由布院温泉 山荘 無量塔
山荘無量塔(さんそうむらた)は、湯布院温泉の中でも「御三家」と呼ばれる高級旅館で、由布院の駅から徒歩だと30分ぐらいかかる、由布岳の麓に近い高台の上にあります。
高級旅館だけあってかほとんどの館内施設は宿泊者専用なのですが、ラウンジの「Tan's bar」だけは、ティータイムの9時から18時までの間のみ、外来でも利用が可能です。
2016年12月に立ち寄って、名物のロールケーキをいただいてきましたので、レポートしたいと思います。
カフェ利用だけでも山荘無量塔の素晴らしさを垣間見れるTan's barに、ほろ酔いで立ち寄る
黒川温泉から九州横断バスで由布院に着いたのはお昼過ぎ、駅前の喧噪を避けてタクシーに乗り、山荘無量塔が経営する日本蕎麦店「Murata不生庵」で昼食をいただきました。
地鶏のとり天が最高においしく、由布院の街を見下ろせる席で気分も盛り上がり、日本酒を一杯。
「九州って日本蕎麦のイメージぜんぜんなかったけど、さすが山荘無量塔だなあ」
などと思いつつ、いい気持ちでお店の外に出ると時間は13時半というところでした。
さて、なんとなく考えていたのはこの後、近くの宿で一軒、日帰り入浴をさせてもらって、その後別府に向かうという予定だったのですが。
どうしよう、ちょっと酔っぱらっちゃったなー。
ここはお風呂の前に一杯、酔い覚ましにお茶でもいただきたいところ。
よし、ここまで来たんだからそれはもう、あそこしかないでしょう!
Murata不生庵から山荘無量塔までは徒歩3分。
まあ、同じ敷地内のようなものです。
由布岳を眺めながら歩いていくと……
まもなく、山荘無量塔と書かれた門が現れました。
Murata不生庵も経営は山荘無量塔なのですが、敷地は一応別ということなんでしょうかね。
門から少し先に進むと、宿のフロントのある棟の前に来ました。
まだ、宿泊客のチェックインには早い時刻なんですが、こちらの建物の前には必ず、 山荘無量塔のスタッフが立っていて「ラウンジのご利用ですか?」と声をかけてくださいます。逆に言えば、勝手にずかずかと入っていくことはできないのですw
「はい。お茶したいのですが、大丈夫ですか?」と答えると「ではこちらへどうぞ」と、中に案内していただけます。
こちらの写真の左奥に写っているのが、山荘無量塔のフロントですね。
手前がウェイティングスペースで、暖炉が静かに燃えていました。
「お席を確認してまいりますので、こちらでお待ちください」と言われて、ウェイティングスペースでしばし待ちます。
「席を確認しなければならないほど混んでいるのかしら……」と少々不安になりますが、ややあって「こちらへどうぞ」と声がかかります。
フロントの前を通り、奥の、椅子が2つ置いてあるほうへ。
奥にある椅子の右手に階段が数段あり、その先が目指すTan's barです。
山荘無量塔の世界感にひたれる、すばらしいTan's barの内装
混んでいるのかな?と思いきや、先客は2組ほどでした。
今回案内されたのは、暖炉を目の前にした、革張りのソファ席です。
こちらの記事によれば、暖炉前の椅子はカッシーナだとか!そうだったのか。。。
Tan.s Bar(無量塔・湯布院) ジノリのベッキオホワイト カッシーナの椅子 | (株)地域活性化プロジェクト
暖炉にはちゃんと薪がくべられていて、燃えさかるというほどではありませんが、ちろちろと小さい火が見え隠れしていました。
フロア内には趣味のよいクラシック音楽が柔らかな音で流れていますが、音の出所は暖炉のそばにある、こちらのスピーカー!
音響製品に詳しくないので「大きな、立派なスピーカーだな」としか言えないのですけども。
私の席はこちらのスピーカーの目の前だったので「しまった音がうるさいかな?」と思ったんですが、ほどよいボリュームのせいかスピーカーが良いものだからか、それともほろ酔いのせいかわかりませんが、心地よい音楽を楽しむことができました。
公式サイトによれば
ティータイムはクラシック、バータイムはJAZZを中心に1930年代のアメリカ製劇場用スピーカー、WE16Aホーンが奏でる重厚な音楽もお楽しみ下さい。
とのこと。アメリカ製劇場用スピーカーなんですね。
天井の梁も美しいです。
暖炉の前は革張りのソファ席でしたが、窓に近い席は木のテーブルと椅子が整然と並んでいました。
テラス席もあるみたいですね。外のテーブルに座ってる方の姿も見えました。
こちらが、暖炉よりもエントランスに近いほうの席です。
このあたりの、光のあたり具合とか雰囲気がすばらしくよかったです。
エントランスに最も近い部分はカウンター席になっていて、お酒のボトルが並んでいました。
出典:Tan.s Bar(無量塔・湯布院) ジノリのベッキオホワイト カッシーナの椅子 | (株)地域活性化プロジェクト
バータイムは宿泊者専用になりますが、お店の雰囲気がとても良いので、夜も来てみたくなってしまいますね。
Tan's barのカフェタイムメニュー。名物のPロールのほか、数種のデザートがいただける
さて、Tan'sbarのメニューです。まずは飲み物のメニューから。
コーヒー、紅茶、カフェオレにジュースなど、目新しさはないけれど基本を抑えたメニューが並びます。
うーん、コーヒーは1種類だけど紅茶は3種類あるから、ここは紅茶を注文しておこうかな。。。
こちらはホームメイドのデザートメニューです。
名物のロールケーキ「Pロール」は、コーヒーか紅茶とセットで1180円。
その他に、チーズケーキやプチマカロンのセットメニューもあります。
デザートメニューはこちらにも。
パンナコッタ、キャラメルのアイスにショコラ盛り合わせと、こちらもなかなか魅力的。
ショコラ盛り合わせは、こちらも山荘無量塔でプロデュースしているチョコレート専門店「theomurata(テオムラタ)」で作られたもの。
このチョコレートもかなり気になったのですが、テオムラタにはカフェも併設されているので、どうせならチョコレートをいただくならいつか、そのカフェでいただきたい気もしますな。。。
アルコールのメニュー。
生ビールはキリンの一番搾り。
あとはエビスとギネスの小瓶と、グラスワイン・グラスシャンパン。
お安くはないけれど、ホテルのラウンジとしては平均的な値段のように思いました。
夜にはバーになるお店ですので、お酒は夜に……というところでしょうか。
とは言え、晴れた昼間にワインやビール、シャンパンを飲んでほろ酔い気分になるのはとても気持ちがよいですから、このすばらしく素敵な空間で昼間からお酒が楽しめるのはいいですね!まあ、私はさっき蕎麦屋で日本酒飲んで来ちゃってもうほろ酔いなんだけど!w
初志貫徹で、名物のロールケーキ「Pロール」と紅茶のセット1180円を注文して待ちます。
山荘無量塔の、そしてTan's barの名物Pロールはかなりの厚さだった
ほろ酔い気分で革張りのソファにもたれかかり、目の前の大きなスピーカーから流れてくるクラシックを聞きながら待っていると、まもなくロールケーキ「Pロール」がやってきました。
なかなかの分厚さ!
周辺に粉砂糖がまぶしてあるところが素敵!
ややあって紅茶も。3種類の中から選んだのは「セイロン・ウバ」です。
ぶ厚いロールケーキをフォークで一口大に切り分けると、 ふわっふわで、けっこう弾力あり。
口に入れると、生地はしっとりしており、わりとあっさりめのクリームとよく合います。これはおいしい。。。
紅茶も薫り高く、ロールケーキによく合います。
ポットサービスじゃないのはちょっと残念、と思ったけど、よく考えたら、このぶ厚いロールケーキと紅茶を、ホテルのラウンジでいただいて1180円ってけっこうお値打ちですよね。
こういう「お得かお得じゃないか」とかを考えてしまうから、なんだか所帯じみてお洒落じゃない旅行記になってしまうのだけど、女子だから仕方ない。酔ってるし。。。
ただ、セイロン・ウバはミルクティにするとおいしい紅茶葉だから、ミルクをつけてほしかったなあ。。。紅茶を単品で頼んだらついてきたのだろうか。あるいは「ミルクいただけますか?」と聞けばよかったのだろうか。
そういうとき、自分から「ミルクください」と言えないのよねー。もう、酔いにまかせて言っておけばよかったよw
ちなみに、初めて1年前に初めてTan's barに来たときはチーズケーキのセットをいただきました。
実は、山荘無量塔に来たのは今回が初めてではなく、約1年目にも来ているんです。
そのときは、窓際のテーブル席に座りました。
そのときもやはり、時間がゆっくりと流れているような錯覚を覚え、気づいたらけっこう長居してしまいましたよ。お酒も飲んでいなかったのにね。。。
初めて来たときは、チーズケーキを注文しました。
というのも私、ある理由でロールケーキがあまり好きじゃないと、思い込んでいたんですよね。
そしてそのときもセイロン・ウバを頼んだんだけど、やっぱりミルクはついてこなかったんだな。。。
とは言え、チーズケーキは滑らかで、濃厚で、本当においしく。
大変おいしいので、3ピースぐらい食べれそうだなって思いました。
今回も、前回も、本当にゆったりとした時間を、楽しませてもらいました。
さて、酔いもほどよくさめたところで、近くでお風呂に寄っていきますよ!
【再訪したい度】★★★★★ 由布院御三家にカフェの中で、一番雰囲気がいいのはTan's barだと思う
今回の旅では、山荘無量塔にしか立ち寄りませんでしたが、実は由布院御三家と呼ばれる残り2つの旅館「亀の井別荘」と「由布院玉の湯」にも、外来利用できる素敵なカフェが併設されています。
以前来たときにその2軒のカフェにも立ち寄っているのですが、どのお店もそれぞれにすばらしいけれど、店内の雰囲気やインテリアなどは間違いなく、このTan's barが最高だと思っています。
ケーキ類が「コーヒーor紅茶」とのセットでの提供のみだったりと、ややメニューに自由度が少ないですが、お味も良いですし、お値段も納得のいくものです。
以前いただいたチーズケーキも大変おいしかったですが、今回いただいたロールケーキも「ロールケーキってあんまりおいしくないよな」という私の思い込みを見事に払拭してくれました。とてもおいしかったです。
Pロールは、由布院駅からすぐのB-speakでも買うことができる
由布院駅から6分歩いたところに、B-speakというロールケーキの専門店があり、Pロールはそこで購入することができます。
というよりも、Pロールのほうが実はTan's barよりもずっと有名で、Tan's barは「Pロールを並ばなくてもイートインでいただけるカフェ」として紹介されていたりもしますw
こんな感じの小さなお店なんですが、いつも人で賑わっています。
Pロールを紹介した看板が飾ってありました。
でも、当然のように売り切れw 月曜日だというのに。。。
開店と同時に行列ができて、すぐに売り切れてしまうことがほとんどのようです。
さすがに、朝から並ぶほどはロールケーキに情熱を傾けられない私。。。
でも、Tan's barに来れて、ゆっくりと、名物のロールケーキをいただけて本当によかった!
いや、由布院って、たぶんこの「Pロール」のせいだと思うんですけど「ロールケーキが名物」ということになっているみたいで、駅前に何軒かある観光客向けのカフェでも、ロールケーキを出している店がいくつもあったんですよね。
でも、残念ながらそれはあまりおいしいロールケーキではなくて。
どこの店か忘れてしまったけど、2回も食べたんですw
その2回がそんなにおいしくなかったので「ロールケーキって別においしくないよな」と思い込んでしまい……それで初回にTan's barに行ったときは、ロールケーキを食べなかったんですよね。
本物はやはり違いましたね!
こうやって写真を比較すると、見た目からして、生地のきめ細かさが違いますもんね。。。
山荘無量塔、いつか、いつか泊まってみたいなあ。