温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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テント泊と山小屋泊はどっちが楽しいのか?単独登山女子的な視点からまじめに考えてみた

テント泊は楽しいが、山小屋泊も楽しいと私は思う

テント泊って楽しいですよね。
先日、テントについての記事を書いたら思っていた以上に多くの人に読んでいただけ

「テント泊に興味がある人がこんなにいるのか!」

と驚きました。実は。*1

それでどうしてこんな記事を書いたかと言うと、先日テント泊をしている際に、すぐ近くのテントの人たち(4~5人のグループ)が

「テント泊をしない人は損してるよね。テント泊で山の楽しさを100味わえるとしたら、山小屋泊は30ぐらいだよ」

というような話をしていたので、そんなことないでしょ!と、とっさに思いましてて。
それならテント泊の良さ、山小屋泊の良さって何なのかな?と、じっくり考えてみた次第です。

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ちなみにその発言をされた方のテントはこの写真には写っていません・笑

これから山小屋泊、テント泊を考えている人の参考になればと思います。

テント泊の良いところ・メリット

まずは、テント泊ならではの楽しみ・喜び・メリットについてを考えてみました。
恐らくですが、登山を始めて間もない人の多くは「いつかはテント泊!」と考えるものではないでしょうか。山小屋などで、テント場の側を通ったりすると憧れますよね。楽しそうですよね。なんとなくですけど。

では、実際にテント泊のどんなことが楽しいのでしょうか?また、テント泊をするメリットとは何なのでしょうか。

1泊数百円~1000円程度で泊まれる

宿泊料金が安いことは、最大のメリットではないでしょうか。1人あたりいくらとか、テント1張あたりいくらとか、料金の徴収の仕方はテント場によって異なりますが、1人あたり1000円を超えるところはほとんどないと思います。
テント泊を始める多くの人は「もっと頻繁に山で泊まりたい」と思い、そのためにがんばって初期投資をしてテント泊装備を揃えているのではないかと。

自然を身近に感じられる

いわゆる「山と自分を遮るものは布一枚だけ」というやつです。
鳥の声、風の音、夜はテントの入り口の布を1枚めくれば星が見えます。

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「テント泊で味わえる山の楽しさ」の大部分を占めるのがこの項目ではないでしょうか。あとの項目は「メリット」に近かったり、まあ、小屋泊でもやりようによっては楽しめることが多いんではないかなと。

プライベートスペースが確保されている

山小屋泊の際、特に女性が困りがちなのは「着替えをどこでするか」ということではないでしょうか。

更衣室がある山小屋もたまにありますが、ないところのほうが多いと思います。トイレが洋式できれいなら着替えもできるけど、それも小屋によりますし……私は、寝る場所が決まったところで布団を被ってこそこそと着替えてしまうことが多いですね。

しかし、テント泊ならばそんな心配も無用です。ソロテント泊ならいつでも脱ぎ放題!仲間と一緒のテント泊であっても着替え中は外に出ていてもらえばいいだけです。

着替え以外も、混んでいる山小屋に泊まると夕食までの数時間、居場所がないこともけっこうあります。談話室があってもぎゅうぎゅう詰めだったり、外が晴れていて気候のいい時期なら外にいるのもありですが、春や秋は寒いし、夕立などで外に出られないこともしょっちゅう。仲間と一緒の登山ならまだしも、1人のときは特にこのシチュエーションはきついですね。

ですがテント泊なら自分のスペースが常に確保されているのです。ソロならもう完全に「プライベートスペース」

仲間と一緒だと完全に「プライベート」というわけにはいきませんが、それでも山小屋で居場所がない感じになるのよりは場所があるのはもう間違いなく良いことです。

食事や飲酒、寝る時間が自由になる

小屋泊でも食事を頼まずに自炊にすれば、ある程度時間は自由になりますが、食事付きで泊まると指定された時間に食事をしなければなりません。

これがちょうど、日没や日の出の時間と被ってしまうことがあるんですよね。

空いている日なら小屋のほうも気を遣ってくれて、日の出や日没の時間を避けてくれることもありますが、混んでいて何回転もするような日にそんな気遣いできるはずもありません。でも、日の出や日の入りが見れる場所に泊まるなら、できれば見たいですよね……。

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テント泊なら、寝過ごさない限り見放題です。

また、山小屋泊の場合確実に「消灯時刻」があります。
個室利用の場合は別ですが、相部屋で泊まるなら消灯後は、トイレに起きる等のやむを得ない場合以外、室内でライトを点けることは迷惑になりますし、寝付けないから寝酒を一杯、とかもなかなか難しいです。

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テント泊なら飲みたいときに飲めます。飲み過ぎて寝過ごしたこともありますが……。

好きなものを好きなときに飲み食いできる

山小屋では苦手な食べ物が出たり、あまり食事がおいしくない小屋というのもあるといえばあります。

苦手なもの、おいしくないものであっても、山小屋で食事を残すのはなんだか申し訳ない、みんな「食事を提供してもらえるだけでありがたい」なんて言っているのに……と。

でも、テント泊なら自分の好きなものだけ食べれます。

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と言っても私などは特に食事に凝るわけではないので、自分で用意するのはスパゲッティか、カレーがせいぜいですが……。

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麻婆春雨もなかなかおいしい。

ただ、一人ならいつでも自分で食事を用意しますが、複数人でテント泊をして、自分以外の誰かが食事係として食材を用意した場合などは、必ずしも好きなものを食べれるというわけではないかもしれません。場合によっては山小屋よりも残しにくいかもしれないですね。

そのあたりは以前この記事↑の「ソロ登山のメリットその5」の項で書きました。まあ、気の置けない仲間との登山であればそこまで気にすることではないので、やはりこの点はテント泊のメリットと言ってよいでしょう。

少し到着が遅くなっても怒られない

これを「メリット」と言ったら怒られるかもしれませんが、 食事や寝床を提供してもらう小屋泊と違って、テント泊の場合は遅い時間に到着したとしても、受付の際に怒られたという話はあまり聞いたことはありません。

それをメリットと捉えて、けっこう無理めのコースを取り、限界まで歩いて日没を過ぎてから到着する人もちょいちょいいます。

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私はやりたいとは思いませんが、これをメリットと捉える人もいるとは思います。
まあ、1人で登山する女子には絶対おすすめできませんが……。

テント泊の良くないところ・デメリット

では、テント泊に死角はないのでしょうか。そんなことはありません。
もちろん、これからあげるデメリットをまったくデメリットと感じない、という方もいるだろうとは思うのですが、それはやっぱり大変だな、と思う方もきっといると思うのでとりあえず並べてみます。

最初に道具を揃えるのが大変

もし、これまで日帰り登山か、食事の用意をすべて山小屋に任せての小屋泊登山しかしたことがない!という方がテント泊を始めるとすれば、装備を揃えるのにはお金がかかります。

「テント」のほかに「クッカー」「バーナー」などの調理道具、「マット」や「シュラフ」などの寝具は最低でも必要ですし、それらを入れて持ち運ぶ大型ザックを買わなければいけない場合もあります。

テント泊に慣れてくると「夏山テント泊なら40Lザックで十分!」というような人も出てきますが、テント泊初心者のうちはそれはやめておいたほうがいいと思います。コンパクトなザックに、自宅で時間をかけてパッキングしたときはなんとか入っても、テントを撤収した後にささっと詰めようとすると入らなかったりするからです。

こちらの記事でもカモシカスポーツの方が「最初は55L以上のザックを買ったほうがいい」と話していました。

私自身も、軽量化とか面倒くさいタイプなので夏でも普通に60Lのザックを使っています。慣れてきて「これはいける」と思ったら小さいザックにしたほうが安全です。

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以前記事にまとめたのですが「調理道具」→「寝具」→「テント」の順に徐々に揃えていって「自炊の山小屋泊」→「避難小屋泊」→「テント泊」とステップアップしていくのがおすすめではあります。

ただ、徐々に揃えたとしても一気に揃えたとしても、合計ではある程度のお金がかかることは否めません。しかも、山道具は「軽いものほど高価」なのです。調理道具・寝具・テントすべてがそうです。

初めてテント泊をするなら、力自慢の男性は別として女性は特に、なるべく軽い装備を揃えたいと思うのではないでしょうか。とすると、出費は必然的に多くなります。

ただ、ソロでテント泊を始めようと思うならすべて自分で装備を揃える必要がありますが「テント」や「調理道具」などは、持っている人と一緒に行く、持っている人にとりあえず借りる、ということもできないわけではないです。

また最近は「山道具のレンタル」ができるサービスもいろいろとあります。
こちらのサービスなど、けっこういろいろなテントを借りれるので驚きました。ファイントラックのカミナドーム1まで借りれますよ!同じ1人用のダンロップのVS10より1泊のレンタル料金が3000円も高くて驚いたけどw

荷物が重い

女性にとってはやはりテント泊の装備は重いものです。装備を分け合うことのできないソロなら尚更。

担いで歩くことはできても、鎖場や危険箇所のある登山道を、テント泊装備を担いで歩くのはきついなと思います。

「お金がかかっても軽い装備を揃える」ことで多少はましにはなりますし、昨今はUL(ウルトラライト)なんていうジャンルもありますが……。

あまりにも軽い装備は、テントなら悪天に弱くなるし、マットは寝心地が悪くなったりと安全性・快適性が損なわれるのですよね。ULは「軽くなったぶん不便になるけどその不便さを楽しむ」みたいな考え方だと思うので、あまり女子向けではないよなと個人的には思います。*2

早く到着しないといい場所に張れない

「テント泊なら遅く着いても怒られない」ことをメリットの一つとしてあげましたが、混んでいる夏の晴れた週末などはそうもいきません。

山小屋泊の場合、15時ぐらいまでの常識的な時間に到着していれば「遅く来たせいで寝る場所がない」ということはないと思いますし、そもそも混んでいる日はいつ到着したって寝る場所は狭いわけで、遅く来たからではありません。

しかしテント泊の場合は、尾瀬の尾瀬沼キャンプ場などの予約制のテント場を覗いては「早いもの勝ち」なので、平らな、いい場所からなくなっていきます。

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そのため、寝心地のいい場所にテントを張りたかったら、早く着いておく必要があるのです。

夏の週末などは、テント泊装備の人に追い抜かれるたびに「あの人同じテント場に張るのかなあ」「あの人よりも先に着きたいなあ」などと考えてしまったり。

神経質過ぎと思われるかもしれませんが、実際にテント場について

「もう張るところないんだけど、どうしたらいいの?」

という経験をすると、考えてしまうのですよね。

真夏の昼間は暑い

いい場所にテントを張りたいがためにお昼過ぎに早々にテント場に着き、さて、あとはやることもないし昼寝してしまおう!というとき。

真夏の晴れた日のテントの中は日が当たって非常に暑いです。
標高2000メートルを優に超える、何なら雪が残っているのが見えるような場所がそんな暑いわけないじゃない!と思うのですが……。

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特に、かつて私も愛用していた「エアライズ」のように、短辺に入り口があるタイプのテントは風の通りが悪いことが多く、晴れた日の昼はものすごく暑いです。

男性なら外で寝てもいいかもしれませんが、女子はそうはいかないのですよね。。。

真夏はテントの中より小屋の食堂のほうがずっと涼しいので、日が傾くまで小屋の食堂で過ごしたりしたことも何度かあります。なのでまあ、一つのデメリットだなと。

真冬はめちゃくちゃ寒い

反対に、冬は寒いです。外ですから当たりまえですけど!
たまに「そんなに寒くないよ」という方もいらっしゃいますが、本当に気温が低い日のソロテント泊は寒いですよ……。

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私は東北の日本海側に生まれ育って、まあまあ寒さには強いほうだと思っていたのですが、1度初冬のかなり寒い日にテント泊をして以来、もう冬はテント泊しなくていいかなと思っています。

まず、冬山でテント泊をするには、夏山用より厚いマットや冬用のシュラフ、雪上で整地するためのスコップなどを持つため、荷物がかなり増えます。まずこれが単独登山女子としてはきつい……。

そしてさらに何がつらかったかと言うと「電池という電池の電圧が下がること」です。

寒すぎて、スマホもヘッドランプも点かなくなるんですよ。朝になって気温が上がれば復活するんですが、テント泊のときに私は、1人で眠くなるまでスマホで本を読んでいる時間が好きなんですけど、重い荷物に耐えてやってきて、それすらままならないのでもういいや……と思ってしまいました。

ただ、荷物をどのぐらい持てるか、ソロかそうでないか、テント泊に何を求めるかによって、このあたりの捉え方は人それぞれ違うとは思います。

隣のテントがうるさいと寝れない

小屋泊の場合は「消灯時間」というものがあるので、その時間を過ぎて騒いでいる人たちはあまりいません。いても小屋番さんが注意してくれます。

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しかし、テント泊では明確な消灯時間がないため、翌日早く起きる必要がないグループはけっこう遅くまで起きて話をしていたりします。

一応「21時を過ぎたら静かにしましょう」みたいな暗黙のルールはあり、大声で宴会しているような人たちに対しては誰かが「そろそろ静かにしなさいよ」と言ってくれます。しかし、そこまでうるさくはない、テント内で小声で話しているような人たちに対しては、注意する人もいません。

でも、テントって布一枚なので、隣のテントの声って完全に筒抜けなんですよね。同じ部屋の中で誰かがずっと喋っているような状況なので、こっちは翌日早いのに寝れない……ということはけっこうあります。

男性なら「静かにしてもらえませんか」と言えるかもしれませんが、こっちが女一人だとそれもなかなかね……難しいんですよ。

壁ドンしたくてもテントですので、叩く壁がありません。

気のあわない相手がパーティにいると最悪

これは、ソロテント泊しかしない私には関係のないことですが、グループで来ていて同じテントに泊まっている人の中に、あまり仲良くない人がいたらきついだろうなと。
テント場で複数人のグループでテント泊をしている人たちを見ているといつも思います。

さすがに2人で来ている人たちは仲がいいから一緒に来ているのだと思うのですけれど、3人4人5人と増えたら「実はこの人とは仲いいわけじゃない」場合もあると思うんですよね。

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気にしない人は気にしないのかもしれませんが、山岳会などの上下関係のあるグループでのテント泊は本当にきつそう……。

と、山岳会のテントの隣で、筒抜けの話を聞きながらいつも思っています。

山小屋泊でもきついかもしれませんが、山小屋だと他の登山者とも交流があったりするぶん、グループ内での交流はちょっと薄まると思うんですよね。

テントという閉鎖空間の中に、関係性が微妙な相手がいるという状況、たぶん私は耐えられません。

天気が悪いとこわい

「自分と自然を遮るものが布一枚」というメリットを享受する以上、こちらも避けられないことではあります。

豪雨、雷、強風、台風、どれも山小屋に泊まっていればどうということはなく「明日の出発時間には収まっているといいなー」というだけですが、1人でテント泊をしている夜の悪天は、本気でこわいです。

ただまあ「それも含めてテント泊の楽しさだ!」という方もいるとは思いますし、それもわからなくはありません。 

トイレが遠いことがある

テント場のほとんどは山小屋が管理しているわけですが、小屋とテント場がそこそこ離れていて、でもテント場にはトイレがなく、小屋まで来て用を足さなければならない、というシチュエーションのところがちょいちょいあるのです。

パッと思いつくだけでも「笠ヶ岳山荘」、鹿嶋槍と爺ヶ岳の間にある「冷池山荘」、それから「北穂高小屋」なんかのテント場は「ちょっと遠いな」と感じました。

私は小屋泊したんですが、笠ヶ岳山荘のテント場とトイレの間もそこそこ距離があってしんどそうだなあと思って見ていました。

また、北穂高小屋は特に、テント場と小屋の間にこういう感じの登山道がありまして。

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危険箇所というほどのところはありませんが、夜にトイレに行きたいときにいちいちこの道を歩くの嫌だなあと思ってしまいました。

私自身は、涸沢にテントを張って北穂に向かったのですけどね。

テント泊用のトイレだけ汚いことがある

どことは言いませんが、北アルプスに多いですね。
山小屋内のトイレはきれいだけれど、小屋の宿泊者以外が使うための「外トイレ」なるものが別にあり、そこはきれいじゃない、というケース。

まあ、仕方ないんですけど小屋のきれいなトイレとあまりにも落差があることもが多くて「おお……」って思ったりします。

そう言えば、昔はひどかったけれど今はきれいになった!というケースもあって、槍沢ルートで槍ヶ岳に向かう途中にある「槍沢キャンプ場」なるテント場がありまして。

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管理している「槍沢ロッヂ」とは徒歩20分ぐらいの距離があるので、テント場用のトイレがあるんですけど、これがかつては、使うとしばらく自分に匂いがついてつらいぐらいきつかったんです。

でも、最近トイレが新しくなってきれいになったと聞き、それならまた行ってみようかなーなんて考えたりも。もともと、ロケーションはとても良いテント場でしたしね。

特に悪天の日は撤収が面倒

天気が悪い日は、テント内で夜を明かすのもきついですが、撤収も面倒くさいです。

想像してみてください。周りに雨風をしのげるものもないような場所で、雨がたたきつける中テントをたたみ、濡れたテントをどうにかザックに詰め込んで、雨の中歩き始めなければいけないつらさを……。

雨の中歩き始めるのは小屋泊だったとしても同じですが、テントは濡れると重くなるしで、かなりテンション下がります。

まあ、天気が悪くなりそうなときに登山しなければいいという話ではあるんですけど、急変もあるし、縦走中ずっと晴れてることも少ないから、ある程度仕方ないんですよね……。

山小屋泊の良いところ・メリット

さてそれでは山小屋泊です!

テント泊が好きな方には山小屋泊を否定してしまう方もけっこういますが、私は山小屋泊も大好きですよ!というわけでご紹介します。

荷物が少なくてすむ

「テント泊と山小屋泊でそんなに荷物の量変わらないでしょ」とおっしゃる方もいるのですが、そんなはずないと思いますよ……。

布団も食事も用意してもらえるのですから、ぜんぜん軽くなります。
特に、1泊でなく2泊3泊とするときは、テント泊の場合食料が増えたぶん重くなるのですが、小屋泊なら何泊しても同じです。

知り合いが増えやすい

これを良いところと捉えるかどうかは人によったり、時と場合によったりしますが、テント泊よりは山小屋泊のほうが圧倒的に、他の登山者と話す機会があります。

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登山経験が長くなってからは、コミュニケーションが煩わしくなる機会のほうが増えてしまいましたが、特に登山を始めて間もないころは知り合いも少ないですし、他の人の山の話を聞くのも楽しいので、山小屋で知らない登山者と話すのもけっこう楽しかったですよ。

私には「山仲間」と呼んでいいんじゃないかなと思う友人が2人だけいるのですが、その2人とは登山を始めた年に初めて、金峰山小屋に泊まったときに知り合いました。

しかし最近は、山小屋泊しても、面倒であまり人と話さなくなってしまいましたねー。

冬でも暖かい小屋が多い

これはもう確実に、薪ストーブの燃える室内のほうが冬は暖かいですよ。

たまに寒い山小屋もありますけど、それでも、テント泊するより寒いってことはあり得ないですので。

食事がおいしい山小屋も多い

先ほどご紹介した「金峰山小屋」もそうですが、あとは、朝食時に予約制でいただける厚切りトーストが絶品なしらびそ小屋とか。

やはり八ヶ岳の、馬肉のすき焼きが夕食に出るオーレン小屋。

1人で泊まってもこんな風に、1人用の鍋でたっぷりといただけます。

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生の野菜や肉は、テント泊のときは重いし鮮度も心配なので、私はめったに持っていきません。なので、肉や野菜をたっぷり食べれるのは山小屋泊ならではだなあと思います。

温泉小屋なら温泉入り放題

温泉が付いている山小屋もけっこうありますが、多くはテント泊でも入浴料を別途支払えば入ることができます。

でも「外湯にしか入れない」というような制限がついたり、「料金を支払ったとき1回だけ」だったり、時間に制限があったりすることも。1度入れば十分!という人もいるとは思いますが、私はいいお湯なら何度でも入りたいタイプです。そういう意味では温泉付きの山小屋は、宿泊してこそ最大限に楽しめることが多いなと思います。

たとえば八ヶ岳の本沢温泉。

「日本最高所の露天風呂」で有名ですが、あの露天風呂は混浴ですし、小屋からもテント場からもちょっと距離があるので、女1人で気軽に何度も入りに行ける場所ではありません。

でも、小屋の宿泊客が多い日は、テント泊の人は混浴露天風呂しか利用できないんですよね。

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でも、小屋に宿泊すれば男女別の内湯にいつでも入れるんです。
温泉やお風呂がある小屋でも、朝風呂は入れないというところも多いですが、本沢温泉は朝風呂もOKだから私は好きです。また行きたい……。

空いていれば個室にしてもらえることもある

平日など空いている日に宿泊すると、特に個室料金など払わなくても個室を使わせてくれることがあります。

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こうなると、テント泊以上のプライベート空間です。
最近だと、大菩薩峠の介山荘で個室状態で利用させてもらいました。このときは5組しか泊まっていなかったので、全組個室だったと思います。

あまり大きな声では言えませんが、同じ小屋に何度も泊まって、部屋割りをする小屋番さんと顔見知りになっていると「ここ使っていいよ」という感じで、1人部屋になることが多い気はしますね。

スマホなどを充電できることもある

もちろんモバイルバッテリーは常に持参してはいますが、コンセントが使えるとなんというか安心するのですよね……。

徳澤ロッジやみくりが池温泉などでは、相部屋のベッド1つ1つにコンセントがついているという至れり尽くせりぶりです。

「個室」「食事」「温泉」「コンセント」などが、イコール山の楽しさなのかと言われれば言葉につまるところではありますが、山での時間を余計な心配なく、快適に過ごせることで、山で味わえる喜びも膨らむという部分はあると思います。

 

山小屋泊の悪いところ・デメリット

山小屋泊の悪いところは、つまりはテント泊の良いところの裏返しのような気もしますが、さらっと紹介したいと思います。

食事付きだと1泊6000円~10000円ぐらいかかる

私の知る限りでは丹沢の尊仏山荘の2食付き6500円というところが一番安くて、北アルプスの山小屋だと1万円を超えるところもたくさんあります。

食料などをヘリで輸送するのは大変な費用がかかりますし、仕方ないとは思うのですが、寝る場所もないほどぎゅうぎゅうに詰め込まれて1万円!ということも当然ありますので、そういう経験をすると「テント泊装備を揃えても、山小屋泊何回分で元を取れるよなあ」という計算を始める人が多いのではないでしょうか。

混んでいると寝る場所が狭いし暑い

相部屋で最高なのはこんな感じで、2段ベッドの1つを好きに使えるやつですが。

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ちなみにこちら↑は尾瀬の至仏山荘です。カーテンも閉められるので、テント泊に劣らないプライベート空間ですね。

これ以外でも予約制の小屋で、このように一つの布団を1人で使えるというのは、非常に幸せなことで。

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↑ちなみにこちらは西穂山荘です。

でも、こういうの↓が多いんですよね。

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隣の人との距離狭いなー、と思いますが、これでも平日の、あまり混んでいない日です。北アルプスの山小屋ですね。

もっと混んでいる日も一応泊まったことはあって、そうなるともう、暑くて寝られなかったです。

寝床の並び順も、そこまで混んでいる日は「女性の隣には女性を」なんて悠長なことを言っていられなくなりますしね。

「これさえ解消されるならもっと山小屋に泊まりたいんだけど」という人が多いと思われる、大きなデメリットがこれだと思います。

自炊したくても場所がないことがある

食事を注文すると高い、自炊するのが好き、朝早く出るから朝食は自分で用意したい、あまり食事がおいしくない山小屋である、という理由などで、小屋に泊まっても食事は自分たちで用意したい!という人もいると思います。

けれど、十分な自炊スペースがある小屋って、本当に少ないんですよね。

丹沢の尊仏山荘のように、小屋に泊まる人の食堂とは別に、広めの談話室、兼自炊場がある山小屋って貴重なのではないでしょうか。

食事の時間が決まっている

テント泊でのメリットのところで説明しましたが、日の出日の入りのタイミングと食事の時間が被ってしまうと、本当に悲しい気持ちになります。

1人でいたくても話しかけられる

山小屋に泊まっていて、誰とも喋りたくないというのはまあ、無理な話ですが、酔っぱらいのおじさん団体に絡まれたり「写真を送るから住所を教えてくれ」などと言われたときは

「本当に面倒くさいな、テント泊ならこんなことあり得ないのに」

とは思いました。

とは言えこれも「山小屋泊のメリット」のところで述べた「知り合いが増えやすい」ことの裏返しであるとも言えますので……何が良いとか悪いとかって結局自分の捉え方次第ではあるんだよなあと思います。

テント泊は楽しいが、テントを担いで山に登ることだけが山の楽しみ方ではない

私が、自分自身のテント泊・山小屋泊経験からさまざまなシチュエーションを洗い出して考えた、テント泊と山小屋泊、それぞれの良いところ、悪いところはこれまで述べたぶんですべてです。(また思い出したら書き足すかもしれませんが)

最後に、この記事を書くきっかけになった出来事について、もう少し詳しくお話しようと思います。

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先日、尾瀬でテント泊していたんです。翌朝から至仏山に登るつもりで、1人で。
そうしたら某放送局の人が取材に来ていて

「番組の撮影でキャンプ場も撮らせてもらうので、写ってしまうかもしれないけれど問題ないでしょうか?」

と聞かれ。後ろに小さく写るぐらいなら問題ないですよ、と答えたんです。

そうしたら

「1人で来ているんですか?山にはよく来られるの?」

「3分ぐらいでいいのでインタビューさせてもらえないか」

と言われたんですが……地元の知り合いが見たりして親に知れたら面倒だから断ったんです。顔が映るということだったので。

そうしたら放送局の方は、私の隣にテントを張っていた年配の方のグループに声をかけて、撮影&インタビューしているようだったんですが。その人たちがインタビュー中に話していたのが冒頭の「テント泊をしない人は損してるよ」だったのです。

たしかにテント泊は楽しいですよ。でも、そんな言い方はなくないですか……?

と、自分自身テント泊大好きなのに思ってしまって。

山の楽しみ方は人それぞれで、誰かと比べたり「こういう楽しみ方がベスト!」などと人に押しつけるようなものではないと私は思うのです。

あとはその方たちが「山に来る人は増えたのか知らないけど山屋は少なくなった」とか「上高地や高尾山は観光地になっちゃってもうダメ」というようなことを言っていたのも、すべて私の志向と異なっていたので、聞いていてものすごくイライラしました。上高地も高尾山も私は大好きなので……。

イライラしたけれど、おかげでこの記事を書くことができたので、それは良かったと言えるでしょうか。。。

テント泊はとても楽しいけれど、管理してくれる山小屋がなくなってしまったら、テント場ごとなくなってしまうことがほとんどです。たとえば最近でも、雲取山の奥多摩小屋が閉鎖されると共に、テント場も閉鎖されました。

だから山小屋には、できる限り儲けてもらいたい……。

実は今回「山小屋泊のデメリット」として紹介したほとんどの項目は、空いている日なら解消されます。だから私は今後も、混んでいる日はテント泊で早めに到着、空いていそうな日なら山小屋泊、という風に、両方楽しんでいきたいと思っています。

*1:どうせそんなに読まれないだろうと思って書き終えてすぐ、夜中に更新したのに・笑

*2:もちろん、そういうのが好きな女性もいるとは思いますが、私は無理です・笑