温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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湯田中渋温泉郷 安代温泉安代館宿泊記 山菜料理が最高においしい!また必ず春に泊まりたい極上湯の宿に一人泊

建物は古いけど、お湯と食事はすばらしくてまた泊まりたくなる宿

「安代温泉(あんだいおんせん)」と聞いてどこだかすぐにピンと来る方は、けっこう温泉好きな方なんではないかと思います。

安代温泉は、長野電鉄長野線の終着駅である湯田中駅周辺一帯に広がる「湯田中渋温泉郷」の中にある、2つの共同浴場と数軒の旅館からなる温泉地です。有名な「湯田中温泉」と「渋温泉」に挟まれた立地なので、存在を知らないまま通り過ぎていた、という方も多いかもしれません。

数年前に「湯田中温泉か渋温泉に泊まって志賀高原ビールでも飲みたいなあ」と思い宿を検索していたところ、まったくノーマークだったこちらの宿に空室があり、口コミを読むと食事とお湯がかなり高評価。気になって泊まってみたところ、食事もお湯も期待以上のすばらしさでした。

土曜日は基本的に1人で泊まれない宿ですし(予約が少ない日やキャンセルがあったときにスポット的にプランが出ることもある)建物は古く、館内は雑然としているところもあって万人受けする宿ではないと思います。

それでブログではご紹介していなかったのですが、先日土曜日に1人泊のプランが出ていたので3年ぶりに宿泊したところ、女将さんはじめ宿の方のサービスも温かく、やっぱり好きな宿だなあ……と感じたのでご紹介したいと思います。古い宿が苦手じゃない方にだけ、お読みいただけたらと思います。

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湯田中駅から徒歩20分、満開の桜を眺めつつ安代温泉へ

安代温泉の最寄り駅は、長野電鉄長野線の終点、湯田中駅です。
長野までは新幹線で、長野駅からは長野電鉄の特急に乗車します。

しなの鉄道はJRと同じ駅舎内にありますが、長野電鉄の駅は一度駅を出て地下にあるので少しわかりにくいかもしれません。初めて行かれる方は乗り継ぎの時間に余裕を持っておいたほうが良いと思います。

乗車券1190円+自由席特急券100円で終点湯田中駅まで行けます。13時8分に長野駅を出る「特急ゆけむりのんびり号」に乗り、14時32分に湯田中駅に着きました。

湯田中駅はすぐ隣に日帰り温泉や足湯があり、目の前にローソンもあって便利な駅です。
安代温泉までは1時間に1~2本バスも運行していますが、徒歩でも20分ぐらいなので、天気もいいことですし歩いて向かうことに。

本日宿泊する安代館は、ホームページ上に「送迎は(2食付きの宿泊で)2名以上から」と記載がありますので、1人泊の場合は基本的には送迎は頼めません。ただ、帰りは毎回「駅までお送りしますよ!」とお声がけいただくので、ケースバイケースなのかもしれませんが。

とは言え天気も悪くないですし、あちこちで桜も咲いていますしね……。

桜の枝が歩道のすぐ側に見える場所もありました。

まだ全然葉っぱも出てきていなくて、まさに花盛り。
私はあまり桜に興味がなくて「桜が咲いているからあそこに行こう!」みたいなことはまずやらない(混んでますからね……)のですが、これほど見事に咲いているとやはりうれしいですね。足を止めてしばらく眺めていました。

桜を眺めながらのんびり歩いていると、15時過ぎに安代館に到着。

昔ながらの宿、という雰囲気です。

安代温泉の宿に泊まっても渋温泉の共同湯には入れないので注意

宿のすぐ目の前には「安代大湯」という共同浴場があります。安代館に宿泊するとこちらの共同浴場にも入ることができます。

安代温泉には大湯のほかに「開花湯」なる共同浴場もあります。安代温泉の2つの共同湯は「地元の方と宿泊客」専用で、安代温泉の宿に泊まると宿から鍵を借りて入ることができるそうです。

ただし、有名な渋温泉の9つの外湯には、安代温泉の宿に泊まっても入ることができません。すぐお隣なので、入れるものと思って宿泊される方がいるのか、旅行サイトのプラン詳細にも「渋温泉の外湯めぐりには入れません」との但し書きがありました。

ちなみに私はと言えば……もともとあまり共同湯めぐりが好きではないので、安代温泉の共同湯にも入りに行きませんでした。噂ではかなり熱いお湯らしいです。

では、いざ安代館へチェックイン。

中に入ってブザーを押すと、見覚えのある女将さんが奥から出てきて案内してくれました。

【部屋】★★★★ ガスファンヒーターで室内は快適、1階には大量の漫画が

女将さん、2月に雪道で転んでケガをされたそうで、今回は杖をついておられたのですが……3階の部屋まで階段を上って案内してくださいました。安代館は3階建てで、エレベーターはありません。

2022年4月に宿泊した3階のお部屋

今回宿泊したのは「ゆりの間」です。

中に入ると、3畳の次の間があり、その奥に8畳の和室が。

次の間の並びに、後ほどご紹介しますが洗面所やトイレがあります。

部屋にはあらかじめ布団が敷かれていました。

前回宿泊時は夕食後に敷いてくださったので、コロナ禍を経て先に敷くことになったのかなと思います。

広縁には椅子が2脚とテーブルが。

窓は表の通りに面しています。

広縁の隅には冷蔵庫が置いてありました。

中には有料のドリンクとして、アサヒスーパードライの中瓶と、オロナミンC・笑
旅館の有料ドリンクでオロナミンCが何本も入っているのは初めて見ました。

室内では空気清浄機とヒーターも稼働していました。

コンパクトなヒーターなので大丈夫かな?と思いましたが、ガスファンヒーターなんですね。石油のヒーターと違って数時間おきに止まることもないし、暖かく快適に過ごせました。

ポットは魔法瓶タイプのもので、夕方にはお湯がだいぶぬるかったのは少し残念。

お茶うけは、近所にある羽田甘精堂という饅頭屋さんのもので、これはとてもおいしかったです。

お部屋の入口付近に洗面所とトイレがあり。

洗面所には普通に使えるドライヤーと、ハンドソープ、ペーパータオルが設置してありました。

また、室内にトイレ付きのお部屋です。
ウォッシュレット付きのトイレですが、古いトイレなので若干においは気になるかな……でも、居室とトイレの間に3畳の次の間があるので、水回りのにおいは部屋にいて気になることはありませんでした。

安代館では女性のお客さんには色浴衣のサービスがあり、女将さんが浴衣と帯を部屋まで持ってきてくれます。

紫陽花柄の浴衣を選びました。

写真に写っていませんが、テレビも普通にあり、Wi-Fiも利用できます。

床の間に坪庭のようなスペースがあるなど、ちょっと見慣れない(というか人によっては雑然としていると感じそう)なところもありますが、基本的には快適に過ごせる部屋だと思います。

2019年3月に宿泊した2階のお部屋

3年前、2019年の3月に初めて泊まったお部屋についてもご紹介したいと思います。このとき宿泊したのは2階のお部屋でした。

このとき、エアコンがかなり旧型だったので「冬は別にヒーターがあるからいいけど、夏はつらいかも……」と思っていたのですが、2022年に宿泊したお部屋は新しいエアコンになっていましたね。(全部屋交換されたのかは不明ですが)

基本的には同じ作りの和室ですが、このときは(恐らくコロナ禍前なので)チェックイン時は布団は敷いておらず、部屋にはこたつがありました。こたつが置いてあるのは3月までのようです。

広縁の椅子が、3階のお部屋とはタイプが異なりました。ちょっと懐かしい感じのクッションが置いてあります。

色浴衣サービスはこのときもありました。

2022年のときより、いかにも色浴衣!という感じの鮮やかな色の浴衣が多かったです。
現在の浴衣はわりとシンプルな色浴衣になっていました。

ちなみに、2019年に宿泊したお部屋にはトイレが付いておらず、室外にある共同トイレを利用しました。お部屋は自分で選ぶことができず、人数によって宿のほうで割り当てる方式なので「トイレ無しの部屋がある」ことがあることは覚えておいたほうが良いかもしれません。まあ「共同トイレ絶対嫌!」なタイプの人は、そもそもこの宿を選ばなそうな気がするので大丈夫かな……。

1階には大量の漫画蔵書

安代館の1階、玄関入ってすぐ右側には大量の漫画が蔵書されている「漫画部屋」があります。

漫画は、自由に部屋に持ち込んでOKとのこと(後で必ず元の場所に戻します)で、どんな漫画があるのかチェックしてみました。

美味しんぼがおそらく全巻、ハガレン、ヒロアカ、鬼滅の刃もあります。

おじさまと猫、ヲタクに恋は難しい、ダンジョン飯、3月のライオン、進撃の巨人。

信長のシェフ、Heaven?、カイジ……新久千映さん(ワカコ酒の作者)の「一人さまよい酒」もある!

沈黙の艦隊、ガラスの仮面、NANA、ジパング、君に届け、となりの怪物くん。

20世紀少年、YAWARA!、島耕作、エースをねらえ、タッチ、ブラックジャック、火の鳥、陽だまりの樹。

小規模な旅館に置いてある漫画って「ここの宿のお子さんが昔集めてたのかな」という雰囲気の、少し懐かしい感じのラインナップのことが多いのですが、安代館の漫画は過去の名作から最近の話題作までわりと満遍なく揃っていて、気合いの入った品揃えだと感じました。

ドラマや映画化されて話題になった作品が多いので、気軽に手に取りやすくていいなと。1泊だとなかなか漫画をじっくり読む時間はないですが、冬に連泊してこたつで漫画を読むのは楽しそうですね。

玉村本店で買ったビールを縁側でいただくのも楽しい

2019年・2022年共に、チェックイン時に「ここから歩いて10分ぐらいのところにある玉村本店さんに行ってきては?」と女将さんにお勧めされました。テイクアウトで生ビールの販売もしているし、買ってきたお酒をお部屋で飲んでもかまいませんよーとのこと。

玉村本店は、あの「志賀高原ビール」も造っている、もともとは日本酒の酒造です。

私は、チェックインするともうどこにも行きたくない人なので、2019年の宿泊時はチェックイン当日ではなく、翌日の日曜日にチェックアウトした後にお伺いしました。

しかし、これもコロナ禍の影響でしょうか?玉村本店さん、現在は日曜日は定休日となっているとのこと……。

というわけで、チェックイン後に行ってきました!

翌日に、玉村本店さんと同じ系列のレストランにも伺ったので、それと合わせて詳しくは別の記事に書こうかなと思うのですが、生ビールをテイクアウトして外を歩きながらいただき。

買ってきたビールをお部屋でいただきました。

安代館のお部屋に置いてあったグラスをお借りしましたが、普通のコップではなくちょっとカットの入ったグラスで、いい気分で縁側ビールを楽しめました。

ちなみに、今回は女将におすすめいただいた玉村本店に足を運ぶことができましたが、もうどこにも出かけたくないときに利用したい館内での飲み物販売について。
冷蔵庫にスーパードライの中瓶とオロナミンCがあることはご紹介しましたが、それ以外では1階のフロント前に自動販売機があります。

値段は缶ビールが若干市価より高いぐらいで、あとはほぼコンビニと同じお値段です。100円のUCCの缶コーヒーがあったりと良心的ですね。

【風呂】★★★★☆ 安代温泉のとろりと濃厚なお湯に夜通し浸かれる

安代館には趣の異なる2つの浴室があり、夕食・朝食のタイミングで男女が交代になります。チェックインからチェックアウトまで、夜通しの入浴が可能です。

どちらの浴室でも安代温泉のすばらしい源泉を楽しむことができます。

2つの浴槽がある「古代風呂」

まずは「チェックインから夕食まで」と「朝食からチェックアウトまで」の間に女湯となる「古代風呂」へ。

浴室へ向かう廊下にはなぜか欄干橋があります。

ちょっと傾斜がある橋で、スリッパだと歩きにくいので私は橋の橫のスペースを通ってしまうのですが……橋の右側には洗面所があり、化粧水や乳液、ドライヤーなども設置してありました。

脱衣所へ。脱衣所はちょっとカオス感あります。

カーテンの代わりなのか壁はすべて簾に覆われています。アメニティ類の入ったカゴもちょっとごちゃっとしていまして……ヘアブラシやシャワーキャップ、カミソリなど一通りのものは揃っているのですが、最初に見たときはちょっと驚きました。

では、浴室へ……いったいどんな浴室なんでしょうか。

おや。明るくていいお風呂ですねー。古代風呂は檜風呂とタイルのお風呂、2つの浴槽がある浴室ですが、天井も高いし浴槽以外の空間がとても広いです。

シャワー付きの洗い場が3ヶ所あり、水圧も十分。

シャンプー&コンディショナー、ボディソープ、洗顔フォームなどが設置されていました。

まずは檜風呂へ……なんかお湯の量が少ないですけど、きっと掃除したばかりなんでしょうね。

入れ替えたばかりのお湯に入れるのですから、これは喜ぶべきことです。

檜風呂のお湯は投入量が少ないためかやや温め。40度ぐらいに感じます。悠々と、長湯を楽しめる温度です。

安代温泉の源泉は本来はとても熱いので、水を足さなくても長湯を楽しめる温度にキープされているのはとてもありがたいですね。

長湯を楽しんでからタイルの浴槽へ。こちらもまだお湯がたまりきってない感じ。

そして……前回泊まったとき(この記事の1枚目の写真)はなかったはずの、湯口に謎の鉄瓶?とプラスチックの囲いが……。

近づいてみてわかりました。このプラスチックの囲いは浴槽の下のほうまで続いていて、熱い源泉が浴槽の下のほうに投入されるようになっているんですね。

上から熱い源泉を注ぐと、どうしても湯面だけが激熱になってしまい、入る前に湯かき棒などでかき混ぜなければなりません。下のほうからお湯を入れることでかき混ぜなくてもちょうどよく混ざるということなんでしょう。

ちょっと見栄え的には微妙かもしれませんが、このおかげでお湯の上のほうだけが熱くなることなく、のんびりと湯浴みを楽しめました。

たしかに、源泉が熱いと入ってる間にどんどん上のほうが熱くなってしまって、入りながらかき混ぜてたわ……ちょっとの工夫でストレスなく入ることできてすばらしいですね!

タイルのお風呂は42度ぐらい。熱めだけど熱くて入れないほどではない適温に調整されており、安代温泉のちょっととろみを感じさせるような、透明だけど濃厚な源泉を存分に楽しめました。

ちなみに、夕食直前にもう1度入りに行ったら、どちらの浴槽もちゃんとお湯がたまっていました。

大きな浴槽が1つある「竜宮風呂」

もう1ヶ所の大浴場「竜宮風呂」は、基本的には「チェックイン日の夕食後から翌日の朝食前まで」が女湯となります。

ただし、竜宮風呂のほうが浴槽が大きく、1度に入浴できる人数が多いため、宿泊客の男女に大きく偏りがある場合はイレギュラーなタイミングで交換となることもあるようです。2022年の宿泊時は男性の宿泊客が非常に多かったため「チェックインから翌日の朝食前まで」が男湯でした。

古代風呂の前には欄干橋がありましたが、竜宮風呂につながる廊下も独特の雰囲気です……。

脱衣所は、こちらも細長い造りなのですが、奥のほうにソファとフットマッサージャーがありました。

あえて写真は出しませんが、アメニティ置き場の雰囲気は古代風呂と同様です。

こちらの浴室には温泉分析書がありました。

ph.8.3、泉温はなんと93度!むちゃくちゃ熱いですね……。
泉質は「ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉」です。

では、いざ竜宮風呂へ!

こちらの浴室は、広めの浴槽が1つで、奥のほうに洗い場がありました。

シャワー付きの洗い場が3つ。古代風呂のほうと同様に、シャンプー&コンディショナー、ボディシャンプー、洗顔フォームなどが複数種類並んでいました。

細長い浴槽の真ん中あたりに湯口があり、熱い源泉が常時かけ流されています。

基本的に熱めですが、浴槽の端のほうまで来ると湯口から遠ざかるため、やや温度が下がります。

朝からピリッと熱めのお湯に浸かり、さっぱりとした気分で出発の準備を整えます。

個人的には、ぬるめの浴槽と熱めの浴槽がある「古代風呂」のほうが好みでしたが、このあたりは人によるだろうなと思います。どちらのお風呂も熱く、透明な源泉だけどとろりとした濃さを感じさせる良いお湯でした。

【食事】★★★★☆ 山菜料理と信州牛ステーキが絶品!にごり酒にとてもよくあう

安代館では、基本的には夕食は部屋食、朝食は広間でいただくことになるようです。大人数のグループの場合は夕食も広間での食事となるようですが「部屋食でまったりかけ流しの宿」を売り文句にしている宿ですし、夕食は基本はお部屋に運んでいただけます。
時間帯は、夕食が18時~18時30分ごろからのスタート。朝食は8個スタートが基本となるようですが、到着が遅くなる場合や早朝出発の場合は、要相談となります。

志賀高原ビールは5種類飲める!安代館のドリンクメニュー

夕食時に注文できる飲み物ですが、地元の酒造「玉村本店」のお酒をいろいろと取りそろえており、日本酒とビールが好きな人にとってはかなり満足度が高いメニューです。

日本酒は玉村本店の地酒「縁喜」の本醸造生酒と吟醸生詰、それからにごり酒の「雪猿」の3種類がそれぞれ300mlの瓶で用意されています。

それから、同じ酒造で醸造している志賀高原ビールの瓶ビールが「ペールエール」「美山ブロンド」「ポーター」「インディアンサマーセゾン」「IPA」の5種類揃っています。クラフトビールが飲める旅館も増えましたが、5種類も飲めるところは多くないのでうれしいですね。

ちなみに、こちら↑で写真を紹介したメニューは2019年の宿泊時にはまだなくて「地酒は何がありますか?」と聞いたら、実物を部屋まで持ってきてくださいました。

実物を見て「純米にごり酒がいいなー」と思い、雪猿を注文しました。

また、チェックイン時に「玉村本店で購入されたお酒を夕食時にお飲みになっても構わないんですよ」とお声がけいただきました。

あまり「お酒持ち込んでいいですよ」と言ってくださる宿は多くないですが、地元の酒造の直営店で購入したものならまあOK、ということなんでしょうね。玉村本店には日本酒もビールも魅力的なお酒がたくさんありましたし、要冷蔵でお土産にして持ち帰ることが難しいお酒も多かったので、宿で大っぴらに飲めるのはありがたいことです。

1人でも注文しやすい小瓶のメニューはここまでですが、ボトルで注文可能なワインと地酒のメニューもありました。

ワイングラスでいただけるようです。

1人なのでさすがにフルボトルは……と思い、さっと眺めただけでしたが、1つ1つのお酒について、詳細な解説がありました。

 

なかなか魅力的なラインナップだったので、飲める人と一緒に来たなら注文したかったですね。

2022年4月宿泊時の夕食は、前菜がおいしい!ステーキの肉も焼き加減も最高でした

2022年4月に宿泊した際の夕食です。ちなみにお品書きがないので記憶とメモを頼りに書いています。

料理は前菜、刺身などを最初に大きなお盆で一気に出して、後から「焼き物」「ステーキ」「ご飯」などを追加で持ってきていただく方式でした。

食前酒は梅酒です。

ワイングラスに入っていて、色も梅酒と言うより白ワインのような色ですが、甘さ控えめで飲みやすく大変おいしかったです。そう言えば、前回も食前酒がおいしかったんですよね……。

前菜盛り合わせ。右上の赤いやつから時計回りに「蛍烏賊とミニトマトのマリネ」「ふきみそ」「蓮根餅」「コシアブラの天ぷら」「きのこのムース」で、真ん中の緑色のが「アスパラのスープ」

マリネとかムースとか、洋風の味付けのものもすべておいしい。
前菜の盛り合わせって、見た目が華やかだけど味は別に……というものがいくつかは混ざるのが普通だけど、このようにすべてがおいしいとこの後の料理にも期待が膨らみますね。

お酒は今回も純米うすにごりの「雪猿」を注文しました。

いただきます。くどすぎない、ちょうどいいにごり具合です。

ふきみそが、いかにも「作ったばかり!」のフレッシュな味わいでにごり酒にめちゃくちゃ合うので、一口二口で食べてしまうのがもったいなくて、ちびちびつまみながら飲みました。

その他にも小鉢が複数種類。うるいの酢味噌和え、いんげんの黒ごま和え。

うどと鶏肉の唐辛子マヨ和え。

きのことトマトと玉ねぎの酢の物。玉ねぎは生じゃなくて、1度焼いたものを酢の物にしており手がかかっている……玉ねぎの甘さが酢に合っておいしい。

刺身はサーモン、アワビ茸、馬刺し、鯉という信州らしさあふれるラインナップ。

岩魚の塩焼きは熱々のものを後から持ってきていただきました。

煮物は大根の煮物。具沢山の茶碗蒸し。

そろそろ鍋も煮えました。こちらは鴨鍋です。

具は鴨肉と肉団子、えのきだけ、しめじ、白菜、水菜など。

そして……信州牛のステーキです。ステーキは基本の食事プランにはついておらず「信州牛のステーキ付きプラン」で予約しないと食べることができない一品です。

前回もこちらのプランで申し込んで、量・質共に大満足だったので今回も信州牛付きプランで予約しました。

大きな洋皿に付け合わせの野菜と共に盛り付けられたステーキは、奥のほうがモモで手前がロースです。皿の上にのっている赤いソースは「かんずり」という辛味の強い調味料で作ったもの。

とても良い焼き加減。ポン酢かステーキソースをつけていただきます。

ご飯は食事の後半に持ってきていただきました。

炊き込みご飯で、きのこ、油揚げ、ワラビが入っています。

最後の汁物はないので、鍋と一緒にご飯をいただきました。鴨の出汁でいただく炊き込みご飯がまたおいしい……。

最後はデザートのチーズケーキが!

これが、意外と言ってはなんですが外側はふんわり、中はしっとりしたなかなかおいしいチーズケーキでした。そして、デザートまですべて、日本酒と一緒においしくいただける料理でした。ごちそうさまでした!

2019年3月宿泊時の夕食は、野菜料理と山菜の小鉢の味と量に驚いた

初めて宿泊した2019年3月の夕食についても簡単にご紹介したいと思います。
このときもステーキプランで予約しましたが、最初に運ばれてきたお皿の数の多さに驚きました。

食前酒はスパークリングの赤ワイン。ちょっと珍しいですよね。これが甘くないのに香り爽やかでおいしかったのが印象に残っています。

お酒はこのときも「雪猿」を。
このお酒、にごり酒なのに甘すぎず濃すぎず、何の料理にでも合って本当においしいんですよ。

お刺身は信州サーモン、蛍烏賊、鯉の洗い。

鯉の洗いはまったく臭みなどなくて食べやすく調理されていました。酢味噌をつけていただくことが多いですけど、薬味と醤油でいただくのもおいしい。

そして、たくさんの野菜と山菜の小鉢。

地味なおかずだと思うんですけど、にんじんと炒り卵を合わせたやつとか妙においしくて、どうやって作るんだろうと思いました。

ふきのとうをひき肉と味噌で甘辛く炒めた料理もおいしかった……。ふきのとうって甘辛い味付けが合いますよね。

煮物は定番の大根。

油揚げの中にはすりおろしたとろろ芋が入っており、そのうえでこんがり焼いてありました。おそらく名も無き家庭料理のように思うのですが、すべて手がかかっていておいしかったです。

馬刺しは、2022年は刺身盛り合わせに含まれていましたがこのときは別皿で。

鮭にクリームソースかけて焼いた、洋風のおかずも良かったですね。

そしてステーキ!

 

旅館の食事でステーキというと固形燃料で自分でやくことが多いですが、ちょうどいい焼き加減でいただくのはなかなか難しいです。私は、調理場でおすすめの焼き加減で焼いて持ってきてもらえるほうが好きですね。

安代館でステーキ2度食べましたが、2度とも焼き加減が絶妙だし、肉質も脂が多すぎず少なすぎずちょうど良くて、めちゃくちゃおいしいステーキでした。

最後はやはり鴨鍋と炊き込みご飯で。

3月下旬の宿泊だったので、出始めの山菜をめいっぱい堪能できました。

2022年4月宿泊時の朝食は、具沢山な湯豆腐がうれしい

朝食は1階の広間でいただきます。基本的には8時からのスタートのようですが……。

この日は、私以外の宿泊客が全員早朝出発だったとのことで、なんと私1人でした。

料理はお膳にセットしてあり、席に着くと鍋に火を点け、ご飯とお味噌汁を持ってきていただきました。

鍋の中身は湯豆腐です。

野菜ときのこがものすごいたくさん入っていて、湯豆腐と言うよりも「鍋」という雰囲気ですね。

お味噌汁の具は「姫竹」で、卵が入ったかき玉汁になっていました。

左側の茶色い小鉢は「やたら」と言って、野菜や漬けものを細かく刻んで混ぜ合わせた長野の郷土料理だそうです。色が茶色い以外は山形の「だし」にそっくりでした。

自家製らしい漬けものもおいしい。温泉卵です、と言われたけど割ったら生だった!のはご愛嬌という感じですが、すべておいしくいただきました!

2019年3月宿泊時の朝食は、温泉卵も完璧でした

2019年3月も、広間で8時から朝食をいただきました。

このときは直前予約で土曜日に泊まったのですが、1人泊のお客さんが私以外に3人もいて驚きました。(基本的には土曜日1人で泊まれない宿なので……)

女将さんの話では「スキーシーズンも終わって空室が多かったので1人泊のプランを出したら一気に部屋が埋まった」のだそう。実は知る人ぞ知る宿で、土曜日に空室が出るのを待っている人が多いのかもしれません。

朝食のラインナップは2022年と概ね同じ。

ちょっと毒々しい色のハムが2枚乗ったサラダも同じ。ハムの色は派手だけど、ドレッシングがおいしくてこのサラダも地味においしいんですよね……。具沢山な湯豆腐も定番料理のようです。

ご飯が、2022年は白米でしたがこのときは黒米だったり、2022年は生のりんごが出ていたけどこのときは赤ワイン煮だったりぐらいの違いでしょうか。

このときは温泉卵はちゃんと、温泉卵でした・笑

朝食後にはコーヒーのサービスがある

朝食が終わると「コーヒーをどうぞ」とお声がけいただき、ロビーでコーヒーをいただきました。

コーヒーを飲んでいたら女将さんに

「今日はどちらに行かれるご予定ですか?駅まで車でお送りしましょうか?」

とお声がけいただいたので

「地獄谷に行ってみようかと思っているのですが、駅からバスに乗るのが良いんでしょうか?」

と聞いてみると、地獄谷の入口まで車で送っていただけることになりました。

送迎はおそらくご好意で、基本サービスではないと思いますので必ずあるとは思わないほうがいいですが、お心使いとてもありがたかったです。

【再訪したい度】★★★★☆ 湯・食事共に良く、個性的で温かみのある宿

正直に言って「誰にでもおすすめできる非の打ち所がない宿」とは言えず、特に、脱衣所や浴室の雑然とした雰囲気が苦手な方、きれいな宿じゃないと嫌な方にはおすすめできません。なのでブログで紹介するかどうかも正直迷いました。

でも、それが大丈夫な人だったらぜひ泊まってほしいと思うし、私もまた山菜の季節に泊まりたいなーと思っている宿です。

シンプルにお湯が良くて食事がおいしいし、宿の方も温かく優しいです。料金は2食付きで1万5千円ぐらい。ステーキつけると+2200円です。

「土曜日に1人泊のプランを出すと1人客ですぐ埋まってしまう」というお話からも、土曜日に泊まれるなら泊まりたい!と狙っている人は多いのかもしれないな、と思いました。

【1人旅に優しい度】60点:1人泊できるのは平日のみだが、まめにチェックしているとわりと土曜日も泊まれる

泊まりやすさ 10/20
基本的には1人泊のプランは平日のみの提供だが、予約が少ないときや直前でキャンセルが出たときはちょいちょい土曜日1人泊のプランも出ている。今確認したら今週土曜日も1人泊のプランがあった。

食事場所の配慮 10/20
夕食はお部屋に運んでいただける。朝食は広間食が基本のよう。

プランの選択肢 15/20 
1人泊はお得なプランの対象外になっているが、それ以外はすべてのプランを1人でも予約できる。「芸者さんコンパニオンさんを呼べるプラン」も1人で予約できる・笑

ドリンクオーダー  10/20
志賀高原ビールの瓶ビールが5種類あるのはとても素敵!ワインがボトルのみだったり、日本酒は300MLの瓶での提供なのであまりたくさん種類は飲めないかなという印象

フリーWi-Fi完備 15/20
Wi-Fi利用可能。普通に問題なく使える速度だった

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。