越後湯沢駅からバスで22分。アクセス良好だけど秘湯感たっぷりの宿
貝掛温泉は、上越新幹線の越後湯沢駅からバスで22分ほどの場所にある、泉温37度のぬる湯の源泉で有名な宿です。
日本秘湯を守る会の会員宿でもあり、周辺を緑に囲まれた露天風呂には猿が姿を見せることもある、秘湯感たっぷりの宿です。
温泉ひとり旅を始めて間もない2009年に初めて宿泊し、それから数年に1度リピートしています。
お部屋も浴室も清潔で、設備も整っていて不便さはまったくなし。食事もおいしくお酒の種類も豊富。
「極上のお湯と秘湯気分を味わえる」という意味で、どんな人にでもおすすめしやすいすばらしい宿です。
2022年の5月にひさびさの宿泊が叶いましたので、レポートしたいと思います。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。
- 越後湯沢駅からバスで22分。アクセス良好だけど秘湯感たっぷりの宿
雨の土曜日、越後湯沢駅を13時10分に出発する南越後観光バスに乗車
実を言うと貝掛温泉は、基本的には休前日の1人泊を受け付けていない宿です。
直接電話したらどうかわかりませんが、公式サイトでも土曜日の1人泊のプランは通常は出ていません。本当は毎年泊まりたいぐらいなのですが、どうしても数年に1度の宿泊になってしまうのはそのためで……しかし、直前予約でたまに、土曜日も1人泊のプランが出ていることがあるのですよね。
今回もそのパターンで「週末日曜だけ晴れそうだから、土曜日湯沢か六日町あたりで1泊して、日曜は軽く低山でも登りたいな」と思って数日前に検索したら、貝掛温泉がヒットしたのです。5月上旬、GW直後の週末は出かける人が少ないので狙い目なんですよね。
雨の土曜日。越後湯沢駅東口バス停で、13時10分発の南越後観光バスが来るのを待ちます。
越後湯沢駅から10名ほど乗車し、半数が途中の「かぐらスキー場」で下車しました。かぐらスキー場は5月22日まで営業していて駐車場にも車がたくさんあったので、スキーなどを楽しむ人たちでしょう。
13時35分に、貝掛温泉バス停に到着。
予約時に乗車予定のバスを備考欄に書いていたので、宿の車がバス停まで迎えに来てくれました。
車で5分、歩いても15分ほどの道ですが、道幅が狭くすれ違いとかどうするんだろう……というポイントが多い道です。
冬とか凍結したら、雪道に慣れていない人はかなりこわそう。
5分ほどの乗車で宿に到着しました。
チェックインの14時には15分ほど早いですが、すぐにチェックイン手続きをさせてもらえました。
フロントで宿帳に記入し、食事の時間を決めてから、順番に部屋に案内していただきます。
案内を待つ間「目薬の木」なる、目に良い植物のお茶をいただきました。
ほのかに苦みがあり、まずくはないですがいかにも薬草茶という味わい。
貝掛温泉の源泉はメタホウ酸を多く含み、目に良い温泉として知られています。館内では目薬の木のお茶を毎回いただけるので、ひさびさにいただいて貝掛に来たなあ!という気分が盛り上がってきました。
【部屋】★★★★ トイレ洗面付きの和ベッドルームはWi-Fi完備!夏以外はとても快適
今回宿泊するのは本館2階にある「谷川の間」なるお部屋です。
館内の案内図をいただきました。
しかし「苗場」とか「魚沼」「みくに」など、「~の間」と付かない部屋もあるけど、付いている部屋もいくつかあるのはどういうことなんだろうか。
案内いただく途中、過去に来館された著名な方の色紙や写真が飾られているエリアがありました。むちゃくちゃ若い安室ちゃんの写真があってかわいかったです。
古い木造の建物ですが、内装には適宜手を入れられているようで、床材も新しく、ピカピカに磨かれています。
目に良い温泉ということで……廊下のあちこちに「目玉のおやじ」がいます・笑
本館2階の廊下には赤絨毯が敷かれていました。
つきあたりが、本日宿泊する「谷川の間」です。
部屋のドアを開けると、正面に洋服掛けがあり、羽織がハンガーにかけてありました。
向かって左側に洗面所とトイレ、右側が和室です。
お部屋のほうは……なるほど!和ベッドタイプ。
広さは6畳ほどで広くはありませんが、1人なら十分です。
しかし……こちらのお部屋、どう見てもシングルルームですよね。このお部屋があるなら土曜日も1人泊を受け入れていいような気がするのですが。1人泊のプランが平日しか出ていないのはなぜなんでしょうね。
ベッドはマットレスも敷いてありますので、寝心地もとても良かったです。
ベッドの向こうには扇風機。
そう、貝掛温泉ってエアコンがないんですよね……。ぬる湯の宿なので夏に泊まるのも良さそうなんですが、標高700メートルほどの宿なので、エアコン無しだとちょっと厳しくて。私はいつも春か秋に泊まっています。
暖房はもちろん完備しています。5月上旬は朝晩はまだ冷えますので、朝は少しヒーターをいれました。
ヒーターの上にはお茶セットと電気ポット。
壁際には電化製品や金庫がコンパクトにまとめて置いてありました。
空の冷蔵庫があるのはうれしいですね。
ダイヤル式の金庫の上には、温泉の本や越後湯沢の本が置いてありました。
部屋が広くないので座卓はないのですが、椅子と、小さな机が。
机上には冷水ポットとコップ、アルコールスプレーと茶菓子が。
茶菓子は、栗ようかんと甘いおせんべいのようなもの。どちらもおいしかったです。
洋服掛けの下には浴衣と足袋ソックス、帯、浴室に行く際に使う籐のカゴ、バスタオルとフェイスタオル。
窓から外を見ると、宿の玄関側の景色が見えました。
お部屋に入ってすぐ左奥にトイレが。
新しく設置されたようで、匂いもなくきれい。もちろんウォッシュレット付きです。
トイレを出たところには洗面所が。
歯ブラシが置いてありました。
また、室内ではWi-Fi利用も可能で、速度も十分に出ました。
Wi-Fiがしっかり使えるので、非常に個人的な意見ではありますが……机が本当にコンパクトだったの少し残念で。仕事やPC作業をするもう少し机が大きかったり座椅子があったりしたら、ブログ執筆も捗って完璧なんだけどな……と思ったりしました。
とは言え、これまで貝掛温泉に何度か泊まった部屋の中では1番内装も新しくきれいで、快適なお部屋でした。
参考に……2015年9月に泊まった1階浴室近くの部屋
その前に泊まったのは2015年の9月の平日で、本館1階の大浴場から近い部屋でした。
広縁付きの8畳ほどの和室で、内装は新しくも古くもなく。掃除は非常に行き届いていて清潔で快適なお部屋でした。
貝掛温泉は、適宜お部屋の内装も新しくしているようなので、こちらの部屋も今は様子が変わっている可能性もあります。
また、2009年に初めて泊まったときは、6畳ほどで内装もちょっと古い感じの和室に宿泊しました。宿泊料金も安めに設定してあり、予約の取りやすさから言っても当時は今よりも1人で泊まりやすかったのですが、そちらの部屋は現在は使われていないようです。
【風呂】★★★★★ 泡つきもたっぷり!極上のぬる湯に夜通し浸かれる幸せ
部屋で一休みしたら浴室へ向かいます。
大浴場は玄関から向かって右方向にあり、大浴場が隣り合わせる形で2室あって、時間帯で男女が交代となります。
大浴場の前には、鍵付きのロッカーが設置してあり、日帰り入浴で利用するときなど便利そうです。
大浴場入口の手前には「談話室」なる、湯上がりに一休みできるスペースが。
談話室の前にはチェックイン時にいただいた「目薬の木」のお茶が入ったやかんと茶碗が置いてありました。
浴室利用時間と日帰り入浴の時間・料金
貝掛温泉では、毎日9時30分~11時の間に清掃を行うため、その時間帯は浴室を利用することはできません。また、浴槽の湯を抜いて清掃を行うタイミングでは、13時30分ごろまで浴室が利用できないこともあるそうです。おそらく、日帰り入浴客が少ない平日に行うのでしょうね。
まだ、19時~19時30分のタイミングで男女の浴室が交換となるため、その時間帯も入浴できません。それ以外は滞在中いつでも、深夜早朝も入浴が可能です。
ただし、貝掛温泉は源泉がぬるいので、源泉そのままの浴槽の他に42度程度に源泉を加温している浴槽がありますが、0時から4時までは加温を止めてしまうそうです。醍醐味である非加熱のぬる湯にはいつでも入れるので、個人的には気になりませんが、冬に泊まるときなどは覚えておいたほうが良いかもしれないですね。
2つある浴室を上から見た図がこちらです↓
大浴場入口から向かって右側が「女湯」とされており、こちらは19時までの時間帯が女湯です。
19時30分以降は交代となり、向かって左側の浴室が女湯、右側が男湯になります。
貝掛温泉の泉質・源泉利用状況
貝掛温泉の泉質名は「ナトリウム・カルシウムー塩化物温泉」です。
phは7.7の中性泉。自然湧出で毎分402Lの源泉が湧き出ています。
泉温は、気温15度のときに36.2度だったそうですが、36度より温かいことが多いように思います。冬はわかりませんが、春秋は37度ぐらいに感じますね。
源泉利用状況がこちら。
加水・加温・循環・消毒すべてなしのパーフェクトな源泉かけ流しです!
細かく言えば、加温なしの源泉そのままの浴槽の他に、42度ぐらいまで加温している浴槽もあります。ぬる湯だけだと冬はつらいですし、交互浴も楽しめるので小さな加温浴槽があるのはありがたいことです。
11時~19時まで女湯となる浴室ー向かって右、露天風呂狭い
まずは向かって右側、チェックインから夕食前までの時間帯が女湯となる浴室をご紹介します。
つまり、日帰り入浴では女性はこちらの浴室を利用することになります。
入口でスリッパを脱いで中へ。スリッパの目印になるクリップが用意されていました。
脱衣所は広々としており、壁際に脱衣カゴが並んでいます。
脱衣カゴの隅には、宿泊者用に部屋の鍵を入れる小さなロッカーがありました。
自分の部屋の名前が書いてあるロッカーを使用する方式です。ダイヤル式になっており、自分で暗証番号を設定するのですが……ちょっと面倒なので、私は鍵を持ったまま浴室に行っちゃってました。
洗面台が3つ。ドライヤーが2つ。
化粧水と乳液、クレンジングローションとコットンあり。
綿棒も置いてあります。
その他のアメニティは、個別包装のヘアブラシとバスキャップ。
ドライヤーは、まあ普通に使える風量でした。
では、浴室へ。
内湯は、浴槽も広々、洗い場と浴槽までの距離もゆったり取ってあり、水しぶきが浴槽に飛んできたりしないのでいいですね。天井もとても高く、雰囲気のある浴室です。
入口には、源泉が細めに出ているところがあって、ここは以前は「飲泉所」の札が出ていてコップが置いてあったんですけど、感染症対策なくしてしまったのかもしれないですね。飲泉も可能な源泉です。
シャワー付きの洗い場が5つあり、水圧やお湯の温度も問題ありません。
シャンプー&コンディショナー、ボディシャンプーが設置されていました。
まずは加温浴槽に浸かって体を温めます。小さいほうの浴槽が加温されており、42度ぐらいの熱め適温に調節されていました。
それからぬる湯へ!広いほうの浴槽が非加熱のぬる湯です。
加温浴槽で体を温めてからぬる湯に浸かる瞬間の、ふわっと体がゆるむ感じが気持ちいいんですよね……。
サウナと水風呂は、温度差がありすぎてあまり得意じゃないんですけど、ぬる湯と熱めの湯の交互浴は大好き。
源泉は常にざばざばと大量に浴槽に注ぎ込まれています。貝掛温泉は炭酸泉というわけではないのですが、ぬる湯の湯口近くで長めに浸かっていると特に、細かい泡つきがものすごいです。
ぬる湯に長湯して体がゆるんだなあと思ったら、露天風呂へ!
向かって右側の浴室の露天風呂は小さめで、こちらは加温浴槽しかありません。
外の空気を感じながら熱めの浴槽に浸かり……。
またぬる湯に戻ってきます。
これをエンドレスで繰り返してしまうので、あっという間に2時間とか過ぎてしまうんですよね……。お湯も、浴室の環境もすばらしいからだと思います。夕食までの時間のほとんどを、浴室で過ごしてしまいました。
19時30分~翌日9時30分まで女湯となる浴室ー向かって左、露天風呂広い
夕食後、19時30分に男女の浴室が入れ替えになります。
今度は向かって左側の浴室が女湯に。
脱衣所の設備や広さはどちらの浴室も同じぐらい。
手前に飲泉所、洗い場が5つあるのも同じ。
内湯の浴槽は、こちらの浴室は非加熱の浴槽と加温浴槽の大きさがだいたい同じぐらいです。
というのも……こちらの浴室は、露天風呂が広く、露天風呂でも非加熱の源泉が楽しめるのですよ。
池のように広いこちらの露天風呂は、非加熱の源泉で満たされています。
一段高くなっているところに加温されている露天風呂もあるので、露天だけで交互浴が楽しめるのがうれしいですね。
こちらは非加熱浴槽。
あの小屋が「源泉小屋」だそうですので、あそこに源泉があるか、あるいは源泉を貯めておく場所なんでしょうね。源泉から1番近い場所にある露天風呂だから、ぬるくなりすぎずに入れるわけか……。
新緑に囲まれたロケーションも最高です!
梅雨が明けると虫が多くなると思いますので、時期的にも5月はベストだったと思います。湧き出たばかりの源泉をじっくり楽しみました。
ちなみに、ものすごく自然がいっぱいなので、朝食後にもう1度入りに行ったら露天風呂に猿が何匹も来ていました……。ちょっとこわいので、内湯で楽しみました。
数あるぬる湯の宿の中でも、最高峰に近いすばらしいお湯と浴室だと思います。
【食事】★★★★☆ 地酒の種類豊富で、お酒に合う料理が並ぶ
貝掛温泉では、食事は1階にあるお食事処「白雲」でいただきます。
夕食の開始時刻は17時30分か18時。
チェックイン時に「17時30分からだと窓際の席のご案内となり、18時からだと真ん中の席のご案内となる」と言われ、迷ったのですが……。
私は夕食後寝てしまうことが多くて、夕食時間前にたくさんお風呂に入っておきたいので、正直17時30分はちょっと早いなと思い、18時にしてもらいました。
18時に食事処に向かい、席に案内していただくと、こんな感じの席でした。
なるほど……まあ「窓から絶景が楽しめる!」というわけでもないので、私はこっちで別にいいな。
テーブルは広いですし、隣の席との間隔も空いているので快適な席です。
振り向くと、背後にカウンター席もあったのですが、こちらは夕食の際は使っていないようでした。昼食営業もしているようなので、お昼用かもしれないですね。
貝掛温泉のドリンクメニュー
では、まずはお酒を!
ドリンクメニューは青色の表紙の冊子にまとまっていました。
「日本酒・ビール・ワイン」や「吟醸・純米」などの用語の解説もあったり。
ビールはスーパードライの生とジョッキ、瓶ビールでサッポロ黒ラベルとキリンラガー、ノンアルコールビール。
焼酎はこしひかり焼酎1種類、ウィスキーはハイボールを用意。
やはり、ここでは日本酒ですね!
利き酒セットが4種類もあるのはかなりうれしい!
利き酒セットでも楽しめる「鶴齢」「八海山」「上善如水」については、それぞれ3種類ほど用意されていて、1合ずつのオーダーも、もちろん可能です。
鶴齢と緑川は、夏季限定の生酒も。
しかし、5月って「夏季」なんでしょうか……。
「謙信」と「北雪」の大吟醸と、久保田の「純米大吟醸 萬寿」も!
新潟を代表する地酒がラインナップされているのはうれしいですね。
冬季限定のにごり酒……は5月は飲めるのだろうか……。梅酒もあります。
私はそんなに惹かれないけどいわな酒も。山の宿らしいメニューで良いですね。
その他、ソフトドリンクも一通り揃っています。ワインはフルボトルのみの用意となるようです。
貝掛温泉の夕食は日本酒にも白いご飯にもあい、満足度が高い
席に案内いただくとお刺身と前菜、煮物のお皿がセットしてあり、鍋物に火をつけていただきました。
お品書きはこちら。
こしひかりのご飯とあおさ汁は、いつでも好きなタイミングで持ってきてもらえます。
お酒はやっぱり利き酒セット!
「特撰」マークのついた南魚沼地酒三昧。すべて純米大吟醸です!
どれも1度は飲んだことがある、間違いなくおいしいお酒ばかりですが、3種類一気に味わえるとは贅沢ですね……。また、お酒と一緒にお水も出していただけたのもうれしかったです。
前菜は、黄色いお皿が「新じゃがの味噌煎り」「鮎の甘露煮」「空豆塩茹で」
小鉢に入っているのが「ほたるいか酢味噌かけ」「こごみとうるいの胡麻和え」と、いずれも、春から初夏に移り変わっていく季節を感じさせてくれる料理でした。
お刺身は、鯛と美雪鱒。
ちなみに……刺身については別注メニュー(チェックイン時にオーダーを訊かれる)で岩魚の刺身1500円、というものもあります。
今回は岩魚は注文しなかったのですが、参考に前回オーダーいたときの岩魚の刺身はこんな感じでした。
捌いたばかりのいかにも新鮮な岩魚の刺身、川魚ですが泥くささなどはまったくなく、ほどよく脂ものっていて大変おいしかったので、こちらもおすすめです。
焼き物の岩魚の塩焼き。
山の宿の定番メニューですが、こんがりと焼かれていて日本酒がすすむ味わいです。
ここで、貝掛名物「薬膳玄米粥」が。
これは毎回出てくる定番のメニューです。
クコの実やあずきなどが入った熱々のお粥が運ばれてきますので、卓上に置かれたすり鉢でゴマを自分で摺りまして……。
そして、すり鉢の中に玄米粥を入れて、摺りたてのごまと一緒にいただきます。
私は好きな感じの料理ですけど、これが名物というのはちょっと不思議な感じもします。が、それが貝掛温泉って感じで良いなとも思ったり。
この後はふきのとうの天ぷらが!こちらは季節限定の別注メニュー、1500円です。
岩魚の刺身と迷いましたが、やはりこちらは今の季節だけだし……ということでオーダーしました。熱々を塩でいただきます。お酒が進んで最初の利き酒セットを飲み終わってしまいました!
ということで、次にオーダーしたのは久保田の「純米大吟醸 萬寿」を1合。
魚沼ではなく長岡のお酒ですけど……久保田は置いているお店が多くないですし、萬寿はなかなか見ないので、あると頼みたくなってしまいます。
いやー、やはりおいしいです。香りが華やかで、ふわーっと香る感じ。味はそこまで個性強くなく、料理に合うお酒ですね。いくらでも飲めそう。
煮物の「田舎煮」
身欠き鰊とゼンマイ、根曲り竹、椎茸、にんじん、あと、チーズと豆腐の中間みたいなやつは何だろう……。田舎煮なので甘めの味付けですが、おいしい煮物です。
鍋料理は「妻有豚の出汁しゃぶ」
わりとしっかりと味の付いただし汁にまずは野菜を入れ、煮えてきたところで豚肉を投入します。
妻有豚は新潟県のブランド豚だそうですが、甘みがあって柔らかくおいしい豚肉でした。出汁の味もよく、ご飯にも合いそうです。
料理の最後は「地鶏の鍬焼き」
甘めのタレで焼いた地鶏に、葱とアスパラが添えてありました。調理法もバリエーション豊かで、お肉も野菜もおいしくて満足度が高いコースです。
最後はもちろん!コシヒカリと香の物、青さのお味噌汁。
お腹いっぱいだけど、お米も漬物もおいしいので軽めに一膳いただきました。
デザートはコシヒカリアイス。柿の種が添えてあるのが見た目にも食感的にもいいアクセントですね。ごちそうさまでした!
貝掛温泉の朝食は、白いご飯をたっぷり食べれるメニュー
翌日の朝食は8時から。
夕食と同じ席でいただきます。
なんと言っても、朝食のメインは炊きたての南魚沼産コシヒカリです。
その他にもおかずは、サラダ、卯の花。
布海苔を浮かべたとろろ、温泉卵、お麩の煮物。
のどぐろの一夜干しは先にしっかり焼いてあるそうで、表面を少し炙って温めてからいただきます。
後から熱々を持ってきていただけたのが……焼きたての栃尾の油揚げ!
思わず、朝から日本酒が飲みたくなってしまう一品でした。
今日はこの後少し山を歩く予定なので、ご飯もおかわりして、しっかりいただいてしまいました!
朝食後は、ロビーでコーヒーをいただき、最後に一風呂浴びてから9時20分にチェックアウト。
宿の車でバス停まで送っていただき、9時40分発の路線バスで越後湯沢駅に向かいました。
【再訪したい度】★★★★☆ また春か秋に再訪したい
数年ぶりの貝掛温泉でしたが、浴室とお湯のすばらしさは相変わらずで、源泉浴槽と加温浴槽を行き来しているといくらでも長湯できてしまう……ある意味恐ろしいお風呂でした。
食事やお部屋については、泊まる度に少しずつグレードアップしており、特にお部屋はどんどん洗練されて来ています。その分宿泊料金もアップしてしまい、現在は平日の1人泊で2食付き22,000円というまあまあいいお値段になってしまいました。それでも、土曜日1人で泊まれるなら、また必ず泊まりたいと思える宿です。
いわゆる「秘湯の宿」は部屋やサービスが山小屋っぽかったりして、万人にはおすすめしにくい宿もあります。しかし貝掛温泉は「不便な思いはしたくない、新しくてきれいな宿が好きだけど秘湯気分を味わいたい」人(けっこういる)にもおすすめしやすいし、いい温泉があればいい人、料理やお酒にこだわりがある人におすすめしてもがっかりされることはないので、覚えておくと便利な宿だなと思います。
ぬる湯なので夏場も良さそうですが、お部屋にエアコンがないこと、露天風呂に虫が増えることから、これまではだいたい秋に泊まっていました。今回が初めての5月の宿泊でしたが、山菜もいただけるし気候もちょうど良く、虫もいなくて5月もかなり良かったです!
また数年後になるとは思いますが、春か秋に、きっと再訪したいと思います。
【1人旅に優しい度】55点:土曜日に1人で泊まれるなら毎年泊まりに行きたいと思う宿
泊まりやすさ 10/20
基本的には1人で泊まれるのは平日のみ。土曜日は直前予約や、予約が少ないタイミングでスポット的に一人旅プランが設定されていることもある。
食事場所の配慮 5/20
食事処での食事となり、特に衝立などはない。
プランの選択肢 10/20
1人で泊まれるのは「一人旅プラン」のみだが、2人以上で泊まる場合もプランの数は多くなく、食事メニューはすべて共通なので「1人でも食事グレードアップしたいのに悔しい!」みたいなことはない。
ドリンクオーダー 10/20
日本酒の利き酒セットが4種類あるのは日本酒好きにはかなりうれしい。
その他は、グラスでオーダーできるお酒は生ビールとハイボール、焼酎1種類ぐらいで、ワインはボトルのみなので日本酒好きではない人にとってはあまり選択肢がないかもしれない。
フリーWi-Fi完備 20/20
全館Wi-Fi完備で速度も十分に出た。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。