那須の秘湯 三斗小屋温泉 煙草屋旅館
三斗小屋温泉は、那須岳の山腹にある温泉地でアクセスは徒歩のみ。
大黒屋旅館と煙草屋旅館という2軒の宿のみがある、那須の秘湯です。
最短でも山道を2時間程度は歩かなければならないため、行くためにはきちんとした登山装備が必要です。
紅葉の時期などは非常に混み合うのですが、まだ雪の残るゴールデンウィーク前の時期であればそれほど混んでいないのでは……?と思い、4月に煙草屋旅館さんに宿泊してきましたので、レポートしたいと思います。
- 那須の秘湯 三斗小屋温泉 煙草屋旅館
数年前の同じ時期に大黒屋旅館に泊まったので、今度は煙草屋へ!
三斗小屋温泉に2軒ある温泉宿「煙草屋」と「大黒屋」のうち、大黒屋旅館さんには数年前に1度宿泊し、ブログにもレポートを書いています。
大黒屋と煙草屋の特徴としては、上記の記事にも書いていますが
■大黒屋
・露天風呂はない
・食事は部屋に運んでくれる
・朝食を弁当に変えることはできない。(昼食弁当の用意は可能)
・混雑期以外は浴衣を用意してもらえる(混雑期は連泊の方のみ)
・どちらかと言えば旅館っぽい雰囲気
■煙草屋
・露天風呂がある(混浴。女性専用時間あり)
・食事は会場食
・予約時に申請しておけば朝食を弁当にできる(昼食の弁当の用意も可能・予約制)
・完全予約制だがテントも設営できる(3張のみ)
・どちらかと言えば山小屋っぽい雰囲気
というような違いがあります。
大黒屋さんに宿泊したときの印象がかなり良かったので、また大黒屋さんに泊まりたい気持ちもあったものの、せっかく2軒あるのだから、煙草屋さんにも泊まってみたい!というわけで今回は煙草屋さんを予約しました。
三斗小屋温泉は2軒とも冬期休業期間があり、営業しているのは4月の中旬ごろから、11月下旬ごろまでです。
4月の営業開始直後であればきっとそれほど混んでいないはず!と思い、営業開始直後の土曜日に予約を入れました。
煙草屋旅館さんでは、メールやインターネットでの予約はありませんが、公式サイト上で予約状況がカレンダーに表示されているので、それを見て電話予約をします。
予約電話番号も↑こちらのページに書いてありました。
宿泊の1週間ほど前に電話して無事に予約が取れたので、当日は新幹線で那須塩原駅に向かいます!
那須塩原駅からバスに乗り、那須ロープウェイ山麓駅へ
東京から那須塩原駅まで新幹線で向かい、那須塩原駅から「那須ロープウェイ」行きのバスに乗ります。
登山口のバス停から三斗小屋温泉までは2時間ほどの道のりですが、お昼前には歩き始めて14時台には宿に着きたいところです。
そのため私は、10時15分那須塩原駅発、11時32分那須ロープウェイ着のバスに乗り込みました。時刻表はこちら。
登山シーズンとしてはまだ早めということもあり、バスはかなり空いています。
1時間15分ほどバスに揺られた後、終点那須ロープウェイで下りようとすると、運転手さんから「那須高原フリーパス券」なる2日間有効のフリーパス券の案内を受けました。
那須塩原駅とロープウェイ駅の片道の運賃は1400円です。つまり往復するだけで2600円以上かかってしまうので、往復ともバスを使うならフリーパスを買ったほうがお得なうえに、途中区間で何度下車してもフリーなんだそうで。
帰りに那須湯本あたりで日帰り入浴でもしようと考えていた私にとってはかなりありがたかったです。Suicaに対応していないバスでしたので、毎回運賃を小銭で払うのもしんどいと思ってたんですよね。。。
運転手さんに余裕がないときだと、向こうから案内してくれないこともあるようなので、那須塩原からバスで往復する方は必ず、乗車or下車時にフリーパスのことを聞いてみましょう!社内で買えますので。
さて、バスを降りたらトイレを借りにいったんロープウェイの駅構内へ。
ちなみに、先ほどの「那須高原フリーパス券」を持っていると「ロープウェイの往復乗車券」も1割引きになるのですが、往復乗車券は有効期限が当日のみなので、三斗小屋温泉に宿泊する際は買うことができません。
注意書きも貼ってありました。どのみち、行きはロープウェイを使わないつもりだったので良いのですけどね。
駅構内にはコインロッカーや軽食コーナーもありますので、登山に必要のない荷物はロッカーに入れたり、バスまでの時間にコーヒーを飲みながら待つこともできます。
構内には自販機もたくさんあります。
市価よりは少し高めのお値段ですが、三斗小屋温泉まで行ってから飲み物を買うと、ここよりもさらに高いので、必要なぶんはここで買っていったほうがいいでしょう。
さて、トイレをお借りし、身支度を整えたら出発です。
】歩き始める前に、バス停で時刻表の写真を撮り、帰りのバス時刻のメモ代わりにします。
時刻表は、普段ならネットでも調べられるのですが、三斗小屋温泉には携帯の電波が皆無なので、オフラインでも見れる時刻表があったほうが便利なのです。
まずは峰の茶屋に向かって登山開始
では、出発します!
山に向かって右手にある登山道から登っていきます。
よく整備された登山道です。
数分歩くと駐車場の側に出て「峠の茶屋」なるお茶屋さんがありますす。
下山後のかき氷はおいしいだろうなあ……。
峠の茶屋を過ぎると鳥居があり、ここからいよいよ本格的な登山道の始まりです!
既に残雪も見えますね。ちなみに時期としては4月20日前後です。
よく整備された登山道を歩いていきます。
しばらくすると、まだがっつりと雪が残る登山道に出ました。
でも上りだし、滑ることもないから特にアイゼンとかはいらなそうだな。
ちなみに、宿に予約の電話をかけたときに
「まだ登山道に雪がありますので、軽アイゼンをお持ちくださいね」
と教えていただいていました。電話予約しかなくて不便と言えば不便ですが、登山道の状況なんかを教えていただけるのは良いですよね。(宿泊日よりかなり前に予約した場合は、あまり意味ないかもですが)
しばらく雪の斜面を登っていくと……。
やがて開けた日当たりのいい場所に出て、雪もなくなります。
かつてはここに「中の茶屋」というお茶屋さんがあったんですね。
「峰の茶屋」と「峠の茶屋」の中間地点です。
向こうに小さく見えるのが峰の茶屋。
峰の茶屋に向かって歩いていくと、右手に、朝日岳に向かう登山道が見えます。
あそこのトラバース、雪があるときはこわそうだなって見る度思うんだけど、実際どんな感じなんだろうなあ。雪がない時期しかあっちの方向には行ったことないのよね。
などと考えつつ歩いていると、峰の茶屋に向かう登山道にも最後に、ゆるやかではありますが、雪のトラバース道がありました。
まあでも、こんな感じですのでここも、特にアイゼンとかはいりません。
峰の茶屋につきました。
「茶屋」とは言っても、現在はお茶屋さんが営業しているわけではなく、避難小屋です。
また、このあたり実はかなりの強風地帯!
この日は、かつてないぐらい風が穏やかで、峰の茶屋周辺もほとんど風がなかったのですが、実はそんな日はかなりレアで。
下界ではほとんど風がなかったのに、峰の茶屋周辺だけは強風が吹き荒れている!ということのほうが多いのです。風が強すぎて思わず避難小屋に逃げこんでしまうような日もありましたね。。。
この日は本当に風も穏やかでした。
登山口から峰の茶屋まで約1時間登ってきましたが、ここから三斗小屋温泉まではここから1時間弱、下っていきますよ。
峰の茶屋から三斗小屋温泉へ
峰の茶屋の裏側にある登山道が、三斗小屋温泉に続く登山道です。
まずは赤土のトラバース道から始まります。最初、トレースが薄いので「この道で大丈夫なのかな?」と不安になりますが……。
しばらく下っていくと↓こういう、樹木について書かれた看板があるので「あ、この道で合ってた!」とわかります。
この看板の先の登山道は、わりと明瞭ですね。
しばらく下っていくとまた、雪が現れました。
今度は下り坂ですし、傾斜もけっこう急なのでずるずるーっと滑っていきそうになります。というわけでここでチェーンスパイクをつけました。
「ところどころに雪や凍結が残っている」シチュエーションでは、チェーンスパイクが1番役に立つなと、個人的には思います。本格的な夏山シーズンが始まるまでは一応、お守りでいつも持ってる。。。
まっすぐ正面に見える山と山の間の鞍部が峰の茶屋です。
あそこからここまで、15分ぐらいで下りてきました。
このあたりに「那須岳避難小屋」があります。
峰の茶屋周辺は風が強いことが多いので、ここまで下りてきて昼食休憩を取っている方もいますね。ちなみに、ここまで来るともう、携帯の電波はまったくありません。
三斗小屋温泉に着いてもありませんので、電波はないものと覚悟しておいたほうがいいです。峰の茶屋までは電波が入りますので、連絡や調べ物などがある場合は峰の茶屋で済ませておきましょう。
避難小屋から先はまた少しの間雪がない、日当たりの良い道を歩きます。
しばらくするとまた雪が現れるのですが。
ここ「通行止め」の看板と柵があって、柵の右上方向に上っていくのが正しいのですけど、柵がなかったらうっかりまっすぐ行ってしまいそうだなと思いました。
「延命水」なる水場まで来たら、三斗小屋温泉までは残り20分ほどです。
コップも置いてあり、水が飲めるようになっています。
水場の少し先には「沼原分岐」という分岐点があります。沼原湿原の方向に向かう登山道との分岐点です。
この時期はまだ、湿原歩きをする人もいないのでしょう。沼原方向にはトレースはついていませんでした。
分岐から15分ぐらい、雪がついた道を歩いていくと……。
テントが数張り張られています。
三斗小屋温泉に到着です!
手前の建物が煙草屋旅館、奥の建物が大黒屋旅館です。
ちなみに、テントは4張りしか張るスペースがないため、テント泊をする際も煙草屋旅館さんにあらかじめ予約しておく必要があるそうです。
では、チェーンスパイクをはずして煙草屋旅館さんにチェックインしたいと思います。
このとき、14時少し前でした。
煙草屋旅館にチェックイン!
煙草屋旅館さんのホームページを見ると、チェックインは13時から可能とのこと。遅くとも16時ぐらいまでには来てくださいね、とありました。
橋を渡って右に曲がったところが、煙草屋旅館さんの玄関口です。
こちら。
玄関から中に入って予約の名前を告げると、靴を脱いで靴置き場に置いてくるように言われます。
煙草屋旅館さんの中は、スリッパ履きなんですね。
靴は靴置き場へ。
その後、住所や明日のルートなどの必要事項を書いて料金を支払います。
煙草屋旅館さんの宿泊料金は1泊2食付き9000円です。
ホームページを見ると、素泊まりの料金設定はないようです。館内に自炊のできるようなスペースもないようでしたので、基本的には全員2食付きということなんでしょうね。
朝食をお弁当に変更することも可能だそうですが、ホームページを見ると一応「要予約」ということでしたので、早朝に出発する予定の方は、予約時にそのように伝えておいたほうが良さそうです。また、昼食用の弁当も別料金で用意できるそうですが、こちらも要予約とのことでした。
【部屋】★★★ 混雑時期以外は1人でも個室利用
客室は、建物の2階にありました。
扉は襖ですので、鍵はかかりません。
今回宿泊したお部屋はこちら。角部屋なので日当たりが良いです!
襖を挟んだ向こう側は別の方が泊まっているお部屋です。宿の方がおっしゃるには
「お隣も女性1人のお客様なので気楽になさってください」
とのこと。
たしかに、1人客は確実に静かなので、1人客同士を一角に固めていただけるのはありがたいですね・笑
ちなみに、食事の時間になって判明したのですが、この日は女性の1人客が私ともう1人で合計2人。男性の1人客も2人で、合計4名の1人客が泊まっていました。
布団は、部屋の隅にまとめて置いてありました。
噂には聞いていましたが、煙草屋旅館さんの寝具にはシーツがありません。
でも、この日はシーズン最初の営業日でしたので、さすがに寝具はきれいです!
山小屋ではシーツや枕カバーのないところもけっこうあるので、不快な思いをなるべくしなくてすむように、実は私は山小屋宿泊用のシルクのシーツも持っています。。。
これです。
けっこういいお値段はするのですが、軽量コンパクトでめちゃくちゃ肌触りが良く、あまり快適でない布団でも安眠できそうな(気がする)シーツなのです。
まあでも、この日は寝具もきれいでしたので、特に必要ありませんでした。
ちなみに、大黒屋旅館の個室には「シーツ」「お茶セット」「お湯の入ったポット」が用意されており、部屋にコタツもありましたので、お部屋の快適度としては大黒屋さんのほうがだいぶ高いですね。
また、これは大黒屋さんも煙草屋さんも同じですが、携帯の電波は、3キャリア共まったくありません。最近はかなりの山奥でも電波があることが多いですし、三斗小屋温泉は登山口から2時間しか離れていないので、電波あるんじゃない?と思われてしまうかもしれませんが、ありません!
というわけで、暇だったので、ザックの中身をあけて写真を撮影したりしていました。その写真をもとに書いた記事がこちらです。
部屋の天井には蛍光灯の電灯がついています。
夜9時の消灯時間になると自動的に消えますが、それまでは部屋の中は普通に明るいです。ただ、室内にコンセントなどは特にありません。
室内には、入浴時間や食事の時間についての説明書きが貼ってありました。
食事の時間は、ここには「16時半から」と書いてありましたが、この日は「17時15分ごろから」とチェックイン時に説明がありました。
露天風呂の女性専用時間が15時から17時までなので、女性が17時ギリギリまで露天風呂を満喫できるよう、気遣っていただいているのかもしれませんね。
部屋でお酒を飲んでもOKなので(というか食事をいただく広間は開放していなかったし、部屋以外飲める場所がない気がする)風呂上がりには持参した缶詰をつまみに、お部屋でのんびり缶ビールなどいただいていました。
お客さんがいなかった他の部屋を除いてみたのですが、広さが違うだけで、設備などはどの部屋も同じようでしたね。
部屋と部屋の間の仕切りは襖なので、団体で泊まるときは開け放して大部屋として利用しているようです。
煙草屋旅館のトイレ・洗面所
トイレや洗面所は1階にあります。
洗面所は、女性用の内風呂の前にありました。
お水が出る蛇口と、洗面器が置いてあります。
トイレは洗面所の隣にあり、男女共同です。
山小屋のトイレにしては、ぜんぜんきれいな部類のトイレだと思います。お水が豊富だからですね。全部の個室を開けてみたわけではないですが、たぶん和式だけだったように思います。
【風呂】★★★★☆ 露天風呂は噂通りの絶景!女子は早くチェックインして満喫すべし
では、お部屋で一休みしたところで、15時からは露天風呂の女性専用時間が始まりますのでお風呂に行ってきますよ!
「旅館じゃないからタオルはないだろう」と思っていたのですが、チェックイン時にタオルをいただきました。
しかも、うやうやしくのしがついていました。ありがたく使わせていただきます。
煙草屋の露天風呂:女性専用時間(15時~17時)に利用
煙草屋旅館さんと言えば、なんと言っても絶景の露天風呂が有名です。
「煙草屋と大黒屋なら煙草屋を選ぶ」という方の多くが「だって煙草屋には露天風呂があるから」とおっしゃいますし、やはりここは、入っておかなくてはね。
露天風呂は基本的には滞在中、深夜でも早朝でもいつでも入ってOKなのですが、ただし混浴で、水着やタオル巻きもNGです。なので女性は、15時から17時までの女性専用時間に入るのが現実的でしょうね。
私も、15時になって早々に露天風呂へ!
渡り廊下でスリッパからサンダルに履き替えます。
別館の手前で左に曲がると、露天風呂に続く道が見えます。
登っていくと見える建物は、脱衣所です。
着きました!おおー、良い感じ!
でも、これだけ見ると池みたいですけどね・笑
石造りの浴槽の中に満たされているのは新鮮な源泉です。
脱衣所で服を脱ぎます。
「水着での入浴はご遠慮ください」と書いてありました。
広く、開放的な露天風呂。。。もし、水着で入れたら混浴天国なんですけどねー。
水着もタオル巻きもNGということであれば、女性専用時間に入る以外ありません。
浴槽の中には敷居があり、奥に見える小さいほうが湯温は熱め。
というのも、お湯はいったん小さいほうの浴槽に注ぎこまれ、敷居を超えたぶんが大きいほうに流れ込んでくる仕組みだからです。
ざばざばと、けっこうな勢いで、源泉が注ぎ込まれています。
小さい浴槽のほうが、お湯は熱いけれどお湯の新鮮さは上です。
熱いと言っても入れないほどではないので、少しそちらにも使ってみました……が、西日が眩しくてあまり長くはつかっていられませんでした。
大きいほうの浴槽の端のほうは、お湯もややぬるめ、かつ脱衣所の影になるので、のんびりと入ることができました。ほんのりと硫黄の香る、とても良いお湯です。
4月中旬のまだ周囲に雪も残る季節ですから、刺すような虫もほぼいません。
しかもこの日は温かく、風もなく、湯船に浸かってのぼせそうになったら、浴槽のふちに腰掛けて裸で休んでいてもまったく寒くありません。なんて素晴らしいコンディションなんでしょう。
露天風呂で居合わせた方で、1年前の同時期、小屋開けの週末に煙草屋旅館に泊まったという方がいたのですが、そのときは風も強く、露天風呂の周りにはたくさん雪が残っていてお湯も今日よりずっと温く、一度お湯に浸かったら寒くて出れないような状態だったとのこと。
「今年は雪も少なくて、去年とぜんぜん違う」とその方もおっしゃっていましたので、やはり今年はこれ以上ない絶好のコンディションだったのでしょうね。
雪の残る山並みを眺めながらたっぷりと長湯して、部屋に戻ってビールを一杯いただきました。
やっぱり風呂上がりのビールは最高です!
煙草屋の女湯:午前8時まで入れる内湯は、コンパクトだが落ち着ける
次に、内湯の女湯をご紹介したいと思います。洗面所の奥ののれんをくぐって扉を開けると、脱衣所です。
棚に脱衣カゴが3つ。
中は1.5畳ほどのコンパクトな浴槽が1つ。
カランも特にないので浴槽内のお湯をくんで体を洗います。もちろん、石けんなどの使用は不可です。
壁についている湯口からお湯が絶え間なく流れてきます。
露天風呂と内湯では泉質が異なるようで、内湯のお湯は硫黄の香りはしません。
でも、とろみを感じさせるようないいお湯です。お湯の温度も熱めの適温。
それほど癖の強いお湯ではありませんが、浴槽の石には温泉成分がこびりついており、お湯の成分の濃さをうかがわせました。
狭いので、他の人がいたらまったくのんびりできないですけど、1人でつかるなら最高です。
女湯は「露天風呂の女性専用時間」の間はぜんぜん混まないので、その時間帯を狙って入ったほうが良いと思います。2時間ありますから、ずっと露天に入っているわけではないと思いますし。
あるいは、朝8時まで入れるので、早朝も良いかもしれないですね。
煙草屋の混浴の内風呂:広い内風呂も女性専用時間に
煙草屋の館内にはもう1つ、広めの内湯があり、こちらも「混浴」ということになっています。こちらの浴室は、夜8時30分から朝5時までは入ることができません。
しかし、脱衣所も1つで、タオル巻きもNGなので事実上男湯ですね。
こちらの内湯は、午後6時から7時の間が女性専用時間となっていますので、その間に入りました。
こちらの脱衣所には温泉分析書も貼ってありました。
ph6.4の弱酸性、自然湧出の源泉です。
こちらの浴室は、板張りで広く、女湯に比べて浴槽に深さもあります。
こちらの浴室にも特に、洗い場のようなものはありませんでした。
窓が大きいので、外から風も入ってきて、良い気分で湯浴みが楽しめました。
露天、混浴の内湯、女湯と、どれもすばらしかったです。
☆を半分だけ減らしたのは
「どうせ混浴なんて無理なんだから、いっそ男性時間女性時間できっちり分けてくれたほうがいいのに」
という、女子視点での希望ですかね……。そういう意味では、大黒屋さんは完全に男女平等だったので良かったかもしれません。
【食事】★★★☆ 山小屋のご飯と思えばかなり良いほう
煙草屋旅館では、食事は2食とも1階の広間でいただきます。
チェックインの際に、食事の用意ができたら太鼓が鳴らされるのが合図です。と説明され……「太鼓??」と思ったのですが、本当に太鼓が鳴りました・笑
説明しがたいので、ぜひ行って聞いてみていただきたいです。太鼓。
煙草屋の夕食:メインは生姜焼き
夕食は17時15分から。太鼓の音が聞こえたら食堂に向かいます。
お酒は日本酒や缶ビールなどありますので、缶ビールを買ってお膳につきます。
既にお膳は並べられた状態でした。名前を言うと、場所を指定されます。
一人泊の人たちのお膳はこんな感じで、互い違いに並べられていました。
グループの人はゆっくりお酒を飲んでいたりするのですけど、一人の人は、ササッと食べて部屋に戻る方が多いですね。私もですが。。。
ご飯だけ、自分が食べれる量を自分でよそいます。
メインは豚の生姜焼き。それにパスタサラダ、オレンジ。鮎の甘露煮。
刺身こんにゃく、おでん、漬けもの、ご飯とお味噌汁。
旅館の食事と思うとやや寂しいですが、山小屋と思えばかなりいいほうだと思います。ボリュームもしっかりあるし。
大黒屋さんと煙草屋さんを比較するとき「露天風呂がある煙草屋、食事がおいしい大黒屋」と言われたりしますけど、個人的には食事の内容はそんなに変わらないかな、と思いました。
大黒屋さんのほうは部屋にお膳を運んでくれて、ゆっくりいただけるというのはありますけど、食事自体は煙草屋さんも、別に悪くはなかったですよ。
煙草屋の朝食
朝食は6時30分ごろから。やはり太鼓の合図で、夕食と同じ広間に向かいます。
早朝に出発されたグループもいたようで、夕食よりお膳の数は少し少なかったです。
朝食はこちら。
ソーセージ、かまぼこ、温泉卵、味付けのり、漬けもの、ご飯とお味噌汁。
これもまあ、山小屋としては平均的な朝食でしょう。温泉卵の出る山小屋はそんなに多くないのでうれしかったですね。温泉だものね。
帰りは那須岳を経由してロープウェイで下りる
朝食を食べた後、7時過ぎにチェックアウト。
と言っても、料金は先払いですので部屋を軽く片付けて「お世話になりました!」と声をかけて出てくるだけですが。
ホームページを見ると「チェックアウトは9時までに」とあります。山小屋だとみんな早朝に出てしまうので、逆に、そんなにのんびりしていてもいいんだ!と思ってしまいました。
午前7時過ぎにチェックアウトし、茶臼岳山頂に向かう
朝のひんやりとした空気の中を、昨日下ってきた道を登っていきます。
昨日歩いた道ですので、そんな驚きもないのですが。
避難小屋を通過し……。
稜線が見えました。
8時過ぎには峰の茶屋の稜線まで戻ってきました。
今日も絶好の天気ですね!
風もなく、空が青いです。
では、峰の茶屋の向こうに見える茶臼岳に登りたいと思います。
岩がゴツゴツしている山ですが、道はよく整備されているので危険なところは特にありません。
ほんのちょっとの労力で、こんな景色が見れるってすばらしいなー。
あのあたりが山頂ですね。
来た来た! 鳥居をくぐれば山頂です。
山頂碑を撮影していたら記念写真を頼まれたので、私も一応撮っていただく。
もう何度も登っている山ではあるのですが。。。
それにしても、山頂も風もないし暖かいです。
まだ時間も早いし、お水も余っているから山頂コーヒーでもしようかな。
というわけで、珍しく山頂でお湯を湧かして、ドリップパックでコーヒーを淹れました。
絶景を眺めながらいただくコーヒー、おいしいです。
コーヒーを飲み終えたら、山頂の火口周辺をぐるっと回って下山します。
いわゆるお鉢巡りというやつですね。
お釜口という分岐点まで来たら、ロープウェイの山頂駅方向に下山します。
登ってくる人たちとすれ違いますが、特に危険な箇所はありませんので、初心者の方でも慎重に歩けば大丈夫な山です。天気が良ければね。。。
途中からは素晴らしい景色の中を下っていきます。
すばらしい景色なんですが、以前友人と一緒に登ったときは、友人がこの光景になぜか恐怖を感じてしまい、足がすくんでしまって大変でした。。。
まあ、それはそれで良い思い出ですが、高所恐怖症の方は注意したほうが良いかもしれませんね。。。
山頂駅まで着いたら、帰りはロープウェイに乗って下りちゃいます。 片道950円です。
そして、バスの時間まで山麓駅でコーヒーをいただきつつまったり。
素晴らしい山旅を振り返っているうちに、バスが来ました。
那須塩原駅行きのバスですが、せっかく2日間有効のフリーパスを買ったんですもの。途中の那須湯本で下車して一風呂浴びていきますよ!
三斗小屋温泉と言うと「煙草屋と大黒屋どっちがおすすめ?」という話に絶対なるのですが、2軒とも行ってみて「正直どっちも良かった!」というのが本音ですね・笑
どちらもおすすめですけど、特色の異なる宿ですので好みで選ぶしかないんじゃないかなと。あと、天気がいまいちの日だと露天風呂が売りの煙草屋さんは魅力がやや薄れるかもしれないので、天気に不安があるときは大黒屋さんのほうがよいかもしれないですね。どちらの宿も、またいつか訪れたい、お気に入りの宿になりました。