温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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藤七温泉 彩雲荘 宿泊記 八幡平トレッキングの前後に泊まりたい!露天風呂が開放感抜群の宿に一人泊

露天風呂から朝焼けを眺められる!標高1400メートルの山の温泉宿

藤七温泉は、岩手県八幡平市の十和田八幡平国立公園内にある温泉です。「彩雲荘」なる一軒宿が、毎年GWから10月下旬ごろまで営業しています。

彩雲荘は標高約1400メートルの高所にあり、東北地方で最も高所にある温泉宿です。周りに視界を遮るものがない開放感抜群の露天風呂があり、混浴ですが湯浴み着やバスタオル巻きで入浴が可能です。

私は特に混浴が好きということはなくどちらかと言えば苦手ですが、湯浴み着着用OKのところであれば混浴時間帯に入ることもあります。そして、これまでいくつか入った混浴温泉の中で、彩雲荘の露天風呂はお湯も雰囲気もすばらしく「これは入って良かった!」と思えた露天風呂でした。

アクセスが良いとは言えず、スマホの電波もあまり入らず、宿の設備は山小屋に近い宿です。万人におすすめはできないのですが、なるべくひいき目無しにフラットにレポートしたいと思いますので、心惹かれた方にはぜひ足を運んでいただきたいです。

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ドラゴンアイを求めて6月上旬の八幡平へ!トレッキング後は極上の温泉が待っている

藤七温泉にはこれまで3度泊まっていますが、3度とも八幡平トレッキングと組み合わせての宿泊でした。

八幡平は道もよく整備され、アップダウンもあまりないため、天気が良い日ならスニーカーでも無理なく歩けるトレッキングコースです。もし、当日の天気が良ければ八幡平に足を運んでからチェックインするのがおすすめです。

今回は6月上旬の宿泊でしたので、八幡平の頂上付近で5月下旬から6月上旬のわずかな期間だけ眺められるという「ドラゴンアイ」を見れたら……と思いつつ訪ねました。

盛岡駅から「八幡平自然散策バス」に乗り、八幡平頂上バス停で下車

藤七温泉に行くとき、私は毎回、盛岡駅を午前9時過ぎに出発する「八幡平自然散策バス」なるバスに乗車します。

朝早い出発となりますが、このバスが唯一「八幡平頂上バス停」そして「藤七温泉」に乗り換えなしで行ける直通バスなのです……。東京から始発の東北新幹線に乗って盛岡駅に着いても間に合う時刻で設定されています。

八幡平自然散策バスよりも遅い時間帯のバスに乗っても、八幡平頂上まで行くことはできるのですが、途中で乗り換えが必要となります。詳しくは岩手県北バスの「盛岡~八幡平エリア」のページをご参照ください。季節によっても少し時刻表が変わりますので……。

八幡平自然散策バスの車両後部には、ドラゴンアイの写真がラッピングされていました。

しかし、今日はあまり天気も良くなさそうだしこんな青くてきれいなドラゴンアイは難しそうですね。ここまできれいな青は、空が青い日じゃないとね……。

自然散策バスに乗って約2時間。11時ごろに八幡平頂上バス停に到着。

頭上には今にも雨が降り出しそうな厚い雲。
ちなみに、自然散策バスは藤七温泉の前も通過するのですが、そこで下車すると午前中のうちに宿に着いてしまうので、トレッキングするつもりはなくても1度八幡平頂上まで来てしまったほうがいいと思います。歩かなくても展望台とかお土産屋さんとかありますし、宿に電話すれば八幡平頂上までは迎えに来てくれますので……。

もちろん、早く宿についてチェックイン前にお風呂に入ってしまうのも手でしょうけれど、当日の宿泊客であってもチェックイン前の入浴で日帰り入浴料金を別途徴収されるのか?は、やったことがないのでわかりません。

さて、ドラゴンアイです。

雨が降り出さないことを祈りつつ、歩き始めます。

ドラゴンアイは、こちらの案内図の中央から少し左寄りの場所にある「鏡沼」に現れます。まずは鏡沼に向かってその後山頂を経由し、それからどうするかは天気を見て決めましょうか……。

歩き始めると、登山道沿いに鮮やかな紫色のミヤマスミレが咲いていました。

15分ほどで早くも鏡沼に到着します。

ドラゴンアイは霧に包まれ、開眼まではもう少し時間がかかりそうです。
まあ、天気も良くないし今日はこんなものよね……と思いつつ、山頂方向へ。こういう季節ものは「見れたらラッキー」ぐらいの気持ちで来ているので、見れなくてもそんなにがっかりはしません。

鏡沼を通過するころから、登山道に残雪が増え始めました。
私は今回、ローカットのトレッキングシューズを履き、登山道の状況によっては滑り止めのチェーンスパイクを着けるつもりで持ってきていましたが、チェーンスパイクまでは必要ないかな。このあたりはスニーカーならギリギリ、革靴だとさすがにちょっとつらいでしょうね……。雪がなければ、ヒール靴でなければまあ、なんとかなる場所なんですけれど。

10分も経たずに八幡平の最高地点へ。登山口から20~30分ほどで着きました。

展望台に上ると、天気がいい日は岩手山や秋田駒ヶ岳の周辺の山々を眺めることができますが、今日は雲に隠れています。

山頂を経由し、八幡平で最も大きな沼「八幡沼」のほうに行ってみることにします。

天気が良ければ沼の周辺にあるトレッキングコースを歩くつもりですが、見事に真っ白。沼の姿がまったく見えません。

側にあるガマ沼のほうは多少霧が薄く、雪が溶けた沼の中に、青のようなグリーンのような水をたたえている姿を眺めることができました。

ガマ沼を眺めた後は登山口に戻ります。ここから藤七温泉までは車道を20分ほど下っていけば着くので、まだ時間も早いし歩いていくことにします。

少し標高を下げると霧は嘘のように晴れ、本日の宿、藤七温泉彩雲荘が見えてきました。

宿に着くと青空まで見え……八幡平登山口から20分しか歩いていないのにこんなに天気が変わってしまうのかと驚きました。チェックイン可能となる15時には少し早いのですが……入ってみたいと思います。

【部屋】★★★ テレビなくスマホもつながりにくい、山小屋の個室と思ったほうがいい

彩雲荘の玄関はこちら。

玄関前に自動販売機が置いてありますが、飲み物の値段は市価と変わらないですね。

旅館の自販機&不便な場所ということで少し高くなっていても不思議ないのですが……良心的。

彩雲荘は8時から18時までというけっこう長い時間日帰り入浴を受け付けているので、受付には誰かしらいます。このとき、実はまだ14時ぐらいだったのですが「宿泊を予約している」と言ったらチェックインさせてもらえました。

今回宿泊するお部屋は本館2階の3号室。
実は、前回2017年の9月に泊まったときも同じ部屋でした。1人部屋なんでしょうね。

客室棟の廊下はピカピカに磨かれています。部屋ごとに八幡平に咲く花の名前がついており、その花の写真が飾られていました。3号室は「イワオトギリ」で、夏に咲く黄色くてかわいいお花です。

部屋に入ると、布団が既に敷いてありました。これは前回も同様でした。

自分で敷くよりも私は、敷いてあったほうが楽で好き。すぐ橫になれるし……。

部屋にテレビやエアコンはなく、暖房は石油ストーブです。

自家発電で電圧が安定しないため、電気製品が故障しやすいんだそうです。
自家発電ではなかったとしてもここの温泉は硫黄泉なので、温泉の成分で電化製品はダメになりやすそうですしね……必要最低限のものしか置かないほうがいいですよね。

ちなみに、部屋にはコンセントが2口あります。押し入れの前に。

なのでスマホやデジカメの充電はできます。山小屋と思えばいいお部屋ですね。
スマホの電波は、ドコモはあまり速度は出ないですがギリギリ部屋でも入りました。というのもこの部屋「館内で最も電波が入る」ロビーの真上にあるんですよね。だから入るんでしょうけど、他の部屋でもスマホが使えるかはわかりません。もちろん、Wi-Fi設備もありません。

浴衣と帯に羽織り、ティッシュもありますし。チャッカマンは、石油ストーブを着けるときに使うようです。

浴室へ移動するときに使うカゴやバスタオル、フェイスタオルと歯ブラシもあります。このへんはちゃんと旅館です。

ちなみに、彩雲荘の混浴露天風呂には「湯浴み着もしくはバスタオル巻きで」入ってもいいのですが、お部屋に置いてあるこちらのバスタオルを巻いて入ってはいけません。

私は湯浴み着を持参しましたが、フロントで体に巻く用のタオルを販売(税別1000円)していますので、持ってこなかった場合は購入する必要があります。

ポットにはお湯が入っており、お茶セットもあります。

お茶うけはもろこし。客室内の設備は以上です。

あとは、共同の設備として廊下に100円が戻ってくるタイプのコインロッカーが。

部屋に金庫がない代わりなのかな?と思ったのですが、部屋に鍵はかかるので、あまり意味ないような気もするけれどどうなんだろう……。

それから、トイレと洗面所。

洗面所には石けんやハンドソープも設置してあり、ドライヤーも、Panasonicのものが置いてありました。

トイレはウォッシュレットではありませんがウォームレット。きれいに掃除されていました。

また、彩雲荘には「自炊プラン」はなく、周りに飲食店もないので基本は食事付きの宿泊になるのですが、炊事場らしき場所もありました。

と言っても、部屋にはなかった電気ポットが置いてあるだけですが……。カップラーメンなんかを食べるために熱々のお湯がほしいときは、電気ポットのお湯を利用できますね。

休憩所には自動販売機があり、ドコモの電波が安定して入る

本館の1階には案内図に「ロビー」と書かれた場所がありまして、まあ「休憩所」なんですが、以前はここにテレビが置いてありました。

壊れてしまったのか、今はないようです。

ただ、このスペースではドコモの電波がよく入るんですよね……。増幅器とか置いてあるのかもしれませんが……。チェックアウト後、バスまでの時間館内で待たせてもらったのですが、電波が入るので私はずっとここにいました。

休憩所の橫には自動販売機も設置してあります。ソフトドリンクは市価ですが、ビールは少し高いようです。

【風呂】★★★★☆ 開放感抜群の混浴露天風呂は足元湧出!宿泊客専用露天風呂も良い

さて、スマホの電波もあまりない山奥ですから、とにかくお風呂を楽しみたいところです。

館内の浴室の案内図はこちら。

玄関を入って右側に男女別の内湯と混浴の露天風呂。
混浴露天風呂には浴槽が5つあり、1番奥に女性専用の露天風呂もあります。

宿泊する本館を挟んだ反対側には、宿泊者専用の男女別の露天風呂があります。

彩雲荘で日帰り入浴可能な時間と入浴料金

藤七温泉彩雲荘では「朝8時から夕方18時まで」と、かなり長い時間、日帰り入浴を受け付けています。

登山後に立ち寄って入浴したい方にとってはありがたい宿だと思うのですが、正直に言うと、宿泊する場合、これはやや不満が残る部分です……。

彩雲荘のお湯や浴室については、私は★5つだと思っているのですが、星半分減らして4つ半にしたのは、このためです。

せめて宿泊客がチェックアウトする10時まで受付を待ってくれたらいいのに……と思ってしまいます。

ただ、実際は朝8時から日帰り入浴に来る方はかなり少ないので、私が泊まったときは朝はほぼ宿泊客しかいませんでしたけどね。

入浴料金は「大人650円、小学生以下350円、広間利用での日帰り入浴1,250円 」です。

男女別の内湯でまずは体を洗い、温まる

彩雲荘の浴室で、カランがあって石けんやシャンプーが使えるのは女別の内湯のみです。

なのでまずは内湯に向かいます。内湯と混浴露天は日帰り入浴可能ですので、脱衣所の前にはコインロッカーがたくさん並んでいました。

そして、脱衣所の前にはなんだかすごいモチーフの像が並んでいますがスルーしますね。

内湯と混浴露天風呂は夜通しの利用が可能ですが、午前7時から8時までの朝食の時間帯のみ、清掃のため入浴できません。

脱衣所は、脱衣かごが並んでいるシンプルなもの。

温泉分析表が掲示されていました。

ph3.7の酸性、泉温87度とかなり高温の単純硫黄温泉です。
加温・循環・消毒などはしていませんが、源泉が高温のため加水はしています。

内湯へ。

中央に木の大きな浴槽があり、壁際にカランが並んでいます。

昔ながらの、カランのみの洗い場。シャワーはありません。

リンスインシャンプーとボディシャンプーは設置してあり、体や髪を洗うことはできます。

体を洗って、浴槽へ。

白く濁る硫黄泉は熱めですが、無理なく入れる温度に調節されています。

サラッとした肌触りの藤七温泉のお湯を、まずはゆっくりと味わいながら体を温めました。

混浴露天風呂は湯浴み着着用OK、女性専用時間帯もあり

混浴露天風呂は女湯の内湯から出ることができるのですが、いったん脱衣所に戻って湯あみ着を着用します。

以前はいろんな混浴の宿で販売していたグレーの湯あみ着です。バスタオル巻きよりもこちらのほうが落ち着くので、持参しました。

湯あみ着をしっかり着用して、いざ!混浴露天風呂へ。

こちらは、他のお客さんがいない時間帯に撮らせていただいた写真ですが、実際には、土曜日の午後に日帰りのお客さんが誰もいない、ということはないと思います。

一番奥に小さく見える、目隠しの囲いがされているのが女性専用の浴槽です。

ただ、見てのとおり浴槽が複数あり、どれもけっこう広くて浴槽同士がそこそこ離れています。また白く濁るお湯ですので、誰も入っていない、あるいは女性しか入っていない浴槽に浸かってしまえば、他の人の視線は気になりにくいと思います。

もし、自分が浸かっている浴槽に男性が入ってきそうになったら「空気読んでよねー」という顔をして、女性専用のエリアに行ってしまえばいいや!と思っているのですが、3回泊まって今のところ、1度もそういう目にあったことはありません。運がいいのかもしれないですが……青森の有名な某混浴風呂なんかに比べたら、いわゆるワニ的な人は少ないと思ってみています。

家族みんなで、あるいはカップルで笑い合いながら泥パック(湯の花が浴槽の底に沈んでたまっているので体に塗ると肌がすべすべになる)し合っている人たちが多くて、そういう人たちを遠目に見ていると

「ああ、この混浴はいい混浴だわ。青空の下で家族で一緒に広々した温泉に浸かれるって、混浴露天風呂ならではだよね」

と思ったりするのです。

まあ、女1人客向きの風呂ではないよねとは思うのですが、でも本当に、自然の中でお風呂に入っている気分が味わえますし!

私はビビりなので、旅館の管理が入っていない、ガチな野湯にはこわくて行けない人なんですが、そんな私でもここなら、自然の中での湯浴みが楽しめるのです。

お湯も本当にすばらしくて、常に浴槽の底からぼこぼこと勢いよくお湯が湧き出ていて、足元湧出具合が半端ないのですよ……。

そして、一番端に作られている、女性専用露天風呂がこちらです。

この囲いの中に入ってしまえば人目はありませんので、どうしても気になるなら、ここまで服を着て来てもいいと思うのです。服が濡れないようにカゴとか持ってきたほうがいいとは思いますが。

女性専用の浴槽も、足元湧出でお湯も同じ。囲いを背にしてしまえば眺めもなかなかです。

ちなみに、混浴露天風呂は午後7時30分から午後8時30分の1時間だけ、女性専用時間となります。

天気が良ければ満点の星が見れますから、女性専用時間に入るのもいいと思うのですが、曇っているとただ暗いだけですので、できたら女性の方も日のある時間に、女性専用エリアだけでも楽しめますので、こちらの露天のほうにも足を運んでもらえたらと思います。

あと、夜は本当に真っ暗になるので、ヘッドライトとかあったほうがいいです。

宿泊者専用露天風呂では朝焼けやご来光も眺められる

混浴露天風呂の日帰り入浴時間が長いので「泊まらなくてもいいんじゃないの?」と思われる方もいると思うのですが、宿泊客だけが入れる男女別の露天風呂も、なかなかにすばらしいのです。

宿泊する本館側にあるので、夜間や早朝でも入りに行きやすいです。

こんな感じで、更衣室と露天風呂が配置されています。

更衣室で服をぬいでから木道の上を歩いていきます……が、この木道エリアが開放的すぎて、どこかから見えてしまわないかと少し心配。

気になる方はバスタオルを巻いて移動しましょう。浴槽の周りには囲いがあります。

そして、浴槽にたどり着くと、囲いがあるにも関わらず開放感がすごいのです……。

混浴露天風呂のように足元湧出ではありませんが、山並みを眺めながら、ややぬるめの浴槽にじっくり浸かることができます。

実はこちらの露天風呂では、日の出の時間はご来光や朝焼けが眺められるのです!
館内には、日の出の時刻も掲示されています。朝方に晴れていれば早起きしてぜひ眺めてみたいところ……なのですが、私は3度泊まっているのに3度とも朝は曇りでした。

次回こそは、日の出を眺められるといいなあと思っています。

【食事】★★★★ 岩手の食材・郷土料理が並ぶバイキング。味も良く、私はとても好き

彩雲荘の食事は、こういうタイプの宿では珍しいと思うのですが、朝夕バイキングです。

夕食の時間帯は、以前は18時にほぼ一斉スタートでしたが、コロナ禍以降はバイキング台での混雑を避けるために

夕食:17時45分開始と18時30分開始
朝食:7時と7時30分開始

で、いずれも2部制になっています。
ちなみに、女性なら朝も夕も早いほうを選んだほうがいいと思います。
なぜなら、混浴露天風呂の女性専用時間帯が19時30分からなのと、朝は7時~8時が清掃時間で、清掃終了直後は空いていてゆっくり入れることが多いからです。

そんなわけで今回は17時45分で夕食開始です。
彩雲荘では、お酒は食堂の隣にある売店で購入したものを飲む、山小屋方式です。

「瓶ビール750円」「缶ビール350ML400円、500ML520円」「缶コーラ150円」「缶チューハイ300円」「冷酒865円」「ドラゴンアイビール400円」「ノンアルビール350円」「山ぶどう/ブルーベリードリンク180円」「HI-Cオレンジ130円」など。

私は、以前泊まったときにはなかった「ドラゴンアイビール」をいただくことにします。八幡平市内に醸造所がある暁ブルワリーのビールです。

夕食は山菜や筍料理が並び、カレーがおいしい

バイキングでは、以前は料理毎にトングが置かれていたのですが、今回は「1人1人にトングが渡され、自分のトングで料理を取る」方式に変わっていました。

バイキング台にも、感染症対策のための透明シートが設置してありました。

さて料理です。
ワラビ、たけのこの煮物、ふきの煮付け。

ゼンマイの煮物、姫竹の煮付けなど、山菜・筍料理だけでかなりの数が並んでいます。山菜好きなのでうれしい……。

かぼちゃの煮付け、さやいんげん、ミズの油炒め。

あみ茸、鹿肉味噌煮。山のきのこにジビエなど、山のごちそうばかりです。

鶏の唐揚げ、焼き筍、よもぎ豆腐。

秋田名物稲庭うどんは、自分でお湯をくぐらせて出汁をかけていただく方式。
麺が伸びにくいから、私は自分でお湯をくぐらせていただくの好きです。

白いご飯にカレーもあります。

じゅんさい、アスパラマヨネーズ、トマトのレモン煮、ミニ大福、フルーツ。

がっつりと取ってきてしまいました!

ドラゴンアイ・スカイビールをプシュッと開けて……。

いただきます!

すっきりとした料理の味の邪魔をしないピルスナー。風呂上がりにちょうどいいビールです。

お刺身は「八幡平サーモン」という別名もあるというニジマスの刺身。

筍大好きなので、煮物と焼き筍両方よそってしまいました。唐揚げも大きくておいしい。

今が旬のじゅんさいもたっぷり。つるんとした食感を楽しみます。

「ひっつみ鍋」という、こねた小麦粉を手でちぎって、鶏肉やきのこと一緒に煮た岩手の郷土料理。きのことワラビもたっぷり入っていて味も良いです。

天ぷらも、さまざまな山菜をどんどん揚げてくれたので、熱々でいただけました。

アスパラマヨネーズやトマトのレモン煮もおいしい!野菜が新鮮です。

よもぎ豆腐も、京料理のイメージでしたけど、手作りなんでしょうか。おいしいです。

他の料理はすべて取り放題ですが、岩魚の塩焼きだけは1人1本と決まっています。

ミズの油炒めや筍の煮付けもおいしいなあ……もちろん、蕗も、ゼンマイも……。
山菜好きにはたまらないバイキングです。味付けも全部上手です。

稲庭うどんにも、茹でた山菜をのせていただきます。うれしい。

そして私、ここのカレーも好きなんですよね……毎回食べてます。意外と具沢山で、家のカレーって感じ。朝食でもカレー出してくれたらいいのに……。

19時30分からの女性専用時間帯に混浴露天風呂に入りたいので、夕方はお酒も料理も少し控えめにしないといけないんですよね……それが何とも残念!

女性専用時間帯がもっと別の時間なら、もっとゆっくり料理とお酒が楽しめるのになあと思いつつ、今回もすべておいしくいただきました。

朝食も山菜のおかずと、意外とシウマイがおいしい

朝食も、同じ会場でバイキングでいただきます。
朝も、ゼンマイや筍など山の幸が並びます。

野菜サラダやポテトサラダ、焼き鮭、卵焼き、ソーセージ、シウマイ、納豆、焼き海苔。冷や奴や明太子もあります。

肉好きの私は、このシウマイとソーセージが意外とおいしいのがうれしい。

お味噌汁のほかに、おでんとトロロもあります!どれだけ白いご飯を食べさせるつもりでしょうか。そして朝からちょっとお酒が飲みたくなりました。売店でお酒を買えば飲めますが……。

朝8時に、掃除が終わったばかりの野天風呂に入りたいので、さすがにお酒はがまんしてヨーグルトとコーヒーで朝食を終えます。

湧き水を使っているのでしょうか?彩雲荘のコーヒーはいつもおいしいです。

食後は混浴露天風呂でもう一風呂浴びて10時にチェックアウト。バスの時間までスマホの通じやすいロビーで待たせてもらいました。

八幡平は秋に来ても美しい

今回はドラゴンアイを期待して6月上旬の宿泊でしたが、前回、前々回は秋に泊まっています。

八幡平は秋の紅葉もとても美しいです。ドラゴンアイは見れなかった鏡沼の秋。

こちらは鏡沼の先にある、2つ並んで眼鏡のように見える「めがね沼」です。

ガマ沼の周辺も黄色く色づき始めていました。

6月は霧で真っ白だった八万沼も。

この日も曇りでしたが、霧は出ていなかったので八幡沼の周りを一周するコースを歩きました。

草紅葉が美しかったです。

6月と秋に来ているから、次は7月ごろ、高山植物が美しい時期に行ってみたいなと思っています。

そのときは、きっとまた彩雲荘に泊まって、すばらしいお湯と食事を楽しみたいです。

【再訪したい度】★★★★★ 万人にはおすすめできないが、実は食事もおいしくまた必ず泊まりたい

お湯は本当にすばらしいのですが、部屋に家電製品がほぼなかったり、携帯も通じにくいなど、きれいで快適な温泉宿が好きな方にはおすすめしにくい部分も多々ある宿です。

しかし、それを補ってあまりあるお湯のすばらしさ!
メインが混浴露天風呂なので、女性の一人旅向きとは言いがたいですが、とは言え混浴露天風呂のお湯は本当にすばらしく、あの湯に浸かりにまた泊まりにいきたいと思える宿です。

食事も、3度泊まっていますが年々少しずつ良くなっているように思います。
ちなみに、料金は本館和室に1人泊で13200円。休前日の料金アップはありません。

個人的には「この値段でこの設備!料理か!」というようなことはまったくなく、食事なんてすごくがんばっている宿だなと思っています。しかし、若い方ならもっと肉が食べたいと思うかもしれないですね……。

登山が好き、山の温泉が好き、山菜が好き、古い宿でも気にならないという方に「温泉付きの山小屋だ」と思って泊まっていただけたら、満足度高く楽しんでもらえるだろうと思います。

私自身は、八幡平トレッキングと組み合わせて、また必ず泊まりたい宿です。

【1人旅に優しい度】45点:山小屋に1人で泊まれる人なら楽しめると思う

泊まりやすさ 15/20
ハイシーズン以外は土曜日も1人で泊まれるプランが出ているが、お盆や連休、紅葉時期などは平日のみ1人泊可能。

食事場所の配慮 10/20
食堂利用で、席は決まっていないので好きな場所で食べれる。
食堂の隣の座敷のほうが空いているので、人目を気にせず食べれるかも。
私はあまり気にしないのでバイキング台に近い食堂で食べていたが。

プランの選択肢 15/20 
プランの選択肢は、1名でも2名以上で宿泊する場合と同じ。
宿泊でいる部屋は、じゃらんなど旅行サイト経由だと「本館和室」に限定されるが、公式サイトの予約フォームからなら別館や、1名専用の和モダンルームなども予約可能

ドリンクオーダー  5/20
日本酒は300ML瓶。ビールは缶か瓶で、1人でオーダーできるお酒が充実しているとは言えない。

フリーWi-Fi完備 0/20
Wi-Fiはなく、スマホの電波もキャリアによってはあまり通じない。
ドコモはけっこう通じるが、ソフトバンクはかなり厳しいと聞く。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。