温泉ブログ 山と温泉のきろく

山好き女子の温泉と食と山旅の記録です。

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湯田中渋温泉郷 安代温泉安代館宿泊記 山菜料理が最高においしい極上湯の宿に山菜料理プランで一人泊

お湯と食事、特に山菜料理がすばらしくてまた泊まりたくなる宿

「安代温泉(あんだいおんせん)」と聞いてどこだかすぐにピンと来る方は、けっこう温泉好きな方なんではないかと思います。

安代温泉は、長野電鉄長野線の終着駅である湯田中駅周辺一帯に広がる「湯田中渋温泉郷」の中にある、2つの共同浴場と数軒の旅館からなる温泉地です。有名な「湯田中温泉」と「渋温泉」に挟まれた立地なので、存在を知らないまま通り過ぎていた、という方も多いかもしれません。

数年前に「湯田中温泉か渋温泉に泊まって志賀高原ビールでも飲みたいなあ」と思い宿を検索していたところ、まったくノーマークだったこちらの宿に空室があり、口コミを読むと食事とお湯がかなり高評価。気になって泊まってみたところ、食事もお湯も期待以上のすばらしさでした。

土曜日は基本的に1人で泊まれない宿ですが、予約が少ない日やキャンセルがあったときにスポット的にプランが出ることもあります。2019年と2022年に宿泊し、女将さんはじめ宿の方のサービスも温かく、好きな宿だなあ……と思い、昨年「山菜料理が最高においしい!また必ず春に泊まりたい極上湯の宿」というタイトルで宿泊レポートを公開しました。

そして2023年春……今年も安代館に泊まりに行きたいなあと思いつつ空室をチェックしていたら「★山菜料理20品以上プラン★1日10名まで★」というプランを発見したのです。ありがたいことに1人でも予約できたので迷わず予約し、宿泊したところ期待以上にものすごい数の山菜料理が並び、驚かされました。

しかも1年の間に館内のあちこちに改修が入ってきれいになっていました。

1年前のレポートでは「建物は古く、館内は雑然としているところもある」などと書いていたのですが、気になった箇所はほぼ改善されていました。これは追記して公開しなくては!と思いましたので、最新情報を追加して公開します。

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。 一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

 

湯田中駅から徒歩20分、満開の桜を眺めつつ安代温泉へ

安代温泉の最寄り駅は、長野電鉄長野線の終点、湯田中駅です。
長野までは新幹線で、長野駅からは長野電鉄の特急に乗車します。

しなの鉄道はJRと同じ駅舎内にありますが、長野電鉄の駅は一度駅を出て地下にあるので少しわかりにくいかもしれません。初めて行かれる方は乗り継ぎの時間に余裕を持っておいたほうが良いと思います。

乗車券1190円+自由席特急券100円で終点湯田中駅まで行けます。13時8分に長野駅を出る「特急ゆけむりのんびり号」に乗り、14時32分に湯田中駅に着きました。

湯田中駅はすぐ隣に日帰り温泉や足湯があり、目の前にローソンもあって便利な駅です。
安代温泉までは1時間に1~2本バスも運行していますが、徒歩でも20分ぐらいなので、天気もいいし歩いて向かうことに。

本日宿泊する安代館は、ホームページ上に「送迎は(2食付きの宿泊で)2名以上から」と記載がありますので、1人泊の場合は基本的には送迎は頼めません。ただ、帰りは毎回「駅までお送りしますよ!」とお声がけいただくので、ケースバイケースなのかもしれませんが。

とは言え天気も悪くないですし、あちこちで桜も咲いていますしね。*1

桜の枝が歩道のすぐ側に見える場所もありました。

まだ全然葉っぱも出てきていなくて、まさに花盛り。

桜を眺めながらのんびり歩いていると、15時過ぎに安代館に到着。

ちなみにこちら↑は2022年4月宿泊時の写真ですが、2023年宿泊時は外観も少し変わっていました。

↑こちらが2023年6月の写真です。玄関周りをはじめ、以前はよしずで覆われていた壁が木の格子に変わり、きれいになっていました。

安代温泉の宿に泊まっても渋温泉の共同湯には入れないので注意

宿のすぐ目の前には「安代大湯」という共同浴場があります。安代館に宿泊するとこちらの共同浴場にも入ることができます。

安代温泉には大湯のほかに「開花湯」なる共同浴場もあります。安代温泉の2つの共同湯は「地元の方と宿泊客」専用で、安代温泉の宿に泊まると宿から鍵を借りて入ることができるそうです。

ただし、有名な渋温泉の9つの外湯には、安代温泉の宿に泊まっても入ることができません。すぐお隣なので、入れるものと思って宿泊される方がいるのか、旅行サイトのプラン詳細にも「渋温泉の外湯めぐりには入れません」との但し書きがありました。

ちなみに私はと言えば……もともとあまり共同湯めぐりが好きではないので、安代温泉の共同湯にも入りに行きませんでした。噂ではかなり熱いお湯らしいです。

では、いざ安代館へチェックイン。

中に入ると、見覚えのある女将さんが奥から出てきて案内してくれました。

【部屋】★★★★ 冬はガスファンヒーターがありWi-Fiも速くて快適、1階には漫画部屋

安代館は3階建てで、エレベーターはありません。
浴室は2階に、朝食をいただく食事会場は1階にあります。

2023年6月に宿泊した3階「りんどうの間」

2023年に宿泊したのは3階のつきあたり「避難はしご」のライトの位置にある「りんどうの間」です。

案内いただいたときの女将さんの話では「今日は1人のお客さんが多いので、予約が早かった人から広い部屋にお通ししている」とのこと。

そういえば、以前泊まった部屋よりも広い気がします。

中に入ってすぐ、次の間と洗面所・トイレがあり、奥に部屋がある作りは他の部屋も同じですが、お部屋は10畳あって、チェックイン時から布団が敷いてあってもかなり広々。

座卓の上に置いてあったお茶うけは、近所にある羽田甘精堂という饅頭屋さんのもの。このお饅頭はいつもとてもおいしいです。

ポットは魔法瓶タイプですが、廊下に給湯器があるので、ぬるくなったら新しいお湯を注ぎに行けばOK。

給湯器は2階の廊下にあります。

テレビ、内線電話、空気清浄機もあり、エアコンも比較的新しいものでちゃんと涼しくなりました。Wi-Fiもパスワードなしで利用でき、速度も問題ありません。

バスタオル、フェイスタオル、歯ブラシ、足袋ソックスのほか、使い捨てスリッパ(ぺなぺなの紙っぽいやつじゃない、かなりしっかりしたもの)が置いてあったのには驚きました。共用のスリッパが嫌、という方へのサービスでしょうか。

浴衣は、女性はサービスで色浴衣を選ばせてもらえます。

今回は、黄色の浴衣に紫の帯を選びました。

広縁には椅子2脚とテーブル。通りに面しているので、窓からの眺めはお向かいにある宿です。

広縁の隅には冷蔵庫があり、中には有料の飲み物(アサヒスーパードライの大瓶とオロナミンC)が。自分で買ってきたものを冷やすスペースもありますね。1階に自動販売機があるので、缶ビールやジュースはそこでも買えます。

部屋の手前にある洗面所。

お湯も出るし、ハンドソープとペーパータオルが設置してあり、掃除もしっかりされています。ドライヤーも、コンパクトだけど意外としっかり風量あるタイプでした。

そして、トイレが改装されて新しくきれいになっていました!

前に泊まったのは隣の部屋なので、すべての部屋のトイレが新しくなっているのかはわかりませんが、以前泊まったときよりも壁や床もきれいになって、便座も新しい。

きちんと手を入れられていてすばらしいなと思いました。

2022年4月に宿泊した3階「ゆりの間」

2022年4月に宿泊したのは、「りんどうの間」の手前にある「ゆりの間」です。

アメニティなど、りんどうの間と同じところは飛ばして簡単にご紹介したいと思います。

りんどうの間は3畳の次の間の奥に、8畳の和室です。

部屋にはあらかじめ布団が敷かれていました。8畳と10畳だと、やはり広さが違いますね。1人なら8畳でも十分ですけど。

この日は4月でまだ肌寒かったので、空気清浄機のほかにヒーターも稼働していました。

コンパクトなヒーターなので大丈夫かな?と思いましたが、ガスファンヒーターなんですね。石油のヒーターと違って数時間おきに止まることもないし、暖かく快適に過ごせました。

お部屋の入口付近に洗面所とトイレがあるのも同じですが、このときはトイレはやや古めかな……と思っていたんですよね。

 

洗浄機能付きのトイレで何も問題なかったのですけど、少しだけ古さゆえかにおいが気になるかも(ただし、居室とトイレの間に3畳の次の間があるので部屋にいればわからない)と思っていたので、2023年に新しいトイレになっていてうれしかったです。

2022年は、ピンク系の紫陽花柄の浴衣を選びました。

2019年3月に宿泊した2階のお部屋

2019年の3月に初めて泊まったお部屋についてもご紹介したいと思います。このとき宿泊したのは2階のお部屋でした。

このとき、エアコンがかなり旧型だったので「冬は別にヒーターがあるからいいけど、夏はつらいかも……」と思っていたのですが、2022年に宿泊したお部屋は新しいエアコンになっていましたね。2023年に泊まった部屋のエアコンも新しかったので、おそらくすべての部屋で交換されたのでしょう。

基本的には同じ作りの和室ですが、このときは(恐らくコロナ禍前なので)チェックイン時は布団は敷いておらず、部屋にはこたつがありました。こたつが置いてあるのは3月までのようです。

広縁の椅子が、3階のお部屋とはタイプが異なりました。ちょっと懐かしい感じのクッションが置いてあります。

色浴衣サービスはこのときもありました。

2022年・2023年より、いかにも色浴衣!という感じの鮮やかな色の浴衣が多かったです。現在の浴衣はわりとシンプルな色浴衣になっていました。

ちなみに、2019年に宿泊したお部屋にはトイレが付いておらず、室外にある共同トイレを利用しました。トイレなしの部屋はトイレ付きの部屋よりも1500円ほど安く泊まれるので、気にならなければお得に泊まることができます。

1階には大量の漫画蔵書

安代館の1階、玄関入ってすぐ右側には大量の漫画が蔵書されている「漫画部屋」があります。

こちらの部屋、2022年に伺ったときはこんな感じ↑だったのですが。

2023年に伺ったら、本棚も新しくなり、きっちり整理されて書斎っぽい素敵なスペースになっていました!

漫画は、自由に部屋に持ち込んでOKとのこと(後で必ず元の場所に戻します)で、どんな漫画があるのかチェックしてみました。

美味しんぼ、クッキングパパ、ダンジョン飯、将太の寿司、ミスター味っ子、喰いタン、信長のシェフなど、このエリアは食べ物漫画が集めてありますね。

バガボンド、キングダム、名探偵コナンなどの大ヒット漫画もしっかり揃っています。

ガラスの仮面、夏目友人帳、君に届け、はいからさんが通る、NY小町などこのあたりは名作少女漫画ですね。

ときめきトゥナイト、きみはペット、のだめカンタービレ、一条ゆかりの「プライド」など。

こちらは青年誌エリアかな。島耕作シリーズにサラリーマン金太郎。

ゴルゴ13にDr.コトー、コウノドリ、20世紀少年など浦沢直樹の作品もいくつか。

変わってこちらは少年漫画エリア。

ハガレン、ヒロアカ、鬼滅の刃、ONE PIECE、ヒカルの碁、GTO、るろうに剣心、進撃の巨人、はじめの一歩など。

ドラマや映画化されて話題になった作品が多いので、気軽に手に取りやすくていいなと。1泊だとなかなか漫画をじっくり読む時間はないですが、冬に連泊してこたつで漫画を読むのは楽しそうですね。

玉村本店で買ったビールを縁側でいただくのも楽しい

安代館に泊まると、チェックイン時に毎回「ここから歩いて10分ぐらいのところにある玉村本店さんに行ってきては?」と女将さんにお勧めされます。
テイクアウトで生ビールの販売もしているし、買ってきたお酒をお部屋で飲んでもかまいませんよーとのこと。

玉村本店は、あの「志賀高原ビール」も造っている、もともとは日本酒の酒造です。月曜から土曜の9時から17時30分まで営業しており、日曜日は定休日です。

というわけで、チェックイン後に行ってきました!

生ビールをテイクアウトして外を歩きながらいただき。

買ってきたビールをお部屋でいただきました。

安代館のお部屋に置いてあったグラスをお借りしましたが、普通のコップではなくちょっとカットの入ったグラスで、いい気分で縁側ビールを楽しめました。

【風呂】★★★★☆ 安代温泉のとろりと濃厚なお湯に夜通し浸かれる

安代館には趣の異なる2つの浴室があり、夕食・朝食のタイミングで男女が交代になります。チェックインからチェックアウトまで、夜通しの入浴が可能です。

どちらの浴室でも安代温泉のすばらしい源泉を楽しむことができます。

2つの浴槽がある「古代風呂」

まずは「チェックインから夕食まで」と「朝食からチェックアウトまで」の間に女湯となる「古代風呂」へ。

浴室へ向かう廊下にはなぜか欄干橋があります。

ちょっと傾斜がある橋で、スリッパだと歩きにくいので私は橋の橫のスペースを通ってしまうのですが……橋の右側には洗面所があり、ドライヤーも設置してありました。ちなみにこの洗面所も、洗面ボウルや蛇口が新しくなっていて、とてもきれいになっていましたね!2022年に来たときは、客室の洗面所と同じタイプの白い洗面台でした。

脱衣所へ。脱衣所がめっちゃきれいになっていました!うれしい!

中に入るとスリッパを置く棚があり、その上にヘアブラシやシャワーキャップ、カミソリなどのアメニティが設置してあります。

脱衣カゴの置かれた棚も新品になって、壁も真っ白に!

以前は壁が湿気除けなのか簾に覆われていて、雑多な雰囲気があったんですよね。ものすごくきれいになりました。

脱衣カゴの橫にはミニ扇風機とドライヤーも置いてあります。

温泉分析書も掲示してありました。

ph8.3、泉温93度と源泉はかなり高温な、ナトリウムー塩化物・硫酸塩温泉です。

では、浴室へ……。

おお……浴室もきれいになっている!

壁、天井、洗い場のシャワーなんかも新しくなっていますね。

2022年に来たときはこんな感じ↓でした。

もともと、天井も高いし浴槽以外の空間がとても広くて開放感のある浴室でしたが、壁と天井がきれいになったことで、より明るく雰囲気のいい浴室になったと思います。

シャワー付きの洗い場が3ヶ所あり、水圧も十分。

シャンプー&コンディショナー、ボディソープが設置されていました。詰め替え式のものでブランドはわかりませんが、使ってみたところ、香りも使い心地も良いものでした。

手前にある檜風呂。
常時源泉が少しずつ投入されており、上のほうが熱くなっているので湯かき棒でよくかき混ぜてしっかりかけ湯してから入ります。

奥のほうにあるをタイル張りの浴槽。

こちらは湯口が謎の鉄瓶?とプラスチックの囲いに覆われているのですが。

このプラスチックの囲いは浴槽の下のほうまで続いていて、熱い源泉が浴槽の下のほうに投入されるようになっているんですね。

上から熱い源泉を注ぐと、どうしても湯面だけが激熱になってしまい、入る前に湯かき棒などでかき混ぜなければなりません。下のほうからお湯を入れることでかき混ぜなくてもちょうどよく混ざるということなんでしょう。

タイルのお風呂は42度ぐらい。熱めだけど熱くて入れないほどではない適温に調整されており、安代温泉のちょっととろみを感じさせるような、透明だけど濃厚な源泉を存分に楽しめました。

大きな浴槽が1つある「竜宮風呂」

もう1ヶ所の大浴場「竜宮風呂」は、基本的には「チェックイン日の夕食後から翌日の朝食前まで」が女湯となります。

ただし、竜宮風呂のほうが浴槽が大きく、1度に入浴できる人数が多いため、宿泊客の男女に大きく偏りがある場合はイレギュラーなタイミングで交換となることもあるようです。2022年の宿泊時は男性の宿泊客が非常に多かったため「チェックインから翌日の朝食前まで」が男湯でした。

古代風呂の前には欄干橋がありましたが、竜宮風呂につながる廊下も独特の雰囲気ですね。古代風呂と同様に、浴室の手前に洗面スペースがあります。

こちらの脱衣所も、見違えるようにきれいになりました!

奥のほうに、アメニティ類とドライヤーが設置されています。

こちらのドライヤーも、普通に風量があってちゃんと使えるタイプです。

では、いざ竜宮風呂へ!

おお!こちらの浴室も壁と天井が田らしくなりましたね!

洗い場もすっきりとした雰囲気に。

2022年に来たときは、洗い場こんな感じでした。いろんなシャンプーや洗顔料があって、これはこれで悪くなかったけれど、今のほうがすっきりしていて万人受けしそうですね。

細長い浴槽の真ん中あたりに湯口があり、熱い源泉が常時かけ流されています。

基本的に熱めですが、浴槽の端のほうまで来ると湯口から遠ざかるため、やや温度が下がります。

朝からピリッと熱めのお湯に浸かり、さっぱりとした気分で出発の準備を整えます。

「古代風呂」「竜宮風呂」共に、熱めで透明な源泉だけどとろりとした濃さを感じさせる良いお湯でした。

【食事】★★★★★ 山菜料理と信州牛ステーキが絶品!にごり酒にとてもよくあう

安代館では、基本的には夕食は部屋食、朝食は広間でいただくことになるようです。大人数のグループの場合は夕食も広間での食事となるようですが「部屋食でまったりかけ流しの宿」を売り文句にしている宿ですし、夕食は基本はお部屋に運んでいただけます。
時間帯は、夕食が18時~18時30分ごろからのスタート。朝食は8個スタートが基本となるようですが、到着が遅くなる場合や早朝出発の場合は、要相談となります。

志賀高原ビールは5種類飲める!安代館のドリンクメニュー

夕食時に注文できる飲み物ですが、地元の酒造「玉村本店」のお酒をいろいろと取りそろえており、日本酒とビールが好きな人にとってはかなり満足度が高いメニューです。

日本酒は玉村本店の地酒「縁喜」の本醸造生酒と吟醸生詰、それからにごり酒の「雪猿」の3種類がそれぞれ300mlの瓶で用意されています。

それから、同じ酒造で醸造している志賀高原ビールの瓶ビールが「ペールエール」「美山ブロンド」「ポーター」「インディアンサマーセゾン」「IPA」の5種類揃っています。クラフトビールが飲める旅館も増えましたが、5種類も飲めるところは多くないのでうれしいですね。

ちなみに、こちら↑で写真を紹介したメニューは2019年の宿泊時にはまだなくて「地酒は何がありますか?」と聞いたら、実物を部屋まで持ってきてくださいました。

実物を見て「純米にごり酒がいいなー」と思い、雪猿を注文しました。

また、チェックイン時に「玉村本店で購入されたお酒を夕食時にお飲みになっても構わないんですよ」とお声がけいただきました。

あまり「お酒持ち込んでいいですよ」と言ってくださる宿は多くないですが、地元の酒造の直営店で購入したものならまあOK、ということなんでしょうね。玉村本店には日本酒もビールも魅力的なお酒がたくさんありましたし、要冷蔵でお土産にして持ち帰ることが難しいお酒も多かったので、宿で大っぴらに飲めるのはありがたいことですね。

ボトルで注文可能な長野県産ワインのメニューもありました。

ソフトドリンクはメニューにはウーロン茶しか載っていないので、ソフトドリンクが飲みたい方は1階の自動販売機で買ってね、ということのようです。

値段は缶ビールが若干市価より高いぐらいで、あとはほぼコンビニと同じお値段です。特にソフトドリンクについては100円のUCCの缶コーヒーとコカコーラにおーいお茶、80円のサイダーとジンジャーエール、バヤリースオレンジがあったりと良心的ですね。

2023年6月は「山菜料理20品以上プラン」がすばらしかった

2023年は予約サイトで、これまで見たことのない「山菜料理20品以上プラン」なるプランを発見しました。

★山菜料理20品以上プラン★1日10名まで★
私たち夫婦が一番がんばってきたメニューです。召し上がってみてください。

山菜を中心に20品以上食事部屋だしで召し上がっていただきます。
ふきのとう、芹(せり)、行者にんにくなど生薬(しょうやく)に入るものも多くヘルシーなメニューとなります。
信州ならではイナゴ、馬刺し、鯉の洗い、洗いのフライもお出しします。
今まで食べたことのないものを召し上がっていただくつもりです。
びんで保存しているものなど封を切ってしまうと保存が利かないものもあるため、お1人様は割り高になってしまいます。申しわけありません。
1日10名様までそれ以上の場合はご相談下さい。

1人だとどれだけ割高になるんだろう……?と思い、料金を確認してみると、2人で泊まったときの1人分の料金プラス2000円ほど。

それぐらいならば……と予約してみることにしました。(ちなみにこの山菜プランは2023年6月末までです。多くの方は今から予約するのは難しいと思うのですが、来年また再開されることを祈りましょう……)

2022年4月に泊まったときも、そのときは山菜料理プランではなく宿イチ押しの「信州牛ステーキプラン」でしたが、山菜料理がかなりおいしかったので、次も春に泊まりたいと思っていたんですよね。

食事の時間になり、最初に運ばれてきたのはこちらの料理。

わりとシンプルな構成だな……山菜料理はこの後来るのかしら……と思ったら!

大きなお膳ですごい量が運ばれてきました。

「草ばかりですけどねー」と女将さんは笑っていましたが、山菜好きにとっては夢のような光景です!

お風呂上がりなのでまずはビールを!

志賀高原ビールのインディアンサマーセゾンです。

いただきます!苦み少なめでほのかに酸味。フルーティな香り。風呂上がりにぴったりのビールです。

食前酒は梅酒の水割り。わりと薄めに割っていて、お酒が苦手な人でも飲めそうな感じ。甘さ控えめでおいしい。

鯉の洗い。苦手な人もいそうだし、私もお店によっては苦手に思ったりするけれど、ここの洗いは処理の仕方が上手なのかおいしかったです。

ふきのとうと書かれている小鉢は、ふき味噌で豚肉を和えているのかな。あとは芋もちにふき味噌を塗って焼いたもの。おいしい。

イナゴと蜂の子。苦手な方は苦手だと思いますが、私は稲作盛んな地域の出身でイナゴは馴染みがあるので大丈夫です。蜂の子もつまみとしてはおいしかった。

根曲り竹と挽肉の煮物と、馬刺しは素直にめちゃめちゃおいしいです。

山菜の膳に取りかかる前にビールを飲み終えたのでにごり酒を注文!

来る度これを飲んでますが、にごり具合が薄すぎず濃すぎず、食事と一緒にさらっと飲めるから好き。

そして山菜の膳。こちらの宿はもともとお品書きがないのですが、山菜料理にはすべて、どれが何なのか書いてあるのがうれしいですね。

「えら」「みず」「こごみ」「たらのめ」すべて2つずつ小鉢があるので「2人分では?」と思われるかもしれませんが……違うんです。これ、1つの山菜を2種類の味付け・調理法で調理して、食べ比べができるようになっているんです!すごい!

こごみなんかは左が胡麻和え、右は一味マヨネーズをつけて食べるようになっていてわかりやすいですが、そのほかの山菜もすべて違う調理法、違う味付けなんですよ。

こちらはうど。

左は鶏肉と一緒にマヨネーズで和えてあり、右は豚肉で巻いて甘辛い味付けにしてあります。うどは肉と合うんですね。

「ふき」「こしあぶら」「せり」

「あさつき」「行者にんにく」「のびる」とこれでもかという勢いで並ぶ山菜料理を食べ進めているころ、鴨鍋が煮えました。

今回この鴨鍋だけが山菜と関係ない、普通の料理だったかも。でも、これもおいしいです。

後から持ってきていただいた焼きたてのヤマメの塩焼きには、焼いた根曲り竹が2本、添えてあります。

そして揚げたてで持ってきていただいたこちらは……。

コシアブラ、根曲り竹の天ぷら、そして鯉の洗いのフライです。抹茶塩でいただきます。

鯉の洗いのフライ、初めて食べたけれどおいしかった!甘煮とか酢味噌とか強い味付けが合う食材だから、揚げてもおいしいんですね。

そして〆のご飯はたっぷりの鯉こくと山菜ご飯のおにぎり!

鯉こくはやっぱり小骨はあるし好きな人しか楽しめないメニューだけど、脂がのっていておいしかった!おにぎりも全部食べました。

最後にデザートのチーズケーキをいただいて、ごちそうさまでした!

いつもならお腹いっぱいになってすぐ寝てしまう(あまり体には良くないけれど……)のですが、今回は夕食を下げに来てくれた女将さんにホタルを見に行くことを進められたので、酔い覚ましに行ってみました!

ホタルを見に来た人はたくさんいたのですが、ホタルは1匹か2匹しかおらず・笑

でも、渋温泉あたりは温泉街の雰囲気が良いので、夜の散歩が楽しかったですね。

ホタルを見に行ったら?とおすすめされなければ絶対に行かなかったと思うので、お声がけいただけてありがたかったです。

2022年4月宿泊時の夕食は、前菜がおいしい!ステーキの肉も焼き加減最高でした

2022年4月に宿泊した際の夕食です。ちなみにお品書きがないので記憶とメモを頼りに書いています。

料理は前菜、刺身などを最初に大きなお盆で一気に出して、後から「焼き物」「ステーキ」「ご飯」などを追加で持ってきていただく方式でした。

食前酒は梅酒です。

ワイングラスに入っていて、色も梅酒と言うより白ワインのような色ですが、甘さ控えめで飲みやすく大変おいしかったです。そう言えば、前回も食前酒がおいしかったんですよね……。

前菜盛り合わせ。右上の赤いやつから時計回りに「蛍烏賊とミニトマトのマリネ」「ふきみそ」「蓮根餅」「コシアブラの天ぷら」「きのこのムース」で、真ん中の緑色のが「アスパラのスープ」

マリネとかムースとか、洋風の味付けのものもすべておいしい。
前菜の盛り合わせって、見た目が華やかだけど味は別に……というものがいくつかは混ざるのが普通だけど、このようにすべてがおいしいとこの後の料理にも期待が膨らみますね。

お酒は今回も純米うすにごりの「雪猿」を注文しました。

いただきます。くどすぎない、ちょうどいいにごり具合です。

ふきみそが、いかにも「作ったばかり!」のフレッシュな味わいでにごり酒にめちゃくちゃ合うので、一口二口で食べてしまうのがもったいなくて、ちびちびつまみながら飲みました。

その他にも小鉢が複数種類。うるいの酢味噌和え、いんげんの黒ごま和え。

うどと鶏肉の唐辛子マヨ和え。

きのことトマトと玉ねぎの酢の物。玉ねぎは生じゃなくて、1度焼いたものを酢の物にしており手がかかっている……玉ねぎの甘さが酢に合っておいしい。

刺身はサーモン、アワビ茸、馬刺し、鯉という信州らしさあふれるラインナップ。

岩魚の塩焼きは熱々のものを後から持ってきていただきました。

煮物は大根の煮物。具沢山の茶碗蒸し。

そろそろ鍋も煮えました。こちらは鴨鍋です。

具は鴨肉と肉団子、えのきだけ、しめじ、白菜、水菜など。

そして……信州牛のステーキです。ステーキは基本の食事プランにはついておらず「信州牛のステーキ付きプラン」で予約しないと食べることができない一品です。

前回もこちらのプランで申し込んで、量・質共に大満足だったので今回も信州牛付きプランで予約しました。

大きな洋皿に付け合わせの野菜と共に盛り付けられたステーキは、奥のほうがモモで手前がロースです。皿の上にのっている赤いソースは「かんずり」という辛味の強い調味料で作ったもの。

とても良い焼き加減。ポン酢かステーキソースをつけていただきます。

ご飯は食事の後半に持ってきていただきました。

炊き込みご飯で、きのこ、油揚げ、ワラビが入っています。

最後の汁物はないので、鍋と一緒にご飯をいただきました。鴨の出汁でいただく炊き込みご飯がまたおいしい……。

最後はデザートのチーズケーキが!

これが、意外と言ってはなんですが外側はふんわり、中はしっとりしたなかなかおいしいチーズケーキでした。そして、デザートまですべて、日本酒と一緒においしくいただける料理でした。ごちそうさまでした!

2019年3月宿泊時の夕食は、野菜料理と山菜の小鉢の味と量に驚いた

初めて宿泊した2019年3月の夕食についても簡単にご紹介したいと思います。
このときもステーキプランで予約しましたが、最初に運ばれてきたお皿の数の多さに驚きました。

食前酒はスパークリングの赤ワイン。ちょっと珍しいですよね。これが甘くないのに香り爽やかでおいしかったのが印象に残っています。

お酒はこのときも「雪猿」を。
このお酒、にごり酒なのに甘すぎず濃すぎず、何の料理にでも合って本当においしいんですよ。

お刺身は信州サーモン、蛍烏賊、鯉の洗い。

鯉の洗いはまったく臭みなどなくて食べやすく調理されていました。酢味噌をつけていただくことが多いですけど、薬味と醤油でいただくのもおいしい。

そして、たくさんの野菜と山菜の小鉢。

地味なおかずだと思うんですけど、にんじんと炒り卵を合わせたやつとか妙においしくて、どうやって作るんだろうと思いました。

ふきのとうをひき肉と味噌で甘辛く炒めた料理もおいしかった……。ふきのとうって甘辛い味付けが合いますよね。

煮物は定番の大根。

油揚げの中にはすりおろしたとろろ芋が入っており、そのうえでこんがり焼いてありました。おそらく名も無き家庭料理のように思うのですが、すべて手がかかっていておいしかったです。

馬刺しは、2022年は刺身盛り合わせに含まれていましたがこのときは別皿で。

鮭にクリームソースかけて焼いた、洋風のおかずも良かったですね。

そしてステーキ!

 

旅館の食事でステーキというと固形燃料で自分でやくことが多いですが、ちょうどいい焼き加減でいただくのはなかなか難しいです。私は、調理場でおすすめの焼き加減で焼いて持ってきてもらえるほうが好きですね。

安代館でステーキ2度食べましたが、2度とも焼き加減が絶妙だし、肉質も脂が多すぎず少なすぎずちょうど良くて、めちゃくちゃおいしいステーキでした。

最後はやはり鴨鍋と炊き込みご飯で。

3月下旬の宿泊だったので、出始めの山菜をめいっぱい堪能できました。

2022年4月宿泊時の朝食は、具沢山な湯豆腐がうれしい

朝食は1階の広間でいただきます。基本的には8時からのスタートのようですが……。

この日は、私以外の宿泊客が全員早朝出発だったとのことで、なんと私1人でした。

料理はお膳にセットしてあり、席に着くと鍋に火を点け、ご飯とお味噌汁を持ってきていただきました。

鍋の中身は湯豆腐です。

野菜ときのこがものすごいたくさん入っていて、湯豆腐と言うよりも「鍋」という雰囲気ですね。

お味噌汁の具は「姫竹」で、卵が入ったかき玉汁になっていました。

左側の茶色い小鉢は「やたら」と言って、野菜や漬けものを細かく刻んで混ぜ合わせた長野の郷土料理だそうです。色が茶色い以外は山形の「だし」にそっくりでした。

自家製らしい漬けものもおいしい。温泉卵です、と言われたけど割ったら生だった!のはご愛嬌という感じですが、すべておいしくいただきました。

ちなみに2023年6月宿泊時の朝食は、概ね2022年4月と同じだったのでご紹介は省略しますが……。

2023年は卵はちゃんと温泉卵でした!

2019年3月宿泊時の朝食は、温泉卵も完璧でした

2019年3月も、広間で8時から朝食をいただきました。

このときは直前予約で土曜日に泊まったのですが、1人泊のお客さんが私以外に3人もいて驚きました。(基本的には土曜日1人で泊まれない宿なので……)

女将さんの話では「スキーシーズンも終わって空室が多かったので1人泊のプランを出したら一気に部屋が埋まった」のだそう。実は知る人ぞ知る宿で、土曜日に空室が出るのを待っている人が多いのかもしれません。

朝食のラインナップは2022年と概ね同じ。

ちょっと毒々しい色のハムが2枚乗ったサラダも同じ。ハムの色は派手だけど、ドレッシングがおいしくてこのサラダも地味においしいんですよね……。具沢山な湯豆腐も定番料理のようです。

ご飯が、2022年は白米でしたがこのときは黒米だったり、2022年は生のりんごが出ていたけどこのときは赤ワイン煮だったりぐらいの違いでしょうか。

このときは温泉卵はちゃんと、温泉卵でした・笑

朝食後にはコーヒーのサービスがある

朝食が終わると「コーヒーをどうぞ」とお声がけいただき、ロビーでコーヒーをいただきました。

コーヒーを飲んでいたら女将さんに

「今日はどちらに行かれるご予定ですか?駅まで車でお送りしましょうか?」

とお声がけいただいたので

「地獄谷に行ってみようかと思っているのですが、駅からバスに乗るのが良いんでしょうか?」

と聞いてみると、地獄谷の入口まで車で送っていただけることになりました。

送迎はおそらくご好意で、基本サービスではないと思いますので必ずあるとは思わないほうがいいですが、お心使いとてもありがたかったです。

【再訪したい度】★★★★★ 湯・食事共に良く、個性的で温かみのある宿

2022年に宿泊したときは、正直に言って「誰にでもおすすめできる非の打ち所がない宿」とは言えず、特に、脱衣所や浴室の雑然とした雰囲気が苦手に思う方はいるかも……と思っていたのですが。

それが2023年に泊まったときは大きく改善され、いわゆる「新しくてきれいな宿じゃないとダメな人」以外には皆におすすめしたい宿にグレードアップしていました!このご時に……すばらしいことだし、ありがたいなと思います。

シンプルにお湯が良くて食事がおいしいし、宿の方も温かく優しいです。料金は2食付きで、トイレ無しの部屋なら1万6千円ぐらいから。ステーキつけると+1980円です。山菜プランもステーキプランと同じぐらいのお値段でした。

「土曜日に1人泊のプランを出すと1人客ですぐ埋まってしまう」というお話からも、土曜日に泊まれるなら泊まりたい!と狙っている人は多いのかもしれないな、と思いました。

【1人旅に優しい度】60点:1人泊できるのは平日のみだが、まめにチェックしているとわりと土曜日も泊まれる

泊まりやすさ 10/20
基本的には1人泊のプランは平日のみの提供だが、予約が少ないときや直前でキャンセルが出たときはちょいちょい土曜日1人泊のプランも出ている。今確認したら今週土曜日も1人泊のプランがあった。

食事場所の配慮 10/20
夕食はお部屋に運んでいただける。朝食は広間食が基本のよう。

プランの選択肢 15/20 
1人泊はお得なプランの対象外になっているが、それ以外はすべてのプランを1人でも予約できる。「芸者さんコンパニオンさんを呼べるプラン」も1人で予約できる・笑

ドリンクオーダー  10/20
志賀高原ビールの瓶ビールが5種類あるのはとても素敵!ワインがボトルのみだったり、日本酒は300MLの瓶での提供なのであまりたくさん種類は飲めないかなという印象

フリーWi-Fi完備 15/20
Wi-Fi利用可能。普通に問題なく使える速度だった

◆ お知らせ ◆
2020年10月に著書が発売となりました。
一人旅をもっと楽しみたい方に向けたエッセイです。
一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。

*1:桜は2022年4月に撮影したものです。