鳴子温泉郷 東多賀の湯
東多賀の湯は、宮城県の鳴子温泉にある、白濁の硫黄泉がすばらしいと評判の湯治宿です。
神経痛や関節痛、アトピーなどの皮膚病に効能があることで有名で、長逗留する方も多いとのこと。
湯めぐりチケットでの日帰り入浴にも対応しており、お隣の西多賀旅館とはしごして入浴すると「隣なのにこんなに違うお湯なのか!」と、泉質の違いに驚かされます。
鳴子温泉に行く度に立ち寄りでお邪魔していたお気に入りの宿なんですが、2018年の9月についに宿泊が叶いましたので、レポートしたいと思います。
- 鳴子温泉郷 東多賀の湯
駅から徒歩6分だけど道は少しわかりにくい東多賀の湯
2018年の9月、三連休の初日に肘折温泉の旅館勇蔵さんに一泊した私。
山菜やきのこなどの山の幸がこれでもかと言うほど出てきてしかもすばらしくおいしい宿でした。
旅館勇蔵さんをチェックアウトした後は、肘折温泉からバスで新庄駅に向かいます。
いいお天気!
連休ですが、後半2日間の天気が全国的に良くなかったので、登山はやめて温泉旅行に徹したのですが……こんな空を見ると、どこか登りたくなってきますね。
新庄駅からは電車で鳴子温泉駅に向かいます。
駅で購入したスイカサイダーとラ・フランスサイダー。
宿についてからお風呂上がりに飲むつもりです。
鳴子温泉に着くと少し曇ってきていて、ちょっとホッとしたり・笑
駅から徒歩で東多賀の湯に向かいます。
東多賀の湯までは、Googleマップ上で徒歩6分と出ており、実際十分歩ける距離なのですが、楽天トラベルで予約した際に、宿からのメッセージ欄に
「駅からは近いのですが、道がわかりにくいのでご連絡いただければ迎えに行きます」
という旨が書いてありました。
高架下を通った後、左に曲がって細い道を歩くのですが、その道がちょっとわかりにくいので、曲がらず道なりに歩いてしまうと行きすぎてしまうのですよね。私も初めて歩いて行ったときはちょっと迷った記憶があります。
とは言えその後何度も歩いているので今回は迷わずに着きました。初めて歩かれる方は気をつけたほうがいいかもしれません。
西多賀旅館でミルキーグリーンのお湯を日帰りで楽しんでから、お隣の東多賀の湯へ
今回宿泊したのは「東多賀の湯」ですが、そのお隣には「西多賀旅館」という宿があり、日帰り入浴でお邪魔するときはいつも、2軒をはしごしていました。
2つの宿は駐車場を挟んで隣同士にあり、徒歩10秒ぐらいで着く近さなんですが、西多賀旅館はミルキーグリーン、東多賀の湯は白濁湯で、まったく泉質が異なるのですよね。
今回も、西多賀旅館で一風呂浴びてから東多賀の湯に向かいます。
東多賀の湯の看板犬ポチとご対面
入り口のガラス戸の外から中をうかがうと……
おお……わんこがいます。
実は、猫大好きだけど犬はそうでもない私。というか、宿の中に入るには絶対にこの犬小屋の前を通らなきゃならないのですが、犬嫌いな人にとってはいきなりハードル高いなw
しかし、扉を開けて犬小屋の前まで来ても、ポチくんは吠えもしなければ小屋から出てくることもありません。静かだな。。。
もしかして、けっこうお年を召した犬なんでしょうか。
まったく無反応なので、カメラを出してみたのですが、やはり反応ないので写真撮らせてもらっちゃいました。シャッター音やフラッシュは切って撮影したとは言え、あまりのおとなしさにちょっと拍子抜け。まるで私の存在になんか気づいていないかのようです。
犬小屋の前にあった、泉質を示す看板がこちら。
西多賀旅館の看板にはお湯の色については書かれていませんでしたけど、こちらには「白濁色」の表示が!
ちなみに西多賀旅館の看板はこんな感じでした。
泉質もかなり違いますね。それでは中に入ってみたいと思います。
東多賀の湯の日帰り入浴料金と入浴時間
これまで何度も日帰りでお世話になっている東多賀の湯さんですので、日帰り入浴についても書いておきたいと思います。
中に入ったらスリッパに履き替え、帳場にいた女将さんに受け付けしてもらいます。
私はいつも、湯めぐりチケットでの利用です。
鳴子温泉の湯めぐりチケット対応宿については、入浴料金と入浴時間、シールの必要枚数についてがこちらのページにまとめられています。
東多賀の湯の入浴料金は、現金だと500円、シールだと2枚必要です。
それから、日帰り入浴可能な時間については先ほどのページには11時~14時と書かれていたのですが、館内に入ると脱衣所にこのような貼り紙がありました。
右上の紙に「外来入浴時間は午前10時~午後3時までです」とあります。あれ、なんだか微妙に違うのですね……。
とは言え宿に書いてあることのほうが正しいのでしょう!東多賀の湯の日帰り入浴の営業時間は「10時~15時」で、湯めぐりチケットのシールは「2枚」で、入浴可能でした!
東多賀の湯にチェックイン!
玄関入ってすぐのところにある受付で宿帳に記入し、2階にあるお部屋に案内していただきました。
1階の突き当たりが浴室ですが、浴室の手前に階段があり、階段を登って2階の客室に向かいます。
客室のある2階の廊下はこんな感じ。
ちなみに、西多賀旅館は予約は電話のみでしたが、東多賀の湯はじゃらんや楽天トラベルでも予約可能です。私は今回、楽天トラベルで予約しました。
休前日以外なら1人泊でも、1泊からネット予約が可能なので、西多賀旅館よりも予約のハードルはかなり低いですね。
宿泊料金は、1人泊の場合、平日1泊2食付きが9000円、平日素泊まりが5000円でした。
【部屋】★★★★☆ 冷房・Wi-Fi完備で長期滞在も問題なさそうな快適なお部屋
東多賀の湯は全8室の宿ですが、すべての客室が2階にあります。
今回私が宿泊したのは、2階の突き当たりと言いましょうか、位置的には玄関の上あたりにあるお部屋です。
この、木の枠のみの扉と中の襖の扉と二重になっています。鍵はきちんとかかりますよ。
中に入ると左手に、シンクがありました。
これは、洗面所ではなくて流しですよね。
他の方の宿泊記などを読むと、流しのところにガスコンロが設置されていてミニキッチンになっているお部屋もあるようです。
私は、2食付きのプランで申し込んだので「キッチンは無くてもいいよね」ということで、このお部屋になったのかもしれません。
お部屋は6畳の和室です。
扇風機もありますが、冷房もちゃんとあります。窓際においてある空気清浄機っぽいやつが冷房でした。
浴衣・バスタオル・タオル・歯ブラシもあり。
お布団は、夕食のタイミングで敷いていただく方式です。
また、朝食時の布団あげはありませんでした。(ないほうがうれしい)
冷蔵庫には一応、冷凍スペースもあったのでアイスも冷やせます。
新庄駅で買って来たサイダーを入れて冷やしておきました。
お茶請けは「鳴子峡ロマン」
冷蔵庫の上にはゴキジェットと、湯沸かしポットがありました。
トイレは各部屋にはついておらず、共同の男女別のトイレを使用しますが、ウォッシュレットもあるし清潔に掃除されていたので特に問題なし。
また、そのほかに共同の設備として、キッチンと洗濯機やシャンプードレッサーが一つの部屋にまとまっていました。
奥に見えるのが洗濯機で、その手前が洗面台。
後でご紹介しますが、東多賀の湯の浴室には真水の出るカランやシャワーがないので、こちらのドレッサーでシャンプーできるようになっている、というわけでした。
調理器具も豊富で、ロースターや電子レンジもありますし、食器や鍋類も借りることができるので、食材だけ持ってくれば自炊湯治も難しくはなさそうです。
建物は新しくはないですが、湯治宿としては完璧ではないかなと。室内でしっかりWi-Fiが使えたのも良かったですね。
個人的に部屋の設備としてあるとうれしいと思っている「冷蔵庫」「Wi-Fi」「冷房」「湯沸かしポット」がきちんと付いていたし、Wi-Fiのスピードも速かったので何も問題ないと言いますか「ここなら長期滞在もいけるな」と思いました。
【風呂】★★★★☆ かけ流しの白濁硫黄泉は相変わらず素晴らしい
お部屋で一休みした後は浴室へ。
浴室は1階の隅に、男女別の内湯があります。
このガラス扉の向こうにはトイレはないので、先にすませておきましょう。
ガラス扉の向こうにはさらに、ガラス扉が。。。
予想ですが、硫黄の香りが客室や食堂のほうに漏れすぎないように、ガラス扉が2重なのかな?と。
浴室の目の前には、6畳ぶんほどのオープンな休憩スペースがありました。
お風呂上がりの待ち合わせに便利ですね。
休憩スペースの壁には、お弁当のメニューが貼ってありました。
肉のしばさきって、鳴子温泉の駅前にあるお弁当屋さんですね。
これ、ここに貼ってあるということは、頼めば配達とかしてくれるんでしょうかね……?
鳴子温泉の地酒や地ビールについての貼り紙もありました。
地ビールにどぶろく、かなり魅力的です……。夕食のときに頼みたいなー。
休憩スペースの目の前には、こんな感じで男女別の浴室に向かうのれんが!
この「湯治こよみ」の入った色違いののれんが、ちょっと素敵だなと思いました。
それではいざ、浴室へ!
東多賀の湯の温泉は西多賀旅館とまったく違う色!白濁の硫黄泉をのんびり独り占め
女湯ののれんをくぐり、脱衣所の扉を開けると……。
やった!誰もいません!!日帰り入浴だと、時間帯によっては先客いっぱいのこともあるので、うれしい……。
温泉分析表が貼ってありました。
泉温45度、ph5.4、加水・加温・循環すべてなしの、パーフェクトな源泉かけ流しです。
では!いざ浴室へ!
ちなみに、鍵付きロッカーなどは脱衣所にはありません。日帰り入浴のときは、貴重品はフロントで預かってもらったほうが良いですね。
おお……硫黄の香りが。。。
浴室はきれいで新しいです。
硫黄の成分で腐食したりしてしまうと思いますから、定期的に改装しているんでしょうね。
カランやシャワーなどはなく源泉が流れ続けている湯口が壁についてあり、それがカランの代わりです。こちらでかけ湯して体を洗います。おそらく硫黄の成分で、カランやシャワーはすぐに腐食してダメになってしまうんでしょうね……。
ボディシャンプーとリンスインシャンプーは置いてありました。宿泊の場合は、2階にあるシャンプードレッサーで頭を洗うこともできます。
あー、それにしても美しい……見るからにすばらしいお湯です。
ケロリンの桶でかけ湯して入りますよ!
お湯はやや熱めの適温。42度ぐらいでしょうか。
湯口からお湯が、常時流れ続けています。
硫黄泉は強酸性のお湯も多いですが、東多賀の湯の源泉はph5.4の弱酸性。肌に優しいので長湯してもカサカサになったりしません。それどころか硫酸塩泉なのでお肌すべすべになります。すばらしい。。。
温泉の硫黄の香りって、いい匂いと思うときと、ちょっと苦手な香りだと思うときがあるんですけど(硫黄泉と言っても成分が違ったり、湧いてから時間が経ったりしてるからでしょうか)ここの硫黄泉は本当にいい香り!いつまででも入っていられます。
温泉成分が、浴槽の縁にも、ケロリンの桶にもこびりついていました。
入っていても「ガツンと濃いなあ」と思うんですが、こういうところを見てもやっぱり濃い温泉なんですねえ。。。
硫化水素ガスが充満しないように、浴室の窓は常時開放されていました。
天井に近い高窓と。
浴室と同じ高さにも、ガスを逃がすための隙間が空いていました。
なので内湯ではありますが、外気が常に入ってきて湯気はまったくこもっていません。冬は、露天風呂のような空気の冷たさが感じられる浴室です。
ものすごくいいお湯でいつまでも浸かっていたくなりますが、強いお湯なので長湯は禁物です。
30分ぐらいしたら他のお客さんが入ってきたので、そのタイミングであがりました。
東多賀の湯の浴室は、宿泊した場合は夜通しつかることができますので、もちろん、深夜にも入りに行きましたよ!
【食事】★★★★☆ 朝食も夕食も手作りで味もよく、2食付きプランにして良かった!
食事は1階浴室の手前にある食事処でいただきます。厨房の目の前なので配膳に便利なんでしょうね。
食事処の前には冷蔵庫があり、お酒などを注文した際はそこから出して持ってきてくださいました。
東多賀の湯のドリンクメニュー
東多賀の湯のドリンクメニューはこちら。
ビールは瓶ビールと缶ビール、そして地ビールもあります。
地ビールはこちら。
オニコウベスキー場にある醸造所で作られている「鳴子の風」が3種類。
なかなかおいしいので、鳴子温泉に泊まったときは、どれかしらを飲んでいる気がします。
夕食:栗ご飯のおいしさに感動!
夕食は18時からとのことだったのですが、ちょっと遅めの時間にランチをいただいたので、18時30分からでお願いしてしまいました。
時間になったので食事処に行くと「こちらへどうぞ」と案内されたのは、なんと個室でした。
基本的には、東多賀の湯さんの夕食は個室食というわけではなく、食事処でということになっているのですが、この日は私だけ遅めの時間でお願いしたからか、女1人だから気遣ってくれたのか、たまたまかわかりませんが、1人でテレビを見ながら悠々と、夕食をいただいてしまいました・笑
最初に並べられていた御膳はこちら。
色とりどりでおいしそうです!
お酒は、地ビールの「鳴子の風邪」の「高原ラガー」にしました。
実は「ゆきむすび」をお願いしたのですが、たまたま売り切れだったので「高原ラガー」に。
でも、高原ラガーは一番、普通のビールっぽいすっきりとした味わいのビールで、料理も選ばないしおいしかったですよ。ゆきむすびは、お米を使ったビールなのでちょっと日本酒っぽい甘みがあるのですよね。
では、いただきまーす!
お刺身は、鮪と海老と、ハマチかな?
山の中のお宿ではありますが、お刺身もわりとおいしかったです。
ポテトサラダが、手作り感あっておいしい。
煮しめ。
胡麻和え。
鮎の塩焼き。
鮎は、はらわたまでいただけるからつまみに良いですね~。
そろそろ日本酒が飲みたくなってきましたね……。
日本酒は何がありますか?と聞くと、いくつか地酒と、どぶろくがありますよと聞き。
どぶろくにしてみました。
地ビールの鳴子の風と同じ、鳴子温泉ブルワリーで作っているんですね!
とろりと濃厚ですが、味は意外とクセがなくて飲みやすいお酒でした。
天ぷらは、後から揚げたてを持ってきていただきました。
塩でいただきます。
天ぷらって、普段家ではなかなか揚げないし、天ぷらやさんに行く機会もめったにないから、たまに食べると「本当においしいなあ」と思ってしまいます。
最後に、豚肉の陶板焼き。
甘辛い味付けがしてあり、野菜と一緒においしくいただきました。豚肉は、牛肉と違って長めに火にかけても固くならないからいいですね。
そろそろ食事も終わりかな……というとことで、持ってきていただいたのがこちら!
栗ご飯です!栗がたっぷり!そして胡麻もたっぷり・笑
そう言えば、チェックインのときに受付で栗を売っているのが見えたんですよね。裏の山?で取ってきたものだとか。
茄子のぬか漬けも、茸と麩の入ったお吸い物もおいしい。
大満足で夕食を終えました。ごちそうさまでした!
朝食:白米のおいしさが際立つ朝ご飯
朝食は食事処でいただきました。
色合いもよくて食欲が湧いてきますね~。
納豆にも胡麻がたっぷりかかっている!胡麻がお好きなんですねきっと・笑
私も、自宅では納豆によく胡麻をかけるんですが、宿でこういう風に出てきたのは初めてかもしれない……。でも、納豆に胡麻、おいしいですよね。
きんぴら、しそ巻き、らっきょう、梅干し、焼き魚、ごま豆腐。
梅干しが酸っぱくておいしかったです。
ちなみに、東多賀の湯では「ゆきむすび」という品種のお米を使っているそうなんですが、もっちりした食感でおいしかったですよ。
ヨーグルトと温泉玉子。
温泉玉子はご飯にかけていただきました。
ポットの中にはサービスのコーヒーが入っているので、好きなだけ飲めます。
おいしいコーヒーでした。ごちそうさまでした!
【再訪したい度】★★★★★ ようやく泊まれてうれしかった!食事もお湯も居心地も良く満足
何度も日帰りでお邪魔して「いつか泊まってみたい」と思っていた東多賀の湯さんに、ようやく泊まれました!お湯の素晴らしさはいつも通りですが、食事も期待以上においしく、部屋も居心地良くて大満足の宿泊でした。
東多賀の湯さんは休前日以外なら1人泊でもネット予約できるのですが、基本的には週末は1人泊のプランは出ていないことが多いのです。しかし今回、3連休の2日目に1人泊のプランが直前に出ていたので、思わず予約してしまいました。
なかなか平日休みを取ってくることが難しいのですが、きっといつかまた泊まりに来たいし、鳴子に来たら必ず日帰りで寄りたい宿だなと、改めて思いました。
そんなことを思いつつ、ポチに挨拶して東多賀の湯を後にします。
また来るね。元気でね。