由布院温泉 杜の湯 ゆふいん泰葉
ゆふいん泰葉は、2000年に開業した新しい比較的新しい旅館です。元は企業の保養所だったのを、別府で旅館を営むオーナーが買い取って始めた宿だそう。
敷地内に自噴する温泉は、メタケイ酸豊富でトロトロした肌触りの、いわゆる「美肌の湯」なのですが、それよりも何よりも魅力的なのは、そのお湯が日によって青く見えることです。
日帰りでも気軽にかけ流しの「青湯」を楽しむことのできるゆふいん泰葉で、由布院温泉の締めくくりに、日帰り入浴してきました。
ゆふいん泰葉をはじめ、由布院駅から徒歩30分ほど離れたエリアでは、青湯に入れる宿がいくつかある
別府・由布院・黒川温泉旅行の最終日。
黒川温泉からバスで由布院に移動した私は、由布院御三家と称される宿の1つ「山荘無量塔(さんそうむらた)」に向かい、併設の日本蕎麦店で昼食をいただき。
さらに、山荘無量塔の外来利用可能なラウンジでお茶をしながら、さてこの旅の最後のお風呂はどこでいただこう、と考えていました。
というのも、黒川温泉で最後に立ち寄り入浴した宿では、あまりの混雑にまったくくつろげなくてですね……。
有名旅館ゆえ、仕方のないことだったのかもしれないですが、この旅で最後に入る温泉が、さっきの激混みの洞窟風呂だったらちょっと嫌だなあ……という気持ちになってしまいまして。由布院か別府でもう一湯、間違いのない、いいお湯につかってから帰りたいなと考えたのです。
そこで選んだのが、お茶をいただいていたTan'sbarからもほど近い、青湯の源泉を持つこちらの宿「ゆふいん泰葉」でした。
青湯って、何か心惹かれませんか?
私は惹かれます。。。だってあんまりないからw
東京から遠く離れた別府・由布院エリアに、何か心惹かれて何度も足を運んでいるのも、このエリアに青湯の宿が多いから、というのも理由の一つなんです。
絶景露天風呂で有名な、いちのいで会館を始めとして、別府にもいくつかの青湯の宿がありますが、由布院エリアにも青湯に入れる宿があります。おそらく一番有名なのは庄屋の館ではないでしょうか。
広い露天風呂一面が青い湯で満たされている様子は、なかなか壮観です。
庄屋の館にも何度か行ったことはあるのですが、有名宿ゆえ、平日でも日によってはけっこう混み合っていることが多いのですよ。
普段ならそこまで気にすることはないんですが、何しろ今朝、あまりにも混んでいるお風呂でちょっと疲れてしまった後だったのでね。。。なるべく空いているお風呂に入りたい!と思い、空いていそうなところで選んだのがゆふいん泰葉でした。
このとき時間は14時過ぎ。宿泊客のチェックイン時間には少し早いし、何しろ月曜日だし!きっと大丈夫!空いてる!!
と念じながら、ゆふいん泰葉の前に着きました。
ゆふいん泰葉の日帰り入浴は、今回は宿のフロントでの受付だった
ゆふいん泰葉に日帰り入浴に来たのは、今回がたしか3回目なのですが、以前来たとき受付は、宿泊客用のフロントとは別のところにありました。
↑上に掲載した写真は、宿泊客用のフロントのある本館で、こちらが正面玄関なんですが……ここからは入らずに、坂道を少し下ります。
湯けむりがもうもうとたつのを眺めながら、坂をしばらく下りますと……。
この道を下ってきました。
道の左手前に、正面玄関よりも小さな門がありますね。
こちらが、日帰り客用の入り口です。
宿泊者も日帰りでも利用できる「タイ古式マッサージ」の設備もこちらにあります。
で、こちらの門から入るとすぐに、日帰り入浴客用の受付があるはずなんですが……。
「本日家族湯・内湯フロントにて受け付けます」うぉーい!マジかーーーー。そんな日もあるのね……。
でもきっと、月曜日で日帰り客があまり来ないから、わざわざ受付を分ける必要がないってことでしょうなきっと。前来たときはたしか、週末だったからな。。。
なので、坂道を下りてきたぶん、また上ります。
来た道をまた戻るのもアホらしいので、今度は建物の中を戻りますよ!
けっこう距離あるんだこれが……大変広い敷地の旅館なんですよ。。。
着きました、フロント。
中に入り、フロントで日帰り入浴の受け付けをします。
ゆふいん泰葉の日帰り入浴の料金と、営業時間は?
ゆふいん泰葉で日帰り入浴が可能なのは、男女別の小浴室と、貸切露天風呂です。
利用料金は、小浴室は時間制限なしで700円。
貸切露天風呂は、50分の利用で、川側の露天が2500円、山側の露天が2000円です。
営業時間は10時から21時までとかなり長いのですが、これは宿泊客用の浴室と、日帰り入浴用の浴室が完全に分かれているからです。宿泊者が日帰り入浴用の貸切風呂を使いたい場合は、日帰りのお客さんと同じだけの別料金での対応になるんだそうで、徹底していますね。でも、すばらしいことだと思いますよ。
日帰り入浴客を長時間受け入れていると、宿泊客がチェックインした後も浴室が混雑してしまい、宿泊客に不満が出たり、清掃時間が十分に取れなかったりという弊害が出ることがあります。
たとえば黒川温泉では、ほぼすべての旅館が「8時30分~21時まで」という、かなり長時間日帰り入浴を受け付けていますが、そのために、浴室をいつ清掃するかには苦労されている旅館も多いようでした。
たとえば、昨日宿泊した「御客屋旅館」さん。
何から何まですばらしいお宿でしたが、入浴可能時間が夜は23時まで、朝は6時からと、やや短めなのです。
ホームページを見るとこれは「長時間日帰り入浴を受け付けているため、浴室の清掃を深夜にせざるを得ないため」なんだそうで。
いつ清掃しているんだかわからないような状況になるのよりはずっといいですが、やはり、宿泊者が利用する浴室で、長時間の日帰り入浴を受け付けるのは大変だよなあと思ったりもして。
でもその点、こちらのゆふいん泰葉さんは日帰りでも宿泊でも、それぞれのお風呂にゆっくり浸かることができるわけですね。すばらしい。。。
今回は貸切風呂ではなく、小浴室を利用することにしました。
貸切風呂も空いているので利用可能とのことでしたが、おそらく今日は、男女別の小浴室でも混んではいないでしょうし、小浴室を利用することにしました。
小浴室であれば、時間制限もなく思う存分のんびり入れますしね。
小浴室の脱衣所には鍵付きのロッカーはないので、フロントで貴重品を預かっていただきました。
受け付けが終わると、さっき通ってきた通路をまた戻って、日帰り客用の小浴室へ向かいます。
ちなみに、男女別の小浴室を利用した場合、待合室のような場所は特にないのですが、屋根付きの足湯があって自由に使えるようになっていますから、カップルやご夫婦で来た際も足湯で待ち合わせをすることはできますね。
常に新しいタオルが用意されています。とても親切!
天気が良ければ、テラスのような場所があってテーブルと椅子も置いてありますので、こちらで待つのもいいですね!
ゆふいん泰葉さんの庭からは、由布岳がとてもきれいに見えますし。
では、さっき上ってきた階段の通路をまた下って、日帰り客用の小浴室に向かいます。
屋外の通路ですが、しっかり屋根がついていますので、雨の日でも濡れる心配はありません。
小浴室に向かう途中には、日帰り入浴客用の貸切露天がある建物が見えます。
あっちにもいつか入ってみたいけど、どうせなら小浴室が混んでそうな日にしよう♪
着きました、こちらが小浴室です。
手前が男湯、奥が女湯ですね。
ではいざ!入ってみましょう♪
ゆふいん泰葉の小浴室を貸切状態で楽しむ。青湯はどのぐらい青いの?
女湯の扉を開け、中に入ると脱衣所はこんな感じです。
わーい!思ったとおり、誰もいません♪
脱衣かごが6つ並んでいる、シンプルな造りです。
奥には洗面台があります。
化粧水や乳液などのアメニティは特に置かれていないので、持参したほうがいいでしょう。
ドライヤーは、普通に使えるものが置いてあります。
ゆふいん泰葉さんの青湯は、郡司勇さんよりお墨付きをいただいたんだそう。
しかし、郡司さんがこちらの青湯にどんな感想を持ったのかが書いてあるのかと思ったら、郡司さんのプロフィールしか書いてなかったよw
そう言えば、こちらの宿「九州八十八湯」の対象施設なんですよね。
郡司勇さんは、九州八十八湯の選定委員の1人ですから、彼の推薦で対象施設に選ばれたのかもしれませんね。
郡司さんの感想は書いてありませんでしたが、ゆふいん泰葉さんの公式ホームページには、温泉名人の齊藤雅樹さんのコメントがありました。
「湯以外の部分で絶賛されることの多い由布院で、温泉地の本文である「湯」自体が素晴らしいことを示した白眉の旅館」と称されており、かなり賞賛されていましたよ♪
脱衣所のガラス戸から浴室の中が見えて、期待が高まります!
ではいざ、浴室内へ!
ゆふいん泰葉の小浴室。噂の青湯は濁りのない透明感のあるお湯です
浴室は「小浴室」という名前のとおり、コンパクトにまとまっています。
洗い場が2つに、それほど大きくはない浴槽が1つです。
洗い場。
シャワー設備も新しく、シャンプー・コンディショナー・ボディシャンプーの3点セットが常備されています。
さて、浴槽です。
じゃーん。
ん?青く見えない?
とりあえず、入ってみますよ♪
熱すぎず、温すぎず、適温のいいお湯です。40度ぐらいでしょうか。
小さめの浴室ですが、空調はいいようで湯気もこもっておらず、快適に長湯できそうです。
浴槽内に腰掛ける段差がきちんとあるのもいいですね!私は半身浴で長湯したい人なので、段差の有無はこだわりポイントなんです。
湯口を見てみましょうか。
かなりの勢いで、絶え間なくお湯が流れこんできます。もちろん源泉かけ流しです。
お湯は本当に、新鮮さを感じられる良いお湯です。
よく見ると、湯口には温泉成分が何段も何段も積み重なって固まっているんですね。
こんなはっきり層になっているのを見ることは、なかなかないですよ。。。
成分が多いせいか、トロトロ・ヌルヌル感はものすごいです。phも9.0と、かなりの高アルカリ性のよう。
さて、青いか青くないかと言われると「透明で濁りはなく薄青い湯」というところです。
でも、青っぽさは写真でも感じられますよね。
実は、白濁の硫黄泉なんかもそうですが、青い温泉って湧き出た瞬間から青いわけではなく、空気に触れて時間が経過することによって青さを増していくんだそうです。
先に紹介した庄屋の館なんかは、かけ流しではありますけどかなり広い露天風呂ですので、1日前、2日前に流れ込んだお湯も浴槽内に多く残っているわけです。そのために青さが濃いのですが、こちらの小浴室のように小さい浴槽ですと、青くなる前に新しいお湯に変わってしまうため、濃い青にならないんだそう。
つまり、青くなりきれない青湯はお湯の新鮮さの証で、誇るべきことなんですよね。
でも、ゆふいん泰葉さんのさらにすばらしいところは「あえて青くしたお湯」も用意してあることです。それも「浴槽に入れる新しい温泉を止めるor少なくして数日間浴槽内に古いお湯が残るようにする」というやり方ではなく、タンクの中に温泉をためておき、青くなってから浴槽に流すというこだわりの方法です。
この方法なら、湧き出てからは時間が経っているものの、浴槽のお湯は常に新しく入れ替わるので不潔になったりしないわけです。
ただ、そのお風呂は宿泊者のみが利用できる本館にあり、日帰りでは利用できません。タンクにためておけるお湯の量には限界があると思いますから、それは仕方ないですよね……。
じゃらんから、青くなった露天風呂の写真をお借りしました。
かなり青くなっていますね。
でも、青さはほんのりですけど、日帰り用のお風呂もすばらしいお湯であることには間違いないですよ!ほんのり青いお湯だって、なかなか入れないですからね。。。
しかも、混んでいることがほぼないのもすばらしいです。今回は平日だったこともあり、2時間近くのんびり滞在させてもらいましたが、その間ずっと貸切状態でした。
以前、週末に2回ほど来たことがあるのですが、そのときも私と入れ替わりで1組来ただけでしたよ(というかそのときも時間がゆるす限り1人でお湯を堪能しており、他のお客さんが来たからようやく帰ったんでしたw)
今回も大満足の湯浴みを終えて宿を後にし、徒歩で由布院駅へ向かいます。
【再訪したい度】★★★★★ 青湯がそんなに青くなかったことなんてどうでもよく思えるすばらしい温泉。いつか宿泊してみたい
お湯はもちろんすばらしいですし、サービスも良く「日帰り客の浴室と宿泊客の浴室を分ける」など、宿の姿勢にも大変好感の持てる宿です。
また、近所に「庄屋の館」という有名宿があるせいか、空いているのがいいですね。
いつも空いているので、2000円~2500円払って貸切風呂に入らなくても……と思ってしまい、貸切風呂さえまだ利用したことがないのですが、次回は入ってみようかな。
ゆふいん泰葉さんの公式サイトを見ると、日帰りで利用できる「タイ古式マッサージ60分+貸切露天風呂」の利用で7000円というプランも用意されていました。
タイ古式マッサージ60分は、全身ケアで6400円のコースなので、マッサージが好きな方ならこのプランを利用するのもありかもしれません。マッサージのおまけに貸切風呂がついてくる感じですね。
いつか宿泊してみたいなーと思っていますが、ゆふいん泰葉さんでは平日のみ1人泊も受け付けているのですけど、2食付きで2万7千円ぐらいからと、1人ではなかなか気軽に泊まれる値段ではないですね……。
でも、1人でも露天風呂付きの部屋に宿泊もできるんですよ。3万5千円ぐらいからですけど。。。こういうフレキシブルなところもいいなと思います。そんなプラン出してない宿のほうが多いですからね。
2人で泊まるなら1万7千円ぐらいからプランがあるようなので、いつか誰かと来たいものだと思っています。