温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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雨の日も登山したい人のために、雨でも楽しめる山旅プランを考えた

登山を始めて間もないころは、雨でも山に登りたかった 

梅雨だから仕方ないのですが、週末のたびに雨が降るのでなかなか登山に出かけられず、イライラしている方も多いのではないでしょうか。
登山を始めてから8年経ったこともあり、私も今は、雨の日は雨の日で温泉に行ったりブログを書いたりすればいいやと割り切って、登れない週末を楽しめるようになりました。ですが登山を始めてから2~3年目ぐらいまでは、雨の週末が続いて2週以上続けて山に登れないことがつらくて仕方なかったです。

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できるなら山は晴れた日に登りたいものですが、山の天気は変わりやすいもの。
登山を続けていると、望んだわけでなくても雨の中を歩かなくてはならない機会も必ずおとずれます。

そんな経験を積むにつれ、だんだんと「今回は雨の中を歩いたけどまあまあ楽しかったな」というときと「今回は修行だったなー」というときに分かれることに気がつきました。一定の条件が揃えば、雨中の登山でもまあまあ楽しめることもあるのです。

というわけで本稿では「雨の日でもまあまあ楽しめる」条件とは何かと、その条件を満たした山旅プランを紹介したいと思います。

雨でもしんどくならない山旅の条件は何か

まず、ルートやプラン以前に「台風や注意報・警報レベルの悪天候ではない」ということが大前提です。

つまり「悪天候」ではなく「雨天」の日。
梅雨の日にありがちな「曇り時々雨 降水確率60%」みたいな日に出かけることを想定して、プランを考えました。
やっぱり、いくらルートを選んでも土砂降りや横殴りの雨のときは楽しくないですし、危険の少ないルートを選んだつもりでも、視界も悪くなって道迷いなどの確率もあがりますので、おすすめできません。また、風が強い日は避けたほうがいいです。

降水確率60%ぐらいなら普通に登山するよ!という方もいるとは思いますが、稜線上は真っ白で視界もないので「今日の登山はやーめた」となってしまう方も多いと思うのです。そんなとき、中止にせずにこういうプランで歩いてみるのもありかもよ?というご提案です。

岩場がなく稜線に出ない、樹林帯のルートを選ぶ

これは、真っ白で楽しくないのもそうですが、単純に雨の日の岩場は難易度が上がって危険なので、避けたいです。

麓では風はなくとも稜線上は強風、ということもありますし、基本的には「樹林帯歩きを楽しめる」ルートを選ぶのが良いと想います。

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樹林帯の中なら、木に守られて雨の勢いも弱く感じますし、雨の日には幻想的な雰囲気を感じさせてくれる、雰囲気のある森もあります。

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気軽に行ける場所ではないので今回ご紹介するプランには含めていませんが、苔むした屋久島の森なんかがその代表格ですね。

目的地は温泉か山小屋にし、山に泊まることを目的にする

私はもともと楽な山が好きなゆるふわハイカーですので、雨の中を登山して下山し、そのまま家に帰ることを考えると、修行かな?と思ってしまってあまりテンションがあがりません。

楽な山については以前こちらの記事↑に書きました。この嗜好はずっと変わらないですね~。

そんな私ですが「山に泊まること」と「温泉宿」が大好きなので「冷たい雨の中を歩いたごほうび」として、温かい温泉に浸かれたり、おいしい食事をいただけるようなプランを計画すると、急にやる気が満ちあふれてくるのです・笑

しかも、雨の日の山小屋は確実に空いています。いつもなら混んでいてゆっくりできない山小屋も、雨の日なら悠々泊まれることが多いのです。

それから、泊まっている間に天気が回復することもありますので、そんなときは思いがけずプレゼントを貰ったような幸せな気分になりますね。

以前、西穂山荘に泊まって翌日西穂高岳に登ったことがあったのですが。

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初日はこのように時折雨が降る、真っ白、ガスガスな天気でした。

ですが、西穂山荘は食事もおいしくとても快適な山小屋です。

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食堂では名物の西穂ラーメンとビールをいただき、夕食後に談話室でコーヒーを淹れてまったりしていると。

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いつの間にか雲が晴れ、美しい月がのぼっていました。

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翌朝もすっきりと晴れ、最高の登山日和になりました。
2日目は天気が良くなる予報でしたので、予報どおりではあったのですが、美しい月が見えたときの感動は、最初から晴れの日に登ったときよりも大きかったように思います。

西穂高岳は私にとって難易度の高い山ですので、もし天気が微妙なままだったら登らなかったと思います。ですが、登らなかったとしても、空いている西穂山荘でのんびりできただけでもまあまあ楽しい山旅だっただろうなと思ったのです。

片道3時間以内で、きつい登りのないゆるめのコースにとどめる

雨の中を歩くのは正直な話、晴れの日よりも疲れます。
レインウェアを着てフードを被ると首回りの動きも制限されますし、歩くと暑いです。

なので、5時間も6時間も続けて歩きたくはないし、急な登りが続くようなルートはなるべく避けたいというのが正直なところです。

雨の日でもゆるく楽しめるおすすめ山旅6プラン 

これまでに述べた条件を踏まえて、私が「ここなら雨の日でも楽しいはず」と考える山旅プランをご紹介したいと思います。

いずれも私自身が歩いたり泊まったことのあるルートや宿ばかりです。実際に雨の日に歩いたルートもありますが、晴れの日に歩いてみて「ここは雨でも大丈夫そうだな」と思ったルートも含まれています。

雨の日はカメラをしまってしまうことが多いので、雨の日に歩いたことがあるルートであっても、掲載している写真は晴れた日に歩いたときに撮影したもの、ということもありますがご了承ください。

【奥日光】竜頭の滝から戦場ヶ原を歩いて湯滝を眺め、湯元温泉を目指す

まずご紹介したいのは、私の大好きな奥日光エリアです。
雨の日でも無理なく歩ける美しいハイキングコースを2時間ほど歩いて、奥日光湯元温泉を目指します。

JR日光駅、もしくは東武日光駅から「湯元温泉」行きのバスに乗り、途中停留所の中禅寺温泉を通過して間もなくの「竜頭ノ滝」バス停で下車します。

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美しい滝を下流から上流に向かって眺めながら歩きます。

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滝の周辺は観光地の趣が強いのですが、滝の上流から下流まで210メートルあるそうです。滝の流れ始めるポイントまで登っていくと、いったん車道に出るのですが。

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車道を渡った後は、美しい渓流沿いのハイキングコースになり、ここは本当に日本か?と目を疑うような、美しい道が続きます。

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特に緑の生い茂る季節は美しく、雨の日も歩いたことがありますが木々の緑が濃くなって美しさを増すような気がしました。

「登山をしたい」人には物足りないかもしれませんが、ほとんどアップダウンのないコースですので、傘をさして歩くことも可能だと思います。

渓流沿いの道を抜けた後は、「戦場ヶ原」なる湿原の中の木道を歩きます。

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晴れていれば↑こちらの写真のように男体山の雄大な姿が眺められますが、雨の日は雨の日で、霧に包まれる湿原は幻想的で美しかったり。

戦場ヶ原を抜けた後は、なだらかな樹林帯のハイキングコースを30分ほど歩くと、湯滝へ。

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湯滝の側にある道を登っていくと、日光湯元温泉の源泉も流れ混む「湯ノ湖」に出ます。

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このルートの目的地は湯元温泉ですので、湯ノ湖を超えて温泉街に出たところで、ハイクは終了です。片道2~3時間ほどで歩けます。

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湯元温泉には、家族経営のこぢんまりとしたすばらしい宿がたくさんありますので、できれば一泊して帰りたいところ。

一人旅ならば、おすすめは紫雲荘です。 

部屋食でいただける手作りのおいしいお料理と貸切露天風呂も楽しめます。

また、残念ながら1人泊はできない宿なのですが、もし2人以上で泊まるのであれば白根荘もとてもおすすめです。

こちらの宿も料理がおいしく、浴室は男女別の大浴場のみなんですが、深夜はその大浴場を空いていれば中から鍵をかけて貸切で利用して良いというのがなんとも素敵なサービスでした。

翌日は、もし天気が良くなれば前日とは逆方向に、湯元温泉から竜頭ノ滝まで晴れた戦場ヶ原を眺めつつ歩いても良いですが、またしても雨なら湯元温泉からバスに乗って日光市内まで出てしまい、東照宮などを観光して帰ってくるというのも良いなと思います。 

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日光は、天然氷のかき氷を出しているお店が多いので、これからの季節はかき氷をいただけるのも楽しみですね。

【白馬】栂池高原を散策して白馬八方に泊まる

白馬も私の大好きなエリアでして……というか今回ご紹介するの全部好きなエリアです。好きだからこそ雨でも行ってしまうのでしょうね。

白馬の場合、温泉宿や山小屋を目指して歩くというよりは、ハイキングした後に麓の宿に泊まってのんびりする、みたいなプランになります。

ハイキングコースとしてご紹介するのは一番人気の「八方エリア」ではなく、栂池高原にある「栂池自然園」です。八方も晴れていれば楽しいルートですけれど、歩き始めからいきなり稜線なので、雨の日は風が強くなりやすいし視界も悪くなりやすく、あんまり楽しくないと思うんですよね。

栂池なら湿原帯ですので、木道が滑りやすくなるのに気をつければそれほど危ないことはありません。また、戦場ヶ原でもそうでしたが、霧の湿原帯ってちょっと幻想的な雰囲気があって楽しいんですよね。栂池自然園のハイキングルートを1週すると、だいたい3時間半ぐらいかかりますが、全部歩くとけっこう長いので、飽きてきたら引き返せばいいや、ぐらいの気楽な感じで歩くのがいいと思います。

私が栂池高原を歩いたのは、今にも雨が降りそうな10月でした。

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紅葉真っ盛りでしたが、雨がちな日だったので歩く人は思ったより多くなかったです。

紅葉で真っ赤に染まる周囲の山々も、霧に包まれていることが多いのですが、時折さーっと霧が晴れて目を見張るような瞬間もあり、天気のいい日とはまた違う楽しみがあったように思います。

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今頃は、栂池高原も緑に包まれて、高山植物が美しい頃でしょうね。夏にも行ってみたいなあ。 

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ちょっと不安定で幅の狭い木道もありますので、傘を使うよりもここではちゃんとレインウェアを着たほうが良いと思います。

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歩き終わったら、まずは栂池自然園の入り口にある山小屋で昼食とビールを。

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関係車両はここまで入ることができますので、食材も豊富だし、山小屋も立派です。

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もちろん、ハイクした後こちらにある山小屋に泊まるというのも有りだと思うのですが、私自身が泊まったことがないので、今回ご紹介するのは麓の温泉です。

ロープウェイとゴンドラリフトを乗り継ぎ、さらにバスに乗って白馬八方温泉へ。
八方温泉にはお気に入りの宿が2つあり、そのどちらかに泊まって歩き疲れた体を癒やします。 

しろうま荘は、つかず離れずのほどよくアットホームな接客が居心地の良く、食事もおいしい宿です。

朝食のおかずとしてガレットが出てくるのですが、それが素朴な味わいでとてもおいしいです。

もう一軒は、日本酒の品揃えが豊富で、馬刺しをはじめとした信州産食材を使った料理が大変おいしい、旅館まるいしです。

朝食はバイキングなんですが、その際にいただける手作りのジャムが絶品でした。

また、宿泊が叶わない場合も、白馬にはぬるぬる感の強いかけ流しの源泉に浸かれる日帰り温泉施設や、おいしくリーズナブルなうなぎ屋さんなど、食と温泉を楽しめるところがたくさんあります。

日帰り温泉や飲食店についても↑こちらの記事にまとめました。

公共交通機関利用でも、長野駅から特急バスを利用するとわりと東京から便が良いので、雨の日でも気軽におとずれたいハイキングスポットです。 

【尾瀬】鳩待峠から木道を歩いて山ノ鼻の山小屋に泊まる

尾瀬の中でも東京から比較的便の良い、群馬県側の登山口、鳩待峠から山ノ鼻まで歩くルートです。

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マイカー規制されていますので、自家用車で来てもバスで来ても、尾瀬戸倉から鳩待峠までは乗り合いバスやタクシーを利用することになります。

鳩待峠から山ノ鼻までは、下り中心の登山道です。7割ぐらいが木道歩きでしょうか。

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尾瀬というと尾瀬ヶ原の湿原を思い浮かべる方が多いため、観光で尾瀬をおとずれて鳩待峠で車を降りると「どこに尾瀬があるの?」と思われる方も多いと聞いたことがあります。このプランで歩くルートのメインはその、湿原に出る前の樹林帯です。

この樹林帯も、5月ごろであれば水芭蕉も咲いていますし、それ以外の季節も高山植物もちらほら見られてなかなか楽しいです。

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何より、山ノ鼻までの道のりは下りが多いので歩くのが楽です。
観光で来た方が滑りやすい靴でも歩けるようにという配慮か、道もかなり整備されていますので、木道が滑ることに気をつければ雨の日でも危険も少ないと思います。

わりとあっというまに山ノ鼻に着きますが、この日は山ノ鼻にある山小屋に宿泊します。早めにチェックインして小屋での時間をたっぷりと楽しみたいなと。

山ノ鼻には3つの山小屋がありますが、私は以前ゴールデンウィークに「至仏山荘」に宿泊しました。Web予約もできますし、食事もおいしく、お風呂にも入れる快適な山小屋です。

しかも「尾瀬は携帯がつながらないもの」と思っていましたが、至仏山荘の中ではなんと、Wi-Fiが利用可能でした。

着いたら食堂で、生ビールとビーフシチューを注文。

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お腹がいっぱいになって部屋でゴロゴロしているうちにお風呂に入れる時間になりますので、一番風呂にさっさと入ってしまいます。温泉ではありませんが、至仏山荘には浴室があるのです。

お風呂からあがってまたダラダラして。もちろん、天気が回復していればこの間に外に出て散歩してみるのも有りです。夕方が近づくと日帰り客は帰ってしまい、ますます人の少ない静かな尾瀬を楽しむことができます。

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夕食は日本酒「尾瀬の酒」をいただきながらのんびりと。

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食後は、デザートに名物の花豆のソフトをいただきました。濃厚でおいしい。

滞在中に雨がやむタイミングがあれば山ノ鼻の目の前にある「尾瀬植物研究見本園」を歩いてみるのが良いです。

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7月ごろは本当に花盛りで、天気があまり良くなく霧で景色が見えないようなときでも十分楽しめると思います。

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私がこれまで山ノ鼻でテント泊や山小屋泊をしたのは、山ノ鼻から登りやすい至仏山に登るためでしたが、至仏山の登山道には蛇紋岩が多く、濡れると滑りやすいので雨がちな日は無理に登らなくていいと思います。

雨があがったタイミングで山ノ鼻の周辺の高山植物を楽しんだり、尾瀬ヶ原の木道を歩いてみたり。

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遠くの山は雲がかかって見えないかもしれませんが、湿原は足元にも、高山植物や池塘など美しいポイントがあるのがいいと思うんですよね。

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あとは無理をせずのんびりと山小屋で過ごし、帰りは温泉に立ち寄ります。

尾瀬戸倉にも温泉はありますが、混み合いますので、私は上越線の沼田駅までバスで戻ってから、上牧にある温泉に行ったりしました。

↑こちらは宿泊時のレポートですが、日帰り入浴での利用も可能です。お湯がすばらしく良い宿だし、空いているのでおすすめです。

温泉の後は高崎に向かい、駅ビルで軽く一杯いただきながら食事を。

「登利平」で鳥めしをつまみに一杯とか。

峠の釜めしの「おぎのや」の直営居酒屋もあり、釜めし以外にも群馬県産の食材を使用した料理やお酒を楽しめます。

もうこの頃には、少し前に雨の中を歩いていたことなど気持ち的には忘れていたりするのですが、とは言え山帰りの心地良い疲れは、〆の食事とお酒をいっそうおいしく感じさせてくれるのですよね。

【北八ヶ岳】稲子湯から沢沿いの樹林帯を目指し、しらびそ小屋に泊まる

「樹林帯中心のゆるやかなハイキングコースで山小屋泊」という条件で、最初に思いうかんだのが 実は北八ヶ岳でした。

北八ヶ岳と言っても広く、目的地となる山小屋もたくさんありますし、ルートもいろいろありますが、その中で私が「雨の日ならここに行きたい!」と思うのは、稲子湯からしらびそ小屋を目指すルートです。

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雨の日に歩いたこともありますが、ゆるやかな樹林帯歩きが続きますのできつくもなかったですし、苔むした登山道は雨が降ると独特の雰囲気があって楽しいです。

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歩く距離はそう長くはありませんが、屋久島の白谷雲水峡あたりの苔むした森にも負けない、雰囲気ある森だと思っています。屋久島は遠いし、気楽に歩くにはちょっとルートも長すぎるのでしらびそ小屋に向かうルートぐらいが個人的にはちょうどいいです。

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登山口の稲子湯からしらびそ小屋までは2時間少々の道のりです。「みどり池」の畔に、しらびそ小屋は建っています。

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しらびそ小屋に泊まる人の多くは、その前日か翌日に天狗岳やにゅうなどに登るために泊まっていますが、雨の日は「しらびそ小屋にのんびり泊まる」ことを楽しむのもまた、贅沢な山旅ではないかと思うのです。

詳しくはこちらのレポート↑に書いていますが、しらびそ小屋は食事がとてもおいしく、特に、予約時に「朝食でトーストが食べたい」と申し出た人だけが食べることができる、薪ストーブで焼いた厚切りトーストは絶品です。

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しらびそ小屋の朝食は7時からなんですが、トーストを食べたいときは通常の朝食が終わってからの準備となるため、8時からになります。翌日に登頂の予定があったら、トーストを食べてから出発する余裕はないんですよね。

ゆっくりとトーストを食べていると、小屋のおかあさんがコーヒーを何杯もすすめてくれます。この後ガッツリ登るんだとすると、コーヒーを何杯も飲んだらトイレが近くなってやばいのですが・笑
この日はもう、稲子湯まで下りるだけなのでおいしいコーヒーを好きなだけいただけます。

稲子湯にたどりついたらもちろん、極上の炭酸硫黄泉で日帰り入浴を楽しみます。
浴室は内湯のみなので、雨が降っていたとしても問題ありません。

稲子湯から東京に戻るには、小海駅までバスで出て小海線に乗ることになりますが、途中清里で途中下車して、クラフトビールを楽しんだり。

小海線から中央線に乗り換える小淵沢駅で下りて、鰻の名店に立ち寄ったりと、帰る道すがらもいろいろ楽しめるルートですね。

【南八ヶ岳】美濃戸から北沢を往復して赤岳鉱泉に泊まる

北八ヶ岳と比べると、南八ヶ岳は「稜線の岩山」というイメージがありますが、雨の日は稜線まで出なければいいわけです。

天気がいまいちな日は、美濃戸から赤岳鉱泉まで歩いて赤岳鉱泉に宿泊し、翌日は来た道を戻るという楽しみ方がいいんではないかと思います。

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バス利用の場合はこちらの美濃戸口から歩き始め。

美濃戸口から、1時間ほどは林道歩きが続きます。この道は車で通行できますので、自家用車で来た場合は1時間短縮できます。

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左に行けば北沢ルート、右に行けば南沢ルートですが、赤岳鉱泉に最短ルートで着ける北沢ルートを選びます。

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北沢ルートのほうが道幅も広く、急な登りなどもほぼないので、雨の日でもわりと楽に歩けると思うのです。

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道も明るいですしね。

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バス停から3時間、車を停められる駐車場からは2時間少々歩いて、赤岳鉱泉に到着です。

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チェックイン前に、とりあえずランチをいただきます!

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種類豊富なカレーは味も本格的。ビールの種類もさまざまあり、つい、よなよなエールを注文してしまいました。

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天気がいまいちでお客が少ない日なら、相部屋利用でもかなりゆったりと泊まれます。
私が泊まったときは女性のみ5人で、こちらの部屋を使いました。寒い季節でしたがヒーターもついていて、とても快適でした。

そして……何しろ小屋の名前が「赤岳鉱泉」ですから、お風呂にも入れるのです。

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混んでいる日は浴室も人で溢れますが、雨で空いていればお風呂ものんびり入れますね。

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赤岳鉱泉は食事も大変おいしい小屋ですが、夕食の名物メニューはステーキです。
私が宿泊したときはラッキーなことにステーキが出ました。かなりボリュームもあり、焼きたて熱々で食べられますので「山に来てこんなおいしいご飯が食べられるなんて……」とかなり幸せな気持ちになりました。

赤岳鉱泉に一泊した後は、欲張らず元来た道を戻ります。できればバス停のある美濃戸口には時間に余裕を持って着きたいところです。

なぜなら、バス停の目の前にある入浴もできるレストラン「J&N」で、食事とできればビールなどいただきたいから!

すっかり人気店になってしまって、週末はかなり待つことも多いようですが、こちらもおそらく、雨の日なら少しゆったりと過ごせるのではないか?と思います。

【奥鬼怒】女夫淵温泉から樹林帯を歩いて手白澤温泉に泊まる

最後にご紹介するのは、先日宿泊レポートを公開した、奥鬼怒温泉郷の手白澤温泉です。

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バス停のある女夫淵温泉から、2時間半ほどの道のりを歩かなければたどり着けない温泉宿なんですが、ゆるやかな傾斜の樹林帯歩きが続くルートですので、雨の日でもわりと楽しく歩けそうだなと思いました。

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手白澤温泉までの交通や道のり、宿の設備や食事についての詳細はこちらのレポートに書きました。

雨の日の温泉宿は、露天風呂が楽しみにくいのが少々残念なのですが、手白澤温泉の浴室は、内湯も半露天風呂並に開放的ですので、緑の木々を眺め、外の風を感じながらも雨に濡れずにお湯に浸かることができます。

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雨で冷えた体が温泉で温まったら、清潔な個室のお部屋で冷えた缶ビールをいただき。

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昼寝などしてダラダラしているともう夕方で、おいしい食事が待っています。

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本当に最高な宿だと思うので、何度でも行きたいのですが、残念なのは人気過ぎて週末はかなり早い段階で予約が埋まってしまうことと、週末の宿泊料金はけっこう割高なことです。

でも「歩かなければたどり着けない宿」なので、雨予報だとキャンセルしてしまうお客さんも多いそうです。本来なら週末はかなり高めの宿泊料金が設定されているのですが、直前予約で空室があった場合はもっとお安く泊めていただけると聞きましたので、あえて雨予報の日に直前に連絡して、泊まりに行ってみるのもいいな、と考えています。

多少の雨なら装備がしっかりしていれば、楽しめないこともない

雨の日に歩いても楽しめる山旅プランをご紹介しましたが、なるべく危険の少ないルートを選んだとは言えやはり、雨の日は道が滑りやすくなったりして晴れた日の山歩きよりは難易度があがります。

楽に歩けるルートだからと言って油断せずに、レインウェアの上下やレインスパッツ、ザックカバー、トレッキングシューズなどの基本装備を整えたうえで歩くことが大切かなと思います。

私が普段利用している「基本装備アイテム」に関しては、こちらの記事↑にまとめています。

雨の日のお役立ち山アイテム

「基本装備」と言うほど必須のアイテムではありませんが、雨の日の登山の際に持っていくことで、快適に過ごせたり楽しみが増えたりするアイテムがありますので、ご紹介したいと思います。

防水素材の帽子

雨の日の山歩きで不快だなと感じてしまうのは「レインウェアのフードをかぶったとき」が多いです。

視界も悪くなるし、暑いし……多少の雨ならフードは被りたくない!と思うのですが、そんなときに役に立つのが「防水素材の帽子」です。
雨の勢いがそこまで強くないときなら、帽子を被って頭が濡れないようにしておけば案外大丈夫なもの。雨の日の山歩きがかなり快適になります。

私が愛用しているのは、カリマーの「ポケッタブルレインハット」です。防水素材を使用して作られており、かつ小さく折りたためるポケッタブルタイプ、デザインもシンプルで色も派手すぎず、使いやすい色のものが多いのでおすすめです。

軽量トレッキングポール

今回ご紹介したルートは「樹林帯歩き」もしくは「木道歩き」のルートばかりですが、雨の日に樹林帯を下るときは木の根を踏んで滑ることがありますし、木道歩きもやはり、滑りやすくはなります。そのため、特に下りではトレッキングポールを使うと安心感が増します。

私が今使っているのは、シナノのレバーロックタイプの軽量トレッキングポール「Fast-115 カーボンW」です。

「超軽量アルミ+カーボン」素材で1本210gと軽量ですが、強度は十分にあります。軽量化のために最大限まで伸ばしても115cmとやや短めに作られていますが、私はいつも110cmの長さで使用しているため、問題ありません。また、同じ素材で男性向けに、130cmまで伸びる「Fast-130」というモデルもあります。

トレッキングポールはシナノのほかにブラックダイアモンドやレキなどが有名ですが、シナノが国内メーカーであることと、先のゴムが取れにくい仕組みになっていることから、他メーカーのものもたまに使いますが、シナノのポールを最も愛用しています。 

コンパクトな折りたたみ傘

山の中で雨が降ったときにはレインウェアを着るわけですが、レインウェアはあっても傘もあったほうが間違いなく便利です。下山後に街中を歩くこともありますし、山小屋に泊まるときはトイレが外にあったりで、一瞬だけ外に出るタイミングもけっこうあります。そんなときにいちいちレインウェアを着るのは面倒ですよね。

また、尾瀬や戦場ヶ原のようなよく整備された木道や広く平らな遊歩道を歩くときは、ちょっとした雨なら傘をさしてやり過ごすこともけっこうあります。というわけで、軽量コンパクトな折りたたみ傘を持っていくと、けっこう便利に使えるのです。
私の現在の愛用品はこちら。

骨がカーボン製なので110gと軽量ですが、丈夫です。日傘としても使える晴雨兼用なところも気に入っています。

防水コンデジ

普段の山歩きではOLYMPUSのOM-D E-M5 Mark2を使っており、こちらも防塵防滴ではあるのですが、雨の日に使うにはちょっと、デカいし重いんですよね……。

ミラーレスとは言え、雨の中で一眼をぶら下げて歩くのはちょっと邪魔な感じもするので、防水コンデジがあるとかなり幸せになれます。
私も今年の5月に購入したばかりなんですが、OLYMPUSのTG-5が雨の中の山歩きでは最高におすすめです。 

雨の日の山歩きの場合、あまり遠くの景色を撮るということはなく、撮りたいのは高山植物だったり苔だったりするので寄れるカメラがうれしいんですけど、TG-5はとにかくマクロ機能が充実していて、かなり寄れるし、簡単にきれいな写真が撮れます。

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レインウェアのポケットから取り出してささっと撮影できるのが本当にすばらしいですね。ちなみに私の撮り方が下手なだけで、もっともっと寄れます。

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料理写真もきれいに撮れるのがうれしいですね。

TG-5は在庫限りの生産完了品ですが、7月26日には後継品のTG-6が発売されるそうです。使い勝手の良いカメラなので、シリーズが続いてくれて良かったです!

速乾姓のタオル

赤岳鉱泉のような温泉付きの山小屋に泊まるときはもちろんですが、そうではない、普通の山小屋に泊まるときも、軽量コンパクトで乾くのも早い速乾性の高いタオルを持っていくと、便利に使えることが多いです。やはり、雨の中を歩くとどうがんばっても少しは濡れますからね。

私の愛用品は、MSRのパックタオルです。

何年使い続けても傷んで使えなくなるということもないので、もうずっと使っているのですけど……。もしかして世間ではもっと性能のいい、軽量コンパクトで乾きやすいタオルが出回っているのかもしれないなあ、なんてときどき考えることもあります。たまにはチェックしてみるか……。

あとは替えの靴下を忘れないことでしょうか。防水の登山靴を履いていても、浸みてしまうこともありますからね……。

今週末は三連休なのにすっきり晴れない地域が多いようですが、三連休なのにもったいない!と雨を承知で高い山に挑戦するよりは、雨でものんびり楽しめる山旅プランを計画してみるのが楽しそうだな、と考えているところです。