温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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登山初心者に自信を持っておすすめしたい本10冊をまとめた

この春から登山を始めようと思っていたのに……という方、書を読み長い雨が止むのを待ちましょう!

9年前、2011年の4月に私は登山を始めました。
東日本大震災の1ヶ月ほど後のことです。「あんな時期によく、新しいことを始める気になったね」と言われたりしますが、震災で防災意識が高まり、非常用持ち出し袋をしっかり作っておこうと思ってアウトドアショップに足を運んだことが大きなきっかけとなったのです。そのときのことについては、こちらの記事にも書きました。

2011年の今頃はたしかに、例年に比べて特殊な雰囲気だったとは思いますが、とは言え春は「新しいことを始めたい」という気持ちになりやすい時期だと思うのです。きっと、2020年の今年も「春から登山を始めるぞ!」と意気込んでいた方もいたのではないでしょうか。

しかし、2020年の春もかなり特別な春となってしまいました。「春から登山を始めようと思っていたのにいきなり出鼻をくじかれた!」とお思いの方も多いのではないかと思います。

しかし、昔の人は言いました。「止まない雨はない」そして「山は逃げない」と。

いつか雲が切れて太陽が顔を出すその日のために、本を読んで登山についての知識を蓄え、イメージトレーニングしたり持ち物リストを作ってみたりしながら、いつでも登山を始められるように準備をしておくのが、この時期の過ごし方としてベストではないか?と思うのです。

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そのための手助けになる本を、さまざまなジャンルから10冊選びました。すべて私が購入して、読了済みの本です。始めたころは山に登る知り合いもいなかったのでとにかく本だけが頼りで、本当にいろいろ読みました。もともと本好きでもあるので、今も良さそうな本があると初心者向けであってもチェックしています。

なお、表題は10冊ですが「このジャンルについてより詳しく知りたい方はこちらの本もおすすめ」という風に、副読本的に何冊か併せて紹介していることもあります。ですが「1冊目としておすすめ」なのは、表題で紹介している本だという風にご理解いただけたらと思います。

全年齢向け!登山の基本をしっかり学べる「山歩きスタートブック

まずは1冊!基本をしっかり学べる教科書的な本を読むのがいいと思います。さまざまな本が出ていますが、情報量が多すぎず少なすぎず、情報の質もしっかりしていて、男性向けでも女性向けでもないユニセックスな本ということで「山歩きスタートブック」を選びました。

初心者向けの本ってなぜか「やや年配の方向け」か「若い女性向け(ランドネ系)」のどちらかに分かれがちなんですが、こちらの本は、お洒落ではないけれど若い方でも大人の方でも違和感なく読めるちょうどいい内容ではないかと思います。また、初版の発行も2016年ですので、内容も古くなく、電子書籍化もされています。

それにやはり、著者の名前が出ている本のほうが、雑誌の別冊ムックなどよりも信頼度があがるような気がしますね。

ちなみに、著者の西野淑子さんとは直接の面識があるわけではないのですが、西野さんの別の著書「もっと行きたい!東京近郊ゆる登山」の中には、たまたま私が小さく写り込んでいる、というかすかなご縁があったりします(顔は写ってません・笑)

「女子向けのルートガイドブック」という体の本ですが、これもとても楽しい本です。

第1章と第2章で、まずはプランニングを学べるという構成が素敵

「山歩きスタートブック」の話に戻ります。
最初の1章と2章で「プランニング」をしっかり学び、その後に装備であったり歩き方の基本を教えていくという構成です。写真が中心のムックのような本だと「登山初心者向け」と銘打っていてもいきなり装備の話や、素敵な山に出かける話から始まる本もよくあるのですが……個人的にはまず「山行計画・プランニング」から始まるのが初心者向けガイドのあるべき姿ではないかと思っています。*1

1章では、首都圏在住の方にとってはお馴染みの「高尾山」を例にとり、プランニングの基本を学びます。私自身、登山を始める前にスニーカーで高尾山に登ったら思った以上に楽しかった!という経験が登山を始めたきっかけの一つで、初心者の頃は高尾山とその周辺の山に繰り返し登っていました。おそらく首都圏の方で「これから登山を始めよう」と思っている方も「高尾山だけは登ったことがある」という方が多いのではないでしょうか。そういう意味でもとっつきやすく、理解が深まりやすそうでいいなと思います。

「高尾山なんて」と思う方も多いかもしれませんが、楽しみが多く、私も今も大好きな山です。ブログにもいくつも記事を載せています。

おすすめのルートについての記事↑

近隣の飲食店や温泉についての記事↑ です。少し情報が古くなっているところもあると思いますし、現在は休業中のお店も多いと思いますが……。

さて、そんな高尾山でプランニングの基本を学んだ後は「歩くことになれる」「ロープウェイで山頂駅から山歩き」「ひたすら森林に浸る」など、さまざまなテーマに沿ったプランニングの提案があります。それぞれのプランについての詳細は書かれていないので、別途ルートガイドなどを読む必要があると思いますが「登る山をこういう風に決めるんだな」という考え方を学ぶことができます。

プランの後は「装備」や「歩き方」についての解説が続き、最終章は「登山を楽しく続けるには」で終わるのですが、この「登山を楽しく続ける」ための項目の1つ目が「思い立ったら気軽に行ける『行きつけの山』を持つ!」なところも本当に共感できて、すばらしいなと思います。

これから登山を始めようという方にとって必要不可欠な情報がまとまっていますが、そのぶん「ルート」や「装備」については基本的な情報にとどまっています。この1冊だけでは物足りないと思われる方も多いでしょうし、この1冊だけ読んで山にでかけてはいけないとも思います。

特にルートについては、この後紹介するルートガイドブックなども併せて読んでいただき、登山地図も用意して「自分がこの山に登るとしたら何時にこの登山口について……」と、プランニングしながらエア登山を、まずは楽しんでみるのがおすすめです。

もう少し先を見越して学んでおきたいなら「ヤマケイ登山学校 登山入門

先にご紹介した「山歩きスタートブック」は、書名のとおり「山歩き」を始めるための教科書です。プランニングの例として「年に1度のアルプス登山!」の紹介もありますが「いつかは行きたい」という位置づけで、日帰りで歩ける「山歩き」にあえてしぼってあり、山小屋泊やテント泊については具体的には触れられていません。

しかし「これから登山を始めたい!」と思っている方の中には「上高地から見えた北アルプスに登りたい!」「山小屋やテントに泊まりたい!」と、高みを目指したい思いに溢れている方も多いのではないかと思います。そんな方におすすめの「山歩き」ではなく「登山」の教科書として良さそうだなと思ったのがこの「ヤマケイ登山学校 登山入門」です。

巻末の「登山用語集」が初心者にとってはとてもありがたい情報

「登山入門」もやはり「登山計画」から始まります。(やはり、入門書はこうでなくては!) 

そして「装備と準備」「山を歩く」と、「山歩きスタートブック」にも書いてあった内容が続いていきますが、エマージェンシー用品(いざというときに備えて持つ物)についての解説が詳しかったり、難所の歩き方については「岩場の下り」「鎖場、ハシゴ、トラバース」など種類別に詳細な解説があったりと、一歩進んだ内容になっています。

その後は「山で泊まる」と「さまざまなトラブル」についての章が続き、宿泊を伴う登山についての情報がしっかり載っていますので「山歩きスタートブック」の後に読む本としてちょうどいいなと思いました。

また、この本が「一歩進んだ入門書」としてすばらしいなと思ったポイントとして、巻末に「登山用語集、および索引」があるところが良いなと思いました。

登山関連書籍には、実は専門用語が多く、初心者の頃は「これってどういう意味?」と思うことも少なくありません。たとえば「コル」「キレット」「ザレ場」「シャリバテ(ハンガーノック)」「三点支持」など……聞いただけでは意味がわからない用語も多いです。

先にご紹介した「山歩きスタートブック」では、あえてそういった専門用語を使わずに易しい言葉で解説しているところも最初の1冊として良いなと想ったのですが、こちらの「登山入門」ではしっかり用語が解説されているので、これ以降に他の登山関連書籍を読むときもスムーズに読めるようになると思います。そういう意味でも「2冊目」に最適だなと思いました。

また「登山の専門用語・関連用語」について、イラスト入りで辞典形式でまとめたすばらしい本があります。

テキストで用語の解説を読んでもなかなか頭に入らないなあ、という方には特におすすめのイラスト付き辞典です。アイウエオ順で掲載されていますので、わからない用語があったときに簡単に調べることができるのはもちろん、読みものとして頭から読んでいくのも楽しい本です。

基本を学びつつ夢が無限大に広がっていく「トレッキング実践学

さまざまな登山雑誌・メディアで活躍されている山岳ライター高橋庄太郎さんの著書です。2010年に初版が発行された高橋庄太郎さんの初めての著書で、私は2011年に登山を始めてすぐの頃に紙の本を購入したのですけど、2018年に改訂版が出たのでそちらも、今度は電子書籍で買ってしまいました。中身がどのぐらい変わっているかはチェックせずに、単に電子でも欲しかったので改訂版のほうを買ったのですけど、かなり内容は変わっており、特にデザイン・写真はほとんどすべてが新しくなっていたので、両方買っても後悔なしでした。

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情報や山の常識も、8年経てばかなり変わりますので追加されている項目も多いです。たとえば、2010年にはスマートフォンはあまり一般的ではなく、山の中では携帯電話がつながらないことも多かったと思います。改定前の書籍では携帯電話を使っている写真はガラケーでした。
しかし、2018年はスマートフォンを持つことが当たり前となり、スマートフォンで利用できる便利なアプリやサービスもかなり増えました。そのため改訂版では「スマートフォンとアプリの活用(p.128~)」というページが追加されています。

格好よさと泥臭さとお洒落さ、夢と実用のバランスが絶妙!

高橋庄太郎さんの著書や、雑誌やメディアに掲載されている記事を読んでいつも思うのは「格好よさと泥臭さとお洒落さ」そして「夢と実用」のバランスが絶妙だな!ということです。

高橋庄太郎さんは宮城県のご出身なんですが、高校時代に山岳部に入ったことから登山を始めたそうです。大学時代は日本各地の山を登り、卒業後は集英社に入社してファッション誌の編集に携わる傍ら登山を続け、集英社を退社後にアウトドア・山岳ライターとして独立されました。

その経歴を聞いてなんだか納得したのですが、高橋庄太郎さんの山行レポートなどを読むと、テントを担いで一人歩く男臭いソロトレッキングなんですが、そこはかとなくお洒落感があるんですよね。そして何とも格好いい!

「山岳部×ファッション誌の編集」という経歴の成せる技なのか、単に高橋庄太郎さんのお人柄なのかわかりませんが、楽な山が好きなはずの女の私も「真似してみたい!」と思ってしまう格好良さなのです。これが、お洒落すぎると「チャラいなー」と鼻につくし、泥臭すぎると「別の世界の人だな」と感じてしまうので、本当に絶妙なバランスだなと思います。女の私ですらそう思うのですから、男性にとっては尚更ではないかと思うのですが、いかがでしょうか……?

余談ですが私は本当に楽な山が好きです……。

さて、本書の内容についてですが、先にご紹介した2冊の本と同様に「計画を立てる」ところから始まる登山の入門書です。しかし、高橋庄太郎さんと言えば「テント泊」です。先の2冊ではそこまでページを割かれていない「テント泊登山」ついて、しっかりとした解説があります。

11の章から成る本ですが、各章ごとに「アイディア集」なるミニコラムがあり、たとえば「『衣』のそろえ方」という章には「ウェアの感想が速くなる脱水方法」「フード付きウェアのコンパクトなたたみ方」などのTIPSが紹介されているのが良かったですね。

また、本書の何よりもすばらしい点は、入門書のはずなのに、読んでいて「こんな登山がしてみたい!」と思わせてくれることだと思います。入門書は実用的な知識はたくさん載っていても、読んでいて山に行きたい気持ちをかき立てられるようなことはあまりありません。教科書なのですからそれが当たり前で「読んでいて山に行きたくなる本」は普通は「ルートガイド」だったりするはずなんですけど、この本は基本に忠実な入門書だというのに、登山への夢や憧れがたくさん詰まっていて山に行きたい気持ちがかき立てられるのですよ……。

「トレッキング実践学」を読んで山に行きたい!気持ちが盛り上がってしまったら……とりあえず、高橋庄太郎さんの他の著書も読んでみるのが良いかもしれません。

全編北アルプスの本なので、けして入門書ではありませんが、ものすごい勢いで夢が膨らみます。

北アルプス入門の山として「燕岳」「蝶ヶ岳」「唐松岳」「爺ヶ岳」から始まり、「表銀座」「裏銀座」「常念山脈」「白馬三山」などの縦走ルート、「挑戦的長距離ルート」として「立山~薬師岳」「栂海新道」「読売新道」など、最後は「北アルプス南北全踏破」が紹介されています。全部で56ルートの大ボリュームです!

最終章は「北アルプス山岳道具学」で道具についてのこだわりを語り、「僕の個人的ベスト3」という好きなテント場の紹介が最終コラムとして載っているのも最高です。

2012年発行の本ということで、多少情報が古い部分もあると思いますし、電子書籍化もされていなくて本当に残念なのですが、こちらの本も改訂版出ないかなーと、ひそかに期待しています・笑

2014年発行のこちらのムックは、テーマも近く電子書籍化もされているのですが、単行本の濃密さとボリュームには叶いません。でもこちらも、妄想が捗る良いムックだと思います。

こんな私でも登山できるの?と思ったとき背中を押してくれる「悩んだときは山に行け! 女子のための登山入門

登山女子のバイブル的なコミックエッセイですが、男性にも自信を持っておすすめしたい本です。けして「女子のためだけ」の本ではありません。

イラストレーターやライターとして、登山雑誌などでお馴染みの鈴木みきさんが初めて出版された書籍です。私は鈴木みきさんの本はすべて持っている(はず)なのですが、やはり原点はこの本だなあと読み返して思いました。

東京生まれ東京育ちで特に運動が得意というわけでもなく、登山とまったく縁のない生活を送っていたみきさんが、どういうきっかけで山に惹かれるようになり、山小屋で働くようになったかという体験談を漫画で紹介しつつ、随所に「山の楽しさ」や「登山を始めるにあたっての役に立つ知識」がちりばめられています。

無理をしなくていい、高みを目指さなくていいんだと自然に思わせてくれる

鈴木みきさんの本すべてに共通することですが「(いろんな意味で)無理しなくていいんだよ」というメッセージが感じられるところがとても素敵だなと思います。

装備やウェアについても「最初から全部をしっかり揃えなくていい、まずはこれだけあればいい」と、最低限のラインを示し「その代わり登る山もできる限り楽をして、お散歩気分で歩けるところをまずは選ぼう。そして山で過ごす楽しさを味わってみよう」というような方向に導いていきます。

「女子のための登山入門」とあるけれど、むしろ男性におすすめしたいと思うのがまさにそのポイントなのです。女性はわりと身の丈を知っていて現実にシビアな人が多いと思うのです。私もそうでしたが、女性の場合は「こんな自分が山に登れるのかな?」と不安になって踏み込めない人のほうが多いのではないか?と思うので、そんなときはこの本が「そんなに難しく考えなくて大丈夫だよ」と諭してくれます。

対して男性のほうは初心者のうちから無理をしがちな人が多いです。高尾山の後にいきなり北アルプスに!とか、いきなりテント泊を!と考えてしまう方もけっこういらっしゃいますので、この本を読んで力の抜き方を覚えるといいのではないか?と思います。もちろん、力を抜く前に、先にご紹介した「登山の教科書」的な本を読んで基本的な知識を身につけた上での話ですが。

そして、役に立つ知識もたくさん詰まっている本です。特に、かつて山小屋で働いていた著者なので、山小屋についての記述は小屋番(山小屋のスタッフ)視点で描かれているのが新鮮でした。

山小屋泊」「テント泊」「ひとり登山」「酒と食の愉しみ」「富士山」など、この本以降に鈴木みきさんが書かれている本のテーマとなっている要素があちこちに入っているので、気になった方はそれぞれの本を読んでみることをおすすめします。特に「 ひとり登山へ、ようこそ!」はすばらしい本だと思います。

この記事でも「悩んだときは山に行け」と「ひとり登山へ、ようこそ」のどちらをメインで紹介すべきか迷ったのですが「初心者向けなのに一人登山のすすめ的な本を選ぶのはよくないな」と思ったので「悩んだときは山に行け」になりました。

初心者にひとり登山はおすすめはしませんが、どうしても一人で登りたい!と思う方はぜひ「ひとり登山へ、ようこそ」も読んでみてください。私の中でもバイブル的な本です。「悩んだときは山に行け」も「ひとり登山へ、ようこそ」も今だ電子書籍化されていないので電子でも出してほしいですね……。

モチベーションを上げてくれるコミックエッセイ「山登りはじめました

次もコミックエッセイで、鈴木ともこさんの単行本です。 

現時点で1巻と2巻が出版されており、1巻は登山を始めてから富士山に登るまで。

そして2巻では、山小屋泊で常念山脈を縦走したり、屋久島で宮之浦岳に登ったり、槍ヶ岳に登ったりします。

先にご紹介した鈴木みきさんのコミックエッセイと異なるのは「山登りはじめました」は「山行記」を中心としたコミックエッセイだということでしょうか。あとは、鈴木ともこさんは旦那さんを始めとしたさまざまな知人と一緒に登っていてちょっとリア充感があり、写真で紹介されている山グッズもかわいいものが多くておしゃれです。

鈴木みきさんの本が、下から「大丈夫だよ」と支えてくれるのに対して、鈴木ともこさんの本は「こんな登山してみたいなあ」という憧れを呼び起こし、上から引っ張り上げてくれる感じの本です。モチベーションを上げてくれます。私は鈴木ともこさんのこの本に影響されて、写真で紹介されている山道具もかなり同じものを買いましたし、山バッジも集めました。

鈴木ともこさんもみきさんもお二人とも、元々は運動嫌いの文化系の女子だったということも共通しており、名字も同じなので「どっちがどっちだっけ??」になりやすいかもしれませんね・笑*2

王道の名山に登り、素敵な山小屋に泊まっておいしいご飯を食べる山旅の紹介

「山登りはじめました」のすばらしいところはいろいろありますが、まず、山行記を紹介しているのがどれもすばらしく楽しい名山ばかり!というところでしょうか。1巻の最初の章が「高尾山を行きはリフト利用でもみじ台まで行き、帰りはビアマウントに寄った後ケーブルカーで」という、楽ちんかつ最高に楽しみの多いコースなのも本当に素敵です。

また、この本ではテント泊の山行はしていないため、宿泊を伴う登山は基本的に山小屋利用(屋久島ではガイドさんの用意したテント利用でしたが)なのですが、これがまた、どれもすばらしい山小屋ばかりなのです。ご飯もいつもおいしそうだし、本当に楽しそうです。私はこの2冊で紹介されているすべての山に登りましたが(富士山は違うルートでしたけど)どれも、きっとまた登りたいと思える名山でした。実際に、初めて登って以来、この本で紹介されている木曽駒ヶ岳や立山、八ヶ岳には毎年のように登ってきました。

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鈴木ともこさんが「初恋の山」と称している木曽駒ヶ岳、いつ行っても本当にすばらしい山です。

3巻、4巻と続いてほしかったですが、2011年3月に出た2巻以降の続編は出ていません。

実は、この「山と温泉のきろく」の「山旅カテゴリ」の記事は、この「山登りはじめました」のようなコンテンツを作りたいなと思って始めたものです。私は絵は描けないので文と写真での紹介になりますが、いい山を、そこまできつくない行程で、楽しく、おいしく歩いてそれを紹介したいな、と。

「山登りはじめました」を読んだときに覚えた感覚を、呼び起こさせるような記事を書けたらいいなといつも思っています。

意図したとおりになっているかはわかりませんが、きっと私のブログの山旅の記事を気に入ってくださっている方は「山登りはじめました」も気に入ることと思います。ぜひ、男性の方にも読んでいただきたいです。そしてこちらの2冊も、電子書籍化してほしい……。

情報量多く読み物としても楽しみつつ山道具に詳しくなれる「山道具 選び方、使い方

山道具についての本も何か紹介したい……と考えて、選んだ1冊はまたしても、高橋庄太郎さんの著書です。

2013年7月発行と、けして新しい本ではないのですが、330ページを超える大ボリュームで、内容に古さは感じられません。

ただ、よくよく読むと「ヘルメット」に関する記述がほとんどないというような部分は時の流れを感じさせますね。発売された2013年頃は、槍ヶ岳や穂高岳を登る際にヘルメットを被ることは、大キレットなどを除く一般ルートではあまり一般的ではありませんでしたから。

また、たとえば「ヘッドランプ」の項目に「充電式」のものは紹介されていませんが、最近はUSBで充電して使用するものもかなり普及してきたりと、最新の情報は掲載されていないという面はあります。そういった最新情報に興味があれば、雑誌などを読んで補足することになりますが、この本に書かれているのは普遍的な内容なので、ここに書いてある情報だけでも十分だとは思います。最新の技術を使ったアイテムは、実は使いにくかったり、しばらくして問題が見つかることもありますので、初心者のうちから使う必要はあまりないと思うからです。

具体的な商品名をあえて出さないことで情報が古くなるのを防いでいる

この単行本は「PEAKS」や「ランドネ」を発行しているエイ出版社から出ています。
エイ出版社では山道具を扱った記事は人気があるようで、PEAKSでも毎年「ギア特集」の号がありますし、山道具のムックもたくさん出ています。

これらのムックの中では当然のように、紹介している山道具の具体的な「メーカー名」や「商品名」が掲載されています。読んで「なるほど、これは良さそうだな」と思ったら商品名で検索して即ネット通販できてしまう手軽さがありますが、同じ商品が永遠に売られているわけではありません。終売やモデルチェンジで「本を見て欲しいと思ったのにもう売ってなかった」ということはかなりの確率で発生します。つまり、山道具の本は、掲載されている情報が古くなりやすいジャンルだと言えます。

しかし、この「山道具 選び方、使い方」は、「道具を選ぶときに気をつけるポイント」と「こういう道具を選ぶとこういう良さがあり、こういうネガティブポイントがある」ということは詳細に説明しているものの、具体的な商品名やメーカー名は一切掲載されていません。自分が持っている道具であれば、写真が載っていれば「同じものが掲載されている!」と商品名がわかることもありますが、これから登山を始めようという方にとっては写真を見ただけでは判別できないでしょう。

一見不親切なようにも見えますが、だからこそ情報が古くならないのだとも言えます。

本の中では「バックパック」に始まり「テント」「スリーピングバッグ」「スリーピングマット」「シングルバーナー」「トレッキングポール」「トレッキングブーツ」など、テント泊登山に必要な山道具一つ一つについて「種類」「選び方」「使用方法」などを詳細に解説しています。

恐らく、平時であればこの本を読み「ノンスティック加工された丸型のコッヘルが欲しいな」と思ったら、山道具屋に行って実際に手に取ってみたり、わからなければお店の方に「ノンスティック加工された丸型のコッヘルは何がありますか?」と聞いてみるのが良い使い方なのだと思います。掲載されている商品名をググって、いきなりネットで買うより失敗も減るし、お店の方にアドバイスが貰えることもありますから。今は気軽にアウトドアショップに出かけることが難しい時期ではありますが……知識を蓄えておくのは悪いことではないでしょう。

また、高橋庄太郎ファンとしては、そうは言っても高橋庄太郎さんが使っているのと同じものが欲しい!という思いもあるのではないでしょうか。そんなときはこちらのムックがおすすめです。

巻頭特集で高橋庄太郎さんのテント泊装備が、商品名付きでがっつり紹介されています。2017年のムックなので、現在も販売中のアイテムも多いです。

こちらの本はKindle Unlimitedでも読むことができます。

それから、本ではないですが高橋庄太郎さんは、ヤマケイオンラインで「山MONO語り」という、「毎月1点ずつ、最新の山道具を試してレポートする」記事を連載されています。

「最新アイテムを試す」というテーマの連載ですので、高橋庄太郎さんの愛用品というわけではありませんが、これはこれでとてもおもしろい連載だと思います。褒めるだけでなく、微妙なポイントについてもしっかり触れてくれるのがすばらしいなと。

また、道具のお手入れ方法まではこれまで紹介した本だけでは詳しくはわかりません。気になる場合は山と渓谷社の本がおすすめです。

この本もKindle Unlimitedで読むことができます。

山で泊まることの喜び・楽しみを教えてくれる「山でお泊まり手帳

高橋庄太郎さんの本を読んでいると「山で泊まるならテント泊だ!」という気分になる方が多いと思うのですが、テント泊でなくても山で泊まるのはとても楽しいことです。

特に、初心者からいきなりテント泊を目指すのはいろいろ危険ですので、個人的には「日帰り→山小屋泊→テント泊」 とステップアップしていくのがやはりいいのでは?と思っています。

そこでおすすめなのが、モデルの仲川希良さんによる「山小屋泊&テント泊のハウツー本」である「山でお泊まり手帳」です。

日帰り登山からのステップアップ方法に詳しく、山で泊まる楽しさが伝わってくる

ランドネなどで活躍するモデルの仲川希良さんの本なので、女性向けではあるのですが、男性に比べて体力面で劣ることの多い女性向に書いてあるので、登山を始めて間もない男性にとっても参考にしやすい内容だと思います。

実は、こちらの本は発売当初から気になっていて、以前ブログに書評を書きました。

内容についてはこちらの記事をお読みいただければと思うのですが、テント泊以外にもさまざまな「山でお泊まり」する方法が書かれており、特に「山小屋泊」と「テント泊」の間に「避難小屋泊」を挟むのは女子向けの本ではあまりないので斬新だなと思いました。ただ、女性一人の場合は避難小屋泊はテント泊よりもむしろ危険があるので一人ではけしておすすめできないですけどね……。女性一人の場合は、管理人がいる小屋に行きましょう!

そもそも料理が得意じゃなくても取っつきやすい山めし本「シーン別 山ごはんレシピBOOK

山めし本から何か1冊……と思って改めて読み返したところ、10冊ぐらいは読んだのですけど、初心者に1番良いのはこの本ではないかという結論に至りました。

別冊ランドネということで「シーン別」を謳っているのですけど、個人的にはこの「シーン別」は別にいらんです。シーン別って何かというと「ひとり山ごはん」か「ふたり山ごはん」かということなんですよ。目の付け所がランドネって感じよね……と思いますが、それ以外はこの本、初心者にとってはとても良いです。

「山で豪華なご飯」の例が「ホットサンド」と「鍋」なのが最高だと思う

この本のいいところは、まず、調理道具の説明がしっかりしていることです。しかも「バーナーはガスバーナーしか掲載されていない」ところが最高です。アルコールストーブとかガソリンストーブとか、初心者がいきなり手をだしたら危ないので個人的には掲載されてないほうがいいと思います。

それから「山ごはん、基本の『き』」として、山ご飯を作るときのルールがきちんと載っていることです。「周りに配慮して」とか「残り汁やお湯を捨てちゃダメ」とか「水場で洗い物NG」とか「ゴミはすべて持ち帰る」などの情報ですが、レシピ中心の本だとこのあたりの情報は抜けていることが多いので。

それから、レシピは簡単で特別な材料がいらないものがほとんどです。「クッカーひとつレシピ」としてそばやうどんやスパゲティ、ラーメンなどが掲載されているのも現実的だし、ドライフードについて書かれているページが多いのも良いです。まずはお湯を湧かしてドライフードを戻して食べるのでぜんぜんいいと思うんですよ!

後半は「ふたり山ごはん」ということで、食材や道具を少し多めに持っても大丈夫!という前提で、ちょっと贅沢なご飯を紹介していますが、「ふたり山ごはんねえ……」と話半分で読んだらこの章も意外によかったです。

豪華なレシピですが「ホットサンドメーカーを持っていっていろいろなホットサンドを作ろう!」というテーマと「鍋と〆レシピで大満足」というテーマに分かれており、案外現実的というか私の好きなジャンルです。変にいじくり回した料理するよりも、ガツンとホットサンドとかガツンと鍋のほうが失敗も少ないしおいしいと思うんですよね。私はほとんど1人ですし、重いのでめったにやらないですけどね……。

さらに終盤は「フライパンの上にアルミホイルを敷いていろんな食材を蒸し焼き!」だったり「山コーヒーの楽しみ方」だったり、「そもそも下界でも料理が得意というわけじゃない人でも楽しめる」内容になっているのが最高です。

一点気になったのは「シェラカップひとつレシピ」です。
「シェラカップにご飯とおかずを丼のようにつめてアルミホイルで蓋をして山に持っていき、そのままバーナーで温めて食べる」というものなんですが、アルミホイルをそんなに信用して大丈夫なのか?と心配になりました。ザックの中でぐちゃぐちゃになりそうでこわいです。
メスティンでやるなら有りだと思うんですが……なぜシェラカップにしちゃったのでしょうか……。

とは言え、欠点はそのぐらいじゃないかなと思える、初心者にぴったりの本です。作ってみたくなるし、道具が欲しくなります笑

まずは日帰り登山!のルートガイドを熟読したい「日帰り山あるきベスト130関東周辺

ルートガイドブックを何か1冊!ということで選びました。
いわゆる「アウトドア系の出版社」の本ではなく、JTBパブリッシングという「るるぶ」などを作っている会社のガイドブックですが、痒いところに手が届く感じの良いガイドだと思います。

ガイドも地図も詳しく、交通機関や駐車場情報もしっかりしている

「奥多摩」「中央線沿線」「丹沢」「富士・箱根・伊豆」「奥武蔵・秩父」などなど、エリア毎に関東で日帰り登山できる山を130通り紹介しています。

ガイドの最初に「標高・標高差(登り/下り)・総歩行時間・総歩行距離」が書かれ「初級」など難易度のランク分けもされているので、まずはどの山を登り、次はどの山を登ればいいかを判断しやすくなっています。

「電車・バス」での交通ガイドと「マイカー」でのガイドがあり、マイカーの場合は駐車場情報も書かれていました。ガイドも詳しく、地図にもしっかりとルートの特徴やコースタイムが掲載されています。

あまりにも地図がしっかりしているので、一見するとこの本に載っている地図だけで登山できてしまいそうに思えますが……実際に登山するときは、きちんとした登山地図を用意したほうが良いです。なぜなら、ガイドブック上の地図には「おすすめの1ルート」だけが書かれているため、うっかり道をはずれてしまったときなどに大変なことになるからです。

私は、山に行けないときはこういったルートガイドを読み、それから「山と高原地図」でその山の地図をダウンロードして「実際に歩くとしたらこの登山口に何時で着くから……」と、下山までの道のりをシミュレーションして楽しんだりします。

先にご紹介した「ベスト130関東周辺」は、文字通り関東の山のガイドですが、同じシリーズで「関西版」と「東海版」もありましたので、お近くの地域のものを選ばれると良いかと想います。

鮎美ちゃんと一緒に登山している気分を味わいつつ、想像力を養う「山と食欲と私

最後にご紹介するのは1冊ではなくシリーズですが、ご存じ、単独登山女子の鮎美ちゃんの漫画「山と食欲と私」です。

「遭難防止やエマージェンシー的な本」を紹介するか「登山がテーマの漫画」を紹介するかで迷ったのですが、実際に山に行けないのにエマージェンシーのことだけ学んでも気が滅入るだけだな……と思い「山に行きたい!」気持ちを穏やかにキープできる本として「山と食欲と私」を選びました。

まずは、無料掲載されている分からぜひ読んでみてください!

「山と食欲と私」はWeb漫画サイトの「くらげバンチ」で、1話と最新話を含む何話かを無料で読むことができます。

kuragebunch.com

もし、まだ読んだことがないという方はぜひ、読んでみてください!

最新話を常に無料で読めるので「単行本(あるいは電子書籍)を買う必要がないのでは?」と思うかもしれませんが、何か手元に置いておきたくなってしまう漫画で、私は全巻を電子書籍で購入しています。

「山と食欲と私」というタイトルからわかるように「山ごはん」が中心の漫画ではありますが、登山のシーンもきっちり描かれていますし、「登山を趣味としている主人公の日常」を描いた回もちょいちょいあるので、単なるグルメ漫画ではなく、主人公の鮎美ちゃんと一緒に登山しているような気持ちで読むことができます。日常パートでも登山中の場面でも、内面に共感できることも多いですね。(できないこともありますが)

漫画だから当たり前かもしれませんが、鮎美ちゃんの登山はなかなか波瀾万丈です。体調を崩したり、天気が急変したり忘れ物をしたり、素敵な出会いがあったり変な人との出会いがあったり。読んでいて「うわー!こういうことあったなあ」「こういう人いるわー」と感じることもかなりあります。

中には「さすがにこれは漫画でしょう」と思うエピソードもありますが、もしかしたら、まだ私が出会っていないだけで同じような体験をした人もいるのかもしれません。

登った山の名前は明確に出ていないことも多いですし、具体的なルートや道具などについての記述はないので、知識的な面で参考にすることはできませんが「こういうシチュエーションがもし自分におとずれたらどうするか」を考えるうえでは、貴重な教科書と言えるのではないか?と思います。

もちろん、読んでいてとてもおもしろい漫画です。新刊が出るのを楽しみにしています。

ちなみにですが、迷って今回の10冊には入れなかった「遭難防止やエマージェンシー的な本」は、Kindle Unlimitedでかなりたくさん読むことができますので、興味のある方はこちらの記事からお読みいただければと思います。

*1:地味な内容になりがちだから、若い読者向けの本では特に、あまり最初に持ってきたくないんだろうなとは思うのですが

*2:フカザワナオコさんとたかぎなおこさんのようだわ……といつも思います。