気がついたら7年半の間に、百名山86座に登っていた
登山が趣味の方にはお馴染みだと思いますが、日本百名山とは随筆家の深田久弥が日本各地の山から選定した百座のことを言います。
日本で一番高い山、富士山も、当然のように日本百名山に選ばれていますね。
登山をしていると「自分は百名山をやっている」と言う方にちょいちょい出会います。「百名山をやっている」とはつまり「百名山すべての山に登頂することを目標としてがんばっています!」みたいな意味ですかね……。
私自身は「百名山すべてに登頂したい!」という目標を持っているわけではまったくないのですが、はたして何座ぐらい登っているんだろう……?と思って今日、数えてみました。そうしたら86座に登頂していました!けっこう登っていましたね・笑
とは言え「コンプリートしたい」と思ってやっているわけではないので、おそらく、私が100座すべてに登る日はこれから何年経っても来ないだろうなーと思います。そんな私が、日本百名山について日頃考えていること、今回この記事を書くにあたって考えたことについて、書いてみたいと思います。
百名山完登を狙っているわけじゃないのに、なぜそんなに登っているのか
それにしても86座ってけっこうな数ですよね。たしかに、山小屋なんかで「自分は百名山をやっている」という人と出会って話をしても、大抵その人より私のほうが多く登っているんですよ……。
私が登っていない百名山は、北海道にある9座と、南アルプス南部の2座、それから木曽御岳山と北アルプスの剱岳、あとは平ヶ岳でしょうかね。岩山が得意じゃないので剱はなんだかんだ後回しになってしまった……。
なんでそんなに百名山に登っているかというと、それは私が「公共交通機関利用の」「単独登山女子だから」という理由につきると思います。具体的には下記の3つが私が百名山に多く登っている理由です。
百名山は交通機関も登山道も整備されている
百名山は人気があるので、メジャーな登山口までのバス便が整備されていることが多いのです。「毎日アルペン号」など登山口まで直通の高速バスが運行しているのも、ほとんどは百名山の登山口です。
私は車の運転ができないので、登山口までバスの運行がある山を中心に登っています。どうしても登ってみたい山があるときは、山仲間を誘ってタクシーで相乗りしたりもしますが、基本は1人なので「あ、この山は登山口までバスが出ているのね。じゃあ登ってみようかな」ということになり、必然的にバス便が整備されている百名山に多く登ることになるというわけです。
さらに言えば、交通機関だけでなく、百名山のメジャーな登山ルートは登山道もきちんと整備されていることがほとんどです。私は「人の手が入っていない山を登りたい」気持ちはまったくなく、整備されたルートを安全に歩きたいので百名山はそういう意味でもうってつけというわけですね。
百名山は管理人のいる宿泊施設があることが多い
もしも私が男なら、宿泊施設のことなんかあまり気にせずに、無人の避難小屋に宿泊したり、管理されたテント場以外でビバークすることも厭わなかったかもしれません。
ですが私は女子。しかも単独で登ることが多い身です。
正直、トイレがないような場所には泊まりたくないですし、無人の避難小屋に宿泊して、他に宿泊者が男性しかいなかったらと思うと恐怖しかない……。小屋にしろテント場にしろ、管理人がいないところには泊まりたくありません。
まあ、過去には「単独女性登山者が管理人に殺害される」という有名な事件もありましたので、管理人がいれば絶対安心!というわけではないとは思いますが、管理人がいて、さらに他にも宿泊客がいれば大抵は大丈夫じゃない?と思うわけで。。。
百名山であればたとえ平日であっても「自分以外に宿泊客がいない……」ということはまずないので、安心感があるのですよね。
百名山なら確実に、自分以外も誰か登っている
たとえば平日に休みを取って里山に登ったりしたら「自分以外誰も歩いてない」という状況も普通にあり得ると思います。
混んでいる山が嫌いなのに矛盾していると思われるかもしれませんが、まったく誰もいない山というのもそれはそれで何か恐ろしいものです。少なくとも、私のレベルでは。
そこそこ人が入っていて、時折追い抜いたり追い抜かれたりすれ違ったりするんだけど、前後に常に人がいるというわけではない、ぐらいがなんというかちょうどいいんですよね。そしてそれが叶えられるのは「百名山をはじめとした人気の山に、一番いい時期をはずして登ったとき」ではないかと個人的に思っているのです。
つまり「紅葉が有名な山なら紅葉時期をはずす」「お花が有名な山なら、その花が咲いていない時期に登る」ということですね。シャクナゲの季節に甲武信岳には登らないと、そういうことです……。
百名山ハンターと私にはある共通点があった
ここまで書いてきてすごく腑に落ちたのですが、なぜ私が百名山ハンターの方とよく出会ってしまうのかがわかりました。
以前「山で出会った人と仲良くなったけど、実はその人が百名山ハンターだったので登山スタイルが相容れず関係が続かなかった」という話を書いたことがあります。
この記事ですね。
この記事を書いたときに「若い人でも百名山やってる人がそんなにいるんですね!」というコメントをいただき
「たしかにそうだな……ていうか私、山で百名山ハンターと遭遇する率高くないか?」
と思ったのですが。
理由はおそらく私が「混んでいる山が嫌いで、その山の一番いいシーズンをはずして登るから」なのではないでしょうか。
多くの人は、紅葉が有名な山には紅葉時期に登りたいと思いますし、お花が有名な山ならその花が咲いている時期に登ろうと思うでしょう。でも私は、紅葉にもお花にも興味が薄く、あまりこだわらずに登っていることがほとんどで。
初冬の奥秩父の、すっかり落葉して人が少なくなった登山道を歩き
「いやーマジ人が少なくてこの時期最高だわ!というか、こんな人が少ない季節にまだ山小屋が営業してくれているから百名山ってすばらしいよね」
などと考えているのが私です。
そして、百名山ハンターの人は「とにかく登頂できればいい」という考えの方が多いので、やはり、登る時期にこだわりません。
「もう11月下旬でアルプスとかはちょっと登れないけど、今からでもどこか登れる百名山は……あ!金峰山とか甲武信岳とかまだ山小屋営業してるじゃん!」
で、出会ってしまうのですね・笑
でも、そういう方が一定数いるから、金峰山小屋も甲武信小屋も11月下旬まで営業を続けていてくれたわけで、私は百名山ハンターの方にお礼を言うべきなのかもしれません、もしかしたら。
百名山ハンターに対して私が疑問に思ってしまうこと
そんなわけで「とにかく混んでる山が嫌いな公共交通機関利用ハイカー」の私と「百名山ハンターの方」には実は共通点があったわけですが、山でハンターの方と出会ってお話したときに、私が「おお……そういう風になっちゃうのか……」と、ちょっとがっかり、ちょっと疑問に思ってしまう瞬間がありまして。
それは「次どんな山に登ろうと思ってる?」「○○山とか、これからの季節でもまだ登れるし、なかなか楽しい山ですよね」みたいな話になったときに、ハンターの方が
「そこはもう登ったからいいや」
と言い放つ瞬間なのです。
まるで「もう登った山には価値がなく」「まだ登っていない山にだけ価値がある」みたいな言い方をされてしまうと「それって……」と思ってしまうのですね。まあ、みんながみんなそうではないですし、私も「ああ……そうなの……」と思っても口にも顔にも出しませんけども。
まあ、山に登る理由は人それぞれなので「まだ登っていない山に登りたい」ということも立派な動機の一つだとは思います。でも「百名山完登してからでいいから、前とは別の季節に、もしできるなら別のルートで登ってみるのもきっと楽しいよ……」と心の中で思ったりしているわけです。
むしろ、単独登山女子は百名山に登るべきなのかもしれない
そんなわけで、日本百名山は公共交通機関利用の単独登山女子にうってつけの山ではないかと私は思います。
日本百名山に選ばれている山の多くはそこそこ標高が高いので、難しそうに感じる方も多いかもしれません。たしかに難易度の高い山もありますので計画は慎重に立てなければなりませんが、難易度や登山適期も含めて、情報がとにかくたくさん出回っているのも日本百名山のいいところです。
Amazonでちょっと検索すればいくらでもガイドブックやムック本が出ていますし、ヤマレコなどでも大量の登山記録が公開されています。さらに、1人で行くのが不安なら、登山ツアーも数多く企画されています。
以前も何度かブログに書いていますが、あまり登られていない里山の低山よりも、難易度が自分に合っていて装備もきちんとしていれば、そして天気に恵まれれば、メジャーな高山のほうが無理なく登れることが多いものです。
そういう意味でも、単独登山女子は積極的に日本百名山に登ったほうが良い!というわけで、ここからは私がこれまで登った百名山についての所感を書いていきたいと思います。
何度も繰り返し登っている百名山
多くは、東京から近かったり、交通の便が良く登りやすい山であることが多いですが、何度も繰り返し登っている山がけっこうあります。
どの山に何回登った!と、ちゃんと数えてはいなくて申し訳ないのですが「3回以上は確実に登っている」山が16座ほどありました。
金峰山
「一番好きな山はどこですか?」と聞かれると「金峰山」と返答することが多い私です。そのときの気分で、違う山を挙げることもありますが……。
ブログにも、2記事ほど書いていますが、年に1度は登っていますので、おそらく10回ぐらいは登っているんじゃないでしょうか。
金峰山に繰り返し登っている理由はいろいろありますが、何よりも「金峰山小屋が好き」ということが大きいように思います。数年前から、最も山頂までの距離が短い大弛峠までバスが運行するようになって、バス利用でも日帰り登山できるようになりましたが、私は日帰りで金峰山に登りたいとはまったく思いません……。
山頂直下の金峰山小屋に泊まり、天気が良ければ夕日と朝日を眺めておいしいご飯を食べて帰りたい……。
6月~11月初旬の週末は混むので、私は専ら11月中旬~5月の週末に登っています。
小屋の営業はいったん11月下旬で終了しますが、冬の間も、年末年始と1月中の週末は営業しているのがありがたいです。
今年は数年ぶりに、金峰山から甲武信岳まで縦走しましたよ!疲れたけど楽しかったー。
瑞牆山
金峰山のすぐ側にあって登山口も同じ「瑞牆山荘」からスタートできる瑞牆山。
百名山ハンターの方の多くは、金峰山と瑞牆山をセットで登られるようです。早朝に瑞牆山荘をスタートしてまずは瑞牆山に登り、午前中のうちに富士見平小屋まで戻ってそのまま金峰山へ。その日は金峰山小屋に1泊して翌日下山するというプランですね。
ですが私はいつも、瑞牆山は瑞牆山だけで登ります。
というのは、瑞牆山は東京から公共交通機関利用で日帰り登山できる山の中ではかなり登り甲斐のある山なんですね。
見た目にもゴツゴツしていて、いかにも登るの大変そうに見える瑞牆山ですが……。
実際けっこう大変です。標準タイム5時間ぐらいですが、そのうち3時間ほどは岩だらけのコースで、危険度はそれほど高くないものの、かなり疲れます。正直な話「すごく楽しい山なのか」と言われたらそうでもないのですが、しんどさ加減がトレーニング登山には持ってこいなんですよね……。
瑞牆山に公共交通機関利用で登るためには山梨県の韮崎駅(甲府よりさらに先)からバスに乗る必要があり、いくら登り甲斐があると言ってもそこまで行くの面倒じゃない?奥多摩の山で良くない?と思われる方もいるかもしれません。
しかし、瑞牆山の麓には増富温泉なるすばらしい温泉が湧いているのです。
登山口行きのバスも、しっかり増富温泉を経由してくれますので、瑞牆山登山は増富温泉とセットで楽しめるのですよね。
さらに、帰り道は甲府に寄って一杯いただいて帰るのが私の定番コースです。
瑞牆山で疲れた体を増富温泉のぬる湯で癒やし、そして甲府でおいしいお酒をいただいて〆る。これが楽しくて毎年のように瑞牆山に登ってしまうのです。
甲武信岳
瑞牆山・金峰山と同様に、奥秩父主脈縦走路上にある日本百名山の甲武信岳ですが、6月ごろに咲くシャクナゲがとにかく有名です。
実は私も、登山を始めて2年目に一度だけ、噂のシャクナゲを見てみたくて6月の甲武信岳に登ったのです。小屋は死ぬほど混むと聞いたので、テント泊で。
西沢渓谷までバスで向かい「徳ちゃん新道」なる急坂の登山道をテントを背負って登りました。たしかに、登山道の両サイドにこれでもかというほどシャクナゲが咲き乱れ、これは有名になるのもわかるわーと思いました。
でも、6月と言えば梅雨。天候が安定しないんですよね……。
この日も、初日は曇ったりときどき雨がパラついたりという空模様でしたが、翌日は朝からしっかり雨。雨の中をテントを担いで下山しながら「まあ、1度はシャクナゲ見に来るのもいいけど、次は晩秋とかでいいなー」と思い、最近は専ら11月中旬以降に登っています。時には金峰山から縦走することもあり。
甲武信小屋も金峰山小屋と同様に、山頂から15分ほどのところにあります。晩秋は比較的天候も落ち着いているので、日の出が見れる確率も高いように思うんですよね。
この記事のアイキャッチでも使っている、朝焼けに染まる富士山は、先日金峰山小屋と甲武信小屋に泊まって縦走した際に甲武信岳山頂近辺で撮影したものです。この縦走では何人もの百名山ハンターの方と出会いました。みんな、今も元気に百名山登っているのかなー。
雲取山
東京都最高峰として名高い雲取山も、日本百名山の一つに数えられています。
標高が2017メートルなので、2017年には特に多くの方が登られたようですね。
奥多摩駅からバスの便も良く、通年営業の営業小屋が複数あるので、私もこれまでさまざまな季節に、さまざまなルートから登っています。
山頂直下にある山小屋「雲取山荘」は、GW以降秋までの週末はいつも混んでいるということもあり、人によっては「雲取山荘に泊まるぐらいなら山頂避難小屋に泊まったほうがいい」という方もいます。でも、冬の雲取山荘は人が少なくてトイレが異様にきれいで暖かく、コタツのある個室を運が良ければ独り占めすることもできる最高の山小屋です。
丹波山村方面にある温泉付きの山小屋「三条の湯」に泊まって雲取山に登ることもありますが、三条の湯はもちろん、温泉に入れるところが最高です。
ただし、三条の湯の源泉は年にもよりますが、1月中旬ぐらいになると雪が降って凍り付いてしまうらしく……私は源泉が凍る前の12月か、春先の4月上旬ぐらいに泊まるようにしています。冷鉱泉の湧かし湯ですが、なかなかいいお湯なんですよね……。
ちなみに温泉にこだわらないならば、沢水の湧かし湯になってしまいますが、2月などの真冬でも三条の湯ではお風呂に入ることができます。
丹沢山
実は、ここ2年ぐらいあまり登っていないのでブログに紹介記事はないのですけれど、丹沢にも冬の間はよく登っています。
塔ノ岳の山頂にある「尊仏山荘」に泊まって、丹沢主脈を縦走することが多いですね。
お隣丹沢山の「みやま山荘」が、食事メニューが凝っていて建物も新しいので人気がありますが、尊仏山荘のほうが空いていて眺めが良く、料金も安いので週末に泊まるなら私は尊仏山荘派です。みやま山荘は、週末になると冬でもびっくりするほど混むんですよね……。
尊仏山荘は、小屋の目の前で朝日も夕日も見れるし、近くに水場もあるし……。
夕日は富士山の側に沈んでいきます。
夜景も恐ろしいほどギラギラしていますしね。
このあたりは、星を眺めたい人にとってはマイナス要因かもしれませんが、丹沢は東京横浜に近いですからね……。
私は、星空にもそんなにこだわりはないので「夜景すごいなー」と思って眺めています。
ここ数年登っていませんが、これまで10回は登っているはず……この冬はまた、丹沢にも行ってみるのもいいなあと考えています。
大菩薩嶺
百名山ハンターの方は、かなり初期の頃に最短ルートで登ってしまって「もういいや」となってしまうことの多い山、大菩薩嶺。
4月から12月上旬ぐらいまで、登山口の上日川峠までバスが出ており、同じ登山口まで自家用車で行くことも可能です。上日川峠から最短ルートで山頂に向かえば、往復3時間ほどで登れてしまうので「何の印象にも残っていない」という話もよく聞きますね。
ですが私はあえて、山頂から稜線を30分ほど歩いたところにある大菩薩峠の山小屋「介山荘」に宿泊して、1泊2日で楽しむことが多いです。
大菩薩嶺の山頂は、このように樹木に囲まれて見晴らしのよくない場所なのですが……。
介山荘のある大菩薩峠はこんな風に見晴らしの良い稜線上にあり、大菩薩湖と富士山を間近に眺めることができるのです。
実は、今年の12月初旬に久々に介山荘に宿泊して大菩薩嶺に登ったのですが、介山荘は暖かく快適そのもの。
小屋の目の前で見ることができる、南アルプスに沈む夕日も美しかったです。
翌日は「丹波大菩薩道」を歩いて丹波に下山したのですが、道はしっかり整備されているのにほとんど誰とも出会うことなく、最高の登山でした。
大菩薩峠の介山荘には何度も泊まっていますが「登るだけなら日帰りでいくらでも登れる山にあえて泊まる」人たちなので、百名山ハンター的な方は誰もおらず、みな最短ルートではなく、個人的に思い入れのあるさまざまなルートを通って下山していきます。
私は「丹波大菩薩道」が好きですが、丸川峠を経由して裂石に下りる人や、牛の寝通りを下って小菅村に下りる人、秀麗富嶽12景の一つである小金沢山・牛奥ノ雁ヶ腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま)を経由するルートを歩く人もいますね。
たぶん、普通に山好きな方でも「大菩薩嶺になんで泊まりで行くの?」と思われる方のほうが多いと思うのですけれど、実は公共交通期間利用でもいろんなルートが楽しめるので、ものすごくおすすめです。そのうち山小屋レポートも書きたいと思っています。
八ヶ岳
私のホームと言ってもいい山域八ヶ岳。
晩秋~冬~5月ぐらいの間でよく登っています。夏になると、混むのでね……。
屋久島の白谷雲水峡のような苔むした道も、冬になれば樹氷も、そして岩稜帯の山も楽しめて、山域の広さもちょうど良く、サービスのいい山小屋が点在している。マジで最高な山域だと思うので「最高峰の赤岳に登ったからもういいや」なんていう方はさすがに少ないのではないか?と思っているのですが、希望的観測でしょうか……。
もし「赤岳以外にはじゃあ、どこを登れば?」という方がいたら、やっぱり天狗岳がおすすめだと思います。
冬山登山の心得がある方なら、冬もすばらしいです。
冬山入門なら北横岳や縞枯山も鉄板ですね!
赤岳も、ツクモグサの季節に橫岳硫黄岳と縦走するのが最高だなって思います。
霧ヶ峰
八ヶ岳に近い霧ヶ峰も、東京から公共交通機関利用で日帰り登山できる貴重な山なので、さまざまな季節に何度も登っています。
やはり、ニッコウキスゲの咲き乱れる7月ごろが気持ちいいですが、それ以外の季節でも、いつでも楽しいです。
上の記事でおすすめしている、車山肩にあるころぼっくるひゅっての厚切りトーストは、午後には売り切れてしまうことが多いので、着いたら真っ先に食べに行くのがおすすめです。
木曽駒ヶ岳
木曽駒ヶ岳も、毎年のように登っている山ですね。
大菩薩嶺同様、日帰りで登られる方が圧倒的に多い山ですが、駒ヶ岳頂上山荘でテント泊すると、ロープウェイの混雑時間帯も避けることができますし、テント場ではすばらしい日の出を眺めることもできて、控えめに言っても最高です。
また、木曽駒ヶ岳の登山口行きのバスが出る「菅の台バスセンター」の近くには、南信州ビールの直営レストランがあるので、夏に来たときは必ずと言っていいほど立ち寄りますね。
2018年の3月には、ロープウェイの千畳敷駅直結の宿泊施設「ホテル千畳敷」に泊まって初めて、雪の木曽駒ヶ岳にも登りました。
無雪期に何度も登っている千畳敷カールが、まったく様相の異なる顔を見せてくれて興奮しましたね。
ホテル千畳敷の人気が高くてなかなか週末の予約が取れないのですが、いつかまた泊まって登りたいです。
乗鞍岳
「一番簡単に登れる3000メートル峰」などと、名誉なんだか不名誉なんだかよくわからない呼び方をされがちな乗鞍岳も、百名山ハンターの方は始めて間もない頃に「もう終わった」と思ってしまいがちな山の一つではないかと思います。
実際私も、乗鞍岳に登ったのは登山を始めた年の9月でした。標高2702メートルの畳平までバスで行けてしまうので、ほんのちょっとしか歩いていないのにいきなり高山らしい景色に出会えて感動したものです。
向こうに見えるのが畳平バスセンターですね。バス降りてすぐにこの景色!
雲の中を歩いたり……。
山頂周辺の火山らしい山容は特にお気に入りです。
気軽に登れるので「普段登山しない人に登山の良さを伝えたい」というときにも最適な山だと思います。バスを降りてすぐ景色に感動して「もっと上のほうまで登ってみたい」と思うこと間違いなしですので……。
麓にある乗鞍高原温泉もすばらしい温泉です。いい宿もありますし。
いわゆる温泉宿だけでなく、食事のおいしいペンションに泊まるのも良いです。
無雪期だけでなく、まだ雪の残る6月初旬に「春山登山バス」に登ったのも楽しかったですね~。
いつか、まだバスが開通する前の雪深い季節に、2月から営業開始している位ヶ原山荘 に泊まって登ってみたいなあ……などと考えたりして。夢が膨らみますね。
立山
東京からは少々距離があるのですが、季節を変えて何度も登っている山が立山です。
雪のない季節にテント泊するのも最高に楽しいです。テント泊のときも日帰り入浴できる温泉が近くにありますので……。
新雪の11月と残雪の6月に、温泉付き山小屋に宿泊したのもすばらしい体験でしたね。
かつては、立山に来ると帰りは黒部ダムを経由して信濃大町に出て、松本を経由して帰ることになり、乗換が多くて面倒だったのですけど、北陸新幹線が開通してからは、富山側に下りて、富山駅から新幹線で帰ることが多くなりました。
富山駅前でお寿司と一杯いただいて〆るのが幸せですね。
ちなみに、行きは富山駅に早朝に着く夜行バスを利用することが多いです。
吾妻山
東北出身ということもあり、東北地方の山にも繰り返し登っている山がいくつかあります。たとえば吾妻山。
これまで季節を変えて3回登っているのですが、チングルマとワタスゲがこれでもかと言うほど咲いている、6月下旬に登ったのが本当にすばらしかったですね。
咲き乱れるチングルマ。
モフモフのワタスゲ。
山行記録はこちらです。
あれ?花の咲く季節は混むから嫌なんじゃなかったの?と思われた方もいるかもしれませんね。でも、東北の山ならそこまで混まないんです!すばらしい……。
吾妻山は福島県と山形県の県境にある山ですが、公共交通機関利用の場合は山形県側から登ったほうがバスの便は良いです。
私は、山形側の登山口近くにある温泉宿に一泊して登るのが、最近の定番ですね。
安達太良山
高村光太郎の智恵子抄の一節「阿多多羅山の山の上に 毎日出ている青い空が 智恵子のほんとの空だという」で有名な安達太良山。
スキー場が登山口になっていて冬でも交通の便が良いため、スキー場が営業している冬にも何度か登っています。直近では、紅葉シーズンが終わりウィンターシーズンが始まる前の11月にくろがね小屋に1泊して登っていますね。
安達太良山自体は日帰りで十分登れる山ですが、温泉付き山小屋であるくろがね小屋は本当にすばらしいので、登頂せずにくろがね小屋に泊まるためだけに来ても十分楽しめます。実際に、天気があまり良くなかったので登山口から小屋を往復するだけで帰ったこともあります。
雪の季節も楽しいですが、雪深いポイントもあるのでワカンかスノーシューは持っていったほうが賢明です。それと、冬のくろがね小屋はバックカントリーを楽しむ人でかなり混み合っており(予約定員制なので1つの布団に2人とかにはなりませんが)予約の競争率は高めです。
それに比べると紅葉が終わった後の晩秋は、小屋も山も空いているし、火山らしい山容も楽しめるのでおすすめですね。
数年前には登山口のすぐそばに日帰り温泉施設もでき、ますます便が良くなりました。
会津駒ヶ岳
安達太良山と同じく、福島県の百名山である会津駒ヶ岳。尾瀬にも近いところにあるため、ハンターの方は燧ヶ岳と一緒に登る方もいるようですね。私自身も歩いたことはありませんが、燧ヶ岳から縦走路も繋がっています。
私自身は、近年、麓の「尾瀬檜枝岐温泉」の宿に一泊して、早朝から会津駒ヶ岳に登ることが多いです。
檜枝岐温泉の宿は、山菜料理が本当においしかったので、5月の残雪期に泊まって山菜料理をいただき、翌日会津駒ヶ岳を登る……というプランがお気に入り。
2018年はゴールデンウィークに、まずは檜枝岐温泉に1泊して翌日会津駒ヶ岳に登り、山頂直下の駒ノ小屋に一泊して最終日はのんびり下山、という計画で登りました。
駒の小屋は予約定員制の自炊小屋(寝具はあり)で、ゴールデンウィーク中ということで定員いっぱいの人が泊まってはいたのですが、山頂直下で一泊したことですばらしい日の出も見ることができたし、行程がゆったりになってのんびり楽しむことができて良かったです。
前泊して日帰り登山だとやっぱり、帰りのバスの時間が気になってしまって、山行中に気が急いてしまうタイミングもあったのですよね。
山中一泊して会津駒ヶ岳に登るスタイルもなかなか気に入ったので、次は違う季節にまた行ってみたいなーと思っています。
谷川岳
群馬県の谷川岳は、東京から交通の便が良く、公共交通機関利用で日帰り登山できる貴重な山の一つなので、やはり何度も登っています。
最近は、積雪期に登ることが多いですね。人気の山なので、夏や紅葉時期は人が多すぎるということもあり……。
とは言えこんな感じで、冬でも晴れた日はかなり大勢の人が登ってはいるのですけどね。それでも、紅葉時期なんかに比べればぜんぜん。
そして下山後は、麓の温泉宿に一泊してから帰るとかなり幸せになれます。
那須岳
東京から近く、交通の便が良く、一番手前にある茶臼岳だけ登るなら、谷川岳と比べて登山の難易度が低い……というわけで、那須岳も乗鞍岳と同様に「普段登山しない人に山歩きの楽しさを知ってもらう」のにちょうどいい山だと思っています。
活火山らしく、噴気があちこちから上がり、ゴツゴツとした岩が迫ってくる風景に、それほど体力を使うことなく出会えるのは魅力ですよね。
那須湯本温泉や大丸温泉など、麓には数多くの温泉があるため、下山後の日帰り入浴にも事欠きませんし、一泊して帰ってくるのもいいですよね。
また、那須連山の山腹にある三斗小屋温泉に一泊して登る最高に楽しいですね!
煙草屋さんと大黒屋さん、私は両方泊まってみましたが、どちらも違う良さがあって良かったです!また空いているときに泊まりたいですね……。
なかなか行けないけど本当はまた登りたい百名山
遠かったり、天気が安定しなかったりでなかなか再訪できないけれど、また登りたい!と思い続けている百名山もたくさんありますので、思いつくままにご紹介したいと思います。
白馬岳
最初に登ったのは2012年の8月。登山を始めて2年目、テント泊を始めてから数ヶ月後に、テントを担いで白馬岳の代名詞、白馬大雪渓を登りました。
白馬岳頂上宿舎のテント場で幕営し、翌日は白馬三山を縦走して白馬鑓温泉へ。
鑓温泉で幕営して翌日下山するという2泊3日の山旅は、当然温泉もすばらしく、高山植物も花盛りで最高に楽しかったです。
白馬山荘のレストランでビール飲んだのも楽しかった……。
楽しかった印象があまりにも強烈なので「行くなら次回も2泊して……」「また鑓温泉に寄るのもいいし、蓮華温泉に下山するのもいいかも」「もちろん天気がいいときがいいなー」などと欲張ってしまい、なかなか再訪が叶わないのかもしれません。
白馬岳だけを1泊で登るのなら、すぐ行けるんだと思うのですけどね。あまりにも楽しいところ過ぎて1泊ではもったいないと感じてしまっている自分がいますね……でも、また行きたい。
鳥海山
ここからは山形県の百名山がなんと4つも続きます!我が地元ながらなんていい山が多いんでしょうか。地元なら帰省のついでにでも登ればいいじゃない、と思われるかもしれませんが、地元だからわかる……山形は一年を通じて、天気が安定しないんですよ……。
鳥海山に登ったのは2015年の7月のことですが、登りたいと思って計画を立て始めたのはその2年前ぐらいでした。「この日に登りたい!」と思って、麓の象潟行きの夜行バスを予約しても、その日に限って晴れてくれないんですよね……。
しかし、ようやく念願叶って登った7月の鳥海山は、残雪と日本海を背景にニッコウキスゲが咲き乱れる、天国のような場所でした。
山頂周辺だけが別の山のようにゴツゴツとした岩山になっているのも、いかにも火山らしくて良かったですね。
また、天気のいいタイミングを見つけて登りたいです。
月山
私の地元に一番近い日本百名山である月山。
私の名前「月山もも」の名字も、もちろんこの月山から取りました。(名字のほうは「つきやま」と呼んでいただけますと幸いです…)
月山に一番最近登ったのは2014年の8月のことです。
鶴岡駅からバスが出ているので、鳥海山よりは登山口へのアクセスは良いのですけど、月山もなかなか晴れなかった……。実は、私の卒業した小学校では、5年生と6年生のときに学校登山で月山を登るのですけど、5年生のときは何度も雨天順延になってついに登れませんでした。そのぐらい、雨が多いのです……。
なんとか登ることができた2014年のときも、そこそこ雲は多かったですが、何度か霧に包まれながらも雨には降られずに下山できて良かったです。
バス利用で日帰り登山だとどうしても、慌ただしくなってしまうので、次回は山頂直下の営業小屋に泊まって登りたいなーと考えています。
そして、下山後に湯田川温泉で一泊して帰れば、もう、最高の夏休みになること間違いなしですね!
飯豊山
福島県・新潟県・山形県の県境にある飯豊連峰は、2015年のシルバーウィークに縦走しました。
飯豊連峰には営業小屋はなく、管理人のいる避難小屋のみ。避難小屋周辺の指定地では幕営できるところが多いです。私はテント泊で会津側から入り、新潟側の登山口までわりとガッツリ縦走しました。
天気にも恵まれ、紅葉も美しく……。
テント場も避難小屋も混んではいましたが、美しい夕焼けも眺められて大満足!ではありましたが、長い縦走路なのでかなり疲れましたね。
飯豊連峰は幸い水場が豊富な山なのは良かったですが、小屋は営業小屋ではないので飲食物の補給はあてにできません。4泊5日分の衣食住をすべて担いで登るのは、覚悟していたとは言えなかなかにきつかったです。
でも、きつくてもまた行きたいと思わせるすばらしい山だったのです。縦走中ずっと天気が良くてラッキーだったのですが、初回がいい天気過ぎたから「次に行くときも天気がいいときがいいなー」という気持ちが出てきてしまい、なかなか2度目に踏み出せないのかもしれないなあと。
朝日連峰
山形県の大朝日岳には、2015年の8月に、朝日鉱泉に前泊した後、山頂避難小屋に1泊して登っています。
山頂避難小屋はめちゃめちゃ混んでいて大変でしたが、山行自体は非常に楽しいものでした。
ただ、このときは大朝日岳にしか登れなかったので、できれば鶴岡市の大鳥から朝日連峰を縦走したいんだよなあ……と思いながら、交通機関や天気の調整がうまく行かず、叶っていません。
九重山
大分県の九重山には、2度登っています。
1回目は2014年の3月、温泉付きの山小屋、法華院温泉山荘に泊まって登りました。
春分の日の連休を利用しての登山だったのですが、初日に大雪が降り、思いがけず雪山登山となりました。
宿の方の話では、前日までまったく雪はなかったとのこと……。
しかし、雪の日に山中で温泉に浸かり、翌日雪のついた北千里浜を歩いたのは、なかなか得がたい経験でした。
その後に1度、ミヤマキリシマを見に6月に登っているんですが、雨に降られてしまい……。やっぱり、花を見に登るのはあまり楽しくないなーと思ってしまいました・笑
とは言え、周辺には温泉も多く、とても気に入っている山域なのでそのうちまた!!と、思い続けています。
宮之浦岳
鹿児島県は屋久島にある日本百名山の宮之浦岳には、2014年の4月に登りました。淀川口から入山し、淀川小屋と高塚小屋で幕営して白谷雲水峡に下山する、2泊3日の定番の縦走コースです。
屋久島も、我が地元山形に負けず劣らず雨の多い地域ですが、このときも降ったり止んだりの天気でした。しかもカメラの調子が悪く……縦走中ほとんど役に立たなくて、ずっとスマホで写真を撮っていたという悲しみ……。
縦走路は、晴れたり曇ったり。
スマホで撮ったから?ヤクシカもなんだかもやっとした写りですね。。。
次回はちゃんと、防塵防滴のカメラを持って登りたいなと……。
それに、屋久島は温泉も多く食事もおいしくて、旅としてもかなり楽しかったのです。
刺身定食なのにトビウオの唐揚げがどどんと!刺身も当然おいしい……。
海に面した露天風呂の湯泊温泉は、それほど混んでなくて良かった……。
毎年「また屋久島に行きたい」と思うのですが、行くならある程度まとまった休みを取って行きたいし、当然天気も気になるし……で、なかなか再訪できずにいますね。そのうちきっとまた!
正直もういいかな……と思った百名山もあることはある
86座登った中には「正直ここはそうでもないかな」「二度目はないかな」と思った百名山も、もちろんあります。
ただ、どのルートで登るかにもよると思うのですよね。
だからたった1回の登山で「この山はもういいや」と決めつけないほうがいい、とは思うのですが……初回の印象があんまりだと、やはりなかなか足が向かなくなってしまいます。
特に、天気がいまいちで楽しくなかったのなら「次回はもっと天気がいいときに!」と思うのですけど、そこそこいい天気で登ったのに……ということになると、もうね。
小さな声で言うと、高妻山、皇海山、祖母山はわりとしんどかったです。祖母山は、ルートにも寄るんだろうなと思うのですが、公共交通機関利用だとかなり登山口が限定されてしまうので「次回は別の登山口から!」というのも難しいのですよね。そもそも大分ですし・笑
百名山に選ばれなくて良かった!と思う山もある
「あれ?この山って百名山じゃなかったんですね」と思ってしまうほど、いつも人で賑わっている山もありますよね。
たとえば、燕岳。
北アルプス入門にちょうどいい整備された登りやすい登山道と、燕山荘という超有名な山小屋があることが大きいのだと思いますが、百名山じゃないのにいつも人でいっぱいなので、これでさらに百名山だったら大変なことになったのではないかなと……。
それから、大好きな秋田駒ヶ岳も日本百名山には選ばれていません。候補には入っていたらしいのですが……。
百名山ではないですが地元の人に愛されて、登山口までの交通機関や登山道もきちんと整備されていますし、いつもそれなりに登山者で賑わっています。
これでもし、百名山に選ばれていたら、きっと八幡平や岩手山とハシゴして登るハンターがたくさん湧いてきたんだろうなーと思いますので、秋田駒ヶ岳を百名山に入れないでくれて、本当にありがとうと言いたいです。
二百名山・三百名山・花の百名山ももっとメジャーになればいいのにと
田中陽希さんは、グレートトラバースで百名山を登り終えた後、二百名山、三百名山と踏破を続けていますね。
日本百名山に比べるといまいちメジャーになりきれない二百名山や三百名山が、これを機にもっと有名になって、交通機関や宿泊施設が整備されたらいいなー、などと秘かに思っていたのですが、さすがにそこまでの影響はなさそうですね。それはそうか……。
実は、登山を続けていく上での私の願いは
「登山の楽しさに目覚めて山に登る人が増え、宿泊施設や交通機関が潤い、整備されて気軽に登れる山が増えること」
だったりします。
今後、人口減少と共に登山人口も減っていくはずなので、今以上に気軽に登れる山が増えることは現実には難しいかもしれません。でも、今、私が楽しく登らせてもらっている山が、荒れ果ててしまうことのないように……と。
日本百名山は「ちょっと登ってみようかな」ぐらいの気持ちで登山を始めた人が、どっぷりと登山にハマるのにちょうどいいきっかけなんだろうなと思います。
だからこれからも、山で百名山完登を目指している人に出会ったら「1回登った山はもう登らなくていいなんてひどい!」なんて思わずに「すごいね、がんばってね」と背中を押してあげなくてはいけないんだよなー、と思いました。おわり。