ややぬるめのお湯がとにかくすばらしい!混浴露天風呂もある鬼怒川沿いの宿
仁王尊プラザは、鬼怒川温泉駅から徒歩20分、最寄り駅の東武ワールドスクエア駅から徒歩6分のところにある温泉ホテルです。
東武ワールドスクエアに近いということもあり、宿泊に関しては家族連れに狙いを定めているのか、1人泊の宿泊プランの設定は基本的にありません。しかし、こちらのお宿、本当に本当に、すばらしいお湯をお持ちなんですよ……。
尾形船にお湯をはった露天風呂などちょっと不思議な演出もあったりしますが、そんなことが何も気にならなくなるぐらい、本当にいいお湯です。
いわゆる「鬼怒川温泉」とは場所も少し離れていますので、あまり知っている人のいない穴場の宿ではないかと思うのですが、ご紹介したいと思います。
大型ホテルが多く、日帰り入浴するのにちょうどいい宿がない鬼怒川温泉
奥鬼怒温泉郷の手白澤温泉に宿泊した翌日は、昨日来た遊歩道をまた歩いて、女夫淵温泉バス停まで向かいます。
手白澤温泉は、バス停から徒歩2時間30分ほど歩いてたどり着ける、秘湯の温泉宿です。
遊歩道はそれほどアップダウンもありませんし、新緑の中を気持ちよく歩いてバス停に着いたのですが、歩いたので汗をかきました。女夫淵温泉から乗ったバスの行き先は「鬼怒川温泉駅」です。せっかくなので鬼怒川でもう一風呂浴びていこうじゃないか、ということに。
鬼怒川駅周辺の温泉ホテルで日帰り入浴をすることも考えましたが、大型の温泉ホテルが多い鬼怒川では、日帰り入浴は15時ぐらいで締め切ってしまう宿がほとんどです。それに循環湯のところが多くてお湯にもあまり魅力を感じないな……。
ということで、鬼怒川温泉駅からは少し離れますが、鬼怒川沿いにある温泉宿「仁王尊プラザ」に今回もお邪魔することにしました。
鬼怒川温泉駅から徒歩20分、タクシーで1000円ぐらいで行ける仁王尊プラザへ
仁王尊プラザは、鬼怒川温泉駅からは徒歩20分ほど。最寄り駅の東武ワールドスクエア駅からは徒歩6分のところにあります。
帰りの電車の時間の都合上、なるべく早く宿に着きたかったので今回は鬼怒川駅前からタクシーを利用しました。1000円ぐらいで着きました。
こちらが仁王尊プラザです!パッと見古いマンションのようで、あまり温泉ホテルっぽさはない外観ですね。
建物もそうですが、施設全体がわりと古びているので、じゃらんや楽天の口コミでもその点を指摘され、評価を下げられていることがよくあります。お湯は本当にいいのですが、新しくてきれいなお風呂・お宿が好きな方には向かない宿かなとは思います。
仁王尊プラザの日帰り入浴時間と入浴料金
仁王尊プラザの日帰り入浴の営業時間は、午前9時から午後9時(最終受付は午後8時)までとかなり長めです。
入浴料は大人700円、子供350円です。
ちなみにこちらのお宿「鬼怒川・川治温泉郷で最も大きな釣り堀」を併設しているそうで、マスやイワナを釣ることができるそうです。(入浴料とは別に料金がかかります)
受付で入浴料を支払い、館内について簡単に説明していただきました。
今回、仁王尊プラザに日帰り入浴に来たのは実は2回目なんですが、ひさびさだったので「初めてです」と申し出たところ、館内の案内図が書かれた紙をいただきました。浴室がいくつもある宿なのでありがたいです。
仁王尊プラザには入浴可能な浴室が「男女別の内湯」「男女別の露天岩風呂」「男女別の尾形船露天風呂」「混浴露天風呂」と4つあり、すべて脱衣所も異なります。
なので、4箇所のお風呂をすべて回ろうとすると何度も服を脱いだり着たりしなければならなくてちょっと慌ただしくなってしまうのですが……致し方ありません。
受付から階段を下りて地下1階に向かいます。
地階には無料で利用できる和室の休憩所があり、目の前に飲料の自動販売機も置いてありました。
時間に余裕があればこちらで、缶ビールなど買って風呂上がりにダラダラ過ごすのも楽しそうですね!まあ、風呂が良すぎて大抵、時間ギリギリまで風呂に浸かってしまうので、時間に余裕などいつもないのですが……。
浴室に向かうためにはいったん、建物の外に出ます。
外に出るとそこは、あちらこちらにベンチが置かれ、大きな池(と見せかけた釣り堀)があってのどかな雰囲気かと思いきや、池の向こうには大きな仁王像が立っていたりとややカオスな場所です。
隅のほうに「ゆ」とかかれたのれんがかかっているところがあります。
ここが、男女別の内湯と、男女別の露天岩風呂の入り口です。
【風呂】★★★★★ ややぬるめのお湯が本当に最高!
のれんをくぐって先にすすむと、左手に木製の引き戸があり、右手には男女別の脱衣所らしきのれんがかかっています。
左側が内湯で、右側が露天岩風呂です。まずは内湯に行ってみたいと思います。
まずは内湯へ
仁王尊プラザの4つの浴室のうち、洗い場があるのは「内湯」と「露天岩風呂」の2つです。
どちらもシャワー付きの洗い場がありますが、鍵付きのロッカーやドライヤーが設置してあるのは内湯だけなので、最初は内湯に行って入浴に必要のない荷物をロッカーに預け、体や髪を洗うのが良い流れかと思います。
左側に見える鍵付きロッカーは無料で利用可能ですので、こちらにザックなどを入れてしまいます。
右側に見えるのれんをくぐれば脱衣所ですが、奥に見える衝立の奥に洗面所があるのでそちらをまずはちらっと覗きます。
洗面所には箱ティッシュとドライヤーが2台。
箱ティッシュがあるのは地味にありがたいです。
ドライヤーはこんな感じのちょっとおもちゃっぽいもの。ちゃんと使えるか不安でしたが、やや風量弱めながらもまあ、普通に使えました。
では、内湯の脱衣所へ。
脱衣所内は脱衣カゴとベンチなどがあるだけです。
温泉分析書が貼ってありました。
湧出温度40度、湧出量毎分381L、ph9.7のアルカリ性単純温泉です。
源泉利用状況は、加温のみ場合によってはありですが、加水なし、循環ろ過、消毒なしの源泉かけ流しです。素敵。。。
湧出温度が40度なので冬は加温していそうですが、おそらく6月下旬のこの時期は加温していないのではないでしょうか。
期待しつつ浴室へ。
強アルカリ性なので滑らないように注意とのこと。ちなみに浴槽の床は滑り止めのシートが敷いてないところは本当によく滑りました。
内湯の浴室へ。手前に浴槽、奥に洗い場があります。
リンスインシャンプーとボディシャンプーあり。シャワーはやや水圧弱めでしたが、普通に使えました。
体を洗って浴槽へ。
何箇所かある湯口から常にお湯がかけ流されており、浴槽の縁からはどんどんお湯があふれていきます。
お湯は強いぬるつきのあるアルカリ性のお湯で、入っていると肌にまとわりつくようなしっとり感があります。湯温は40度ぐらいで、適温です。
しばし無人でしたので、のんびりと内湯を堪能し、他の方が入ってこられたタイミングで隣の露天岩風呂に移動します。
男女別の露天岩風呂でまったり
露天岩風呂は内湯の向かいにありますが、いったん外に出るので服を着なくてはなりません……。
簡単に服を着て入浴に必要な荷物だけ持って、女湯へ。
脱衣所はこちらも、脱衣カゴとイスがあるだけのシンプルな作り。
全体的にですが、やや雑然としているため、潔癖な方はちょっとダメかもしれません。
露天風呂にも洗い場がついています。
リンスインシャンプーとボディシャンプーあり。
こちらも、ドバドバと源泉がかけ流されています。
眺望というほどの眺望はありませんが、他に入浴客もおらず、緑を眺めながら風を感じながら、のんびりと露天風呂を楽しむことができました。
湯温も内湯よりややぬるめ、39度ぐらいでしょうか。いつまでも入っていられそうな良いお湯でした。
名物!尾形船露天風呂
さて、さらに着替えていったん外に出まして、次は尾形船露天風呂に向かいたいと思います。
こちらが噂の釣り堀です。この日は土曜日でしたが、釣りをしている人はいませんでしたね。
仁王尊の前を通り抜けると、尾形船露天風呂がある湯小屋が見えます。
脱衣所。こちらの浴室には洗い場はありません。
脱衣所で服をぬいで振り返ると、どーんと!尾形船が鎮座しています。
本当であれば水の上を走るはずの舟の中に、水(ではなく温泉ですが……)がはられているという不思議な光景です。
舟は木製ということもあり、内湯や岩風呂と比べてかなり中が滑ります。こんなにぬるぬるの源泉だったのか!と驚くほどです。
こちらも源泉はドバドバとかけ流し。
金網の外には鬼怒川の流れが見えるはずなんですが、立ち上がると滑りそうになるので無理に眺めようとしないことにしました。
こちらのお湯もややぬるめでいくらでも長湯できそうです。のんびりとお湯に身を沈めて、時間が許す限りすばらしいお湯を堪能しました。
水着・湯浴み着着用必須の混浴露天風呂もあります
今回私は入りませんでしたが、もう1箇所「湯浴み着もしくは水着着用必須」の混浴露天風呂もあります。
湯浴み着は700円でレンタル可能(男性は600円)なので、レンタルして入ることも考えたのですが、あまり時間に余裕がなかったこともあり、他の3つのお風呂を集中して楽しむことにしました。
純粋にお湯を楽しむのとは別の楽しみ方になってくるとは思いますが、水着着用必須というのは気軽に混浴が楽しめていいですよね。家族連れには特に良いのではないのでしょうか。
次回行くときは時前の湯浴み着か水着を持って行き、混浴露天風呂も楽しみたいなと思いました。ちなみに、混浴露天風呂のみ冬季は休業するようです。
東武ワールドスクエア駅より特急きぬ号で帰京
時間ギリギリまで温泉に浸かりまくった後は、仁王尊プラザから徒歩6分の東武ワールドスクエア駅に向かい、そこから浅草行きの特急きぬ号に乗車します。
宿の前の道を道なりに歩いていくと……。
東武ワールドスクエア駅の裏側に出ます。
踏切を渡って駅の正面に出ると、右手に東武ワールドスクエアが見えました。
私には縁のない感じの施設ですが……東武ワールドスクエアのメインゲートからすぐのところに駅舎があります。
2017年7月に新しく開業した駅だそうで、パッと見は駅に見えませんでした。
ホームできぬ号を待つ人が、私のほかにも何人かいました。
日光鱒寿司をいただきつつ、旅を振り返る
きぬ号に乗車したら、車内販売で缶ビールを購入し、仁王尊プラザに行く前に鬼怒川温泉駅の売店で購入した日光鱒寿司をいただきます。
これ、東武日光駅でいつも買っている大好きなお寿司なんですよ……。鬼怒川温泉駅で買えるとは思っていなかったんですが、売っているところを見てつい、購入してしまいました。
ビールを飲み、鱒寿司を頬張りながら、前日の奥鬼怒ハイクからの旅を車中でゆっくりと振り返りつつ、東京が近づいてきます。
【再訪したい度】★★★★★ 脱衣所等の清潔感をそこまで気にしなければ最高の温泉
交通の便はそこまでよくありませんが、営業時間も長く、入浴料金も安め。それでいてこんなすばらしいお湯に浸かれるなんて!と、個人的には一押しの宿です。このレポートで仁王尊プラザのすばらしさがちゃんと伝わっているかが不安なぐらいです。
ただし、本文中でも何度か触れましたが「設備が全体的に古い」「館内がやや雑然としている」など、きれいなお風呂を好む人にはあまり向かないと思います。でも、お湯は最高です。いっそのこと、宿泊もファミリー向けではなく湯治客の受け入れとかやったほうが流行るんではないかと思ったりするのですが、余計なお世話でしょうか……。
1人で泊まれないのは残念ですが、このすばらしいお湯に日帰りで入れる限り、鬼怒川に来たらきっとまた立ち寄りたいと思っています。