宮沢賢治の店 林風舎
林風舎は、花巻駅から徒歩3分ほどのところにある洋館のカフェなんですが、1階では宮沢賢治グッズを販売しており、2階がアクセサリー売り場と喫茶室、というお店です。
公式サイトを見てみると、トップページの一番上に
どうぞお入りください。賢治の心を誰よりも大切に思うオーナーの揃えた一つひとつの作品が語りかけます。
との表記があり、私のようなものが入っていいんかいな?と逆に身構えてしまいました。私、日本文学専攻だったころから、特に宮沢賢治好きではない、ので。。。
花巻は宮沢賢治ゆかりの地とは言え、オーナーはよほど賢治に心酔した方なんだろうなーと思っていたら「オーナーは宮沢賢治の弟の孫」ということでした。血縁者の方でしたか……こりゃ、下手なこと言えないな……(何を言うつもりだったの)
そんな林風舎ですが、駅からも近く、内装も凝っていそうだし、コーヒーやケーキもおいしいらしい、とのことでしたので、バスの待ち時間に立ち寄ってみました。
花巻駅到着後、バスを待つ間立ち寄れるカフェを探してみつけた宮沢賢治
休暇村岩手網張温泉に宿泊した翌日、盛岡駅でビールランチを楽しんだ後は電車で花巻駅に向かいます。
網張温泉、いい宿だったなあ……。
そして、ベアレン醸造所の駅至近にできた直営店!
期待どおりのすばらしさで「やっぱ岩手はいいなー」と思いながら、東北本線に35分ほど乗車して花巻駅に移動します。
ここからは、路線バスで宿に向かう予定なのですが、接続があまりうまくいかず、1時間近い待ち時間ができてしまいました。
よし、それならば食後のコーヒーだ!
花巻駅の駅ナカには、お茶もいただけるお菓子売り場と蕎麦屋がある
実は、花巻駅の駅構内でも、ちょっとしたスイーツをつまみながら、お茶をいただくことができます。
駅の待合所の入り口です。
ここにも、賢治さんのシルエットがいますねw
こちらの待合所の中では、岩手県産のものをはじめ、全国各地のスイーツを販売しています。
箱売りの物もありますが、1個ずつ単品で購入できるものもけっこうあります。ワッフルとかね。
岩手のお土産品なのかなあと思いきや、東京のお菓子と、岐阜のお菓子だったりw
いずれにせよ、好みのお菓子をちょこちょこ一品ずつ買えるって楽しいですよね。
旅行者も、地元の人も利用できるし……。
レジではコーヒーなども売っていますので、購入したお菓子をつまみながら、待合室内でお茶できるわけです。
ちなみに、奥の方に見える広めの席は、奥にある蕎麦屋さんの席だとは思うんですが、おそらく、コーヒーとお菓子を持っていってそちらで食べても大丈夫です。出汁の香りが漂ってはいますが。。。
しかしなんか、こんなにいろいろお菓子が並んでると、あれもこれもと買ってしまって大変なことになりそうだなあ。一品一品が安いし。
今日は旅館でしっかりご飯食べるんだから、あまりお菓子でお腹を膨らまさないようにしなくては!
ということで、一品で値段的にも味的にも満足できる、ちゃんとした喫茶店かカフェを探そう!と思い至りました。
洋館のカフェ「林風舎」は宮沢賢治ファンなら垂涎の場所、なのかもしれない
結局「花巻駅」で食べログを検索して一番上に出てきた喫茶店「林風舎」を探すことにしました。
花巻駅の外に出まして、駅のすぐそばにあるタケダスポーツの前を通り、住宅街の中を3分ほど歩くと……
それらしい洋館の前に着きました。
イーハトーブって書いてあるよ!これは間違いないですね!
看板は、宮沢賢治が好きだったという「ミミズク」ですね。
ちなみに、ミミズクとフクロウってどう違うのかよく知らなかったんですけど「フクロウ科の中で耳のような羽のあるもの」をミミズクって言うんだそうです。もしかして、常識でしょうか……。
私は知らなかったので、宮沢賢治のおかげで1つ知識が増えました。
扉はステンドグラス風です!きれいですねー。
1階は、宮沢賢治関連グッズのショップでした。
私が行ったときは、宮沢賢治の熱心なファンと思われる方たちが何人かいらっしゃって、お店の方の説明を聞きながら、熱心に展示されている品々を眺めていましたよ。
「カフェはどこにあるの?」ってきょろきょろしてる自分が申し訳ないような恥ずかしいような気持ちになりましたw
どうやら、カフェは2階にあるようです。
階段の下に置いてあった看板。かわいいですね♪
「おすすめはケーキセットデス」とのこと。
おお!なんだかよさげな雰囲気ですね~。
素敵なお店の予感がします!
広い店内ですが先客は1組だけで「お好きなお席にどうぞ」と声をかけていただき、暖炉の近くの4人掛けのテーブルに席をとりました。
この暖炉、本物なんですよ!
パチパチと音を立てて火が燃えていて、気持ち的にもとても暖かくなりました。
ちなみに、暖炉の上には賢治さんがいましたw
席について、まずはメニューを拝見!
飲み物はコーヒー、紅茶、ハーブティやキャラメルミルクティ、「セバスチャンティ」と名付けられたストロベリーミルクティ。
セバスチャンって、宮沢賢治の童話の登場人物か何か?
無知すぎて恥ずかしいなと思い、検索してみたらそうではなく「このお店の現オーナー(賢治の弟のお孫さん)の奥さんがイギリスでお世話になった家のお子さんの名前」だそうです。。。ま、紛らわしくない?
ゆず茶や各種ジュース、アイスクリームやサブレにかりんとうもありますが、ここはやはり、おすすめのケーキセットでしょう!ケーキのメニューは?
こちらでした。
売り切れの際はご容赦願いマス……とのこと。
これ、ときどきカタカナになるのは「雨ニモマケズ」とかにかけてるんですかね?
そのへんは謎ですが、やはりここは「注文の多いロールケーキ・オリザ」でしょう!
オリザが何なのかはまったく検討がつかないけど、4つあるケーキの中で、これにだけ作品名にちなんだ名前がついてるのはきっと、こだわりがあるからだよね?
注文しました。店内を眺めながらしばし待ちます。
ところで「オリザ」って何なんでしょうか?また人の名前?
調べたところ、こちらは宮沢賢治の作品由来の名称のようです。
「グスコーブドリの伝記」という童話の中で、「もっとも重要な作物」のことを「オリザ」と呼んでいるんだそうで。これはおそらく「稲」の学名の "Oryza sativa"から来ているんだろうとのこと。
つまり「オリザ」=「稲(米)」なので、「米粉100%のロールケーキ」が「ロールケーキ・オリザ」になったわけですね……。
考えている間に来ましたよ!
おお!オリザさん!なかなか乙女心をくすぐる盛り付けではないですか!素敵。
花びらのようにドライフルーツ?か何かが散らされていて、きれいだし、おいしそう。
コーヒーカップにもミミズクがいましたw
このカップはなかなかかわいいですね~。
コーヒーもおいしいし、内装も凝ってるし、混んでなくて静かだし、なかなかいいカフェだ。うん。
と思ってじっくり味わっていたら、先ほど1階で宮沢賢治の関連商品を眺めていた女性のグループが2階に上がってきて「ケーキはあるの?」などと聞いています。皆でお茶をしていくことにしたみたいです。
ケーキを食べたかったのはその中のお1人のようなのですが、やはり「ロールケーキ・オリザ」が気になったもよう。注文されていました。
そして、しばし経ってから急に思い出したように
「ねえねえ、そのロールケーキっていうのは真ん中に生クリームが入ってるの?入ってたら私、食べられないわ」
と。。。
お店の人は「オーダーが入ったのでもう切ってしまった」と困惑顔。
オーダーされたお客さんは「切っちゃったならいいわ、クリームをのけて食べるから出してちょうだい」と言っていました。
メニュー名は【注文の多いロールケーキ・オリザ】だったけど、やっぱり注文が多いのはお客のほうだったね!と思いながらお店を後にしました。
【再訪したい度】★★★★☆ 宮沢賢治が好きな人もそうでもない人も、花巻駅近くでお茶するならおすすめ
最後なので正直に言いますが、実は私は宮沢賢治はけっこう苦手ですw
一応文学部日本文学専攻なので、授業でいろいろ読まされましたが、正直あんまり……でした。
でも、こちらのお店は宮沢賢治云々を抜きにしても、内装もメニューも凝っているし、コーヒーもケーキもおいしくて、いいカフェだと思いました。
駅から近いし、そのわりに空いててのんびりできますしね。お値段も、特別安いわけではないけど高くもないですし。
もちろん、宮沢賢治が好きで花巻に来られた方だったら、絶対立ち寄ったほうがいいと思います!
階段の壁に、賢治の作品にちなんだ絵が飾られてて、値段もついていて売り物のようだったんですけど、額縁まで凝っててけっこうかわいかったですよ。
セロ弾きのゴーシュ。
オツベルと象。なつかしいですね~。
風の又三郎も。そのほかにもいろいろありました。
ちょうどいい具合に時間も潰せたので、本日の宿泊地、鉛温泉の藤三旅館にバスで向かいます!