意外と知られてない?「絶景」と「温泉」がセットで楽しめるスポット
先日蔵王温泉に泊まって、ロープウェイの地蔵山頂駅から有名なお釜のある刈田山頂までゆるっとハイキングしたのですが……職場の同僚にお釜の写真を見せたら「こんなきれいなところが日本にあるの!?」と驚かれたのです。
「でも、かなり歩かないと行けない場所なんでしょ……?」
と聞かれたので
「山形駅からこのすぐ近くまでバスが出ているので、ほとんど歩かずに行けますよ。近くにいい温泉もあるし」
とお答えしたら「ぜんぜん知らなかった。今度絶対行く」と言われ。
美しい自然を苦労なく見に行けるように整備された「山岳リゾート」的な場所はけっこうあるのに、意外と知られていないものなんだなと思いました。考えてみると私自身も、登山を始めるまでは上高地も千畳敷も立山も知らなかったなあと。
夏のうちにご紹介できればなお良かったのですが、これから紅葉シーズンを迎えるところがほとんどですし、まだなんとか間に合うでしょう。おすすめの山岳リゾートと一緒に楽しめる温泉地、そしておすすめの温泉宿と共にご紹介したいと思います。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。
- 意外と知られてない?「絶景」と「温泉」がセットで楽しめるスポット
- 「スニーカーでOK」「観光客多め」「登らずとも絶景」+おすすめ温泉宿
- 北海道:大雪山旭岳を姿見ノ池から眺めて、旭岳温泉に泊まる
- 青森県:蔦沼へ散歩して蔦温泉に泊まる
- 青森県:奥入瀬渓流を歩いて奥入瀬渓流温泉に泊まる
- 岩手県:八幡平をゆるハイクして藤七温泉に泊まる
- 山形県:蔵王のお釜を眺めて蔵王温泉に泊まる
- 福島県:五色沼を巡って裏磐梯温泉に泊まる
- 栃木県:那須ロープウェイ山頂駅から牛ヶ首まで歩き、大丸温泉に泊まる
- 栃木県:竜頭ノ滝から戦場ヶ原を歩いて中禅寺温泉・日光湯元温泉に泊まる
- 長野県:霧ヶ峰をゆるハイクして上諏訪温泉・下諏訪温泉に泊まる
- 長野県:上高地を観光しつつ美しい眺めを楽しみ、中の湯温泉に泊まる
- 長野県:千畳敷カールを眺め、早太郎温泉に泊まる
- 長野県:栂池自然園で湿原歩き・八方池の絶景を楽しみ、白馬八方温泉に泊まる
- 岐阜県:乗鞍岳畳平で標高2700メートルの景色を楽しみ、平湯温泉に泊まる
- 岐阜県:新穂高ロープウェイで北アルプスの山々を眺め、新穂高温泉に泊まる
- 富山県:室堂で雷鳥を探しつつ散歩し、みくりが池温泉に泊まる
「スニーカーでOK」「観光客多め」「登らずとも絶景」+おすすめ温泉宿
実は以前にも「日帰りで山を歩いて温泉宿に泊まる」というテーマの記事を書いたことがあります。
本稿でご紹介する10箇所の中にも、この記事で紹介した場所と被っている場所がありますが、今回は「登頂」を目指すわけではなく、普段登山をしない人がスニーカーでも行けて、少し歩いただけですばらしい景色を楽しめる場所をピックアップしています。
ロープウェイなどで一気に高所まで行くプランが多いので、平地では晴れていたけれど現地についたら悪天……ということもあると思います。そんなときは霧で道迷いなどすると大変なので、無理せず引き返したほうが良いです。
また、絶景を眺めた後、さらに先に進んで登山ができる場所がいくつもありますが、その際は登山用の装備を整えたうえでチャレンジされることをおすすめします。
現地に行くと「ここから先は登山装備が必要です」と大きく書かれた看板が必ずありますので、目安にできると思います。
北海道:大雪山旭岳を姿見ノ池から眺めて、旭岳温泉に泊まる
大雪山旭岳登山のために訪れましたが、ロープウェイ山頂駅の周辺に1週約1時間ほどでまわれる1.7kmの散策コースがあり、ここを歩くだけでもかなり楽しめます。
散策コースについての詳細は「旭岳ロープウェイの公式サイト」内にもありますし、現地では簡単な地図も配布していました。
ロープウェイは通年運行していますが、大雪山は例年9月下旬には初冠雪の知らせが届く山です。散策スポットは山頂よりは標高が低い場所ではありますが、散策と絶景を楽しむのであれば10月上旬までに足を運ぶのが良さそうです。
旭川駅からバス&旭岳ロープウェイを利用し、姿見ノ池まで徒歩20分
旭岳ロープウェイまでは、旭川駅・旭川空港を経由する旭川電気軌道のバス「いでゆ号」に乗って向かいます。
ロープウェイに乗って一気に、標高1610メートル地点へ。
外に出た瞬間から絶景が広がっています。このあたり、紅葉シーズンはきれいでしょうね……。
整備された散策路を歩いて20分で「姿見ノ池」へ。旭岳が鏡のように映っています。
ここから少し進んだところに「噴気活動展望台」があり、噴気孔から勢いよく水蒸気が噴出する様子を眺めることができます。ちなみにかなり近寄っても硫化水素臭はそこまで強くありませんでした。
登山の場合は姿見ノ池からさらに登っていきますが、スニーカーで行けるのはここまで。
「夫婦池」などいくつかの池を眺めながらロープウェイに戻ります。
旭岳温泉 湯元湧駒荘で5種類の源泉と北海道の食を楽しむ
ロープウェイ山麓駅の周辺にある温泉地が「旭岳温泉」です。
大雪山の反対側にある「層雲峡温泉」は全国的に有名な温泉地ですが、旭岳温泉は10軒程度の温泉宿が点在している静かな温泉地で、個人的にはそこが気に入っているポイントでもあります。
今回ご紹介する「湯元湧駒荘」は、ロープウェイ山麓駅から徒歩で10分少々の場所にあり、これまで2度泊まっています。最初に泊まったのは2020年で、宿泊料金のリーズナブルさ、食事のおいしさ、湯のすばらしさに感動し「2020年に泊まったコスパ最強の温泉宿ベスト10」で1位に選びました。
ちなみにこのときも旭岳に登ろうと思って泊まったのですが、悪天で登山できずひたすら温泉に入っていました。
先日2度目の宿泊が叶いましたが、以前泊まったときは「古めのビジホ」といった様相だったシングルルームがリノベーションされてものすごく快適になっていました。
その分宿泊料金も上がってしまい「コスパ最強」ではなくなってしまいましたが……とは言え今のお部屋ならどんな人にもおすすめしやすくなりましたね。
源泉の数が多く、ぬるめのお湯と熱めのお湯が楽しめる大浴場のすばらしさは、もちろん健在です。
なんと5種類の異なる源泉に入ることができます。
夕食では、北海道の地酒をいただきつつ、宿名物だという「地物メロンとヴィシソワーズ」をいただきました。
焼いた塩の塊の中からは蝦夷鮑が現れる料理など、演出も凝っていて大変おいしかったです。
ちなみに湧駒荘のお隣には、ドーミーインなどを運営する共立リゾートの「ラビスタ大雪山」なる宿もあります。
共立リゾートの宿が好きな方は、こちらの宿もよいかと思います。私も1度泊まってみたいのですが、旭岳に登った際は空室がありませんでした。
青森県:蔦沼へ散歩して蔦温泉に泊まる
JRのポスターなどでも毎年のように取り上げられる、蔦沼という紅葉スポットがあります。
水面に紅葉した木々が映る神秘的な風景が楽しめる大人気の紅葉スポットで、正直に言うと「人気過ぎて紅葉シーズンには行きたくない場所」なのですが、紅葉以外の時期に行っても気軽に美しい自然が楽しめます。
「蔦温泉」バス停で下車し、蔦沼までは徒歩15分。
蔦温泉までのバスの運行は、2022年は11月7日(月)まで。蔦沼までの散歩が楽しいのも11月初旬ぐらいまでかなと思います。
青森駅からJRバスみずうみ号に乗車し、蔦温泉で下車して徒歩15分
蔦温泉までは青森駅発のJRバスの「みずうみ号」で乗り換えなしで行けますが、コロナ禍以降運行本数が減ってしまい、現在青森駅から蔦温泉に行けるバスは1日2本のみになってしまいました。
宿泊・日帰り入浴・昼食休憩も可能な蔦温泉でバスを降ります。
蔦沼までは、整備された遊歩道を歩いて15分ほど。
この写真は10月上旬ごろに撮影したものです。
色づいている木々もちらほらあるけれど、紅葉が楽しめるのは10月中旬ごろからのようです。
帰りは来た道を戻ってもいいし、いくつかの沼を眺めて歩く周回ルート(所要時間1時間ほど)を歩くこともできます。
蔦温泉旅館に泊まって足元湧出の極上湯に浸かる
蔦温泉旅館は、何度も泊まっているお気に入りの宿で、宿泊レポートも公開しています。
宿泊レポートは2019年に書いたものですが、一番最近泊まったのは2021年なので、最新情報を交えつつご紹介します。
蔦温泉には昔ながらの木造建築の本館(トイレ・洗面共用)と、新しい西館(トイレ・洗面付き)に客室があり、1人で泊まった場合、価格差は7000円ほどです。
以前は西館の客室も和室で、ただし広縁の部分にライティングデスクがあって私はそこがすごく気に入っていたのですが……。
2021年に客室内を改修し、西館の客室は和モダンなベッドルームになりました。そして、気に入っていたライティングデスクがなくなっていたのです。
客室は1部屋ごとに微妙にしつらえが異なると聞いたので、もしかしたら今もデスク付きの部屋もあるのかもしれません。
ただ、デスクがない場合はベッドルームだと執筆する場所がないので、次回泊まるとしたら本館のお部屋にしようかなと思っています。和室なら、少なくとも座卓はありますからね……。
浴室はすべて、湯口がなく浴槽のそこからぷくぷくと源泉が湧き出してくる「足元湧出」のすばらしいお湯。
食事も、青森産の地物食材がふんだんに使われていて調理法も工夫されているのがわかるお味です。
青森の地酒や、シードルのミニボトルなどをオーダーして楽しみました。
朝食はバイキングですがこちらも品数豊富で、貝味噌焼きがおいしい!
朝食のカレーもおいしいので、いつも温玉カレーにして食べてしまいます。また必ず泊まりたいすばらしい宿です。
青森県:奥入瀬渓流を歩いて奥入瀬渓流温泉に泊まる
奥入瀬渓流は、十和田湖の北東方向に伸びる、奥入瀬川の渓流沿いを歩くハイキングコースです。
写真だけ見るとかなり山深いところに見えるのですが、実は渓流のすぐ近くに車道が通っているので、気軽に渓流の美しい眺めを楽しむことができます。
八戸駅からJRバスのおいらせ号に乗っていくことができます。おいらせ号もみずうみ号と同様に、2022年の運行期間は11月7日まで。
奥入瀬渓流の紅葉を楽しめるのも10月下旬ごろですので、車を運転される方もバスの運行期間中に計画するのが良いかと思います。
八戸駅からJRバスおいらせ号を利用
おいらせ号とみずうみ号を駆使すれば、バスを降りて見たいところだけちょっと見てまたバスに乗る、ということができたんですが……コロナ禍以降本数が減って、かなり難しくなってしまいました。
おすすめは、トイレや休憩所のある「石ヶ戸」バス停で降りて、40~50分ほど渓流を眺めて歩き「雲井の滝」まで行くのが、気軽に歩けて楽しみが多くていいかなあと。
雲井の滝はこちら↓
雲井の滝以外にも、小さな滝や、遠くに見える大きめの滝などさまざま楽しめます。
あるいは、十和田湖の近くでバスを降りて、十和田湖まで歩いてあとはビールを飲んで湖畔をぶらぶらするとか。
バス利用だと制限はあるのですが、いろいろな楽しみ方ができると思います。
星野リゾート奥入瀬渓流ホテルに泊まって送迎・アクティビティを活用する
バスの本数が少ないので、日帰りでの散策は計画の難易度が高めですが、奥入瀬渓流に近い「奥入瀬渓流温泉」に宿を取れば、渓流散歩も格段に楽になります。
特に、星野リゾート奥入瀬渓流ホテルに泊まれば、行き帰りも八戸駅まで送迎バスがありますし、渓流までの送迎バスも予約なしで利用可能です。アクティビティも充実しているので、ガイド付きでの見学も比較的安価に利用できます。
実は、そんなに星野リゾートの宿が好きなわけではないのですが、奥入瀬渓流歩きを楽しみたい場合は奥入瀬渓流ホテルに泊まるメリットが大きすぎるのですよね。
奥入瀬渓流ホテルには路線バスの運休している真冬に、取材で宿泊しました。
詳しくはこちらの記事を読んでいただければと思いますが、かいつまんでご紹介します。
和モダンなベッドルームのお部屋は、外を眺められる窓の前に座り心地の良いソファーがあるのが素敵でした。
温泉のお湯は特筆すべきことはないのですが、冬に泊まると露天風呂からの眺めも楽しいです。
「氷瀑を眺めながらお湯に浸かれる」演出のため、人工的に氷瀑を作っているのだそう。
食事は朝夕共に、青森県産食材をふんだんに使ったバイキングです。
朝食ではいくら丼や、焼きたてパンケーキなども並びました。それほどバイキングが好きなわけではないのですが、奥入瀬渓流ホテルのバイキングはなかなか楽しかったです。
ちなみに、冬でも奥入瀬渓流の主要なスポットを楽しめるアクティビティが用意されていました。
スノーブーツやダウンコートなどのレンタルもあり、バスで氷瀑など見所の多いポイントまで送迎してくれるので、雪に慣れていない人でも気軽に絶景を楽しめます。
冬の奥入瀬渓流は、公共交通機関利用では計画を立てることが難しいので、こういう宿を作ってくれたことは本当にありがたいことだなと思います。
岩手県:八幡平をゆるハイクして藤七温泉に泊まる
岩手県北西部にある高原台地「八幡平」には、盛岡駅から運行している直通バス「八幡平自然散策バス」で、乗り換えなしで行くことができます。
運行期間は毎年4月中旬から10月中旬ごろまで。2022年は10月16日までの運行になります。八幡平で紅葉を楽しめるのは9月中旬から10月上旬ごろまでです。
盛岡駅から八幡平自然散策バスで八幡平頂上へ
八幡平自然散策バスは1日往復1本のみですが、盛岡駅発のバスは東京駅から始発の新幹線に乗って盛岡に来てもギリギリ間に合う時間帯に設定されているのでありがたいです。
バス停「八幡平頂上」には11時ごろに到着します。
バス停から整備された遊歩道を20分ほど歩けば鏡沼へ。
広い八幡沼のほうへ足をのばせば、草紅葉の中の木道歩きも楽しめます。
上りらしい上りはほぼなく、スニーカーで来ている観光客も多数いますが、バスを降りた時点で標高1540メートルの高所です。
盛岡駅で晴れていても、八幡平頂上バス停では木枯らしが吹き荒れていることもありますので、天気を見て無理せずに楽しむことをおすすめします。
藤七温泉彩雲荘で、山の幸いっぱいのバイキングと野天風呂ざんまい
藤七温泉彩雲荘は、八幡平頂上バス停から徒歩20分ほどの場所にある秘湯の温泉宿です。
宿泊レポート公開していますが、簡単にご紹介します。
晴れていれば車道をのんびり歩いてくるのもいいですが、宿に連絡すれば八幡平頂上バス停まで送迎してもらえます。
山小屋の個室のような雰囲気の、エアコンもテレビもないお部屋ですが、清潔感はあります。スマホの電波もドコモは部屋でも何とか入りましたが、全キャリア電波があるかはわかりません。
秘湯らしい不便さは多少ありますが、湯は極上です!
男女別の内湯は、湯小屋の雰囲気もすばらしく、白濁した硫黄泉の湯も極上。
宿泊客専用の露天風呂はロケーションもすばらしく、晴れていれば日の出が眺められるそうです。
混浴の野天風呂は湯浴み着の着用もOKで、浴槽があちこちに点在しているタイプなので女性でも入りやすいと思います。また、囲いで覆われて男性立入禁止の女性専用のエリアもあり、夕食後に女性専用時間帯もあります。
食事は朝夕ともにバイキングで、山の宿らしい料理を好きなだけいただきます。
山菜たっぷりで揚げたての天ぷらや八幡平サーモンの刺身も楽しめ、個人的には料理もとても気に入っています。
夕食バイキングで提供されるカレーもなかなかおいしくて、地ビールと一緒にいただきました。
日帰り入浴もできますが、秘湯宿に抵抗がなければ、宿泊して人の少ない朝などにゆっくりと極上のお湯を楽しんでいただきたい宿です。
山形県:蔵王のお釜を眺めて蔵王温泉に泊まる
山形県と宮城県の県境にある蔵王山。
どちらの県からも公共交通機関でアクセス可能ですが、今回はロープウェイを利用した散策が可能な、山形県側から向かうプランをご紹介します。
ロープウェイは通年運行していますが、お釜のある「刈田山頂」行きのバスの運行が10月23日までなので、散策を楽しむのも10月中旬ごろまでが良いかと思います。
山形駅から蔵王温泉行きのバスに乗り、ロープウェイ利用かそのまま刈田山頂へ
山形駅前から1時間に1本ほど出ている「蔵王温泉行き」のバスに乗り、40分ほどの乗車で「蔵王温泉バスターミナル」で下車します。
バスターミナルから徒歩10分ほどの「蔵王ロープウェイ蔵王山麓駅」からロープウェイに乗車し、樹氷高原駅で乗り換えて地蔵山頂駅へ。
地蔵山頂駅に着いたらまずは、建物の屋上にある展望台へ。
標高1661メートルからの絶景を楽しむことができます。
地蔵山頂駅の周りは遊歩道も整備されており、蔵王地蔵尊に参拝したり、散策も楽しめます。
ちなみにこのあたりは、冬になると樹氷の見学スポットとなる場所でもあります。
ロープウェイの駅を出てすぐに樹氷を見ることができますので、天気が良ければ防寒をしっかりして冬にも訪れるのもいいですね。
地蔵山頂駅から1時間30分ほど歩くと、有名な「蔵王のお釜」がある刈田山頂に着きます。
ですが「1時間30分も歩きたくない」という方もいるでしょう。実は、山形駅から1日1往復のみですが、刈田山頂まで直通のバスが運行しています。
午前9時30分に山形駅前を出発し、11時6分に刈田山頂に到着。13時に出発する帰りのバスに乗れば、14時に蔵王温泉バスターミナルに、そのまま乗っていれば14時38分に山形駅に戻ってこれるのです。
バス停からお釜が見える場所までは10分もかかりませんから、2時間弱あれば見学は十分でしょう。
遊歩道はよく整備されており、レストハウスで食事をすることもできます。
ちなみに、宮城県側の「東北新幹線 白石蔵王駅」からも刈田山頂まで1日1往復、直通のバスが出ています。11/3までと山形側より少し長く運行していますが、お盆期間以外は土日のみなので、平日に行きたい場合は山形側からのバスを利用することになります。
宮城県側からのバスを利用すれば、遠刈田温泉などの宮城県の温泉に泊まって楽しむこともできます。蔵王は、周りにいい温泉だらけなところもすばらしいですね。
蔵王温泉深山荘高見屋に泊まり、自家源泉の極上湯と芋煮など楽しむ
蔵王と一緒に楽しむのに一押しの宿は、蔵王温泉の「深山荘高見屋」です。
宿泊レポートも公開していますので、詳細はこちら↑で。
以下に宿の魅力をかいつまんでご紹介します。
歴史ある木造建築でエレベーターはなく、急な階段の上り下りがありますが室内はとてもきれい。1人泊専用の部屋があり、連休などの繁忙期でも1人での宿泊が可能です。
浴室は2箇所あり「せせらぎの湯」は新しく快適。
「長寿の湯」は昔ながらの雰囲気が楽しめる浴室で、どの浴室も自家源泉のかけ流しで、夜通しの入浴が可能です。
夕食は食事処ですが、1人泊の場合は衝立の影の目立たない席にしてもらえます。
山形牛など地物食材を使用した夕食もおいしく、地酒の飲み比べセットが複数あるのもうれしい。
朝食では、食事の開始時刻に合わせて炊き上げられたご飯と、山形名物の芋煮汁などがいただけます。
福島県:五色沼を巡って裏磐梯温泉に泊まる
磐梯山の北側に位置する、噴火によってできたたくさんの湖沼を「五色沼湖沼群」と言います。磐梯山登山までいかなくても、ちょっと散歩してきれいな景色を眺めたい……というときにぴったりの場所です。
紅葉の見頃は10月中旬から11月上旬ごろなので、11月初旬ごろまでに計画するのが良いかと思います。
猪苗代駅からバスに乗り「五色沼入口」か「裏磐梯高原駅」で下車して散策
猪苗代駅から「五色沼・裏磐梯方面」に1~2時間に1本程度バスが出ています。乗車して「五色沼入口」で下車します。
整備された遊歩道を歩いていくと10分ほどで、五色沼の中で最も大きな「毘沙門沼」に出ました。
火山性の沼らしい、緑がかった色の大きな沼で、手こぎボートを楽しむこともできます。
毘沙門沼の周辺にはレストハウスなどもありますから、こちらだけ眺めて終了してもOKですが、遊歩道をさらに歩いていくと、エメラルドグリーンやコバルトブルーなどさまざまな色の池や沼を眺めて歩くことができます。
鯉がたくさん集まっているところもあって、驚いたり。
アップダウンもほとんどない遊歩道を歩いていくと、約1時間ほどで「裏磐梯高原駅」というバス停に出ます。散策はここで終了です。
裏磐梯高原駅には、お土産屋さんや飲食店もあるので、ここで帰りのバスが来るのを待つのがおすすめです。
裏磐梯レイクリゾートに泊まり、絶景露天風呂とフレンチを楽しむ
五色沼散策は日帰りでも楽しめますが、周辺には「裏磐梯温泉」なる温泉があり、旅館やホテルも点在していますので、一泊すればさらに楽しみが増えます。
今回ご紹介する「裏磐梯レイクリゾート」は、五色沼の入口である「裏磐梯高原駅」の目の前にあるリゾートホテル。宿の目の前から磐梯山の美しい姿を眺めることができます。
何度かオーナーが変わっており、星野リゾートの傘下だったこともあるそうですが、現在は「グランベルホテル」というホテルチェーンの運営となっているよう。
大きな建物で「本館」と「迎賓館」に分かれており、予約サイトでも別のホテルとして登録されているのですが……中はつながっていました。
「本館」の浴室では日帰り入浴も受け入れているのですが、「迎賓館」には宿泊者専用の浴室があるとのことだったので「迎賓館」を予約。
ロビーもお部屋も、ものすごくゴージャスな内装でした。あまりこういうホテルに泊まったことがなかったので、なんだか楽しい。
迎賓館の宿泊者専用浴室も良かったですが、お湯・眺め共に圧倒的に、本館の浴室がすばらしかったです……こちらも、深夜1時~5時を除いて滞在中いつでも入れます。
桧原湖を間近に眺めながら、メタケイ酸豊富な美肌の湯に浸かることができます。
食事は「フレンチ」「和食」「バイキング」からの選択で、予約時に選びます。フレンチと和食は席が少ないので、早めに予約しないと選べないことが多いです。
私はもちろん……フレンチで予約していました。
「福島の桃」を使った冷たいスープなど、地場産の食材を使ったフレンチを、おいしくいただきました。
「本館」はカフェやお土産屋さんなども充実しており、こちらは宿泊しなくても利用できます。お土産屋さんには、女子ウケの良さそうなセンスの良い品が揃っていました。
散策の後に日帰り入浴してカフェでビールを飲んだり。
ちなみに、宿泊すると猪苗代駅からのホテルまでの無料送迎バスも利用できます。午前出発便と午後出発便があるので「チェックアウト後に五色沼を歩いて温泉に浸かった」後に宿のバスで駅まで送ってもらうこともできて、とても便利でした。
栃木県:那須ロープウェイ山頂駅から牛ヶ首まで歩き、大丸温泉に泊まる
那須岳の登山口でもある那須ロープウェイですが、観光客と登山客の割合は半々ぐらい。
ロープウェイの運行期間は3月中旬~12月上旬ごろまでと長めですが、11月以降はめちゃくちゃ寒いので本格的な防寒具が必要です。登山装備なしに気軽に楽しめるのは10月いっぱいと考えておいたほうが良いと思います。
また、那須岳は強風地帯なので、麓ではそこまでの風ではなくても強風が吹き荒れていてロープウェイが運行していないことも多いです。那須ロープウェイの公式Twitterが運行状況を日々伝えていますのでチェックしておくと便利です。
那須岳も、ロープウェイからすぐそこの茶臼岳だけなら初級レベルの山ですが、滑りやすい岩だらけの道を上り下りしなければならないので、登山装備なしでの登頂はあまりおすすめできません。
ただ、登頂しなくても絶景と、10月上旬~中旬ごろまでは少し歩くだけで美しい紅葉を楽しむことができます。
那須塩原駅からバスに乗り、那須ロープウェイで山頂駅へ
那須塩原駅から那須ロープウェイ行きのバスに乗り、1時間15分の乗車で那須ロープウェイ山麓駅に着きます。
ロープウェイで一気に標高1680メートルの高所へ。
山頂駅のテラスからは那須高原を一望できますし、天気によっては雲海を眺められることもあります。
山頂駅周辺で景色を楽しんで帰っても良いのですが……天気が良ければもう少し歩いてみても良いかと思います。
しばらくはこんな感じの、よく整備された道が続くのでスニーカーでも問題ありません。
この「那須岳」と書かれた案内板から先は、岩だらけのきつい上りが始まりますので、スニーカーで登るのはやめておいたほうが良いかとは思います。スニーカーで登ってる人もいないことはないですが、私は「よく登れるなあ……すごいなあ」と思ってしまいますね……。登れるけど、下りが滑るからこわいんですよねー。
那須岳に登る登山道を右手にした場合、左側に巻き道があります。こちらならアップダウンはほぼないですし、道も整備されていますのでもう少し歩いていっても大丈夫。
巻き道を20分ほど歩いていくと、10月上旬ごろまでは斜面に美しい紅葉を眺めることができます。
「牛ヶ首」という、いくつかの登山道の合流ポイントとなっている箇所までは、晴れていればスニーカーで歩いていっても大丈夫でしょう。
紅葉シーズンであれば、牛ヶ首からさらに30分ほど下ったところにある「姥ヶ平」が、紅葉スポットとして知られています。
那須岳に登頂するよりは難易度は低いですが、30分下ったら30分以上かけて登ってこなければならないので、それでも行ってみたい方はぜひ、足を運んでみてください。
大丸温泉旅館に泊まり、開放感抜群の野天風呂と地酒飲みくらべを楽しむ
那須岳の周辺には硫黄泉の「鹿の湯」で有名な那須湯本温泉もありますが、那須湯本では1人で泊まれる良さそうな宿をまだ見つけておらず……今後の課題です。
私のお気に入りは那須ロープウェイ山麓駅から車で数分、徒歩でも15分ほど下った場所にある「大丸温泉旅館」です。
2018年に宿泊レポートを公開していますが、その後も1人で何度か泊まっています。
1人で宿泊できる部屋はダブルベッドの置かれた和ベッドルーム。
ソファや壁紙のセンスはなかなか独特ですが、ソファの座り心地も良く、ライティングデスクも使い勝手が良いので、個人的にはなかなか気に入っているお部屋です。
浴室は、男女別の大浴場と、空いているときにいつでも貸切利用可能な、宿泊者専用の貸切風呂が1つ。
貸切風呂は、1人で貸切利用するのが申し訳ないほど広いです。
露天風呂は、女性専用の露天風呂が2箇所と、混浴の大露天風呂が1箇所。
混浴露天を利用する際は男性も女性も湯浴み着着用なので入りやすいですし、女性専用の露天風呂も広く開放的でロケーションも良いので、混浴に抵抗がある女性でも楽しめると思います。
夕食は個室タイプの食事処で。
栃木の地酒を中心に日本酒の種類も多く、利き酒セットも複数あるので1人でもいろいろと楽しめます。また、山の宿ではありますが、お刺身もいつもおいしい!
栃木黒毛和牛の温泉しゃぶしゃぶ。左が温泉水を使った出汁で、白いほうは白味噌ベースのオリジナルの出汁。野菜も新鮮ですべておいしくいただきました。
快適なお部屋と飲泉も可能なすばらしい温泉、おいしい食事と三拍子揃ったすばらしい宿だと思います。
栃木県:竜頭ノ滝から戦場ヶ原を歩いて中禅寺温泉・日光湯元温泉に泊まる
栃木県日光市の中禅寺湖と、奥日光湯元温泉の湯ノ湖の間。2つの湖をつなぐ「湯川」沿いに広がる高層湿原が「戦場ヶ原」です。
高山植物の咲き始める6月ごろから、紅葉を楽しめる10月中旬ごろまでがおすすめです。11月以降は、寒々とした景色になってしまいます。
また、景色を楽しんだ後の宿泊には、戦場ヶ原からほど近い「中禅寺温泉」での宿泊か、バスの終点にある「湯元温泉」での宿泊がおすすめですので、それぞれ1軒ずつおすすめ宿をご紹介したいと思います。
東武日光駅で「湯元温泉フリーパス」を買い、湯元温泉行きのバスに乗る
公共交通機関利用で戦場ヶ原に行く際はまず、東武日光駅で「湯元温泉フリーパス」を購入することをおすすめします。
戦場ヶ原周辺を含む、日光駅から湯本温泉までを運行するすべての東武バスが2日間乗り放題、何度でも途中下車可能となるチケットです。1度も途中下車せずに単に往復したとしても、フリーパスを買ったほうが安い、という価格で設定されているので、湯元温泉までバスを利用するなら買っておいて間違いないと思います。
戦場ヶ原の周辺には「竜頭ノ滝」や「湯滝」などの美しい滝もあちこちにあります。
トレッキングコースもしっかりと整備されており、アップダウンもほぼないので登山装備がなくても歩くことができます。さらに、並行して車道も通っており、1時間に1本程度路線バスの運行があるので「ここに行きたい」というポイントの近くでバスを下りれば大して歩かずに絶景が楽しめてしまうところがすばらしいです。
「湯滝」では滝つぼからかなり間近に滝を眺めることができます。
「湯滝入口」バス停で降りて徒歩10分ほどで着きます。
湯ノ湖から中禅寺湖に向かって流れる「湯川」の流れがとにかく美しいです。私はこのあたりの景色が特に大好きなんですが、ここには「滝上」という、竜頭の滝の上部にあるバス停で下車し、赤沼分岐方向に歩いていくとすぐです。
道はどこもよく整備されていて、歩きやすいです。
紅葉は終わってしまった11月下旬ごろの写真ですが……晴れた日は戦場ヶ原から眺める男体山の姿も美しいです。
きっと10月中に行けば草紅葉も楽しめるでしょうね。
中禅寺温泉 中禅寺金谷ホテルに泊まり、空ぶろとフレンチディナーを満喫
中禅寺温泉の中禅寺金谷ホテルは、昭和15年創業の歴史ある山岳リゾートホテル。
客室内はログハウス風の雰囲気ですが、水回りやWi-Fiなどの設備はしっかりと整っていて快適なお部屋です。
浴室は「空ぶろ」と呼ばれる、晴れていれば星空を眺められる露天風呂が魅力。
湯元温泉から引いている青みがかった硫黄泉をかけ流しで楽しめます。
館内のレストランでいただくフレンチディナーは、栃木県産の食材がふんだんに使われ、味も見た目もすばらしいもの。
朝食は、卵料理や肉料理を好きなものから選べる洋朝食が魅力的。ホテルメイドのパンに上質なジャムをつけていただけるのもうれしい。
中禅寺金谷ホテルの朝食は、先日「朝食がおいしい宿」の記事でもご紹介させていただいたので、こちらにも詳しく書いています。
中禅寺湖の周辺には星野リゾート系列の宿やリッツカールトンなどもありますが、歴史ある中禅寺金谷ホテルが、価格的にもバランスが良いし、すばらしい温泉も楽しめるので個人的に1番おすすめです。
日光湯元温泉 森のホテルに泊まり、極上湯と利き酒セット
バスの終点「日光湯元温泉」にあるおすすめの温泉宿「奥日光 森のホテル」。
シングルルームがあり、早めに予約しておけば休前日でも1人で泊まれます。
シングルルームを予約していたけど、ダブルルームなど広めのお部屋に案内していただくこともありました。私は、紅葉が終わった11月以降など、シーズンオフに泊まることが多いので、空室があったのかもしれません。ありがたいことです。
館内着は浴衣と、上下分かれた作務衣タイプのものがあり、好きなものを選びます。作務衣は食事のときなど快適で良いですね。
浴室は内湯も露天風呂も広めで、ゆったりと楽しめます。
中禅寺温泉と同じ源泉ですが、湯元温泉のほうが源泉地に近いので熱めの新鮮なお湯を楽しめます。
食事は、手の込んだ和食ベースのコース料理。
地酒の飲みくらべセットがあるのもいいですね。
和食ベースではありますが、見た目にも美しく女性に喜ばれそうな料理でした。味も、もちろん良いですよ!
朝食は、コロナ禍でセットメニューにしていた時期もありましたが、現在はバイキングでの提供となっているようです。
品数豊富で、カレーもなかなかおいしかったです。
長野県:霧ヶ峰をゆるハイクして上諏訪温泉・下諏訪温泉に泊まる
長野県の諏訪市、下諏訪町、茅野市にまたがる火山の霧ヶ峰。
初級者向けの登山コースとしても優秀ですが、登らなくても絶景を楽しめる場所でもあります。いい感じのカフェもあるし、都内から電車とバスで出やすいので「景色のきれいなところに行ってみたいんだけど」と言われたときはとりあえず霧ヶ峰をおすすめしますね。
7月から10月中旬までは「車山肩」や「八島湿原」など、見所の多い場所に直通で行けるバスが運行しています。車で行く場合もバスの運行期間中がオンシーズンと考えて良いでしょう。
「上諏訪駅から霧ヶ峰を経由して茅野駅」に向かうバスと「茅野駅から霧ヶ峰を経由して上諏訪駅」に向かうバスがあるのですが、上諏訪駅を起点にしたほうが乗車時間が短くて済みます。
私は、朝1番の特急あずさに乗って上諏訪駅で下車し、駅のコインロッカーに着替えやお風呂グッズなどを入れてからバスに乗るようにしています。上諏訪駅に戻ってきたら荷物を出して、上諏訪温泉、あるいは下諏訪温泉の宿に向かうのです。
上諏訪駅からバスに乗り、八島湿原か車山肩で下車
霧ヶ峰は登山道も良く整備されているので、最高峰の車山肩までゆるっと45分登っていくのもいい運動にはなります。ここは天気さえ良ければスニーカーで登ってもまあ、大丈夫。
気持ち良さそうな山だと思いませんか……?
まあ、絶対登りたくなければ車山肩周辺の遊歩道を、疲れない程度に散歩するだけでもかなり楽しめます。
それからバス停の近くには「ころぼっくるヒュッテ」という、厚切りトーストとボルシチが名物のカフェがあり、テラス席でコーヒーを飲みながら景色を眺めるのも幸せですね。
車山肩周辺以外では高層湿原の「八島湿原」がおすすめです。こちらにもバスで直接向かうことができます。
秋の写真を選びましたが、高山植物が咲き乱れる夏もかなりおすすめです。
霧ヶ峰には毎年のように行っているので、さまざまな季節の写真を↑こちらの記事にまとめています。
上諏訪温泉 ラルバ諏訪湖で極上湯とリーズナブルでおいしい食事を楽しむ
霧ヶ峰とセットで楽しめる温泉は上諏訪温泉か下諏訪温泉かなと思います。
こちらの記事↑に上諏訪・下諏訪のおすすめ温泉宿についてまとめていますが、中でも特におすすめの宿を上諏訪と下諏訪から1軒ずつご紹介します。
上諏訪温泉のラルバ諏訪湖は、駅からは徒歩20分と駅からは少し歩きますが、土曜日でも1人泊のプランが出ており、2食付きでも1万円以下で泊まれてかけ流しの温泉に浸かれる宿です。
諏訪湖が目の前にあるので、花火があがる日は宿からちょっと外に出れば特等席で眺めることができます。
お部屋は、この日は和洋室に案内していただきましたが、冷蔵庫などの設備もしっかり整っており、明るく清潔で快適なお部屋です。
お風呂は小さめですが、片倉館と同じ源泉をかけ流しで提供しています。熱々で気持ちの良いお湯です。
食事も品数豊富で、蕎麦はしっかり1人前。シナノユキマスなど、信州の食材も味わえて大満足の夕食でした。
ちなみに「軽めの夕食」と「しっかり夕食」のプランがあり、こちらは「しっかり夕食」のほうです。軽めでもよければお値段は安くなります。
また、滞在時間も「14時チェックイン11時チェックアウト」でのんびりできるプランと「16時チェックイン9時30分チェックアウト」でお安くなるプランがあって選択肢が豊富です。
登山前後の宿泊だと朝は早めに出なければならないこともありますし、選択肢が多い宿はありがたい存在だなと思います。
下諏訪温泉 三代目おくむら旅館でかけ流しのお湯と馬刺し・鍋料理を楽しむ
上諏訪温泉から電車を1駅乗った下諏訪温泉のおすすめ宿は「三代目おくむら旅館」です。
下諏訪駅から徒歩7分と便のいい場所にあり、家庭的な雰囲気で、実家のような懐かしさを感じさせる宿です。
新しい建物ではありませんが、館内は清潔に磨きあげられており、寒い季節に宿泊するとお部屋にこたつがあるのもうれしいポイントです。
浴室は内湯のみですが、下諏訪温泉の心地よい熱さの源泉がかけ流されています。レトロなタイル張りの浴室で雰囲気も素敵です。
食事は、たっぷりの馬肉を使った鍋料理がメインです。
馬肉と長野県産の野菜をオリジナルの出汁でいただき、お腹がいっぱいになりました。馬肉は赤身が多くヘルシーなので、たくさん食べても胃が重くならないのもうれしいですね。
馬刺しもちょうどよいサシが入っていおり、〆のご飯が炊き込みご飯なところも気に入りました。
土曜日も1人泊可能で、2食付き1万5千円ほどで泊まれますが、週末はけっこう先まで予約が埋まっているようです。また、平日限定で「夕食少なめ」のプランも出ており、そちらだと鍋はつきませんが、2食付きで11650円で泊まれるプランもあります。
長野県:上高地を観光しつつ美しい眺めを楽しみ、中の湯温泉に泊まる
山岳リゾートと言えば上高地。
穂高岳や槍ヶ岳などの登山口でもあるため登山者も多いですが、上高地周辺を歩くだけでも絶景が楽しめ、観光客もめちゃくちゃ多いです。
上高地周辺はマイカー規制をしており、バスやタクシーを含めた許可車両のみしか入ることができません。また、許可車両についても通行できるのは4月27日から11月15日までとなり、それ以外の期間は「閉山期間」となります。
冬山登山などで閉山期間中に歩いて訪れる人もいますが、バスで訪れて気軽に絶景を楽しめるのは11月15日までとなります。
松本から新島々経由でバス利用、平湯温泉を経由してアクセスも可能
公共交通機関利用で上高地に行く場合、首都圏からであれば松本からアルピコ交通上高地線で終点新島々駅まで行き、そこから上高地行きのバスに乗り継ぐか、あるいは「さわやか信州号」「毎日あるぺん号」などの高速バスで向かうのが一般的です。
高速バスであれば乗り換えなしで行けますが、日によっては渋滞して到着予定時刻をオーバーする可能性があります。松本経由でのバス利用は乗り換えは面倒ですが、松本から上高地に向かうバスは随時増便されるので予約の必要がなく、到着の遅れは少ないというメリットはあります。ただし、上高地から松本に向かう帰りのバスは予約が必要なので要注意です。
中京圏、関西圏からのアクセスであれば、平湯温泉を経由して上高地に向かう方法もあります。松本からも平湯温泉行きのバスが出ているので平湯温泉経由も可能です。
上高地の絶景と言えば、なんと言っても梓川の美しい流れと、穂高連峰の共演ではないでしょうか。
初夏の雪の残る穂高も美しいですが、秋の紅葉した上高地と穂高連峰もすばらしい眺めです。
バスターミナルから徒歩5分の河童橋は、常に記念写真を撮る人で賑わっていますが、それと言うのもここから見える景色が美しいからでしょう。
上高地周辺の遊歩道を少し歩けば、美しい水の流れを間近で楽しむことができます。
散策コースは梓川を挟んで「右岸コース」「左岸コース」がありますが、水の流れを楽しむならば「明神池」がある右岸コース側がおすすめです。右岸コースは登山者はあまり通らず、観光・散策の方が多いですね。
左岸コースは、徳澤や横尾に向かう登山者も多く歩いており、道幅は広く大勢でも歩きやすい道です。
左岸コースでは猿をよく見かけますね。
上高地の見所については以下の記事にまとめていますのでご参照いただければと思います。
日帰り入浴やランチを楽しめるお店の情報も掲載しています。
中の湯温泉旅館に泊まって、露天風呂から穂高を眺める
上高地散策の前後に泊まるなら「中の湯温泉旅館」がやはりおすすめです。
こちらに宿泊レポートも掲載しています。
上高地を歩いた後に宿泊しても良いですし、宿泊した翌日の朝に上高地までの送迎サービスがあるので、まずは温泉に浸かってのんびりし、翌日に上高地に行くのもありだと思います。
館内は新しくお部屋もとてもきれいです。
テレビの映りは良くないですが、山の宿ということで仕方がないようですね……。
ほのかに卵っぽい香りのする硫黄泉のかけ流し。
浴室は、露天風呂付きの大浴場が2つあって、時間帯で男女が交代となります。
露天風呂からは、晴れていれば穂高連峰を眺めることもできます。
夕食では信州の地酒の飲み比べセットをオーダーし、信州サーモンなど信州産の食材が並びます。
朝食では飛騨高山の名物「朴葉味噌」が。
中の湯温泉は住所的には長野県なのですが、位置的には岐阜県の平湯などに近いからか飛騨名物の朴葉味噌も提供しているんですね。ご飯がおいしくいただける大好きな郷土料理です。
長野県:千畳敷カールを眺め、早太郎温泉に泊まる
中央アルプス木曽駒ヶ岳や宝剣岳の登山口でもある千畳敷。
登山者も利用しますが、観光客と登山の人が半々ぐらいではないでしょうか。駒ヶ岳ロープウェイを使って一気に標高2612メートルまで高度をあげ、千畳敷駅に降り立った瞬間から絶景を楽しむことができます。
ロープウェイは通年運行していますが、紅葉が楽しめるのは10月上旬まで。10月中旬以降は雪が降ることもありますので、例年は体育の日の連休が、千畳敷で紅葉を楽しめる最後のチャンスです。(なのでめちゃくちゃ混みます)
駒ヶ根駅からバスに乗り、しらび平から駒ヶ岳ロープウェイで千畳敷へ
駒ヶ岳ロープウェイは標高1662メートルの「しらび平駅」から出ますが、周辺の道路はマイカー規制をしているため、バスやタクシーなどの許可車両を利用して向かうことになります。
しらび平までのアクセスに関してはこちらのページに詳細がありますが、マイカーの方は駐車場のある「菅の台バスセンター」からバスに乗車する方がほとんどです。
ただそれゆえに、菅の台バスセンターには早朝からバス待ちの長い列ができます。
公共交通機関利用であれば「駒ヶ根駅」始発のバスを利用すると並ばずに乗れて楽です。
おすすめは、登山前日の夜のうちに駒ヶ根駅周辺のビジネスホテルなどに前泊し、翌日早朝に駒ヶ根駅からしらび平行きのバスに乗る、という方法です。駒ヶ根駅周辺のホテルでは「ロープウェイ&バスのチケット付きの宿泊プラン」を提供している宿もあり、そういったプランを利用すれば、都度の支払いの必要がなくなるのでより楽です。
しらび平駅から千畳敷駅まで、高低差1000メートルを一気に上っていきます。
ロープウェイを下りれば、雲の上の世界です。
そして千畳敷カール!
紅葉の盛りの時期は本当に混むので、私は1度でこりてしまって最近は紅葉シーズンは避けているのですが……。
実は最初に行ったときがちょうど10月上旬の週末で、本来なら紅葉の盛りのはずが、その年は気温が低くて既に紅葉は終わっていたのです。めちゃくちゃ混んでたのに!
なのでこちらの写真は「紅葉がもうすぐ始まりそうだなー」ぐらいの、9月上旬ごろでしょうか。いつ行っても、天気さえ良ければ本当に美しい場所です。
登山の人はこのそびえ立つ壁のような斜面をどんどん上っていきますが、スニーカーでいけるのは「八丁坂」という急坂が始まる手前まででしょうか。「ここからは登山装備が必要です」という看板が出ているので、見逃さないようにしてください。
千畳敷周辺には1周40分ほどのハイキングコースがありますので、少し歩いてみたいときはそちらをチェックしてみると良いかと思います。
早太郎温泉 山野草の宿二人静に泊まり、地ビール三昧
しらび平からバスで戻ってきたら、駒ヶ根駅まで戻らず、菅の台バスセンター周辺の「早太郎温泉」に宿を取るのがおすすめです。
中でもおすすめの宿は「山野草の宿 二人静」という宿。鈴木ともこさんのコミックエッセイ「山登りはじめました」にも登場する宿で、早太郎温泉に泊まるならここに泊まりたい!と思っていた宿です。
じゃらんだと1人泊のプランが出ていないのですが、楽天トラベルでは「シングル洋室」のプランがあり、土曜日でも1人で、2食付きで泊まることができます。
この日はツインルームの空室があったそうで、お値段そのままでアップグレードしていただきました。ありがとうございます!
大浴場では早太郎温泉のツルツル感のあるお湯を楽しめます。循環していますが塩素臭などは特に気にならず、露天風呂の雰囲気が良くて癒やされました。
食事は食事処での会席料理ですが、なんと二人静オリジナルのビールがあるのがうれしい!
駒ヶ根に本社がある「南信州ビール」で作っているビールです。フルーツビールの「アップルホップ」が有名なメーカーですが、こちらの「しずかエール」は、どんな料理にでも合いそうなすっきりとした味わいのおいしいビールでした。
千畳敷で中央アルプスの絶景を楽しみ、中央アルプスの雪解け水を使ったビールを飲みつつ、信州産食材を使った会席料理をいただく。旅のしめくくりとしてこの上ないのではないでしょうか。
長野県:栂池自然園で湿原歩き・八方池の絶景を楽しみ、白馬八方温泉に泊まる
白馬エリアには、大して歩かずとも絶景を楽しめる場所がいくつかありますので、まとめて2つご紹介させてください。
「栂池自然園」「八方池」共に、絶景を楽しめるのは10月中旬ごろまでです。
長野駅からバス&ロープウェイで湿原歩きを楽しめる栂池自然園
白馬方面に首都圏から向かう際は、長野駅まで新幹線を利用し、長野駅から予約不要の特急バスを利用するのが便利です。
「栂池高原」でバスを下り「ゴンドラリフトイブ」と「栂池ロープウェイ」を乗り継ぎます。ロープウェイの運行期間が2022年は10月23日までですので、計画できるのはその日までです。
ロープウェイを下りた先にある栂池自然園は、標高1900メートルほどの場所にある高層湿原で、春は水芭蕉、夏は高山植物、秋は紅葉を楽しむことができます。
「大人320円、小学生以上260円」の入園料が必要となりますが、そのせいかあまり混んでいることはないように思います。登山目当ての人は別のルートを歩くので、こちらには入ってきません。
整備された木道を散歩しつつ、自然の美しさを満喫できます。
栂池自然園の良いところは、曇りがちな日でも美しい景色を楽しめることです。
この後ご紹介する「八方池」のほうは、周囲に遮るもののない稜線上に位置するため、天気が良ければ最高ですが、ちょっと天気が悪くなると強風が吹き荒れることもあり得ます。
しかし、栂池自然園であれば周囲に山もあるので風が強く吹くこともあまりないですし、霧の中の木道歩きもなかなか幻想的で良いものです。霧が濃い日でもタイミングによって霧が晴れる瞬間はありますので、さっきまで真っ白だったのに、いきなり目の前に美しい風景が現れる瞬間はなかなか感動的です。
八方池に来るつもりで白馬に来たけれどあまり天気が良くないな……と思ったら栂池に予定を変更する、というように覚えておくと、旅の満足度があがるのではないかと思います。
ちなみに「いまいち天気が良くなかったので栂池自然園に来たら楽しめた」旅の話は、自著でもご紹介しています。
長野駅からバス&リフトで少し歩くけど絶景!の八方池
白馬からはもう1箇所。
当日の天気が良かったら、この景色を見るためなら少しぐらい歩いてもいいと思えるなら、必ずや「来てよかった!」と思えるであろう絶景スポット「八方池」をご紹介したいと思います。
現地までの交通は栂池自然園に行くときと同じ、長野駅から予約不要の特急バスに乗ります。栂池自然園より少し手前の「八方バスターミナル」で下車し、10分ほど歩いて「八方アルペンライン」の「ゴンドラリフトアダム」に乗ります。
ちなみに八方アルペンラインは栂池よりも少し長く11月6日まで営業していますが、絶景を楽しむなら10月中旬ぐらいまでに行くのが良いと思います。
ゴンドラリフトからリフトを乗り継いで、標高1830メートルの「八方池山荘」まで標高を上げると、そこはもう、背の高い樹木が生い茂ることのできない「森林限界」以上の世界です。
木がないので見晴らし最高で、天気が良ければ五竜岳など美しい山々を眺めることができます。
ここから八方池までは、こんな感じの道を1時間30分ほど歩きます。今回ご紹介している場所の中で1番たくさん歩くのがここかなと思うのですが……本当におすすめの場所なので、がんばれる人だけ歩いてください。天気が良ければスニーカーでもまあ、行けます。革靴やサンダルはやめたほうがいいです。
向かう先にいくつかの特徴的な山の姿が大きく見えてきたら、もうすぐです!
着きました!八方池です。
水面に白馬三山が鏡のように映る姿がいつ来てもすばらしいのですが、秋はさらに、そこら中が紅葉していて桃源郷のような美しさでした。
この絶景を見るためだったら1時間30分歩いてもいい!と思われましたらぜひ。
ちなみに帰りも1時間ぐらいはかかりますので、リフトの最終時刻までに間に合うように計算してお出かけすることをおすすめします。
白馬八方温泉まるいしで美肌の湯と地酒、手作りの朝食バイキング
八方アルペンラインのゴンドラリフト乗り場から徒歩数分の場所にある、白馬八方温泉まるいし。
ブログに宿泊レポートも公開していますが、記事公開後も何度も泊まっているお気に入りの宿です。
内湯のみですが、八方温泉の宿では貴重な源泉かけ流しのお湯を楽しめます。
アルカリ性でぬるぬる感の強い美肌の湯です。
まるいしさんはお湯もいいですが、とにかく食事がすばらしいです。
好きなお酒を組み合わせて利き酒セットにできる「酒三昧」は1人でもいろいろ楽しめて本当にありがたいし、前菜の盛り合わせからして、見た目もボリュームもすばらしい。すべて手作りのお料理で、味も当然のように良いです。
シナノユキマスのお刺身など、信州産の食材をめいっぱい楽しめて、陶板焼きや揚げ物もボリュームたっぷり。すべてお酒がすすむお味です。
朝食はバイキングなんですが、野菜たっぷりで和惣菜、洋惣菜ともにかなりの種類がならびます。
どれも手作りで、料理が冷めたり乾いたりしないように少しずつ追加してくださる気遣いもすばらしい……。
和食もいいですが、自家製のジャムが最高においしいので、手作りパンとジャムに洋惣菜の組み合わせが最近は気に入っています。
朝食が本当においしいので、できればチェックイン前に絶景を楽しんでしまって、翌日の朝食をゆっくりいただけるような計画にすると理想的かなと思います。
岐阜県:乗鞍岳畳平で標高2700メートルの景色を楽しみ、平湯温泉に泊まる
「最も簡単に登頂できる3000メートル峰」などと称され、北アルプス登山の入門編として登る人の多い乗鞍岳。
なぜ簡単に登れるかと言うと、標高2702メートルの「畳平」までバスが通っているからで、あと300メートルほど登れば登頂できるからなんですが……簡単とは言ってもそこは3000メートル峰。岩だらけの急な登りもありますから登山装備なしのスニーカー登山はおすすめできません。(スニーカーで登っている方も見かけますけどね……)
とは言え、2700メートルと言えば相当な高所。バスを下りた瞬間から絶景が広がっていますし、周辺を少し散歩するだけで平地にいてはけして見ることのできない光景をあちらこちらで目にしますので、かなりおすすめです。
畳平につながる道路も上高地などと同様にマイカー規制されており、通行可能なのは10月末日までです。ですが、景色を楽しむなら10月上旬ぐらいまでが美しいだろうなと思います。
平湯温泉 or 乗鞍観光バスセンターからバスで畳平へ
畳平までのバスは、岐阜県側の「平湯温泉」か、あるは長野県側の「乗鞍高原観光センター」から乗車することになります。
平湯温泉には松本から直通バスが出ていますし、乗鞍高原までも(新島々駅で1度乗り換える必要はありますが)松本からバスで行けます。平湯はもちろん、乗鞍高原にも温泉宿はありますから、宿を取った側からバスに乗るのが良いと思いますが……なんと、今調べたところ、2022年9月9日に岐阜県側の「乗鞍スカイライン」で土砂崩れが発生して通行できなくなっており、現在も復旧の見込みは立っていないとのこと。
恐らく今シーズン中は長野県側からしか畳平に行くことはできないのではないかと思いますので、ご注意ください。
では、気を取り直して畳平です!
バスを下りると、森林限界を超えているため周辺に背の高い木はありません。乗鞍岳は火山なので、火山帯らしいやや荒涼とした風景が広がっています。
畳平バスターミナルから「肩の小屋」という山小屋までは、山小屋の車両も通るためほぼ舗装路のような平らな道が続いています。肩の小屋までは徒歩30分少々。散歩するにはちょうどいい距離です。
肩の小屋に向かって歩き始め、しばらくしてバスターミナルの方向を振り返ると……。
バスターミナル周辺の建物が、まるで箱庭のように見えます。
道はほぼ平らですが、かなりの高所なので雲の中を歩いてくような楽しいイベントが発生することも。
30分ほどで肩の小屋に着きます。
ここから先は、ゴツゴツした岩山の登りですので、登山装備がない場合はやめておいたほうが無難かと。
肩の小屋からバスターミナルに戻る道でも、また絶景を楽しめますので。
ちなみに、今回ご紹介したのは広い道を肩の小屋に向かって歩くルートですが、もう少し早めの8月ぐらいまでであれば、畳平バスターミナルの周辺に高山植物のお花畑が広がっている場所もありますので、そのあたりを歩いてみるのも楽しいかと思います。
平湯温泉もずもで飛騨牛ずくしの夕食と朝食は朴葉味噌
2022年9月現在は「平湯温泉ー畳平」間の道は通行止めとなっていますが、来年には復活すると信じて平湯温泉のおすすめ宿をご紹介させてください。
ちなみに平湯温泉からは畳平だけでなく、上高地にも直通バスが出ていますので、上高地と組み合わせての宿泊も可能です。というか上高地のところで紹介すれば良かったかしら……。
宿泊レポートはこちらに公開しております。
全室客室露天風呂付き、20歳未満の宿泊お断りという大人のためのご褒美宿。
この手の宿は土曜日は1人で泊まれないことが多いですが、もずもは土曜日でも1人泊可能で、料金アップもそれほどではなく良心的。
平湯温泉バスターミナルから徒歩6分の場所とは思えない、原生林に囲まれた場所にあり、森の中での湯浴みを楽しめます。お湯も極上です。
そしてもずものすばらしいところは、飛騨牛づくしの夕食です!
前菜の飛騨牛握りから始まり、しゃぶしゃぶ、陶板焼きとかなりのボリュームの飛騨牛が登場し、すべてが上質なお肉です。
地酒の飲み比べセットと一緒においしくいただきました。
朝食は炊きたてご飯と、飛騨名物「朴葉味噌」がうれしい。
登山せず、畳平や上高地を眺めて歩くだけならゆっくり10時でチェックアウトしてからでも間に合うので、ゆったり楽しみたい宿です。
乗鞍高原温泉 プチホテルアルムで自家製タルトと焼きたてパンを楽しむ
もう1軒、乗鞍高原温泉の宿をご紹介します。
実は、畳平行きのバスが出る「乗鞍観光センター」から徒歩圏内の温泉宿は、1人で泊まれる宿が本当に少なくて……。以前おすすめしていた宿も1人泊できなくなってしまったので、他にいい宿ないものか?と探しているところです。
今回ご紹介するプチホテルアルムも、1人泊のプランは出ていたり出ていなかったり……なのですが、ちょくちょくチェックしていると出ているときもあるし、とにかく食事がおいしい宿なので覚えておいて間違いない宿です。
畳平行きのバスが出る乗鞍観光バスセンターのすぐ近くにある、家庭的な小さなホテルです。
ご家族で運営されているペンション……と捉えていただいて差し支えないですが、館内の雰囲気がヨーロッパの山小屋風でお洒落。
乗鞍高原は白濁硫黄泉のイメージが強いですが、プチホテルアルムの浴室ではそれとは異なる、柔らかい泉質の温泉をかけ流しで楽しめます。浴室は露天風呂で、予約制の貸切利用です。
夕食は洋食のコース料理。ワインの品揃えもなかなかのようでしたが私はビールを選択。
野菜も自家製のものが多いとのことで、サラダがとても新鮮!肉料理の牛肉のワイン煮込みもおいしかった!
そしてデザートにいただいたフルーツタルトが絶品でした!こちらも季節のフルーツを使って毎日焼き上げているそうで、私は夏に宿泊しましたが別の季節にもタルトを食べに来たくなりました。
ちなみに、お部屋にエアコンがないので、夜は涼しいのですが真夏の昼間は少し暑かったですね。9月中旬以降ならもう、涼しくなっているでしょう。
朝食はシンプルな洋食でオレンジジュース、フルーツはスイカ、目玉焼きとサラダ、パンとジャム。
いかにも手作りのこのパンがめちゃくちゃおいしいのです。焼きたてで提供されますが、チーズとバターの香りがふわーっと漂ってきて、中はしっとり。
ジャムも、もちろん手作りです。
きっとこのジャムも、季節によって変わるんだろうな……と思うと、別の季節にまた来てみたいなと。強く印象に残っています。
岐阜県:新穂高ロープウェイで北アルプスの山々を眺め、新穂高温泉に泊まる
西穂高岳登山などで利用することの多い「新穂高ロープウェイ」は、通年運行しており、冬でも標高2156メートルからの絶景を楽しむことができます。
他の場所と違って登山装備なしで歩けるところがあまりなく、展望台で絶景を眺めて帰ってくる感じなので、寒さ対策さえしておけばオールシーズン楽しめます。
松本からバスで平湯温泉→新穂高ロープウェイで標高2156メートルの高所へ
首都圏から公共交通機関利用で新穂高ロープウェイまで行くのは、毎日アルペン号などの夜行バスを利用する以外では、松本から平湯温泉行きのバスに乗り、平湯温泉から新穂高ロープウェイ行きのバスに乗り換えて向かいます。まあまあ面倒ですね。
中京圏などから向かう場合も、高山から平湯温泉行きのバスに乗って平湯温泉で乗り換えです。
第1ロープウェイ、第2ロープウェイとロープウェイも1度乗り換えがありますが、第2ロープウェイは日本では唯一の2階建てロープウェイです。
1階に乗っても2階に乗っても、景色は特に変わらないような気がします……。
晴れていれば、ロープウェイの中からも絶景が楽しめます。
標高2156メートルの西穂高口まで来ました。建物の屋上に展望台がありますので、北アルプスの山並みを眺めます。
登山の人はこちら側、西穂高岳の方向に歩いていきます。
こちら側の「千石平園地」を散歩するのも悪くはないですが、登山装備なしでは景色がいいところまで行けないですし、展望台で景色を見て帰る方が多いです。
新穂高ロープウェイのいいところは、何と言っても通年運行していること!
「白馬」や「蔵王」なども通年運行していますが、スキー場のロープウェイやリフトなので、冬に観光客が乗っていることは少ないです。(蔵王は樹氷見学の人がちょっとだけいるかな)
でも、新穂高ロープウェイは西穂高岳に雪山登山に行く猛者以外は冬も観光客多め。
雪の北アルプスを高所か眺められるのは楽しいです。
まあ……冬は特に、なかなか晴れないんですけどね。
西穂高口の展望台に冬限定のマスコットキャラクターの「にしほくん」がいるので、真っ白だったらにしほくんと記念撮影して帰ります……。
山の旅舎 中尾平で貸切温泉と飛騨牛ローストビーフ
新穂高ロープウェイの周辺は本当に温泉がたくさん!
帰りも平湯温泉行きのバスを利用することになりますので、平湯温泉まで戻ってもいいですが、今回はロープウェイ周辺の「新穂高温泉」のお気に入り宿をご紹介します。
こちらに↑宿泊レポートもご紹介していますが、公開後にも1度再訪しました。土曜日でも1人泊可能な宿です。
「山の旅舎 中尾平」は新穂高ロープウェイから平湯温泉行きのバスに乗ってまもなくの「中尾高原口」というバス停で下ります。私は歩いて行ったこともありますが、宿に電話すればバス停まで迎えに来てもらうこともできます。
お部屋は琉球畳が敷かれており、ロッキングチェアがあるのがうれしい!快適なお部屋です。
浴室は露天風呂が2つ、内湯が4つあり、すべて貸切で利用します。
全6室の宿で6つ浴室があるので「お風呂に入りたいのにどこも空いてない」ということがないのがうれしいですね。
お湯はすべてかけ流し。ほのかに硫化水素臭のする、新鮮さが感じられるすばらしいお湯です。熱めのお湯なのでこれからの季節にちょうどいいですね。
食事も、いわゆる「温泉旅館の食事」とはかなり異なり、野菜たっぷりな手作りの料理で大変おいしいです。地酒の利き酒セットがあるのもうれしい!
名物料理は「飛騨牛ローストビーフ」と「岩魚の笹焼き」です。飛騨牛増量のコースがあるのもちょっと気になっています。
朝食は和食で、野菜のおかずがやっぱりおいしいし、朴葉味噌でご飯が進んでしまいます。誰におすすめしても間違いないであろう、素敵な宿でした。
富山県:室堂で雷鳥を探しつつ散歩し、みくりが池温泉に泊まる
富山県の立山は、ロープウェイやバスをいくつも乗り継ぐ「立山黒部アルペンルート」を利用して行く、日本屈指の山岳リゾートです。
登山者にとってはお馴染みの場所ですが、首都圏から観光で行くにはなかなかハードルが高い……という方が多いのではないかと思います。私もきっと、登山をしていなかったら行くことはなかっただろうなとは思うのですが、どの季節に行っても美しい場所だと思いますので、この記事の締めくくりとしておすすめしたいと思います。
ちなみに、立山黒部アルペンルートの運行期間は4月中旬~11月下旬ごろですが、登山装備なしに散策などを楽しめるのは7月~10月上旬ごろまでだと思います。
長野駅 or 富山駅を経由し立山黒部アルペンルートで室堂へ
立山黒部アルペンルートは、新幹線利用の場合は「富山駅」もしくは「長野駅」を起点に向かいます。
こちらの記事に詳しく書いていますが、実は東京から新幹線利用の場合、長野側から行っても富山側から行ってもかかる時間もお金もほぼ同じです。
観光目的であれば、長野側からなら途中で「黒部ダム」の中を歩いて通過しますので、黒部ダム観光も兼ねられていいかもしれませんね。(私は、黒部ダムの中を歩くのが面倒で富山から行ってしまうのですけど……)
どの季節に行っても美しい室堂ですが、秋はこんな感じです。
整備された遊歩道を散歩するだけで、驚くほど美しい光景に出会うことができます。
遊歩道を歩いていると、ハイマツの中から雷鳥が顔を出してくれることもあります。恐らく室堂周辺が、国内の雷鳥出没スポットで最も楽に足を運べる場所ではないでしょうか。
どこまでならスニーカーで歩いて行っていいか迷うところですが、舗装された遊歩道になっている場所ならまあ、大丈夫でしょう。
この後紹介する「みくりが池温泉」より先に行くと急な下り坂がありますので「しんどい思いをしたくない」方はそのへんでやめておいたほうが良いかとは思います。下った道は帰りはのぼらないといけないですからね……。
みくりが池周辺を小一時間散歩するだけで、かなり楽しめる場所だと思います。
みくりが池温泉で白濁の硫黄泉と富山の食を楽しむ
立山からの帰りに寄れる温泉地は、長野側の「大町温泉郷」などもありますが、個人的におすすめしたいのは立山の美しい景色の中で一夜を過ごせる「みくりが池温泉」です。
室堂のバスターミナルから遊歩道を10分歩いた場所にあります。
1人でも泊まれますが、相部屋利用になります。個々のスペースがカーテンで仕切られている相部屋なので、ゲストハウスのドミトリーが平気な人なら大丈夫でしょう。2名以上なら個室利用も可能です。
温泉は内湯のみですが、白く濁る極上の硫黄泉に、滞在中いつでも入れます。
食事は食堂でいただきます。温泉旅館の食事としては量は少なめですが、ホタルイカなど富山の魚介や、地酒の呑み比べセットも楽しめたり。
館内のカフェでは軽食の営業もあり、ピザやトーストが人気です。
お風呂上がりに絶景を眺めながら生ビールをいただけるのもうれしい。
温泉旅館と山小屋の中間のような宿ですが、山に沈む夕日など登山をしなければなかなか眺められないような絶景を楽しめる、すばらしい宿です。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。