大菩薩峠の山小屋 介山荘
山梨県の大菩薩嶺は、標高2057メートルとそれなりに標高が高い山であるわりに、登山口である標高1580メートルの上日川峠まで車や路線バスで到達できるため、最短ルートであれば3時間弱で登れてしまう山です。
登山口の上日川峠からあの稜線あたりまで、標準コースタイムが1時間30分程度となっています。首都圏からもアクセスが良く気軽に稜線歩きを楽しめるし、おまけに日本百名山にも選出されています。登山初級者向けの山の定番の一つと言っていいでしょうね。
関東甲信越地方にお住まいの方であれば、登山を始めて1~2年のうちに日帰りで登ってしまうことの多い大菩薩嶺ですが、実は私は、この山にあえて山小屋泊で登るのが大好きで。それというのも、大菩薩峠にある「介山荘」が、日の出も日の入りも夜景も小屋の目の前で見れる上に、至極快適なすばらしい山小屋だからです。
これまでも何度も泊まっているのですが、2018年の12月にも介山荘に泊まり、初冬の澄んだ空気の中で登山を楽しんできましたので、レポートしたいと思います。
- 大菩薩峠の山小屋 介山荘
公共交通機関利用で大菩薩嶺に登る、主要登山ルート
大菩薩嶺にはいくつもの登山ルートがありますが、登山口までバスで行くことができ、よく登られているのは以下の4つのルートかなと思います。
①上日川峠から福ちゃん荘を経由し、唐松尾根を登る最短ルート
甲斐大和駅から、栄和交通が4月中旬~12月中旬までの間運行しているバス「大菩薩上日川峠線」に乗車して終点上日川峠で下車し、そこから福ちゃん荘・唐松尾根を登って雷岩を経由し、大菩薩嶺山頂に到達する最短ルートです。
登山口から山頂までの標準コースタイムは1時間35分です。
今回の山旅では、上りは最短ルートのこのルートを選択しました。
②上日川峠から福ちゃん荘・大菩薩峠を経由するルート
①と同様に「大菩薩上日川峠線」で上日川峠で下車し、福ちゃん荘までは①と同じルートを歩きます。
福ちゃん荘からは唐松尾根ではなく「大菩薩峠」へ向かう林道を歩き、大菩薩峠から稜線を歩いて大菩薩嶺に到達します。
登山口から山頂までの標準コースタイムは2時間5分。
①と②を組み合わせた、上日川峠を起点とする周回ルートを歩く方が非常に多いです。
③裂石から丸川峠を経由するルート
山梨交通が運行している「大菩薩峠登山口行き」のバスに乗り、「大菩薩峠登山口」で下車します。この登山口のことを別名「裂石(さけいし)」と呼びます。すぐ近くに「裂石温泉」なる温泉があるからでしょうね。
裂石から林道をしばらく歩くと「丸川峠」に向かう道と「上日川峠」に向かう道に分かれますので、ここで「丸川峠」に向かう道を選びます。丸川峠を経由して大菩薩嶺の山頂に到達するルートで、山頂までの標準コースタイムは3時間35分。
上日川峠までのバスは冬季は運休しますが、大菩薩峠登山口行きのバスは通年運行しているため、こちらのルートは冬の間も利用可能です。
私も以前、冬に歩いたことがあります。ルートの途中にある山小屋「丸川荘」は、コーヒーがおいしいとのことで有名な山小屋です。
歩く人があまり多くないので、積雪直後はトレースが薄く、歩くのに時間がかかることも多いルートですので、こちらを登りに使う際は時間に余裕を持ってスタートする必要があります。
④小屋平から熊沢山・大菩薩峠を経由するルート
このルートは私は歩いたことがないのですが、比較的よく歩かれているようです。
甲斐大和駅から「大菩薩上日川峠線」のバスに乗車し、終点よりも手前の「小屋平」バス停で下車し、そこから「石丸峠」「熊沢山」を経て大菩薩峠に出てから、稜線を歩いて大菩薩嶺山頂に到達します。
山頂までの標準コースタイムは2時間45分。
上りと下りで①~④の好きなコースを組み合わせると、最短で3時間、最長でも6時間程度の登山となるため、朝1番のバスで到着すれば、どのルートを利用しても日帰り登山が可能となります。
甲斐大和駅から栄和交通のバスに乗り、標高1580メートルの上日川峠へ
今回私が上りで利用したのは、最もメジャーかつ標高の高い登山口「上日川峠」です。ちなみに「上日川峠」の読み方は「かみひかわとうげ」と「かみにっかわとうげ」があり、どちらも間違いではないそうです。
紅葉時期まではかなりの人が甲斐大和駅から上日川峠行きのバスに乗りますので、バスが来る直前の電車で駅に着いたのでは座れないこともあります。。。
ですが、12月初旬のこの季節に大菩薩嶺に登ろうという方はかなり少数なため、バスも混み合うことはなく、ゆったりと座っていくことができました。
上日川峠には40分ほどの乗車で到着しました。林道が閉鎖されるまでの期間は、ここまで自家用車で来ることもできます。
上日川峠には「ロッジ長兵衛」なる山小屋があり、宿泊や食事をすることも可能です。
玄関前に食事のメニューがあったので、チラッと覗いてみました。
山梨らしくほうとうのほか、うどんやおでん、各種飲み物。
それほどメニューが多いわけではありませんが、帰りのバスを待つ間、時間を潰すのには便利そうですね。
身支度を整え、公衆トイレに立ち寄り。
登山開始!
福ちゃん荘までゆるやかな登山道を登っていきます。
テント場もある山小屋「福ちゃん荘」でランチ休憩
ロッジ長兵衛から20分少々で「福ちゃん荘」に到着しました。今日は福ちゃん荘の食堂でランチをいただいていくつもりです。
登山道からすぐのところにあるこの玄関は、宿泊者専用の玄関なのでスルーしまして。
こちらが、食堂・売店の入り口になります。
売店の窓口でも食事や飲み物を注文することができますが、売店で注文した場合は、別に値段が変わるわけではないのですけど、基本的に外で食事をいただくことになります。
こちらの、椅子とテーブルが置いてあるスペースですね。
気候のいい時期であれば外で食べたほうが絶対に楽しいですが、12月は寒い……というわけで、食堂の中で食べることにしました。
「お食事処」ののれんをくぐって中に入ります。
福ちゃん荘の昼食メニュー
広々とした食堂です。登山者が少ないシーズンであることと、お昼にはやや早い、11時半ごろという時間帯だったため、先客はいませんでした。
こちらのカウンターで注文し、お金を払います。
お食事のメニューはこちら。
蕎麦、ラーメン、カレー、おにぎり、ほうとうなど山小屋の定番料理がラインナップされています。
ほうとうだけは、煮込むのに1時間ほど時間がかかるため、当日でもいいので予約してください、とのこと。(上りで通りかかったときに予約して、下山時に食べて帰るなど)
「煮込みおでん」「もつ煮込み」「きのこ汁」「岩魚塩焼き」「馬刺し」などの一品料理のほか、飲み物のメニューです。
「おしるこ」や「自家焙煎コーヒー」も気になりますね。
ジュースやビールなどの料金表もありました。
350mlの缶ビールが450円、ペットボトルのジュースが200円、缶ジュースが150円。温泉旅館の自販機ぐらいの値段ですね。
オーダーしようとすると、食堂のスタッフの方に「本日のおすすめは『きのこ汁とご飯のセット(800円)』です」と言われましたが、なんとなく、ご飯よりラーメンが食べたかったので「きのこらーめん(700円)」にしました。
あっさりとした醤油ラーメンにきのこ、海苔、ネギがのっています。
つるっといただける、普通においしいラーメンでした。
食事と同時に注文すれば、通常400円でいただける自家焙煎コーヒーが350円になるとのことで、こちらも同時にオーダーしました。
やや酸味がある、浅煎りめのコーヒー。たしかに自家焙煎なんだろうなとわかる本格的な味でした。おいしかったです!ごちそうさまでした。
福ちゃん荘のテント場とトイレ
福ちゃん荘にはテント場もあり、私も2度こちらで幕営したことがあります。
20張ほど張ることができるキャンプ場です。
こちらの記事にも書きました↓が、実は私が初めて幕営したのが、この福ちゃん荘のテント場でした。
登山口から30分足らずで着いてしまうので、初めてのテント泊にはもってこいの場所ではないかなと思っています。
冬の間は凍結してしまいますが、水もテント場に引かれていますし。
トイレは、小屋の前にある公衆トイレを使うことになりますが、紙もちゃんとあるし、山ではきれいなほうのトイレです。
テント場から、稜線が見えるのも良いですね。
さて、ランチを終えたところで、ここからはあの稜線に向かって歩を進めたいと思います。
唐松尾根から大菩薩嶺山頂を経由し、大菩薩峠へ
さて、改めて本日歩くルートですが、現在地の福ちゃん荘の前から、まずは唐松尾根を登って雷岩に到達し、大菩薩嶺の山頂を往復します。
そこから稜線を歩いて「賽の河原」を経由し、大菩薩峠へ。
大菩薩峠にある山小屋「介山荘」に宿泊する予定です。
福ちゃん荘から向かって左手側にある「唐松尾根」へ。
始めのうちは比較的緩やかな登山道を上っていきます。
途中からは、登山道に岩が現れはじめ、傾斜も急になります。
危険箇所というほどの場所はありませんが、登山に慣れていない方が登る際は、このあたりはルート上ではきついポイントだと思います。
疲れたなあと思って振り返ると、大菩薩湖と、背景にうっすら富士山。
うーん、今日はもやっと薄雲がかかっていますね。日の入りぐらいまでに晴れてくれるとうれしいのですけど。
福ちゃん荘から約1時間ほど登って、雷岩に到着です。
ここから樹林帯の中を約10分歩いて、大菩薩嶺山頂へ向かいます。
大菩薩嶺は、山頂も木に囲まれており、展望はありません。
何度も来ている場所ですので、特に記念撮影をすることもなく、山頂碑だけサッと撮って雷岩の方向に戻ります。
雷岩まで戻り、大菩薩湖と富士山の方向を眺めます。
いい天気だけれど、やはり、富士山はぼんやりしていますね。
雷岩を超えて、稜線上を大菩薩峠に向かって歩いていきます。
この日は天気も良く暖かかったですが、風が強い日の稜線上はかなり体感温度が低くなりますので、手袋や防寒着の用意は必須です。
稜線の途中で、標高2000メートル地点を通過します。
危険箇所もなく、なだらかで気持ちよく歩ける稜線です。
何度も歩いている道ですが「登山口から1時間30分ほどしか歩いていないのに、こんなすばらしい道を歩けるなんて!」といつも感動してしまいます。
雷岩から30分ほどで「賽の河原」に到着です。
あちらこちらに積み石がある、山の上ではわりとお馴染みの風景ですね。
賽の河原には「大菩薩峠休憩舎」なる小屋もありますが、トイレなどはないので宿泊は基本的にはできず、本当にちょっと休むだけの小屋です。
風が強い日はこちらで昼食休憩を取ったり、宴会をしている人たちも見たことがあります。ちなみに、ここから「介山荘」までは徒歩10分程度ですので「夕方まで休憩舎で宴会をし、夜は介山荘に泊まる」というグループが以前いました。
賽の河原から少し登ると……。
介山荘が見えました!
そして、介山荘があるあたりが「大菩薩峠」になります。
大菩薩峠・介山荘へチェックイン
「大菩薩峠」の標識の目の前に、介山荘はあります。
先ほどご紹介しましたが、大菩薩嶺の山頂は樹林帯に囲まれて見晴らしもなく、あまり山頂らしさのない場所でしたが、大菩薩峠は見晴らしも良く、左手には大菩薩湖と富士山が雄大な姿を見せており、絶好のロケーションと言って差し支えない場所です。
介山荘の軒下には売店があり、お土産品や飲食物を販売しています。
食事と飲み物のメニューはこちら。
コーヒーや甘酒、生姜湯、味噌汁、ラーメン、うどん、おでんと山小屋の定番メニューが揃っています。
コーヒーの料金は、ランチをした福ちゃん荘と同じ、1杯400円でした。
お土産品は、日本百名山にちなんだものが多いです。大菩薩嶺の登山バッジも、介山荘オリジナルのものを販売しています。なかなかかわいかったので、私も以前1つ購入しました。
宿泊者専用の入り口は、売店とは別の、一段下がったところにあります。
インターフォンを鳴らしてから、中へ。
玄関にも石油ストーブが点いており、暖かいです。
まもなく、2階からご主人が下りてきて、受付をしてくださいました。
私が介山荘に宿泊するのはいつも、晩秋から冬にかけての人の少ない時期なのですが、大抵、ご主人1人か、ご主人と奥さんの2人だけで回されているようでした。夏のほうが忙しいと思いますので、夏はどうなのかわかりませんが……。
介山荘の宿泊料金は、1泊2食付きで6月から9月までは7000円。10月から5月までは、おそらく暖房費が入って7500円になります。
介山荘の部屋と館内
1階には客室と水道、トイレ。2階には食堂と客室があります。
今回は、2階のお部屋に宿泊しました。
廊下には石油ストーブと、寒いときようの予備の毛布が置いてあります。
そちらのお部屋をお使いください、と言われて扉を開けると……。
既に布団が1つ敷いてありました。つまり、本日この部屋に泊まるのは私1人です!わーい♪
しかも、布団はふっかふか。枕カバーは洗濯したて。敷き布団は2枚重ね。
山小屋と言うよりは、旅館の待遇ですね。
ただ、旅館と違うのは「個室の中には暖房がないこと」です。廊下には石油ストーブがありますので、着替えをするときなど以外は扉を開けておけば、少しは暖かいです。
室内には「小屋からのお願い」が貼ってありました。
チェックインの際には、あまり細かい説明がないことも多いのですが、こちらを読めばだいたいのことはわかります。
ちなみに、ドアには内側から鍵をかけることもできます。(外からはかけられません)
コンセントもありますので、スマホの充電もできます。ACアダプターを持ってきたほうがいいですね。
ちなみに、携帯電話の電波についてですが、私はドコモですが、LTEが地上と変わらないぐらいのレベルで入りました。他社のことはわかりませんが、開けた場所に立っていますし、おそらくは大丈夫ではないかと思います。
自炊場は小屋内にはない
介山荘では、自炊できる小屋のような場所が、たしか外にはあったと思うのですが「自炊室」のような部屋は館内にはありません。
館内で火を使っていい場所は、玄関前にある水道の側だけです。
ちなみに、水道は冬期は凍結してしまうため、飲料水はタンクから汲んで使います。宿泊者は無料で使用してOKです。
この、飲料水用のタンクの裏側に、コンロを使うときの台だと思われる木の板が何枚か置いてありました。
自分でコーヒーを淹れて飲みたかったので、こちらでお湯を湧かし、コーヒーをいただきました。
介山荘のトイレ
トイレは、1階の階段下にあります。
恐らく、水道が凍結する前の時期は手洗い所がトイレの前に設けられているようなのですが、冬の間は布で覆われ、代わりにウェットティッシュとゴミ箱が置いてありました。親切ですね~。
トイレは洋式と和式があり、いつもきれいに掃除されていました。においなども特に気になりませんでした。
南アルプスに沈む夕日を眺める
夕方まで部屋でまったりと過ごし、日の入りの時刻が近づいたところで、防寒着を着て外に出ます。
玄関前に日の出・日の入りと、夕食・朝食の開始時刻が書いてありました。
日の入りを見てから夕食を食べ、日の出を見てから朝食を食べられるスケジュールとなっているのがありがたいですね。なんと言っても介山荘は、小屋の目の前で日の出も日の入りも見れることが、大きな魅力ですから!
外に出ると、日の入りまでもう間もなく!危ないところでした。
雲が多めながらもなんとか、太陽が沈んでいくところを撮影し、目にも焼き付けることができました。
雲が真っ赤に染まって、日が沈んだ後もしばらくの間、とてもきれいでした。
富士山の向かって右側に日が沈んでいくため、夕日に赤く染まる富士山の姿がとてもきれいです。
お昼ごろはうっすらと雲がかかっていた富士山でしたが、ちょうどいい具合に霞が取れてくれました。
ちなみに……今回は南アルプスの周辺に雲が多かったですが、晴天の日ですとこのような感じで沈んでいきます。
今日の夕日も良かったですが、よく晴れた日はまた、格別ですね。
介山荘の夕食
夕食は2階の食堂でいただきます。
この日の宿泊者は6人と少なめ。しかも全員女性でした。
12月は紅葉もないし雪もないということで、山にも人は少なかったのですけれど、実は、予約電話を入れた時点では私、本当はこの1週間後に泊まりたいと思って電話をしたんですよね。ところがその日は既に満室とのことで「1週間前なら空きがある」と言われ、1週早めたのですが「空きがある」どころではない空き具合でしたね・笑
12月・1月は、空いている日はこんな風に本当にお客さんが少ないようなのですが「忘年会登山」「新年会登山」で大人数のグループが宿泊することがあるため、一気に部屋が埋まってしまうこともあるようです。おそらくこの翌週は、忘年会の人たちがいたのでしょうね。
ウォータージャグに入っているのは温かいほうじ茶です。
席においてあるプラカップで飲んでOKです。
なんと!お茶のほかに1人に1枚、介山荘オリジナルの煎餅も配られます。やはり、旅館並ですね……。
夕食の時間になるとまず、使い捨てのお皿に盛り付けられたおかずと、白ワインが1杯配られます。
野菜中心のおかず……品数が多くてうれしいですね。
マカロニサラダと柿がおいしかった……ワインと柿がなかなか合いました。
料理はこれだけではなく、メインはカレーです!
給食でいただくような基本的なカレーですが、山で食べるカレーってどうしてこんなにおいしいんでしょうね。
「おかわりたくさんあるから食べてくださいね!」という言葉に甘えて、つい、おかわりしてしまいましたよ。
2012年宿泊時の夕食
小屋のご主人が、料理の配膳時に「最近、みんなが食事の写真を撮ってネットにアップするから『写真で見たのと違う』って言われたりするんだよね……」とおっしゃっていたのですが、介山荘さんの夕食メニューはたしかに来る度変わります。カレーは出ることが多いのですが、特に決まったメニューというものはないようでして。
以前泊まったときの写真を探してみたところ、2012年に初めて宿泊したときの夕食がこちらでした。
ワインとマカロニサラダがつくところは一緒ですが、野菜や果物の種類もまったく異なりますね。
しかも!このときはカレーではなくうどんでした。
うどんもおいしかったのですが、カレーだとついお替わりしてしまいますけど、うどんだと「もう1杯!」とはあまり思わないですね・笑
そういう意味ではうどんのほうがいい面もあるのかもしれません。食べ過ぎなくて。
2013年宿泊時の夕食
2013年に宿泊した際は、今回同様にカレーが出ました。
このときは、マカロニサラダはなくてロースハムがついていたり、果物は生のフルーツではなく干し柿だったりと、やはり変化がありましたね。
とは言え、毎回ボリュームたっぷりでおいしく、食事についてはかなりがんばっている小屋だなあという印象を持っています。
夜は甲府盆地の夜景が楽しめる
介山荘の前では、夜は甲府盆地の夜景が楽しめます。
夜景がきれいなぶん、星が見えにくくなってしまうところもあるとは思うのですが、これほどきれいな夜景が小屋の目の前で見れるのは、思いつく限りではこの介山荘と、丹沢の尊仏山荘ぐらいではないかと思いますので、これはこれで貴重だと思っています。
ご来光も小屋の前で見える
翌朝、日の出の時間少し前に外に出ると……残念ながら、ガスで真っ白。
天気予報は特に悪くはなかったのですが、まあ、こういうこともあります。
ですが、晴れていれば介山荘では、日の出も小屋の目の前で見ることができるのです!
以前撮影した、介山荘の前から見た日の出がこちらです。
小屋の目の前よりは、少し賽の河原の方向に歩いていって、小高くなっているところに上ったほうが見やすい&撮影しやすいです。ほんの2~3分の距離ですので。
富士山や南アルプスとは逆の方向に日が昇るのですが、朝日に照らされた南アルプスと富士山も、とても美しいです。
雪がついているときはなおさら、格別ですね。
珍しく望遠レンズを持っていたときに撮ってみた、南アルプス。
富士山が本当に大きく見えるのも、大菩薩峠の、そして介山荘のすばらしいところですね。
介山荘の朝食
食事の時間になったらまた食堂へ。昨日夕食で使ったプラカップは、寝るとき部屋に持っていき、朝食のときにまた持ってきて使います。
野菜たっぷり、ご飯がすすむおかずが豊富なおいしい朝食です。
最後は、生卵をご飯にかけていただきました。
2013年宿泊時の朝食
以前宿泊したときの朝食もご紹介したいと思います。
岩魚(?)の甘露煮と、生卵、漬けものと梅干しは定番のようですね。
おいしく朝食をいただいたところで、名残惜しいですが下山の準備を始めます!
丹波大菩薩道を通り、丹波へ下山する
大菩薩峠から下山するルートは、最初にご紹介した上日川峠や丸川峠を経由するルートのほか「牛の寝通りを通って小菅村に下山」するルートや「丹波大菩薩道を通って丹波に下山するルート」などさまざまあります。
介山荘で夕食のときなどに、翌日のルートについて話したりしていると、小菅村に下山するルートが人気なように思うのですが、私が一番気に入っているのは「丹波大菩薩道を経由して丹波に下山する」ルートです。
ちょっと見づらいですが、小屋の前にある案内板。
「小菅・丹波方面」と書かれている方向に歩き始めます。
よく整備された登山道で、たまに倒木があるぐらいで危険箇所もありません。
この季節は周辺の木の葉っぱもすべて落ちているので、見晴らしが良く明るいのもいいところ。夏の間に歩いたらきっと、ぜんぜん印象が変わるのでしょうね……。
途中に何度か、丹波方面と小菅方面に分かれる分岐があります。
分岐の近くは開けた場所になっており、ベンチがあったりと休憩も取りやすいようになっています。
まあ、ずっと下りなのでそこまで休憩を取る必要もないのですが、登りで使うときなんかは便利でしょうね。
↑あそこに見えるのが、丹波と小菅の最後の分岐かな。
朝はガスっていましたが、この頃になると雲もすっかり取れて、雲取山の稜線がくっきりと見えました。
さらに、樹林帯を下っていくと……
林道に下りることになります。
大菩薩峠からここまで、約3時間で着きました。
林道をさらに下っていきますと……。
45分ほどで、丹波山村の名物(?)ローラーすべり台に着きました。
ここまで来ればもうまもなく!温泉です。
下山後は「丹波山温泉 のめこい湯」に向かう
この周辺の日帰り温泉の中でも、かなり気に入っている「のめこい湯」まではあと10分ほど。
丹波山村役場の前を通り過ぎて、いったん国道411号線に出ます。
奥多摩・八王子方面に2~3分歩くと、右手にのめこい湯の看板が見えました。
川の向こうに見えるのがのめこい湯です。
こちらでお風呂をいただいてさっぱりしたら、バスで奥多摩駅へ向かいます。
最後はビアカフェバテレで〆!
奥多摩駅に着いたら、向かうのはもちろん「ビアカフェバテレ」です。
12月の日曜日、そこまでは混んでいないだろうと思っていたのですが……店内はまさかの満席状態。
テラス席なら……とのことで、テラスでサクッといただいていくことになりました。
自家製ポテトサラダとローストポークプレート。
おいしかったです!
日帰り登山の定番・大菩薩嶺ですが、私はいつもこんなような感じで、空いている冬に介山荘に泊まり「日の出・日の入り・夜景」「おいしい食事とふかふかの布団」「温泉とビール」とフルコースで楽しんでいます。
本当にすばらしい山と山小屋だと思うので「大菩薩嶺は、登山を始めたころに一度登ったきり」という方にも、ぜひ試していただきたいです。