おいしい信州蕎麦をいただけるお店がこんな駅近にある幸せ
中央線特急あずさ号の始発駅であり、上高地や乗鞍高原に向かうバスが出る街でもある松本は、北アルプスの玄関口として公共交通機関利用の登山者には特に馴染み深い街です。
電車やバスの時間の都合上、下山後に食事をしそびれてしまうことがちょいちょいあるのですが、そんなときは松本駅周辺で食事と一杯いただきながら、一息つくことも多いのですよね。
松本は、駅から徒歩圏内に比較的飲食店が多い街だと思うのですが、登山で疲れ果てて大きな荷物を持った状態で松本に着くと「もう1歩も駅の外に出たくない!でもお腹空いた!」ということもあります。
そんなときは、駅ビルの1階にあって本格的な信州蕎麦とつまみをいただける、しかもお酒のメニューも豊富な「榑木野(くれきの) 駅舎店」に立ち寄ることが多いのです。
駅近でおいしく、提供スピードも早いという隙のない店だと思います。燕岳に登った後も、穂高駅から大糸線で松本まで来て、松本駅で榑木野さんに立ち寄りましたので、レポートしてみたいと思います。
【追記】2019年8月の再訪時のレポートを追記しました!
有名店「みよ田」も松本にはあるが、正直休日は混みすぎだと思う
食べログで「松本駅 蕎麦」で検索すると、ランキング1位になることが多いのは「みよ田 松本店」というお蕎麦屋さんです。
何度か行ったことがあるのですが、駅から徒歩5分ほどの場所にあって十分徒歩圏内ですし、店内は落ち着いた内装で、昼からいただけるつまみの種類も多い。もちろん蕎麦もおいしいという、1位になるのも納得のお店です。
松本のみよ田についてはブログには書いていませんが、長野駅ビル内のみよ田については記事も書いています。
ただ、食べログランキング1位の影響かわかりませんが、最近土日のランチタイムは早めの時間から店の前に列ができていることも多くてですね。しかも、みよ田さんは通し営業ではなくてお昼は15時でいったん店を閉めてしまうので、時間が合わないことも多いのです。山帰りに松本に立ち寄るのってわりと15時ごろの中途半端な時間帯だったりするのでね……。
そんなとき、覚えておくと幸せになれる店が、今回ご紹介する榑木野さんです。
松本駅ビル1階にある榑木野は、通し営業だしそこまで混んでない
榑木野 駅舎店は「駅舎店」の名の通り駅ビルの1階にあります。
松本駅の改札を出て「お城口」なる、松本城方向の出口を出て右に曲がり、徒歩30秒というところでしょうか。
街の中を歩くのであれば、重たい登山用リュックはコインロッカーに預けたいところですが、この近さなら背負ったままでも気になりません。
正面から見るとこんな感じ。のれんには「本格手打ちそば」の文字があり、向かって左に見えるガラス張りのスペースでは、蕎麦を打つ人の姿が見れることもあります。お蕎麦はちゃんと店内で手打ちしているお店なのです。
中に入り「1人です」と告げると、店の中央にある10人掛けの大テーブルに案内されます。1人客は大テーブルをカウンター席のように使う方式ですね。
店内には、大テーブルのほかに4人掛けのテーブル席が7卓あります。
ホールの店員さんが少ないときなど、店内への案内は少し待たされることもあります。
ですが、料理の提供はいつも早めなので、席に座れれば大丈夫です。入店時に待たされることがあっても、私は辛抱して待ちます。
営業時間と定休日
榑木野駅舎店の営業時間は、朝7時30分から夜21時(20時45分ラストオーダー)と、駅ビルの蕎麦屋さんらしく通し営業かつ、長めです。定休日はなく、年中無休で営業しています。
実は、 松本駅の駅ビルの1階、榑木野さんの並びには小木曽製粉所 松本駅前店という立ち食い蕎麦屋もあるのですが、こちらは午前11時から20時までの営業で榑木野さんのほうが営業時間は長めです。小木曽製粉所もファンの多い蕎麦屋さんではあるのですが、登山後は座ってゆっくり食べ&飲みたいということもあり、私はたいてい榑木野さんのほうに立ち寄っていますね。
榑木野 駅舎店のメニュー
では、無事に席に着けたところでメニューを眺めてみたいと思います。
「石臼挽き 純 手打ち蕎麦」の文字が眩しいですね。
まずは冷たい蕎麦と温かい蕎麦です。
基本的なラインナップではありますが「活穴子天ざるそば(かけそば)」や「舞茸天ざるそば(かけそば)」は気になりますね~。
一品料理がそこそこ揃っていて、蕎麦の前に飲めるのもこのお店のいいところ!
揚げ出し豆腐、揚げもち、豚の角煮、牛すじ煮込み、肉じゃが、いなり寿司……。
おそらく季節限定だと思いますが「わさびの花」の天ぷらやおひたしが店舗限定メニューとして出ていました。わさびって、花も辛味があるのでしょうかね……?
こちらはおすすめのお酒と、おすすめの「スティックメンチカツ」のメニューです。
蕎麦屋のおすすめが「メンチカツ」って珍しいですね。長野県産豚肉100%使用の、店舗限定商品とのこと。
こちらは飲み物とお土産メニュー。
ビール、日本酒、焼酎、ソフトドリンクに「安曇野りんごジュース」と「信州ぶどうジュース」があるのが信州らしくて良いですね。
お酒、特に地酒のメニューはまだまだあります。
「夜明け前」「大雪渓」などの信州の地酒と、信州で作られているワインや焼酎のメニューが別途ありました。
そして、メンチカツに続いてちょっと謎な、かにクリームコロッケとサラダ。
デザートにはそば茶アイスとそば茶プリンがあるようです。
そして、ずらりと並ぶこちらのメニューは、すべて1本550円で飲める1合瓶のラインナップです。
全部で33種あります。
「いろんな蔵元のお酒を」「いつでも開けたてで」味わいたいとの声に応えて、一合瓶での提供になったとのこと。一合瓶の種類が多いのは、一人飲み的にみありがたいですね。
どのお酒を注文するかで迷ったら、サイコロで決められるそうです・笑
一合瓶は、こんな感じで店内にずらりと並んでいました。冷酒ではなく、常温保存のようでしたね。
あとはテーブルの上に、安曇野の地酒「福源」と、「みやさか」の紹介がありました。
さて、何をいただきましょうか。
榑木野 駅舎店でいただいたもの
榑木野さんには何度か伺っていますので、これまでいただいたものをご紹介したいと思います。
メンチカツと角煮で日本酒を!
まずは日本酒を!冷酒でいただきたかったので、一合瓶ではなく「大信州純米吟醸」を一合いただきました。
お通しは切り干し大根と野沢菜漬け。
信州に来て野沢菜漬けがお通しで出てくるとうれしくなりますね♪
お酒は、旨みは強いけれどすっきりといただけるお味。おいしい。
つまみは……気になっていたスティックメンチカツを注文してしまいました。350円です。
揚げたてをソースにつけていただきます!
サックリ揚がっていて、中のひき肉はジューシィ。
日本酒にも案外合いました。
そして豚の角煮!
しかし、蕎麦屋だというのに肉ばかりオーダーしていますね……下山後で、たんぱく質を欲していたのでしょうか。
箸でつまむとほろりとくずれる柔らかさ。
脂の量もほどよく、味付けも濃すぎず、上品なお味でおいしかったです!
最後はざる蕎麦をいただいて〆!
蕎麦は香りも良く、水切りもしっかりされているし、歯ごたえがあって瑞々しい。
甘みの少ないつゆもこの蕎麦によく合っていました。ごちそうさまでした!
蕎麦刺しと蕎麦味噌と天ぷら蕎麦で日本酒を!
また別の日にいただいたものもご紹介しますね。お酒は夜明け前の純米吟醸。すっきりとした飲み口。
お通しはきゅうりの漬けものと、きぬさやのマヨネーズ和え。
このときオーダーしたおつまみは蕎麦づくしでした。
左が「そば刺し」で、右が「そば味噌焼き」
そば刺しは、名物らしいので一度食べてみたかったのですけど、打ち立ての蕎麦を平べったくのばして切り、お醤油につけていただくというもの。
蕎麦本来の味がわかっておもしろかったけれど「おいしいおいしい」と言って食べるものではないような気もしました・笑
蕎麦味噌は、わりと塩気が強い味噌で、おいしいし飲めるけど、1人でこの量をいただくのはちょっと苦しかったかも。
最後は気になっていた「活け穴子天ぷら蕎麦」で。
穴子の天ぷらはかなり大きく、揚げ方もさっくりとしていてお上手。
ナス、かぼちゃ、ピーマンなど野菜の天ぷらもついていてお得感ありました。
蕎麦も、もちろんおいしかったですよ。
【2019年8月追記】夏野菜天、揚げ出し豆腐でうすにごりの地酒を!
2019年のお盆休みの夜、ちょっとひさびさに榑木野さんに立ち寄りました。
時刻は夜20時30分。翌日の朝、松本を出るバスに乗るための前泊なのであまり深酒はできません。松本にはおいしいお店もたくさんありますが、これから一人で入れるお店を探すのも面倒だなあという気分。
サクッと1杯飲んでご飯を食べれればいいやという感じで、こういう用途にこちらのお店はぴったりです。
榑木野駅舎店のラストオーダーは20時40分で21時閉店です。このときは20時20分ぐらいでラストオーダー間際でした。1人客は中央の大テーブルに通されることが多いのですが、もうグループのお客さんは来ないだろうと見越してか、4人掛けのテーブル席に案内されます。
さて、深酒はできないけど何か1杯ぐらいはいただきたいところ。
季節メニューとして「真澄 純米吟醸うすにごり」がありました。
こちら、春の限定酒ですよね。メニューのイラストも春っぽいですし。まだギリギリ残っていた、というところか。
以前別のところで飲んでおいしかった記憶があったので、少し季節はずれではありますがこちらをオーダーすることに。
食事はどうしようかな。
夏野菜天ざる!これはいいですね。よし、これとあと、つまみを何かいただこう。
あとは、以前と変わったところとしては松本ブルワリーの瓶ビールが2種類、注文できるようになっていました。風林火山でもオーダーできたし、取り扱い店舗が増えているようですね。
真澄の純米吟醸うすにごり、とお通し。
白菜の浅漬けとマヨネーズ味のごぼうサラダ。
ちょうど良いうすにごり。いただきます!
ほんのり甘い香りがしますが、すっきりとした味わいでわりと味の濃い料理や油物に合いそうなお味なんです。好き。
というわけで、定番のおつまみメニューから揚げ出し豆腐、360円を。
しっかりとボリュームがあり、出汁がよくしみています。日本酒に合っておいしい。
揚げ出しをつまみに飲んでいると、夏野菜天ざるが来ました。
有頭海老もつけました。たんぱく質がほしくて・笑
かぼちゃ、オクラ、なす、とうもろこし、大葉、インゲン。
抹茶塩と天つゆが両方ついているのがうれしいですね。ネタによって「これは塩のほうがおいしいよなあ」というような、好みがあるので。
海老は、頭を取ると小さくはなりましたが、カラリとおいしく揚がっていました。
塩をつけていただくと日本酒のつまみに良いです。
お酒がなくなったところで蕎麦を。今日は1杯でやめておきます。
ざる蕎麦。海苔がたっぷりのっているのがうれしいですね。お蕎麦のお味はいつもどおりです。
今回もサクッと飲み食いできて満足でした!ごちそうさまでした。
【再訪したい度】★★★★☆ 使い勝手と味のバランスがとても良いお店
信州と言えば蕎麦を思い浮かべる方も多いと思いますが、地元の方は車で移動するのが当たり前の土地なので、案外、駅徒歩圏内にはおいしいお店が少なかったりするのですよね……。それもあって、松本のみよ田さんはあんなに混んでいるのでしょう。
榑木野さんは、みよ田さんに比べると高級感はなく、大衆的な蕎麦屋という感じではありますが、お蕎麦は十分においしいし、つまみも大衆的ながらお酒が進む良い蕎麦前が多いです。
駅ビルの1階という立地でこれだけの味を提供してくれるなら文句ないよなあということで、松本駅前でささっと一杯いただきたいときには、良い選択肢になるのではないかなと思います。私もまた伺いたいです。