温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

山と温泉のきろく


※当サイトのリンクにはプロモーションが含まれます

人吉温泉 人吉旅館 宿泊記 豪雨災害から復活した登録有形文化財の宿に一人泊

昭和9年の創業当時の姿を今も残す、極上湯の宿

人吉温泉の人吉旅館は、昭和9年に創業した純和風の旅館で、創業当時の佇まいが残る建物は2012年から登録有形文化財に指定されています。

実を言うと私はそこまで建築物にこだわりがあるタイプではなく、素敵な建物なのはもちろんすばらしいけど快適じゃないと嫌だな……という価値観なのですが、人吉旅館は雰囲気ある和風建築を修繕しながら大切に使っていて快適度も高く、居心地の良い宿です。

ブログでご紹介するのは初めてですが、実は既に3度も泊まっているお気に入りの宿です。源泉はクレンジング効果と保湿効果が共に高いすばらしいお湯で、食事もおいしいと思います。

コロナ禍以前に2度宿泊しており、落ち着いたらまた行きたいと思っていた矢先に2020年7月に豪雨災害が発生。1階の天井まで水に浸かるという大きな被害を受けて休業していましたが、2022年5月に全面復旧して営業再開しました。

復活したら必ず泊まりに行きたいと思っていたのですが、2022年9月に3度目の宿泊が叶いました。休業期間を経てさらにパワーアップしていた人吉旅館についてレポートしたいと思います。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

鹿児島県寄りの熊本県にある人吉温泉、鹿児島空港からバス利用が便利

人吉温泉は熊本県の温泉ですが、人吉市は鹿児島県との県境にある街で、最寄りの空港は鹿児島空港です。

鹿児島空港から予約制の高速バス「高速きりしま号」に乗って約50分、「人吉インターチェンジ」バス停で下車します。

人吉インターチェンジバス停から温泉街までは徒歩だと30分弱かかるので、バス停の駐車場には迎えの車やタクシーがたくさん停車していました。

天気が悪ければタクシーを呼ぶつもりでしたが、この日はとてもいい天気!時間にも余裕があるのでのんびり歩いていくことにします。ちなみに人吉市にはタクシーアプリの「GO」に加盟しているタクシー会社がありますので、タクシー利用を検討されている方はインストールしておくと便利です。

人吉市は人口3万人ほどの街で、呼べばタクシーもわりとすぐ来ますし、街道沿いにはコンビニやファミレス、モスバーガーなども並んでいます。

何もない秘湯の宿もいいものですが「忘れ物をしたりバスの時間を逃すと取り返しがつかないことになる」という緊張感もあります。人吉ぐらい街の規模があるとなんとなく落ち着きますね……。

この日は朝一番の便で鹿児島空港に着いたので、人吉温泉に着いたのはまだ午前中でした。なのでまずはお気に入りのうなぎ屋さんで朝食兼昼食をいただき。

それから、お気に入りの日帰り温泉に立ち寄った後、人吉旅館へ到着しました。

現在は庭もきれいに整えられ、前回2019年に来たときと変わらない姿でしたが、豪雨災害直後の画像が公式サイトにあり、2年弱で元の姿に戻せたことが奇跡のように感じられました。

宿の前には足湯もありました。

チェックイン可能な15時になったところで、さっそく中に入ります。

【部屋】★★★★★ 客室からの眺めも良く、建物は趣あり、快適度も高い

1階フロントでチェックインし、お部屋に案内していただきます。

天井まで水に浸かったという1階部分は、床はすべて張り替えられたようです。

庭を眺められる応接スペースは、以前よりも明るい雰囲気になったように思います。

案内いただいて建物の奥のほうに進んでいくと……。

人吉の自然と文化を表しているという美しいステンドグラスが、以前と変わらない姿で迎えてくれました。きっとこれも水害のときは水に浸かったのでしょうね……割れなくて良かったです。

宿泊するのは2階のお部屋なので階段を上っていくのですが、途中の踊り場に「2020年7月の豪雨災害ではこのラインまで水に浸かった」という記録が残っていました。

2階はかろうじて無事だったものの、1階は天井まで浸かったんですね……。
ちなみに、人吉旅館では無事だった2階の客室のみで当初は営業再開しましたが、現在は1階の客室も工事が終わって泊まれるようになりました。元の部屋の雰囲気をできる限り残したのか、それともこの機にリノベーションされたのか、ちょっと気になりますね。

2階の廊下の雰囲気がとても素敵だといつも思います。

今回宿泊するのはこちらの「小波」のお部屋です。

館内案内図を見ると、2階には8室の客室があるようです。1階のほうが客室数は多いようですが、3度泊まったけれどいつも2階に案内されますね。

お部屋の中へ。

入ると手前側に3畳の小部屋があって、こちらに洗面所とトイレがあります。

洗面所はお湯も出る混合栓でピカピカだし、トイレもウォッシュレット付きで清潔です。

ボディタオルや歯ブラシ、ヘアブラシ、ヘアゴム、コットン綿棒などアメニティが一通り揃っており、ドライヤーも置いてありました。

客室へ。

ああ……いい部屋ですね。

卓上には冷水の入ったポットとサービスの温泉水の入ったペットボトル。お茶菓子は宿の名前が入った固めのクッキーのような、甘い煎餅のようなもの。素朴な味わいでおいしいです。

湯わかしポットもあるので、夜中にお茶やコーヒーを淹れたくなっても安心ですね。

浴衣はモノトーンに赤い花が入ったシックな柄のもの。タオルとタオル用の不織布のバッグが置いてありました。

室内には液晶テレビと内線電話。広縁に金庫と冷蔵庫と、基本的な設備は問題なく揃っており、快適に過ごせます。

そしてこの縁側が良いのです。

椅子の座り心地もいいし、窓枠の雰囲気も素敵だし。

球磨川が本当にすぐそこに見えます。
実はこの数日前に台風が通過したばかりで、川は増水して水もだいぶ濁っていました。台風上陸の予報を見て、また川が氾濫したらどうしよう……と出発前にだいぶハラハラしていたんですよね。

こちらが以前泊まったときに宿の窓から見た球磨川と橋。

水の量もぜんぜん違いますね。

コロナ禍以降は、1人泊でかつ会場食だと、チェックイン時から布団が敷いてある宿も多いのですが、人吉旅館では今も食事中に敷いてくれる方式でした。
朝食時は、こちらからお願いしない限り布団はそのままにしておいてもらえるので、食後に二度寝も楽しめます。

【風呂】★★★★☆ 露天風呂新設され、脱衣所や内湯もきれいになっていた

人吉旅館の浴室はすべて1階にあります。

時間帯で男女が入れ替えとなる大浴場、空いているときに鍵をかけて利用可能な家族湯が2室。それから新しく男女別の露天風呂ができていました。

復活オープン後に新設された露天風呂

新設された露天風呂は、大浴場とつながっているのではなく別の棟にあります。

大浴場と家族湯は深夜早朝も含めて滞在中いつでも利用できますが、露天風呂は「16時~21時30分」と「6時~9時30分」と利用できる時間帯が決まっています。また「初冬以降は利用できない」旨がホームページに記載されていました。

露天風呂は宿泊客専用なので、もしも大浴場が混み合っていたりするときなどは、こちらに入りに来るのが良いかもしれません。

露天風呂のある棟は水害後に新築されたのかすべてが新しく、スロープがあったりとバリアフリーも意識されているようです。

脱衣所や洗面所もピカピカで新しい。

露天風呂は宿泊客専用ですが、鍵付きのロッカーもちゃんとあります。

洗面所には化粧水と乳液、ドライヤーが。

ブラシと綿棒も棚の中にありました。

ではいざ、露天風呂へ!

屋根は付いているものの、開放感もそれなりにあって雰囲気の良い露天風呂です。

洗い場もしっかりあり、壁と扉がついていて個室状態で利用できます。感染症対策か水しぶきが浴槽のほうにいかないようにするためかわかりませんが……なんというか、新しい浴室という感じだ。

湯舟には常時熱めの源泉が注がれています。浴槽内の温度は気持ちよく浸かれる適温に調節されていました。

冬季は利用できないのがもったいないような、いいお風呂です。人吉温泉は源泉も熱いはずだし冬にぬるくなりすぎる……ということもなさそうに思うんですけどね。

露天風呂が新設されたなんてまったく知らずに来たのですが、入れて良かったです。いつ来ても独占状態だったし、雰囲気もいいお風呂でした。

岩風呂の大浴場もきれいになっていた

露天風呂から上がった後に、大浴場へ向かいます。

大浴場に向かう途中の廊下には人吉旅館の源泉についての案内と、写真などの掲示がありました。人吉旅館の源泉はph7.96、泉温54.6度の「ナトリウムー炭酸水素塩・塩化物泉」です。

写真は「SL人吉」の写真でした。かつては熊本駅と人吉駅の間にSLの運行があったんですよね。

2020年の豪雨以降、人吉駅発着の電車はすべて不通となっているのですが、現在も熊本駅と鳥栖駅の間をSL人吉は走っているんですね。人吉には来ないのに「SL人吉」という名前なのもなんだか不思議な話ですけど。写真は在りし日のSL人吉だと思います。

チェックインから夕食の時間まで女湯となっている、浴室棟の1番奥にある大浴場「岩風呂」へ。

脱衣所に入ると……おお!きれいになっていますね。

↓こちらが、2019年に来たときの脱衣所です。

わりと昔ながらな感じの脱衣所でしたが、すごくきれいになりましたね。洗面台もすべて取り替えたんですね。

露天風呂と同様にブラシやドライヤー、化粧水と乳液、それからヘアーワックスもありました。

では、いざ浴室へ。
岩風呂は大きな石造りの浴槽が中央にあり、壁際に洗い場があるというシンプルな浴室です。

浴室は、以前と変わってない……?いやでも、なんとなく前より明るい雰囲気になったような気がしますね。

2019年の写真↓を確認すると……。

2019年の壁はシンプルな白いタイルでしたが、カラフルなタイルが加わったんですね。それから洗い場の間に仕切りが設置されています。洗い場にはライトも新しく設置されて、全体的に明るく華やかな雰囲気になりましたね。

アメニティも、以前よりやや高級感あるシリーズになったような。シャンプー&コンディショナーとボディシャンプー、洗顔フォーム。

こちらの源泉は飲用も可能です。

ぬるっとした浴感のある、熱め適温のとても良いお湯です。

明るくきれいになった岩風呂。しばらく誰も来なかったので、独占状態で楽しむことができました。

浴槽内にベンチのある大浴場

もう1箇所の大浴場は夕食後に女湯になります。夜通しの利用が可能ですが、私はお酒を飲んで寝てしまったので、翌日の朝に入りました。

こちらの脱衣所も、設備をすべて入れ替えてとてもきれいになっていますね。

鍵付きの貴重品ロッカーもあります。ドライヤーやヘアブラシなどは一箇所にまとめて置いてありました。

こちらの浴室も、洗い場に仕切りと照明が追加されました。カランやシャワーもすべて新しくなっています。

この浴室はちょっと不思議な形状をしていまして、細長い浴槽が2つ並んでいます。

2つの浴槽の間には壁があります。もしかしたら、昔は2つの浴室だったのをつなげて1つの大きな浴室にしたのかもしれないですね。

この浴室の特徴は、浴槽の中に木製のベンチがあることです。深さがある浴槽なので、ベンチに座って浸かるとちょうど肩のあたりまで浸かる感じです。

湯口からは飲泉も可能な極上の源泉が常時注がれています。
浴槽が2つあるので、ちょっと温度が違ったりするとおもしろいのですけど、だいたい同じ温度です。まあ、そのためにわざわざ加水したり冷ましたりするのも、もったいないですもんね……。

朝食前に熱めの源泉に浸かったので、しゃきっと目が覚めて食欲が湧いてきました。

鍵をかけていつでも入れる家族風呂

人吉旅館には家族風呂が2室あり、深夜早朝を含め滞在中空いていればいつでも、内側から鍵をかけて貸切利用が可能です。

脱衣所の壁が新しくきれいになっています。ドライヤーやアメニティ類は大浴場と同等のものが置いてありました。

「家族風呂」とは言いつつ1人専用という趣のコンパクトな浴室です。大人2人で入るのは、よほど仲がよい相手でないと気まずそう……。

こちらも熱めの源泉が常時注がれており、小さな浴槽でお湯が入れ替わるのが早いため、大浴場よりも熱く、お湯の新鮮さが感じられます。

正直なところ、趣がある浴室とは言いがたいのですが、お湯の良さを1人静かに味わうには家族風呂が1番のように思います。

熱めなのであまり長湯はできないですが、新鮮な源泉を常に独占状態で楽しめる、すばらしい家族風呂でした。

浴室棟には涼み処もあり、日当たりが良く気持ちのいいスペースでした。

【食事】★★★★☆ 地物食材にこだわっており、すべておいしい

人吉旅館では、食事は朝夕共に1階の食事処でいただきます。
チェックイン時に決めた時間になったら、食事処に向かいます。

人吉旅館のドリンクメニュー

人吉市は球磨焼酎という米焼酎が有名ですが、球磨焼酎を8種類、芋焼酎を2種類グラスでいただくことができます。

焼酎が飲める人ならもう絶対焼酎がおすすめですね。
それ以外は、ビールの中瓶とアサヒスーパードライの生ビール。グラスワインや酎ハイと一通りのお酒は揃っています。日本酒も一応あります。

夕食は鍋料理と釜飯、デザートが特においしかった

夕食の開始時刻は「18時」「18時30分」「19時」から選びます。

各テーブルの間に衝立が設置されていました。
以前はなかったので感染症対策のためだと思いますが、他のテーブルからの視線も遮ってくれるので、1人客的には二重にありがたいですね。

お品書きはこちら。前菜の内容まで詳しく書いてあってうれしい。

お酒は最初から冷酒にしました。

阿蘇の日本酒「れいざん」を。すっきり辛口で飲みやすいお酒です。

前菜盛り合わせ。

上から時計回りに「糸瓜の胡麻クリーム掛け」「山雲丹どうふ」「海老艶煮」「鶏レーズン松風」「よもぎ田楽」「枝豆団子」「クリームチーズ鯛わた掛け」

クリームチーズに鯛の酒盗を添えた前菜を見た瞬間に「これは1杯目から日本酒だわ」と思いました。

いただきます!
やはり、辛口の日本酒によく合いうれしい。

お刺身は山女魚あらい。

菊の散らしたあしらいも美しいですね。臭みなどまったくなくおいしい。

温物は「里芋饅頭湯葉餡かけ」です。

グリーンピースと紅葉麩がきれい。生姜が効いています。

鍋物は「球磨の黒豚ロース茶しゃぶ」

黒豚のロース肉と葉物野菜、それに「たもぎ茸」という黄色い大きな茸を、タジン鍋で蒸し焼きにしていただきます。あっさりした出汁で野菜と茸をたっぷり食べられるヘルシーな鍋です。

たもぎ茸は抗酸化作用がある茸だそうで、このあたりで栽培されているんだそう。

焼き物は山女魚の塩焼き。

人吉は鮎の産地なので「9月だし鮎が出るかも……」と少し期待していたのですが、残念ながら獲れなかったそうで山女魚に。まあ、数日前に台風が来たばかりですしね……。

お凌ぎは茶碗蒸し。

天ぷらは、とうもろこしとオクラ、それから椎茸と海老のすり身を合わせて揚げた物。後から熱々を持ってきていただきました。

そして、卓上で炊き上げる釜飯です。

「地鶏と茸と薄揚げ」という、間違いのない組み合わせ!

「つぼん汁」という、鶏肉、里芋、牛蒡などが入った具沢山な醤油味の汁物と一緒にいただきます。これがどちらもおいしくて……お腹いっぱいなのに釜飯けっこう食べてしまいました。

最後のデザートもしっかり!

「洋梨のソルベと球磨栗のモンブラン 最中仕立て」
ソルベが冷たいので、かじって食べるのに少し難儀しましたが、洋梨のソルベとモンブランの他に抹茶のわらび餅や生麩、ラズベリーなどいろいろな味と食感のものが入っていて、それが不思議と調和していて大変おいしくいただきました。

朝食はカレーがなくなって残念!だけどおいしい朝食でした

朝食も同じ食事処で、開始時刻は「7時」「7時30分」「8時」から選べます。九州の宿は朝食が遅い宿が多いので、7時から用意していただけるのはわりと珍しい気がしますね。

昨夜と同じ席に箱膳とその他のおかずが並べてありました。席に着いたところでご飯と味噌汁を持ってきてくれ、コンロに火を点けてくれます。

飲み物と納豆や生卵などのご飯のお供は自分で取りに行く方式です。

ちなみに、人吉旅館の女将さんは韓国の方なので、キムチは本格的でかなりおいしいです。

キムチと納豆と生卵をいただきました。

実は、以前はサラダやカレーもバイキングになっていたのですが、感染症対策のためかサラダは他のおかずと一緒に席に置いてある方式に、カレーはなくなってしまったようでそれだけは残念……。

こちらが2019年に人吉旅館の朝食でいただいた「馬肉のカレー」です。

わりと辛味もあるのに食べやすくて、生卵を入れて食べていました。いつか復活するといいな……。

カレーはなくなりましたが、おかずは以前より豪華になった印象です。

以前は、箱膳の中身はこんにゃくの刺身とかしらすなどでしたが、煮物やお浸しなど手のかかる料理が増えて、おかずの種類も多くなっています。

実は、以前は韓国人観光客が多かったのですが、2022年9月時点だと日本人のお客さんばかりだったので、和食に寄せていたのかもしれないですね。韓国からのお客さんが増えてきたら、カレーが復活する可能性も、あるのかもしれません。

サラダやヨーグルトは、以前はバイキングで取っていたけれど、個人的には最初から盛り付けてあったほうが楽でいいですね。

山女魚の一夜干しをコンロで焼いていただきます。

こちらは一度火を通してあるそうで、軽く炙るだけでOK。

鍋の中身はできたてのお豆腐。熱々をたれにつけていただきます。

お腹いっぱいになったところで最後にコーヒーをいただいて、大満足で朝食を終えました。

【再訪したい度】★★★★★ 以前と変わらない宿泊料金で一人泊できることに感動

1階すべてが水に浸かるという豪雨災害から約2年での完全復活。
奇跡のように感じますが、筆舌に尽くしがたい、大変なことだったと思います。

水に浸かった床や設備は新しくなり、さらに露天風呂も増えて、食事の内容などは以前と変わらない満足度をキープ。つまり豪雨災害前よりもハード面でかなりパワーアップしています。

実を言うと以前は「お湯も建物もすばらしいけど、脱衣所や浴室の古さが気になる人もいるかも」と感じていました。お湯も料理もいいし個人的には大好きな宿だけど、いわゆる「女性の一人旅」にはおすすめしにくいかも……と思っていたのです。

しかし、浴室が明るくきれいになってアメニティ類も以前より良くなり、露天風呂もついて、現在は女性の一人旅にも自信を持っておすすめできる宿になりました。

女将さんの話では「以前いたスタッフが高齢になり引退したため、外国人スタッフが多くなった」とのことでしたが、部屋への案内などは以前からいた方が担当してくれましたし、接客面で特に不満を感じるようなこともありませんでした。

災害からの復活を経て、宿泊料金が上がっても仕方ないだろうと思っていましたが、以前とほぼ変わらない料金で1人で泊まれることに感動しました。

一人泊可能なのは基本的には平日のみですが、ぜひ多くの方に泊まっていただきたい宿です。

【1人旅に優しい度】70点:以前より「女性の一人旅」におすすめしやすい宿になった

泊まりやすさ 10/20
基本的には平日のみ1人泊可能。今後どうなるかはわからないが、以前は予約が少ない時期の土曜日に、スポット的に1人泊のプランが出ていることもあった。

食事場所の配慮 15/20
朝夕食事処でいただくが、テーブル毎に衝立があるので1人でも周りに見られる心配はなく、気楽に食事を楽しめる。

プランの選択肢 20/20 
1人で泊まっても2人以上で泊まっても選べるプランの数は同じ。

ドリンクオーダー  10/20
グラスオーダー可能な焼酎が10種類ほどあり、焼酎好きなら1人でもかなりいろいろ楽しめる。焼酎が飲めないとなるとややラインナップ的に寂しい感じ。

フリーWi-Fi完備 15/20
Wi-Fi提供あり。速度も問題ないレベル。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。