人吉に行く度おとずれていた行列ができるうなぎ店に3年ぶりの再訪
人吉温泉のある熊本県の球磨地域はかつてうなぎの一大産地だったこともあり、人吉温泉周辺は鰻屋さんが多いエリアです。
その中でも恐らく一番の有名店であり、行列ができるお店が「上村うなぎ屋」ではないかと思います。
創業1908年(明治41年)と110年以上の歴史がある老舗で、2018年にはミシュランプレートにも選ばれたそうです。
人吉温泉に行く度に上村うなぎ屋でうな重をいただくのが楽しみの一つでした。
2016年に初めて伺ったときは、実はそこまで行列はなかったのですが、ミシュラン効果なのか年々知名度が上がっていったようで、2019年にはお昼にはまだ早い11時過ぎのタイミングでも店の前に行列ができていました。
その後コロナ禍もあり、また2020年7月の豪雨水害での被災もあって休業していましたが2021年8月に営業再開!
人吉に行ったら必ず立ち寄りたい!と思っていた上村うなぎ屋に、2022年9月に再訪できましたので、ご紹介したいと思います。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。
鹿児島空港から高速バスで人吉に着き、真っ先に上村うなぎ屋へ
人吉温泉の最寄り駅は人吉駅ですが、2020年の豪雨災害以降電車はすべて不通となっており、鉄道で向かうことはできません。
遠方から飛行機で九州に来て人吉温泉に向かう場合は、鹿児島空港から予約制の高速バス「高速きりしま号」に乗って約50分、「人吉インターチェンジ」バス停で下車する、というルートが最も便利です。
人吉インターチェンジバス停から上村うなぎ屋までは徒歩18分。
天気が悪ければタクシーを呼ぶことも考えましたが、いい天気なので歩いていくことにします。
高速きりしま号は、2022年11月現在も減便ダイヤで運行しており、1日5往復と本数は多くありませんが……個人的には朝一の飛行機で鹿児島空港に着き、11時前に人吉インターチェンジに着くバスに乗って上村うなぎ屋で朝食兼昼食にうなぎを食べる、というプランが気に入っています。
そんなわけで今回も、朝一番の飛行機で鹿児島空港に向かいました。
上村うなぎ屋の営業時間と定休日
上村うなぎ屋の営業時間は10時~13時30分の入店まで。
以前は夜の営業も行っており、ランチも14時ラストオーダー15時閉店でしたが、こちらの情報が最新のようです。
定休日は不定休のようで、以前はInstagramで定休日を告知されていましたが、現在はSNSでの告知は行っていないようです。
また、上村うなぎ屋は予約を受けていないため、すぐに入れるかどうかは当日の混み具合による……というところです。
2019年の上村うなぎ屋は11時に来ても行列ができていた
最新の訪問時のレポートの前に、2019年の2月、コロナ禍前に最後に伺ったときのことを簡単にご紹介したいと思います。
この日も11時過ぎという昼食には早いタイミングで伺ったのですが……お店の前には既に長い列ができていました。
時間もあったので、のんびり並んで待つことに。冬だったのでちょっと寒かったですね……。
30分ほど待って店内へ。
お店の奥のほうにある座敷の席に通していただきました。外からは小さなお店に見えますが、中に入ると意外と奥が広いのです。
1人なのに個室?と驚いたのですが、たまたま個室の席が空いたタイミングだったようで、この後同じ部屋に1人で来たお客さんが2組入ってきて、3人で相席のような形になりました。2人連れと1人客ではなく、1人客3組だったのはたまたまか、お気遣いいただいたのかはわかりません。
以前来たときは「きも」とお酒をいただいてから最後にうな丼をお願いしたのですが、きもが1人で食べるには量が多かったのでこのときはシンプルにうな重に。
そうしたら、同じうなぎのはずですがうな重はやっぱりおいしくて「やっぱりうな重だな」と当たり前のことを思った2019年でした。
復活後初、2022年9月の上村うなぎ屋
水害による1年以上の長期休業を経て2021年8月に営業再開してから初めて、上村うなぎ屋に来ました。
以前に来たときよりも全体的に、小ぎれいになっていますね!
ちなみにこのときは平日の11時30分ごろで、並んでいる人は誰もいませんでしたが、全国旅行支援などの実施中だとまた状況が変わるかもしれません。
以前店頭にあった室外機や樹木は、きっと水害でやられてしまって新しくなったのでしょうね。
建物の側面の壁も黒ずんでいたけれど、真っ白になっていました。
そして、駐車場に座って待てるように椅子がたくさん並んでいました。ありがたいですね……。
復活した上村うなぎ屋の店内
では、店内へ。
廊下の壁や床、天井なども新しくきれいになっていますね。
今回は、店内の手前側にある広めのテーブル席に。席に着くとすぐに、急須でお茶を持ってきてもらえるのがうれしいですね。
入店時はこの大テーブルに1人で座っていましたが、カウンター席のような扱いの席のようで、後から他の1人客と相席になりました。1人客は基本静かだし、1人客同士を大テーブルでまとめられるのは気楽な感じで私は好き。
前回2019年にはもちろんなかったアクリル板の仕切りも設置されていて、時代の流れを感じました。
上村うなぎ屋のメニュー
2022年の上村うなぎ屋のメニューです。
若干のお値段の変動はあるものの、基本的には前回来たときと変わっていませんでした。
いつか「うなぎの会席」を食べてみたいのだけど、この後温泉宿泊まって宿で夕食を食べることを考えると、昼からあまりたくさんは食べられないのですよね……。
ちなみに注意点としては「うなぎ きも」は、串にさして焼いたものをイメージしがちですが、こちらのきもは甘辛く煮たもので、量的にも1人で食べるにはちょっと多めでした。きもってそんな大量に食べたいものでもないですしね……。
あとは「うな重」は大と小、「うな丼」は大・中・小とありますが、肝吸いは「うな重の大」と「うな丼の大と中」につくということです。
うな重の小は3400円でうな丼の中は3000円なので「なぜ『うな丼中』より高い『うな重小』に肝吸いが付かないのか……解せぬ……」と最初は思っていたのですが、うなぎ自体のボリュームはうな重小のほうがずっと大きかったです。
「うな丼中」は小食の人か、つまんで飲んだ後にいただくといい感じかなあと思います。
そしてお酒のメニューです。
女1人だからお酒は飲まないだろうと思われたのか、最初お酒のメニューをもらえなくて……この日はの飲むつもりではなかったからまあいいか……と思いつつ、後でメニューだけ見せてもらいました。生ビールと日本酒、焼酎があります。
呼び出し用のボタンが壁にありますので、オーダーが決まったらボタンで知らせます。
今回も「うな重小」を注文
今回も前回と同じ「うな重小」を注文しました。
前回のうな重がおいしかったんですよ……。
うな重大にするか悩んだのですが「ご飯の中にも鰻が入っている豪華版」とのことで、お腹いっぱいになりすぎるかなと、今回も小に。
蓋を開けると香ばしい香りがふわーっとやってきて、それだけで幸せな気分に。
まずは一口、焼きたてのうなぎをそのまま口に運んで、パリッとした食感を楽しみます。
上村うなぎ屋は蒸さずに直火で焼く関西風で、香ばしく弾力のある肉厚なうなぎがのっていて「小」でもかなりのボリュームです。この量でこの味のうな重、都内では3400円では食べられないですね……。
タレを別に持ってきてくださるので、後半はタレ多めで、ご飯とうなぎのハーモニーを楽しみました。
【再訪したい度】★★★★★ うなぎ、ご飯、タレ、すべてがシンプルにおいしい
私は、うなぎ屋に行くと基本的にはつまみをちょっと頼んで日本酒を飲んで、最後に小さめのうな重かうな丼で〆、というのが好きなんですが、上村うなぎ屋ではお酒を頼まず、シンプルにうな重をいただいてしまいます。
つまみの量がちょっと多いこと、お酒の種類があまり多くないこと、そして何よりもうな重が小でもボリュームたっぷりで最高においしいので、1人なら空腹でうな重をいただくのが一番幸せだなと思ったからです。
でも、2人以上いればちょっとつまんでせいろ蒸し、とかもやってみたいんだけどなあ……と思ったりもします。
予約できないのであんまり行列だとめげてしまいそうですけど、お店の方たちもみんな親切ですし、きっとまた、伺いたいお店です。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
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