温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

山と温泉のきろく


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尾瀬山ノ鼻キャンプ場でゆるっとテント泊して至仏山に登った夏の終わりの週末

尾瀬なら土日で、公共交通機関利用でもゆるっとキャンプ&登山が楽しめる

実は公共交通機関利用の場合、土日のみでテント泊&登山が楽しめる山というのはそう多くありません。

夏~秋の間の、さわやか信州号や毎日あるぺん号などが運行している時期なら、夜行バスを利用すればかなり選択肢は広がりますが、バスの予約が取れなかったり、金曜日の夜に用事があってバスに乗れなかったりすると……せっかく土日空いていて天気も悪くなさそうなのにどこに行けばいい?と悩んでしまうこともしばしばです。

八ヶ岳や奥多摩奥秩父あたりなら、早朝から電車で行くこともできますが、もう少し涼しくなってからでも行けますし……というわけで、夏なら尾瀬です!

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尾瀬なら、土曜日の朝から電車とバスで登山口に移動し、山ノ鼻でゆるっとキャンプして、翌日至仏山に登頂して帰ってくることができます。

温泉や食事も楽しもうと思うと帰りは少し遅くなってしまいますが、テントを担いで歩く時間が短く、登山の強度もそんなに高くはないのでそこまで疲れずに済む……ということで、個人的にはお気に入りのプランです。 

2019年の8月下旬の週末に、尾瀬でキャンプ&至仏山登山を楽しんできましたので、レポートしてみたいと思います。

1日目:昼過ぎに鳩待峠に着き、山の鼻まで1時間歩くだけ

8月下旬の週末、金曜日の夜に所用があったため夜行バスに乗っての山行を計画することができず

「それならば尾瀬だ!」

と、帰宅後にテント泊のパッキングを始めました。

実は週末の天気予報がそこまでよくなく、山行自体を取りやめる可能性もあったのです。それで、前もって準備を整えていなかったのですが、金曜の夜の時点で土日共に「曇り時々晴れ あるいは 晴れ時々曇り」という予報に変わり、これならいけるでしょう!と。

金曜の夜に荷物の用意をしたので寝るのが遅くなったということもあり、今回は朝8時ぐらいに家を出ればいい計画にしました。

上毛高原からバスに乗り、尾瀬戸倉経由で鳩待峠へ

東京駅を8時52分に出る上越新幹線に乗り、10時5分に上毛高原駅に着きました。

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上毛高原駅を10時20分に出る「大清水」行きのバスに乗車します。

尾瀬の玄関口となる「鳩待峠」に向かう乗合バス・乗合タクシーが出る「尾瀬戸倉」に到着したのは12時3分。

関越交通戸倉案内所で鳩待峠行きのチケット(980円)を買うとすぐに、乗合タクシーを手配していただけました。同じバスに乗ってきた人たちと一緒に乗合タクシーに乗り込み、30分弱の乗車で鳩待峠へ。

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鳩待峠休憩所で身支度を整えて、13時ちょい前に歩き始めます。

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目指すは山ノ鼻キャンプ場です!

鳩待峠から1時間のハイクで山ノ鼻キャンプ場へ到着

鳩待峠から山ノ鼻までは、下り6割、平坦な道4割という割合で、登りはほぼありません。

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ゆるやかでよく整備された登山道なので、テント泊装備を担いでいてもきついことはありません。

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行きに下った分は帰りに上ることになるわけですが……。
鳩待峠の標高は1591メートル、山ノ鼻の標高は1400メートルと、標高差200メートル弱ですので、そこまできついことはなく、テント泊を始めて間もない人が歩くにもちょうどいい距離ではないかと思います。

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よく整備された木道は、すれ違うときも問題ない程度の幅があります。

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明日登る予定の至仏山の稜線が見えました。

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登山道が完全に平らになり、やや開けた雰囲気の場所に来ると……。

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着きました!山ノ鼻キャンプ場です。
時刻は14時少し前。土曜日ということでテント場はもっと混んでいるかと思いましたが、案外空いていて拍子抜けでした。

お盆休みの次の週の週末でしたので、お盆に出かけた方はのんびりされていたのかもしれないですね。大型連休の次の週末は、天気がまあまあ良くても案外空いていることが多い気がします。

テント設営前にもう生ビール!

テントを設営する場所に目星をつけると、そこにザックを置いてカメラと財布を持って、テント泊の受付をしに至仏山荘へ。

テント泊の料金は1人800円。山小屋泊の料金とあわせてこちらのページにまとめてありました。また、普段ならテント泊の人も1人500円で、至仏山荘のお風呂を利用することができるのですけど、この日至仏山荘では宿泊を伴うイベントを開催しており、貸切ということで日帰り入浴の利用はできず、ちょっと残念。

料金を支払った後はテントの設営……かと思いきや、至仏山荘の食堂へ!

こちらの食堂の営業は15時までなので、それまでに生ビールなどいただきたいなと思いまして。

券売機で食券を買い、厨房に渡します。

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メニューは、わりと普通な感じですね。
私、2018年のGWにこちらに泊まった際に、ビーフシチューをいただいたのですけど、そのときとはメニューが少し変わってしまったようです。

 というわけで、生ビールとモツ煮込みをオーダー!

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 いただきます!

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やや甘めの味付けのモツ煮込み、おいしいです。

ややあって、ビールに合いそうということで選んだ「黒毛和牛のコロッケ」も来ました。

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オーダーが入ってから揚げるとのことで少し時間がかかると言われたのですが、食堂が混んでいなかったのでわりとすぐでした。揚げたて熱々のコロッケをいただきつつ、ビールを飲めて満足。

ほろ酔いでテントを設営します。

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手前に見えるのが私のテント。エスパース・ソロ アルティメイトです。
ちなみに奥に並んでいる2つの緑のテントのうち、左側が同じヘリテイジ社の軽量テント「ハイレヴォ」でした。

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そしてこちらの画像↑の奥に写っている緑のテントは、昔ながらのエスパース。山岳会などでよく使われている4~5人用のテントですね。
緑のエスパーステントと言っても、実は色味はかなり異なるんですよね。私は、アルティメイトの黄緑っぽい色はわりと好きなんですが、昔ながらのエスパースの緑はちょっと苦手だったりします・笑

「カフェ至仏」でコーヒータイム 

テントを設営し、中でまったりしようかと思ったのですが、隣のエスパーステントのグループがけっこう騒がしくて落ち着かなかったので、散歩に出かけることにしました。

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至仏山荘の前を通って尾瀬ヶ原に向かおうとすると……。

あれ、小屋の向かいにある「Cafe至仏」がまだ営業しています。
ホームページには「9時から14時までの営業」と書いてあったのですが、この日は15時まで営業していたのですね。そしてこのとき時刻は15時直前。 

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せっかくなので、コーヒーでもいただいていこうかな。

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ジェラートも販売しています。この日のラインナップは「バニラ」「花豆」「純米吟醸水芭蕉」の3種。

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店内に足を踏み入れると、テーブルの上にはランプが点り、下界のお洒落なカフェのような雰囲気です。

山の中でこんなカフェを作ってしまうとは……さすが尾瀬。

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店内の黒板にもメニューが書いてありました。チキンや枝豆などのおつまみや、今川焼きやぜんざいなどの和風の甘味メニューもあります。

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こちらのホワイトボードには「ラストオーダー13時30分、閉店14時」と書いてありましたので、15時までの営業だったのはもしかしたら、イレギュラーなスケジュールだったのかもしれません。この日は山小屋自体が貸切だったので。店内にいたお客さんも、私以外は全員、貸切のイベントツアーに参加していたお客さんでした。

f:id:happydust:20190912121314j:plain食券を購入し、房内にいるスタッフの方に渡してしばし待ちます。

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自分以外のお客さんが全員ツアーの参加客で、店内にいるのは少し居心地が悪かったので、テラス席に運んでいただくことにしました。

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注文したのはホットコーヒーとアイスチーズケーキ。緑を眺めながらいただきます。 

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コーヒーは、オーダーしてからドリップで淹れてくださったもの。おいしかったです。

ゆっくりと味わっていたら、なんだか人が大勢やってきて、テラスのテーブルと椅子を端に寄せて片付け始めました。どうも、このテラスでイベントに参加している人たちがヨガを行うようです……。なんだか落ち着きませんね・笑

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急いでコーヒーを飲み終えて食器を厨房に返すと、ややあって、こんな感じでヨガが始まっていました。

時間はまだ15時過ぎ。散歩にでも行きましょうかね……。

尾瀬ヶ原をぶらっと散歩

山ノ鼻から少し歩けばもう、尾瀬ヶ原の湿原が広がっています。

f:id:happydust:20190912120558j:plain燧ヶ岳の特徴的な山容が遠くに見えます。
明日は朝から逆方向にある至仏山に登りますので、今日は燧ヶ岳に向かって歩いていくことにしましょうか。

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8月下旬でしたが花もだいぶ終わっていて、すっかり秋の花ですね。 

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ところどころに池塘が点在する尾瀬ヶ原を、特に行き先も決めず、のんびり歩いていきます。

山ノ鼻からこの道を1時間半ほど歩いていくと竜宮小屋がある竜宮十字路へ、そこからさらに30分ほどで、たくさんの山小屋が立ち並ぶ見晴まで行くことができますが、そこまで行ってしまうと帰りが遅くなるので適当なところで切り上げます。

もし、今朝やる気を出して始発の電車に乗って来ていたら、あと3時間ほど早く山ノ鼻に着くことができたはずなので、そうしたら見晴まで行ってきても良かったんですけどね……。

f:id:happydust:20190912120754j:plain尾瀬は熊が多いですし、木道歩きで迷うような道ではないとは言え、夕方以降に出歩くのはあまり褒められたことではありません。

30分ぐらい歩いて、まあこんなもんでいいかなと。来た道を戻ります。

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尾瀬は日帰りで来る人も多いのですが、午後3時を過ぎると日帰り客は帰ってしまうため、泊まりの人しかいなくなり、混雑期でも昼間の喧噪が嘘のように静かになるのが良いです。

まあ、この週末はお盆休みの次の週末だったのと、直前まで天気もいまいちだったこともあり、そもそもあまり混んでいなかったですけどね。 

早めの夕食をいただき、テントでまったり過ごす

さて、テントに戻ってきました。
まだ17時前ですけど、そろそろビールでも飲みつつ、夕食の用意でもしましょうか。

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今日のメインはこちら。平湯温泉バスターミナルのお土産売り場で販売している、軟骨の柔らか煮のパックです。
常温保存可能で、骨ごと食べれるのでゴミも少ないしすばらしい。

本来の調理方法としては、袋ごと湯煎するのですが、ちょっと面倒なので違う方法で。

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少量の水に乾燥野菜(ネギとキャベツ)をどさっと入れ、火にかけて湧かしながら乾燥野菜を戻します。

沸騰したら弱火にして、水分を飛ばし……

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ほとんど水がなくなったところで、軟骨の柔らか煮のパックを開けて、中身だけをどさっと入れます。

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コーティングしてあるとは言えチタンのコッヘルですし、煮汁無しでこってり味のついた軟骨を熱すると焦げるかなと思ったので、乾燥野菜とお湯を先に入れて焦げ防止&嵩増しにしたというわけです。

乾燥キャベツとねぎ、戻すとすごい野菜の甘みがしっかりあって驚きました。

あと今回は、ちょっとおもしろい物を持ってきまして。

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「極食」なる、南極観測隊のために作られたという、高級フリーズドライ食品です。1度食べてみたくて……。

お湯を入れて戻すと、チリコンカンのチリっぽい辛味はまったくないながらも、かなりおいしかったです。

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ビールのつまみにも最適な感じ。

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ホットサンドとかに挟んでもおいしそうでしたね。これはまた買ってもいいかも。

さて、先日こういう記事↓を書いたのですが、実はこれを書くきっかけになった「某放送局の人にインタビューさせて欲しいと言われた」出来事はこのタイミングで起こりました・笑

詳しくは、こちらの記事↑の最後あたりをお読みいただければと。

隣のテントの方達の話を聞きつつ、尾瀬はたしかにいいところですが、私は高尾山も上高地も好きだけどねー、などと考えながらビールを飲み、飲み過ぎないうちにこの日は終了!明日の至仏山登山に備えます。

2日目:テントを置いたまま至仏山に登り、撤収して帰る

さて、2日目は今回の行程のメイン、至仏山登山です。

至仏山は、山ノ鼻側からのルートは「上りのみ」と定められています。高山植物の植生保護のためとのことですが、登山者同士のすれ違いの際に、登山道脇の高山植物が踏み荒らされてしまうのを防ぐため、というところでしょうか。

そのため「山ノ鼻にテント泊して至仏山に登り、鳩待峠に下山」というルートを取る場合、山ノ鼻から山頂を往復するルートを取ることができません。なのでテントを撤収して担いで登る方も多いのですが、私はテントを担いで登るのが嫌なので、張りっぱなしでサブザックで登ることにしました。

この日は日が登る時刻が5時過ぎの予定だったので、4時ごろには起きて日の出と同時に出発しようかと思っていたのですが、夜明け前の天気があまり良くなく、時折雨がぱらついていたので、止むまでテントで待機していました。そして午前6時、雨も止んだところでいよいよ出発します。

午前6時、テントを張りっぱなしで登山開始

午前6時。雨は止みましたがあたりは真っ白な霧に包まれていました。

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山ノ鼻キャンプ場から至仏山の登り口までの間には、30分ほどで一周できるという「尾瀬植物研究見本園」があります。早朝や夕方は熊が現れることも多いという研究見本園を突っ切って、至仏山に近づいていきます。

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霧の向こうに、うっすらと至仏山の姿が見えました。

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あれ?上のほうは晴れているんですね。

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8月下旬で、かなり秋の気配の感じられる日でしたが、足元にはお花も残っていました。

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振り返れば太陽が!日の出から約1時間ほどですが、けっこう高いところまで登っていましたね。

日が照って暑くならないうちに、高度を上げたいものです。

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登り口が見えてきました。

しばらくは樹林帯の道をたんたんと上っていきます。

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道はよく整備されており、迷うような箇所もなく歩きやすいです。

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いつのまにか周辺の樹木の背が低くなってきました。

振り返れば、尾瀬ヶ原と燧ヶ岳。

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雲はあるけれど、だんだんいい天気になってきましたよ。

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高度を上げていくうちに、尾瀬ヶ原を覆っていた雲もいつのまにか取れて、少し靄がかかってはいるものの、尾瀬の全貌を眺められるようになりました。

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もうけっこう暑いです。夏の陽気。

大きな一枚岩に鎖がかかっている箇所にさしかかります。

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鎖はついているものの、手がかり足がかりも多い岩なので、特に鎖に頼らずとも登れました。

ただ、このあたりの岩は「蛇紋岩」と言い、濡れるとかなり滑りやすくなる岩ですので、濡れているときは鎖をつかんだほうがいいかもしれません。

キャンプ場では朝は雨が降っていましたが、このあたりの岩は濡れてはいませんでしたね。雨が降らなかったのか、日があたって乾いたのか。

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山ノ鼻から2時間ほど登ると、ところどころに木の階段が現れます。

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青空に白い雲が美しいです。

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そして振り返れば……あれ?また尾瀬ヶ原に雲がかかってしまいました。
今度はけっこう厚い雲です。うーん、この感じだと山頂に着いたときは尾瀬ヶ原は見えないかもしれません。

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とりあえず先に進みます。

山ノ鼻から2時間30分で「高天原」という、ポイントに出ます。

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なだらかな木道の側にベンチが点在する、開けていてとても気持ちのいい場所です。

以前GWに来たときは、けっこう風が強くて難儀したポイントでもあるのですが……。

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今回は本当に気持ちよく歩けました。日は照っているけれど、風がほんのりと冷たいので気温も暑すぎず、寒すぎず。

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高天原は「天上界」という意味を持つ単語だそうですが、本当に、天国のような雰囲気だなと思いました。

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最後の一登りを終えると、歩き始めから約2時間50分で、至仏山の山頂に到着です!

午前8時50分至仏山に登頂!小至仏山を経由し鳩待峠に下る

山頂に着いたのは午前8時50分。標準コースタイムが3時間の道のりなので、それよりちょっとだけ早く着くことができました。

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本来なら、この山頂碑の向こう側には尾瀬ヶ原が広がっているのですが、途中で予想したとおり、すっかりと厚い雲に覆われてしまいましたね。

3度目の登頂ということもあり、景色も見えないのでパンをかじって休憩するとすぐに下り始めます。

ちなみにですが……以前7月下旬に登頂した際の山頂から見下ろす尾瀬ヶ原はこんな感じです。

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この景色が見たかったと言えば見たかったですが、曇っていると涼しくて日焼けもしないので、それはそれで悪くはないです。

下りは、小至仏山を経由して、まずは鳩待峠に下りるのですが……。

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下山する方向も、雲で真っ白ですね……。

ちなみに、晴れていればこんな感じの気持ちのいい稜線です。

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今日はこう↓

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8月下旬、下界はまだ十分に夏なのですが、高所かつ曇っていて風もあるのでけっこう涼しいというか寒いぐらいで、レインウェアや長袖のシャツなどを羽織っている人がほとんどでした。

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気持ちのいい稜線ですが、濡れると滑りやすい蛇紋岩の岩がゴツゴツと露出しており、そんなに歩きやすい道ではありません。

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山頂から30分少々で小至仏山のピークへ。

こちらも眺望はなく、通り過ぎます。

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この後は30分ほどでしょうか、木道を歩く道が続き。

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木道歩きは緩やかな道でとても気持ちがいいです。

ちなみにこのあたり、7月下旬に歩いたときはワタスゲが盛りでした。

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7月下旬、ワタスゲが咲く高層湿原

今回はほとんど花は終わっていたので、やはり、高山植物を楽しみたいなら7月に来るのがよさそうですね。

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木道の周辺もワタスゲだらけ

湿原歩きの後は、徐々に樹林帯歩きに変わります。

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高層湿原30分、樹林帯1時間というところでしょうか。

小至仏山のピークから1時間30分、至仏山山頂から2時間少々で鳩待峠に到着しました。

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キャンプ地の山ノ鼻から歩き始めて、鳩待峠に着くまでは5時間ぐらい。日帰りにはちょうどいい長さ・強度です。

ちなみに私が歩いた2週間ぐらい後にタケルさんもご家族で至仏山に登られてたようなのですが、同じ山とは思えないほど写真がきれいなので、至仏山登山を検討されている方はこちらもどうぞ。

 8月下旬はギリギリ「晩夏」という感じでしたけど、たしかに9月に入ると「初秋」ですね。今年は梅雨明けが遅かったこともあり、季節が巡るのが早い気がします。

11時過ぎに鳩待峠に到着!ランチしてから山ノ鼻に戻る

さて、本当の日帰り登山なら鳩待峠からこのまま帰れるのですが、私は山ノ鼻にテントを撤収に行かなくてはなりません。

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また1時間登って下りるので面倒と言えば面倒ですが、テントを張ったまま来たおかげで、身軽に快適に歩けたので、女一人でテント担いでいる身としてはこのほうがよほど楽です。時間もまだ11時過ぎですので、ぜんぜん余裕があります。

グループでの登山であれば、装備も分け合えるので撤収して担いで登ってもそこまでの負担ではないと思うんですけどね……。

山ノ鼻に向かう前に、まずは鳩待峠の休憩所にある食堂でランチをいただきました。

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牛丼を。山小屋の食堂メニューって「カレー、ラーメン、うどん、蕎麦、牛丼」というのが定番な気がしますが、麺類とカレーはテントで自炊するときに作ることが多いし、肉が入っているほうがお得な気がして、かなりの確率で牛丼を食べてしまう私です。。。

ランチの後は山ノ鼻に戻ってテントを撤収し、テントを担いでまた鳩待峠へ。

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尾瀬戸倉行きの乗合バス・タクシーのチケット売り場の隣で売っていた「水芭蕉」という日本酒のソフトクリームをいただきました。

日本酒がたっぷり入っているため、お子様には販売できないという商品なのですが、甘みが少なく、たしかに日本酒の味がかなり強かったです。

私は好きな味でしたけど日本酒が苦手な方は「思ってたのと違った!これは無理」と言っていたりもしました。攻めた商品を作ったものだなと思いつつ、乗合タクシーに乗車します。

ちなみに鳩待峠から尾瀬戸倉に向かう際は、定期便のバスと不定期の乗合タクシーがあります。どちらも鳩待峠の休憩所から数分歩いたところにある駐車場から出ます。

「1人だからタクシーには乗れないかな。定期便のバスの時間を待たなければいけないのかな」

と最初に来たときは思っていたのですが、実はそうではなく、知らないお客さん同士をタクシーのほうで勝手に組み合わせて乗せていってくれるので、帰るときはとりあえず、駐車場に向かえばOKです。駐車場で乗合タクシーの運転手さんが「お客さん何人?」と声をかけてくれますので。

高崎温泉さくらの湯でかけ流しの温泉に浸かる

鳩待峠から尾瀬戸倉行きの乗合タクシーに乗車する際、運転手さんに「沼田行きのバスに乗る」と伝えていたのですが、戸倉に着くとちょうど、沼田行きのバスが来たところでした。

運転手さんがバスに「今1人乗るからちょっと待って!」と声をかけてくれたので、写真を撮る暇もないまま沼田駅行きのバスに乗車しました。

尾瀬戸倉には日帰り温泉施設もありますので、戸倉でバスの待ち時間があればそこで入ることもできるのですが、今回はそんなわけで、入りそびれてしまい。

電車で水上駅まで行って水上温泉や谷川温泉、あるいはバスで猿ヶ京温泉などに行くこともできるのですが……。このとき時間は午後4時ごろ。旅館は日帰り入浴の営業を終了しているところが多いですし、これから帰るのにまたバスに乗って出かけるというのもねえ、と。それに、テント泊のザックを持って移動しなければならないし、このテント泊用ザックがかなり、ハードルを上げるのですよね。

車ならザックを置いていけるし移動も楽なんですけどね、このあたりが公共交通機関利用の登山のつらいところではあります。でも、もう8年以上電車とバスを使って登山していますので、一応、こういうときに行くべき日帰り温泉も知っているのですよ……。

まず、沼田駅から上越線の上り電車に乗り、高崎駅で下車します。そして、でかザックはコインロッカーに入れてしまいます!

そして身軽になったところで目指すのは「高崎温泉さくらの湯」です。

高崎駅から徒歩13分の距離ですが、上信電鉄で一駅乗ればすぐなので、行きは電車を利用しました。

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電車の車体には、上信電鉄のキャラクター、富岡しるくちゃんと、ぐんまちゃんが描かれていました。

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夕暮れの高崎を、さくらの湯に向かって歩きます。

高崎は温泉地というわけではないので、観光客がここでお風呂に入ろうと思うことは少ないのでしょう。地元の人が多めの日帰り温泉施設です。

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入浴料金は550円。男女別の内湯のみの大浴場があり、露天風呂やサウナはありません。ですが、こちら、あなどれないいいお湯なのですよ……。

高崎の街の中にあって、加水・循環・ろ過を行っていない炭酸水素塩泉のかけ流し。とても良いお湯です。11時から22時までと比較的遅くまで営業しているのもありがたいです。
汗を流してさっぱりしたところで、本日の締めくくりの一杯をいただきに、高崎駅に向かって歩きます。 

高崎駅前のイタリアンレストランで一杯飲んで、お疲れさまでした!

高崎で途中下車して食事をいただく際、私の中で鉄板だったのは、駅ビルにある、峠の釜めしの「おぎのや」が営む居酒屋「群馬の台所」

やはり、駅ビルにテナントが入って居る鳥めしの有名店「登利平」

それから、駅から少し歩くけれどおいしい蕎麦とつまみをいただける「たばちょ」など。

などがこれまでの鉄板でしたが、わりとどこも、日本酒に合う感じの和風のお店なんですよね。私が日本酒が好きだからそりゃそうなんですけど……。

今回は蒸し暑い夜で、洋風のつまみでビールを飲みたい気分だったのと、なんとなく新規開拓したくて、初めてのお店に入ってみました。

イタリアンバール・ラ・ファミーリア。

高崎駅西口を出てロータリーの向こう側、2階コンコースと直結した場所にあるイタリアンレストランです。

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駅から直接来れる場所なので、観光客が多いかと思いきや、もともとは別の場所で営業していて人気だったお店が移転してきたのだそうで、日曜の夜だというのに常連っぽい地元の方もたくさん食事を楽しまれていました。

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まずはハートランドで喉を潤し。

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前菜盛り合わせ。

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桃太郎トマトのカプレーゼ。
バジルの風味が爽やか。チーズもトマトもおいしい。

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黒豚のサルシッチャグリル。ビールにもワインにも合います。

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お店の人気ナンバーワンメニューだという「ジェノヴァ風クリームスパゲティ」など。

最初はビール、後半はグラスワインを飲みつついただきました。
こちらのお店、グラスワインの種類が豊富で、赤・白・泡それぞれに4種類ぐらいずつありました。グラスワインだけでも永遠に楽しめそうで、本当にいい店だなと、あたりでした。

1時間ほど、料理とお酒を楽しんだあとは、ロッカーからザックを回収して新幹線で帰ります。

帰りは少し遅くなってしまいますが、テント泊・登山・温泉・おいしい食事をフルコースで楽しめた、満足度の高い旅になりました。

山ノ鼻にテントを張って至仏山を登る山旅は、テントを担いで歩く距離も短いため、テント泊の経験が浅めの方にもおすすめできるプランだと思います。東京から公共交通機関利用でテント泊をしたい方に、ぜひおすすめしたいです。

ちなみに、今回はまさかの貸切デーでしたが、至仏山荘に泊まって登山するのも楽しいですよ!