労しました・笑

タイツを履き替え、朝食を食べ、スパッツを付けたら準備完了!出発です。

ちなみにこの日は5月の20日ごろです。私は残雪期の燕岳に2度登っていますが、2度とも5月の中旬ごろでした。GWが終わって人も少なくなり、ちょうど登りやすい季節だと思っています。

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中房温泉の標高は1450メートル。歩き始めの登山道は、すっかり夏道です。

歩き始めて30分ほどで「第一ベンチ」に着きます。 

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ここには、合戦尾根ルート上唯一の水場があります。 

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矢印の方向にあるようなのですが、出発して30分の地点なので水が不足していることもなく、私はこの水場は利用したことがありません。今回も水場には立ち寄らず、先に進みます。

中房温泉を出発してから 1時間20分ほどで、第二ベンチに到着。

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まだ、雪は現れません。

夏場は座る場所がないほどに混み合うのですが、この季節は休憩している人もまばらですね。

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第2ベンチを過ぎたあたりから、真っ白な雪のついた稜線が、かなり近づいてきたように感じられました。

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中房温泉を出発してから1時間45分ほどで、第三ベンチ。 

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このあたりから、登山道上に残雪が現れ始めます。 

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下りだとけっこう滑りますが、上りなのでまあ、まだアイゼンなどは着けなくても気をつけていけば歩けるかなあという感じ。 しかし、雪で滑りやすくなったぶん、歩くスピードはダウンしますね。。。

中房温泉を出てから2時間15分ほどで、富士見ベンチに到着。

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文字通り、富士見ベンチのあたりからは富士山が見えるのですが、この日は薄雲がかかっていて見えずでした。

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↑こちらは、2012年の8月に登ったときの写真ですが、こんな感じで富士山が見えました。

さっきまではコース上に雪が現れたり消えたりという感じでしたが、富士見ベンチより上になると残雪が増え、ずっと雪の上を歩いているような状態になります。

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なのでいったんここで、チェーンスパイクを着けました。
チェーンスパイクなら一瞬で装着できるので、とりあえず合戦小屋まではこのまま行きます。

周辺の木々の背丈も低くなってきて、森林限界が近づいてきたのが感じられますね。 

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もう間もなく、合戦小屋です。 

夏季はスイカが名物!合戦小屋で休憩

中房温泉を出てから約2時間45分ほどで、合戦小屋に到着しました。 

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この先は森林限界となり、見晴らしの良い尾根を登っていくことになります。

合戦小屋には宿泊設備はなく、売店と軽食、トイレなどの設備を利用することができます。

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5月の中旬という登山者の少ない時期ですので、合戦小屋の取り扱い商品も、夏場よりは少なかったです。 

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でも、ルート上の山小屋に小屋番さんがいて、コーヒーを淹れてくれるしお湯付きのカップラーメンも買えるというのは本当にありがたいこと。宿泊はできないとは言え登山経験の少ない人も多く登っている燕岳ですから、合戦小屋の果たしている役割は大きいと思います。

私は、持参した菓子パンをかじり、紅茶を飲みつつ休憩しました。

ちなみに、合戦小屋では夏にはスイカを売っていることで有名です。

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こんな感じで、その場で切って出してくれるのです。

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※スイカの販売は夏のみです

一切れがかなり大きい!
しかし、この形にカットされているスイカにかぶりついて食べるのはなかなか大変でした。おいしかったですけどね!

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5月の登山では当然スイカはありませんが……ベンチに座って、先ほど付けたチェーンスパイクを外し、前爪のあるアイゼンに履き替えました。 

私の愛用しているアイゼンはこちらです。

アイゼンを装着し、トレッキングポールも出して出発します。

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合戦小屋から少し登ると、槍の穂先らしきものが稜線の向こうに見えてきて興奮!きっとあれは槍ですよね?? 

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高度を上げていくと、どんどん槍ヶ岳が槍ヶ岳らしい形になって姿を見せてくれます。
合戦小屋のすぐ上はけっこう急坂ですが、だんだん姿を現してくる槍ヶ岳に励まされながら登っていくと、合戦沢ノ頭に到着。

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こちらにもベンチがあり、休憩スポットになっています。
まあ、合戦小屋を出て20~30分しか経っていないので、座って休憩するほどではありませんが……。

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でもこのあたりは、槍ヶ岳の眺望スポットなんですよね。
なので、休憩というほどではないですが、しばし足を止めて槍ヶ岳の稜線を眺めたり、写真を撮ったりします。 

ここから燕山荘までは1時間ほどの上りで、そこそこ急坂でもあるのですが、槍ヶ岳の眺めがすばらしいこと、目指す燕山荘の姿がすぐに見えてくることから、この1時間はあまりきつい感じがしません。いつの間にか着いていた!ということが多いです。

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でも、稜線上なので天気が崩れたらけっこうきついです。雪のある時期は特にですね……。
燕岳は燕山荘というすばらしい山小屋があることで、登山経験が少ない方が「初めての北アルプス登山」として登ることも多いと思うのですが、天気が微妙なときは雪のある無しに関わらず、止めておいたほうが良いと思います。

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今回は、天気が良かったこともあり、そんなにつらいということもなくいつの間にか燕山荘に到着しました! 

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登山道を登ってくると燕山荘の裏手側のほうに出ますので、案内に従い、玄関側のほうに向かいます。 

サブザックで燕岳の山頂を往復

着きました!燕山荘。ログハウス風のデザインが素敵ですね。 

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喉が渇いたので、まずは売店でコーラを買いまして、一休み。 

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中房温泉から燕山荘までの標準コースタイムは4時間20分です。
今回は、アイゼンの付け外しなどで長めに休憩を取ったこともあり、出発から5時間弱で着きました。中房温泉を出発したのが6時30分でしたので、到着は11時30分ぐらいですね。

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お昼前なので、テント場のテントもまだまばらです。
テント場の向こうに見えるピークが燕岳の山頂です。昼食の前にまずは山頂に行ってきたいと思います!
燕岳の山頂周辺には、ちょっとおもしろい形の岩がいくつかあります。特に有名なのは「イルカ岩」と「めがね岩」でしょうか。

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こちらがイルカ岩。  

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山頂に向かう稜線はほぼ、雪がありません。イルカ岩から山頂のほうに近づいていくと……。

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こちらが「めがね岩」です。
めがね岩は、めがねのレンズのように見える部分から顔を出して写真撮影したくなる方もいるかと思うのですが……。

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岩が崩れやすくなっているとのことで、めがね岩に登ることは禁止されています。
なので、記念撮影は岩の前で撮りましょう。

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めがね岩の前を通過して、さらに登っていくと……ああ、おそらくあの、人が何人か経っているところが山頂ですね。

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着きました!山頂碑がこちら。
燕岳の山頂碑は、他の多くの山のように木の看板が立っているものではなく、石を削って文字が書いてある、ひっそりと小さな山頂碑です。 

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でも、この山頂碑の前で写真を撮ろうとするとこんな風に、背後の山並みがきれいに写るので、これはこれで良いなと思ったり。

それにしても、雲一つ無いすばらしい天気です。

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何度も言いますが、槍ヶ岳もくっきり。

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十分堪能して、燕山荘に戻ってきました。 

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いつの間にかテントも増え、小屋に一番近いスペースはテントでいっぱいになっていました。 

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私は今日は小屋泊ですので、チェックインしたいと思います。 

燕山荘宿泊記 寝室・布団・トイレ・売店で買えるお土産について

それでは、燕山荘にチェックインしたいと思います。
受付で宿泊カードに名前と住所と電話番号を書く……というのが通常の山小屋のチェックインですが、燕山荘ではひと味違います。 

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公式サイトからWeb予約している場合に限りですが、予約時に入力した電話番号を、フロントにあるチェックイン機のタッチパネルに入力すると、自動的に住所等が宿泊カードにプリントアウトされ、署名のみでチェックイン完了となるのです!まるでホテルのような設備ですね。。。

この日は空いていたのでチェックイン待ちの列ができるようなこともなかったですが、夏場であれば人気の山小屋では、フロントの前に行列ができることもありますので、そういうときならこれはかなり便利でしょうね。

燕山荘の宿泊料金は?

燕山荘の宿泊料金は、大人2食付きで1万円で、素泊まりは6800円。
2食付きの料金は、高校生8000円、中学生7000円、小学生6000円と割引きがあるようです。
また、お弁当をお願いする場合は別途1100円かかります。

山小屋に1万円!と聞くと高いように感じますが、北アルプスではわりとよくある値段設定ですね。 

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料金は前払いですので、チェックインのときに1万円お支払いし、本日泊まるお部屋に案内していただきます!
ちなみに燕山荘では靴は泊まる部屋の近くの棚などに置くように言われますので、玄関には置いておけません。靴とザックを持って部屋に向かいます!

燕山荘の寝室は?寝るスペースは十分ある?

私が今回泊まったのは、本館2階の2段ベッドのお部屋でした。 

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階段で2階に上がります。 

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電灯がステンドグラスっぽくてかわいかったです。

扉などはなく、廊下に直接こんな感じで、ベッドが並んでいます。

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カーテンが着いているのはいいですね。カーテンの有る無しで着替えのしやすさなどかなり変わりますので。

私が案内されたのはこちらのスペースです。こちらの、上の段の端っこの布団を使うように言われました。 

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天井が高くなっていたので、頭をぶつける心配はなさそうでよかった……。2段ベッドの部屋だと私、けっこう頭ぶつけちゃうんですよね……。

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4畳分のスペースがあり、布団は4組並んでいます。
ここに果たして、何人の人が来るだろう……とちょっとドキドキしていたのですが、一番手前のスペースを私が、一番奥のスペースをもう1人女性の単独登山の方が使ったのみで、真ん中の2組の布団は空いていました。
悠々と使えてとても快適でした。同じ段を使った女性の登山者の方とは、最初に挨拶だけしましたが、布団が離れていたのでそれ以降一言も言葉を交わさずでした・笑

気楽で良かったです。

燕山荘の布団は?清潔で暖かく過ごせた!

シーズンが始まったばかりというのもあるかもしれませんが、寝具はとてもきれいでした。 

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掛け布団もふかふか、毛布も暖かかったです。

燕山荘のトイレはとてもきれい!洗面所は冬季凍結中

山小屋で気になるポイントと言ったら「食事」「寝る場所」あとは「トイレ」ではないかなと思うのですが……燕山荘のトイレはとてもきれいです。

玄関入ってすぐ、右手にあるのですがまず洗面所があり、洗面所の左手にトイレがあります。 

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夏場は蛇口から水が出るのでしょうが、5月の段階ではまだ凍結していて洗面所は使えません。代わりに、手洗い用の水が入ったタンクが置いてありました。

トイレはペダル式の水洗トイレ。和式と洋式があります。

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においもほぼなく、とてもきれいでした。

燕山荘には外トイレもあり、夏にテント泊をしたときはそちらのトイレを使うように言われました。中トイレは小屋の宿泊客専用なのですね。
ただ、5月の段階ではまだ、外トイレが使える状態になっていないため、テント泊の方や立ち寄りの方も小屋内のトイレを利用することになっていました。

実は、燕山荘の外トイレって、小屋内のトイレとは別の国かと思うくらい、きれいじゃないのです。。。ちょっとオーバーユース気味でもありますし。

ただ、合戦小屋のトイレも新しくなりましたし、今後燕山荘の外トイレが新しくきれいになることもあるかもしれない……!と、期待して待っています。

燕山荘の水場について

6月以降、10月初旬ぐらいまでに燕山荘に宿泊した場合は、水は無料で分けていただけます。調理場のところに容器を持っていくと必要量を入れていただけるという仕組みでした。

ただし、4月~5月と10月中旬以降は、凍結して飲料水をポンプアップできなくなってしまうため、その期間の飲料水はミネラルウォーターのペットボトルを購入することになります。値段は、500mlのペットボトルが250円です。

燕山荘の食事はおいしい?賛否両論な意見を聞くけれど私の感想は…

燕山荘の食事についてですが「おいしい!」という意見と「有名な山小屋のわりにそうでもない」という意見を聞いたことがありました。

2度泊まってみて、ランチ・カフェテリアも複数回利用し、夕食と朝食も2度ずついただきましたので、私なりの感想を書いてみたいと思います。 

ランチはボリュームたっぷりでとてもおいしい!カツカレーがおすすめ

燕山荘のランチの営業時間は11時から14時。

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メニューは「ビーフカレー」「チキンインドカレー」「カツカレー」「ビーフシチューセット」「山菜ふどん」「天ぷらうどん」「カレーうどん」「豚汁」です。

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昼食メニューは売店にあり、売店でお金を払って注文し、食堂内で出来上がるのを待つシステムです。  

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生ビールもあったので、一緒に注文しました!5月から生ビールが飲めるのはうれしい♪

ビールを飲みながら待っていると注文したカツカレーが来ました!

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オーダーが入ってからカツを揚げているようで、時間はかかるのですがカツは揚げたてで熱々です!うれしい~。カレーのルーも大変おいしいです。

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普通のカレーも食べたんですが、ビーフカレーが900円で、カツをのせたカツカレーが1200円なので、300円の差ならカツ付きのほうが良くないか……?と。

そんなわけでカツカレーがおすすめです!ビーフシチューも食べてみたいと思いつつ、いつもカツカレーをオーダーしてしまいます。

夕食はチーズハンバーグがおいしい!あとは普通だけどサービスが良いと思う

燕山荘の夕食は、チェックイン時に夕食の開始時刻の書かれた食券を渡されますので、時間になったら食券を持って食堂前に並ぶという仕組みです。

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食事は、配膳された状態で案内されます。  

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この日の夕食はこんな感じ。おかずはワンプレートに盛り付けられ、その他にご飯と味噌汁とデザートに杏仁豆腐。

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 おかずのお皿はこちら。

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野菜サラダとポテトサラダ、漬けもの、煮魚、ハンバーグ。

特に驚きはない、普通のメニューですが、ハンバーグを割ってみると、中にとろけるチーズが入っていて、これがなかなかおいしかったです。

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 また、別の年に泊まったときの夕食がこちら。 

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画像がぼやけていますが、ほぼ内容は同じですね。このときはサラダのほかに、筍のおかずがついていたようです。

正直なところ、夕食の内容はまあ普通かな、というところ。山小屋でいただけるお料理としては上等だと思いますが、北アルプスや八ヶ岳の山小屋は、食事を工夫されている小屋が多いので、相対的に見ると「悪くはないけどまあ普通」という感じだなと。

ただ燕山荘の食事の特筆すべきところは、食事どきというかなり忙しいタイミングも小屋番さんの対応にぞんざいさがなく、ちゃんと接客業らしい接客をされているところです。

ご飯やお味噌汁がなくなったことなどにもすぐに気づいて追加してくれるし、接客態度も丁寧です。スタッフの教育が行き届いているんだなあと毎回感心します。

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食事が終わった後、消灯時間までは食堂は談話室として開放されています。

こちらでお酒を飲みながらのんびりと読書などしていました。

朝食も品数多くおいしい!デザートがついていてうれしい

さて朝食です。朝食も、時間になったら食券を持って食堂に並びます。

早朝出発する方がいるからか、夕食よりも朝食は空いていますね。

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お惣菜が4種類と梅干しと、ソーセージと卵焼きと焼き魚。そして別の皿にゼリーのデザートが!

朝食からデザートがつくのってうれしいですね。夕食は普通かなと思いましたけど、朝食は品数豊富で満足感高いなと思いました。

喫茶サンルームが最高すぎるけど、春秋は縮小営業していて少し残念

燕山荘では、ランチ営業は11時から14時までですけれど「喫茶室サンルーム」が別にあり、そちらは長時間営業しています。

営業時間は「朝食時間の30分前から夕食の最終回終了の30分後まで」とのことで、朝から晩まで営業しています。これはかなりありがたいです。

メニューは年によって変わるようなのですが、メニューの詳細は公式サイトの喫茶サンルームのページに掲載されています。

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私が最初にテント泊したときは、フライドポテトの提供があったので、生ビールと一緒にいただきました。

ですが2018年のメニューからはフライドポテトは消えているようです。軽食メニューはおでんやモツ煮、ソーセージ、枝豆、サラミ&チーズなど。

ただ、残念なことに水が十分に使えない&お客さんの少ない残雪期の4~6月と11月以降は、カフェテリアのメニューもかなり少なくなってしまいます。

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こんな感じで……。
「生ビール」「コーヒー」「ケーキ」のみの営業でした。

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とは言え、山小屋でこんなちゃんとしたケーキを食べれるところも珍しいので、ケーキも注文します! 

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ケーキはレアチーズケーキのときもありましたが、これもおいしかったですね。

オリジナルのお土産品がクオリティ高い

食事からは少し離れますが、燕山荘は売店の品揃えも豊富です。
お菓子や飲み物も当然売っていますが、特筆すべきはオリジナルのお土産品のクオリティが高いこと。

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バンダナだけでもこんなに種類が豊富です。

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オリジナルデザインのタオルも。

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あとは、私自身何度か購入しているのですが、Tシャツがとても良いです。
デザインもかわいいものが多いですし、メリノウール素材のものもあるのがすばらしい!できる限りメリノウール素材のTシャツを着たいと思っている私なので、燕山荘に来るとつい、Tシャツを買い足してしまいます。

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↑こちらの写真は前回宿泊時に購入したTシャツ。
山小屋Tシャツにはわりと珍しい、渋い濃紺で、柄は左胸のワンポイントのみ。
よく見ると「ENZANSO」という山小屋のロゴと、アルプスホルンを吹く人のシルエットが入っていてなかなかかわいいです。

素材はウールとポリエステルが半々で、肌触りが良く、耐久・速乾姓にも優れていて愛用しています。良い買い物でした。

燕山荘の目の前で日の出も日の入りも眺められる

燕山荘のすばらしいポイントの1つに、小屋の目の前で日の出も日の入りも眺められることがあります。

夏場の宿泊ですと、登り始めは晴れていても午後は雲が出てしまって夕日が見れないことも多いですが、5月であればよく晴れた日に登れば、わりと高い確率で美しい夕日を眺めることができます。

夕日は燕岳の背後、裏銀座の稜線に沈んでいく

燕山荘の前から眺めると、夕日は裏銀座の稜線に沈んでいきます。

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燕岳の背景に裏銀座が重なり、そこに日が沈んでいくので絵になりますね。 

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この日の夕方は雲がまったくない晴天だったためか、空はあまり赤く染まらずに、オレンジ色のまま沈んでいきました。

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それでも、とても美しい日の入りでした。 翌朝の日の出を期待しつつ眠りにつきます。

ご来光はテント場が特等席

5月中旬の日の出時刻は4時30分過ぎ。
空が最も赤く染まるのは日の出よりも少し前のことが多いので、4時15分ごろには外に出ました。
ダウンとハードシェルを着込み、手袋も厳冬期用のものをつけて、防寒万全です。
玄関から一歩外に出ると、おお……。

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山小屋の正面にあるテント場から見える地平線が、真っ赤に染まっています。日の出は、テント場が一番見やすいんですよね。

赤く染まる雲が、まるでオーロラのようです。 

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だんだん明るくなっていく空を、カメラを構えて皆、眺めています。

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しかし、あまり何も考えずに撮った1枚でしたが、この写真↑玄関前の山男の像と向かい合っていますね・笑

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赤く染まる燕岳も格好いい。  

f:id:happydust:20181116231411j:plain空にはまだ、月も光っていました。 

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やがて、地平線にポツンと、小さな光の点が現れます。

 f:id:happydust:20181116231512j:plainやがて光の点が、どんどん大きくなり……。

f:id:happydust:20181116231526j:plain強いオレンジ色の光と共に、上ってきました。
日の出です。

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槍ヶ岳をはじめとした北アルプスの山々は、日の出の逆方向に位置しているのですが……。

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日が昇る瞬間には、このように朝日に照らされて赤く輝きます。

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モルゲンロートに染まる表銀座。
とてもきれいでした。

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登山レポートなどでよくお見かけする、燕山荘の目の前にあるこちらの道標。
日中は周りに人がいて撮影できなかったのでこのタイミングで撮影。
さて、この後は小屋に戻って朝食をいただき、元来た道を下山します。

帰りは元来た道を戻って、中房温泉に下山

朝食をいただいて身支度を整え、7時前には山荘を出発します。 

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今日もいい天気です。日も高くなり、日の出のタイミングに比べれば気温も上がってきました。 

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大天井岳方向に縦走する場合はここから右の道に向かいますが、中房温泉に下山するなら左の道へ。

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燕山荘から稜線の雪道を下っていきます。
もちろん、前爪のあるアイゼンを装着していますが、朝のうちは雪がしまっているのでアイゼンが効きやすく、歩きやすいです。気温が上がりきらないうちに下山したいところ。

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あっという間に合戦小屋まで下りてきまして、ここでアイゼンをチェーンスパイクに交換します。

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樹林帯の中は、チェーンスパイクが一番歩きやすいです。

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第3ベンチを超えると雪もほぼなくなるので、チェーンスパイクもはずし、あとはひたすら樹林帯を下っていきます。

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気がつくと、木の隙間から駐車場が見えました。もうすぐですね。 

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中房温泉に着きました!
今回もいい山でした。お疲れさまでした~。 

下山後のお風呂も楽しみ!別の季節にもまた登りたい

燕山荘は、これまで泊まった多くの山小屋の中で最も「接客業らしい接客」をしてくれる山小屋でした。「ちゃんと、もてなそうとしてくれている」ことが感じられる宿と言いますか……たとえばお土産を見ていると「こちらにサンプルもあって試着もできますから、どうぞ着てみてくださいね」と声かけてくれたり。食事どきも、おひつのご飯がなくなっていないか気にかけてくれたりとか。

大規模な山小屋なので従業員の方も多いのですけれど、みんながそうなので、社員教育が行き届いているなあと思いました。きっと、そういうところが「泊まってよかった山小屋」のランキングで上位に入る所以ではないかと思ったんですよね。食事のおいしさとか設備の良さでは、もっと良いところも普通にありますからね……。

今回は空いている時期の宿泊ということで、接客にも余裕があったのかもしれませんが、空いている時期はカフェテリアが縮小営業だったりということもありますので、次回は別の季節の平日にでも泊まれたらといいな、と思いました。

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夏は、燕山荘の周辺はコマクサもたくさん咲いているんですよね。

もちろん、また夏にテント泊で縦走するのもいいなと思うんですが、燕山荘の外トイレが、それまできれいになっているといいな、と思ったりもします・笑

このあとは、中房温泉で日帰り入浴をして帰りますよ!