岩手 花巻温泉郷 鉛温泉 藤三旅館
鉛温泉は、岩手県花巻市の花巻温泉郷にある温泉地で、「藤三旅館」はその鉛温泉にある一軒だけの旅館です。開業は1841年だそうで、江戸時代の後半ごろでしょうか、歴史ある旅館ですね。
「白猿の湯」という「立って入る」「混浴の」「足元湧出の」岩風呂という、ちょっと他には類を見ないような浴室がとても有名ですが、それ以外のお風呂もすべて「加熱・加水・加温・循環なしの源泉かけ流し」にこだわって提供しています。
また藤三旅館は一軒宿と言っても「旅館部」と「湯治部」に分かれており、それぞれ部屋の設備や食事などのサービスが異なります。
「1人で長逗留したいから湯治部で」とか「恋人と旅行だからちょっとグレードの高い部屋で」など、予算や用途に合わせてプランをチョイスすることができる、とても使い勝手が良い宿だと思います。実は私、もう10回ぐらい泊まっている気がします。。。
また、2015年には「藤三旅館・別邸」十三月という、全室露天風呂付きの別館も増築されました。
10月下旬の紅葉が盛りを迎えるころ、かつては定宿だった藤三旅館に、ちょっと久々に、泊まってきました。
鉛温泉藤三旅館までの公共交通機関でのアクセスは?
花巻駅近くの林風舎でロールケーキ・オリザとコーヒーをいただき、バスの時間までまったりした後は、花巻駅まで戻って「湯口線」という路線バスに乗ります。
宮沢賢治ファンでなくても楽しめるカフェでした。コーヒーもケーキもおいしかった!
新鉛温泉行き、13時30分花巻駅発のバスに乗りました。
同じバスに乗車したのは3名ほど。
実は、このバスに乗車すると、14時過ぎには宿に着いてしまうので、15時のチェックインには少し早いんですよね。
それに、花巻南温泉峡無料シャトルバスという無料のバスも、迎えは3本、送りは1本が鉛温泉を経由してくれますので、わざわざ路線バスで行く人は少ないんだと思います。でも、個人的にはこの無料シャトルバス、ちょっと運行時刻が微妙だなと思っていまして。
鉛温泉を経由するシャトルバスの時刻表はこういう感じなんです。
迎えというか、行きがこの3本。
新花巻駅 | 花巻駅 | 鉛温泉 藤三旅館 | |
---|---|---|---|
1便 | 15:10 | 15:25 | 16:05 |
2便 | 16:10 | 16:25 | 17:05 |
3便 | 17:10 | 17:25 | 18:05 |
で、送りというか、帰りがこの1本。
鉛温泉 藤三旅館 | 花巻駅 | 新花巻駅 | |
---|---|---|---|
1便 | 9:47 | 10:30 | 10:45 |
まず、行きはちょっと時間が遅いんですよね。
1便に乗ったとしても、15時チェックインなのに到着が16時を過ぎてしまうんです。
しかも、1便で来るお客さんがとても多いので、チェックインや部屋への案内にも時間がかかる!
チェックインから夕食までの貴重な時間が、かなり短くなってしまうんですよ。。。
そして、帰りのバスは、行きほどではないですが、やや早いかな~と。9時47分発のバスに乗るためには、9時30分にはチェックアウトしていなければならないので……できれば、チェックアウト後少しぐらい待ってもいいから、ギリギリまで滞在したい!
というわけで私は、帰りの無料シャトルバスはたまに使うこともありますが、行きはめったに使わず、ほとんど路線バスを利用しています。片道730円です。
ただ、路線バスは新幹線の停車駅である「新花巻」を経由しないので、新花巻駅を使う場合は、シャトルバスを利用したほうが早いとは思います。
花巻駅で13時30分ごろバスに乗車し、14時過ぎに鉛温泉のバス停に着きました。
バス停の側には、鉛温泉についての説明の書かれた看板がありました。
お隣の大沢温泉や、宮沢賢治の童話に登場するという「なめとこ山」についても触れていますね。
よく見ると、賢治さんの帽子と外套がかかってる!w
触ってみるとこの帽子と外套、金属でできており、とても硬かったです。それはそうか……。
すぐ近くには、鉛温泉についてのあれこれが書かれた大きな立て看板が!
ほー。藤三旅館の湯主って藤井さんっていうのか。だから「藤三」旅館なのかな。
隣には旅館の看板もありました。
なんと!日帰り入浴は朝7時から夜9時までという、けっこうな長時間営業なんです。
これは、お隣の大沢温泉もたしか一緒だったかな。
バス通りから案内板に従い、宿に向かって道を下っていきます。
背後に見える山もほんのりと色づいていますが、さらに道を下っていくと……
宿の周辺は紅葉が真っ盛りです!
きれいだなあ。。。
紅葉の小道をさらに下っていくと……
藤三旅館の旅館部の玄関に到着です!
旅館部の玄関前の紅葉が一番見事でしたね。
チェックイン時刻より少々早い到着ということもあり、しばらく見入っていましたが、14時15分ごろ、宿の中に入りました。
玄関から入って右側(この写真だと左側)が帳場です。
宿泊の予約をしていることを告げると、帳場前の待合スペースに案内されます。
私の他にも2組ほど「15時チェックインなんだけどちょっと早く来ちゃった♪」な人たちがここ待っていました。宿のスタッフがやってきて順番に案内してくれます。
結局、15時チェックインのプランで予約していましたが、14時30分ぐらいには部屋に案内していただきました。ありがたいことです。
各階のエレベーターの扉にはそれぞれ、アートが施されていました。
こっちの絵は、宮沢賢治の童話由来か何かでしょうかね。。。
そしてエレベーターの内部には、どどーんと、雪のついた岩手山の写真が!
今回泊まるお部屋は、旅館部の木造本館の3階です。
建物は古いのですが、廊下もちり一つなく清潔感があります。
こちらのお部屋に泊まります!
宿泊客が入室したタイミングで、ドアの前のライトを点灯させるというきまりのようで、案内してくれた女性スタッフの方がライトを点けていました。
スタッフの方に「夕食・朝食の開始時刻」と「朝食の際に布団をあげるか否か」を確認され、浴衣のある場所などを教えていただき、案内終了。
この時点でまだ15時前。部屋でくつろぐかさっそくお風呂か、悩むところですね。
【部屋】★★★★ トイレ・洗面別の木造本館でも十分に快適
今回宿泊した部屋は、木造本館の7畳の和室。バストイレと洗面は付いていない、シンプルな部屋です。
木造とは言え、内装は定期的にリフォームしているようで、畳も新しいし室内はとてもきれいです。
洗面所は室内にありませんが、鏡台があるのでメイクするには困らなそうですね。
お茶うけはくるみ饅頭。
テレビの下には、電話、暗証番号式の金庫、冷水ポットとお湯の入ったポットが。
あえて言えば、お湯のポットが湯沸かし機能付きだとよりうれしかったけど、朝食のときに新しいお湯の入ったポットは持ってきてくれました。
クローゼットに入っていた浴衣、バスタオル、歯ブラシとフェイスタオルの入った袋。
冷蔵庫の中は空なので、好きな物を入れて冷やせます。
窓の障子を開けると、渓流と紅葉が!
渓流に面していない部屋もあるのですが、早めの予約だったためか、眺めのいい部屋を用意していただけたようです。
しかし、窓からの景色はきれいだけれど、カメムシが入ってくるので窓は開けないでください、とのことでした。
ちなみに、トイレのついていない部屋なので共同のトイレを使うことになりますが、もちろん男女別でウォッシュレット付きの清潔なトイレでした。
ただ、部屋からちょっと離れたところにあったので、若干面倒だったかも。
こちらがフロアマップなんですが、男女別のトイレはワンフロアに1箇所あるだけなんです。
フロアの真ん中あたりにあるので、端っこのほうの部屋だとちょっと遠いなあと。
実は、洗面所にもトイレの個室が1つだけくっついているんですけども。
左手に洗面所、右手にトイレの個室があります。
ただ、このトイレ兼洗面所は男女別で分かれていないし、正直女性は使いにくいと思います。
洗面所で歯を磨いている人がいる後ろで用を足すのって、何か抵抗があるというか……洗面所にもトイレにも女性しかいなかったらまだいいんですけどね。正直私は、ここのトイレは使いたくないなって思いました。
そうなると、共同の洗面所のすぐ側にトイレの個室があるって、洗面所を使ってるときに若干においも気になったし、あまり機能的とは言えないつくりだなあと。
ただ、洗面所の設備自体は、きちんと風力のあるドライヤーが2機と、化粧水などのアメニティも整っており、使いやすいです。
別館1階 洗面・トイレ付きの部屋はこんな感じ
今回は、リーズナブルな木造本館での宿泊でしたが、以前、鉄筋の別館1階の洗面・トイレ付きの部屋にも泊まったことがあるので、参考にそちらの部屋をご紹介したいと思います。
まず、扉がちょっと違っています。なんだかよくわからないけど、レリーフのようなものが飾られていました。
今は、別邸十三月ができましたが、それまではこちらの部屋が鉛温泉の中では最もグレードの高いお部屋だったと思いますので、ちょっと差をつけてあるのかなw
室内は、実は木造本館とそんなに変わらないです。
広縁があって一畳分広いぐらいでしょうか。
木造本館のほうも、きちんと定期的に修繕を入れているので、パッと見ではあまり変わらないんですよね。
ただ、本館は木造でこちらの別館は鉄筋なので、防音性は別館のほうがよいです。
本館は、静かにしていると隣の部屋の話声やテレビの音がうっすら聞こえたりもするので、神経質な方やお子さん連れの方は別館のお部屋を選ばれたほうがいいと思います。
液晶テレビや金庫など、設備もほぼ一緒ですね。
除湿器だか加湿器のようなものがありますが、特に使いませんでした。
洗面所とトイレ、冷蔵庫があります。
洗面所も、アメニティなどは特になく、シンプルではありますが清潔です。
トイレも、ウォッシュレットのついた新しいものでしたよ。
洗面・トイレ別の部屋でも別に平気ではあるんですが、やっぱりついていると便利ですよね……。
ちなみに、鉛温泉は全館wifi完備でした!
部屋の中でもしっかり速度が出ていたので、ありがたかったです。
【風呂】★★★★ 泉質は最高だが男女の利用時間にやや不満がある
さて、お風呂です。
鉛温泉のお風呂に、私はとても複雑な思いを抱いていまして、実はTwitterでも何回かつぶやいたことがあるんですが……鉛温泉のお湯が大好きなために、どうしてもがっかりしてしまうポイントがあって、ここ2年ぐらい足が遠のいていました。
それについては後ほどご説明するとして、まずは浴室の紹介です。
お風呂は、旅館部側には「白糸の湯」と「銀の湯」という内湯があり、こちらは時間制で男女が交代となります。
そして湯治部側には「桂の湯」という露天風呂付きの大浴場があり、こちらは男湯と女湯に分かれていて、時間による交代はありません。
「桂の湯」のすぐ側には、この宿の名物とも言える「白猿の湯」という立って入る混浴の岩風呂があります。
日帰り入浴に来た方にもわかりやすいように、帳場の前に案内板がありました。
今回の宿泊は日曜日の宿泊でしたが、浴室が無人になるタイミングはまったくなかったので、浴室内については、これまで宿泊した際に撮りためた写真を掲載しています。
なので、2年以上前の写真ではあるのですが、見たところ特に2年前と変わったところはありませんでした。
旅館部の浴室「白糸の湯」と「銀の湯」はこんな感じ。
旅館部の玄関を入って左手に向かいますと、日帰り客のための休憩室があり、その先に白糸の湯と銀の湯があります。
こちらです!
ちなみにですが、手前にちょろっと写っている黒い階段は、木造ですが磨き上げられて黒光りしていてとてもかっこいいです。
けっこう急な階段ではあるのですが、歴史を感じさせます。
さて、お風呂の話でした。
これは「白糸の湯」が女湯になっている、翌朝撮った写真ですね。
「白糸の湯」はかなり広々としているのに対し、銀の湯は2~3人入ったらいっぱいな狭い浴室です。
まず、広いほうの白糸の湯についてご紹介します。
こちらは、女性が入浴できるのは朝6時から午後3時まで。
なので1泊だと実質、朝6時からチェックアウトまでしか入浴できません。
脱衣所は広く、整然としています。
洗面・パウダースペースも広く、化粧水や乳液などのアメニティも置いてあります。
ただ、こちらの浴室、一歩中に入ると、湯気がものすごいです。
入浴目線で撮影しましたが、何も見えません。
浴槽がけっこう広いのは、伝わりますでしょうか……。
洗い場も撮影しましたが、なんだかよくわかりませんね。。。
一応、シャンプー・コンディショナー・ボディシャンプーはしっかりありますし、シャワーも水圧十分でちゃんと使えるやつです。
実はこちらの浴室、大きな窓がついていまして窓を開けて半露天のようにして入ることもできるのですけど、窓を開けていなくてもこの湯気ですので、ちょっとでも窓を開けようものなら、冷たい外気が湯気となって、ホワイトアウト状態になります。まじで遭難するかと思いましたよ。。。
ただ、お湯はすっごくいいです!
アルカリ単純泉でそんなに特徴あるわけではないのですが……そして、これだけ湯気が出るとあってまあまあ温度も熱いのですが……。
鼻を近づけると、ほんのわずかに硫黄の香りがして、肌に優しく、新鮮そのものの本当にいいお湯です。
敷地内に、温度の異なる源泉がいくつか湧き出ていて、それを混ぜることによって温度を調節していると聞いたことがあります。
ミストサウナ状態なのでなかなか長湯ができないのが残念ではありますが……。
そして、こちらの白糸の湯は、女性が入浴できる時間が短いのも残念ではありますが……。
次に、隣にある「銀の湯」です。
洗面・脱衣所はこんな感じ。
かなりこぢんまりとしていますね。
浴室もこんな感じで小さいです。
そして、湯気がすごいのは白糸の湯と一緒ですw
小さいのもそのはずと言いますか、こちらの浴室、午後3時から午後9時までは貸切風呂として使われています。
午後9時から朝6時までが女湯となります。
お湯は、白糸の湯と同じで、熱めですが新鮮さの感じられるとても良いお湯です。
男女別の大浴場 桂の湯
さて、白糸の湯・銀の湯の後は湯治部にある浴室へ向かいます。
元来た道を歩いて正面玄関まで戻り、さらにまっすぐ行くと右方向に折れる分かれ道があり、そこが湯治部につながる渡り廊下です。
白猿の湯と桂の湯のある棟にも、自動販売機やマッサージチェア、そして畳敷きのスペースがあって湯上がりに休んだり、待ち合わせをしたりできます。
桂の湯の脱衣所にある洗面所です。
化粧水と乳液、クレンジングが置いてあってすばらしいなと思ったんですが……
化粧水が、ほぼありませんw
あら、こっちは瓶ごとないや。。。
まあ、化粧水と乳液があったら、大抵化粧水のほうが早くなくなるのはわかるんですが、補充してもらえると、うれしいな。。。
脱衣所には温泉分析書がありました。
源泉59度。ph8.5のアルカリ性単純泉です。
脱衣所には無料で利用できる貴重品ロッカーがあるので、日帰りで来ても安心ですね。
ちなみに、白糸の湯の脱衣所にも貴重品ロッカーはありました。
そういえば、この桂の湯の脱衣所で、初めて「別邸十三月」に泊まっているお客さんと会ったんですけど、スリッパとか浴衣が、旅館部より高級感あったのですぐわかりましたw
別邸十三月は全室露天風呂付きだそうですが、もちろん、旅館部・湯治部のお風呂にも入れるんですね。
桂の湯の、浴室内はこんな感じ。
ガラス張りの内湯と、外に渓流を眺められる露天風呂があります。
こちらもお湯はなかなか熱いのですが、白糸の湯ほど湯気はひどくないですw
また、洗い場も5つぐらいあり、設備は白糸の湯と同じです。
露天風呂からの眺め。
これも、数年前に撮った写真なんですが、ほとんど同じ季節に来ているので、眺めもほぼ一緒でした。
渓流と、紅葉が眺められます。
10月下旬の空気はひんやりとしていますが、それがとても気持ちいいです!
お湯も、内湯に比べるとややぬるめで、一番長湯しやすい感じ。
桂の湯は男女の入れ替えはなく、清掃時間以外はいつでも入ることができます。清掃時間の案内も桂の湯の前に貼ってあります。
基本的に清掃は、宿泊客のいない時間帯に行われるようなのですが、日帰り利用や連泊の計画をする際には、清掃時間をチェックしておいたほうが良いですね。
さて、最後に白猿の湯へ!
桂の湯の目の前にあります。貴重品ロッカーなどはないので、桂の湯のロッカーに入れておきましょう。
白猿の湯は、バスタオルや湯浴み着は禁止です。
バスタオル大丈夫なところでNGなところって、何が違うんでしょうね……?
酸性泉だと殺菌されるから大丈夫、とか、あるのかしら。。。
タオル巻きNGなので、混浴時間帯は実質、男湯と言ってよいです。
女性は専用時間に入るしかない。
階段で下に下りていき、すのこの上で服を脱いで入ります。
洗い場にはシャワーなどないので、体はあらかじめ別の浴室で洗ってきたほうが良いです。
お湯は、41度ぐらいでしょうか。そこまで熱くはないです。
深い浴槽の真ん中あたりに行くと、足元からボコッ、ボコッと熱いお湯が湧いているのがわかるのですが、本当にかなり深くて、しかも足元も平らではないので、私はほとんど浴槽の縁にくっつくようにして入っています。足を踏み外したら溺れそうなので。。。
正直なところ、女性の入れる時間が限られているから常に混雑しているし、立って入らなければならないからあんまりくつろげないし、そこまでして入りたいかな?などと入る前はいつも思うのですが、いざ入ってみると「やっぱり入ってよかったわ」と思ってしまう不思議なお湯です。
お湯はもちろんいいし、浴室の雰囲気もいい。。。
あと、端っこに小さい丸い浴槽がありまして、かけ湯用だと思っている人もいるようなんですけど、そこもちゃんと、中からお湯がわき出しているんですよね。
小さい浴槽はおそらく30~35度ぐらいでかなりぬるめなので、ときどきこちらに入ってからまた、大きな浴槽に入ると、しびれるような気持ち良さを味わえますw
1人しか入れない小さな浴槽なので、先客がいるとちょっと残念な気持ちに。
時間制限があるのが悔しい、よいお風呂です。
さて、鉛温泉藤三旅館の風呂について、何が不満か
湯気がすごいとか化粧水がないとかちょいちょい書きましたが、そんなことではなく……端的に言えば男性に比べて、女性の利用できる風呂が少ないということ。
多少の男尊女卑なら仕方ないとは思いますが、ちょっと許容しがたいものがあります。
先にも書きましたが、白猿の湯は、女性専用時間以外は実質男湯です。
15時にチェックイン後、女性が白猿の湯に入れるのは19時30分~21時と、翌朝朝6時~7時のみです。
まあ、これは仕方ないかなとは思っています。問題はそこではなく。
旅館に泊まる人の多くが「チェックイン後、夕食前に一風呂浴びたい」と思っていますので、夕食前の時間帯はどこの旅館も一番お風呂が混みますよね。
そのゴールデンタイムに、女性が入れる風呂は桂の湯のみ。
でも男性は「桂の湯」、広い「白糸の湯」そして「白猿の湯」に入れるんです。
これちょっと、不公平じゃない?
もー、夕食前の時間、女湯の「桂の湯」めっちゃ混んでるんですよ。
で、女性専用時間に白猿の湯に行くと、当然めっちゃ混んでるわけですよ。
そして、翌朝「白糸の湯」に行くと、そこもすごい混んでるんですよw その時間しか入れないですからね。。。
いつも、どこの風呂に行っても混んでるんですよ。今回は、土曜日の宿泊というわけでもなかったのに。
混んでない風呂に入ろうと思ったら、白猿の湯の女性専用時間にあえて桂の湯に行くか、夜中に起きて桂の湯か銀の湯に行くか……まあ、連泊するならそれもありかなと思いますけど、1泊だとちょっとつらいなと。風呂のことを考えると、つい、お酒を控えてしまいます。
でも、それでも、湯治部に河鹿の湯があったころはまだ良かったんです。
夕食前の時間帯でも、河鹿の湯に行くとだいたい空いていたので。
懐かしい、まるで病院のような造りの湯治部の廊下。
懐かしい。河鹿の湯ののれん。
内湯のみ、小浴槽が1つのシンプルな浴室でしたが、大好きでした。
河鹿の湯に変わる浴室を作ってほしかった。。。
それが無理なら「銀の湯」と「白糸の湯」の男女の入浴時間を入れ替えて欲しい!
それでかなり改善されるはずですよ。。。
というか、私が初めて鉛温泉に泊まった2009年はそうだったんですよね。白糸の湯に女性が夜入れたんです。なんでいつのまにか逆にしてしまったんですか……。
河鹿の湯がなくなる、と聞いたときに「もし河鹿の湯に変わるお風呂ができないのなら、女湯はいつも混んでいて楽しくないことになるだろうなー」と思って、それで実は2年ぐらい鉛に来ませんでした。
河鹿の湯がなくなる直前に、入り納めと思って休みをとって2連泊したんですが、今回はそれ以来の宿泊で。
私の予想どおりになってないといいなーと思いながら来たんですが、やっぱり予想どおりの展開になっていて、とても残念です。
でも、本当にお湯はいいんですよ!
もし、これを読んだあなたが男性なら。
もしくは昔の鉛温泉を知らなくて、まっさらな気持ちで泊まりに行くなら、十分おすすめできる宿だと思います。
【食事】★★★★ 何回も泊まっているので定番メニューだなーと思っちゃうけど、量もたっぷりだし味もおいしい
藤三旅館の旅館部は、以前はすべての部屋で部屋食だったんですが、数年前に1階に食事処ができまして、それからは基本は食事処での食事となりました。
部屋食のプランを予約するか、あるいはオプション料金(500円)を払って予約時に申し出るかすれば部屋食にしてくれるようです。まあ、部屋食にこだわる方なら500円なら安いほうかもしれませんね。部屋食にするだけで2000円ぐらい取るとこもあるから。
私は、部屋食でも食事処でもどっちでもいい派(お酒とか食事処のほうが注文しやすいし)なので、特にオプション利用は考えていなかったのですが、なぜか申し込んだプランが部屋食適用のプランだったみたいで、今回は部屋食となりました。
ちなみに、食事処の入り口はこんな感じ。
以前食事処でもいただいたことがありますが、間接照明で、わりと雰囲気のある食事処でしたよ。薄暗くて料理の写真は撮りにくかったけれどw
夕食のメイン料理はしゃぶしゃぶかすき焼き。安めのプランだと豚しゃぶになる。
さて、今回夕食は18時にお願いしたのですが、10分ほど前にもう、御膳を運んできてくださいましたw
まあ、部屋にいたので良かったんですけども。
それと、チェックインのときに「料理と一緒にご飯を先に召し上がりますか?」と聞かれ「お酒を飲むから最後でいい」と言ったのですが、なぜかご飯も持ってきてくれたw
お酒飲むのでまだ食べないです、と言ったら「じゃあまた後でもってきます」と言われましたが……。
お酒は何を飲みましょうかね。メニューは、館内の案内図などと一緒に部屋の中に置いてあります。
生ビールは、スーパードライとプレミアムモルツ。瓶ビールは各種あり。
秘湯ビールもあります。
焼酎各種とウィスキーもあり。
日本酒は「七福神」の生酒と純米。あとはどぶろく。
サワー、ソフトドリンク、ワインもあり。
うーん、どぶろくかあー。それもいいけど、わりと料理に合いにくいような……。
実は私、見てしまったんです。
食事処の前に置いてあったメニューに、部屋のメニューには書かれていない日本酒が載っているのを!!
これです!若女将のおすすめ日本酒!!
〆張鶴!八海山!飲みたい!!
で、料理を運んできた方に「食事処の前でメニュー見たんですけど、〆張鶴ないでしょうか?」と聞いて、出してもらうことにしました。
正直、基本メニューだと日本酒のメニューは少なめだと思うので「他にないですか?」って聞いたほうがいいと思います。ありそうでしたから。。。
ちなみに飲み放題もやってるそうです。
それと、昼食営業もあるので、連泊の際も安心。
単品料理のメニューはこちら。
あとはコーヒーとアイスクリームがあるそうです。
さて、夕食ですね。
ちょうど〆張鶴もきましたよ。いただきます!
お品書きはなく、運んできてもらったときに口頭で説明してもらう感じです。
あいなめの黄味素焼き。サーモンのカルパッチョにブルーチーズのソース。
この黄味素焼き、定番メニューなのですが優しい味わいでお酒にも合い、おいしいです。
お刺身は鮪、カンパチ、甘エビ。
ごま豆腐に蟹。いくら、長芋、なめこ、めかぶの和え物。
鉛温泉ではお値段高めの料理のプランだと、メイン料理はA5ランクの牛肉をすき焼きかしゃぶしゃぶでいただくことになります。リーズナブルなプランだと豚しゃぶに。
今回は、牛しゃぶしゃぶどーん!
ごまだれとポン酢が両方あるのがうれしい!大好き!
ありがとう楽天スーパーセール!w
鶏と豆腐と蕎麦の実の蒸し物。山菜の油炒め。
蒸し物はかぼちゃ饅頭。
こちらは酢の物。蟹爪と、帆立やイカ。
長芋のぬか漬けは自家製だそうです。これ、買って行きたいぐらいおいしいんですよねー。
とろろ昆布のお吸い物。後で改めて持ってきてもらったご飯もおいしく炊けていました。
デザートは、メロン・オレンジ・水饅頭。
平日料金・かつ楽天スーパーセールの割引が入って1万円少々というお値段なのですが、かなり満足感の高い食事だと思います。
そして翌朝の朝食。
チェックイン時には「朝食前に布団をあげてくれ」と伝えていたのですが「やっぱりちょっとゴロゴロしたいなー」と思い「やっぱりそのままで」とその場でお願いし、布団そのままで朝食をいただくことになりました。
1人泊だと布団敷いたままでもぜんぜんスペースに余裕があるのがいいですね。
朝食は、こんな感じでお弁当っぽく運ばれてきます。
蓋を開けて分解するとこんな感じに。
野菜サラダや焼き魚、切り干し大根など。
そして鍋の中は……。
鉛温泉定番!ハムエッグです。
油のかわりにバターかマーガリンを使っているのか、焼いているときにすごくいい匂いがします。
温泉卵よりもこっちのほうが興奮しますね!
朝食も、大変おいしくいただきました!
【再訪したい度】★★★★ いろいろ愚痴も書いたけど、それでもいい宿だとは思う
なんだかんだご飯もおいしいしお湯はすばらしいし、昔を知らなかったら今でも★5つつけてたんじゃないかなという宿ではあります。
全部屋部屋食だったのが、いまや旅館部も湯治部も食事処ができたりで、だんだん変わっていくんだなあという……ノスタルジーとでも言いますか、何かひっかかってしまうんですけど、歳なのかもしれませんね・涙
部屋も設備もあちこち手を入れて新しくしているし、正当な進化もちゃんと遂げている宿だと思うんです。ときどき「なんで?」っていうポイントがあるだけで。
何度か「もう鉛はいいや、次は大沢に泊まろう」って思ってるんですけど、大沢温泉て土曜日の1人泊がけっこう難しいんですよね。直接電話したら違うのかもしれませんが、ネット予約では、湯治部ですら土曜の1人泊はプランが出てないのです。
でも、鉛温泉は前もって予約しておけばどの部屋でも(なんなら十三月でも)1人で泊まれますからね。
でもやっぱり、銀の湯と白糸の湯の男女の時間は交換してほしい。。。
【おまけ】湯治部の売店に行ってきました
湯治部は特に連泊される方も多いと思いますが、鉛温泉の周辺には飲食店は見当たりません。
連泊時の昼食は蕎麦などの昼食営業もやっていますが、売店でお菓子やカップラーメンを買って簡単に済ませることもできます。
白猿の湯の側を通り抜けまして……
湯治部の玄関入ってすぐ。帳場の向かいに売店があります。
おみやげとか、いろいろ。
飲み物やアイスもいろいろ。
タオルや石けんなどの温泉グッズもいろいろ。
パンやおつまみも売ってるよ。
煙草とか、洗剤とか、カロリーメイトとか。
カップラーメン。
たぶん、大沢温泉のほうが普通に使える売店のような気がするけど、鉛の売店も雑然としていて楽しいです。
でも、以前はおばあちゃんが店番していたと思うんだけど、この日はいなかった。おばあちゃん元気かなあ。。。
そういえば湯治部の、おそらく客室の前を通ったら、こんな扉があってびっくりしました。
長逗留している方なのか、それとも従業員の部屋だったりするのかしら……。
やっぱり鉛温泉、好きは好きなので、また状況変わったら泊まりに行きたいです。