温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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八甲田ホテル 宿泊記 夕食は絶品フレンチ!自家源泉の極上湯に浸かれる山のリゾートホテルに一人泊

滞在中は酸ヶ湯温泉にもいつでも入浴可能な酸ヶ湯温泉の姉妹館

青森県の十和田八幡平国立公園内、八甲田山の登山口にほど近いブナの原生林の中に建つ八甲田ホテル。
自家源泉かけ流しの大浴場を持つ、ログハウス風建築のリゾートホテルです。

車で2~3分の場所にある千人風呂で有名な「酸ヶ湯温泉」は、実は八甲田ホテルと同経営の姉妹館です。そのため、滞在中は酸ヶ湯温泉でも入浴が可能となり、フロントが開いている時間内であればいつでも酸ヶ湯まで送迎していただけます。

酸ヶ湯温泉のお湯は何度でも入りたいすばらしいお湯だけど、もう何度も泊まっているし……ということで、2022年はこの八甲田ホテルを「青森県で泊まりたい宿」に選んでいました。

先日、初めての宿泊が叶いましたので、レポートしたいと思います。

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一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

青森駅から酸ヶ湯温泉と共同運行の無料送迎バスで宿に直行

八甲田ホテルは酸ヶ湯温泉旅館と同経営の宿で、位置的にも酸ヶ湯温泉から車で3分ほど、すぐご近所にあります。

そのため、青森駅前を毎日10時15分/14時に出発する、酸ヶ湯温泉の送迎バスに、八甲田ホテルの宿泊客も乗車できます。乗車には前日までの予約が必要です。

ちなみに、酸ヶ湯温泉に宿泊する際は送迎バスの予約は2日前までとなっており、なぜか八甲田ホテルのほうが直前まで予約できます。八甲田ホテルのほうが客室数が少ないからですかね……。

新青森駅・青森駅からJRバスで酸ヶ湯温泉で下車し、酸ヶ湯から送迎利用も可能

送迎バスを利用しない場合、酸ヶ湯温泉までは青森駅・新青森駅からJRバスの運行もあります。ただし、コロナ禍以降運行本数が減り、2022年現在は1日2本、午前中出発のみという不便なダイヤになってしまいましたが……。

酸ヶ湯温泉でJRバスを降り、八甲田ホテルに連絡すれば車で迎えに来てもらえるそうです。また、酸ヶ湯温泉から八甲田ホテルまでは徒歩でも15分ぐらいのようですから、天気が良ければ散歩がてら歩いていくのもいいでしょうね。

酸ヶ湯温泉に泊まった際の宿泊レポートはこちらに公開しています。

今回は、青森駅前を14時に出る送迎バスに乗って八甲田ホテルへ。
乗客の7割ほどが酸ヶ湯温泉で下車し、八甲田ホテルで下りたのは3組でしたが、私のほかにもうお一方、女性の1人客がいました。

ログハウス造りで、いくつかの棟に分かれているようですね。
青森駅前では晴れていたのに、酸ヶ湯温泉の手前ぐらいから濃い霧に包まれ、時折小雨が降る天気となってしまいました。まあ、天気予報どおりなのですが。

正面玄関前には大きなランプのようなライトがうっすら赤く灯っていました。赤い光が揺らいでランプっぽく見せているけれど、これはライトですよね……?

フロントでチェックイン手続きを行い、夕食・朝食の時間帯を決めてから部屋に案内していただきます。

ロビーにはキャンドル型のシャンデリアが灯され、いい雰囲気でした。

【部屋】★★★★☆ 雰囲気ある館内&部屋も広々快適でルームキーがかわいい

八甲田ホテルは「特別室(スイート)」「メゾネット」「ツインルーム」の3種類の部屋がある、全55室の宿です。最もリーズナブルな「ツインルーム」で予約していました。

フロントやロビーのある棟が「本棟」で、客室棟はA~Eまでの5棟に分かれています。今回宿泊するのはC棟1階のお部屋。

本棟とC棟をつなぐ廊下を渡り、部屋に向かいます。ちなみに、フロントやロビーのあるこの階は2階になり、泊まる部屋はもう1つ下の階です。

自動販売機はエレベーター橫にある

渡り廊下の突き当たりにエレベーターがあり、こちらを利用して1階に下りるようスタッフの方に案内いただきました。

後から付けたのかな?という雰囲気の、ものすごくコンパクトなエレベーターです。たしか「3人以内で利用してください」と書いてあったのですが、狭いからなのかスタッフの方は、私だけをエレベーターに乗せてご自身は階段で1階に下りられてました。

ちなみに、このエレベーターの左側の影に自動販売機がありました。

「お酒コーナー」と書かれており、ビールや酎ハイ中心のラインナップです。お酒はロビー横のショップでも販売していますが、深夜に飲みたくなったときはこちらを利用できます。
また、後ほどお風呂のところでご紹介しますが、ソフトドリンクの自動販売機は大浴場の手前に設置してありました。

自動販売機の横に階段があり、エレベーターを使わずにこちらを下りてもOK。
雰囲気ある階段なので、狭いエレベーターより階段のほうが気分が出るかもしれません。

こちらがC棟1階です。淡いブルーグリーンのじゅうたんがきれいですね。

宿泊したのはこちらのお部屋。スタッフの方が最初は一緒にお部屋に入り、浴衣のある場所などを教えてくださいました。

ツインベッドルーム。ライティングデスクの他にチェア2脚とテーブルもあって、ゆったりとした広さですね。

ベッドサイドテーブルはコンセント付きで便利。

テレビはライティングデスクの端のほうに。
テレビとベッドの間にやや広めの空間があるので、ベッドでごろごろしながらテレビ、はちょっと難しいかも。(そんなにテレビ見ないけれど……)

テレビの下にある扉付きの棚に、冷蔵庫が収納されていました。場所がわかりにくいので「冷蔵庫はこちらにあります」と、案内してくださったスタッフの方が教えてくださいました。冷蔵庫の中には八甲田のおいしい水が冷えています。

鍵は「この鍵でちゃんとかけられるの?」と思ってしまったアンティークな鍵。ちゃんとかけられました。

エアコンと伝統のリモコンがテーブルの隅にまとめられていました。感染症対策でビニールに包まれています。

実は、酸ヶ湯温泉はエアコンがないので、夜は良くても夏の日中はどうしても暑いのがなあ……と思っていたのですが、八甲田ホテルにはエアコンがあります! ああ快適……。

高地なので窓を開ければ涼しいのですが、私、めちゃくちゃ虫に刺されやすいのであまり窓を開けたくないんですよね……。登山のときは虫除けスプレーを使いますが、あれはあまり肌や健康にいいものではないので、常用はしたくないのです。

ライティングデスクの下の棚には、お茶セットとグラスが。

コーヒー用の紙コップと「八甲田スペシャルセレクト珈琲」のドリップパックも置いてありました。このコーヒーは、売店で販売もされていました。

湯沸かしポットがあるので、いつでも熱いコーヒーを淹れられるのはありがたいですね。

掃き出し窓からベランダに出ることができたので、覗いてみると……。

1階なので、手すりを乗り越えるとすぐ道路です・笑
眺望はない&隣の部屋のベランダとつながっている(仕切りの板はあるけど下が大きく開いている)ので、ベランダでコーヒーを飲んで楽しむ……みたいな感じではないですね。

部屋に戻って、水回りのコーナーへ。洗面所・トイレが一緒になっているタイプです。

水道の蛇口も格好いい。

アメニティも、歯ブラシ、カミソリ、綿棒・コットンからシェービングジェルまできっちり揃っています。

ヘアバンドもありました。

お部屋のドライヤーは業務用のタイプです。

そしてお風呂場。茶色いタイル張りでなんだか懐かしい雰囲気ですが……カランとシャワーが「これ本当に使えるの?」と驚くアンティークなデザインでした。温泉大浴場に夜通し入れるので部屋のお風呂は使いませんでしたが、シャワーもカランもちゃんと現役で使えるもののようです。

大浴場は浴衣とスリッパでOK、本棟利用時と酸ヶ湯へ行く際は洋服と靴を着用

クローゼットを開けると、バスローブと浴衣の上に着る羽織。

使い捨てのスリッパと、浴室に行く際に使うカゴバッグが。

浴衣は、ライティングデスクの下の引き出しに入っていました。足袋ソックスもついていました。

こういう「温泉付きのホテル」って「浴衣スリッパは室内でのみ着用」のホテルルールが適用か、「浴室はもちろん、広間での食事のときも浴衣でOK」な温泉宿ルールのどちらが適用されるのか?悩ましいですよね。

八甲田ホテルは「フロント・ロビーのある本棟」に足を踏み入れるときは浴衣・スリッパNGというルールです。これについては、部屋に案内いただく際に説明いただいた他、客室内にも詳しい説明が書かれた紙が置いてありました。

浴衣OKなのは、客室内と客室のある棟の廊下、温泉浴室と浴室の目の前にある和食時処「寒水」です。つまり「客室からお風呂に行くとき」と「夕食で和食を選んでいて、食事に行くとき」は浴衣スリッパでOKです。

浴衣NGなのは「本棟」に足を踏み入れるときです。つまり、売店、フロント、ロビー、ラウンジなどを利用するとき。それから夕食や朝食でレストランを利用するときや、フロントを通らなければ外に出られないので「酸ヶ湯温泉のお風呂に入りに行くとき」も浴衣ではダメ。着替えてから伺うことになります。

売店に行くにも着替えなければならないところは少々面倒ではありますが、お風呂に行くときは浴衣OKだったのでホッとしました。

ショップではお酒やオリジナル商品を販売中

さて、1階ロビーの端のほうにある売店です。

ジャムやマーマレードなど、ホテルオリジナルのお土産品も販売しています。

風鈴や、津軽びいどろを使用したグラスなどの食器類。

酸ヶ湯温泉オリジナルの石けんや、客室にも置いてあったホテルオリジナルコーヒーのドリップパックも。

地酒やシードル、りんごジュースや地ビールの販売も。

シードルがスイートとドライで2種類あるのもいいですね。

自動販売機にはないお酒もたくさん取り扱っていますので、夜にお酒を飲む予定があるなら、あらかじめ売店で購入しておいたほうが良さそうです。

【風呂】★★★★★ 夜通し利用可能な自家源泉の大浴場と、酸ヶ湯温泉にも入浴可能

浴室は、本棟正面のD棟の1階にあります。

D棟に向かう際は本棟を通らずともたどり着けるので、浴衣着用・スリッパ履きで大浴場に行くことができます。

「寒水(お食事会場)」と書かれた階段を下ります。

階段に敷かれているカーペットも、模様入りでかわいい。

階段を下りて1階に来ました。貴重品ロッカーがあるので、入浴中はルームキーを預けることができて便利。

1階の奥。正面に、夕食に和食を選んだ方の食事会場「寒水」があり、その右手に大浴場が。

また、この階にソフトドリンクの自動販売機も設置してあります。

市価より2割ほど高いホテル館内価格ですが、深夜に突然コーラが飲みたくなっても安心です。

男女別の大浴場は自家源泉かけ流しでサウナもあり

大浴場は左が女湯で右が男湯。男女の浴室の入れ替えはありません。

脱衣所へ。左手にタオルやアメニティが置かれた棚が、正面奥に脱衣カゴが置いてあります。

脱衣カゴは、混雑防止のために数を減らしてありました。浴室を利用できる人数の上限は8名です。

バスタオルとタオルは、脱衣所に十分な数が用意されており、部屋からタオルを持ってくる必要はありません。

また、引き出しの中にはシャワーキャップ、歯ブラシ、ヘアブラシが入っていました。

洗面台が3つ並んでおり、クレンジング・化粧水・乳液と、個別包装のウェットティッシュが置いてありました。

ドライヤーは高級宿の証(と私は思っている)Panasonicのナノイードライヤー。

洗面コーナーの奥にはウォータージャグと紙コップが設置されており、冷たい八甲田の伏流水を飲むことができます。

温泉分析書が掲示してありました。

八甲田ホテルは酸ヶ湯温泉と同系列で距離も近いですが、「荒川温泉」という異なる源泉で泉質も違うお湯です。

八甲田ホテルの源泉は「酸性・含鉄ーアルミニウムー塩化物・硫酸塩泉」です。ph1.2で、酸ヶ湯温泉以上の強酸性のお湯ですが、酸ヶ湯と違って硫黄成分を含みません。そのため硫化水素臭はなく、時間が経っても透明なままです。

では、浴室へ。

内湯のみですが、天井も高く、かなり広いです。青森ヒバ造りだそうで、浴室全体にほのかに木の良い香りが漂います。

シャワー付きの洗い場は6つありました。

アメニティはPOLAのアロマエッセと、ちょっといいホテルで見かける「PROVINSCIA」というシリーズ。シャンプー&コンディショナー、ボディシャンプーが設置してありました。

奥のほうにはサウナと水風呂がありました。温泉旅館のサウナ、コロナ禍以降休止しているところもけっこうありますが、八甲田ホテルのサウナは利用可能です!しかも「深夜帯は休止する」旨も特に掲示されていなかったのですが……ということは夜中でもサウナを利用できるのでしょうか……?

広い浴槽の正面には大きな窓がり、湯に浸かりながらブナ林を眺めることができます。

湯口から流れる透明な源泉を舐めてみると、レモン汁のような酸っぱさです!

これほど酸性度の高いお湯ですから、長湯したら肌がピリピリしてくるんじゃないか?と少しドキドキしていましたが、意外にも柔らかい肌当たりです。個人差はあると思いますが、私はけっこう長湯してしまいました。

そして……いつ浴室に行っても空いているのです。広々とした湯舟を常に独占状態で楽しめました。

客室数は55室とそこそこ多い宿なんですが「酸ヶ湯温泉のお風呂にもいつでも入りに行ける」という特典がありますので、とりあえず酸ヶ湯に行かれる方が多かったのかもしれないですね。

広々としていてアメニティ類もしっかり、混むこともなくすばらしいお湯を夜通し楽しめるということで、八甲田ホテルのお風呂、想像していた以上のすばらしさでした。

酸ヶ湯温泉にいつでも送迎OK、千人風呂の女性専用時間帯に入りに行ける

チェックイン時に「酸ヶ湯温泉のお風呂にもいつでも入れますし、送迎しますのでお申し付けくださいね」とお声がけいただきました。

酸ヶ湯温泉には「ヒバ千人風呂」なる広い混浴風呂と「玉の湯」なる男女別の内湯があり、いかにも温泉らしい、白く濁る硫黄泉を楽しむことができます。

  

ちなみに酸ヶ湯温泉までの送迎は、事前の予約などは特に必要なく「これから酸ヶ湯に行こう」と思ったタイミングでフロントに申し出ればOKだそうです。(ただし、送迎車が出払っている場合は少し待つこともあるそう)

酸ヶ湯温泉にも、これまで何度も泊まっていますのでこちらに宿泊レポートを公開しています。

混浴風呂は、女性にはややハードルが高いですが午前8~9時と午後8時~9時の間は女性専用時間になります。その時間に合わせて酸ヶ湯に送迎してもらえば、八甲田ホテルに泊まっていても、酸ヶ湯のヒバ千人風呂をのんびり楽しむことができます。

【食事】★★★★☆ 夕食のフレンチは雰囲気も味もすばらしい

八甲田ホテルでは夕食、朝食共に「洋食」と「和食」から選択できます。
ネット予約の場合、備考欄に洋食か和食かを記入しておくことになりますが、もしも記入し忘れた場合、自動的に朝夕共に「和食」となるそうです。

予約サイトのレビューで、この点に不満を訴えている方もいましたので、洋食を希望する場合は忘れずに記入する必要があります。

ちなみに、夕食で洋食を選んだ際は、1階フロントの奥にあるレストラン「MeDeau(メドー)」でいただきます。

私は、何しろフレンチが好きですので……この選択肢なら夕食は迷わずフレンチです!

夕食の開始時間は、最も早くて17時30分から、最終19時30分ぐらいまで30分刻みで選べたと思いますが、私は19時からでお願いしました。

20時~21時の、酸ヶ湯温泉の女性専用時間帯にヒバ千人風呂に入りに行くつもりなら、早めの時間に食べ始めたほうがいいでしょうね。

レストラン「MeDeau(メドー)」のドリンクメニュー

レストランMeDeauで、夕食時にいただけるドリンクメニューをご紹介します。

生ビールはアサヒの「ペールエール」なる限定樽生ビール。田酒など秋田の地酒や梅酒、ソフトドリンクには青森産のりんごやカシスのジュースも。

食前酒にはシャンパーニュ(グラスもあり)、シードル、ハイボール、シェリー、マデラ酒など。シャンパンベースのオリジナルカクテルも気になりますね……。

グラスワインは白3種に赤3種、ノンアルコールロゼもあり。

その他に、おすすめのボトルワインの紹介も。

ワインをボトルでオーダーする際は別途ボトルワインのメニューがあるとのことですが、1人ですし、ボトルをオーダーする予定はなかったので確認はしていません。

レストラン「MeDeau(メドー)」でいただくフレンチフルコースの夕食

夕食をいただいたレストランメドーでは、八甲田ホテルのこだわりのログハウス建築を、食事を味わいながらじっくり楽しむことができます。

シャンデリアも、ここにしかないオリジナルのシャンデリアだそうです。明るすぎず暗すぎず、絶妙なライティングが美しい……。

ちなみに、案内いただいた席は壁際ではなく、やや中央よりの席でした。

1人なので、できれば壁際のほうが人目につかなくてうれしかったけれど、夕食時間を少し遅めにしてしまったせいかもしれません。おそらく、開始時刻が早い方から窓側の席に座るのではないかな……と。もし「端の方の席を希望」などあれば(聞いてもらえるかはわかりませんが)予約時に伝えておくのも手かもしれませんね。

テーブルセッティング。

フルコースのカトラリーが並んでいる姿を見ると、興奮しますね。

本日のメニューがナプキンの上に置いてありました。

実は今回「もう2度と泊まることはないかもしれないし……」と思って、グレードアップコースで予約していました!
何度でも泊まりに来たいリーズナブルな宿だと「とりあえずスタンダードなプランでお手並み拝見」と思うのですが、めったに泊まれない宿だと「悔いを残したくない!」」と思ってしまってつい、グレードアップしがちな私です。

食前酒は、気になっていたオリジナルシャンパーニュカクテル「キール八甲田」を。

穏やかな泡のシャンパンと山葡萄原液を合わせたもの。
おそらく、余計な糖分などは加えていないのでしょう。ぶどうの爽やかな香りは感じられるけれど甘さは控えめで飲みやすいカクテルでした。

前菜一品目、マグロのタルタル。

うずらの卵が半熟卵が添えられており、卵の中身をかけて食べるのだそう。

マグロの上にのっているのはキャビアです。青森のまぐろ、とてもおいしい。

前菜2品目。「下北半島風間浦産生ウニ野菜ジュレ掛け」

下北半島の生ウニがたっぷり!実はウニ、そこまで好きじゃないんですけど……おいしいウニはおいしい。

ここで白ワインをグラスでいただきます。

「レゼルヴ シャルドネ」ホテルオリジナルのハウスワインだそうです。フレッシュな果実感の強い白ワイン。

ここで焼きたてのパンが提供されました。大きめの気泡が入ったバゲットで、皮はパリパリ、中はしっとり。

前菜3品目。「鴨肝フォンダンとさくらんぼのガトー仕立て」

なんだかデザートのような見た目ですが、ワインのジュレとフランボワーズソースが添えられた鴨の肝のテリーヌに、アメリカンチェリーが載っています。それをレーズン入りのバゲットにのせていただくという。これが濃厚で非情においしかった!白ワイン頼んだばかりだったんですけど、これは赤ワインだったかもしれません……。

次に提供されたスープは「サンジェルマン クリームチーズのイルフロント」

「サンジェルマン」とはグリーンピースを使ったポタージュなんだそう。キャビアとクリームチーズが載っており、溶かしながらいただきます。

次は魚介……ということで「深浦町沖合"久六島"アワビのグリル 香草バター焼き」

アワビのグリルはもちろんですが、アワビの肝と香草バターの味付けでいただく野菜がおいしい!

次は肉料理……ということで赤ワインを。

実は別の赤ワインをお願いしようとしたのですが「次の肉料理にはこちらのワインのほうが合いますが、いかがですか?」とおすすめされ「セグラ2014」を。
この日グラスで提供されていた赤ワインの中では最も重厚感のあるフルボディのワイン。私は赤ワインを飲み慣れていないので、もっと軽めのもののほうが飲みやすいかなと思ったのですが、おすすめいただいたこちらのワイン、フレッシュなぶどうの香りも感じられて飲みやすく、それでいて深みのある味でおいしかったです。

そして肉料理は「倉石牛フィレ肉のグリル サマートリュフ添え」

フィレ肉のグリル、焼き加減が絶妙でした!(ちなみに焼き加減は席に着いたときに好みを聞かれたけどお任せでお願いした)

デザートは「トロピカルフルーツのナージュ」

ナージュはフランス語で「泳ぐ」という意味だそうで、スープの中にフルーツやジェラートなどが浮かんだデザートです。飾られているのはドライフルーツで、見た目にも美しいですね。

最後に、ホテルオリジナルのコーヒーをいただいて、ごちそうさまでした。

和食と洋食を選べる朝食は洋食を選択

翌日の朝食は7時からでお願いしました。
7時以降15分刻みで時間帯を予約できます。予約時に洋食と和食を選べるので、私は洋食を選びました。

ちなみに、お2人で泊まられて1人は和食、もう1人は洋食にすることも可能だそうです。

場所は、夕食をいただいたのと同じ「レストランメドー」で。

朝になるとまた雰囲気が変わりますね。
天井の細工や磨き上げられた床の美しさは、朝のほうがはっきりとわかるような気がしました。

私は洋朝食を選択しましたが、和朝食のメニューも席に置いてありました。

和食は、野菜の炊き合わせや長芋とろろ、自家製のぬか漬けがおいしそう。焼き魚は鮭と鯖から選べるようです。
それと、予約サイトのレビューで「和食には林檎ジュースがついていなくて残念」と書かれているのを目にしたんですが、リクエストに応えてか現在は和食でも林檎ジュースがつくようですね。

さて、洋朝食です。

噂の完熟林檎ジュースから。完熟なだけあってか、オレンジ色に近い濁りのあるジュースです。

ちなみに、朝食は窓側の席に用意していただいたので、やはり早めの時間帯を指定したほうが窓側の席になりやすいんでしょうね。

朝食の料理が揃いました。

野菜スープと野菜サラダ。

サラダの野菜も新鮮で、ドレッシングもおいしい。

卵料理は選択できるわけではなく、決まったもの。
公式サイトの写真ではオムレツが紹介されていましたが、この日はスクランブルエッグでした。

パンは焼きたてで提供いただきました。お代わりもできるようです。
バターと、ホテルオリジナルの林檎ジャムとグレープフルーツマーマレードが。どちらも甘さ控えめでおいしい。

フルーツはスイカ。プレーンヨーグルトには余ったジャムを入れていただきました。

最後にコーヒーをいただいて、ごちそうさまでした。

本音を言うと、夕食のすばらしさと比較すると朝食は普通だったかもしれません。和食で魚の種類が選べるように、洋食でも卵の調理法をリクエストできたりすると、満足度が上がったかもしれないですね。

夕食が★5つ、朝食が★4つで、食事の評価が★4つ半となりました。

バーラウンジ「PLATTO(プラット)」は雰囲気抜群

最後に、本棟にあるバーラウンジ「PLATTO」についてご紹介したいと思います。

13時から17時まで(16時半ラストオーダー)はカフェタイム、20時から22時まではバータイムで営業しています。

カフェタイムは自家製ガトーとソフトドリンクのセットを

この日は昼食を食べていなかったので、小腹が空いてチェックイン早々、カフェタイムにお邪魔しました。

広々として雰囲気が良いですね……。
「お好きなお席にお座りください」と案内していただきました。

こちらがカフェタイムのメニュー。

コーヒー、紅茶、ハーブティのほか、生ビール、各種ジュース類。
そして「自家製ガトー(焼き菓子)とソフトドリンクのセット)が気になります。

スチューベンジュースなる、数量限定の葡萄ジュースが一押しのようです。
そして、季節のオリジナルカクテルも気になりますね……。

あちらがバーカウンター。

やっぱり、天井のライトも、卓上のスタンドライトも素敵ですね。
「自家製ガトーは何ですか?」と聞いてみたところ「自家製松の実のタルト」とのことで「これは珍しい!」と思い、オーダーしました。

焼き菓子のお味はまあ普通でしたが、コーヒーはおいしいし、雰囲気が抜群に良いので、夕食後に元気があったら来てみたいなと思いつつ、部屋に戻りました。

バータイムはオリジナルカクテルを

そして、夕食で飲み過ぎてしまうことなく、バータイムにも来店できました。

同じ席に座らせてもらいましたが、やはり、夜もいいです。
そして、昼も夜も私1人……うれしいけど、とても素敵なラウンジなので独り占めはちょっともったいないかも。

メニューも豊富です。

ブランデー、シェリー、ウィスキー、バーボン。

私は、洋酒系はまったく飲まないので価値がわからなくて申し訳ないですが……ウィスキーの飲みくらべセットなどもあり、好きな方なら楽しめそうです。

青森県は日本一のカシス(黒すぐり)の生産量を誇るそうで、青森のカシスを使ったカクテルが数種類。ノンアルコールカクテルもあります。

定番のカクテルも、ショートカクテル、ロングカクテル共にいろいろと。

一口燻製チーズや枝付き干しぶどうなどのおつまみ、それから昼に来たときもメニューがあった、30周年の季節のオリジナルカクテル。

夕食でワインもいただいたので、1杯だけだな……と思い、選んだのは30周年記念カクテル「ブルーリブ」

辛口のシャンパンとオレンジリキュールで作られた、爽やかなカクテル。
度数13度だそうですが、甘さ控えめでスイスイ飲めてしまう、危険なカクテルでした・笑

夕方に来たときにきれいなライトだなと思っていた赤のテーブルライト。
夜になるといっそう、雰囲気が出ますね。

ゆっくりとカクテルをいただいて、ラウンジを後にします。

バーラウンジ「PLATTO(プラット)」の入口近くには、大きな暖炉がありました。
夏ですので火は点いていませんでしたが……冬に来れば、暖炉の光を眺めながらお酒を楽しめるのでしょうか……?気になりますね。

【再訪したい度】★★★★★ 冬に2泊して、中日に八甲田山でスノーシューをしたい!

八甲田ホテル、いつか泊まりたい宿でしたが「晴れたら八甲田山に登りたいので滞在が慌ただしくなってしまう!」というジレンマもあり、それで今回、あえて梅雨時に予約した次第です。

梅雨時なら天気が悪くて登れない可能性が高いですし、万が一晴れたら「貴重な梅雨の晴れ間」ということで、少し早めにチェックアウトすることになっても後悔しないだろう、と。
結果、2日間とも時折雨がぱらつくぐずついたお天気で、初めての八甲田ホテル滞在をのんびりと過ごすことができました。

リーズナブルな宿ではありませんし「最初で最後かも」と思って食事をグレードアップして臨んだのですが、鮑やキャビア、トリュフなど高級食材が使われていて楽しめたけど、普通のコースで十分そうだな、とも。
そして和食も気になる……けど、フレンチもおいしかったし……で、次に泊まるとしたら「真冬に2泊して、真ん中の日が晴れたら八甲田ロープウェイを使ってスノーシューをしたい!」という野望を持っています。宿泊すると好きなタイミングで八甲田ロープウェイまで送迎していただけるそうなので。天気が悪ければ部屋でだらだら過ごしても楽しそうですしね。

いつになるかわかりませんが……冬のほうがお客さんは少ないでしょうし、いつかきっと。絶対再訪したいと思える宿が、また一つ増えました。

この日は、チェックアウト後に酸ヶ湯温泉に送っていただき、14時発の送迎バスで青森駅に戻りました。

【1人旅に優しい度】60点:ダイニングで1人フレンチを楽しめる人なら幸せになれる宿

泊まりやすさ 15/20
年末年始などの特定日以外は、土曜日でも1人泊可能。宿泊料金は2人で泊まるときの1人分の料金より、1人泊の場合スタンダードなツインルームで数千円アップする。

食事場所の配慮 5/20
朝食はあまり目立たない席だったが、夕食時はダイニングのやや中央よりの席だった。
和食の食事処にはカウンター席があるようなので、ダイニングで1人フレンチに抵抗がある方は和食のほうが人目を気にせず食事できそう。

プランの選択肢 20/20 
1名で宿泊しても2名以上で宿泊してもプランの選択肢は同じ。1人でもスイートルームに土曜日でも宿泊可能。

ドリンクオーダー  10/20
夕食でフレンチを選んだ場合はグラスワインが6種類あるので、ワインが飲めれば十分楽しめる。ワインがあまり飲めない場合は1人で楽しむ選択肢はやや少なめ。

フリーWi-Fi完備 10/20
客室内でWi-Fi利用可能。普通に使えるけどたまに不安定になる。回線速度はネット閲覧は可能だけれど動画を見るのはちょっと厳しい感じ。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。う