温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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中房温泉の日帰り温泉施設 湯原の湯 燕岳登山後の入浴に最適な秘境の露天風呂

中房温泉旅館で日帰り入浴ができるのは、実はここだけ

湯原の湯は、燕岳の登山口にある秘湯の宿「中房温泉」に併設している日帰り温泉施設です。

かつて、この湯原の湯がなかった頃は、中房温泉での日帰り入浴は「燕岳からの下山者限定」で「その日、受付時に指定された宿の浴室」に入れるというものだったそうです。本来は宿の浴室は宿泊客限定にしたいのだけれど、登山口の宿なのに下山者の受け入れがないのもどうなの?ということでそんな方式にしていたのかもしれませんね。

それが平成18年に日帰り温泉施設の「湯原の湯」が新設され、下山者以外でも自由に立ち寄り入浴ができるようになりました。 

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ただし、湯原の湯ができたことで、中房温泉の旅館内の浴室は、完全に宿泊者限定になり、立ち寄りでは入浴できなくなったとのこと。

なので、中房温泉で日帰り入浴をするなら、現在はこの湯原の湯一択なのです。 
中房温泉からバス利用で登山をする私にとって、最も便のいい下山後の温泉である湯原の湯についてレポートしたいと思います。

燕岳登山後、バスを待つ間に温泉&ビールをいただける場所

北アルプス登山の入門編として登られることも多い燕岳は、山頂の少し手前に、恐ろしくホスピタリティの高い山小屋「燕山荘」があることも手伝って、7月~10月の間は常に多くの登山者で賑わっています。

混んでいる山が苦手な私は、混雑期を避けて2014年と2017年の5月に、燕山荘に一泊して燕岳に登ってきました。その際の宿泊レポートがこちらです。

思ったとおり山小屋は空いていて快適に過ごせたし、終始天気も良く最高の登山日和でした。無事に下山できてホッとしたところで、お風呂とビールをいただきたい!

というわけで、中房温泉に併設の日帰り温泉施設「湯原の湯」に立ち寄ることにしました。 

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登山口の手前、一番目につくところに湯原の湯はあります。

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「入浴」「売店」「生ビール」「軽食」
とりあえず、私に必要なものはすべて揃っていそうです。あとはドライヤーがあれば下山後の温泉としては文句ないですね。
名物むしたまは温泉卵的なものでしょうか?

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いざ中へ!と思ったら、玄関の引き戸に
「登山者の方へ ザックは西側テントの下に置いて貴重品と着替えを持ってお入りください」
とのメッセージが。
そうでした。湯原の湯の中には大きな荷物を置くスペースがないのです。入る前に知らせてくれるのは親切ですね。

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西側テントとは、こちらですね。
そこそこたくさんのザックが置いてあります。中も混んでいるのでしょうか……?

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ザックを置いてから再び、湯原の湯の玄関へ向かいます!

湯原の湯の営業時間・入浴料金

湯原の湯の入浴料金は700円。
営業時間は9時30分から16時です。あまり早朝に下山してしまうと、まだ温泉が始まってない!なんていうこともありそうですね……。 

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玄関の前には売店のスペースもあり、お菓子や山バッジ、バンダナやサンダル……。

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それから飲み物やアイスも売っています。
ペットボトル300円、缶ビール450円というお値段は、山小屋よりは少し安いけど、まあまあお高いですね・笑

売店のレジが日帰り入浴の受付も兼ねているので、700円を支払って中へ。

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奥に見えるのは食事処を兼ねた休憩室ですね。
浴室は、休憩室手前の右側に2つ並んでいます。男女の浴室が日替わりで変わるそうです。

この日女湯になっていたのは、手前側の浴室でした。
湯原の湯には2つの浴室があり、浴室内にはそれぞれ浴槽が2つずつ、つまり全部で4つの浴槽があるんですが、4つすべての浴槽に、異なる源泉が使われているそうです。温泉好きとして、これにはちょっと驚きました。

日帰り入浴では2つの浴室に両方入ることはできませんが、宿泊者も湯原の湯に入れるので、宿泊して全部の源泉を制覇したいという方は、チェックイン日とチェックアウト日で2回入りに来るそうです。気持ちはわからなくもないのですが、1泊だとかなり慌ただしいことになりそうですね・笑

【風呂】★★★★ ものすごいヌルヌル感のお湯!だけど天気の悪い日は寒そう

さて、脱衣所へ。

10年前に新築された建物なので、脱衣所の壁の木もまだ、新しさを感じます。

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脱衣カゴが並んでいるシンプルな作りの脱衣所ですが……。

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実はちゃんと、無料で使える鍵付きロッカーも備わっています。ありがたいですね。

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洗面所にはアメニティなどはありませんが、ドライヤーが2台設置してあります。

では、浴室内へ! 浴室に向かう引き戸を開けると!

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いきなりの露天風呂。

そう、この湯原の湯にある2つの浴室はどちらも露天風呂オンリーなのです。
なので、洗い場も外にあります。シャンプー&コンディショナーとボディシャンプーは置いてありました。シャワーの水圧も普通です。

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この日は5月中旬で天気が良く暖かい日でしたので、外で体を洗うのに困ることはありませんでした。

ただ、秋以降や天気が微妙な日なんかは、洗い場が外なのは寒そうだなとは思います。一応、屋根は付いているので雨に濡れることはないと思うのですが……。あと、夏場は虫もちょっと心配かな……。

とは言え、5月中旬のこの日はまだ虫もおらず、絶好の露天風呂日和!

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まずは、右手にある小さめの露天風呂のほうから入ってみたいと思います。

浴槽に一歩足を踏み入れるとすぐに、恐ろしいほどお湯がヌルヌルしていることに気がつきます。

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石が滑って転びそうになるんですよ。気をつけなければ……。
しかし、ものすごいヌルヌル感です。ヌルヌルのトロトロ。私はまだ入ったことがないのですけど、うなぎ湯の宿と呼ばれている鳴子温泉郷の琢ひでさんとかも、こういう感じなんでしょうかね。

お湯の温度は適温に調節されていますし、晴れているので山並みも眺められて、気分の良い露天風呂ではあります。紅葉の季節なんかは、なお良いかもしれないですね!(混みそうですけど)

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こちらの浴槽について、脱衣所に貼ってあった説明書きです。
自然湧出している源泉温度94度の高温のアルカリ性硫黄泉を、加水せず空冷・水冷方式で冷まして源泉100%で提供しているとのこと。

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こちらは源泉分析表。「薬師湯1号」という源泉が使われているそうです。
なるほど、濃厚な源泉だからヌメリがすごいんでしょうかね。(一瞬、清掃不足ではないかと焦ったのですが、そんなことはないですよね……?)

次に、向かって左側の大きめの浴槽へ。

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こちらも、ph9近いアルカリ性の硫黄泉をかけ流しで使用しており、かなりヌルヌルします。 

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「古事記の湯」なる源泉を使用しているそうで、こちらも源泉温度74.7度となかなかの高温泉です。もちろん、加水や消毒は無し。

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宿のホームページを見ると「毎日すべてのお風呂を換水し、清掃しております」とあるので、それが本当ならヌルヌルは単純に泉質のせいなのでしょう。疑ってすまなかった……。でも、湯口のところに苔が生えていたりとか、なんとなくちょっと、怪しいんですよね。。。考え過ぎかしら。

アルカリ性の硫黄泉って、きっとヌメリが強いんでしょう!そうなんでしょう! 

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脱衣所には、源泉の分析表の他に「貸切風呂のご利用のご案内」がありました。
日帰り入浴料金とは別に2000円をお支払いすると、「根羽の風呂」なる貸切風呂が40分利用できるとのことでした。

ただ、この施設内には男女別の2つの浴室以外には浴室は見当たらなかったので、旅館内の浴室を使わせてもらうことになるのかもしれません。

【食事】★★★☆ 特筆すべきことはないが、風呂上がりに生ビールが飲めるのは幸せ

さて、入浴を終えてさっぱりとしたところで、風呂上がりのビールです! 

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休憩室内にあるカウンターで注文します。ええと、メニューは……。

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あ!ありました。生ビール800円。
何かつまみが欲しいところですが……肉じゃが650円、おでん650円、枝豆300円というところでしょうか。
カレーもありますが、昨日も燕山荘でカレーをいただいたし、そばやうどんをいただくなら街に出てからのほうがいいなーということで。

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まずは生ビール!アサヒスーパードライをぐいっといただき。

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それから5分ほどして、おでん650円が来ました。
もちろんパックのおでんを温めたものではありますが、まあ、間違いのないお味です。ちゃんと洗浄されたサーバーで生ビールが飲めるなら、私は何でもいいですよ……。

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ちょうどお昼どきになったからでしょうか、休憩室にお客さんが増えてきました。
こちらはあくまで「休憩室」で、食堂というわけではないので、特にオーダーしないで休んでいても問題ありません。

ビールを飲んでおでんを食べ、バスの時間までのんびりと時間を過ごしました。

【再訪したい度】★★★★ バス利用ならおすすめだが、車なら有明荘に行かれたほうが…(混むから)

お湯はヌルヌルのトロトロ、設備も新しめで良い施設だと思うのですが、夏場に大勢の登山者を受け入れるだけのキャパシティはない、というのが正直なところです。

なので、車利用の方は中房温泉から車でほんの5分行った先の有明荘に行かれたほうがいいのではないかしら、と。

有明荘のほうが実は、入浴料金も620円で湯原の湯より安いですし、内湯と露天風呂が両方あるようだし、昼食メニューも豊富です。何より、有明荘は燕山荘と同じ経営なので、きっといい宿なんではないだろうか、という気がします。

中房温泉から有明荘までは徒歩だと15分~20分。バス利用でもまあ、歩けないことはないのですが、穂高駅行きのバスは中房温泉の前から出るので、できれば始発から乗りたいんですよね……。

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山道を1時間走るバスなので、座れないと悲惨です。立ちだと危ないから乗せてもらえない可能性もありますね……。

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中房温泉は、本当にたくさんの源泉と浴室を持っている宿ですので、いつか泊まって楽しみたいなと思っています。

さて、バスが穂高駅に着いたら電車に乗って、松本に向かいます!下山後の一杯は、まだ終わっていません。