温泉も山も好きなので、八甲田山に登るなら酸ヶ湯温泉に泊まりたい
八甲田山の山腹にある温泉宿「酸ヶ湯温泉旅館」は、すぐ側に八甲田山の登山口があり、春から秋にかけては常に登山者で賑わいます。
豪雪地帯なので冬季登山は私にはとても無理ですが、雪のない季節は登山道もよく整備されていて登りやすく、絶景が楽しめるすばらしい山です。
八甲田山は日帰りでも十分登れる山ですが、首都圏から出発する場合はどこかに宿を取る必要があります。登っている間の荷物も預けられますし、それならば酸ヶ湯温泉がベストでしょう!ということで、これまで八甲田山登山と絡めて何度も宿泊しています。
有名な混浴風呂「ヒバ千人風呂」に女1人で入浴しても大丈夫なのか?など、気になる方も多いのではないかと思いますので、諸々レポートしたいと思います。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。
- 温泉も山も好きなので、八甲田山に登るなら酸ヶ湯温泉に泊まりたい
JRバスの運行が減ってつらいけど、青森駅から無料送迎バス(要予約)を利用可能
公共交通機関利用の場合、酸ヶ湯温泉までは、JRの路線バス「みずうみ号」に乗るか、酸ヶ湯温泉の無料送迎バスを利用します。
ただ、コロナ禍以前はJRバスもそこそこの本数運行していたのですが、コロナ禍以降減便しており、2022年7月現在は往復2本になってめちゃくちゃ不便になってしまいました。正直けっこう困っています。
青森駅を出発する酸ヶ湯温泉方面のバスの最終の出発時刻が、午前10時50分なんですよ……。酸ヶ湯温泉は送迎バスがあるからまだいいですけど、蔦温泉や谷地温泉など他の宿に泊まるときは路線バスを利用するしかないので、早く着きすぎてしまいますよね。
酸ヶ湯温泉に泊まる場合は、青森駅出発・到着の送迎バスを利用できます。送迎バスは、予約時に備考欄などに乗車予定時刻を書いておくか、宿泊の2日前までに電話などで予約をしておくことで乗車可能です。
新幹線を新青森駅で下車し、JR奥羽本線に1駅だけ乗って、青森駅へ。
駅前から見える青森ベイブリッジ、格好いいですね。
酸ヶ湯温泉の送迎バスは10時15分と14時に、青森駅前の「セブンイレブン青森新町1丁目店」の前を出発します。
私は、13時前ぐらいに青森駅に着いておき、駅近くにあるお気に入りの喫茶店「シュトラウス」でケーキとコーヒーなどいただいてから14時発のバスに乗ることが多いです。
14時10分前にセブンイレブンに向かうと、送迎バスがもう着いていました。コンビニで買い物してからバスに乗れるので便利ですね。
予約した名前を告げてバスに乗り、約1時間ほどの乗車で酸ヶ湯温泉へ。
チェックイン可能時刻が15時からなので、着いたらすぐにチェックインできます。送迎バスの到着時刻が夕方だったりすると「もっと早くチェックインしたいのに」と思ってしまうので、これはありがたいです。
フロントでチェックインを済ませ、部屋に案内していただきます。
【部屋】★★★★ Wi-Fi利用可能で清潔感あり、どの部屋もエアコンはなし
酸ヶ湯温泉はいくつもの棟に分かれており、室内の設備や雰囲気もそれぞれ異なります。
全館共通してWi-Fiは利用可能ですが、回線速度はあまり速くはないと感じました。それから、すべての棟で個室に冷房は完備されておらず、扇風機が置いてあります。
直近5年間ほどで「旅館イ棟」「旅館一号館」「湯治棟3号館」に宿泊しましたので、それぞれご紹介したいと思います。
旅館イ棟1階6畳の昔ながらの和室で夕食は部屋食
旅館イ棟には2021年の8月に宿泊しました。男女別の内湯「玉の湯」の女湯がある棟です。
旅館イ棟は
・部屋食対応なので会場食に抵抗がある
・昔ながらの雰囲気の部屋に泊まりたい
・洗面所とトイレが共同でも気にならない
・湯沸かし機能付きのポットと冷蔵庫がなくても気にならない
方におすすめです。
玉の湯に向かう途中にあります。
1人で泊まれるお部屋は1階の6畳間。
畳は新しくきれいですし、清潔感があります。建物は古いと思いますが、古びた感じはありません。
広縁にはじゅうたんが敷かれ、暖房器具が設置してあって冬でも暖かそうです。
冷水の入ったポットとコップが置いてありました。ちなみに旅館イ棟の客室には冷蔵庫はありません。
テレビはちょっとコンパクトですが、部屋も広くはないので困るほどではありません。
エアコンがないので扇風機が置いてあります。禁煙室というわけではないので灰皿も。特に煙草臭さなどは感じませんでした。
鏡台の前には、ビニールに包まれたプラスチックのコップが2つ置いてありました。
旅館イ棟の部屋には洗面所がないので、共同の洗面所にこのコップを持っていって使います。
お茶菓子は生姜まんじゅう。


感染症対策のため、テレビのリモコンはビニールに包んでありました。写真に写っていませんが、ポットは電動の湯沸かしタイプではなかったのは少し残念。
浴衣と帯、バスタオルとフェイスタオル、歯ブラシとヘアブラシ。


すべて2名分置いてありました。サービスで置いているわけではないだろうと思いましたので、1セットしか使いませんでした。
洗面所は、玉の湯の前にあるこちらで。
トイレも、玉の湯の左手にある共同トイレを利用します。


ウォッシュレット付きで清潔なトイレでした。
客室内にトイレ・洗面・冷蔵庫がないのは少し不便ですが、旅館イ棟はお部屋で夕食をいただけるのです!
後ほどご紹介しますが、旅館イ棟と1号館以外に泊まる場合、夕食は会場食となります。衝立などもない広い会場ですので1人での夕食の難易度はそこそこ高いと思います。部屋食にこだわる方は旅館イ棟を選んだほうがいいでしょう。
また、旅館棟なので、布団は夕食後に係の方が敷いてくださいます。
2019年7月に改築したばかり!旅館1号館のトイレ洗面付きの洋室
2020年の夏には、2019年に改築したばかりの旅館1号館の洋室のお部屋に宿泊しました。
1号館は
・値段が高くても新しくてきれいな部屋に泊まりたい
・ワーケーションできるライティングデスクがあるとうれしい
・洗面所とトイレは絶対室内にあってほしい
方におすすめの部屋です。
私が泊まった2020年当時は1号館に泊まった場合は広間での食事でしたが、現在は1号館に泊まる場合は「個室食事処での食事で、料理内容もグレードアップ」したプランとなっています。そのため、料金も私が泊まったときよりも上がっていました。
「1号館はワンランク上のサービスを楽しめる部屋」なんだという位置づけを、より明確にしたんでしょうね。これはこれでとても良いと思います。
旅館1号館はフロントの奥を左に曲がったところ、日帰り入浴の方も利用できるサロンや手もみ処、「玉の湯」の男湯などがある棟の2階です。
玉の湯の男湯やサロンがある棟から、まだ新しい階段を上っていきます。
階段には「ここから先は1号館に宿泊の方のみ通行可能」な旨の貼り紙がありました。
1号館の廊下は、真新しくてピカピカですね。
それぞれの部屋には野鳥の名前がついており、ドアにはその野鳥を形取ったステンドグラスが飾られています。
中に入ると板の間があり、クローゼットと冷蔵庫が置いてあります。右手が寝室で左手に進むと洗面所とトイレがあります。
客室内は琉球畳の敷かれた和ベッドルームです。ベッドの寝心地も良好でした。


ベッドサイドには内線電話と金庫。
窓際にはタオルハンガーとミニテーブル、椅子2脚。
そしてライティングデスクがあります!
温泉宿の洋室って、意外とPC作業ができるデスクがなかったりするので、個人的にはこれはとてもありがたい。
テーブルの上には冷水の入ったポットと、お茶うけの生姜まんじゅうが2つ置いてありました。


急須類はなく、緑茶のティーパックと湯呑み、コーヒーカップがすべて2つずつ。


コーヒーカップがなぜあるかと言うと、こちらの部屋いはカプセルタイプのコーヒーマシンが設置してあるのでした。
ありがたく1杯いただいたけれど、そんなに好みの味ではなかったので、あとは普通に湯沸かしポットでお湯を湧かして持参したドリップパックでコーヒーを淹れて飲んでました。
旅館イ棟の部屋には湯沸かし機能のついたポットはなかったので、個人的にはこれもありがたかったですね。


板の間のスペースにあった冷蔵庫の中は空ですが、グラスが冷やしてありました。


クローゼットの中にはバスタオルとタオル、アメニティ類のセットが。
アメニティ類はヘアゴムやカミソリ、綿棒なども入ったゴージャス版です。


洗面所・トイレも新しくきれい。
トイレはウォッシュレット付きなのはもちろん、冬季用のパネルヒーターまでついていました。
ベッドルームなので布団敷きのためにスタッフが部屋に入ることもないですし、設備も十分整っていて文句ない部屋だと思います。
2017年に宿泊した湯治棟3号館はトイレ・洗面付き
最後に、2017年に宿泊した湯治棟3号館をご紹介したいと思います。
湯治棟3号館は
・自分で布団敷きするも別に嫌じゃない
・仕切りのない広間や食堂での食事をいただくのも気にならない
・トイレと洗面所は絶対室内にほしい
方におすすめです。
トイレ洗面付きで部屋も新しく、浴衣やタオル、歯ブラシもついているのであまり湯治棟っぽくないなと思うのですが、布団敷きは自分で行います。
こちらも、最近改築された建物でお部屋も廊下も新しいです。


ドアを開けるとすぐに6畳間の和室になるところは、湯治棟っぽいかもしれませんね。
窓の近くに、洗濯物を干すためのロープを出せるようになっていました。
コンパクトな6畳間で、端のほうに布団が畳んで置いてあります。敷き布団にシーツがかかった状態で畳んであるので、広げればいいだけで楽でした。
テレビや内線電話、冷蔵庫、金庫など設備はきちんと揃っています。


冷蔵庫は、湯治棟ということで自炊する場合を考慮してか大きめですね。
湯治棟ですがトイレ洗面付きですし、新しくて使いやすいです。
浴衣、タオル、歯ブラシもちゃんと設置してあります。
お茶セットとポット、湯治棟に泊まる場合のお茶うけは「山塩ようかん」です。


ポットは魔法瓶タイプですが……湯治棟なので共同のキッチンが利用可能です。
ガスコンロの利用料金は不要なので、熱いお湯が欲しくなったらこちらでお湯を湧かしてポットに注ぎ足せばOK。
電子レンジもあります。


冷たい水が張ってある「冷し槽」なるものもありました。各部屋に冷蔵庫もあるのに何をここで冷やすのか……用途が謎ですが、昔ながらの湯治場の雰囲気は感じられました。
自動販売機は1号館1階に
館内で飲み物を買いたい場合は、1号館1階、玉の湯(男湯)の向かいあたりに自動販売機があります。


料金は市価より2割ほど高めに設定されていました。
この他に、午前7時から午後8時まで1階の売店が営業しており、お土産品のほか、地ビールや地酒なども購入可能です。
【風呂】★★★★☆ 宿泊すれば混浴露天風呂も女性専用時間帯にゆっくり入れる
酸ヶ湯温泉では、酸性度が高い硫黄泉の源泉を、混浴の「ヒバ千人風呂」と、男女別の内湯「玉の湯」で楽しむことができます。何度も泊まっていますが「名湯」と言うにふさわしい、すばらしいお湯だと思います。
ただ、有名な「ヒバ千人風呂」は混浴ということもあり、女性の方はどんな感じなのか不安に思われる方も多いと思います。
個人的な経験談ではありますが「酸ヶ湯温泉に泊まって、嫌な思いをせずに温泉を楽しむ方法」として、私が気をつけていることなどを書いてみたいと思います。
酸ヶ湯温泉の日帰り入浴時間・料金と各浴室の清掃時間
酸ヶ湯温泉では日中の比較的長い時間帯に日帰り入浴を受け入れています。
入浴料金は大人1000円、小学生500円です。
1000円支払えばヒバ千人風呂と玉の湯、どちらも利用してOKです。
日帰り入浴できる時間帯は
・混浴のヒバ千人風呂が7時~16時受付終了、17時閉館
・男女別の玉の湯が9時~16時受付終了、17時閉館
で、かなり長めです。
また、清掃時間は玉の湯が深夜1時から3時。
ヒバ千人風呂が早朝の4時30分~5時、とされていますが、実はこれはちょっと流動的なように思います。宿泊した際に「早朝なら入っている人が少ないのでは?」と思って、午前4時に見に行ったんです。そうしたら脱衣所の前に既に「清掃中」の札がかかっていたことがありまして……がんばって早起きしたのでしょんぼりしてしまいました。
宿泊客は、清掃時間帯を覗いて、滞在中いつでも2つの浴室を利用可能です。
ただし、ヒバ千人風呂は「午前8時~午前9時」までと「午後8時~午後9時」までの時間は女性専用時間帯となります。
混浴露天風呂は湯浴み着OK。売店でも販売している
ヒバ千人風呂は湯浴み着の着用OKとなり、現在も売店で1200円で販売しています。


私も以前、売店でこの湯浴み着を購入して、混浴時間帯に入ってみたこともあるのですが……最近は女性専用時間帯にしか入っていません。理由はこの後書きますが……。
なお、この湯浴み着はネットでも販売している定番のやつで、口コミでは「縫い方が雑」などさんざんなことが書かれていたりしますが、人に見せるものでもないので個人的には気にならず、他の混浴風呂に入るときにはいつも使っています。
ちょっと丈が短めなので、身長165cm以上の方は気になるかもしれません。
混浴の「ヒバ千人風呂」は女性1人で入っても大丈夫?
ヒバ千人風呂は、正面玄関から入ってまっすぐ進んでくると右手にあります。
脱衣所は男女で分かれており、左手に男性の脱衣所、右手に女性の脱衣所があります。
ヒバ千人風呂の前には無料で利用できる貴重品ロッカーのほか、有料ですが大型のコインロッカーも設置されています。大きいロッカーも200円で、大きめのザックなども入る大きさなのでありがたいですね。
ヒバ千人風呂は写真撮影禁止ですが、青森県提供の動画素材で雰囲気を知ることができます。
大きな2つの浴槽があり、それぞれの浴槽に異なる源泉が注がれています。手前が「熱の湯」で、奥が「四分六分の湯」です。
映像が暗めでわかりづらいのですが、浴槽は真ん中あたりに「男 | 女」と書かれた境界があり、ここを境に向かって右側が女性のスペース、左側が男性のスペースとなっています。また、四分六分の湯は女性側のスペースに衝立があり、衝立のかげに隠れれば男性の目を気にせずに入浴することができます。
ここまでしっかり分けている混浴風呂はあまりないので「これなら大丈夫でしょう」と思い、入浴客が少ない午前0時ごろに湯浴み着を着て入ってみました。すると、男性の入浴客もまばらで女性は私以外に1人。特に何事もなく湯浴みを楽しむことができました。
これなら大丈夫そうだなと思い、次に泊まったときはチェックインしてすぐの時間帯にヒバ千人風呂に行ってみました。玉の湯が登山客で混雑していたので、とりあえず湯浴み着を着てヒバ千人風呂に入っておこうかなと思ったのです。
時刻は午後3時半。まだ日帰り入浴客が大勢おり、女性の方もいましたが皆、四分六分の湯の衝立のかげに固まっていました。
湯浴み着も着ているのだし、狭いところで固まって入るのもなあと思い、もう1つの浴槽「熱の湯」のほうに入ってみました。私が衝立の影から出てきた瞬間に、視線がかなり集まったように感じたのですが、まあ仕方ないか。でも、他の混浴風呂だとあまり女性を直視しないようにする方のほうが圧倒的に多いですけどね……。
で、熱の湯の浴槽の端っこで浸かってからわずか30秒後。1人の男性が男女の境界線のギリギリのところまでやってきて、身を乗り出すようにしながら「どこから来たの?」「泊まりなの?日帰り?」などとしきりに話しかけてきたのです。
うわあ気持ち悪い。
そうか、男女の境界線があるなんてすごいちゃんとしてるな……と思ったけど、そうじゃないんだ。
もし境界線がなかったらきっとあの人は、もっとずかずかと近くまで寄ってきたのではないでしょうか。境界線がないとダメなんですね……。
この出来事以来、私の中でヒバ千人風呂は
・日帰り入浴客がいる時間帯は湯浴み着を着ても入らない
・宿泊客しか入れない時間帯なら、混雑していなければ入れないこともない
という基準で入るようにしていましたが「湯浴み着を持ってきたのに結局女性専用時間帯しか入らなかったなあ」ということがあったりで、湯浴み着を毎回持ってくるのが面倒になり、最近は女性専用時間帯しか入っていません。
衝立のかげにいれば安心では……と思いつつも「衝立の中を覗こうとする男性がいた」という話も聞くので、ちょっとこわいなという気持ちが、未だ拭えずです。
ちなみに私は「湯浴着着用OK」な混浴であれば、それほど抵抗なく入れる人で、これまでも川古温泉や藤七温泉、大丸温泉などの混浴風呂についてはブログにもレポートしています。
でも、ここはちょっとダメでした。もちろん平気な人もいると思いますが、個人の感想です。
女性専用時間帯は、午前・午後共に8時から9時まで。
夜は宿泊客しかいませんし、午前8時から日帰り入浴に来る方も少ないので、宿泊すれば女性専用時間帯にゆっくりとヒバ千人風呂を楽しむことができます。
男女別の内湯「玉の湯」はヒバ造りでシャワーもあり
女性専用の内湯「玉の湯」は、旅館イ棟1階の1番奥にあります。
のれんをくぐったところでスリッパを脱ぎます。ここに無料で利用できる貴重品ロッカーも設置してありました。
2020年以降は、脱衣所の棚の半分は利用不可となっています。


化粧水などのアメニティはありませんが、箱ティッシュと綿棒、消毒用のアルコールスプレーはあり。ドライヤーは4台設置されています。


浴室内にはシャワー付きの洗い場が10ほどあり、湯量も問題なし。DHCのシャンプー&コンディショナーとボディシャンプーが設置してあります。
玉の湯は浴槽・壁面などヒバ造りで、源泉の硫化水素臭にほんのりと爽やかな木の香りが混じります。
玉の湯で使用している源泉は、千人風呂の「四分六分の湯」と同じ源泉だそうです。
女性専用時間帯以外はいつも混雑していますが、玉の湯は深夜1時~3時が清掃時間なので、その直後であればのんびり浸かることができます。
【食事】★★★★☆ 夜は和会席膳で量もしっかりあり、別注メニューも魅力的
酸ヶ湯温泉の夕食は、主に旅館棟に宿泊した際に提供される「和会席膳」と、湯治棟に宿泊した際に提供される「和定食」の夕食があります。また、2022年現在は旅館1号館に宿泊した場合は個室食事処での食事となり、内容もグレードアップした「御鷹ご膳」となるようです。
また朝食は「バイキング」の場合と「定食」の場合があります。
酸ヶ湯温泉のドリンクメニュー
夕食時にオーダー可能なドリンクメニューをご紹介します。
掲載しているのは2021年夏に宿泊した際のメニューです。
ビールは地ビールの酸ヶ湯ビールと、キリンラガーとスーパードライの中瓶。
前年の2020年に宿泊した際はスーパードライの生ビールもあったのですが……2021年は部屋食だったからでしょうか。生ビールありませんでした。


酎ハイ、焼酎、ウィスキーなど一通り揃っています。ワインは十和田ワインの赤もありますが、ボトルのみ。グラスワインはなく、少量でいただけるのはメルシャンのエブリィ、180mlの小瓶です。シードルも2種類あり。
また、ソフトドリンクはりんごジュースとウーロン茶のみでやや少なめ。あとはノンアルコールビールか。
地酒は、田酒や豊盃をはじめ、青森の地酒が並びます。


飲み比べセットが2種類あるのもうれしいですね。


料理の内容から言っても、ここはやはり日本酒でしょうかね……。
酸ヶ湯温泉の別注料理メニュー
通常の料理メニューに追加できる別注メニューもあり、これがなかなか品数豊富で魅力的です。
以下に掲載したのは2021年に宿泊したときにお部屋に置いてあったメニューですが、2020年に広間食だったときも、食事時には同様のメニューがテーブルに置かれていました。
晩酌セット1500円という「地酒1合におつまみ2品で1500円という、何とも素敵なセット!


私なら「蟹みそ豆腐」と「いくら」かな……。小鉢は330円で単品注文も可能だそうです。他にもフキノトウ味噌、根曲り竹の味噌漬け、イカソーメンなど夏限定のおつまみメニューも用意されていました。
単品料理として「きりたんぽ鍋」や八戸名物「せんべい汁」、地鶏のシャモロックを使った「酸ヶ湯鍋」などの鍋料理。


「帆立貝焼味噌」「シャモロック串焼き」「黒枝豆」「帆立酒盗」などなど、青森県産の食材を使ったおつまみが目白押しでかなり気になりました。
山の芋料理も。からあげおいしそうです……。
お腹に余裕があれば注文したい!と思いつつ、和会席膳がしっかりボリュームあるので、まだ別注料理を注文したことはありません。
別注料理が充実しているので、湯治部屋に湯治食(定食)で泊まって、足りなそうなら別注料理を注文するというのもありかもしれないですね。
2021年8月、旅館イ棟に宿泊時の夕食は部屋食で
2021年8月は、部屋食対応の旅館イ棟への宿泊だったので、お部屋でのんびりといただきました。
お品書きはこちら。
部屋食でも広間食でも、酸ヶ湯温泉の食事は基本的には一気出しです。揚げ物がないからそんなには気になりませんが。
別注メニューはたしか19時30分がラストオーダーだったと思うので、並んだ料理を見て「いける!」と思ったらオーダーしましょう。(私はそれで1度もオーダーできてないです……)
お酒はやっぱり!地酒飲み比べセット。「八仙、豊盃、田酒」の3種です。
前菜3種。左から「陸奥湾産 帆立貝柱蒸し」「焼き茄子利休寄せ」「鰻白醤油焼き」
青森の帆立はうまいし、焼き茄子は夏らしさ抜群で、鰻うれしい!日本酒に合います。
お刺身は「海峡サーモン」と「イカ」です。海峡サーモンは津軽海峡で養殖されたサーモンとのこと。そして青森のイカはもちろんうまい。
洋皿の「湾内産タコのカルパッチョ」と、先付けの「岩もずく」
山の中の宿ですが、青森の海の幸をめいっぱいいただけて幸せです。
焼き魚は山の宿らしく岩魚の塩焼き。
お凌ぎ。とろろのかかった冷たいお蕎麦。これはあまり時間をおくと伸びてしまうので、早めにいただきます。
鍋物は牛すき焼き。
量もしっかりあって、おいしくいただきました。そろそろお酒もなくなったし、ご飯がほしいかな。
ご飯はお櫃に、お味噌汁は鍋に入っていて、好きなタイミングでカセットコンロで温めていただきます。至れり尽くせりでうれしいですね。
ご飯は漬けものと一緒に軽めに一膳いただきます。
デザートはりんごゼリーとトマトのコンポート。夏らしいさっぱりとした手作りデザートをいただいて、ごちそうさまでした!
2020年9月、旅館1合館宿泊時の夕食は大広間でいただいた
2020年9月に宿泊した際は、夕食は大広間でいただきました。内容は2021年と同じ「和会席膳」です。
広間は畳の上にテーブルと椅子のスタイルで、かなり広いです。


席と席の間の間隔は十分空いていますが、特に衝立などはなく、また1人だから端のほうの席に通す……というようなこともないので、会場食に慣れていない方には難易度が高めかなと思います。私はまあ、飲んでしまえば平気です。
8月は「夏のお品書き」でしたが、9月からは「秋のお品書き」ですね。
このときは、飲みくらべセットが1種類あったのでこちらをオーダー。
「亀吉、八甲田おろし、田酒」という、2021年にいただいたのとは別の組み合わせで3種いただきました。
料理は会場食のときも基本的に一気出しですが、ご飯とお味噌汁については料理が終わった後か、先にご飯をいただきたいときは声をかけたタイミングで、デザートは最後に運んでくださいます。
では、いただきます!
先付けは「茸おろし菊花和え」
前菜は「坊ちゃんかぼちゃ豆腐」「細竹味噌漬け」「秋刀魚青葉巻き」


小鉢は「日本海産イカつみれ揚げあんかけ」です。秋刀魚や菊花など、秋らしい食材が入ってきましたね。
お刺身は「陸奥湾産海峡サーモン」「鮪」「帆立昆布締め」
青森は鮪も帆立もおいしいですね……。
鍋物は焼肉で。
焼肉プレートの上で葱や舞茸、茗荷などと一緒に焼いていただきます。肉もしっかり量があり、肉の脂を吸った舞茸もおいしかったです。
焼き物は「秋鮭の塩麹焼き」
岩魚より食べやすいし、こちらのほうが好きかも……。日本酒にも合います。
最後にご飯と味噌汁と漬けものをいただき、デザートはりんごです。
デザートは、2021年のほうが手がかかっていたけれど、青森ですから、秋は生のりんごが正かもしれないですね。
2017年8月、湯治棟に宿泊時の夕食は食堂でいただいた
2017年に湯治棟3号館に宿泊した際は、畳敷きの広場ではなく、朝食をいただく食堂で夕食をいただきました。
そのときはこんな感じで……1人客が4組、囲炉裏を囲んで座る形での夕食でした。
みんな1人なので気にならないと言えばそうなのですけど、距離が近いのであまり居心地は良くなかったですね……。料理の内容は和会席膳で予約していたので、品数・量・味共に満足のいくものでした。
このときは湯治棟での宿泊だったので、それでこういう配置での夕食だったのか……?と考え、それ以来旅館棟で予約するようになってしまった私です。
しかし、コロナ禍を経たことで、おそらくこういった相席っぽい座席配置は、おそらくなくなっただろうと思います。
2021年宿泊時の朝食バイキング
酸ヶ湯温泉の朝食は、どの棟に泊まったとしても内容・場所共に同じです。
6時45分から8時30分までの間の好きなタイミングで、食堂でいただきます。
2020年には朝食バイキングを休止してすべて定食形式にしていたようですが、2021年にはバイキング形式に戻っていました。
バイキング台を利用する際は手袋とマスクを着用します。
席は自由なので、空いている席を取ってからバイキング台へ向かいます。
窓際のテーブルが人気ですね。
この日はこんな感じでよそってみました。
湯豆腐と温泉卵はやはりはずせない……。
あとはサラダと卵焼き、ロールキャベツ、りんごとりんごジュースなど。
最後にヨーグルトとコーヒーをいただきました。
ちなみに、パンとトースターの用意もあるのですが、料理がほぼ和惣菜なので、ご飯のほうが合うと思います。
2020年の朝食は感染症対策で定食形式でした
2020年宿泊時は、定食形式での提供でした。
特に予約の必要はなく、席に着くとまもなく運んできてくれます。
なんというか、自分で盛り付けたときよりきれいに盛ってありますね……。
料理の内容はバイキングのときとほぼ同じなのですが「ビーフシチュー」や「イクラ」などは、これまで泊まった際の朝食バイキングに出たのは見たことがなかったので、正直「バイキングよりこっちのほうがいいな」と思ってしまいました。
後から熱々で出してくれたビーフシチュー、大変おいしかったのです。もしかして、定食形式のほうがコストがかからないから、ちょっと凝ったものを出せたりするのでしょうか。
好き嫌いが多い方、好きなものだけたくさん食べたい方などはバイキングのほうがいいと思いますが、自分で取り分けると時間もかかってしまうので、チェックアウト後に登山を予定しているときなんかは定食形式がありがたいですね。
宿泊客が少ない日だと定食形式になったりするのかもしれませんが、平日も混んでいることの多い宿なので、今後もおそらく、バイキングでしょう。
チェックアウト後は荷物を預けて八甲田山登山
チェックアウト後に登山をしたい場合は、精算時に「荷物を預けたい」旨を申し出ると「あそこに置いておいて大丈夫ですよ」という場所を教えてもらえます。山小屋形式ですね。
ヒバ千人風呂の前にある貴重品ロッカーは無料で利用可能ですので、心配なものはそこに預けておく、または有料のコインロッカーもあるのでそちらを利用することもできます。
周回ルートもありますが、少し時間がかかるので……バスの時間もありますし、仙人岱を通って大岳の山頂を踏み、来た道を戻るルートで歩きます。
8月中旬ともなると花の季節も終盤ですが、美しい蝶が飛び交っているのを眺めつつ歩いていきます。
山頂までは2時間ちょっとの道のりです。登山道や道標はよく整備されており、天気が良ければ迷うことはまずないでしょう。
八甲田大岳山頂に到着。一休みして元来た道を戻ります。
雲に向かって下っていくようで、いいですね。下山は1時間30分ほど。
休憩も入れて4時間ほどの道のりですので、特別に早出しなくても十分歩けるのがいいところ。
下山後は玉の湯で汗を流し、コーラをいただいて、お疲れさまでした。
帰りはJRバスで青森駅に戻ります。
JRバスの運行本数がもう少し増えてくれるとありがたいのですが……。とは言え、大好きな温泉で大好きな山、これからも何度でも伺いたいです。
【再訪したい度】★★★★☆ 湯は極上、部屋や食事は好みにあわせて多くの選択肢がある
ヒバ千人風呂についてはいろいろ書いてしまいましたが、混浴だからと言って入らないのはもったいない、本当にすばらしいお湯なのです。これからも宿泊して、女性専用時間に入りたいと思っています。
また、設備や食事、客室についてもしっかりと手を入れ、毎年のように何かしらの進化が見られる宿です。今回のレポートは2020年と2021年の宿泊時の記録をもとに書いていますが、1年経った今はまた、変わっているところもあると思います。
高級路線の部屋を作り、一方で昔ながらの部屋も残すなど、予算と好みに合わせてさまざまな使い方ができる宿です。私は専ら食事付きで泊まっていますが、自炊湯治も可能です。
次に伺うとしたら「湯治食のプランにしておつまみを追加注文」あるいは「個室食事処利用のプラン」など、まだ経験したことのないプランがいいな、と考えています。宿泊した後はきっと、この記事に追記するでしょう。
【1人旅に優しい度】70点:1人で泊まっても部屋・食事の選択肢が多く、土曜日も1人泊可能
泊まりやすさ 15/20
基本的には休前日もすべての部屋に1人泊可能。年末年始などの繁忙期の対応は不明。
食事場所の配慮 10/20
プランによって部屋食や個室食の対応もあるが、広間や食堂でいただく際は衝立や目隠しはない。テーブルがたくさん並んでいる大広間の中央寄りの席になることもある。また、朝食はどのプランを選んだ場合も食堂でいただく。
プランの選択肢 20/20
1人で泊まっても2人以上で泊まっても、選べるプランの数は同じ。
じゃらんなどの旅行サイトからの予約よりも、公式サイトからの予約のほうがプランの選択肢が多い。
ドリンクオーダー 10/20
日本酒は1合でオーダー可能なものが6~7種あり、2021年宿泊時は3種飲みくらべセットも2種類あった。ビールやワイン、焼酎、ウィスキーもグラスオーダー可能だが、種類はそれほど多くはない。
フリーWi-Fi完備 15/20
客室内でWi-Fi利用可能。速度はたまに不安定になることがある。(部屋によるかも)
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。